JP2000100472A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP2000100472A
JP2000100472A JP10272648A JP27264898A JP2000100472A JP 2000100472 A JP2000100472 A JP 2000100472A JP 10272648 A JP10272648 A JP 10272648A JP 27264898 A JP27264898 A JP 27264898A JP 2000100472 A JP2000100472 A JP 2000100472A
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graphite
negative electrode
secondary battery
electrolyte secondary
phosphate
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JP10272648A
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Naoki Shinoda
直樹 篠田
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初回充放電容量が高く、かつ負荷特性が優れ
た非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 黒鉛を活物質とする負極、正極および非
水溶媒系の電解液を有する非水電解液二次電池におい
て、上記負極活物質の黒鉛として、繊維状、球状または
アスペクト比が5以下のものを用い、かつ電解液中に体
積比で30%以上のリン酸エステルと、体積比で2%以
上30%以下の環状カーボネートまたはカーボネート多
量体の少なくとも1種とを含有させる。上記電解液中の
リン酸エステルの割合が体積比で70%以上である場合
は、上記リン酸エステルとして環状リン酸エステルと鎖
状リン酸エステルとを用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、さらに詳しくは、初回充放電効率が高く、か
つ負荷特性が優れた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池に代表される非水電解
液二次電池は、高容量で、かつ高電圧、高エネルギー密
度であることから、その発展に対して大きな期待が寄せ
られている。
【0003】この非水電解液二次電池では、負極活物質
としてリチウムまたはリチウム合金が用いられてきた
が、これらの負極活物質による場合、高容量化を期待で
きるものの、充電時のリチウムのデンドライト成長によ
り内部短絡を起こしやすく、そのため、電池性能が低下
したり、安全性に欠けるという問題があった。
【0004】そこで、リチウムやリチウム合金に代え
て、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能
な炭素材料を負極活物質として用いることが提案されて
おり、これらの炭素材料の中でも特に黒鉛は結晶性が高
く、多量のリチウムイオンをドープ・脱ドープすること
ができるので、高容量化が可能であることから、負極活
物質としての利用に向けて盛んに研究が行われている
(特開平8−83609号公報、特開平8−31582
0号公報、特開平9−35752号公報、特開平10−
140425号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な非水電解液二次電池では、電解液の構成溶媒として有
機溶媒を使用するため、引火・発火の危険性がないこと
が要求され、そのような要求に応えるべく、保護回路な
どを設け、それによって、過充電を防止して内部短絡が
生じないようにするなどの対策が採られ、また、一般の
内部短絡では電池が発熱するだけで安全性にまでは問題
が発展しないように対策が採られている。
【0006】しかしながら、高容量化が期待できる活物
質を用いて高容量化を図った場合やユーザーから要求さ
れる仕様によっては、電池の構成を充分に工夫しておか
ないと、故意の異常使用を想定した苛酷な条件下での安
全性確認試験である圧壊試験や釘刺し試験をした場合
に、安全性が低下する傾向があることが判明した。この
ような圧壊試験や釘刺し試験は、電池が故意あるいは何
らかの事故などにより破壊された場合を想定したもので
あって、通常の使用条件下では起こり得ないものである
が、電池をこのような圧壊試験や釘刺し試験時において
も引火や発火の危険性のない安全性の高いものにしてお
くことが望ましい。特に黒鉛は、リチウムを多量に包摂
できるので高容量化に適しているものの、短絡すると瞬
時に膨大な電流が流れ、そのジュール熱により急激に発
熱して高温に達するため、異常使用時の引火や発火の危
険性が高いという問題があった。
【0007】上記の問題を解決するために、電解液に難
燃性の溶媒を用いることが試みられていて、その一例と
して電解液溶媒にリン酸エステルを用いることが提案さ
れている(特開平4−184870号公報など)。
【0008】しかしながら、黒鉛を活物質とする負極と
リン酸エステル系の電解液を組み合わせた非水電解液二
次電池では、化成時や加熱時に従来の電解液より多量の
ガスを発生するため、通常使用中にも電流遮断機構が作
動する場合があり、また、初回充放電効率や負荷特性が
低下するという問題があった。また、負荷特性を改善す
るために、環状カーボネートなどを併用することも提案
されているが、環状カーボネートなどを使用すると、ガ
ス発生がさらに顕著になり、しかも電解液中に不純物が
生成するという問題があった。
【0009】本発明は、上記のような高容量化を図った
場合の異常使用によって生じる安全性面での問題点を解
決し、高容量化が期待できる黒鉛を負極活物質として用
いた場合でも引火・発火の危険性を低減し、高容量で、
かつ安全性の高い非水電解液二次電池であって、初回充
放電効率が高く、かつ負荷特性が優れた非水電解液二次
電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、負極活物質と
して、繊維状、球状またはアスペクト比が5以下の黒鉛
を用い、かつ電解液中に体積比で30%以上のリン酸エ
ステルと、体積比で2%以上30%以下の環状カーボネ
ートまたはカーボネート多量体の少なくとも1種とを含
有させることにより、高容量の黒鉛を用いているにもか
かわらず、安全性が高く、しかもリン酸エステルを含有
する電解液中でも黒鉛の充放電を可能にし、初回充放電
効率が高く、かつ負荷特性が優れた非水電解液二次電池
が得られることを見出したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】また、本発明では、上記リン酸エ
ステルを電解液中に体積比で70%以上用いる場合に、
環状リン酸エステルと鎖状リン酸エステルを併用するこ
とを好ましい態様としている。
【0012】本発明においては、上記のように、繊維
状、球状またはアスペクト比が5以下の形状を有する黒
鉛を負極活物質として用いるが、本発明において、上記
のような形状の黒鉛を用いることにより、電解液にリン
酸エステルを用いた場合でも、ガス発生を抑制して、初
回充放電効率を高くできる理由は、現在のところ必ずし
も明確ではないが、次のように考えられる。
【0013】すなわち、従来から問題とされている負極
活物質として黒鉛を用い、電解液にリン酸エステルを含
有した場合に化成時や加熱時にガスが発生するのは、充
電時にリチウムイオンが黒鉛にドープするより先に、黒
鉛上でリン酸エステルの分解反応が生じ、この分解反応
によってガスが発生するためであると考えられる。そし
て、本発明者らの検討によれば、この分解反応は特に黒
鉛のベーサル面(炭素六角網面)で主として生じるもの
と考えられる。そこで、このベーサル面の比率の低い形
状の黒鉛を用いることにより、リン酸エステルの分解を
軽減でき、分解ガスの発生による内圧上昇を抑えること
ができるものと推測される。特に、形状が繊維状または
球状の黒鉛の場合、粒子表面に垂直に炭素六角網面が配
向するので、表面積のすべてがエッジ面(炭素六角網面
の配向に垂直な面)とみなすことができるので、負荷特
性も改善することができ、特に好適に用いられる。
【0014】本発明において、負極活物質として用いる
黒鉛としては、天然黒鉛の他、人造黒鉛を挙げることが
できるが、その形状としては、球状または繊維状である
か、それ以外の場合には上記ベーサル面とエッジ面との
比であるアスペクト比が5以下のものを用いる。
【0015】本発明において、繊維状の黒鉛としては、
長径/短径比が1〜30のものが好ましく、5〜20の
ものがより好ましい。また、球状の黒鉛としては、平均
粒径が3〜20μmのものが好ましく、5〜20μmの
ものがより好ましい。なお、繊維状の黒鉛の場合の長径
/短径比は、負極表面を電子顕微鏡写真で観察した時
に、黒鉛を円柱体と仮定して、長さおよび幅を測定する
ことにより求めることができる。
【0016】また、本発明において用いる黒鉛の前記形
状の効果は、(002)面の面間隔(d002 )が0.3
5nm以下、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が35
nm以上という高結晶の黒鉛を用いた場合に、特に顕著
に発現する。すなわち、上記黒鉛は、高容量化が可能で
ある反面、高結晶性のためガス発生が顕著であるが、そ
のような高結晶性の黒鉛でも本発明の形状のものを用い
ることにより、リン酸エステルとの反応性を軽減するこ
とができる。
【0017】また、上記のような高結晶性の黒鉛を用い
た電池では、内包できるエネルギーが大きく、高容量化
されているため、故意に電池が破壊された場合など、異
常使用時の安全性が問題になる。本発明者らの検討によ
れば、上記のような高結晶性の黒鉛を用いた場合に、電
解液中にリン酸エステルを体積比で30%以上、好まし
くは50%以上、より好ましくは70%以上にすること
により安全性の高い電池にすることができることを見出
した。なお、電解液は電解液溶媒に電解質を溶解するこ
とによって構成されるが、電解質の溶解時の体積は電解
液溶媒の体積に比べて非常に小さいので、電解液の体積
は実質上電解液溶媒の体積と同一とみなすことができ
る。
【0018】また、本発明において、上記のような特定
形状の黒鉛を負極活物質とし、上記リン酸エステルを電
解液中体積比で70%以上にする場合には、リン酸エス
テルとして環状リン酸エステルと鎖状リン酸エステルを
併用することが好ましいことも見出した。すなわち、難
燃性のリン酸エステルを70%以上にすることにより、
高い安全性が得られるが、伝導度の低さから黒鉛を用い
た場合に初期の容量が得られにくくなることが明らかに
なった。そのため、高誘導率の環状リン酸エステルと低
粘度の鎖状リン酸エステルの2種類を併用することによ
り、安全性の高い電池にするとともに、高容量の電池に
することができることを見出した。この環状リン酸エス
テルと鎖状リン酸エステルとの割合は、体積比で90:
10〜20:80が好ましく、60:40〜30:70
がより好ましい。
【0019】上記環状リン酸エステルとしては、例え
ば、エチレンメチルフォスフェート、エチレンエチルフ
ォスフェートなどが挙げられ、鎖状リン酸エステルとし
ては、例えば、トリメチルフォスフェート、トリエチル
フォスフェートなどが挙げられる。また、リン酸エステ
ルの難燃化効果はその炭素数が少ないほど効果が高いの
で、本発明で用いるリン酸エステルのうち体積比で80
%以上が炭素数6以下であることが好ましく、炭素数4
以下であることがより好ましい。
【0020】上記のような形状の黒鉛および体積比のリ
ン酸エステルを用いることにより、安全性が高く、リン
酸エステルの分解反応を抑制でき、ガス発生を低減する
ことが可能であるが、初回充放電効率および負荷特性の
低下を抑制できないことが判明した。
【0021】そこで、本発明者らは、上記問題を解決す
るため、さらに検討を重ねた結果、リン酸エステルとと
もに、環状カーボネートまたはカーボネート多量体の少
なくとも1種を用いることにより、上記問題を解決し
て、初回充放電効率が高く、かつ負荷特性が優れた非水
電解液二次電池が得られることを見出した。
【0022】すなわち、本発明らがリン酸エステルの黒
鉛のベーサル面上での分解について詳細に検討したとこ
ろ、上記分解反応は主として初回充電時に生ずることが
判明した。そこで、本発明では、電解液中に体積比で2
%以上30%以下の環状カーボネートまたはカーボネー
ト多量体の少なくとも1種を含有させることにより、リ
ン酸エステルが電解液中に存在している場合でも、初回
充電反応によって上記環状カーボネートまたはカーボネ
ート多量体の少なくとも1種がリン酸エステルより先に
黒鉛のベーサル面上で優先的に分解し、黒鉛上にリチウ
ムイオンがドープ可能な被膜を形成するとともに、リン
酸エステルが近接した場合でも、リン酸エステルと黒鉛
とが接触するのを防止し、リチウムイオンのドープをス
ムーズに行わせ、初回充放電効率を高くし、かつ負荷特
性も向上させることができるようになったものと考えら
れる。
【0023】上記環状カーボネートとしては、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4,
5−ジメチル−1,3−ジオキソル−2−オン(DMD
O)などが挙げられ、カーボネート多量体としては、例
えば、一般式:R1 OC(O)OR2 OC(O)OR3
(ただし、R1 、R3 は炭素数1〜4のアルキル基、R
2 は炭素数2〜4のアルキル基であり、R1 、R3 は同
一であってもよく、また異なってもよい)で表されるも
のが挙げられ、具体的には、例えば、1,2−ビスメト
キシカルボニルオキシエチレン、1,2−ビスメトキシ
カルボニルオキシプロピレン、1,2−ビスエトキシカ
ルボニルオキシエチレン、1,2−ビスエトキシカルボ
ニルオキシプロピレンなどが挙げられる。これらの中で
も炭素−炭素間に不飽和結合を持つものは良質な被膜を
形成することができるので好ましく、そのようなものの
具体例としては、例えば、上記の4,5−ジメチル−
1,3−ジオキソル−2−オンなどが挙げられる。
【0024】本発明において、電解液には、上記例示の
溶媒以外にも、例えば、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボ
ネートなどの単独または2種以上の有機溶媒を併用する
ことができるが、電解液の難燃性を維持するためには体
積比で30%以下とするのが好ましい。また、リン酸エ
ステル以外に難燃性溶媒としての効果が期待できるフォ
スファゼン誘導体、シラン、エーテルやエステルのハロ
ゲン化物などを混合してもよい。
【0025】電解質としては、例えば、LiClO4
LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSb
6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiC
3 CO 2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(C
3 SO2 2 、LiC(CF3SO2 3 、LiCn
2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfO SO2 2
〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などを単独でまた
は2種以上混合して用いることができるが、特にLiP
6 やLiC4 9 SO3 などが好ましい。電解液中に
おける電解質の濃度は、特に限定されるものではない
が、濃度を1mol/l以上の多めにすると安全性がさ
らに良くなるので好ましく、1.2mol/l以上がよ
り好ましい。また、電解液中における電解質の濃度が
1.7mol/l以下にすると電気特性が良くなるので
好ましく、1.5mol/l以下がより好ましい。
【0026】負極は、例えば、前記特定形状の黒鉛から
なる負極活物質に、必要に応じて、例えば鱗片状黒鉛、
カーボンブラックなどの導電助剤や、例えばポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプ
ロピレンジエンゴム、ポリアクリル酸、カルボキシメチ
ルセルロースなどのバインダを加え、混合して負極合剤
を調製し、それを水または溶剤に溶解または分散させ
て、ペースト状にし(バインダはあらかじめ溶剤などに
溶解させておいてから負極活物質などと混合してもよ
い)、その負極合剤ペーストを銅箔などからなる集電体
に塗布し、乾燥して、集電体の少なくとも一方の面に負
極合剤層を形成する工程を経ることによって作製され
る。ただし、負極の作製方法は上記例示の方法に限られ
ることなく、他の方法によってもよい。上記バインダの
添加量は、特に制限されることはないが、活物質に対し
て1〜50重量%にすることが好ましく、2〜20重量
%にすることがより好ましい。
【0027】本発明において、正極活物質としては、例
えば、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、L
iNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiMn2
4などのリチウムマンガン酸化物、LiTiO2 など
のリチウムチタン酸化物、LiNiO2 のNiの一部を
Coで置換したLi(NiCo)O2 、二酸化マンガ
ン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物
または二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化
物などが用いられ、それらの中でもLiNiO2、Li
NiO2 、LiMn2 4 などの充電時の開路電圧がL
i基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物は、高エネ
ルギー密度が得られるので好ましい。そして、正極活物
質として特にLiNiO2 などの熱的に不安定なリチウ
ムニッケル酸化物やニッケルを含む複合酸化物を用いる
場合に本発明を適用すると、その効果が顕著に発現す
る。
【0028】正極は、例えば、上記正極活物質に、必要
に応じて、前記負極の場合と同様に、鱗片状黒鉛などの
導電助剤やポリフッ化ビニリデンなどのバインダを加
え、混合して正極合剤を調製し、それを水または溶剤に
溶解または分散させてペースト状にし(バインダはあら
かじめ溶剤などに溶解させてから正極活物質などと混合
してもよい)、その正極合剤ペーストをアルミニウム箔
などからなる集電体に塗布し、乾燥して、集電体の少な
くとも一方の面に正極合剤層を形成する工程を経ること
によって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記
例示の方法に限られることなく、他の方法によってもよ
い。
【0029】正極や負極の集電体としては、例えば、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属の
箔や、それらの金属を網状にしたものなどが用いられる
が、正極集電体としては特にアルミニウム箔が適してお
り、負極集電体としては特に銅箔が適している。
【0030】セパレータとしては、強度が充分でしかも
電解液を多く保持できるものであればよく、そのような
観点から、厚みが10〜50μmで開孔率が30〜70
%のポリエチレン製、ポリプロピレン製、またはエチレ
ンとプロピレンとのコポリマー製の微孔性フィルムや不
織布などが好ましい。
【0031】電池は、例えば、上記のようにして作製し
た正極と負極との間にセパレータを介在させて渦巻状に
巻回して作製した渦巻状電極体などの巻回構造または積
層構造の電極体を、ニッケルメッキを施した鉄やステン
レス鋼製の電池ケース内に挿入し、封口する工程を経て
作製される。また、上記電池には、通常、電池内部に発
生したガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部
に排出して、電池の高圧下での破裂を防止するための防
爆機構が取り入れられる。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0033】実施例1 トリメチルフォスフェートと環状カーボネートの一種で
ある4,5−ジメチル−1,3−ジオキソル−2−オン
〔みどり化学(株)製〕との体積比90:10の混合溶
媒にLiPF6 を1.0mol/l溶解させて非水溶媒
系の電解液を調製した。
【0034】また、リチウムコバルト酸化物(LiCo
2 )91重量部に黒鉛6重量部とポリフッ化ビニリデ
ン3重量部とを加えて混合して正極合剤を調製し、それ
をN−メチルピロリドンに分散させてペースト状にし
た。この正極合剤ペーストを正極集電体としての厚さ2
0μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布して乾燥し
て正極合剤層を形成した後、ローラープレス機により圧
縮成形し、リード体の溶接を行い、帯状の正極を作製し
た。
【0035】上記とは別に、繊維状黒鉛〔長径/短径
比:8、(002)面の面間隔(d00 2 ):0.34n
m、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc):40nm〕9
0重量部とポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合し
て負極合剤を調製し、それをN−メチルピロリドンに溶
剤で分散させてペースト状にした。この負極合剤ペース
トを負極集電体としての厚さが18μmの帯状の銅箔の
両面に均一に塗布して乾燥して負極合剤層を形成した
後、ローラープレス機で圧縮成形し、リード体の溶接を
行い、帯状の負極を作製した。
【0036】つぎに、上記の帯状正極を厚さが25mm
の微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介
して上記帯状負極に重ね合わせ、渦巻状に巻回して渦巻
状電極体としたのち、外径14mmの有底円筒状の電池
ケース内に充填し、正極および負極のリード体の溶接を
行った後、前記の電解液1.6mlを電池ケース内に注
入した。ついで、電池ケースの開口部を封口し、化成、
エイジングを行い、図1に示す構造の筒形の非水電解液
二次電池を作製した。
【0037】図1に示す電池について説明すると、1は
前記の正極で、2は負極であり、この図1では、繁雑化
を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用し
た集電体兼基体としての金属箔などは図示していない。
そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3を介し
て渦巻状に巻回され、渦巻状電極体として上記の電解液
4と共に電池ケース5内に収容されている。
【0038】電池ケース5はステンレス鋼製で、その底
部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピ
レンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7はア
ルミニウム製で、円板状をしていて、中央部に薄肉部7
aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆
弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設
けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁
9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成してい
る。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁
9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいよう
に、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は
図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防
爆弁9の突出部9aとの溶接部分11も、図面上での理
解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示して
いる。
【0039】端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメ
ッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしてお
り、この端子板8にはガス排出口8aが設けられてい
る。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、
その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部
を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設け
られ、上記の突出部9aの下面が、前記したように、封
口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を
構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン
製で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置さ
れ、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防
爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から電解液が漏
れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケッ
ト12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニ
ウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電
極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケ
ース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続され
ている。
【0040】この電池においては、封口体7の薄肉部7
aと防爆弁9aとが溶接部分11で接触し、防爆弁9a
の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極1と封口
体7とは正極側のリード体13で接続されているので、
正極1と端子板8とはリード体13、封口体7、防爆弁
9およびそれらの溶接部分11によって電気的接続が得
られ、電路として正常に機能する。
【0041】そして、電池に異常事態が起こり、電池内
部にガスが発生して電池の内圧が上昇した場合には、そ
の内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧方向(図1
では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接部分1
1で一体化されている薄肉部7aに剪断力が働いて、該
薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出部9a
と封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離し、そ
れによって、正極1と端子板8との電気的接続が消失し
て、電流が遮断されるようになる。その結果、電池反応
が進行しなくなるので、過充電時や短絡時でも、充電電
流や短絡電流による電池の温度上昇や内圧上昇がそれ以
上進行しなくなって、電池の破裂などを防止できるよう
に設計されている。
【0042】実施例2 負極活物質として、繊維状黒鉛に代えて球状黒鉛〔平均
粒径:5μm、(002)面の面間隔(d002 ):0.
35nm、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc):100
nm〕を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解
液二次電池を作製した。
【0043】実施例3 電解液の溶媒として、トリメチルフォスフォースと4,
5−ジメチル−1,3−ジオキソル−2−オンとの混合
溶媒に代えてトリメチルフォスフェートとメチルエチレ
ンフォスフェートと4,5−ジメチル−1,3−ジオキ
ソル−2−オンとの体積比80:10:10の混合溶媒
を用いた以外は、実施例2と同様にして非水電解液二次
電池を作製した。
【0044】実施例4 負極活物質として、繊維状黒鉛に代えて塊状黒鉛(アス
ペクト比:3)を用いた以外は、実施例1と同様にして
非水電解液二次電池を作製した。
【0045】比較例1 負極活物質として、繊維状黒鉛に代えて鱗片状黒鉛(ア
スペクト比:7)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て非水電解液二次電池を作製した。
【0046】上記実施例1〜4および比較例1の電池に
ついて、電圧2.75V〜4.0Vの範囲で充放電さ
せ、初回の充放電効率〔(放電容量/充電容量)×10
0〕および電流密度0.5Cでの放電容量の電流密度
0.1Cでの放電容量に対する割合を調べた。その結果
を表1に示す。なお、表1では上記電流密度0.5Cで
の放電容量の電流密度0.1Cでの放電容量に対する割
合を「放電容量比(0.5C/0.1C)」として百分
率で示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示すように、実施例1〜4の電池
は、比較例1の電池に比べて、初回充放電容量効率が高
く、また、電流密度0.5Cでの放電容量の電流密度
0.1Cでの放電容量に対する割合〔放電容量比(0.
5C/0.1C)〕が高く、負荷特性が優れていた。ま
た、それら実施例1〜4の電池の中でも、電解液溶媒と
して環状リン酸エステルと鎖状リン酸エステルとを併用
した実施例3の電池は負荷特性が優れていた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、初回
充放電効率が高く、かつ負荷特性が優れた非水電解液二
次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解液二次電池の一例を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 電解液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛を活物質とする負極、正極および非
    水溶媒系の電解液を有する非水電解液二次電池におい
    て、上記負極活物質の黒鉛が繊維状、球状またはアスペ
    クト比が5以下の形状を有し、上記電解液が体積比で3
    0%以上のリン酸エステルと、体積比で2%以上30%
    以下の環状カーボネートまたはカーボネート多量体の少
    なくとも1種とを含有することを特徴とする非水電解液
    二次電池。
  2. 【請求項2】 環状カーボネートまたはカーボネート多
    量体が炭素−炭素間の不飽和結合を持つことを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 電解液中のリン酸エステルの割合が体積
    比で70%以上であり、上記リン酸エステルが環状リン
    酸エステルと鎖状リン酸エステルとからなることを特徴
    とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1357628A1 (en) * 2001-01-04 2003-10-29 Mitsubishi Chemical Corporation Nonaqueous electrolytic liquids and lithium secondary battery employing the same
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