JP2000099256A - デジタイザ座標入力システム - Google Patents

デジタイザ座標入力システム

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JP2000099256A
JP2000099256A JP17352699A JP17352699A JP2000099256A JP 2000099256 A JP2000099256 A JP 2000099256A JP 17352699 A JP17352699 A JP 17352699A JP 17352699 A JP17352699 A JP 17352699A JP 2000099256 A JP2000099256 A JP 2000099256A
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JP
Japan
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tablet
position indicator
signal
circuit
input system
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JP17352699A
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English (en)
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Yuuji Katsuradaira
桂平勇次
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Wacom Co Ltd
Original Assignee
Wacom Co Ltd
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Publication date
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    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/046Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means by electromagnetic means
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06KGRAPHICAL DATA READING; PRESENTATION OF DATA; RECORD CARRIERS; HANDLING RECORD CARRIERS
    • G06K11/00Methods or arrangements for graph-reading or for converting the pattern of mechanical parameters, e.g. force or presence, into electrical signal
    • G06K11/06Devices for converting the position of a manually-operated writing or tracing member into an electrical signal

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Abstract

(57)【要約】 【課題】デジタル信号を含む電磁波を対応する位置指示
器(例えば、スタイラス、マウス、又は同様のもの)に
送信するデジタイザタブレットを,システム全体の性能
を犠牲にすることなく提供する。。 【解決手段】 位置指示器の中の同調回路がタブレット
からの電磁波を受信する。位置指示器は次にタブレット
に向けて、位置指示器によりタブレット上に加えられた
筆圧を示すデジタル信号を含む電磁波を送り返す。さら
に、位置指示器がその固有IDをデジタル形式でタブレ
ットに返す。位置指示器に向けて送られる電磁波の持続
期間又はパルス幅が、位置指示器により解釈され、デジ
タル情報を示すものとされて、そのデジタル情報により
前記ID要求を規定する。好ましくは,前記位置指示器
が異なる時定数をもつ第一及び第二の積分回路を有し、
タブレットから受けた信号を処理する積分回路が、電磁
波の持続時間又はパルス幅を決定するために、それぞれ
の前記積分回路は比較器とやり取りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタブレットと位置指
示部材(例えば、電子ペン、パック又はマウス)を含む
デジタイザ座標入力システムに関する。特に、本発明
は、デジタル信号がタブレットと位置指示器との間でや
り取りされる座標入力システムにに関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタイザシステムは、従来からよく知
られている。例えば、米国特許番号4878553、5
028745に示されている。図1,3,5は従来技術
のデジタイザシステムを図示している。これらは、米国
特許4878553及び米国特許5028745に関連
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば図1に示す先行
技術では、位置指示器には、周波数f0で共振する共振
回路が備えられる。そして、この部分はタブレットのル
ープコイルにより生成される電磁波に反応して、位置指
示の位置を取得するようにする。位置指示器はタブレッ
トからの電磁波を受け取り、タブレットに送り返される
電磁波を生成した。かくしてタブレットは送り返される
電磁波との関係で位置指示器の位置を検出できる。この
位置指示器の共振回路はコンデンサー(Cスイッチユニ
ット)に接続される。コンデンサー(Cスイッチユニッ
ト)はペンの筆圧にしたがって容量が変化し、そしてペ
ンの筆圧が変化するにしたがってf0の前後所定の範囲
内(共振し得る範囲内)で共振周波数が変化する。従来
例にあっては、ペンの筆圧はこの周波数の変化を位相の
変化として検出することによりタブレットに検出されて
いた。位置指示器の圧力情報をタブレットに送信するこ
の方法は申し分のないものであるが、ある特定の観点か
ら見るとき、改良の余地がある。
【0004】先行技術を示す図3は、従来型のデジタイ
ザ通信方法を示している。容量の小さいコンデンサが位
置指示器内の共振回路にスイッチを介して接続されてい
て、そのスイッチを操作することにより共振周波数がわ
ずかに変化する。このスイッチの操作は信号の位相オフ
セットを検出することにより、タブレット側により検出
される。かくして、この従来型の通信システムは、位置
指示器からの信号の位相を用いるものである。
【0005】タブレット上における電子ペンの筆圧を検
出することについては、従来技術図5は従来型のペンの
筆圧検出方法を示している。C−スイッチユニットと呼
ばれる小さい容量の可変容量コンデンサが位置指示器の
共振回路に接続されている。このC−スイッチユニット
は電子ペンの筆圧検出器として使われている。C−スイ
ッチユニットの容量はペンの筆圧に応じて変化する。そ
の容量は、ゼログラムから500グラムの筆圧に応じ
て、数ファラッドから100ピコファラッドまでの間に
わたって確実に変化する。かくして、ペン先に加えられ
た押圧力が位相値として検出される。
【0006】このようにして見てくると、先行技術に
は、筆圧を正確に検出することにおいて、改良された方
法とシステムを求めるべき要請があることが見えてく
る。先行技術には、タブレットとの組み合わせで使われ
ている位置指示器をシステムのパフォーマンスを犠牲に
することなく、効果的な方法でタブレットが同定するこ
とを可能にするシステム又は方法を求めるという要請も
ある。
【0007】先行技術の有する上述の要請を充足するこ
とは、他の要請と同様にこの発明の目的である。デジタ
ル信号が、デジタイザシステムの中の位置指示器とタブ
レットとの間でやり取りされるようなシステムを提供す
ることが、この発明の一つの目的である。タブレット
が、位置指示器を同定する信号が、性能を犠牲にするこ
となくタブレットに効果的に送られるようなシステムを
提供することもまた、この発明の一つの目的である。位
置指示器からタブレットへ送られるデジタル信号を介し
てなす筆圧検出を提供することもまた、この発明の目的
の一つである。そのような位置指示器に用いる共振回路
を提供することも、この発明の目的の一つである。タブ
レットからの送信とタブレットへの受信を実現すること
も、この発明の一つの目的である。そのようなタブレッ
トに配列され、X軸方向とY軸方向とにそれぞれるルー
プコイルを提供することも、この発明の一つの目的であ
る。少なくとも、幾つかの、潜在的にはすべてのコイル
をスキャンし、受信信号を補間することにより座標値を
計算することも、この発明の目的の一つである。最初
に、すべてのコイルを一つの軸方向、或いは二つの軸方
向についてスキャンし、次に一旦位置指示器が検出され
てからは部分スキャン(つまり、セクタースキャニン
グ)を実行することも、この発明の一つの目的である。
サイドローブからペンの傾きを検出することも、この発
明の一つの目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】デジタル信号を含む電磁
波を対応する位置指示器(例えば、スタイラス、マウ
ス、又は同様のもの)に送信するデジタイザタブレット
である。位置指示器の中の同調回路がタブレットからの
電磁波を受信する。位置指示器は次にタブレットに向け
て、位置指示器によりタブレット上に加えられた筆圧を
示すデジタル信号を含む電磁波を送り返す。さらに、位
置指示器がその固有IDをデジタル形式でタブレットに
返す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しつつ,本発明
の特定実施態様を詳細に説明する。複数の図面の中で,
同様の部分は,同様の符号を用いてある。
【0010】図2は,本発明の実施態様に基づくデジタ
ルデジタイザシステムを確認的に示す概念図である。位
置指示器1は,共振回路(コイル3及びコンデンサ5)
に加えてICを一個備えている。そして,IC2は,必
要に応じて複数のスイッチ7及びアナログセンサー9を
備えている。ROM11もまた,位置指示器の内部に備
えられている。そのROMには,その位置指示器に固有
のIDコードが書かれ,記憶されている。スイッチ7及
びセンサー9の状態によって表示されるすべての情報
は,タブレットで検出される。また,二方向のデジタル
通信がタブレットと位置指示器との間で実行される。タ
ブレット13は,4ビット又は5ビットのデジタルコー
ドを送信する。位置指示器1は,そのデジタルコードを
受信する。そして,タブレット13にそのデジタルコー
ドに対応する情報をデジタルデータとして返す。図2に
示される関係は,ただ本発明の特定実施態様の概観の説
明を簡単にするためだけのものであって,実際の装置の
詳細を表すものではない。
【0011】基礎的なデジタルペン技術は,1993年
に開発された。当初は,タブレット上の位相情報検出の
必要のないもの,ローコストのものが目的であった。し
かしながら,この技術は,コスト削減よりも機能性の領
域においてもっと将来性のあるものであることがわかっ
てきた。そして,それから以後は,付加的な機能を実現
する方向で開発が進んできた。
【0012】デジタル通信タイプのタブレットともに用
いられる電子ペンをデジタルペンと呼ぶことにする。デ
ジタルペンは,筆圧とスイッチ情報とをタブレットに通
信する従来型の筆圧ペンとは異なる。
【0013】図4は,本発明の一実施態様に基づくデジ
タル通信システムを用いる通信方法を図示する。位置指
示器は従来型の構成と同様に,誘導コイル3と少なくと
も一つのコンデンサ5を含む共振回路を備えており,交
互に一定周波数の電磁波の送信と受信をタブレットとの
間で実行する。特定の実施態様にあっては,タブレット
のコイルのうちのワンセットが送信しつづけ,他のセッ
トのタブレットコイルがペンからの電磁波を受け続ける
ことにより,タブレットからの電磁波の受信と送信とは
それぞれ連続的でありえる。図に示すように,電子スイ
ッチ15が位置指示器の共振回路につながっている。こ
のスイッチがオフのとき,共振回路は動作可能となり,
かくして,位置指示器(たとえば,電子ペン,パック,
マウスなど)からの信号はタブレットにおいて検出可能
となる。しかしながら,いったんスイッチ15がオンに
変わると,共振回路はもはや共振しなくなり,位置指示
器からの信号はタブレットにおいて検出不能となる。こ
のようにして,このスイッチ15の制御信号として,図
に示すような規則的な連続のデジタル信号により制御が
実現される。タブレットにおいて送信と受信のタイミン
グを合わせるために,デジタル信号の切替のタイミング
のイベントが起こると,受信信号は位置指示器の制御信
号に付き従う,つまり,図に示すように,タブレット上
で現れたり現れなかったりする。図の中で,「0010
1」が共振回路制御信号として加えられると,タブレッ
トはその信号を検出することにより,信号のある/なし
として「00101」に関連するデジタル情報を検出す
る。ここで,位置指示器の制御信号が「1」であるイベ
ントにおいては,タブレットにおいては信号が検出され
ない。だから,受信信号が現れるイベントにおいては,
これは「0」と判定される。そして,受信信号が現れな
いイベントにおいては,「1」と判定される。これが,
デジタルコードの直接的,連続的に送信されるデジタル
コミュニケーションシステムである。デジタルコミュニ
ケーションシステムにおけるタブレットは,ただ信号の
有無を検出することを必要とする。ゆえに,従来型の構
成のような位相検出のための確認をすることは必要な
い。
【0014】図6は,本発明の一実施態様に基づくデジ
タルペンを用いる筆圧検出原理を図示する。電子スイッ
チ15は,図示するようにデジタルペンの共振回路に接
続されている。このスイッチは図4におけるそれと同じ
であり,連続的なデジタル信号により制御されている。
図6に示されるように,デジタルペンは内部に筆圧検出
回路17をもっていて,筆圧検出回路17は筆圧をデジ
タル値として出力する。筆圧をデジタル化するための実
際のビットの数は,要求される筆圧分解能にしたがって
設定される。たとえば,8ビットは256段階の筆圧検
出を処理可能であり,10ビットは1024段階の筆圧
検出を処理可能である。図6は,筆圧が8ビットデジタ
ル値により表される場合を示す。得られた8ビットデジ
タル信号は,シリアル変換器19による変換を受けて,
このようにして,共振回路を制御する。図6において
は,筆圧は「01001010」であり,このコード
は,タブレットにおいて受信信号の有無にしたがって検
出される。また,図には示されていないが,共振回路で
生成された信号を整形して,電源を取得するための別個
の回路が設けられている。
【0015】筆圧ペンを電池なし,コードなしの構成で
実現しようとすると,いくつかの課題がある。第一に,
筆圧のようなアナログ量をいかにしてデジタル値に変換
するかという課題がある。従来型のA/D変換器は,大
きな電力を消費するから,共振回路から得られるわずか
な電気でその電力を供給するのは困難である。第二に,
いかにしてデジタル化された筆圧情報のシリアル変換の
ためのクロックを得るかという課題がある。
【0016】クロック抽出に関して,本発明の一実施態
様に基づいてクロック信号をいかに得るかという観点か
ら説明をする。図7に示すように、検出回路21、コン
パレータ(比較器)23、積分回路25、及びコンパレ
ータ(比較器)27が順次、共振回路に接続されてい
る。「a」から「f」までは、図中で対応するそれぞれ
の部分における波形を示している。波形図(タイミング
チャート)においては、水平軸は時間軸を表す。図中で
「a」により示されるタイミングで電磁波がタブレット
から送信される。ブランク(空白)の部分は受信期間で
ある。受信期間においては、タブレットからペンへの送
信は停止される。つまり、比較的長い送信に引き続いて
一つの送信期間があり、その後、比較的短い送信期間、
受信期間、と以後交互に繰り返す。
【0017】さらに図7を参照しつつ説明する。「b」
は、共振回路(コイル3とコンデンサ5を含む回路)の
端部において生成される高周波信号を示している。その
高周波信号はグラウンドとの間の電位差がプラス側とマ
イナス側との双方に跨って波打つように生成される。タ
ブレットからの電磁波送信が始まると直ちに電位差が生
成されるわけではない。むしろ、図に示すように、時間
の経過とともに徐々に電位差が立ち上がっていく信号が
生成される。タブレットからの送信期間のうちである特
定の量の時間が過ぎると、共振回路の電圧は飽和する。
そして、それ以上の増加はない。電磁波の送信が停止す
ると、信号「b」は、徐々になくなる。信号「c」は検
出回路の出力波形であり、信号「b」のプラス側の包絡
線を検出している。信号「d」はコンパレータ(比較
器)23の出力信号である。コンパレータ23は、信号
「c」を所定のレベルと比較して、信号「c」をデジタ
ル信号に変換する。この信号「d」は、タブレットから
の電磁波送信の開始に比較すると、いくらか遅れて立ち
上がるデジタル信号であり、タブレットからの電磁波送
信の終わりに比較するといくらか遅れて立ち下がるが、
タブレットの送信、受信のタイミングとほぼ同期してい
るといえる。この信号「d」が図6のクロック信号であ
る。
【0018】図6のデジタルペン回路についていうと、
シリアル変換器19がデジタル情報をタブレットに返す
べく動作するとき、タブレットの送信受信のタイミング
との間で同期が取れるだけではなく、いつ最初のビット
が返されるのかについて、ペンとタブレットとの間で同
意しておくことが必要である。それゆえに、図7では、
さらにもう一つの積分回路とコンパレータが信号「d」
の出力に接続されている。積分回路の出力信号「e」
は、次第にその電圧が増加する。電磁波送信時間が短い
場合には、「e」の電圧はその後ろに接続されたコンパ
レータ27の閾値には達しない。しかし、送信期間が十
分に長い場合には、「e」の電圧はその送信期間のうち
に、その閾値に達する。かくして、図に示すようにリセ
ット信号「f」を取得することができる。図6に示して
はいないが、このリセット信号「f」はシリアル変換回
路をリセットするのに用いられる。そして、図7の
「a」により示されるタイミングで送信が実行される。
十分に長い送信に続いて送信と受信とにより最初の情報
のビットが返される。それに続いて次のビットが連続的
に返される。このようにして、データ送信が進められ得
る。タブレットはこれらのタイミングを予め知って、位
置指示器から返される特定の量のビット数のデジタル情
報をエラーなしに検出できる。
【0019】タブレット上の筆圧についていうと、図8
は、わずかな電力消費で、アナログ量である筆圧をデジ
タル量に変換する方法を図示する。図7aに示すよう
に、あるタイミングで電波又は電磁波がタブレットから
放出される。特定の実施態様にあっては、まず、十分に
長い送信期間があり、その後に受信期間がある。そし
て、比較的短い送信期間と受信期間とが交互に繰り返す
というタイミングとなる。ここにおける「十分に長い送
信期間」は以後、本明細書において「バースト期間」と
呼ぶことにする。筆圧検出はこのバースト期間内に実行
される。デジタル信号として検出された筆圧情報もま
た、そのバースト期間に続く送信受信において、一度に
一ビットごとに連続的に返される。
【0020】さて、そのバースト期間内にいかにして筆
圧検出がなされるかについて説明をしよう。図8に示す
ように、カウンター回路31が位置指示器の内部に設け
られる。そして、カウンター回路31の端子であるクロ
ック端子33が共振回路に接続される。つまり、共振回
路内に高周波信号が生成される数を数えるように配列さ
れる。また、可変容量コンデンサであるCスイッチユニ
ット35が筆圧センサとして用いられ得る。図中で用い
られているリセット信号「f」は、図7で取得された信
号「f」をそのまま変更なしに用いる。このリセット信
号は、Cスイッチユニットと抵抗器とを含む積分回路に
供給される。信号「g」は、その積分回路の出力信号で
あって、図8gに示すような波形を有している。Cスイ
ッチユニットに加えられた筆圧が小さいときは、積分回
路の時定数が小さく、そこに加えられた筆圧が大きいと
きには、時定数はそれにしたがって大きくなる。したが
って、図に示すように、筆圧が大きければ大きいほど、
信号「g」はしだいに立ち上がっていく波形になる。こ
の信号「g」は、ANDゲート回路39の片側の反転入
力端子に入力される。このようにして、リセット信号
「f」の立ち上がり時から、ANDゲート回路の入力閾
値に到達するまでの期間の長さにより定義されるパルス
幅を持つ信号「h」が取得される。この信号「h」は、
筆圧が大きければ大きいほど、パルス幅が長くなるよう
な波形を有している。このパルス信号「h」は、カウン
ター回路31の一つの端子に入力されて、そのカウンタ
ー回路はこのパルス期間の間のみ動作する。つまり、筆
圧が小さいときはカウンター回路のカウント値は小さ
く、筆圧が大きいときは、それにしたがってカウント値
は大きくなる。言葉を変えていえば、筆圧がデジタル化
される。
【0021】図9は、本発明の一実施態様に基く電力抽
出のための回路を図示する。0.1から0.47ファラ
ッド程度のコンデンサが用いられる。取得される電圧
は、タブレットからの送信パワーと位置指示器回路の大
きさによるが、1.5ボルトから1.8ボルト程度の電
圧が入手し得る。
【0022】上述した図6から図9までを考え合わせれ
ば、図10に示すデジタル位置指示器1がもたらされ
る。図11は、図10の「a」から「j」までで示され
るそれぞれの部分における波形を示す。
【0023】図10aに示すようなタイミングでタブレ
ットから電磁波の送信があると、共振回路において
「b」のような波形が得られる。この波形を検出し、コ
ンパレータで整形することにより、「c」にしめすよう
なクロック信号を抽出する。また、最初のビットを返す
タイミングを知るために、タブレットは電磁波を通常よ
りも長い期間にわたって連続的に送信(バースト)す
る。かくして、信号「c」はバースト期間に対応してハ
イレベルを長い期間にわたって維持する。そのような信
号「c」は、積分回路を通過し、その結果、バースト期
間内で緩やかに立ち上がる信号「e」の波形となる。こ
の信号は、コンパレータで整形されて、その結果、バー
スト期間内でのみパルスを生成する信号「f」となる。
【0024】この信号「f」は、前述したリセット信号
である。筆圧に応じて幅が変化するパルス信号「h」
は、この信号「f」がさらに、Cスイッチユニットと抵
抗器を含む積分回路を通過することにより得られる。こ
のパルス信号「h」はカウンター回路のイネーブル端子
に入力される。そして、このようにして、このパルス期
間の間に入力される波の数が数えられる。そのようにし
て、筆圧がデジタル値に変換される。図11に示す信号
「i」はカウンターにより数えられた高周波信号を表し
ている。
【0025】カウンターでデジタル変換された8ビット
の出力と、スイッチ1とスイッチ2とを含む合計で10ビ
ットがパラレル/シリアル変換回路に入力されるて、信
号「j」をそのシリアル出力として得る。ここにおいて
用いられるクロック信号は、信号「c」に基いて既に生
成された信号「d」である。また、残りの信号「f」は
パラレル/シリアル変換回路のリセット入力端子に入力
されて、バーストが送信されるたびごとに、パラレル/
シリアル変換回路のバッファーのデータが更新される。
すなわち、バーストが送信されるたびに、連続出力され
る10ビットのデータが設定されて、連続的に入力され
るクロック信号「d」のそれぞれの最初のエッジに最初
のビットが始まるように働く。スイッチ1とスイッチ2
とは従来型のデジタイザペンのサイドスイッチに対応す
るものであって、米国ワシントン州バンクーバーのワコ
ムテクノロジー社のマーケティングに基き、もうけられ
た。
【0026】パラレル/シリアル変換回路の出力信号
「j」は、電子スイッチの制御端子に接続されており、
その電子スイッチは共振回路に接続されている。電子ス
イッチは、タブレットに返す情報に従って、共振回路を
働く状態にしたり、働かない状態にしたりする。つま
り、電子スイッチは、電磁波の送信/受信のタイミング
といっしょに同期してついたり切れたりして、スイッチ
がオフのとき、ペンからの電磁波はタブレットのループ
コイルにより検出され、スイッチがオンのときは検出さ
れない。こうして、ペンからの情報は、タブレットによ
り受け取られる信号があるかないかに基いて、1又は0
として検出され得る。図10及び図11を参照しつつ説
明した作用は、図6から図8までを参照しつつ説明した
作用とまさに同じである。
【0027】図10で付加されているのは、ワンショッ
トモノ/マルチ回路41である。クロック信号「d」
は、信号「c(c')」がワンショットモノ/マルチ回
路を通過することにより得られる。このワンショットモ
ノ/マルチ回路41は、74HC123と同等のもので
あって、入力信号のリーディングエッジタイミングに基
いて一定幅のパルス信号を生成する。特定の実施態様に
おいて、このような回路が必要となる理由はこれから説
明する。
【0028】図11に示されている例にあっては、連続
的に変換された信号「j」は、筆圧を表す「10001
101」、スイッチ1の値を表す「0」とスイッチ2の
値を表す「1」とを含んでいる。「1」が信号「j」と
して供給されているときには、共振回路は直ちに短絡さ
せられて、共振回路の両端ではる実際には、信号
「b'」となり、検出信号は「c'」となる。図11の一
番下に示す通りである。つまり、共振回路の制御信号
「j」が立ち上がるやいなや信号「b」は直ちになくな
るから、クロック信号もまた直ちになくなる。しかしな
がら、共振回路はある一定の時間をかけて減衰する。な
ぜなら、送信期間の終わる前に回路の制御が解放される
と共振回路の電圧は残りの送信期間の間、あるところま
で増加するからである。それゆえに、ワンショットモノ
/マルチ回路41を含めることにより、返される情報が
「1」であって、信号「c」が短い時間で減衰するとき
に、信号を所定時間ハイレベルに維持することができ
る。
【0029】筆圧がペンの内部でデジタル値に変換でき
て、タブレットにデジタル信号として返すことができる
ことのおかげで、位置指示器に固有なIDコードを検出
するための新たな方向性が、この発明の特定実施態様の
デジタル通信システムに表れてきた。
【0030】しかしながら、ポインターからタブレット
に返す信号に位置指示器ID情報を加えることには、I
Dデータが長くなるほど、座標検出のサンプリングスピ
ードがのろくなるという問題がある。IDの長さとサン
プリングスピードとの間の関係について説明すると、ま
ず最初に、ID検出がなされない場合には、サンプリン
グスピードは1秒あたり203ポイントであるのに対
し、8ビットのIDをつけることにより164ポイント
に落ちる。10ビットIDでは137ポイントに落ち、
16ビットIDでは104ポイントに落ちる。このこと
に鑑みて、本発明の発明者はサンプリングスピードを落
とさないようなID検出方法を考えた。本発明の発明者
のシステム/方法にあっては、位置指示器ID情報は位
置指示器(電子ペン、パックなど)からデジタル形式で
タブレットに送信されるが、途切れなく送るわけではな
い。その代わり、ID情報はタブレットにより要求され
たときのみ、又はその代わりにシステムが初期化された
ときのみ、又は最初に電源が投入されたときに、又はポ
インタの概略位置がタブレットの重ねあわせたループコ
イルにより検出されたときに、断続的に又は選択的に送
信される。
【0031】ペンの筆圧情報はリアルタイムで変化す
る。しかし、ID情報は位置指示器に固有の値であっ
て、したがって変化しないものと考えられる。かくし
て、IDは、ただ一度検出されれば足りるから、タブレ
ットからの要求を受けて検出すれば十分である。本発明
の発明者はそれを実現するために、ペンに対して、関数
を受け取るコマンドを供給することを考えた。かくし
て、いつでもタブレットが、位置指示器に向けて送られ
る電磁波の中のデジタル要求情報を介して、位置指示器
ID情報を要求すれば、位置指示器はその要求を解釈し
て位置指示器の回路に、タブレットに送り返されるデジ
タル位置指示器ID情報を出力させる。
【0032】タブレットからペンに向けてのデジタル通
信を単純な構成で実行するには、電磁波送信持続期間中
に「0」か「1」かで表すことである。図12はその方
法を示している。図中において、水平軸は時間を示す。
その送信時間の長さによりデジタル情報「0,1,0,
1」を表す電磁波又は電波がタブレットから送信され、
それが受信されると、図に示すような信号が位置指示器
の共振回路に生成される。その信号を検出した結果の信
号においては、パルス幅が「0」と「1」とで異なるも
のとなる。かくして、タブレットが位置指示器からの位
置指示器ID情報要求を欲するときには、タブレットは
単にそのループコイルをして、位置指示器にあるやり方
で送るべき所定の電磁波を生成させる(図12参照)
(例えば、持続時間シーケンス)。そして、デジタルイ
ンフォメーションが位置指示器により受け取られ、ID
要求を指示する。
【0033】もしも、このパルス幅が位置指示器内で検
出可能ならば、タブレットから送られたデジタルコード
は検出され得る。
【0034】図13は、本発明の特定の実施態様にした
がってタブレットからの電磁波送信持続時間又はパルス
幅を検出する原理を図示する。図12における送信時間
にしたがってパルス幅が変化する場合の信号を取得する
方法は、既に図7において説明した。したがって、その
点における説明はここでは省略する。図13において、
時定数の異なる二組の時定数回路43がもうけられてい
て、それぞれがコンパレータに接続されている。また、
二組の時定数回路の入力は共通である。図13に示すよ
うに、送信時間にしたがってパルス幅が変化する信号が
入力端子に入力される。つまり、3種類のパルス幅例え
ばt1、t2及びt3を順次、入力端子に入力すると、
二つの積分回路の出力には、パルス入力の間中、次第に
電圧が増大する信号が表れる。
【0035】最も短い時間t1の持続時間の間だけその
パルスが出力されるとき、そのパルスは二つの積分回路
43の両方の出力信号が比較器45の閾値に達する前に
終わる。だから、その出力側における信号の生成はな
い。
【0036】次に,時間t1よりも長い時間t2の持続
時間の間だけそのパルスが出力されるとき,より小さい
時定数を有する積分回路を通過する信号mは,より大き
い時定数を有する積分回路を通過する信号rよりもより
早く立ちあがる。そして,このようにして,出力信号M
は,より小さい時定数側の比較器からのみ生成される。
出力Rは生成されない。
【0037】さらに次に,もっとも長い時間t3の持続
時間の間だけそのパルスが出力されるとき,パルス信号
MとRとはどちらもそれぞれの出力端子から生成され
る。
【0038】したがって,相異なる時定数を有する二つ
の積分回路43の出力を監視することにより,三種類の
パルス幅が識別され得る。時間検出のための方法として
は,カウンターが一般的には用いられる。しかし,常に
タイマーを機能させることは電力消費を増大させる。そ
して,バースト信号である,もっとも長い電磁波が受信
されるときに,電力供給が実現できることが予見できる
であろう。バーストの際には,図14の積分回路の
「d」と「e」の出力信号ががどちらも現れる。2ビッ
トレジスタに格納されたコマンド情報は,信号eの立ち
上がりのタイミングで,デコーダに転送される。そし
て,引き続き起こる作用により図に示すデータスイッチ
ャが,このコマンド情報により制御される。
【0039】図15は,各部分における波形図であっ
て,コマンド[0.0]をタブレットから送り,筆圧と
サイドスイッチ情報を返す作用を図示するものである。
タブレットからコマンド[0.0]を受け取ると,図1
4に示すデータスイッチャ47は,最初の信号列を選択
する。すなわち,合計で10桁の信号(8ビットのデジ
タル値に変換された筆圧情報と,サイドスイッチ情報と
からなるもの)が連続的に送られ,これにより共振回路
が閉じたり,開いたりする。このとき,共振回路を制御
する信号「j」は,クロック信号「c」に同期するタイ
ミングで,連続的に一度に一ビットずつ送られる。つま
り,共振回路を制御するデータが[1]であるときに
は,共振回路は動作しないから,タブレットはペンから
の電磁波を受信しない。また,共振回路を制御する出た
が[0]であるときには,信号「j」が共振回路に影響
を与えないから,タブレットはペンからの電磁波を受信
する。したがって,タブレットは,そのようにして受信
信号のあるかないかにより,筆圧とサイドスイッチの状
態を検出できる。
【0040】また,図14では図示するのを省略した
が,ワンショットモノマルチ回路を通過した信号を図1
0に示すそれと同じ一定のパルス幅にするために供給す
る必要がある。共振回路を制御する信号として供給する
ためである。
【0041】図16は各部分の波形図であって,タブレ
ットからコマンド[0.1]と9ビットの位置指示器I
D情報を送る作用を図示するものである。タブレットか
らコマンド[0.1]を受け取ると,図14に示すデー
タスイッチャ47は,第二列の信号列を選択する。すな
わち,9桁の信号列が連続的に送られる。そして,ペン
に設定されているIDを,タブレットが検出する。オン
オフする共振回路に同調するためである。
【0042】図17は,各部分の波形図であって,タブ
レットからコマンド[1.0]を送り,拡張された情報
を返す作用を示している。タブレットからコマンド
[1.0]を受け取ると,図14に示されるデータスイ
ッチャは第3列の信号列を選択する。すなわち,情報拡
張端子からの情報が連続的に送られる。そして,共振回
路をオンにしたりオフにしたりする。その結果,タブレ
ットは,図14に示すように,メモリ又はそれと同様に
接続された情報拡張端子から送られる特定の長さのデー
タを検出する。一般に販売されている64ビットのヒュ
ーズROMをここで接続されるメモリとして用いること
ができる。また,このデータをもう一つのID情報とし
て用いることにより,実際的にID情報を無制限のもの
にすることができる。
【0043】コマンド受信機能の他の用い方についてい
うと,上に述べたのは,コマンドを用いたタブレットか
らの要求に基づいて,選択的に位置指示器ID情報と筆
圧情報とを検出する方法の説明であった。そのコマンド
機能は他の目的にも同様に用いられ得る。位置指示器
は,複数の情報検出機能を持つものとして提供され得
て,一つの機能は,タブレットからのコマンドに応答し
て必要な情報が返されたときにのみ実行され得る。この
機能はデータスイッチングにのみ用いられるものではな
く,後述する回転角検出にも必要不可欠なものである。
【0044】従来型のデジタイザシステムは周波数を複
数用いることにより,二つの位置指示器の検出を実現す
る。これは,あらかじめペンとカーソルとで共振周波数
を変えておいて,周波数の違いに基づいて位置指示器の
識別をし,かくして同時検出を可能にする処理である。
従来型のシステムではあらかじめ周波数の割り当てられ
たペンとカーソルのペアからなる二つのデバイスのみが
使用可能であったので,いかなる組み合わせの二つの位
置指示器であっても検出可能なシステムがほしいという
要望があった。そして,それがこの発明によって実現さ
れた。
【0045】いかなる組み合わせの二つの位置指示器で
あっても検出し,しかも二つの位置指示器の干渉がない
ようにするには,単に周波数分割をする方法はうまくい
かない。したがって,本発明の発明者は上述したコマン
ド受信機能を,位置指示器の周波数を変えるために使う
方法を採用した。
【0046】図18は,特定のコマンドを受信すること
により位置指示器の共振周波数を変えるための回路構成
を図示する。タブレットは二つの周波数(例えば,46
0.8キロヘルツと384.0キロヘルツ)の電磁波を
選択的に出力できることを前提にして,以下,説明を続
ける。
【0047】図18において,その回路構成はコンデン
サがスイッチを介して共振回路に加えられたものであ
る。このスイッチがオフのときには,その共振周波数は
460.8キロヘルツである。そして,このスイッチが
オンのときは共振周波数は384.0キロヘルツに調整
される。
【0048】まず,位置指示器があるか/ないか及びそ
の位置が460.8キロヘルツの周波数の送信波により
検出される。図18に示すような回路構成を有する位置
指示器は,初期状態において例えば460.8キロヘル
ツの共振周波数をもつ。そしてその位置は,460.8
キロヘルツの周波数に応答することにより検出される。
【0049】一旦その位置指示器が検出されると,次
に,タブレットは4桁で表される周波数シフトコマンド
「0111」を位置指示器に向けて送信する。位置指示
器は,周波数シフトコマンドを検出すると,直ちに前述
したスイッチをオンにして,共振周波数を例えば38
4.0キロヘルツに変える。
【0050】一旦共振周波数が384.0キロヘルツに
変更されると,その位置指示器はもはや460.8キロ
ヘルツの周波数には応答しなくなるから,以後その位置
指示器に向けては384.0キロヘルツの周波数の電磁
波が送信されて,かくして位置検出と筆圧検出とが以下
同様に持続される。
【0051】図19は周波数シフト回路の模範例を具体
的に描いた図である。効果的に信号を検出し,周波数変
更後であっても必要な電力電圧を確保するためには,周
波数変更のために用いられるアナログスイッチはオンに
なったときの抵抗が極端に低いものでなければならな
い。2SK1960は1.5ボルトのゲート電圧で,お
よそ0.35オームの抵抗を有する低抵抗MOSFET
である。本発明の実施態様にしたがう典型的なデバイス
はこのFETを用いて周波数変更を実現している。
【0052】MOSFETは図20に示すように,一般
に寄生ダイオードを有している。そして,かくしてドレ
イン電極がソース電極に対してプラスの電位を有すると
きにのみスイッチとして用いられ得る。しかしながら,
プラスの電位もマイナスの電位も共振回路内で生成され
るから,二つのMOSFETは反対向きに接続されてい
る。図19において,抵抗器RAは二つのFETの間に
たまった電荷を放出するためのものである。また,抵抗
器RBは二つのFETが初期状態では常にオフになるよ
うにするためのものである。
【0053】図21はマルチモードにおけるタブレット
の状態を示す処理のフローチャートである。任意の組み
合わせの二つの位置指示器検出がGDシリーズの製品で
実現できるということについて,この図を参照しつつ説
明しよう。ここで,460.8キロヘルツの初期周波数
をf0と略し,384.0キロヘルツのシフトされた周
波数をf1と略すことにして,以下説明する。
【0054】最初に,初期設定として,タブレット上に
置かれた位置指示器の数がゼロ個として設定される。つ
まり変数N=0である(ステップ1)。次に,N=0の
ときに,周波数f0を用いてオールスキャン動作が実行
され,タブレット上に位置指示器があるか否かを検出す
る(ステップ3)。そのオールスキャン動作で位置指示
器が検出されないときには,処理の流れはステップ2に
戻り,オールスキャン動作を繰り返す(ステップ3)。
ステップ3で位置指示器が一つ検出されると,処理の流
れは,次のステップ5に進む。すなわち,ステップ3か
ら4にかけて検出された位置指示器が最初の位置指示器
であるときは,周波数シフトコマンドが位置指示器に送
信されて,もう一つの位置指示器がタブレット上に置か
れたときでも初期周波数f0との干渉が起こらないよう
にする(ステップ5,ステップ6)。また,位置指示器
の数を示す変数Nは一つ増加される(ステップ7)。こ
のステップ6における周波数シフトコマンドの送信は,
図18に示されるタイミングで送信電磁波により実行さ
れる。いったんステップ3からステップ7までの上述の
動作が完了すると,処理の流れはステップ2に戻る。ス
テップ2では,位置指示器が検出されているか否かによ
って処理は分かれる。位置指示器が検出されていないと
きには(N=0),ステップ3からステップ7までのオ
ールスキャン動作が繰り返される。また,一つ又は二つ
の位置指示器が検出されているときには,まず,共振周
波数がf1に変更された位置指示器の座標を検出するた
めのセクタースキャン動作(ステップ8,ステップ9)
が実行される。ステップ6でいったん位置指示器の共振
周波数がf1に変更されると,その後その位置指示器は
周波数f1に対してだけ応答する。したがって,その位
置指示器の座標値を獲得し続けるために,その後周波数
f1の電磁波を用いてセクタースキャンが実行される
(ステップ8,ステップ9,図19を参照せよ)。周波
数f1の波を用いるセクタースキャンニング(ステップ
8)においては,所定のレベルを超える受信信号レベル
が得られないとき,その位置指示器はタブレットから除
去されたと判断がなされ(ステップ9),位置指示器の
数Nは一つ減らされる(ステップ10)。他の位置指示
器が存在しないとき,Nはゼロになり,したがって動作
はステップ2に戻り,そして,オールスキャニング動作
(ステップ3からステップ7まで)が実行される(ステ
ップ11)。ステップ9の信号レベルが所定のレベルと
同じかそれより大きいときには,別の位置指示器がタブ
レット上に新たに置かれたか否かを検出するためにオー
ルスキャニング動作(ステップ3)が周波数f0で実行
される(ステップ12)。それでは,周波数f1の位置
指示器がすでにタブレット上に置かれた後で,別の位置
指示器が新たにタブレット上に置かれたか否かを検出す
るためのオールスキャニング動作について説明しよう。
ステップ3からステップ4にかけてのオールスキャニン
グ動作において,新たな位置指示器が検出されないとき
には,処理の流れはステップ2に戻り,すでに周波数f
1に設定された位置指示器に関する座標検出は,繰り返
し実行される(ステップ2,ステップ8,ステップ
9)。ステップ3からステップ4にかけて新たな位置指
示器が検出された場合には,後述する二つ目の位置指示
器の周波数f0でのセクタースキャンを実行するため
に,ステップ6は省略され,位置指示器の数はさらに増
やされ,N=2となる(ステップ5からステップ7)。
上に述べたように,二つの位置指示器が識別されてい
て,一つは周波数f1で動作し,他の一つは周波数f0
で動作する。これらの二つの位置指示器は共振周波数が
相違し,したがって実際何らの干渉をも起こすことな
く,二つの座標位置が検出され得る。すなわち,これら
の二つの位置指示器がタブレット上に置かれているとき
には,タブレットはステップ8からステップ16までの
動作を繰り返し実行することにより,これらの二つの位
置指示器の座標位置を継続的に検出する。ステップ8か
らステップ9までの動作は周波数f1に設定された最初
の位置指示器のために実行され,ステップ13からステ
ップ14は周波数f0に設定された二番目の位置指示器
のために実行される。ところで,周波数f1と周波数f
0で動作する二つの位置指示器の座標が交互に検出され
るステップ8からステップ16までの動作が繰り返され
ているうちに,ステップ9において周波数f1で動作す
る位置指示器が除去されたと判断されたときには,周波
数f0で動作する残っている位置指示器に対して周波数
シフトコマンドが送信されて,共振周波数をf0からf
1に変更する。別の位置指示器がタブレット上に再び置
かれたときに干渉を起こさないようにするためである
(ステップ17)。このステップ17はすでに述べたス
テップ6と同様に実行される。
【0055】この発明の特定の実施態様におけるデジタ
イザシステムによる,もう一つの特徴は位置指示器1の
回転角を検出できることである。この特徴もまたすでに
述べたコマンド受信機能を用いるものである。
【0056】位置指示器の回転角度の検出をしたいとい
う要求は長いこと存在していた。もっともふさわしいの
は電子黒板のイレーサである。電子黒板のイレーサの場
合は,異なる周波数をもつ二つの共振回路をその両端に
それぞれ配置し,タブレットがその二つの位置指示器の
座標を検出することにより回転角度が検出されていた。
【0057】このこととは別に,ペン軸の回転角度を検
出することについての要求も存在していた。この回転角
度は「バレル(樽)ローテーション」と呼ばれている。
【0058】バレルローテーション検出についての要求
はおそらくローテーションを入力する欲求だけではな
い。コンピュータグラフィクスの分野では,円の代わり
に,非対称の点を用いて描きたいという欲求がある。例
えば,ただ単にペンの向きを変えるだけで,四角形や楕
円の表示される向きが簡単に入力できることになる。実
際,市場には。そのような要素を考慮に入れた多くのド
ローイングツールがある。一例として四角のチップを備
えたラインマーカーがあり,動かす向きにより異なる太
さの線を描くことができる。コンピュータグラフィクス
分野においてもそのような機能の要求は高い。
【0059】図22aに見られるように,二つのコアA
とBとが平行に配置されていて,コアAはコイルL2に
覆われており,コアAとBとがその上から束になった状
態でコイルL1により覆われている。スイッチがコイル
L2に接続されていて,その両端が開いたり,閉じたり
できる。また,高周波電源がL1に接続される。
【0060】デジタイザの電子ペンの先端にそのような
構造を有する回路配置を考察してみよう。まず,スイッ
チ51が図22aに示すようにオフであるときには,コ
イルL2は開放しており,コアから放出される電磁界に
なんらの影響も与えないから,一様な交番磁界がコアA
とコアBとから生成される。したがって,タブレットは
コアAとコアBとの中間の座標を検出する。
【0061】次に,スイッチ51が図22bに示すよう
にオンになったときには,コイルL2は短絡する。この
場合,コイルL2には,コイルL1から流れる交番電流
により生成される交番磁界の磁束を妨げる向きに起電力
が生じて,その結果,コアAを通過する交番磁界は容易
には流れない。したがって,磁束はコアBを中心とする
ものとなって,コアBの位置の座標がタブレットにより
検出される。
【0062】かくして,ペンの回転角度は,スイッチ5
1の開閉に対応して,二つの点の座標を見出すことによ
り算出され得る。
【0063】図23は回転角度検出のための回路配置を
示す。二つのコアAとBとは,図22に示したのと同様
に,コアAはコイルL2により囲まれ,そしてコアAと
コアBとが束ねられてコイルL1により囲まれた状態
で,ペン先に配置される。スイッチS1がコイルL2に
接続されており,コンデンサC0が他のコイルL1に接
続されていて,共振回路を含んでいる。コンデンサCs
がこの共振回路にスイッチS2を介して接続されてい
る。
【0064】この共振回路にはコマンド受信回路が接続
されて,特定のコマンドがタブレットから電磁波の波形
として受信されたときには制御信号を出力する。その制
御信号はスイッチS1とスイッチS2との双方を同時に
制御する。ここで用いられるコマンド受信回路は,図1
4に示したコマンド受信回路と類似するものである。つ
まり,タブレットからの送信持続時間を意味するデジタ
ルコードが二つのタイプの積分回路により検出されて,
ローテーション角度検出のためのあらかじめ定められた
コードが受信されたときにのみ制御信号が出力される。
制御信号が出力されるタイミングは,バーストが終わる
タイミングであって,周波数シフトの場合と同じである
(図19参照)。
【0065】この回路の動作について以下,記述する。
まず,コイルL1とコンデンサC0とは,タブレットか
らの電磁波の周波数に共振できるようにまえもって調整
されている。制御信号は初期状態では生成されていない
ため,コイルL2はオフであり,かくしてタブレットは
前述したようにコアAとコアBの中間位置の座標を検出
する。
【0066】次に,ある特定のコマンドがローテーショ
ン角度を検出するためにタブレットから送信される。一
旦,位置指示器のコマンド受信回路がこのコマンドを受
信すると,制御信号が生成されて,スイッチS1とスイ
ッチS2とをオンにする。スイッチS1がオンになる
と,磁束はコアBを中心とするようになり,コアBの位
置座標がタブレットにより検出される。スイッチS2に
コンデンサCsが加えられている理由は,コイルL2の
短絡のためにコイルL1のインピーダンスが落ちるのを
補うためであって,かくして共振周波数が一定に維持さ
れる。
【0067】図24はローテーション検出(すなわち,
位置指示器,例えば,電子ペンのローテーション角度位
置の検出)に用いる制御回路の詳細な回路図である。コ
イルL2を開けたり閉めたりするアナログスイッチとし
ては,周波数シフトと同様に低いオン抵抗値が要求され
るので,2SK1960が同様に用いられている。一
方,コンデンサCsに加えられるアナログスイッチでは
低いオン抵抗値は必要とされないので,2SK2158
が,ここでは用いられる。浮遊容量がわずかであり,低
い電圧で制御できるからである。ここにおけるドレイン
端子で負の電圧がわずかに生成されるが,これは寄生ダ
イオードの順方向の電圧(およそ0.7ボルト)に比べ
て比較的小さいから,シングルFETにより充分な制御
がなされ得る。送信コイル固定スキャンに関して,以下
記述する。図25は従来型のスキャン方法とこの発明の
特定実施態様に基づく送信コイル固定スキャン方法との
間の違いをを示す図である。従来型のスキャン動作(す
なわち図25の上半分)は順次コイルを切り替えて送信
と受信とを実行することにより実行されるが,常に同一
のコイルが送信と受信との双方のために選択されてい
た。このことは座標精度に関しては利点であった。コイ
ルと位置指示器との間の距離の違いが二重に働くからで
ある。これにひきかえ送信コイル固定スキャンでは,位
置指示器にもっとも近いコイルが常に送信し,受信コイ
ルのみがスキャンされる。
【0068】さて,図25の下半分で示す送信コイル固
定スキャン方法がデジタルコミュニケーションシステム
で用いられた理由について説明する。デジタルコミュニ
ケーションシステムにおける位置指示器は,共振回路で
生成される高周波信号を整流することにより,電源を獲
得する。電源回路がそれに接続された共振回路で生成さ
れた信号成分の一部は,その電源回路により吸収されて
しまう。従来のスキャン動作はタブレットから位置指示
器に対してなされていたといえる。図26はその時点に
おいて共振回路の両端に現れる信号電圧を示す。誘導電
圧は送信が最近接コイルからなされたときに最大とな
り,コイルが位置指示器から離れるにつれて減少する。
しかしながら,誘導電圧が大きければ大きいほど,より
多く電源は電源回路により吸収されるから,結局,図に
示すようにおよそ三つのコイルについて,ある特定のレ
ベルでカットされた信号が共振回路で生成される。した
がって,このことは正確な座標計算がなされないという
問題を引き起こす。タブレットでコイルから受信された
信号が座標計算に必要な一定の信号レベル分布を有しな
いからである。
【0069】したがって,デジタル通信システムにおけ
るこの問題を解決するために,一つの処置が採用され
た。セクタースキャンの際に送信コイルを固定して,共
振回路での一定レベルでの電圧生成を容易にすることで
ある。受信コイルをスキャンするから,位置指示器との
間の距離に対応する信号レベルがタブレットで検出され
て,タブレットにおいて座標計算が可能になる。
【0070】この場合,コイルと位置指示器との距離の
違いは受信のときにのみ働くから,おのおののコイルに
おけるレベル差は従来方法のそれよりもより小さいとい
える。そして,かくしてこの方法は座標解像度の点で不
利である。しかしながら,0.01ミリメートルという
座標解像度の要求はA/D変換器を10桁にすることによ
り実現されている。
【0071】デジタルコミュニケーションシステムを可
能にするためのもう一つの事項は,送受信タイミングの
組み合わせが複数あることであって,それについてこれ
から説明する。デジタルコミュニケーションシステムは
タブレットからの電磁波を位置指示器のタイミング信号
として用いる。したがって,バーストと呼ばれる絶え間
ない送信を,従来のスキャンタイミングとは別に実行す
る必要がある。
【0072】また,位置指示器へのコマンドは送信持続
時間により表されるから,少なくとも三つの種類の送信
時間が設定され得るものでなければならない。したがっ
て,この発明の特定の実施態様は,送受信タイミングが
ファームウェア手段により自由に設定できるような設計
を組み込んでいる。
【0073】上に説明したのは,GDタブレットに欠く
ことのできない二つの事項であった。そして,次に述べ
るのは,他の事項であって図25に示す。
【0074】コイルの巻数についていえば,従来の2回
巻きは充分な電源をタブレットから位置指示器へ供給す
るには幾分不十分である。したがって,本発明の発明者
は思い切って巻き数を増やして8回巻きセンサーコイル
を用いた。好ましくは4回巻きから20回巻きであり,
もっとも好ましくは6回巻きから10回巻きである。U
Dシリーズで用いられていた6.4ミリメートルのコイ
ルピッチは8回巻きには狭すぎるから,10.4ミリメ
ートルのコイルピッチが採用された。10.4ミリメー
トルのコイルピッチ形状は,両側のサイドローブが七つ
のコイルスキャンにちょうど含まれるピッチであるとい
う事実に基づいている。
【0075】機能と仕様とを制限したローエンドマシン
を考慮して,460.8キロヘルツが選択された。RS
232Cのボーレートである3.686メガヘルツから
分割して得られる周波数であり,動作の保証された50
0キロヘルツに近い周波数だからである。
【0076】他の選択された周波数は384.0キロヘ
ルツである。460.8キロヘルツの5/6倍である。
信号レベルが周波数シフトの際に極端に落ちるのを防ぐ
ためと,動作の際に干渉をなるべく起さない必要とから
選択された。
【0077】図27はこの発明の一つの実施態様に基づ
くデジタイザタブレットの一般的な回路構成である。図
28は,その回路の中の種々の信号の動作タイミングを
示す図である。
【0078】図27に示す回路構成について簡単な説明
をする。この回路は16ビットマイクロコンピュータ
(例えば日立300H),CMOSゲートアレイ53
(例えばW4023F),アナログマルチプレクサ(7
4HC4051)及びアナログ回路を含む。
【0079】送受信回路がX軸とY軸とについて独立し
て設けられていることの理由をまず説明する。このシス
テムでは,1024段階(10桁)のペンの筆圧分解能
が使われた。それを実現するためには,後述するよう
に,少なくとも512の波が筆圧をデジタル化する時に
数えられなければならない。積分回路のディレイ時間を
考慮に入れると,少なくとも2ミリ秒のバースト期間が
必要となる。さらに,総計12ビット(筆圧10ビッ
ト,プラス,サイドスイッチ2ビット)の情報を返すの
に必要とされる時間は,150マイクロ秒かける12で
あり,1.8ミリ秒を必要とする。すべてのものを合成
すると,3.8ミリ秒が筆圧検出のために使われるか
ら,UDシリーズと同じサンプリングスピードを達成す
るためには座標検出は残りの1.2ミリ秒の間になされ
なければならない。これがX軸とY軸との同時検出を必
要とする理由である。XとYとの同時検出が実現可能な
理由は,送信コイル固定スキャニングが実行されている
からである。
【0080】送信信号は直接的にクロック出力をマルチ
プレクサを介してゲートアレイのTX端子(TX1又は
TX2)から供給する。マルチプレクサを流れる電流を
20ミリアンペア又はそれ以下に維持するために適切な
抵抗が挿入される。
【0081】アナログ回路は,前述したように,同期検
波を実行する。そしてW6005S一個がそれぞれの軸
について用いられる。W6005Sに供給される検出ク
ロックRCK1及びRCK2は,ゲートアレイW402
3Fにより生成される方形波である。これらのRCK1
とRCK2とはファームウェアにより位相が90度ずれ
るように設定されている。同期検波回路が検出のための
二つの位相要素に分割されているのはなぜかというと,
0度と90度の要素の方形波により座標解像度を改善す
るためである。
【0082】図28で、信号INTはゲートアレイから
マイクロコンピュータへの割込み信号であって、一つの
送受信期間を意味する。この割込み信号が入るや否や、
マイクロコンピュータは直ちに4チャンネルのA/D変
換を開始して、次のサイクル(送受信)のための条件を
ゲートアレイに対して設定する。
【0083】図28において、T/Rは送信期間をあら
わす信号である。この期間の間、460.8キロヘルツ
(又は384.0キロヘルツ)の送信信号がTX1端子
(又はTX2端子)から出力される。他の期間(受信期
間)には高いインピーダンスを持つが、およそ2.2マ
イクロ秒の間の低いレベルの期間がある。スイッチング
ノイズを押さえるためである。また、受信期間について
いうと、送信信号と同じ周波数の検出クロックがRCK
1とRCK2から出力される。このクロック信号は45
度の間隔でファームウェアにより設定され得る。そし
て、現実にはRCK1とRCK2とは90度ずれて設定
されて用いられ得る。
【0084】信号MUTEは,受信期間の間はインピー
ダンスが高く送受信回路に影響を与えないが,送信期間
の間はレベルが低いから,そこにおいて信号を吸収し,
受信アンプにろ過される。
【0085】さらに図28において,DCは受信システ
ムの最後の段階である積分回路で保持された直流信号を
放電するための信号であり,送信の完了に続く4.4マ
イクロ秒の間の放電は,その後の期間において信号がゼ
ロから累積されたものとして検出されるのを許容する。
【0086】位置指示器とのコミュニケーションのため
にデジタル技術を用いるタブレットにおいては,クロッ
ク信号が重要である。クロック信号を抽出する技術はす
でに図7を参照しつつ上に述べた。図29は,その回路
の詳細な例を示すものである。その回路の動作波形が図
30に示されている。
【0087】このクロック抽出回路は,ショットキーバ
リアダイオードを用いる電圧倍加技術に基づく検出回路
を採用する。この検出回路の時定数は用いられるコンデ
ンサ容量と抵抗の値により決定される。その時定数は共
振回路に誘導された信号の包絡信号が検出器の出力とし
て得られるように選択される(図30参照)。送受信の
タイミングは,送信期間が50マイクロ秒で,受信期間
が100マイクロ秒となるように選択される。上述した
送信期間の値は,共振信号が送信動作において飽和する
のに少なくとも50マイクロ秒かかるという事実を考慮
して決められている。飽和に要する時間は共振回路のQ
値によって左右される。共振回路に誘導された信号が,
送信の停止後,充分に低いレベルまで減衰するのにおよ
そ100マイクロ秒かかるから受信期間は100マイク
ロ秒に決定される。
【0088】検出された信号(図30のCLK2A)
は,デジタル積分回路により波形に形成される(波形の
形成は,その信号を電源供給電圧の半分に近い閾値で処
理することによりなされる)。形成された信号CLK2
OUTは直接にはクロック信号として用いることができ
ない。図30に示す信号CLK2OUTにスパイク(多
数の短い幅のパルス)が現れるからである。そのスパイ
クを除去するために,信号CLK2OUTは1メガオー
ム抵抗器と7ピコファラッドのコンデンサで構成される
積分回路を通過させられて,それから入力部分にシュミ
ット回路をもったバッファ回路に入力される。かくし
て,ついには,クロック信号として用いられる信号がそ
のバッファ回路の出力において獲得される。
【0089】図7に示すリセット信号はクロック信号
を,1メガオームの抵抗器と470ピコファラッドのコ
ンデンサとからなる積分回路に通過させることによって
獲得される。タブレットから送信されるバースト信号の
周期はこのリセット信号により検出される。つまり,リ
セット信号は位置指示器からのデジタルデータの送信開
始タイミングを示す。リセット信号は,たとえば筆圧の
ようなアナログ量をデジタル信号に変換する動作におい
ても用いられる。さらに,コマンドがタブレットから送
信されたときにおいては,リセット信号はコマンドの終
わりを示す(図15から17,19,24)。
【0090】デジタルペン技術では,筆圧を表すアナロ
グ信号は位置指示器の中でデジタル信号に変換され,そ
の結果として生じるデジタル信号がタブレット送られ
る。先に延べたように,その変換は筆圧をパルスの幅に
変換し,それからそのパルス幅を,タブレットのループ
コイルにより生成された放射波から抽出されたクロック
信号を使って数えることにより実行される(図8参
照)。
【0091】図8に示す回路では,筆圧検出のためにプ
ラスのパルス(リセット信号)が積分回路に入力されて
いる。しかしながら,実際の位置指示器では,反転信号
(GATE端子)がこれから説明する理由により用いら
れている。GDで用いる位置指示器では,IDデータを
貯える64ビットのヒューズROM(S−2100R)
が用いられている。このROMはネガティブロジックフ
ォームにおいて,リセット信号を必要とする。この要求
をみたすために,バースト期間において,ネガティブパ
ルスが生成される。これらのパルスは,集積回路のピン
の数を最小化するために,筆圧検出動作においても用い
られる。以上の理由により,用いられるGATE信号は
図15から17に示す信号(e)に対して極性において
反対である。
【0092】ゼロ点調整についていうと,筆圧は,その
コンデンサ要素がCスイッチユニットである,時定数回
路の結果の遅れ時間を検出することにより検出される。
しかしながら,Cスイッチユニットは筆圧がゼロのとき
でも現れる初期容量をもっている。このことは筆圧がゼ
ロのときに,回路がゼロに等しくないある特定の出力値
を生み出すことを意味する。このゼロでない値を補償す
るために,図31に示すゼロ点調整回路が用いられる。
このゼロ点調整回路はカウンタがその数える動作を,G
ATE信号が低く(ローに)なった時点からわずかに遅
れて,始めるようにする役割を果たす。
【0093】この図31の回路で,もしもGATEとZ
EROとの間の時定数がGATEとAN1との間の時定
数に対して,実質的に等しく設定されていれば,筆圧曲
線はゼロの値から現れる。
【0094】図32は,重大性の最も少ないビットを検
出する回路によって取得された筆圧データを返す(転送
する)ための回路を示す。図33は図32に示す回路の
中のいろいろな場所における信号波形を図示する。
【0095】この回路の動作は,図6,10及び11を
参照しつつ,先に述べた原理に基づく。図32におい
て,クロック信号を端子CLK2INPで与えられる信
号から抽出する部分は,図29に示したものと同じであ
る。抽出されたクロック信号は,図32に示すように,
ワンショットモノモノステーブルマルチバイブレータを
介してパラレルシリアル変換器に適用される。図10及
び11を参照しつつ先に説明した理由に基づく。ここで
用いられているパラレルシリアル変換器は74HC16
6と等価のものである。ワンショットモノステーブルマ
ルチバイブレータは,(例えば74HC74のような)
Dフリップフロップによって実現できる。
【0096】CR回路がワンショットモノステーブルマ
ルチバイブレータに接続される。このCR回路の時定数
は、出力パルスの立ち下がりエッジのタイミングの見地
において,次の条件を満たすように決定される。
【0097】立ち下がりのエッジは送信の終わりの後で
現れるべきである。
【0098】立ち下がりのエッジは,次の送信の始まり
の前に現れるべきである。
【0099】これらの必要性の理由は,図10及び図1
1を参照しつつ説明した議論を考えれば自ずと明らかに
なるであろう。
【0100】共振回路は,図32に示すように,OUT
端子に接続されたダイオードを用いてオンとオフとに切
替がなされる(そのダイオードは,図6又は10に示す
ようにスイッチとして働く)。オンとオフとの切替は,
制御信号OUTに応じて実行される。図34は,共振回
路のオンとオフとの切替の動作を図示する。図34に示
すように,ダイオードに適用される制御信号は(送られ
るべき)スイッチング信号の反転したものである。
【0101】OUT端子における信号がハイレベルであ
るとき(そして,かくして送信される信号がロウレベル
又はゼロであるとき),ダイオードは逆向きにバイアス
される。その結果,OUT信号は共振回路に対して何ら
の影響をも及ぼさない。かくして,共振回路は動作可能
であり,タブレットはペンからの信号を受け取る。
【0102】一方,OUT端子がロウレベルのとき(そ
して,かくして送信データがハイレベル又は1であると
き),共振回路に誘導される信号はその半分の周期で遮
断される。残りの後の半分のサイクルにおいては信号は
急速に減衰する。共振回路のQ値がかなり高いためであ
る。そして、タブレットは何等の信号をも受け取らな
い。
【0103】よく機能するペンを実現するには、サイド
スイッチを二つ設けることが望ましい。図35は、回路
にサイドスイッチを二つ設けた場合の一例を示す。この
回路は図32に示すものと類似する。違うのはシリアル
パラレル変換器の入力の数が10から12に増加したこ
とである。すなわち、サイドスイッチに結びつく付加的
な2ビットの信号が、10ビットの筆圧データに引き続
いて送信される。図36はこの回路の動作する波形を図
示する。
【0104】図37はサイドスイッチの状態を検出する
回路を示す。広く採用される技術にあっては、スイッチ
状態を検出する回路はスイッチとプルアップレジスタと
をCMOS回路の入力端子に接続することにより構成さ
れていて、CMOS回路の入力がプルアップレジスタを
通じて電源供給電圧レベルまで引き上げられる。しかし
ながら、この技術はその回路では大きな電流を消費する
ことを要する。この問題を回避するために、この回路は
図に示すように、GATE端子からの電流がネガティブ
パルス期間にのみ流れるように改変されている。そのネ
ガティブパルスはバースト期間を検出することにより生
成され、筆圧検出に用いられ、またROMへのリセット
信号としても用いられる。
【0105】スイッチ信号が検出されることが、GAT
E期間の間のみ必要とされる理由を以下に述べる。前述
したように、筆圧データはバーストの最後において保持
され、引き続くデータ返し期間の間に1ビットずつ送信
される。筆圧が保持されたときに、もしスイッチ状態も
また保持されると、図39に示すスイッチ回路がその目
的を十分に果たすものとなる。
【0106】図38に示す技術を用いれば、位置指示器
消しゴム機能が実現できる。消しゴム機能を持つ位置指
示器では、共振回路を二つ必要とする。筆圧を検出する
カウンタとGATE信号端子とは、二つのセットの回路
に共通に用いられる。双方の共振回路が同時に信号を生
成する可能性はないので、二つのクロック信号CLK1
とCLK2とは単純にORゲートを通過させられる。ク
ロック信号はどちらの共振回路が誘導信号を有している
かにより切り替えられて、筆圧が正しいCスイッチによ
り検出される。
【0107】コマンド受信動作については図12から1
7までを参照しつつ既に先に延べた。図39はコマンド
受信回路の特定の例を示している。図40は、コマンド
「0010」がタブレットから送信された場合の、この
コマンド受信回路のさまざまな場所における信号波形を
図示する。
【0108】タブレットから送られるコマンドは0と1
とからなるデジタル形式で示されており、0と1とはそ
れらの送信期間の長さにおける違いにより互いに識別さ
れる。そのデジタル信号は前述したように、二組の積分
回路により検出される。図39で、積分回路の一つがR
ESOUT端子とDATA端子との間に配置されてお
り、もう一つの積分回路がRESOUT端子とRESI
端子との間に配置されている。
【0109】図39に示すように、コマンド受信回路は
図32で用いられたものと同様のワンショットモノステ
ーブルマルチバイブレータを含んでいる。この回路で
は、そしてANDオペレーションがワンショットモノス
テーブルマルチバイブレータの出力の反転信号とクロッ
ク信号との間で実行される。「0」の送信期間に比べて
かなり長い期間を有する「1」の送信期間の比率を拡大
して、二組の積分回路が三つの異なるパルス幅を識別す
るのに十分に大きな許容範囲を持つことができることを
確保するためである。その結果の信号が二つの積分回路
を通過させられる。そして、コマンドがそれぞれの積分
回路の出力である信号c及びdに基いて検出される。
【0110】信号CLK2INPの波形を整形すること
により得られたクロック信号は4ビットシフトレジスタ
のクロック端子に加えられる。そのシフトレジスタに貯
えられたデータはこのクロック信号の立ち下がりのたび
にシフトされる。データ端子Dに加えられた値は、シフ
トレジスタの最も重要度の低いビットに保持される。4
ビットシフトレジスタが最初に4ビット情報「000
0」を保持しているときに、もしもコマンド「001
0」が図40に示すように1ビットごとに入力され、そ
してもしもバースト信号がそのコマンドに続いて送信さ
れるとすると、そのとき、次のような動作が起こる。
【0111】もしそのコマンドの最初のビット「0」が
受け取られると、シフトレジスタは、CLK2INPの
立ち下がりで信号cの値を取得し、それを最も重要度の
低いビットQ0に格納する。この時、信号cはロウレベ
ルにあり、かくして4ビットシフトレジスタに格納され
た情報は依然として「0000」のままである。
【0112】もしその二つ目のビット「0」が受け取ら
れると、シフトレジスタは、CLK2INPの立ち下が
りで再び信号cの値を取得し、それを最も重要度の低い
ビットQ0に格納する。この時、信号cはまたしてもロ
ウレベルにあり、かくして4ビットシフトレジスタに保
持された情報「0000」には何の変更も起こらない。
【0113】もし三つ目のビット「1」が受け取られる
と、シフトレジスタは、再び信号cの値をCLK2IN
Pの立ち下がりで取得し、それを最も重要度の低いQ0
に格納する。この時、信号cはハイレベルにあり、かく
して4ビットシフトレジスタに格納される情報は「00
01」になる。
【0114】もし4番目のビット「0」が受け取られる
と、シフトレジスタは再びCLK2INPの立ち下がり
で信号cの値を獲得し、それを最も重要度の低いビット
Q0に格納する。この場合、信号cはロウレベルにある
から、4ビットシフトレジスタに保持される情報は「0
010」になる。
【0115】その4ビットの信号は4ビットデコーダに
向けて出力される。この4ビットデコーダはその入力端
子においてラッチを有していて、シフトレジスタからの
情報は、信号dの立ち上がりのときにのみ受け入れられ
保持される。
【0116】もしもバースト信号がその4ビット情報に
続いて受け取られると、信号dは所定の遅延の後に立ち
上がる。この信号dの立ち上がりにおいて、4ビットシ
フトレジスタに保持されている情報「0010」は、4
ビットデコーダに送られる。このようにして、タブレッ
トからのコマンドは完全に受け取られる。
【0117】バースト期間に引き続いて、情報返し期間
がある。その期間においては、情報が返され、また受け
取られたコマンドに従ってローテーション制御や周波数
シフトなどの要求された動作が実行される。
【0118】専用に開発された集積回路は、64ビット
ヒューズROM(S−2100R)に直接接続するため
の端子を持っている。詳細な接続は図41に示されてい
る。このヒューズROMにクロック信号を供給するため
に、信号EXCLKが図42に示すように生成される。
このROMの仕様書によれば、情報のシフト動作はクロ
ック信号の立ち下がりに呼応して開始し、クロック信号
の次の立ち上がりの前には終了する。このことは、DA
TA端子における出力値が、EXCLK信号がロウレベ
ルである期間を通じて不確定であることを意味する。こ
の不確定さを避けるために、出力信号(EXT)は、そ
の積分回路の内部において、前述したワンショットモノ
ステーブルマルチバイブレータの出力とともに、AND
回路のオペレーションに委ねられて、その結果の信号
(実際には、この信号の反転信号)がOUT端子を通じ
て出力される。
【0119】一般に、位置指示器のIDは常に64ビット
を要するわけではない。上の見地から、最初の12ビット
は位置指示器ID(その位置指示器のタイプを示すも
の)に割り当てられて、検出回路はこれらの12ビットの
みを検出し得るように設計される。
【0120】図42は、コマンド「**01」が、RO
Mからの情報をすべて読み込むためにタブレットから送
信される動作を図示する。ROM S−21OORの中
に書き込まれた64ビットの情報のうち、最後の1ビッ
トは「ゼロ」であるべきである。ID情報の検出のため
の送受信期間の完了の後、さらに座標検出のための送受
信動作が実行される必要があるからである。座標検出の
ための期間の間、クロック信号は依然として位置指示器
内部で生成されている。しかしながら、S−2100R
は、64ビットと同じだけ又はそれ以上のクロック信号
が入力されたとき、連続的に最後のデータを出力するよ
うに設計されている。この仕様により、実際に用いるこ
とのできるビット数は63に制限される。
【0121】図43は、コマンド「**11」が、12
ビットの位置指示器IDのみを検出するためにタブレッ
トから送信される動作を図示する。上述したように、S
−2100Rはデータをシフトし、それぞれのクロック
信号に応じて、それを出力する。かくして、この積分回
路は、最初の12ビットがEXT端子から出力されるのを
許容し、それに続くデータが出力されるのを禁ずるよう
なカウンタ回路を含むことになる。
【0122】マルチモードにおける周波数シフト動作の
技術の原理は、図19及び20を参照しつつすでに述べた。
ここで重要なのは、FET 2SK1960の制御電圧
がアナログスイッチのように機能することである。2S
K1960は1.5ボルトの制御電圧により制御され得
て、低いオン抵抗を持つ。この位置指示器において必要
とされる電源供給電圧について、以下、議論する。この
位置指示器に用いるために開発されたゲートアレイは、
シャープ社によって提供されているLZ96シリーズの
低電圧処理技術に基づいている。この技術においては、
0.9ボルトの電圧での動作が保証されている。ゲートア
レイが500キロヘルツの周波数で用いられているとき
には、最低動作保証電圧は1.0ボルトである。他方、
シリアルROM S−2100Rは、データ読み込み期
間の間において少なくとも1.1ボルトの電圧を必要と
する。周波数シフトを実現するためにここで用いられて
いる2SK1960についていえば、1.5ボルトの制
御電圧のもとで仕様書により保証されているオン抵抗値
は0.8オームである。周波数シフトを効果的に実現す
るには、FETのオン抵抗値が2オーム以下であるべき
ことが、実験的に要求される。制御電圧1.1ボルトで
2オーム以下のオン抵抗値を有する電子部品を選択する
ことは可能ではあるが、多くの電子部品はその選択から
もれることになるだろう。上述の問題を回避するため
に、もし電源供給電圧を1.5ボルトにあげると、送信
パワーもまたきわめて高いレベルに増大する。
【0123】如上の見地から、FETにかけられる制御
信号電圧のみが増大されている。図44は、制御信号電
圧のみを増大するための付加部分を含む回路を図示す
る。もう一つの電源供給電圧は、おのおのの送受信期間
の間に抽出されたクロックシグナル(CLK2OUT)
に対して電圧倍加整流を実行することにより生み出され
る。図44で、トランジスタ2SC2712が、集積回
路から供給される制御信号(SIFT)のレベルを変更
するのに使われている。この回路は、たとえ電源供給電
圧が1.0ボルトのときでも、およそ1.8ボルトの制
御電圧を生み出すことができる。
【0124】W4021Sがこの発明の特定実施態様に
おいて用いられ得る。 (1) 概要 W4021は、デジタルコミュニケーションが可能な位
置指示器の中に用いる集積回路として開発されたゲート
アレイである。 製造者:シャープ社 製品名:LZ96650(650ゲート) パッケージ:28−ピン TSOP 特徴: 高い筆圧検出分解能1024ビットが実現され
ている。三つまでの異なるアナログデータ及び8ビット
のスイッチデータが検出できる。63ビットIDデータ
を書き込める外部シリアルROM(S−2100R)を
W4021Sに直接接続できる。ローテンション検出に
用いられる、ローテーション検出制御信号を出力するた
めの端子が供給されている。イレーサペンの可能性を実
現するために共振回路を二つまで接続可能である。マル
チモードに用いるために周波数シフトコントロール端子
が設けられている。筆圧に加えてさらにサイドスライダ
(ダイヤル)の状態検出も可能である。28ピンTSO
Pパッケージが採用されているから、集積回路がペンの
中に組み込み可能である。中間位置復帰レバー(スライ
ダ)の状態を、プラスマイナス1024レベルの高い解
像度で検出できる。
【0125】W4021Sは、デジタル通信によりタブ
レットから送られる4ビットデジタルデータを受け取る
ためのコマンド受信回路、受け取ったコマンドによって
きまるデジタルデータを送信するためのデータ送信回
路、及び容量又は抵抗値の変化によりあらわされる(筆
圧のような)アナログ量を検出する回路を含む。これら
の要素を用いて、タブレットとデジタルペンとは、双方
向デジタル通信により互いに通信する。W4021S
は、タブレットから受け取ったコマンドによってきま
る、あらかじめ定義された動作を実行する。それぞれの
コマンドに応じてあらかじめ定められた数々ある動作の
中で、IDデータの送信(*011)、周波数シフト
(*111)、及び63ビットデータの送信(**0
1)はすべてのモードに共通である。W4021SのE
XT端子を通じて入力される無限のシリアルデータを返
すことも可能である(コマンド**01)。64ビット
ヒューズROM(S−2100R)を用いるときには、
前述したように最後のビットが「ゼロ」でなければなら
ない。その結果、コマンド「**01」が受け取られた
とき63ビットのIDデータが返される。この場合、最
初の12ビットが、コマンド「*011」に応じて返さ
れる、位置指示器のIDを記述するのに用いられる。
【0126】3−Dモード(D0=1、D1=1) 中間復帰サイドレバーに適合するために、アナログ入力
端子が二つある。これらの二つの端子における信号は、
遅延時間の長さにおいて互いに比較されて、より大きな
遅延時間を持つ信号のみが10ビットデジタルデータに
変換される。どちらの入力端子が選択されているかを示
す付加的な1ビットデータが10ビットデータに結合さ
れて、その結果の11ビットデータが返される(コマン
ド:**00)。五つの入力端子を通して定義される5
ビットのスイッチデータが返され得る(コマンド:**
10)。
【0127】3−Dモードの応用 5つのボタンと中間位置復帰レバーを備えた3−D入力
デバイス 位置指示用のスタイラスペン 32レベルのスイッチを備えた位置指示用のスタイラス
ペン
【0128】イレーサモード(D0=1,D1=0) イレーサモードでは、筆圧に加えて、イレーサとサイド
スライダ(ダイヤル)という形で検出を実現するため
に、三つのアナログ入力端子が用いられ得る。ペン側
と、イレーサ側とにそれぞれ一つずつ、合計二つの共振
回路が搭載され得る。ペン側の共振回路から信号(CL
K2A)が入力されるとき、二つのサイドスイッチデー
タと、AN1端子を通じて与えられる信号から検出され
た10ビットデータと、からなる12ビットデータが返
される。他方、イレーサ側の共振回路から信号(CLK
2B)が入力されるとき、二つのサイドスイッチデータ
と、ERR端子を通じて与えられた信号から検出された
10ビットデータとからなる、12ビットデータが返さ
れる(コマンド:**00)。コマンド**10が受け
取られると、AN2端子を通して与えられた信号から検
出された、サイドスライダに対応する10ビットデータ
が返される(コマンド**10)。
【0129】イレーサモードの応用例 二つのサイドスイッチを備えたペンとイレーサ 二つのサイドスイッチを備えたペン、イレーサ、そして
サイドスライダ(エアブラシ)。
【0130】バレルモード(D0=0,D1=1) このモードでは、ローテーション検出、筆圧(AN1端
子)とサイドスライダ、ペンサイドダイヤル(AN2端
子)とが可能である。このモードは、AN1端子とER
R端子とにおける信号が互いに比較されてより大きな遅
延の信号が10ビットデジタルデータとして送信される
ような、中間位置復帰タイプのサイドレバーに適用する
こともできる。コマンド0010が受け取られると、A
N1端子とERR端子とにおける信号のうちより大きな
遅延を持つ信号を変換して得られた10ビットデータ
と、どちらの信号が選択されたかを示す1ビットデータ
と、三つの入力端子を通じて規定される2ビットスイッ
チデータとからなる、14ビットデータが返される(コ
マンド:0010)。コマンド1010が受け取られる
と、AN2端子を通じて与えられた(サイドスライド)
信号を変換して得られた10ビット信号が返される(コ
マンド1010)。コマンド*110が受け取られる
と、バレル端子がハイになる。もし共振回路の磁束分布
がこの信号のロウからハイへの伝送に応じて変更される
と、タブレットは、ローテーション角度検出に用いられ
るもう一つの座標値を得ることができる。このコマンド
を受け取った際には、データの送信は起こらない(コマ
ンド*110)。コマンド*110により設定されたロ
ーテンション検出状態を解除するためには、コマンド*
00をタブレットから送る必要がある。この**00コ
マンドを受け取ると、バレル端子における信号はロウレ
ベルに変わる。しかしながら、データの送信は起こらな
い(コマンド**00)。
【0131】バレルモードの応用 ローテーション検出エアブラシ。 3ビットスイッチを備えたローテーション検出ペン。 3ボタン、ローテンション検出能力、そして中間位置復
帰レバーを備えた3−Dパック。
【0132】カーソルモード(D0=1,D1=1) カーソルモードでは、8つの入力端子を通じて規定され
る8ビットスイッチ情報がペンから返される(コマン
ド:***0)。
【0133】カーソルモードの応用 マルチボタンカーソル。
【0134】(2) 動作条件 電源供給電圧: 1.0ボルトから3.0ボルト 最大クロック周波数: 500キロヘルツ
【0135】(3) 端子 CLK2A:共振回路内で発生した信号から引き出され
た検出信号の入力端子。 CLK2B:イレーサ側の共振回路内に誘導された信号
から引き出された検出信号の入力端子。この端子は、イ
レーサモード以外のモードではスイッチ入力端子(SW
3)として働く。 CLK2OUT:CLK2A又はCLK2Bを通って入
力された信号は、整形されてから、CLK2OUT端子
を通って出力される。 CLK2INP:クロック信号が、時定数の小さい積分
回路を通過した後に、この端子CLK2INPを通じて
入力される。このクロック信号は、端子CLK2OUT
を通じて入力される信号の、立ち上がりの直前と立ち下
がりの直後に現れるスパイクを削除するのに用いられ
る。この入力端子CLK2INPはシュミットトリガ回
路を有している。この端子を通じて入力されるクロック
シグナルはタブレットからの電磁波の送信タイミングと
同期がとられている。 WIDTH、WIDTHOUT:適切な時定数を備えた
回路がこれらの端子の間に接続される。パルスが、端子
CLK2INPを通じて入力された信号が立ち上がると
きに生成されて、パルスの幅が端子WIDTHとWID
THOUTとの間に接続された回路の時定数により決定
される。返されるべきデータが「1」のとき、端子OU
Tにおける信号レベルは、上に述べたパルスの幅と等し
い期間の間だけ、ロウになり、共振回路の動作はこの期
間の間だけ無効になる。 RESOUT:端子CLK2INPの入力信号がハイで
ある期間から、WIDTHとWIDHOUTとの間の時
定数により決定されるパルス幅を差し引いて決められる
期間の間、ハイレベルの信号がこの端子を通じて出力さ
れる。この端子RESOUTを通じて出力される信号
は、共振回路の中に誘導された信号の持続時間を検出す
るのに用いられ、その結果、タブレットから送信された
コマンドのタイミングを検出し、バースト信号のタイミ
ングをも検出する。
【0136】DATA:適切な時定数が選択された回路
がこの端子とRESOUT端子との間に接続される。こ
の時定数に基づいて、タブレットから送信される電磁波
の持続時間が100マイクロ秒よりも長いか否かが決定
され、その結果、タブレットから送信されたコマンドが
「0」か「1」かを決定する。 RES:適切な時定数が選択された回路が、この端子と
RESOUT端子との間に接続される。この時定数に基
づいて、タブレットから送られる電磁波の持続期間が7
00マイクロ秒よりも長いか否かが決定され、その結
果、タブレットから送られた信号がバースト信号か否か
を決定する。もし、この端子における電圧が閾値よりも
高くなると、端子DATAを通過して検出されたデジタ
ルデータはコマンドとみなされ、かくして保持される。
もし、タブレットからの電磁波の送信がとまった後で、
端子RESにおける電圧がロウになると、端子RESに
おける電圧は強制的にロウにさせられる。その後、保持
されたコマンドにしたがって、データが端子OUTを通
じてタブレットに送信される。端子AN1,AN2又は
EPRを通じて入力されたパルスの幅が、端子CLK1
A又はCLK1Bを通じて入力されたクロックパルスの
数を、端子RESにおける信号がハイである間、数える
ことにより決定され、その結果、たとえば筆圧をあらわ
すそのアナログ情報をデジタル値に変換する。 GATE:パルス信号が、時定数の変化を検出するため
に、この端子GATEを通じて出力され、それによっ
て、筆圧のようなアナログ量を検出する。 ZERO:適切に時定数が決められた回路がこの端子Z
EROに接続されて、筆圧のようなアナログ量からデジ
タル形式への変換におけるゼロ位置が正しく設定され
る。カーソルモードにおいては、この端子は、SW8入
力端子として働く。 AN1:適切に時定数が選ばれた回路がこの端子AN1
に接続される。3−Dモードとバレルモードでは、信号
の遅延はこの回路の時定数に対して評価され、そしてE
PR端子に接続された回路の時定数に対しても評価され
る。より大きな遅延時間を有する信号が選択されて、デ
ジタル信号に変換される。どちらの信号が選択されたか
という情報もまた返される。カーソルモードでは、この
端子はスイッチ7の入力端子として働く。
【0137】EPR:筆圧を検出するための時定数回路
がこの端子に接続される。3−Dモード及びバレルモー
ドにおいては、信号の遅延がこの回路の時定数、及び端
子AN1に接続された回路の時定数に比べて評価され
る。より大きな遅延時間を有する信号が選択され、デジ
タル信号に変換される。どちらの信号が選択されている
かという情報もまた返される。カーソルモードでは、こ
の端子はスイッチ6の入力端子として働く。 AN2:バレルモード及びイレーサモードにおいて、サ
イドスライダに関連するアナログ量を検出するための時
定数回路がこの端子AN2に接続される。カーソルモー
ド及び3−Dモードでは、この端子はスイッチ4の入力
端子として働く。 CLK1A:共振回路の中で誘導された信号がこの端子
に加えられる(その信 号は筆圧検出のために用いられる)。CLK1B:イレ
ーサ側の共振回路の中に誘導された信号がこの端子に加
えられる(その信号は筆圧検出に用いられる)。 BARREL:バレルモードでは、ローテーション検出
制御信号がこの端子を通じて出力される。カーソルモー
ド及び3−Dモードでは、この端子はスイッチ5の入力
端子として働く。イレーサモードでは、この端子は、製
造メーカテスト端子として働き、一般にはグラウンドに
接続される。
【0138】 SW1:スイッチ1の入力端子。 SW2:スイッチ2の入力端子。 D0:モード設定入力端子。 D1:モード設定入力端子。 SIFT:マルチモードで用いられる周波数シフト制御
信号出力端子。 OUT:これを通してデジタルデータがタブレットに返
される共振回路制御信号出力端子。 EXCLK:外部の64ビットROM(S−2100
R)が採用されたときに用いられるクロック信号出力端
子。 EXT:拡張データの入力端子。 PDN:この端子PDNを通じて、電源投入のときより
もわずかに遅延する信号が加えられて、SIFTとBA
RRELの端子が初期状態でロウレベルにあることを保
証するようにする。
【0139】W4022F (1) 概要 W4022Fはデジタルコミュニケーションを可能とす
る位置指示器の中で用いるためのゲートアレイである。
W4022FはW4021Sよりも多くの数のピンを持
っていて、付加的な機能が用意されている。W4022
FはW4021Sに対して上位コンパティブルであり、
W4021SはW4022Fに置き換えられることがで
きる。 製造者:シャープ社 製品名:LZ96650(650ゲート) パッケージ:48ピン QFP W4021Sとの相違点 異なる4つまでの10ビットアナログ情報が検出でき
る。17ビットまでのデジタル情報を入力できる。
【0140】(2) 機能の簡単な説明 W4022Fは、タブレットからデジタル送信により送
られた4ビットデジタルデータを受信するコマンド受信
回路、受け取ったコマンドによって決まるデジタルデー
タを送信するデータ送信回路、及び容量又は抵抗値の変
化によってあらわされる(筆圧のような)アナログ量を
検出する回路を含む。これらの要素をつかって、タブレ
ットとデジタルペンとは、双方向デジタルコミュニケー
ション手段により互いに通信する。W4022Fは、あ
らかじめ定義された動作を、タブレットから受け取った
4ビットデータに基づいて、実行する。W4021Sに
おけるのと同様に、四つの異なる動作モードが、端子D
1及びD2を経て設定可能である。それぞれのコマンド
に対してあらかじめ定義された数々の動作のうちで、I
Dデータの転送(「*011」)、周波数シフト(「*
111」)及び63ビットのIDデータの転送(「**
01」)はすべてのモードに対して共通である。これら
のコマンドのための動作はW4021Sによりなされる
動作と同様である。
【0141】一旦、如上の開示がなされれば、そこにお
けるさまざまなほかの変更、特徴、改良などが当業者に
とってあきらかなものとなるであろう。そのようなほか
の特徴、変更、改良などはかくしてこの発明の一部とし
て考慮される。そして、その権利範囲は特許請求の範囲
により決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(同調回路を含む)位置指示器と対応するタブ
レットであってその上を位置指示器が動くものとを含む
従来型のデジタイザシステムを示す概念図である。
【図2】この発明の一つの実施例にしたがって、デジタ
イザタブレットと対応する位置指示器回路とを描く概念
ブロック図である。
【図3】図1の従来型デジタイザシステムの特徴を図示
する概念図である。
【図4】この発明の一つの実施例によるデジタルデジタ
イザシステムの特徴を図示する概念図である。
【図5】図1の従来型デジタイザシステムの特徴を図示
する概念図である。
【図6】本発明の一つの実施例に基く、デジタルデジタ
イザシステムの特徴を図示する概念図である。
【図7】本発明の一つの実施例に基く、クロックシグナ
ルを取り出す回路と技術とを図示する概念図である。
【図8】本発明の一つの実施例に基く、筆圧のデジタル
化との連繋に用いる回路と技術とを図示する概念図であ
る。
【図9】本発明の一実施例に基く電源抽出回路である。
【図10】本発明の一実施例に基くデジタル位置指示器
(例えば、電子スタイラス又は電子ペン)のブロック図
である。
【図11】図10の位置指示器回路に適用される各種の
波形を描く。
【図12】本発明の一実施例に基く、タブレットから位
置指示器へのデジタルコミュニケーションの各種の波形
を図示する。
【図13】本発明の特定の実施例に用いられる送信継続
時間検出技術に関する回路とそれに関連する波形とを図
示する。
【図14】本発明の一実施例に基くID機能を有する位
置指示器のブロック図である。
【図15】個々の命令が送られる際の各種の波形を図示
する。
【図16】ほかのコマンドが送られる際の各種の波形を
図示する。
【図17】さらに別のコマンドを送る際のさらに別の波
形を図示する。
【図18】本発明の一つの実施例に基づいて周波数シフ
トのための位置指示器の回路を示すブロック図である。
【図19】本発明の特定の実施態様に基づいて周波数シ
フト回路のための回路構成と対応する波形を図示する。
【図20】本発明の特定の実施態様に用いるMOSFE
Tを図示する。
【図21】本発明のマルチモード実施態様において取ら
れる手順を図示するフローチャートである。
【図22】図22Aと図22Bとは,本発明の特定実施
態様にしたがって位置指示器のローテーションを検出す
るのに用いる隣接位置指示コイルを図示する。
【図23】この発明の特定の実施態様にしたがって位置
指示器のローテーションを検出するための回路構成を図
示する概念ブロック図である。
【図24】本発明の図22及び図23の実施態様にした
がって,回転角度を検出するための回路構成と対応する
波形とを図示する。
【図25】従来型の送信/受信方法論と,本発明の特定
実施態様に従う送信/受信方法論との双方を図示する。
【図26】送信コイルスキャニングの間に送られる波形
を図示する。
【図27】本発明の特定実施態様に従うタブレットの回
路図である。
【図28】図27の回路における波形を図示する。
【図29】本発明の特定実施態様に従うクロック信号抽
出回路の回路図である。
【図30】図29の回路構成によりなされるクロックシ
グナルの抽出を図示する。
【図31】本発明の特定実施態様に基づく筆圧ゼロ調整
回路を図示する。
【図32】本発明の特定実施態様に基づく情報返答回路
を図示する。
【図33】図32の情報返答回路に用いられる波形を図
示する。
【図34】ダイオードによる,本発明の一実施態様に基
づく位置指示器の中の共振回路のスイッチングを図示す
る。
【図35】本発明に基づく一実施態様に基づくサイドス
イッチ検出回路を図示する。
【図36】図35の回路に使用され得る波形を図示す
る。
【図37】本発明の特定の実施態様において用いる,消
費電流の少ないスイッチング回路を図示する。
【図38】本発明の一実施態様に基づいてイレーサを備
えた位置指示器の回路構成を図示する。
【図39】本発明の一実施態様に基づくコマンド受信回
路を図示する。
【図40】図39の回路の波形を図示する。
【図41】本発明の一実施態様に基づく64ビットのヒ
ューズROMへの通信を図示する。
【図42】本発明の特定の実施態様に基づき,所定のコ
マンド受信の際の波形の作用を図示する。
【図43】他の受信コマンドの作用をもたらす波形を図
示する。
【図44】本発明の特定実施態様に基づく周波数シフト
信号の発生を図示する回路図である。
【符号の説明】
1 位置指示器 2 IC 3 誘導コイル 5 コンデンサ 7 スイッチ 9 アナログセンサー 11 ROM 13 タブレット 15 電子スイッチ 17 筆圧検出回路 19 シリアル変換器 21 検出回路 23,27 コンパレータ(比較器) 25 積分回路 31 カウンタ回路 33 クロック端子 35 Cスイッチユニット 43 時定数回路(積分回路)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタイザ座標入力システムであって、 複数の導電部材を含むデジタイザタブレットと、 該タブレット近くを動かし、座標情報を入力するための
    位置指示器と を有し、 前記タブレットの中の前記導電部材のうちの少なくとも
    いくつかが電磁波を生成し、それらが前記位置指示器に
    送られ、該電磁波はその位置指示器のIDを示すID情
    報を前記タブレットに向けて送信するための位置指示器
    へのID要求を規定し、 前記位置指示器は、その要求を前記タブレットから受け
    取る回路を含み、そこにおいて位置指示器は前記タブレ
    ットからのその要求を解釈し、その要求への応答として
    位置指示器を識別するための位置指示器ID情報を前記
    タブレットに向けて送信することを特徴とするデジタイ
    ザ座標入力システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 前記タブレットからのID要求を受けたのに応答して、
    前記位置指示器が位置指示器ID情報をタブレットに送
    るのみであることを特徴とするデジタイザ座標入力シス
    テム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 前記位置指示器が位置指示器ID情報をタブレットに送
    るのが連続的又は実質的に連続的にではないことを特徴
    とするデジタイザ座標入力システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 前記導電部材が前記タブレットの互いに重ね合わされた
    ループコイル群であって、それらが電磁波を生成し、そ
    の電磁波が位置指示器に送られ、そして、そのタブレッ
    トの重ね合わされた同じループコイル群が位置指示器か
    らタブレットに向けて送られた電磁波を検出することを
    特徴とするデジタイザ座標入力システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 前記タブレットの中の一つ目の重ね合わされたループコ
    イル群が、前記位置指示器に向けて電磁波を生成し、 前記タブレットの中の二つ目の異なる重ね合わされたル
    ープコイル群が、前記位置指示器から前記タブレットに
    向けての、位置指示器ID情報を含む電磁波を検出する
    ことを特徴とするデジタイザ座標入力システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 位置指示器に向けて送られる電磁波の持続期間又はパル
    ス幅が、位置指示器により解釈され、デジタル情報を示
    すものとされて、 そのデジタル情報により前記ID要求を規定することを
    特徴とするデジタイザ座標入力システム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 タブレットから受け取られた一つ目の持続時間又はパル
    ス幅の電磁波が位置指示器によりゼロと解釈され、 タブレットから受け取られた異なる二つ目の持続時間又
    はパルス幅の電磁はが位置指示器により1と解釈され、 ゼロ及び/又は1からなる所定の数列が、ID要求を意
    味するものとして位置指示器により解釈されることを特
    徴とするデジタイザ座標入力システム。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 前記位置指示器が異なる時定数をもつ第一及び第二の積
    分回路を有し、 タブレットから受けた信号を処理する積分回路が、電磁
    波の持続時間又はパルス幅を決定するために、それぞれ
    の前記積分回路は比較器とやり取りすることを特徴とす
    るデジタイザ座標入力システム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のデジタイザ座標入力シス
    テムであって、 さらに、受信した電磁波が所定の持続期間のうちのどの
    時であるかを、それぞれの前記積分回路の出力信号の直
    前のパルス終端が対応する比較器の閾値に到達すること
    を測定することにより決定する手段を有することを特徴
    とするデジタイザ座標入力システム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のデジタイザ座標入力シ
    ステムであって、 少なくとも三種類のパルス幅を複数の積分回路の入力端
    子に連続的に加える手段を有し、 電圧がパルス幅の関数として増大する信号が該複数の積
    分回路により出力されることを特徴とするデジタイザ座
    標入力システム。
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