JP2000099038A - フィードバック型能動騒音制御装置 - Google Patents

フィードバック型能動騒音制御装置

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JP2000099038A
JP2000099038A JP10264712A JP26471298A JP2000099038A JP 2000099038 A JP2000099038 A JP 2000099038A JP 10264712 A JP10264712 A JP 10264712A JP 26471298 A JP26471298 A JP 26471298A JP 2000099038 A JP2000099038 A JP 2000099038A
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noise
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Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】抑制したい騒音の擬似騒音を送出してスピーカ
を経て、その擬似騒音を合成する騒音制御フィルタの入
力側に接続された騒音検出用マイクロホンに至る帰還路
の特性を模擬する帰還制御フィルタを有するフィードバ
ック型の能動騒音制御装置に関し、騒音制御フィルタ係
数の更新回路を実現する。 【解決手段】課題の逆フィルタ構成回路260と、該騒音
制御フィルタか又はフィルタ121の出力とフィルタ122に
接続した適応フィルタ123の出力との差が最小となるよ
うにその係数を更新するシステム同定回路120とを設
け、さらに、該システム同定回路120を、該連立方程式
から得られる制御対象騒音の生成過程を表現する伝達関
数と先に該システム同定回路120で同定した該帰還路の
伝達関数との比を構成する分子を該第1のフィルタ121
に、分母を該第2のフィルタ122に構成して該適応フィ
ルタ123の係数として繰り返し算定する。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、小さく抑えたい制御の対象とな
る騒音とは同振幅・逆位相の関係になるように合成した
擬似騒音をスピーカから送出し、音響的に重ね合わせる
ことによって該制御対象騒音を相殺する能動騒音制御装
置、特にフィードバック型構造の能動騒音制御装置の改
良に関するものである。
【0002】図9は、そのフィードバック型能動騒音制
御装置の一般的な構成例を示している。この能動騒音制
御装置は制御の対象となる騒音wj[j: sample time inde
x]にスピーカ202から送出された合成騒音gjをマイク
ロホン201の位置で音響的に重ね合わせることによっ
て消音する。その消音の状況はマイクロホン201の出
【数1】 によって監視され、この出力ejが最小となるように係数
更新回路230は騒音制御フィルタ220の係数を更新
する。
【0003】ここで、誤差経路フィルタ231は、騒音
制御フィルタ220の出力端から乗算器221、スピー
カ202及びマイクロホン201を経由して係数更新回
路230に至る誤差経路の特性を模擬するフィルタであ
り、騒音制御フィルタ220の係数更新に必要とされ
る。
【0004】また、スピーカ202からマイクロホン2
01に至る帰還路と騒音制御フィルタ220とで構成す
る一巡閉路の利得が“1”を越えるときにハウリングが
発生してしまうので、これを防止するため帰還制御フィ
ルタ210と加算器(減算器)211が設けられてい
る。
【0005】上記の式(1)から明らかなように、gj
−wjとなるときに該騒音wjは相殺され、マイクロホン2
01の付近で騒音は小さくなる。
【0006】このフィードバック型の能動騒音制御にお
ける問題点は、その合成騒音gjが制御対称騒音wjを元に
して生成されることから派生する。すなわち、制御対称
騒音wjをマイクロホン201で受けて騒音制御フィルタ
220で合成し、乗算数器221で反転した後、合成騒
音gjとしてマイクロホン201に送るまでに遅延は避け
られない。従って、このフィードバック型の能動騒音制
御装置で制御できる騒音は時間遅延に無関係な周期性の
騒音に限られる。
【0007】この能動騒音制御装置の設計に際して最も
留意すべき点は、この装置の導入によって騒音が増加す
るような逆効果な事態を防ぐように装置を安定して動作
させる必要があるということである。
【0008】
【従来の技術】上記のフィードバック型能動騒音制御装
置においては、騒音制御フィルタ220の係数を更新す
る係数更新回路230に適用される最も代表的な適応ア
ルゴリズムとして、通常のLMS(Least Mean Square) 法
にスピーカ202を経てマイクロホン201の出力に至
る経路の特性を模擬する誤差経路フィルタ231を前置
する変形を加えたFiltered-x LMS法がある。
【0009】すなわち、図9に示すスピーカ202から
出力されてマイクロホン201に達する合成騒音gjが帰
還制御フィルタ210の出力によって完全に相殺されて
いるとすると、騒音制御フィルタ220の入力xjは騒音
wjそのものとなる。従って、この入力xjは騒音制御フィ
ルタ220の係数を更新する適応アルゴリズムにとって
参照信号として取り扱える。
【0010】また、マイクロホン201の出力ejは、ス
ピーカ202からマイクロホン201に至る帰還路を経
て希望の応答wjに加えられる適応フィルタの出力gjと希
望の応答wjとの差と見做せる。この二つの信号を用いる
ならば、このフィードバック型の構成はフィードフォワ
ード型の能動騒音制御装置(例えば本出願人による特願
平10−205502号)と全く同様に扱えることにな
る。
【0011】すなわち、この場合の騒音制御フィルタ2
20の係数Ajは、次式によって更新される。
【0012】
【数2】 ここで、
【数3】 は騒音制御フィルタ220の入力xjに誤差経路フィルタ
231を適用して得られる信号yjをI個集めてYj(i)=y
j-i+1と置いた信号列である。
【0013】また、Iはタップ数、μはステップゲイン
と呼ばれる定数、
【数4】 は時刻jで設定した騒音制御フィルタ220の係数であ
る。
【0014】このFiltered-x LMS法によって騒音制御フ
ィルタ220の係数を安定して更新するためには、スピ
ーカ202を経てマイクロホン201の出力に至る帰還
路のインパルス応答を予め算定し、その結果を帰還制御
フィルタ210と誤差経路フィルタ231の係数として
設定しておく必要がある。
【0015】その算定は通常、能動騒音制御を開始する
前に白色雑音発生回路240を用いて図10に示すよう
な回路を構成して行われる。この回路構成で減算器21
1の出力xjが最小となったときに帰還制御フィルタ2
10は該帰還路を模擬できたことになる。あとは、その
時の係数更新回路230の係数を誤差経路フィルタ23
1に複写すればFiltered-x LMS法による騒音制御フィル
タ220の係数が更新が可能となる。
【0016】この係数更新法を適用したフィードバック
型の能動騒音制御装置は多く用いられており、例えば、
下記の文献(1)に示されている。 (1)尾本他、「移動騒音源に対する適応アルゴリズム
の振る舞い−Feedbackシステムの場合−」平成9年度日
本音響学会秋季研究発表会講演論文集I ,1-4-14, pp.501
-502
【0017】さて、このフィードバック型の能動騒音制
御装置の信号の流れは図11のブロック図で等価的に表
される。但し、 W(z):騒音wjのz変換、 X(z):減算器211の出力xjのz変換、 E(z):マイクロホン201の出力ejのz変換、 A(z):騒音制御フィルタ220の伝達関数 B(z):スピーカ202を経てマイクロホン201の出力
に至る帰還路の伝達関数 D(z):帰還路の伝達関数B(z)と帰還制御フィルタ210
の伝達関数 との差
【0018】この図11において騒音制御フィルタ22
0の係数はマイクロホン(減算器)201の出力E(z)が
最小となるように更新される。この図11からフィード
バック型能動騒音制御は騒音制御フィルタ220を適応
フィルタとする騒音wjに対する線形予測分析装置と見做
せると分かる。ここに着目して提案された方法として適
応予測型能動騒音制御があり、これは下記の文献(2)
に示されている。
【0019】(2)浜田他、「適応予測によるアクティ
ブノイズコントロール−適応フィルタによる実現−」平
成4年度日本音響学会秋季研究発表会講演論文集I ,2-4
-11,pp .531-532 その構造は、図12に示すように適応予測フィルタ22
1を用いて騒音制御フィルタ220のフィルタ係数を制
御するものである。更に、この適応予測型の能動騒音制
御の線形予測分析部分をブロック図で表すと、図13に
示すようになる。ここで、a(z)は適応予測フィルタ22
1の伝達関数である。
【0020】この従来構成例(2)が有効に動作するた
めには、先に説明した従来構成例(1)と同様、該帰還
路は帰還制御フィルタ210によって高い精度で模擬さ
れ、D(z)≒0 なる近似が成り立つことが前提となる。
【0021】すなわち、このときにおいて
【数5】 が成り立つときは、減算器211の出力X(z)は騒音W(z)
そのものとなる。
【0022】更に、その近似は でもあるので、この二つの近似、D(z)=0と を図11の回路構成に適用して騒音制御フィルタ220
の伝達関数A(z)と帰還路の伝達関数B(z)の接続順序を入
れ換えれば、図13と図11の各構成例は同じ構造をも
つ騒音W(z)に対する線形予測分析回路となると分かる。
【0023】すなわち、図13の回路構成による線形予
測分析の結果として減算器222の出力が最小になった
ときに、その適応予測フィルタ221の係数はマイクロ
ホン201の出力E(z)を最小にする騒音制御フィルタ2
20の係数を与える。従って、この適応予測フィルタ2
21の係数を騒音制御フィルタ220の係数として複写
するときに騒音wjは小さく抑えられる。
【0024】
【発明が解決しようする課題】しかしながら、問題は、
この図9と図12に示したフィードバック型能動騒音制
御装置の制御原理が共に を前提としていることである。
【0025】一般に、該帰還路のインパルス応答の推定
に誤差は避けられず、その応答が更に時間と共に変化す
ることは十分に想定される。もっとも、合成騒音に白色
雑音を重畳し、それを参照信号とすることによって帰還
制御フィルタ210の係数を常時更新し、 を維持する対策も執り得る。しかし、その白色雑音の送
出は能動騒音制御装置を新たな騒音源とすることに等し
い。
【0026】図9の能動騒音制御装置では、もう一つの
欠点として「Filtered-x LMS法に代表されるFiltered-x
型の係数更新アルゴリズムは原理的に不安定なこと」が
挙げられる。このFiltered-x LMS法の安定条件について
は、(3)矢吹他、「Cフィルタにモデル化誤差が存在
する場合のFiltered-x LMS法における安定条件」電子情
報通信学会論文誌(A),vol.J80-A, no.11, pp.1868-1876
(1997-11)でも検討されている。
【0027】しかしながら、結果として「できるだけ小
さなステップゲインを与える」こと以外の対策は示され
ていない。しかも、その解析によればステップゲインを
小さくしても安定性は完全には保証されない。従って本
発明の課題は、抑制したい制御対象騒音とは同振幅・逆
位相となる擬似騒音を送出するスピーカを経て、その擬
似騒音を合成する騒音制御フィルタの入力側に接続され
た騒音検出用マイクロホンに至る帰還路の特性を模擬す
る帰還制御フィルタを有するフィードバック型の能動騒
音制御装置において、これらの欠点を根本的に解決し本
質的に安定した騒音制御フィルタ係数の更新回路を実現
することに在る。
【課題を解決するための手段】図1は本発明に係るフィ
ードバック型能動騒音制御装置の構成を原理的に示した
ものである。逆フィルタ構成回路260は、騒音制御フ
ィルタ220から帰還路と帰還制御フィルタ210の両
路を経て再び騒音制御フィルタ220に戻る一巡閉路と
は逆の伝達関数であって制御対象騒音の生成過程を表現
する伝達関数を含む特性をもつフィルタを構成する回路
である。
【0028】システム同定回路120は、該帰還制御フ
ィルタ210か該騒音制御フィルタ220のどちらかに
異なる二組の一定係数を与え、その二組の一定係数に対
して該逆フィルタ構成回路260内に構成された逆フィ
ルタの二つの伝達関数に基づいて立てられる連立方程式
から該制御対象騒音の生成過程を表現する伝達関数の分
を消去して得られる解の分子を構成する第1のフィルタ
121の出力と該解の分母を構成する第2のフィルタ1
22に縦続接続した適応フィルタ123の出力との差が
最小となるように該適応フィルタ123の係数を更新し
て該帰還路の伝達関数を同定する回路である。
【0029】また、このシステム同定回路120は、制
御対象騒音を消音する騒音制御フィルタ220の係数の
算定にも繰り返し用いられ、該連立方程式から得られる
制御対象騒音の生成過程を与える伝達関数と該帰還路の
伝達関数との比の分子を第1のフィルタ121に構成
し、その分母を第2のフィルタ122として構成し、減
算器124の出力を最小にする適応フィルタ123の係
数として該制御対象騒音を最適に消音する騒音制御フィ
ルタ220の係数を算定している。
【0030】以下に図1に示したフィードバック型能動
騒音制御装置の動作原理を説明する。このフィードバッ
ク型の能動騒音制御装置で消音できるのは騒音wjの相関
成分に限られる。その騒音wjの相関成分の生成過程は全
極モデルとして表現することができ、白色ガウス雑音を
入力として騒音W(z)は次式のように表すことができる。
【数6】
【0031】この騒音wjの相関成分に対して合成騒音gj
が良好に相殺し、マイクロホン201の出力ejを白色化
したときには、図11のマイクロホン出力E(z)は次式、
【数7】 において“1”となる。
【0032】ここで、E(z)=1を適用して式(7)を整理
すると次式が得られる。
【数8】 この式(8)を騒音制御フィルタ220の伝達関数A(z)
について整理すると次式、
【数9】 が得られ、この伝達関数A(z)を構成する係数を騒音制御
フィルタ220に与えるときに騒音が最も小さくなるこ
とが分かる。
【0033】ここで、
【数10】 である。すなわち、その伝達関数A(z)を得るためには伝
達関数B(z)とP(z)を求めればよい。
【0034】このフィードバック型の能動騒音制御装置
で観測可能な信号はマイクロホン201の出力ejと減算
器211の出力xjだけである。その減算器211の出力
xjは図11の構成によれば、騒音制御フィルタ220に
伝達関数を とする係数を設定したときに上記の式(6)を代入する
ことにより、
【数11】 として得られる。
【0035】本発明では、この出力X(z)に対して逆フィ
ルタ構成回路260を用いて逆フィルタX-1(z) を求め
る。例えば、この出力X(z)に図2に示す逆フィルタ構成
回路260を適用したときには、減算器262の出力が
最小となった時点で非巡回型フィルタ261には伝達関
数が
【数12】 となる係数が設定される。
【0036】この伝達関数S(z)には式(9)を構成する
未知数P(z)とD(z)(すなわちB(z))が含まれている。そ
の二つの未知数P(z)とD(z)を算定するためには、式(1
2)として得られる方程式だけでは足りず、方程式はも
う一つ要る。
【0037】その二つの方程式を得る方法として、本発
明者らは既に騒音制御フィルタ220あるいは帰還制御
フィルタ210には任意の一定係数が設定可能なことを
利用する手法を上記の特願平10−205502号で提
案している。
【0038】すなわち、その騒音制御フィルタ220あ
るいは帰還制御フィルタ210に対して独立した二組の
一定係数を与えるとき、その二組の係数に対して逆フィ
ルタ構成回路260は二つの伝達関数S1(z)とS2(z)を与
える。これを利用すれば以下に示す如く二つの方程式
(連立方程式)が得られる。
【0039】(1)騒音制御フィルタ220に二組の係
数を与える場合 ここで、騒音低減量をわずかに低下させることが容認で
きるとする。すなわち、騒音制御フィルタ220の係数
A(z)に騒音低減量が大きく低下しない程度に変更を加
え、二つの異なる伝達関数A1(z)とA2(z)を構成する係数
を二組与えると、その二組の係数に対して逆フィルタ構
成回路260は伝達関数が
【数13】
【数14】 となる非巡回型フィルタ261を構成する。
【0040】そこで、この両式に対して
【数15】
【数16】 と変形して一方の未知数P(z)を消去すると、二つの未知
数のうちの一つ
【数17】 が得られる。なお、伝達関数S1(z)とS2(z)は、図2の非
巡回型フィルタ261を用いてそれぞれ伝達関数A1(z)
とA2(z)を決めれば求められる。
【0041】従って、この式(17)の右辺は全て既知
の伝達関数からなっており、この帰還制御フィルタ21
0の伝達関数 と帰還路の伝達関数B(z)との差D(z)が算定可能であるこ
とが分かる。
【0042】そして、図1に示したように、第1のフィ
ルタ121で式(17)の分子を求め、第2のフィルタ
122で式(17)の分母を求め、減算器124からの
両者の差がなくなるように適応フィルタ123の係数を
更新すれば伝達関数D(z)が求められることになる。
【0043】同様に、式(13)と式(14)から残る
未知数のP(z)についても解くことができる。すなわち、
未知の伝達関数D(z)について
【数18】
【数19】 と整理した後に両者を等しいと置いて
【数20】 が得られる。
【0044】すなわち、求める制御対象騒音xjを最適に
消音する騒音制御フィルタ220の伝達関数A(z)は、式
(9)に式(10)を代入して整理した次式
【数21】 に上記式(17)と式(20)を計算して得られるD(z)
とP(z)、そして、帰還制御フィルタ210の現在の伝達
関数 を代入することによって得られる。
【0045】しかしながら、この時点で現在の伝達関数
よりも精度が向上した帰還路(スピーカ202→マイク
ロホン201)の伝達関数が式(17)から
【数22】 として得られている。
【0046】それならば、この を帰還路の新しい伝達関数とする修正を加える操作を行
う方が自然である。
【0047】そこで、帰還路の伝達関数を式(22)の に変更する。この時、新しい帰還路の伝達関数 に対して制御対象騒音xjを最適に消音する騒音制御フィ
ルタ220の伝達関数A(z)は、D(z)=0と近似されるの
で、式(21),(22)により、
【数23】 から計算できることになる。
【0048】そして、式(23)における分子P(z)を図
1の第1のフィルタ121で求め、分母 を第2のフィルタ122で求めることにより、減算器1
24の出力が“0”になるように適用フィルタ123の
係数a(z)を更新し、以て伝達関数A(z)を求めることがで
きる。
【0049】(2)帰還制御フィルタ210に二組の係
数を与える場合 騒音制御フィルタ220の場合と同様に、帰還制御フィ
ルタ210の係数も帰還量の増大を一時的に容認すれば
任意に設定可能である。すなわち、騒音制御フィルタ2
20に伝達関数が となる係数を与え、また、帰還制御フィルタ210に対
してハウリングが起こらない程度に係数に変更を加えて
差分D(z)が
【数24】
【数25】 となるように係数を設定する。
【0050】これにより、逆フィルタ構成回路260は
伝達関数が
【数26】
【数27】 となる非巡回型フィルタ(261) を構成する。ここから、
未知数P(z)を消去するために両式を
【数28】
【数29】 と整理し、両者を等しいと置いて、もう一つの未知数B
(z)について整理すると
【数30】 が得られる。
【0051】この式(30)に関しても、上記(1)に
おいて式(17)に関して図1の原理構成を適用した場
合と同様に、分子に第1のフィルタ121を適用し、分
母に第2のフィルタ122を適用すればよい。
【0052】更に、もう一つの未知数P(z)を得るため
に、式(26)と式(27)を
【数31】
【数32】 と整理して、両者を等しいと置くことによって
【数33】 が得られる。
【0053】ここで、帰還制御フィルタ210の係数を
式(30)を用いて更新しないで、その伝達関数を、例
えば に維持するときは式(9)に式(24)を適用して整理
した次式
【数34】 に式(30)と式(33)を使って求めたB(z)とP(z)を
代入して計算すれば、制御対象騒音xjを消音する騒音制
御フィルタ220の係数が得られる。あるいは、帰還制
御フィルタ210の伝達関数を に維持する場合は、次式
【数35】 を用いて制御対象騒音xjを消音する騒音制御フィルタ2
20の係数は計算される。
【0054】また、式(30)を使って帰還制御フィル
タ210の係数を更新するときには、上記(1)の場合
と同様にD(z)=0と近似されるので、その式(30)から
計算した帰還制御フィルタ210の新しい伝達関数 を用いて
【数36】 と計算できる。
【0055】この場合も、上記(1)と同様に式(3
6)の分子を第1のフィルタ121に適用し、分母を第
2のフィルタ122に適用することで騒音制御フィルタ
の係数を求めることができる。
【0056】なお、上記のシステム同定回路120は以
下のような変形が可能である。 ・該連立方程式を、該逆フィルタ構成回路が与える伝達
関数から定数1を除いた分の伝達関数を用いて構成する
こと。 ・設定する該騒音制御フィルタあるいは該帰還制御フィ
ルタの二組の係数を装置起動時には異なるタップに定数
設定して該連立方程式を構成すること。
【0057】・設定する該騒音制御フィルタあるいは該
帰還制御フィルタの二組の係数を、時間を置いて設定さ
れた該騒音制御フィルタあるいは該帰還制御フィルタの
二組の係数とすること。 ・設定する該騒音制御フィルタあるいは該帰還制御フィ
ルタの二組の係数を装置起動時には前回の起動時に得て
記憶させた係数とすること。
【0058】・該帰還制御フィルタに二組の係数を与え
て行う係数更新に際して新旧二つの帰還制御フィルタの
係数の差が一定値以下となったときには該帰還制御フィ
ルタの係数を更新しないようにすること。 ・設定する該騒音制御フィルタあるいは該帰還制御フィ
ルタの二組の係数と該逆フィルタの伝達関数に対して、
該帰還制御フィルタの係数の次回の更新には今回の更新
に使用した係数と対応する伝達関数を流用すること。
【0059】
【発明の実施の形態】以上のように原理的に説明した本
発明に係るフィードバック型能動騒音制御装置の実施例
について以下に説明する。
【0060】まず、上記の伝達関数 は実際にはフィルタの係数として求められなければなら
ない。ここでは、全てのフィルタの構造を非巡回型とし
て騒音制御フィルタ220の係数を算定する具体例を説
明する。なお、ここでは、非巡回型フィルタの係数はイ
ンパルス応答に一致し、伝達関数の積は時間領域で畳み
込みに対応することが利用される。
【0061】(1)騒音制御フィルタに二組の係数を与
える場合の実施例 まず、式(17)の右辺の分母を払って
【数37】 と表す。ここで、伝達関数が既知のA1(z), A2(z), S
1(z), S2(z)であるフィルタと適応フィルタd(z)を組み
合わせて図3に示すシステム同定回路120を構成す
る。
【0062】すなわち、図1に示した第1のフィルタ1
21をフィルタ1211,1212と減算器1213と
で構成し、第2のフィルタ122をフィルタ1221〜
1224と減算器1225〜1227とで構成してい
る。
【0063】このシステム同定回路120においては、
減算器1227の出力[A1(z){1-S 2(z)}-A2(z){1-S1
(z)}]と減算器1213の出力{S1(z)-S2(z)}とが等
しくなるように、すなわち減算器124の出力が“0”
になるように適応フィルタ123の係数d(z)を更新する
と、その係数d(z)が収束したときに適応フィルタ123
の伝達関数d(z)は伝達関数D(z)に一致する。
【0064】本実施例では適応フィルタ123を非巡回
型フィルタで構成しているので、その係数
【数38】 は、帰還系のインパルス応答
【数39】 と帰還制御フィルタ210の係数
【数40】 との差を与える。
【0065】すなわち、帰還制御フィルタ210の現在
の係数 に適応フィルタ123の係数dを加えれば、
【数41】 となって帰還制御フィルタ210の係数は帰還路のイン
パルス応答Bに近似される係数を有することになる。
【0066】このようにして帰還制御フィルタ210の
係数を更新すると、式(10)からD(z)は零に近似さ
れ、制御対象騒音xjを最適に消音する騒音制御フィルタ
220の係数は式(23)を用いて計算することができ
る。
【0067】そこで、式(23)を式(20)に適用
し、
【数42】 と変形して伝達関数 に代えて適応フィルタa(z)を導入し、図4に示すシステ
ム同定回路120を構成する。
【0068】すなわち、このシステム同定回路120に
おいては、フィルタ1211、1212、1214、1
215と減算器1213とで第1のフィルタ121を構
成し、フィルタ1223、1224、1228と減算器
1227とで第2のフィルタ122を構成している。
【0069】この構成で適応フィルタa(z)の係数が収束
した時点で、その係数
【数43】 は、求める制御対象騒音xjを最適に消音する騒音制御フ
ィルタ220の係数
【数44】 を与える。
【0070】(2)帰還制御フィルタに二組の係数を与
える場合の実施例 この場合は帰還路の伝達関数が直接求められる。式(3
0)の右辺の分母を払って
【数45】 と表し、適応フィルタb(z)を導入して図5のシステム同
定回路を構成する。
【0071】すなわち、フィルタ1211、1212、
1216、1217、12110、12111、121
13と減算器1213、1218、1219、1211
2、12114とで第1のフィルタ121を構成し、フ
ィルタ1221、1222、1229と減算器1227
とで第2のフィルタ122を構成している。
【0072】この構成において、適応フィルタ(b(z))
123の係数が収束した時点で帰還系のインパルス応答
の推定値
【数46】 が得られる。
【0073】従って、これを用い、式(33)を式(3
6)に適用して整理した
【数47】 となるシステム同定回路120を図6に示すように第1
のフィルタ121(フィルタ1211、1212、12
110、12111、12113と減算器1213、1
2112、12114で構成)と第2のフィルタ122
(フィルタ12210、12211、1229、122
13と減算器12212で構成)とで構成すれば、制御
対象騒音xjを最適に消音する騒音制御フィルタ220の
係数は適応フィルタa(z)の係数が収束した後に残る係数
【数48】 として得られる。
【0074】(3)電源投入からの制御フロー さて、本発明を実際の機器に適用したときの制御手順を
説明する。まず、電源投入直後においては、帰還制御フ
ィルタ210と騒音制御フィルタ220の係数がまだ算
定されていない。スピーカ202から合成騒音が送出さ
れ、一巡閉路が構成されて初めて両フィルタ210,2
20の係数は算定される。
【0075】しかしながら、係数を設定すれば一巡閉路
が構成され、ハウリングが発生する危険が直ちに生じ
る。そのために、両フィルタ210,220の係数の選
定はハウリングが発生しないように慎重に行う必要があ
る。
【0076】その電源投入時点で帰還制御フィルタ21
0の望ましい係数が算定されていないのであるから、
【数49】 が最も妥当な係数の一つである。この係数は一巡閉路の
利得を現状以上には増加させない。
【0077】一方、騒音制御フィルタ220の係数もま
だ算定されていない。しかし、このフィルタの係数とし
てA=0は設定できない。帰還制御フィルタ210の係数
を算定するためにはスピーカ203から擬似騒音(白色
雑音)を送出する必要がある。
【0078】(3−1)騒音制御フィルタに二組の係数
を与える場合のフロー 図7は制御フローである。まず、電源投入時の処理とし
て、上記の式(49)に示す初期設定を行い(ステップ
ST1)、次に設定される騒音制御フィルタ220の係
数A1とA2は独立した二つの方程式を構成する必要がある
ことから
【数50】 の関係を満たす必要がある。
【0079】ここでは、その式(50)を満たす係数と
して
【数51】
【数52】 を選び(同ST2,ST4)、その定数としてハウリン
グが発生しない程度の小さな値を与える。
【0080】次に、この二つの係数A1とA2について対応
する非巡回型フィルタ261(図2参照)の係数S1とS2
を順に計算する(同ST3,ST5)。
【0081】これで、連立方程式が得られたので、これ
らのA1、A2、S1、S2から帰還路のインパルス応答と帰還
制御フィルタ210の係数の差Dを、図3のシステム同
定回路120における適応フィルタ123の係数として
dを算定する(同ST6)ことにより求める。その係数
を帰還制御フィルタ210の現係数 に加えて
【数53】 として帰還路の係数を更新する(同ST7)。この を用いれば、制御対象騒音を消音する最も適した騒音制
御フィルタ220の係数 は図4のシステム同定回路120を用いて同様に算定さ
れる(同ST8)。
【0082】ここで重要なことは、このときに算定され
は理想の係数AOPT対して現実には誤差をもつことであ
る。そして、その誤差は独立性が高く、先に設定した係
数A2と新しく得た係数 との間には独立した成分が残る。この独立成分を利用す
れば、以上の係数更新を繰り返し適用して該騒音制御フ
ィルタの係数220を常時更新することができる。
【0083】すなわち、先に設定した二つの係数のうち
のA2をA1とし、それに対応するS2をS1をと置き換え(同
ST9,ST10)、新しく得た係数 をA2としてS2を再度算定して同様の計算を繰り返せば、
騒音制御フィルタ220の係数と帰還制御フィルタ21
0の係数は常時更新されることになる。
【0084】このことは同時に、前回の起動中に得られ
た騒音制御フィルタ220と帰還制御フィルタ210の
係数をメモリに記憶しておき、そして今回の電源投入に
際しては、そこに記憶された係数を両フィルタ210,
220に設定する構成によっても帰還制御フィルタ21
0の係数が算定できることを示している。この記憶され
た係数を利用すると、音響系の特性が比較的安定してい
るシステムの場合では電源投入時から能動騒音制御の効
果が得られる。
【0085】このように本発明の効果によって帰還制御
フィルタ210が帰還系をよく模擬するようになると、
逆フィルタの構成に用いる減算器211の出力に含まれ
る帰還成分の割合が減少し、非巡回型フィルタ261の
係数Sの算定精度が劣化することになる。しかし、その
劣化は差分Dの算定精度0dBを低下させるだけであり、そ
の差分Dが推定精度0dB で得られるようになっても、帰
還制御フィルタ210の係数の精度が向上しなくなるだ
けである。すなわち、本発明を繰り返し適用することが
できる。
【0086】(3−2)騒音制御フィルタに二組の係数
を与える場合のフロー 図8は制御フローである。この場合も電源投入時には帰
還制御フィルタ210と騒音制御フィルタ220にはま
だ係数が設定されていない。そこで、同様に騒音制御フ
ィルタ220には係数
【数54】 を設定する(ステップST11)。更に、帰還制御フィ
ルタ210に設定する
【数55】 を満たす独立した2組の係数として
【数56】
【数57】 を与える(同ST12,ST14)。
【0087】この係数 について非巡回型フィルタ261の係数をS1とS2として
求め(同ST13,ST15)、帰還系のインパルス応
答Bを図5に示すシステム同定回路120を用いて として算定する(同ST17)。
【0088】この を新しく帰還制御フィルタ210の係数として与え、図
6のシステム同定回路120を使って制御対象騒音を消
音する最も適した騒音制御フィルタ220の係数 を計算する。
【0089】ここでも、この は理想の係数Boptに対して誤差をもつので、この誤差を
利用すれば以上の係数更新を繰り返し適用して該騒音制
御フィルタ220の係数を常時更新することができる。
【0090】すなわち、先に設定した二つの係数のうち
とし(同ST19)、それに対応するS1をS2と置き換え
(同ST18)、新しく得た係数 として(同ST20)、S2を再度算定して同様の計算を
繰り返せば、騒音制御フィルタ220の係数と帰還制御
フィルタ210の係数は常時更新されることになる。
【0091】この方法での問題は、帰還制御フィルタ2
10の係数更新によって帰還成分がよく相殺され、係数
S2とS1の算定精度が劣化したときに係数 の算定精度も同様に劣化することである。この劣化は騒
音制御フィルタ220の係数も乱し、消音量の低下を招
く。
【0092】この問題を解決する最も簡単な方法は帰還
制御フィルタ210の係数が十分な精度をもったとき
に、その係数の更新を停止することである。それは帰還
制御フィルタ210の係数更新量が小さくなったことで
判断できる。
【0093】すなわち、 の差Rが一定値Ro以下に低下したときに(同ST1
6)、帰還制御フィルタ210の係数更新を停止すれば
よい。但し、そのときでも制御対象騒音の生成過程が変
化している可能性があるので、騒音制御フィルタ220
の係数は引き続き更新する必要がある(同ST21)。
【0094】
【発明の効果】以上、本発明に係るフィードバック型能
動騒音制御装置によれば、騒音制御フィルタから帰還路
と帰還制御フィルタの両路を経て再び該騒音制御フィル
タに戻る一巡閉路とは逆の特性を示すフィルタを構成す
る逆フィルタ構成回路を構成し、該騒音制御フィルタか
又は該帰還制御フィルタに異なる二組の一定係数を与え
て該逆フィルタ構成回路内に構成された逆フィルタの二
つの伝達関数に基づいて立てられる連立方程式から得ら
れる解の分子を構成する第1のフィルタの出力と該解の
分母を構成する第2のフィルタに縦続接続した適応フィ
ルタの出力との差が最小となるように該適応フィルタの
係数を更新して該帰還路の伝達関数を同定するシステム
同定回路を設け、さらに、該システム同定回路を、該連
立方程式から得られる制御対象騒音の生成過程を表現す
る伝達関数と先に該システム同定回路で同定した該帰還
路の伝達関数との比を構成する分子を該第1のフィルタ
に、分母を該第2のフィルタに構成して該適応フィルタ
の係数として該制御対象騒音を最適に消音する騒音制御
フィルタの係数を算定することに繰り返し用いるように
構成したので、能動騒音制御中も白色雑音をスピーカか
ら送出することなく、帰還制御フィルタと騒音制御フィ
ルタの係数が更新される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置の構成を原理的に示したブロック図である。
【図2】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置に用いる線形予測分析法による逆フィルタ回路の構成
を示したブロック図である。
【図3】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置に用いる騒音制御フィルタに二組の係数を与えて帰還
路と帰還制御フィルタの伝達関数の差を同定する回路実
施例を示したブロック図である。
【図4】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置に用いる騒音制御フィルタに二組の係数を与えて制御
対象騒音を最適に消音する騒音制御フィルタの係数を同
定する回路実施例を示したブロック図である。
【図5】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置に用いる帰還制御フィルタに二組の係数を与えて帰還
路の特性を同定する回路実施例を示したブロック図であ
る。
【図6】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置に用いる帰還制御フィルタに二組の係数を与えて制御
対象騒音を最適に消音する騒音制御フィルタの係数を同
定する回路実施例を示したブロック図である。
【図7】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置において騒音制御フィルタに独立した二組の係数を設
定して帰還制御フィルタと騒音制御フィルタの係数更新
を行う手順を示したフローチャート図である。
【図8】本発明に係るフィードバック型能動騒音制御装
置において帰還制御フィルタに独立した二組の係数を設
定して帰還制御フィルタと騒音制御フィルタの係数更新
を行う手順を示したフローチャート図である。
【図9】一般的に知られているフィードバック型能動騒
音制御装置の回路構成例を示したブロック図である。
【図10】一般的に知られているフィードバック型能動
騒音制御装置に用いられる帰還制御フィルタの係数を算
定する回路構成例を示したブロック図である。
【図11】一般的に知られているフィードバック型能動
騒音制御装置を等価的に示したブロック図である。
【図12】一般的に知られている適応予測型のフィード
バック型能動騒音制御装置を示したブロック図である。
【図13】一般的に知られている適応予測型のフィード
バック型能動騒音制御装置の予測部分を等価的に示した
ブロック図である。
【符号の簡単な説明】
260 逆フィルタ構成回路 240 白色雑音発生回路 120 システム同定回路 121 第1のフィルタ 122 第2のフィルタ 123 適応フィルタ 124 減算器 図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D061 FF02 5H004 GB12 HA20 HB15 KA62 KC44 LA12 MA11 5J023 DA05 DB03 DC04 DD03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抑制したい制御対象騒音とは同振幅・逆位
    相となる擬似騒音を送出するスピーカを経て、その擬似
    騒音を合成する騒音制御フィルタの入力側に接続された
    騒音検出用マイクロホンに至る帰還路の特性を模擬する
    帰還制御フィルタを有するフィードバック型の能動騒音
    制御装置において、 該騒音制御フィルタから該帰還路と該帰還制御フィルタ
    の両路を経て再び該騒音制御フィルタに戻る一巡閉路と
    は逆の伝達関数であって制御対象騒音の生成過程を表現
    する伝達関数を含む特性を示すフィルタを構成する逆フ
    ィルタ構成回路と、 該騒音制御フィルタか又は該帰還制御フィルタに異なる
    二組の一定係数を与え、その二組の係数に対して該逆フ
    ィルタ構成回路内に構成された逆フィルタの二つの伝達
    関数に基づいて立てられる連立方程式から該制御対象騒
    音の生成過程を表現する伝達関数の分を消去して得られ
    る解の分子を構成する第1のフィルタの出力と該解の分
    母を構成する第2のフィルタに縦続接続した適応フィル
    タの出力との差が最小となるように該適応フィルタの係
    数を更新して該帰還路の伝達関数を同定するシステム同
    定回路とを有し、 さらに、該システム同定回路を、該制御対象騒音の生成
    過程を表現する伝達関数と先に該システム同定回路で同
    定した該帰還路の伝達関数との比を構成する分子を該第
    1のフィルタに、分母を該第2のフィルタに構成して、
    該適応フィルタの係数として該制御対象騒音を最適に消
    音する騒音制御フィルタの係数を算定することに繰り返
    し用いることを特徴としたフィードバック型能動騒音制
    御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 該システム同定回路が、該連立方程式を、該逆フィルタ
    構成回路が与える伝達関数から定数1を除いた分の伝達
    関数を用いて構成したことを特徴とするフィードバック
    型能動騒音制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 該システム同定回路が、該騒音制御フィルタ又は該帰還
    制御フィルタの二組の一定係数を装置起動時には異なる
    タップに設定して該連立方程式を構成することを特徴と
    したフィードバック型能動騒音制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、 該システム同定回路が、該騒音制御フィルタ又は該帰還
    制御フィルタの二組の係数を、時間を置いて設定した値
    とすることを特徴としたフィードバック型能動騒音制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、 該システム同定回路が、該騒音制御フィルタ又は該帰還
    制御フィルタの二組の係数を装置起動時には前回の起動
    時で得て記憶させた係数を用いることを特徴としたフィ
    ードバック型能動騒音制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、 該システム同定回路が、該帰還制御フィルタに二組の係
    数を与えて行う係数更新に際して新旧二つの帰還制御フ
    ィルタの係数の差が一定値以下となったときには該帰還
    制御フィルタの係数を更新させないことを特徴としたフ
    ィードバック型能動騒音制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、 該システム同定回路が、該騒音制御フィルタ又は該帰還
    制御フィルタの二組の係数と該逆フィルタの伝達関数に
    対して、該帰還制御フィルタの係数の次回の更新には今
    回の更新に使用した係数と対応する伝達関数を流用する
    ことを特徴としたフィードバック型能動騒音制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかにおいて、 該逆フィルタ構成回路が、非巡回型フィルタで構成され
    ていることを特徴としたフィードバック型能動騒音制御
    装置。
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