JPH1093482A - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JPH1093482A
JPH1093482A JP24022096A JP24022096A JPH1093482A JP H1093482 A JPH1093482 A JP H1093482A JP 24022096 A JP24022096 A JP 24022096A JP 24022096 A JP24022096 A JP 24022096A JP H1093482 A JPH1093482 A JP H1093482A
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Yoshihiro Ariyama
義博 有山
Shinsuke Takada
真資 高田
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応動作の初期化時における演算量を削減す
る。タップ係数をより速くエコーパスの伝達特性に収束
させる。 【解決手段】 近端及び遠端の入力信号と、内部状態量
とからエコーパスの伝達特性を推定した後、疑似エコー
信号を生成する適応フィルタ部と、エコーパスの伝達特
性を逐次的に推定するために必要な、タップ数に応じて
定まる要素数を有する上記内部状態量を初期化し、タッ
プ数の増大に応じて内部状態量の要素数を逐次拡大しつ
つ内部状態量を更新する内部状態更新部とを有する。ま
た、当該エコーキャンセラを初期化するか否かを判断
し、初期化する場合に、タップ数を初期値に設定し、そ
の後タップ数を逐次拡大し、予め設定された数にタップ
数が達した後はその値を一定に保ち、このように変化す
るタップ数を内部状態更新部及び適応フィルタ部へ出力
するブロックサイズ制御部と、近端入力信号から疑似エ
コー信号を減算する加算器とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エコーキャンセラ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】国際回線などを収容した伝送装置におけ
るハイブリッド回路で生ずる回線エコー消去のために、
一般にはエコーキャンセラが用いられる。このエコーキ
ャンセラの消去特性は、エコーパスの伝達特性の変動な
どによって劣化する。このため、エコーパスの伝達特性
の変動に高速に追従して疑似エコー信号を生成する収束
特性が良好な適応フィルタが必要となる。
【0003】このような収束特性が良好な適応フィルタ
を実現するための計算アルゴリズムとして、カルマン法
や文献1に示すRLS(recursive least squares:逐次
最小2乗)法などがある。
【0004】文献1『酒井著、「最近の適応アルゴリズ
ムの動向−RLS法を中心として−」、1992、日本
音響学会誌48巻7号、pp.493-500』 このような適応フィルタは、遠端入力信号x(n) と、R
LS法によって得られるエコーパスの伝達特性の推定値
であるタップ係数h’(k) (すなわちh’(0)〜h’(p)
)との(1) 式に示す畳み込み演算によって、疑似エコ
ー信号y(n) を生成するものである。但し、(1) 式にお
いて、Σはkが0からp(p+1がタップ数)までの総
和を表しており、nは処理時刻を表している。
【0005】 y(n) =Σh’(k) x(n-k) …(1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、疑似エ
コー信号y(n) を発生させるために、適応フィルタでは
エコーパスの伝達特性の推定値であるタップ係数h’
(k) が必要となる。ここで、適応フィルタでは、エコー
パスの伝達特性(インパルス応答の特性)に応じてタッ
プ数を決定しなければならない。
【0007】しかし、計算の対象となるエコーパスの伝
達特性は未知なので、エコーパスのインパルス応答の長
さが特定できない場合がある。
【0008】その場合、エコーパスのインパルス応答を
カバーするような余裕をもって予め見積もった固定的な
タップ数を利用することになるが、時として必要なタッ
プ数よりも長いタップ数で、疑似エコー信号の生成演算
処理が行なわれる可能性がある。特に適応動作の初期段
階においては、入力信号が十分に存在しないにもかかわ
らず、固定タップ数に応じた最大限の計算を行なうこと
になり、計算量の面から見て効率的でない。
【0009】また、RLS法は、高速な収束特性を示
し、タップ数の2倍以内の繰り返し計算で収束すること
が知られているが、適応フィルタのタップ数が長くなる
と、それに応じて収束のための繰り返し回数も増大し、
その結果、大量の演算をしなければならなくなる。
【0010】そのため、適応動作の初期段階において、
疑似エコー信号の生成のための計算の効率化を図ること
が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明のエコーキャンセラは、(1) エコーが重畳
されている近端入力信号と、タップ数分だけの遠端入力
信号と、内部状態量とからその時刻におけるエコーパス
の伝達特性を推定し、その推定値と遠端入力信号との畳
み込み演算によって疑似エコー信号を生成する適応フィ
ルタ部と、(2)エコーパスの伝達特性を逐次的に推定す
るために必要な、タップ数に応じて定まる要素数を有す
る内部状態量を更新し、更新された内部状態量を適応フ
ィルタ部へ出力する内部状態更新部と、(3) 当該エコー
キャンセラを初期化するか否かを判断し、初期化する場
合に、タップ数を初期値に設定し、その後タップ数を逐
次拡大し、予め設定された数にタップ数が達した後はそ
の値を一定に保ち、このように変化するタップ数を内部
状態更新部及び適応フィルタ部へ逐次出力するブロック
サイズ制御部と、(4) 近端入力信号から適応フィルタ部
から出力された疑似エコー信号を減算する加算器とを有
することを特徴とする。
【0012】このような構成により、適応フィルタ部を
初期化した際の収束動作初期時の演算量を削減でき、高
速な収束特性を実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるエコーキャン
セラの一実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0014】この実施形態は、エコーパスの伝達特性の
推定値の更新アルゴリズムとしてRLS法を用いたもの
である。そこで、以下ではまず、RLS法による各種の
値の原理的な更新方法を説明する。
【0015】ERを適応フィルタの出力である疑似エコ
ー信号(エコーレプリカ)とすると、時刻tにおける疑
似エコー信号ERは、(2) 式に示すように、遠端入力信
号ベクトルxn (t) と、エコーパスの伝達特性の推定値
であるタップ係数ベクトルh’n (t) との畳み込み演算
によって得られる。但し、h’n (t) は時刻tにおける
n次元ベクトル(縦ベクトル)であり、xn (t) は時刻
tから過去n個までの遠端入力信号のサンプル値でなる
縦ベクトルである。また、nは、適応フィルタ部のタッ
プ数であり、この実施形態の場合、後述するように、こ
のタップ数nが変化することに特徴を有するものであ
る。
【0016】
【数1】 RLS法においては、時刻tにおけるエコーパスの伝達
特性の推定値であるタップ係数ベクトルh’n (t) は、
時刻tでの近端入力信号(スカラー量)y(t)と、時刻
tでのn次元ゲインベクトル(縦ベクトル)kn (t)
と、遠端入力信号ベクトルxn (t) と、時刻t−1での
タップ係数ベクトルh’n (t-1) とから、(3) 式に示す
漸化式によって更新されるものである。
【0017】
【数2】 ここで、時刻tでのn次元ゲインベクトルkn (t) は、
(4) 式に示すように、時刻t−1におけるn次元の内部
状態変数行列P n(t-1) と、遠端入力信号ベクトルxn
(t) と、過去の情報ほど影響を小さくさせるための忘却
係数(スカラー量)λによって逐次的に更新されるもの
である。
【0018】
【数3】 また、時刻tにおける内部状態変数行列Pn (t) は、
(5) 式に示すように、遠端入力信号xn (t) と、時刻t
におけるゲインベクトルkn (t) と、時刻t−1におけ
る状態遷移行列Pn (t-1) と、忘却係数λを用いた漸化
式によって逐次的に更新されるものである。
【0019】
【数4】 以上から明らかなように、RLS法においては、時刻t
が更新されると、(4)式に従って、ゲインベクトルk
n (t) を更新し、更新されたゲインベクトルkn(t) を
も用いて、(3) 式に従って、タップ係数ベクトルh’n
(t) を更新した後、この更新されたタップ係数ベクトル
h’n (t) をも用いて、(2) 式に従って、当該時刻tの
疑似エコー信号ERを形成する。また、次の時刻におけ
るゲインベクトルkn (t) の更新に必要な内部状態変数
行列Pn (t) を(5) 式に従って更新しておく。
【0020】ここで、上述した(2) 式〜(5) 式で使用さ
れている各種のベクトルや行列は、適応フィルタ部のタ
ップ数nで定まる次元を有するものである。
【0021】従来においては、適応フィルタ部のタップ
数nはいかなる場合にも固定であったが、この実施形態
においては、後述するような適応動作のやり直し時の直
後の場合には、タップ数nを漸増更新させるようにして
いる。従って、RLS法によって適宜更新される各種の
ベクトルや行列の次元も、タップ数nの変化に応じて変
化させるようにしている。
【0022】この実施形態において、タップ数を変化さ
せるようにしたのは、以下の考え方による。
【0023】例えば、遠端入力信号や近端入力信号が共
にないような場合には、適応フィルタ部のタップ係数ベ
クトルh’n (t) を初期化して適応動作を最初からやり
直す。この場合において、従来のように、固定タップ数
n(ここではn=pとする)で各種のベクトルや行列の
演算を行なうと、遠端入力信号等のサンプル数がpに満
たない場合でも、p次元のベクトルや行列についての演
算を行なう。しかし、サンプル数がpに満たないので、
演算の結果得られるベクトルや行列の有効な値をとる要
素は当然に少なくなる。このように有効な値をとる要素
が、少ないにも拘らず、タップ数に応じた次元として、
ベクトルや行列の演算を行なうことは無駄が多いという
ことができる。例えば、内部状態変数行列Pn (t) で
は、タップ数pの2乗の要素があり、この要素数に応じ
た演算が必要であるが、適応動作を最初からやり直す初
期化直後においては、有効な値の要素が少なく、多くの
要素演算が無駄になっている。
【0024】そこで、この実施形態では、適応フィルタ
部で用いるタップ数nを、適応動作を最初からやり直す
場合には、初期化後の有効サンプル数に応じて順次拡大
するようにすることで演算量の削減を図っている。
【0025】図1は、以上のような考え方に従ってなさ
れた実施形態のエコーキャンセラの機能的構成を示すブ
ロック図である。
【0026】図1において、遠端入力端子10に入力さ
れた遠端入力信号Rinは、この実施形態のエコーキャ
ンセラ1に入力されると共に、エコーキャンセラ1を通
過して出力端子11から次段の処理回路に与えられる。
エコーキャンセラ1を通過した遠端入力信号Rout
(Rin)は、エコーパス(ハイブリッド回路その他で
なる)200を介して、エコーETとして、近端入力端
子12から入力された近端入力信号Sinの伝送ライン
に漏れでて、近端入力信号Sinに重畳される。このよ
うなエコーETが重畳された近端入力信号Sin’が、
この実施形態のエコーキャンセラ1に入力されてエコー
が消去され、消去後の近端入力信号Sout(残差信号
ZS)が端子13から出力される。
【0027】以上のような入出力関係にある実施形態の
エコーキャンセラ1は、ブロックサイズ制御部101
と、内部状態更新部102と、適応フィルタ部103
と、加算器Rとからなる。
【0028】適応フィルタ部103は、現時刻tの近端
入力信号Sin’(=y(n) )と、遠端入力信号Rin
のタップ数分pだけのサンプル値でなる遠端入力信号ベ
クトルxn (t) と、直前時刻のタップ係数ベクトルh’
n (t-1) とから、上述した(3) 式に従って、現時刻tの
タップ係数ベクトルh’n (t) を形成し(エコーパスの
伝達特性を推定し)、そのタップ係数ベクトルh’
n (t) と、遠端入力信号ベクトルxn (t) とから、(2)
式に従って、疑似エコー信号ERを生成するものであ
る。
【0029】なお、この適応フィルタ部103には、後
述するように、ブロックサイズ制御部101から、タッ
プ数制御信号BC(=n)が与えられており、タップ数
制御信号BC(=n)に応じた次元のタップ係数ベクト
ルh’n (t) を生成するようになされている。ここで、
次元を増大させる場合は、後述する(8) 式による。
【0030】内部状態更新部102には、遠端入力信号
Rin(タップ数分nだけのサンプル値でなる遠端入力
信号ベクトルxn (t) )が入力されており、この遠端入
力信号ベクトルxn (t) と、内部保有している直前時刻
t−1における内部状態変数行列P n(t-1) 及び忘却係
数(スカラー量)λとから、(4) 式に従って、現時刻t
でのゲインベクトルkn (t) を形成するものであり、ま
た、遠端入力信号ベクトルxn (t) と、更新されたゲイ
ンベクトルkn (t) と、直前時刻t−1における状態遷
移行列Pn (t-1) と、忘却係数λとから、(5) 式に従っ
て、現時刻tにおける内部状態変数行列Pn (t) を形成
するものである。形成された現時刻tでのゲインベクト
ルkn (t) 及び内部状態変数行列Pn (t) は、当該内部
状態更新部102に内部保有されると共に、ゲインベク
トルkn (t) は、適応フィルタ部103に与えられる。
【0031】なお、この内部状態更新部102にも、後
述するように、ブロックサイズ制御部101から、タッ
プ数制御信号BC(=n)が与えられており、タップ数
制御信号BC(=n)に応じた次元のゲインベクトルk
n (t) 及び内部状態変数行列Pn (t) を生成するように
なされている。ここで、内部状態変数行列Pn (t) の次
元を増大させる場合は、後述する(7) 式による。また、
ゲインベクトルkn (t) の次元は、内部状態変数行列P
n (t) の次元や、遠端入力信号ベクトルxn (t) の次元
が増大されると、増大されるものである。
【0032】ブロックサイズ制御部101は、遠端入力
信号Rin及び又は近端入力信号Sin’の入力状態か
ら、当該エコーキャンセラ1を初期化する必要があるか
否かを判断し(言い換えると、各種のベクトルや行列
h’n (t) 、kn (t) 、Pn (t) を初期化する時期を判
断し)、初期化する必要がある場合には、タップ数を規
定するタップ数制御信号BC(=n)を1に初期化させ
た後、時刻tが更新される毎にタップ数制御信号BCを
1インクリメントし、タップ数制御信号BCが予め設定
された最大タップ数pに達した後は、時刻が経過して
も、タップ数制御信号BCの値を最大タップ数pに維持
させるものである。以上のように、初期化直後において
のみ時刻の経過に伴って更新されるタップ数制御信号B
Cは、内部状態更新部102及び適応フィルタ部101
へ出力される。
【0033】加算器Rは、エコーETが重畳されている
近端入力信号Sin’から、適応フィルタ部103から
の疑似エコー信号ERを減算してエコーを消去するもの
である。
【0034】以上のような各部からなるこの実施形態の
エコーキャンセラ1は、全体を通しては、図2のフロー
チャートに示すように動作する。なお、図2における処
理ループは、各時刻で1回処理されるものである。
【0035】新たな時刻tになるとまず、ブロックサイ
ズ制御部101によって、例えば、遠端入力信号Rin
と近端入力信号Sin’とが監視され、両者の関係から
動作モードが判断される(ステップS1)。例えば、遠
端入力信号及び近端入力信号、又は、両信号のどちらか
一方が一定時間入力されない状況(音声レベルに達して
いない状況)にあるか否かにより、疑似エコー信号ER
を生成する適応動作の初期化を行なうか否かを判断す
る。
【0036】初期化を行なう場合には、ブロックサイズ
制御部101から値が1であるタップ数制御信号BC
(=n)が内部状態更新部102及び適応フィルタ部1
03へ出力され、このとき、内部状態更新部102は、
(6) 式に示すように、直前時刻t−1の内部状態変数行
列Pn (t-1) を初期パラメータα(固定値)だけを有す
る1×1の行列に設定する(ステップS2)。
【0037】 Pn (t-1) =α …(6) これに対して、ステップS1の判断で初期化が不要であ
るという結果を得ると、ブロックサイズ制御部101
は、今までのタップ数制御信号BC(=n)が既に最大
タップ数pに達しているか否かを確認し、達していなけ
れば、1インクリメントしたタップ数制御信号BC(=
n)を内部状態更新部102及び適応フィルタ部103
へ出力して次元の拡大処理を実行させ、一方、最大タッ
プ数pに達していると、最大タップ数pのタップ数制御
信号BC(=n)を内部状態更新部102及び適応フィ
ルタ部103へ出力して次元の拡大処理を実行させない
ようにさせる(ステップS3)。
【0038】ここで、1インクリメントされたタップ数
制御信号BC(=n)が与えられた内部状態更新部10
2は、直前時刻t−1の内部状態変数行列Pn (t-1)
を、(7) 式に従って、次元が1だけ大きい行列に更新
し、また、1インクリメントされたタップ数制御信号B
C(=n)が与えられた適応フィルタ部103は、直前
時刻t−1のタップ係数ベクトルh’n (t-1) を、(8)
式に従って、次元が1だけ大きい行列に更新する。
【0039】
【数5】 その後、次元の拡大動作の実行の有無を問わず、内部状
態更新部102によって、上述した(4) 式及び(5) 式に
従って、現時刻tでのゲインベクトルkn (t)及び内部
状態変数行列Pn (t) が形成される(ステップS4)。
続いて、適応フィルタ部103において、上述した(3)
式に従って、現時刻tでのタップ係数ベクトルh’
n (t) が形成される(ステップS5)。なお、これらの
演算処理時に利用される遠端入力信号ベクトルxn (t)
の次元も、当然に、そのときのタップ数制御信号BC
(=n)の値による。
【0040】そして、適応フィルタ部103において、
上述した(2) 式に従って、現時刻tでの疑似エコー信号
ERが形成され、加算器Rにおいて、疑似エコー信号E
Rの減算によるエコー消去動作が実行される(ステップ
S6)。
【0041】このようにして現時刻tでの一連の処理が
終了すると、ステップS1に戻って、次の時刻(t=t
+1)の処理に進むことになる。
【0042】以上のような図2に示す処理により、初期
化が必要となったときには、有効タップ数が1での適応
動作を実行し(S1、S2、S4〜S6)、その後、最
大タップ数pに達するまで有効タップ数を時刻毎に1ず
つ増大させた適応動作を実行し(S1、S3(タップ数
の更新を伴う)、S4〜S6)、最大タップ数pに達し
た以降はそのタップ数pでの適応動作を実行する(S
1、S3(タップ数を更新せず)、S4〜S6)。
【0043】上記実施形態によれば、内部状態更新部と
適応フィルタ部の操作について、適応動作を再度やり直
す初期化開始時点からタップ数を逐次増加させるように
したので、エコーパスの伝達特性へ追従し直す適応動作
の初期化時における演算量を削減することができる。
【0044】また、エコーパスのインパルス応答が比較
的短い場合には、このように演算量を削減しても、タッ
プ係数をより速くエコーパスの伝達特性に収束させるこ
とができる。
【0045】さらに、適応フィルタ部のタップ係数等の
各種パラメータは、タップ数が増加された際にも、次の
時刻へ継承されるため、収束動作がとぎれることなく、
速やかな収束動作を実現することができる。
【0046】なお、上記実施形態においては、RLS法
に適用したエコーキャンセラを示したが、タップ数に応
じた次元を有するベクトルや行列等で表される時刻毎に
逐次更新される内部状態量を利用して、タップ係数(ベ
クトル)を形成するアルゴリズムを採用しているエコー
キャンセラであれば、本発明を適用することができる。
例えば、カルマンフィルタ法や学習同定法等を利用した
エコーキャンセラに本発明を適用することができる。
【0047】また、上記実施形態においては、ハイブリ
ッド回路のインピーダンス不整合によるエコーを消去す
るエコーキャンセラを想定しているが、スピーカからマ
イクロホンへ回り込んだエコーを消去するエコーキャン
セラに本発明を適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内部状
態更新部と適応フィルタ部の操作について、適応動作を
再度やり直す初期化開始時点からタップ数を逐次増加さ
せるようにしたので、エコーパスの伝達特性へ追従し直
す適応動作の初期化時における演算量を削減でき、ま
た、エコーパスのインパルス応答が比較的短い場合な
ど、タップ係数をより速くエコーパスの伝達特性に収束
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】実施形態の動作を示したフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…エコーキャンセラ、101…ブロックサイズ制御
部、102…内部状態更新部、103…適応フィルタ
部、R…加算器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エコーが重畳されている近端入力信号
    と、タップ数分だけの遠端入力信号と、内部状態量とか
    らその時刻におけるエコーパスの伝達特性を推定し、そ
    の推定値と上記遠端入力信号との畳み込み演算によって
    疑似エコー信号を生成する適応フィルタ部と、 エコーパスの伝達特性を逐次的に推定するために必要
    な、タップ数に応じて定まる要素数を有する上記内部状
    態量を更新し、更新された内部状態量を上記適応フィル
    タ部へ出力する内部状態更新部と、 当該エコーキャンセラを初期化するか否かを判断し、初
    期化する場合に、タップ数を初期値に設定し、その後タ
    ップ数を逐次拡大し、予め設定された数にタップ数が達
    した後はその値を一定に保ち、このように変化するタッ
    プ数を上記内部状態更新部及び上記適応フィルタ部へ逐
    次出力するブロックサイズ制御部と、 近端入力信号から上記適応フィルタ部から出力された疑
    似エコー信号を減算する加算器とを有することを特徴と
    するエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】 上記適応フィルタ部が、エコーパスの伝
    達特性を逐次最小2乗法に従って推定すると共に、上記
    内部状態更新部が、逐次最小2乗法に従って内部状態量
    を更新することを特徴とする請求項1に記載のエコーキ
    ャンセラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19990080389A (ko) * 1998-04-16 1999-11-05 구자홍 가변 스텝크기를 이용한 에코 소거방법
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