JP2000259159A - フィードバック型能動騒音制御装置 - Google Patents

フィードバック型能動騒音制御装置

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JP2000259159A
JP2000259159A JP11057879A JP5787999A JP2000259159A JP 2000259159 A JP2000259159 A JP 2000259159A JP 11057879 A JP11057879 A JP 11057879A JP 5787999 A JP5787999 A JP 5787999A JP 2000259159 A JP2000259159 A JP 2000259159A
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filter
noise control
noise
feedback
transfer function
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Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消音対象の騒音と同振幅・逆位相の擬似騒音
をスピーカから送出し、該騒音を相殺するフィードバッ
ク型能動騒音制御装置に関し、擬似騒音を合成する騒音
制御フィルタの係数を常時適正に更新し、騒音を安定的
に相殺する。 【解決手段】 騒音制御フィルタ220の入力信号に対
して逆の特性を与える逆フィルタ構成回路260と、騒
音制御フィルタ220に異なる二組の係数を与えて逆フ
ィルタ構成回路260の内のフィルタの伝達関数による
二つの条件式から、騒音制御フィルタ220の係数を算
定するための算定式を求め、該算定式の分子を構成する
第一のフィルタ121の出力と、該算定式の分母を構成
する第二のフィルタ122に縦続接続した適応フィルタ
123の出力との差が最小になるように該適応フィルタ
123を更新するシステム同定回路120とを備え、そ
の適応フィルタ123の係数を騒音制御フィルタ220
の係数に設定するとともに、音響帰還系の最小遅延に対
する補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消音対象の騒音と
同振幅・逆位相の関係となるように合成した擬似騒音を
スピーカから送出し、音響的に重ね合わせることによっ
て該騒音を相殺するフィードバック型能動騒音制御装置
に関する。
【0002】図2は、フィードバック型能動騒音制御装
置の説明図である。同図はフィードバック型能動騒音制
御装置の最も一般的な構成例を示し、該フィードバック
型能動騒音制御装置は、消音制御の対象となる騒音wj
(j:サンプルタイムインデックス)に、スピーカ20
2から送出された合成騒音gj を、消音監視用のマイク
ロホン201の位置で、音響的に重ね合わせることによ
って消音する。
【0003】マイクロホン201には、消音制御対象の
騒音wj と合成騒音gj とが入力され、マイクロホン2
01の出力ej は、以下の〔式1〕により表される。 〔式1〕 ej =wj +gj
【0004】消音制御の状況は、マイクロホン201の
出力ej によって監視され、その出力ej が最小となる
ように、係数更新回路230は、合成騒音gj を生成す
る騒音制御フィルタ220の係数を更新する。明らか
に、gj ≒−wj となるときに該騒音wj は相殺され、
マイクロホン201の付近で騒音は抑制される。
【0005】このフィードバック型の能動騒音制御で実
現される効果に関する制約は、その合成疑似騒音g
j が、消音制御対象の騒音wj を入力して該騒音wj
基に合成されることから派生する。
【0006】即ち、騒音wj がマイクロホン201に入
力されてから、騒音制御フィルタ220で該騒音wj
基に疑似騒音gj を合成し、合成騒音gj がスピーカ2
02から送出されてマイクロホン201に達し、騒音w
j を打ち消すまでの動作に遅延が避けられない。
【0007】従って、フィードバック型能動騒音制御装
置で抑制することができる騒音は、マイクロホンで過去
に受けた制御対象音の標本値列から、現時点に到来する
と期待される制御対象音の標本値を予測し、その合成が
可能となるような強い相関を有する騒音に限られる。
【0008】この能動騒音制御装置の設計に際して最も
留意すべき点は、スピーカからマイクロホンに至る音響
帰還系に加えて、制御対象の騒音wj の特性が途中で変
化することが実際のシステムにおいて十分に想定される
ことである。
【0009】その変化は消音効果を低下させ、最悪の場
合、この装置によって騒音が逆に増加してしまうことも
あり得る。本発明は、相殺用の疑似騒音gj を合成する
騒音制御フィルタ220の係数を常時更新し、騒音を安
定的に相殺するフィードバック型能動騒音制御装置に関
する。
【0010】
【従来の技術】この騒音制御フィルタ220の係数を更
新するための図2に示す係数更新回路230に適用され
る最も代表的な適応アルゴリズムとして、スピーカ20
2を経てマイクロホン201の出力に至る音響帰還系の
特性を模擬する誤差経路フィルタ231を、通常のLM
S(Least Mean Square )法による係数更新回路に前置
する変形を加えたFiltered-x LMS法がある。
【0011】即ち、図2のスピーカ202から出力さ
れ、マイクロホン201に達する合成騒音gj が、帰還
制御フィルタ210の出力によって完全に相殺されると
仮定したとき、騒音制御フィルタ220の入力xj は騒
音wj そのものとなる。
【0012】従って、その入力xj は、騒音制御フィル
タ220の係数を更新する適応アルゴリズムにおいて参
照信号と見なすことができ、また、マイクロホンの出力
jは、制御対象の騒音wj とスピーカ202からマイ
クロホン201に至る音響帰還系を経て騒音wj に加え
られる適応フィルタの疑似騒音出力gj との差と見なせ
る。
【0013】明らかに、この二つの信号xj ,ej を利
用するフィードバック型能動騒音制御は、フィードフォ
ワード型能動騒音制御と全く同様に扱うことができる。
即ち、騒音制御フィルタ220の係数ベクトルAj は、 〔式2〕 Aj+1 =Aj +μej j によって更新される。
【0014】ここで、Yj は、騒音制御フィルタ220
の入力xj を、誤差経路フィルタ231に印加して得ら
れる出力信号yj をI個集め、yj (i) =yj-i+1 とお
いた信号列であり、 〔式3〕 Yj =[yj (1) yj (2) ・・・ yj (I) ]T と表される。Iはタップ数、μはステップゲインと呼ば
れる定数である。
【0015】そして、騒音制御フィルタ220の係数ベ
クトルAj は、時刻jで設定した騒音制御フィルタ22
0の係数であり、 〔式4〕 Aj =[aj (1) aj (2) ・・・ aj (I) ]T と表される。
【0016】このFiltered-x LMS法によって、騒音制御
フィルタ220の係数を安定的に更新するためには、ス
ピーカ202を経てマイクロホン201の出力に至る音
響帰還系のインパルス応答を予め測定し、その結果を帰
還制御フィルタ210及び誤差経路フィルタ231の係
数として設定しておく必要がある。
【0017】その測定は通常、能動騒音制御を開始する
前に、図3に示すような算定回路を構成して行う。同図
に示すように、白色雑音発生回路240の出力をスピー
カ202及び帰還制御フィルタ210に印加し、マイク
ロホン201から出力される音響帰還系の信号出力から
帰還制御フィルタ210の出力を減算する減算器211
の出力が最小となるように、係数更新回路230により
帰還制御フィルタ210の係数を更新する。こうするこ
とにより、帰還制御フィルタ210は該音響帰還系を模
擬したものとなる。
【0018】その後、帰還制御フィルタ210に設定し
た係数結果と同一の係数を誤差経路フィルタ231に複
写し、Filtered-x LMS法による騒音制御フィルタ220
の係数が更新可能となる。
【0019】この係数更新法を適用したフィードバック
型能動騒音制御についての提案は多数なされている。例
えば、尾本他「移動騒音源に対する適応アルゴリズムの
振る舞い−Feedbackシステムの場合−」平成9
年度日本音響学会秋季研究発表会講演論文集I,1-4-14,
pp501-502 等がある。
【0020】このフィードバック型能動騒音制御装置の
信号の流れは、図4に示す伝達関数のブロック図で表さ
れる。但し、W(z) は騒音wj のz変換、X(z) は減算
器211の出力xj のz変換、E(z) はマイクロホン2
01の出力ej のz変換、A(z) は騒音制御フィルタ2
20の伝達関数、B(z) はスピーカ202を経てマイク
ロホン201の出力に至る音響帰還系の伝達関数、D
(z) は音響帰還系の伝達関数B(z) と帰還制御フィルタ
210の伝達関数B^(z) との間の誤差{B(z)−B^
(z) }である。
【0021】図4において、騒音制御フィルタ220の
係数は、マイクロホン201の出力E(z) が最小となる
ように更新される。この図4からフィードバック型能動
騒音制御は、騒音制御フィルタ220を適応フィルタと
する騒音wj に対する予測分析装置と見なせることが分
かる。
【0022】この点に着目して提案された適応予測型能
動騒音制御に、浜田他「適応予測によるアクティブノイ
ズコントロール−適応フィルタによる実現−」平成4年
度日本音響学会秋季研究発表会講演論文集I,2-4-11,p
p.531-532等がある。
【0023】図5は適応予測型能動騒音制御装置の説明
図である。更に、図5に示す適応予測型能動騒音制御装
置における、誤差経路フィルタ231、適応予測フィル
タ221、係数更新回路230及び減算器222から成
る予測分析部分を、伝達関数のブロック図で表すと図6
のように表される。ここで、A(z) は適応予測フィルタ
の伝達関数である。
【0024】この装置が有効に動作するためには、先に
説明したフィードバック型能動騒音制御装置と同様、ス
ピーカ202からマイクロホン201に至る音響帰還系
が、帰還制御フィルタ210によって高い精度で模擬さ
れ、帰還誤差D(z) ≒0なる近似が成り立つことが前提
となる。
【0025】即ち、帰還誤差D(z) ≒0となるとき、 〔式5〕 1/{1+D(z) A(z) }≒1 が成り立ち、減算器211の出力X(z) は、騒音W(z)
そのものとなる。
【0026】更に、帰還誤差D(z) ≒0なる近似は、音
響帰還系の伝達関数B(z) ≒帰還制御フィルタの伝達関
数B^(z) でもあるので、この二つの近似、D(z) ≒0
とB(z) ≒B^(z) を、図4に適用して騒音制御フィル
タの伝達関数A(z) と音響帰還系伝達関数B(z) の順序
を入れ換えると、図6と図4は同じ構造を有する騒音W
(z) に対する予測分析回路となることが分かる。
【0027】即ち、図6に示すブロック図による予測分
析の結果として、減算器222の出力が最小になったと
きに、その適応予測フィルタ221の係数A(z) は、マ
イクロホン201の出力E(z) を最小にする騒音制御フ
ィルタ220の係数A(z) を与える。
【0028】従って、この適応予測フィルタ221の係
数を、騒音制御フィルタ220の係数A(z) として複写
すれば、騒音wj は小さく抑えられることとなる。但
し,問題は前述の図2及び図5に示した能動騒音制御装
置の制御原理は、共に音響帰還系伝達関数B(z) が帰還
制御フィルタの伝達関数B^(z) と近似的に等しいとい
うことを前提としていることである。
【0029】一般に、前述の音響帰還系のインパルス応
答の推定に誤差は避けられず、その応答が更に時間と共
に気温等の変化により変動することは十分に想定され
る。それでも、合成騒音に白色雑音を重畳し、それを参
照信号とすることによって、音響帰還系のインパルス応
答の変動を算出し、その変動に応じて帰還制御フィルタ
210の係数を常時更新し、B(z) ≒B^(z) なる関係
を維持する手法も採用可能である。
【0030】しかし、合成騒音に白色雑音を重畳して送
出することは、能動騒音制御装置を新たな騒音源とする
ことに等しい。また、図2のフィードバック型能動騒音
制御装置におけるFiltered-x LMS法に代表されるFilter
ed-x型の係数更新アルゴリズムは原理的に不安定である
と言われている。
【0031】このFiltered-x LMS法の安定条件について
は、矢吹他「C^フィルタにモデル化誤差が存在する場
合のFiltered-x LMS法における安定条件」電子情報通信
学会論文誌(A),vol.J80-A,no.11,pp.1868-1876(1997-1
1) 等でも検討されている。
【0032】しかし、結論として、できるだけ小さなス
テップゲインを与えること以外の対策は示されておら
ず、しかも、その解析によれば、ステップゲインを小さ
くしても安定性は完全には保証されない。
【0033】この問題を解決する手法として、本発明者
らは既に以下に述べる手法を発案し、出願している(特
願平10−264712号)。即ち、このフィードバッ
ク型能動騒音制御装置で消音可能な騒音wj は、その予
測可能な成分に限られることに着目し、その騒音wj
生成する過程を、予測可能な成分を生成する過程1/
{1−P(z) }と、予測不可能な成分を生成する過程U
(z) とに分け、その騒音wj のz変換W(z) が白色ガウ
ス雑音を入力として、 〔式6〕 W(z) =U(z) /{1−P(z) } と表されるとするものである。
【0034】この騒音wj の予測可能な成分に対して
は、合成騒音gj が十分に相殺し、マイクロホン201
の出力ej は、予測不可能な成分だけとなる。即ち、図
4の伝達関数のブロック図により、マイクロホン出力E
(z) は、以下の〔式7〕で表され、かつ、予測不可能な
成分U(z) と等しくなる。
【0035】 〔式7〕 E(z) =W(z) 〔1−A(z) B(z) /{1+D(z) A(z) }〕=〔U (z) /{1−P(z) }〕・〔1−A(z) B(z) /{1+D(z) A(z) }〕
【0036】ここで、E(z) =U(z) として、上記の
〔式7〕を整理すると、以下のようになる。 〔式8〕 P(z) =A(z) B(z) /{1+D(z) A(z) }
【0037】即ち、騒音制御フィルタ220に、上記
〔式8〕を満たす伝達関数A(z) を構成する係数を与え
るときに、騒音が最も小さくなる。伝達関数A(z) は、
上記〔式8〕から以下のように求められる。 〔式9〕 A(z) =P(z) /{B(z) −P(z) D(z) }
【0038】ここで、帰還誤差D(z) は、 〔式10〕 D(z) =B(z) −B^(z) であり、騒音制御フィルタ220の伝達関数A(z) を得
るためには、音響帰還系の伝達関数B(z) と雑音の予測
可能成分P(z) とを求めればよい。
【0039】しかし、このフィードバック型能動騒音制
御装置で観測可能な信号は、マイクロホン201の出力
j と減算器211の出力xj だけである。その減算器
211の出力xj は、図4の伝達関数のブロック図によ
れば、騒音制御フィルタ220に或る伝達関数A^(z)
とする係数を設定したとすると、 〔式11〕 X(z) =W(z) /{1+D(z) A^(z) }=U(z) /{1−P(z) +D(z) A^(z) −P(z) D(z) A^(z) } として得られる。
【0040】先の出願に係る発明では、この減算器21
1の出力X(z) に対する逆フィルタX-1(z) =1−P
(z) +D(z) A^(z) −P(z) D(z) A^(z) を求め
る。例えば、この出力X(z) に対する逆フィルタとし
て、図7に示す非巡回型フィルタ261と減算器262
と係数更新回路230とから成る逆フィルタ構成回路2
60を適用し、減算器262の出力が最小となった(即
ち、予測不可能な成分U(z) だけとなった)時点で、非
巡回型フィルタ261の伝達関数をS(z) としたとき
に、以下の〔式12〕が成り立つ。 〔式12〕 X(z) {1−S(z) }=U(z)
【0041】このとき、非巡回型フィルタ261の伝達
関数S(z) は、 〔式13〕 S(z) =P(z) −D(z) A^(z) +P(z) D(z) A^(z) となる係数が設定される。
【0042】問題は、この非巡回型フィルタ261の伝
達関数S(z) に関する式の中に、〔式9〕を構成する二
つの未知数P(z) とD(z) (即ち、B(z) )とが含まれ
ていることである。
【0043】この二つの未知数P(z) とD(z) を算定す
るためには、〔式13〕として得られる条件式だけでは
足りない。条件式はもう一つ必要である。その二つの条
件式を得る手法として、本発明者らは既に、騒音制御フ
ィルタ220又は帰還制御フィルタ210に任意の係数
が設定可能なことを利用して二つの条件式を生成する手
法を発案し、出願している(特願平10−205502
号)。
【0044】即ち、騒音制御フィルタ220又は帰還制
御フィルタ210に対して独立した二組の係数を与える
とき、その二組の係数に対して逆フィルタ構成回路26
0の非巡回型フィルタ261は二つの伝達関数S1 (z)
とS2 (z) を与える。
【0045】これを利用すれば二つの条件式が得られ
る。騒音制御フィルタ220又は帰還制御フィルタ21
0のいずれに二組の係数を与えても、その両者の原理は
同じであるので、ここでは前者の騒音制御フィルタ22
0に二組の係数を与える手法について説明する。
【0046】まず、騒音低減量を僅かに低下させること
が容認されるとする。即ち、騒音制御フィルタ220の
係数に騒音低減量が大きく低下しない程度に変更を加
え、二つの異なる伝達関数A1 (z) とA2 (z) を構成す
る係数を二組与えれば、その二組の係数に対して逆フィ
ルタ構成回路260は、伝達関数S1 (z) ,S2 (z)
が、それぞれ、 〔式14〕 S1 (z) =P(z) −D(z) A1 (z) +P(z) D(z) A1 (z) 〔式15〕 S2 (z) =P(z) −D(z) A2 (z) +P(z) D(z) A2 (z) となる非巡回型フィルタ261を構成する。
【0047】そこで、この両式に対して 〔式16〕P(z) ={S1 (z) +D(z) A1 (z) }/{1+D(z) A1 (z) } 〔式17〕P(z) ={S2 (z) +D(z) A2 (z) }/{1+D(z) A2 (z) } と変形して、一方の未知数P(z) を消去すると、二つの
未知数のうちの一つである帰還誤差D(z) が、 〔式18〕D(z) ={S2 (z) −S1 (z) }/〔A1 (z) {1−S2 (z) }−A 2 (z) {1−S1 (z) }〕 として得られる。
【0048】この〔式18〕の右辺は、全て既知の伝達
関数から成っており、この〔式18〕から、帰還制御フ
ィルタ210の伝達関数B^(z) と音響帰還系の伝達関
数B(z) との差D(z) は算定可能である。
【0049】同様に、〔式14〕と〔式15〕とから、
残る未知数の予測可能な雑音成分P(z) についても算定
される。即ち、未知の帰還誤差D(z) について、 〔式19〕 D(z) ={S1 (z) −P(z) }/〔A1 (z) {P(z) −1}〕 〔式20〕 D(z) ={S2 (z) −P(z) }/〔A2 (z) {P(z) −1}〕 と整理した後に、両者を等しいと置いて、 〔式21〕 P(z) ={S2 (z) A1 (z) −S1 (z) A2 (z) }/{A1 (z) − A2 (z) } と算定される。
【0050】即ち、求める制御対象騒音xj を最適に消
音する騒音制御フィルタ220の伝達関数A(z) は、
〔式9〕に〔式10〕を適用して整理した 〔式22〕 A(z) =P(z) /〔B^(z) +{1−P(z) }D(z) 〕 に、上記〔式18〕と〔式21〕とから得られるD(z)
とP(z) 、それと帰還制御フィルタ210の現伝達関数
B^(z) を代入することによって得られる。
【0051】しかし、帰還誤差D(z) が算定された時点
で、帰還制御フィルタ210の現段階の伝達関数B^
(z) は、より精度が向上した伝達関数B* (z) へ修正す
ることが可能となる。
【0052】即ち、音響帰還系伝達関数B(z) は、B
(z) =B^(z) +D(z) であり、前述の〔式18〕によ
り算定された帰還誤差D(z) と現段階の帰還制御フィル
タ210の伝達関数B^(z) とから、 〔式23〕 B* (z) =B^(z) +D(z) として得られるB* (z) を、帰還制御フィルタ210の
新たな伝達関数として修正する操作を行えば、D(z) =
0と近似することができる。
【0053】つまり、帰還制御フィルタ210の伝達関
数B^(z) を、〔式23〕のB* (z) に変更し、この新
たな帰還制御フィルタ210の伝達関数B* (z) に対し
て、制御対象騒音xj を最適に消音する騒音制御フィル
タ220の前述の〔式22〕による伝達関数A(z) は、
D(z) =0と近似されるので、 〔式24〕 A(z) =P(z) /B* (z) となり、簡単に計算されることになる。
【0054】更に、上記の〔式24〕により与えられる
伝達関数A(z) のフィルタ係数への変換は、次のように
して行う。即ち、〔式18〕の分母を払って、 〔式25〕 〔A1 (z) {1−S2 (z) }−A2 (z) {1−S1 (z) }〕D(z) =S2 (z) −S1 (z) と変形し、その左辺のD(z) を適応フィルタd(z) と置
き換えたシステム同定系を構成するのである。
【0055】図8は、音響帰還系と帰還制御フィルタの
伝達関数の誤差D(z) を算定するシステム同定系の構成
図であり、上記〔式25〕に対応した伝達関数のブロッ
クから成る。
【0056】同図に示すシステム同定系において、明ら
かに、〔A1 (z) {1−S2 (z) }−A2 (z) {1−S
1 (z) }〕d(z) の出力と、S2 (z) −S1 (z) の出力
の両出力が等しくなったときに、〔式25〕により、適
応フィルタd(z) は、帰還誤差D(z) を与える。
【0057】従って、適応フィルタd(z) を帰還制御フ
ィルタ210の伝達関数B^(z) と同じ構造にしておけ
ば、帰還制御フィルタ210の係数ベクトルB^は、適
応フィルタd(z) の係数ベクトルdを加えることによっ
て、 〔式26〕 B* =B^+d として更新される。
【0058】このようにして、帰還制御フィルタ210
の係数ベクトルB^が更新されると、〔式24〕に〔式
21〕を代入して変形した 〔式27〕 {A1 (z) −A2 (z) }B* (z) A(z) =S2 (z) A1 (z) −S1 (z) A2 (z) の左辺のA(z) を、適応フィルタa(z) と置き換えた図
9に示すシステム同定系を構成することにより、騒音制
御フィルタ220の係数は、適応フィルタa(z)の係数
として更新される。以上が先の出願(特願平10−26
4712号)に係る発明の原理である。
【0059】
【発明が解決しようとする課題】このように先の出願
(特願平10−264712号)に係る発明では、〔式
24〕を 〔式28〕 A(z) B* (z) =P(z) と変形して騒音制御フィルタの係数を推定している。
【0060】このことは、騒音の予測可能な成分を生成
する過程P(z) が、音響帰還系の伝達関数B(z) で割り
切れるという仮定を前提とすることを意味している。こ
れはFiltered-x LMS法又は適応予測型の能動騒音制御で
も同じである。
【0061】しかし、実際には、騒音の予測可能な成分
を生成する過程P(z) の次数が、音響帰還系伝達関数B
(z) の推定伝達関数B* (z) の次数よりも低い場合もあ
り、また、そのP(z) の次数が高い場合でも、P(z) が
* (z) で必ず割り切れるという保証はない。
【0062】本発明の目的は、その仮定が成り立たない
場合を含め、擬似騒音gj を合成する騒音制御フィルタ
220の係数を常時適正に更新し、音響帰還系伝達関数
B(z) の変化等にも追随して騒音を安定的に相殺し、高
い消音効果が得られるフィードバック型能動騒音制御装
置を実現することである。
【0063】
【課題を解決するための手段】本発明のフィードバック
型能動騒音制御装置は、(1)消音制御の対象となる騒
音と同振幅且つ逆位相の擬似騒音を合成する騒音制御フ
ィルタと、該騒音制御フィルタにより合成された擬似騒
音を出力するスピーカと、該スピーカから送出される擬
似騒音及び消音制御の対象となる騒音を入力する一つの
マイクロホンとを備え、該一つのマイクロホンにより騒
音制御フィルタに印加する入力信号の採取とその消音制
御効果の監視を行うフィードバック型能動騒音制御装置
において、該フィードバック型能動騒音制御装置は、前
記騒音制御フィルタの入力信号に対して逆の特性を与え
る非巡回型フィルタを含む逆フィルタ構成回路と、前記
騒音制御フィルタに異なる二組の係数を与えて前記逆フ
ィルタ構成回路の非巡回型フィルタの二つの伝達関数を
基に得られる二つの条件式から、騒音の生成過程を記述
する伝達関数の算定式と、前記騒音制御フィルタの出力
からマイクロホンに至る音響帰還系の伝達関数の算定式
とを求め、それらの算定式の分子を構成する第一のフィ
ルタの出力と、該算定式の分母を構成する第二のフィル
タに縦続接続した適応フィルタの出力との差が最小にな
るように該適応フィルタを更新するシステム同定回路と
を備え、前記適応フィルタの係数として得られた前記騒
音の生成過程を記述する伝達関数と前記音響帰還系の伝
達関数に対して、該音響帰還系の伝達関数から見出した
最小遅延を基に補正を行い、該補正した前記騒音の生成
過程を記述する伝達関数と前記音響帰還系の伝達関数と
を基に前記騒音制御フィルタを構成したものである。
【0064】また、(2)前記マイクロホンの出力を前
記騒音制御フィルタに直接入力する構成としたものであ
る。この構成は、音響帰還系を模擬する帰還制御フィル
タを具備しないフィードバック型能動騒音制御装置の基
本形として構成したものである。
【0065】また、(3)前記騒音制御フィルタの伝達
関数のインパルス応答を算定し、該インパルス応答を係
数として与えた非巡回型フィルタにより前記騒音制御フ
ィルタを構成したものである。騒音制御フィルタの伝達
関数のインパルス応答は、非巡回型の騒音制御フィルタ
の係数を与えるので、騒音制御フィルタを非巡回型フィ
ルタにより構成することができる。
【0066】また、(4)前記騒音制御フィルタを非巡
回型フィルタとして構成するのに必要なタップ数を決定
した後、該タップ数の非巡回型フィルタにより該騒音制
御フィルタを構成したものである。タップ数が定まれ
ば、システム同定の技法を適用して騒音制御フィルタの
係数を更新することができる。
【0067】また、(5)前記騒音制御フィルタに二組
の係数を与えて構成した騒音制御フィルタと該騒音制御
フィルタに対応して得られた二つの逆フィルタ構成回路
の非巡回型フィルタと適応フィルタとを組み合わせたシ
ステム同定回路を構成し、該適応フィルタの係数を基に
前記騒音制御フィルタの係数を更新する構成を有するも
のである。この構成により、音響帰還系の伝達関数と騒
音生成過程を記述する伝達関数の推定を必要とせず、直
接システム同定系を構成して騒音制御フィルタの係数を
更新することができる。
【0068】また、(6)前記騒音制御フィルタを非巡
回型フィルタにより構成し、該騒音制御フィルタの係数
の更新に際して、該騒音制御フィルタと逆フィルタのタ
ップ数を順次増加させ、前記マイクロホンの出力の減少
が飽和した時点で、該タップ数の増加を停止するもので
ある。この構成は、インパルス応答による算定を行うこ
となく、非巡回型の騒音制御フィルタを構成するもので
ある。
【0069】また、(7)前記騒音の生成過程を記述す
る伝達関数として、前記音響帰還系の最小遅延未満とな
る要素を除いた伝達関数を用いて、前記騒音制御フィル
タを構成したものである。この構成により、音響帰還系
の遅延が無視できないほどの高い周波数の騒音の消音を
行うことができる。
【0070】また、(8)前記騒音制御フィルタの伝達
関数を構成する要素に、前記音響帰還系の最小遅延によ
り補正した騒音の生成過程を記述する伝達関数を追加し
て前記騒音制御フィルタを構成したものである。
【0071】また、(9)消音制御の対象となる騒音が
周期音であり、その周期性により前記音響帰還系の遅延
が相殺される場合には、前記最小遅延による補正を停止
するものである。消音制御の対象となる騒音が周期音で
あって、その周期性により音響帰還系の遅延が相殺され
る場合は、遅延補正の処理を省き、マイクロホンとスピ
ーカが近い場合と同様に扱うことができる。
【0072】また、(10)前記騒音制御フィルタに与
える二組の係数を、該装置起動時に異なるタップに与え
て前記条件式を生成するものである。これにより、二つ
の独立した条件式を生成すると共に、ハウリングが発生
しない程度の小さな値を与えるようにすることができ
る。
【0073】また、(11)前記騒音制御フィルタに与
える二組の係数を、前回の動作時に更新しメモリに保持
した係数を該装置起動時に読み出して与え、前記条件式
を生成するものである。これにより、音響帰還系の特性
が比較的安定している環境下のシステムの場合は、電源
を投入して起動した直後から能動騒音制御による消音効
果が奏される。
【0074】
【発明の実施の形態】図1は本発明のフィードバック型
能動騒音制御装置の原理説明図である。同図において、
逆フィルタ構成回路260は、騒音制御フィルタ220
から音響帰還系と帰還制御フィルタ210の両路を経て
再び騒音制御フィルタ220に戻る一巡閉路とは逆の特
性をもつフィルタを構成する回路である。
【0075】また、システム同定回路120は、騒音制
御フィルタ220(又は帰還制御フィルタ210)に異
なる二組の係数A1 ,A2 を与え、その二組の係数に対
して逆フィルタ構成回路260内に構成された非巡回型
フィルタの二つの伝達関数S 1 (z) ,S2 (z) を基に生
成される条件式から、音響帰還系の伝達関数B(z) 又は
それと帰還制御フィルタ210との帰還誤差の伝達関数
D(z) の算定式を得、その算定式の分子を構成する第一
のフィルタ121の出力と、該算定式の分母を構成する
第二のフィルタ122に縦続接続した適応フィルタ12
3の出力との差が最小となるように該適応フィルタ12
3を更新し、該適応フィルタ123の係数を、騒音制御
フィルタ220(又は帰還制御フィルタ210)の係数
として設定する。
【0076】また、このシステム同定回路120は、同
様に、前述の条件式から制御対象音の生成過程を記述す
る伝達関数P(z) の係数の算出にも用いられる。そし
て、騒音制御フィルタ220は、前記条件式から得られ
た音響帰還系の伝達関数B(z) の係数から最小遅延を見
出し、その最小遅延で補正した制御対象音の生成過程を
記述する伝達関数P^(z) と音響帰還系の伝達関数B1
* (z) とを構成要素に含むフィルタ131と、補正定数
を乗算する乗算器132と、前記フィルタ131を帰還
する減算器133とにより構成される。
【0077】以下、本発明のフィードバック型能動騒音
制御装置の動作原理について説明する。前述した騒音制
御フィルタ220の伝達関数を表す分数式〔式24〕が
割り切れないということは、〔式24〕の右辺で表され
る伝達関数のフィルタが、巡回型フィルタで構成される
ということである。
【0078】この場合において、騒音制御フィルタ22
0を非巡回型フィルタで構成するには、その巡回型フィ
ルタを構成する〔式24〕のインパルス応答を表現する
ことができる十分なタップ数を騒音制御フィルタ220
に与える必要がある。
【0079】しかし、前述の〔式24〕を〔式25〕の
ように変形して騒音制御フィルタ220の係数を算定す
るときに与える騒音制御フィルタ220のタップ数は、
巡回型となる〔式24〕の右辺のフィルタのインパルス
応答を表現するのに十分なタップ数となっているかどう
かは分からない。
【0080】そこで、〔式24〕の伝達関数を図9のシ
ステム同定系を用いて係数に直接変換するのではなく、
〔式21〕として得られているP(z) を、 〔式29〕 {A1 (z) −A2 (z) }P(z) =S2 (z) A1 (z) −S1 (z) A2 (z) と変形して、同様のシステム同定系を構成し、騒音の生
成過程P(z) をフィルタP^(z) として推定した後、こ
のP^(z) と図8のシステム同定系で得られた帰還制御
フィルタB* (z) を用いて、〔式24〕の伝達関数をフ
ィルタの係数に変換する。
【0081】即ち、その帰還制御フィルタB* (z) のタ
ップ数をIとおいて、 〔式30〕 B* (z) =b0 +b1 -1+b2 -2+・・・+bI-1 -(I-1)= b0 {1+B1 * (z) } と表せば、制御対象騒音xj を最適に消音する騒音制御
フィルタ220の伝達関数A^(z) は、〔式24〕と
〔式30〕とから、以下の〔式3l〕のように表され、 〔式3l〕 A^(z) =P^(z) /B* (z) =(1/b0 )〔P^(z) /{1+ B1 * (z) } 騒音制御フィルタ220は、補正定数l/b0 、補正帰
還制御フィルタB1 * (z) 、推定騒音生成過程P^(z)
からなる図10に示す巡回型フィルタで構成されること
になる。
【0082】一方、図2又は図5に示す帰還制御フィル
タ2l0は、本来、Fitered-x LMS法又は適応予測型の
能動騒音制御を実現する目的で導入されたフィルタであ
る。フィードバック型能動騒音制御装置の基本構成は、
図11に示すように一つのマイクロホン201と騒音制
御フィルタ220とスピーカ202とから成る構成によ
り実現される。即ち、図2又は図5の能動騒音制御装置
で導入されている帰還制御フィルタ2l0は、フィード
バック型能動騒音制御の実現に不可欠なフィルタではな
い。
【0083】図12は図11のフィードバック型能動騒
音制御装置の基本構成による消音原理を説明するブロッ
ク図である。図12において、騒音wj の予測可能な成
分に対して合成騒音gj がよく相殺し、マイクロホン2
01の出力ej が予測不可能な成分のみとなったとき
に、図12のマイクロホン出力E(z) は、U(z) と等し
くなる。
【0084】つまり、 〔式32〕 E(z) =W(z) 〔1−A(z) B(z) /{1+B(z) A(z) }〕=〔 U(z) /{1−P(z) }〕〔1−A(z) B(z) /{1+B(z) A(z) }〕 において、E(z) =U(z) とし、上記の〔式32〕を整
理すると、騒音制御フィルタ220に、 〔式33〕 A(z) =P(z) /{B(z) −P(z) B(z) } を構成する係数を与えるときに、騒音が最も小さくなる
ことが分かる。
【0085】即ち、上記の伝達関数A(z) を得るために
は、伝達関数B(z) とP(z) を求めればよいことが分か
る。更に、この二つは以下のようにして求められる。ま
ず、図11によれば、マイクロホン201の出力ej
もある騒音制御フィルタ220の入力xj は、 〔式34〕 X(z) =W(z) /{1+B(z) A(z) }=U(z) /{1−P(z) + B(z) A(z) −P(z) B(z) A(z) } となる。
【0086】次に、この出力X(z) に対して、先に説明
した手法を適用し、逆フィルタX-1(z) を求める。例え
ば、この出力X(z) に図7の逆フィルタ構成回路を適用
したときには、減算器262の出力が最小となった時点
で、非巡回型フィルタ261には伝達関数S(z) が、以
下の〔式35〕となる係数が設定される。 〔式35〕 S(z) =P(z) −B(z) A(z) +P(z) B(z) A(z)
【0087】この伝達関数S(z) には、〔式33〕を構
成する未知数P(z) とB(z) とが含まれている。そこ
で、騒音制御フィルタ220に対して独立した二組の係
数を与え、その二組の係数に対して逆フィルタ構成回路
260の二つの伝達関数S1 (z) とS2 (z) とを求め
る。
【0088】即ち、騒音制御フィルタ220の係数に騒
音低減量が大きく低下しない程度に変更を加え、二つの
異なる伝達関数A1 (z) とA2 (z) を構成する係数を二
組与えると、その二組の係数に対して、逆フィルタ構成
回路260は、その伝達関数が 〔式36〕 S1 (z) =P(z) −B(z) A1 (z) +P(z) B(z) A1 (z) 〔式37〕 S2 (z) =P(z) −B(z) A2 (z) +P(z) B(z) A2 (z) となる非巡回型フィルタ261を構成する。
【0089】そこで、この両式に対して、 〔式38〕P(z) ={S1 (z) +B(z) A1 (z) }/{1+B(z) A1 (z) } 〔式39〕P(z) ={S2 (z) +B(z) A2 (z) }/{1+B(z) A2 (z) } と変形し、一方の未知数P(z) を消去すると、二つの未
知数のうちの―つ未知数B(z) が 〔式40〕B(z) ={S1 (z) −S2 (z) }/〔A2 (z) {1−S1 (z) }−A 1 (z) {1−S2 (z) }〕 として得られる。
【0090】同様に、同じ〔式36〕と〔式37〕とか
ら残る未知数のP(z) についても解くことができる。即
ち、未知の伝達関数B(z) について 〔式41〕 B(z) ={S1 (z) −P(z) }/〔A1 (z) {P(z) −1} 〔式42〕 B(z) ={S2 (z) −P(z) }/〔A2 (z) {P(z) −1} と整理した後に両者を等しいとおいて、 〔式43〕 P(z) ={S2 (z) A1 (z) −S1 (z) A2 (z) }/{A1 (z) − A2 (z) } が得られる。
【0091】ここで、〔式40〕のように分数として得
られる音響帰還系の伝達関数B(z)を、〔式30〕のよ
うに分数を含まない式で表し、〔式43〕により得られ
る騒音の生成過程をP^(z) と表せば、騒音wj が最適
に消音される〔式33〕による騒音制御フィルタA^
(z) は、以下の〔式44〕により表される。
【0092】 〔式44〕 A^(z) =(1/b0 )・P^(z) /〔{1+B1 * (z) }{1− P^(z) }〕=(1/b0 )・P^(z) /〔1−P^(z) +B1 * (z) {1−P ^(z) }〕
【0093】従って、帰還制御フィルタ210を設け
ず、マイクロホン201の出力を直接騒音制御フィルタ
220に入力するフィードバック型能動騒音制御装置の
基本構成における騒音制御フィルタ220は、上記〔式
44〕から図13に示すように構成される。
【0094】このように〔式31〕又は〔式44〕とし
て、騒音制御フィルタ220が一度構成されると、この
後はその騒音制御フィルタ220を非巡回型として構成
することもできる。即ち、〔式31〕又は〔式44〕を
オフラインで構成してインパルス応答を求めれば、その
インパルス応答は〔式31〕又は〔式44〕を構成する
非巡回型フィルタの係数として与えられる。
【0095】このとき、騒音制御フィルタ220を非巡
回型として構成するのに必要なタップ数が明らかとなる
ので、以後は〔式27〕にシステム同定の技法を適用し
て非巡回型の騒音制御フィルタ220の係数を更新する
ことができる。
【0096】当然ながら、帰還制御フィルタ210を省
略した構成では、該帰還制御フィルタ210の係数を更
新する必要はない。従って、この構成で一度、騒音制御
フィルタが非巡回型フィルタで構成されると、その後の
騒音制御フィルタ220の係数は、〔式40〕と〔式4
3〕を〔式33〕に代入することによって得られる伝達
関数 〔式45〕 A(z) =P(z) /〔B(z) {1−P(z) }〕={S1 (z) A2 (z) −S2 (z) A1 (z) }/{S1 (z) −S2 (z) } を構成する係数として得られる。
【0097】このとき、〔式45〕から分かるように、
騒音wj が最適に消音される騒音制御フィルタの係数
は、実際に音響帰還系B(z) と騒音生成過程P(z) の推
定を必要とせず、〔式45〕から直接システム同定系を
構成して更新することができる。
【0098】即ち、騒音制御フィルタに二組の係数を与
えて構成した騒音制御フィルタとその騒音制御フィルタ
に対応して得られた二つの該逆フィルタとを組み合わ
せ、該システム同定回路を構成して該騒音制御フィルタ
の係数を該システム同定回路の適応フィルタの係数とし
て更新することができる。
【0099】また、〔式28〕又は〔式45〕のいずれ
かにシステム同定の技法を適用して騒音制御フィルタ2
20の係数を推定した後、次の更新に際して、騒音制御
フィルタ220と逆フィルタのタップ数を増やして同様
の更新処理を実行し、マイクロホン20lの出力の減少
が飽和した時点でタップ数の増加を停止する構成とする
こともできる。この場合、インパルス応答による算定は
不要となる。
【0100】次に、騒音制御フィルタ220の出力から
音響帰還系を経てマイクロホンに達するまでの遅延が無
視できないほどの高い周波数成分までも消音の対象とし
て含める場合について説明する。
【0101】このとき、音響帰還系の伝達関数B(z)
は、 〔式46〕 B(z) =bn -n+bn +1-(n+1)+・・・+bI -I=bn -n {l+Bn+1 (z) } と表すことができる。ここで、z-nは騒音制御フィルタ
220の出力から、音響帰還系を経てマイクロホン20
1に達するまでの最小遅延がn標本化周期であることを
表している。
【0102】従って、この音響帰還系が、 〔式47〕 B* (z) =bn * -n{l+Bn+1 * (z) } と推定されたとした場合、騒音wj を最適に消音する騒
音制御フィルタ220には〔式24〕から 〔式48〕 A^(z) =(1/b* n )・P^(z) /〔z-n{1+Bn+1 * (z) }=(zn /b* n )・P^(z) /{1+Bn+1 * (z) } のように因果性を破る伝達関数を構成することが求めら
れることになる。
【0103】ここで、進み要素であるzn を現実に構成
することは不可能である。この場合、消音可能となる成
分は、P(z) をn標本化周期未満の遅延要素からなるP
1 (z) と、それ以上の遅延要素からなるz-n2 (z) に
分けて、 〔式49〕 P(z) =P1 (z) +z-n2 (z) と表したときの第2項だけとなる。
【0104】このn標本化周期以上の遅延要素P2 (z)
を用い、〔式21〕から推定されたP^(z) のうちから
n標本化周期以上の遅延要素をP2 ^(z) と表せば、騒
音w j を最適に消音する騒音制御フィルタ220の伝達
関数は、〔式47〕と〔式49〕とから取り出したP2
^(z) とb* n 、Bn+1 * (z) を用いて 〔式50〕 A* (z) =(1/b* n )・P2 ^(z) /{1+Bn+1 * (z) } と構成される。
【0105】この〔式50〕は、騒音制御フィルタ22
0を図14のように構成することができることを示し、
また、騒音wj が最適に消音されることを表している。
即ち、騒音制御フィルタ220を構成する騒音生成過程
を、音響帰還系の最小遅延未満となる要素を除いて構成
することができる。
【0106】ここで、〔式43〕として推定されるP^
(z) から得られるn標本化周期以上の遅延要素からなる
伝達関数P2 ^(z) と、〔式40〕として推定された音
響帰還系の伝達関数B* (z) から、z-nを除いてb* n
{l+Bn+1 * (z) }を取り出し、 〔式51〕 A* (z) =P2 ^(z) /〔b* n {l−P^(z) −Bn+1 * (z) P ^(z) +Bn+1 * (z) }〕 として図13に示すフィルタを構成すれば、制御対象騒
音wj を最適に消音する騒音制御フィルタ220が得ら
れる。
【0107】即ち、騒音制御フィルタ220を構成する
要素に音響帰還系の最小遅延で補正した騒音生成過程を
記述する伝達関数を追加して騒音制御フィルタ220と
することができる。
【0108】また、スピーカ202がマイクロホン20
1から遠い場合でも、騒音が完全な周期音でwj =w
j-n となるときは、近い場合と同様に遅延がないものと
して扱うことができる。
【0109】また、wj =wj-k でk>nの場合は、z
-(k-n)を騒音制御フィルタ220の入力又は出力に挿入
することにより、近い場合と同様の取り扱いができるよ
うになる。即ち、騒音が周期音である場合で、音響帰還
系の遅延が騒音周期によって相殺されるときは、上記最
小遅延による補正を行わないこととすることができる。
【0110】実際には、騒音制御フィルタ220の伝達
関数A(z) は、フィルタの係数として求められなければ
ならない。以下に、本発明を実際の機器に適用したとき
の騒音制御フィルタ220の係数を算定する手順を、帰
還制御フィルタ210がなくて音響帰還系の遅延が大き
い場合を例にして具体的に説明する。
【0111】まず、電源投入直後において、騒音制御フ
ィルタ220の係数はまだ算定されていない。騒音制御
フィルタ220の係数は、スピーカ202から合成騒音
が送出され、一巡閉路が構成されて初めて算定される。
【0112】しかし、係数を設定すれば一巡閉路が構成
され、ハウリングが発生する危険が直ちに生じる。その
ために、騒音制御フィルタ220の係数の選定は、ハウ
リングが発生しないように慎重に行う必要がある。更
に、騒音制御フィルタ220の構造は、本発明による係
数更新が適用される前は確定することができないので、
初めはその構造を非巡回型とする。
【0113】図15は本発明による騒音制御フィルタの
係数の更新手順のフローチャートである。ここで設定さ
れる初期の非巡回型騒音制御フィルタ220の係数ベク
トルA1 とA2 は独立した二つの条件式を構成する必要
があることから、例えば 〔式52〕 A1 =[a 0 ・・・ 0]T 〔式53〕 A2 =[0 0 ・・・ a]T とし、その定数aとしてハウリングが発生しない程度の
小さな値を与えることとする(フロー15−1,15−
3参照)。
【0114】次に、この二つの係数ベクトルA1 とA2
について、対応する逆フィルタ構成回路の非巡回型フィ
ルタ261の係数S1 とS2 を順に計算する(フロー1
5−2,15−4参照)。
【0115】これで、必要な条件式が得られるので、こ
のA1 、A2 、S1 、S2 を〔式40〕と〔式43〕に
適用して、音響帰還系の伝達関数B* (z) と騒音の生成
過程P^(z) を構成する係数ベクトル 〔式54〕 B* =[B* (1) B* (2) ・・・ B* (N) ]T 〔式55〕 P^=[P^(1) P^(2) ・・・ P^(N) ]T をシステム同定系の技法を用いて算定する(フロー15
−5参照)。
【0116】ここで、B* (z) とP^(z) のフィルタは
非巡回型で構成する。次に、この係数ベクトルB* から
音響帰還系の遅延z-nが分かるので、この係数ベクトル
*から伝達関数bn * {1+Bn+1 * (z) }なる伝達
関数Bn+1 * (z) を構成する非巡回型フィルタの係数ベ
クトル 〔式56〕 Bn+1 * =[B* n+1 * n+2 ・・・ B* N T と、係数ベクトルP^からP2 ^(z) を構成する非巡回型フィルタの係数 〔式57〕 P2 ^=[P2 ^(n) P2 ^(n+1) P2 ^(M) ]T は容易に 得られる(フロー15−6参照)。
【0117】この結果から図13に示す構造をもったフ
ィルタを構成し、入力に‘1’を印加してインパルス応
答を求めて、その値が適当に小さくなった次数で打ち切
り、その応答長から騒音制御フィルタ220のタップ数
を決定する(フロー15−7参照)。このとき、そのイ
ンパルス応答は制御対象騒音wj を最適に消音する騒音
制御フィルタ220の係数ベクトルA* となる。
【0118】ここで重要なことは、このときに算定され
た係数ベクトルA* は、理想の係数ベクトルAopt に対
して現実には誤差を含むことである。そして、その誤差
は独立性が高く、先に設定した係数ベクトルA2 と新し
く得た係数ベクトルA* との間には独立した推定誤差成
分が残る。
【0119】この独立成分を利用すれば、以上の係数更
新を繰り返し適用して該騒音制御フィルタの係数を常時
更新することができる。即ち、先に設定した二つの係数
ベクトルのうちのA2 をA1 とし、それに対応するS2
をS1 と置き換え(フロー15−8参照)、新しく得た
係数ベクトルA* をA2 として(フロー15−9参
照)、S2 を再度算定して(フロー15−4参照)、同
様の計算を繰り返せば、騒音制御フィルタ220の係数
と音響帰還系の伝達関数、即ち帰還制御フィルタ210
の係数は常時更新されることになる。
【0120】このことはまた、前回の起動動作中に得ら
れた騒音制御フィルタ220の係数をメモリに保持して
おき、そして今回の電源投入に際しては、該メモリに保
持された係数を騒音制御フィルタ220及び帰還制御フ
ィルタ210の両フィルタに設定する構成によって、よ
り適切な初期値が設定され、更新の収束を高速化するこ
とが可能となる。この保持された係数を利用すると、音
響帰還系及び騒音の特性が比較的定まったシステムの場
合では電源投入時から能動騒音制御による騒音抑制の効
果が得られる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、擬
似騒音を合成する騒音制御フィルタの入力信号に対して
逆の特性を与える逆フィルタ構成回路と、該騒音制御フ
ィルタに異なる二組の係数を与える条件式を生成し、騒
音の生成過程を記述する伝達関数が音響帰還系の伝達関
数で割り切れない場合でも、騒音制御フィルタの最適な
係数を算定するシステム同定回路とを備え、騒音制御フ
ィルタの係数を常時更新することにより、音響帰還系の
伝達関数の変化等にも追随して騒音を安定的に相殺する
ことができ、高い消音効果が奏される。
【0122】また、本発明は、能動騒音制御中でも、白
色雑音はシステム同定回路にのみ印加し、白色雑音をス
ピーカから送出することなく騒音制御フィルタの係数の
更新を行うため、新たな騒音源を生み出すことなく消音
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィードバック型能動騒音制御装置の
原理説明図である。
【図2】フィードバック型能動騒音制御装置の説明図で
ある。
【図3】帰還制御フィルタの係数を算定するための回路
図である。
【図4】フィードバック型能動騒音制御装置の信号伝達
を示すブロック図である。
【図5】適応予測型能動騒音制御装置の説明図である。
【図6】適応予測型能動騒音制御装置の予測分析部分の
伝達関数のブロック図である。
【図7】線形予測分析による逆フィルタ構成回路を示す
図である。
【図8】音響帰還系と帰還制御フィルタの伝達関数の誤
差D(z) を算定するシステム同定系の構成図である。
【図9】制御対象騒音を最適に消音する騒音制御フィル
タの係数を算定するシステム同定系の構成図である。
【図10】帰還制御フィルタを用いるときの騒音制御フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図11】フィードバック型能動騒音制御装置の基本構
成を示す図である。
【図12】フィードバック型能動騒音制御の消音原理の
説明図である。
【図13】フィードバック型能動騒音制御装置の基本構
成に適用される騒音制御フィルタの構成を示すブロック
図である。
【図14】音響帰還系の遅延が大きい場合の騒音制御フ
ィルタの構成を示すブロック図である。
【図15】本発明による騒音制御フィルタの係数の更新
のフローチャートである。
【符号の説明】
120 システム同定回路 121 分子を構成する第一のフィルタ 122 分母を構成する第二のフィルタ 123 適応フィルタ 124 減算器 131 音響帰還系の最小遅延で補正した制御対象音の
生成過程を記述する伝達関数と音響帰還系の伝達関数と
を構成要素に含むフィルタ 132 補正定数を乗算する乗算器 133 減算器 220 騒音制御フィルタ 240 白色雑音発生回路 260 逆フィルタ構成回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月8日(1999.3.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】追加
【補正内容】
【図15】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消音制御の対象となる騒音と同振幅且つ
    逆位相の擬似騒音を合成する騒音制御フィルタと、該騒
    音制御フィルタにより合成された擬似騒音を出力するス
    ピーカと、該スピーカから送出される擬似騒音及び消音
    制御の対象となる騒音を入力する一つのマイクロホンと
    を備え、該一つのマイクロホンにより騒音制御フィルタ
    に印加する入力信号の採取とその消音制御効果の監視を
    行うフィードバック型能動騒音制御装置において、 該フィードバック型能動騒音制御装置は、前記騒音制御
    フィルタの入力信号に対して逆の特性を与える非巡回型
    フィルタを含む逆フィルタ構成回路と、 前記騒音制御フィルタに異なる二組の係数を与えて前記
    逆フィルタ構成回路の非巡回型フィルタの二つの伝達関
    数を基に得られる二つの条件式から、騒音の生成過程を
    記述する伝達関数の算定式と、前記騒音制御フィルタの
    出力からマイクロホンに至る音響帰還系の伝達関数の算
    定式とを求め、それらの算定式の分子を構成する第一の
    フィルタの出力と、該算定式の分母を構成する第二のフ
    ィルタに縦続接続した適応フィルタの出力との差が最小
    になるように該適応フィルタを更新するシステム同定回
    路とを備え、 前記適応フィルタの係数として得られた前記騒音の生成
    過程を記述する伝達関数と前記音響帰還系の伝達関数に
    対して、該音響帰還系の伝達関数から見出した最小遅延
    を基に補正を行い、該補正した前記騒音の生成過程を記
    述する伝達関数と前記音響帰還系の伝達関数とを基に前
    記騒音制御フィルタを構成したことを特徴とするフィー
    ドバック型能動騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィードバック型能動騒
    音制御装置において、前記マイクロホンの出力を前記騒
    音制御フィルタに直接入力する構成としたことを特徴と
    するフィードバック型能動騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のフィードバック型
    能動騒音制御装置において、前記騒音制御フィルタの伝
    達関数のインパルス応答を算定し、該インパルス応答を
    係数として与えた非巡回型フィルタにより前記騒音制御
    フィルタを構成したことを特徴とするフィードバック型
    能動騒音制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のフィードバック型能動騒
    音制御装置において、前記騒音制御フィルタを非巡回型
    フィルタとして構成するのに必要なタップ数を決定した
    後、該タップ数の非巡回型フィルタにより該騒音制御フ
    ィルタを構成したことを特徴とするフィードバック型能
    動騒音制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフィードバック型能動騒
    音制御装置において、前記騒音制御フィルタに二組の係
    数を与えて構成した騒音制御フィルタと該騒音制御フィ
    ルタに対応して得られた二つの逆フィルタ構成回路の非
    巡回型フィルタと適応フィルタとを組み合わせたシステ
    ム同定回路を構成し、該適応フィルタの係数を基に前記
    騒音制御フィルタの係数を更新する構成を有することを
    特徴とするフィードバック型能動騒音制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載のフィードバック型
    能動騒音制御装置において、前記騒音制御フィルタを非
    巡回型フィルタにより構成し、該騒音制御フィルタの係
    数の更新に際して、該騒音制御フィルタと逆フィルタの
    タップ数を順次増加させ、前記マイクロホンの出力の減
    少が飽和した時点で、該タップ数の増加を停止すること
    を特徴とするフィードバック型能動騒音制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のフィードバック型能動騒
    音制御装置において、前記騒音の生成過程を記述する伝
    達関数として、前記音響帰還系の最小遅延未満となる要
    素を除いた伝達関数を用いて、前記騒音制御フィルタを
    構成したことを特徴とするフィードバック型能動騒音制
    御装置。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のフィードバック型能動騒
    音制御装置において、前記騒音制御フィルタの伝達関数
    を構成する要素に、前記音響帰還系の最小遅延により補
    正した騒音の生成過程を記述する伝達関数を追加して前
    記騒音制御フィルタを構成したことを特徴とするフィー
    ドバック型能動騒音制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載のフィードバック型
    能動騒音制御装置において、消音制御の対象となる騒音
    が周期音であり、その周期性により前記音響帰還系の遅
    延が相殺される場合は、前記最小遅延による補正を停止
    する構成を有することを特徴とするフィードバック型能
    動騒音制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のフィードバック型能動
    騒音制御装置において、前記騒音制御フィルタに与える
    二組の係数を、該装置起動時に異なるタップに与えて前
    記条件式を生成することを特徴とするフィードバック型
    能動騒音制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のフィードバック型能動
    騒音制御装置において、前記騒音制御フィルタに与える
    二組の係数を、前回の動作時に更新しメモリに保持した
    係数を該装置起動時に読み出して与え、前記条件式を生
    成することを特徴とするフィードバック型能動騒音制御
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4790843B2 (ja) * 2007-03-30 2011-10-12 富士通株式会社 能動消音装置および能動消音方法
JP2015065512A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社東芝 能動消音装置及び方法
US10347233B2 (en) 2009-07-10 2019-07-09 Qualcomm Incorporated Systems, methods, apparatus, and computer-readable media for adaptive active noise cancellation

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