JP2005198093A - 音声処理装置、音声処理方法および音声処理プログラム - Google Patents

音声処理装置、音声処理方法および音声処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 スピーカからマイクへの伝達特性に非線形性が存在する場合でも、エコーを十分に抑圧することができ、かつ、エコーの抑圧に多大な計算量を要することのない音声処理装置、方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 スピーカ101から出力される音声信号がマイク102に入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理装置であって、音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、マイク102に入力した入力信号から予測信号を減算するエコーキャンセラ部100と、このエコーキャンセラ部100の出力信号とマイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する制御係数決定部107と、この制御係数に基づいて出力信号のゲイン制御を行うゲイン制御部108とから構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばスピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるためのエコーキャンセル技術に関する。
電話機のような通信機能を有するシステムにおいてハンズフリー通話を行うためには、スピーカから出力される相手側の発話がマイクにまわり込んで入力され、「こだま」のように相手側に戻る、いわゆるエコーバックをいかに防ぐかが快適な通話を実現する上で重要な課題となっている。これを実現する技術として、古くからエコーキャンセル技術が開発されてきた。エコーキャンセル技術とは、スピーカから再生される受話信号がマイクへ到達するまでの伝達特性を推定することにより、マイクに入力される予測信号を作成し、これをマイクに実際に入力された信号から差し引くことにより、マイクに入力される信号のうち、スピーカから再生された音声成分を除去してエコーが生じるのを防ぐ技術である。
従来、代表的なエコーキャンセル技術としては、適応フィルタを用いる方法がある。特に適応アルゴリズムとしては、入力信号と予測信号の自乗誤差を最小にするように線形フィルタを適応させるNLMS法(Normalized least-mean-square 法)が、簡便かつ効率的にエコーを除去できる方法として広く用いられている(非特許文献1を参照)。
しかし、スピーカからマイクへの伝達特性は、通話システムが用いられる環境によっては必ずしも線形フィルタでは表せない場合も多い。例えば、スピーカから出力される信号のパワーが大きい場合には、スピーカ歪みにより伝達特性に非線形性が生じる場合もある。また、スピーカとマイクの間の距離が近い場合には、スピーカから出力される信号によってマイクゲインのオーバーフローが生じて伝達特性に非線形性が生じる場合もある。このような場合には、もはや伝達特性を線形フィルタで表すことは不可能であり、上述した線形フィルタを用いたエコーキャンセルではエコーを十分に除去することができない。この問題を解決するために、線形フィルタの代わりに、非線型フィルタを用いるエコーキャンセル方法も提案されている(非特許文献2を参照)。
しかし、非線型フィルタには、その構造の複雑さゆえに、線形フィルタを用いる場合に比べて、フィルタを適応させるための収束時間が長くなり、また適応のための計算量が大きくなるという問題がある。また、非線形な伝達特性が時間と共に変動する場合には、収束速度が遅くなると、もはやエコーを除去することができなくなるという問題もある。
大賀ほか著:「音響システムとデジタル処理」、電子情報通信学会、1995、pp.141〜144,pp.210〜211 梶川嘉延:「適応Volterraフィルタの現状と展望」、電子情報通信学会論文誌 A Vol. J82-A No. 6 pp. 759-768、1999
このように、エコーキャンセル技術を用いてハンズフリー通話を実現する場合、線形フィルタを用いれば、スピーカからマイクへの伝達特性に非線形性が存在する場合に十分にエコーを除去することができないという問題があり、一方、非線形フィルタを用いれば、収束速度および計算量が大きくなるため、実用性に乏しいという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、スピーカからマイクへの伝達特性に非線形性が存在する場合でも、エコーを十分に抑圧することができ、かつ、エコーの抑圧に多大な計算量を要することのない音声処理装置、方法およびプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために本発明に係る音声処理装置は、スピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理装置であって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセラ部と、前記エコーキャンセラ部の出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する第1の制御係数決定部と、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行う第1のゲイン制御部とを具備したことを特徴とする。
また、前記エコーキャンセラ部は、適応フィルタを用いて予測信号を生成し、前記マイクに入力される入力信号から前記予測信号を減算することを特徴とする。
更に、前記音声信号のパワーに応じてゲイン制御の制御係数を決定する第2の制御係数決定部と、前記第2の制御係数決定部により決定された制御係数に基づいて前記第1のゲイン制御部の出力信号のゲイン制御を行う第2のゲイン制御部を具備したことを特徴とする。
また、前記第2の制御係数決定部により決定される制御係数は、前記音声信号のパワーと前記第1の制御係数決定部における制御係数とに応じて決定されることを特徴とする。
更に、前記第1の制御係数決定部と前記第2の制御係数決定部の制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳部を具備したことを特徴とする。
また、本発明に係る音声処理方法は、スピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理方法であって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセルステップと、前記エコーキャンセルステップにより出力した出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する第1の制御係数決定ステップと、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行う第1のゲイン制御ステップとを有することを特徴とする。
更に、前記音声信号のパワーに応じてゲイン制御の制御係数を決定する第2の制御係数決定ステップと、前記第2の制御係数決定ステップにより決定された制御係数に基づいて前記第1のゲイン制御ステップの出力信号のゲイン制御を行う第2のゲイン制御ステップとを有することを特徴とする。
また、前記第2の制御係数決定ステップにより決定される制御係数は、前記音声信号のパワーと前記第1の制御係数決定ステップにおける制御係数とに応じて決定されることを特徴とする。
更に、前記第1の制御係数決定ステップと前記第2の制御係数決定ステップの制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳ステップを有することを特徴とする。
また、本発明に係る音声処理プログラムは、コンピュータにスピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理を実行させるための音声処理プログラムであって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセル手段と、前記エコーキャンセル手段の出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する制御係数決定手段と、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行うゲイン制御手段とを実行させる。
本発明によれば、スピーカからマイクへの伝達特性に非線形性が存在する場合でも、スピーカから出力されてマイクに入力されるエコーを抑圧することができ、かつ、エコーの抑圧に多大な計算量を要することのないエコーキャンセルが実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る音声処理装置の概略を示すブロック図である。図1に示されるように第1の実施形態の音声処理装置は、音声信号を出力するスピーカ101と、入力信号を入力するマイク102と、スピーカから出力される音声信号から予測信号を作成する適応フィルタ103と、マイク102から入力した入力信号のパワーを計算する第1のパワー計算部104と、入力信号から予測信号を差し引いた誤差信号のパワーを計算する第2のパワー計算部105と、第1のパワー計算部104および第2のパワー計算部105によって計算された信号のパワー比を計算するパワー比計算部106と、パワー比計算部106により計算されたパワー比に応じてゲイン制御部108において用いられる制御係数を決定する制御係数決定部107と、制御係数決定部107において決定された制御係数に基づいて誤差信号e(n)のゲインを制御するゲイン制御部108とから構成される。
適応フィルタ103は、スピーカ101から出力される音声信号x(n)とマイク102から入力される入力信号y(n)とを用いて、入力信号と予測信号の誤差が小さくなるように適応的に学習される。当該適応フィルタが線形フィルタである場合は、誤差信号e(n)は、
Figure 2005198093
と表すことができる。ここでH(n)はフィルタ係数、X(n)は音声信号の時系列である。H(n)およびX(n)は以下のように表すことができる。
Figure 2005198093
なおNは適応フィルタのタップ数を表す。
適応フィルタの更新は、NLMS(Normalized least-mean-square)法を用いることができる(例えば非特許文献1を参照)。この場合、適応フィルタの更新式は、以下のように表すことができる。
Figure 2005198093
ここで、γは更新係数(ステップサイズ)を表す。
ただし、適応フィルタの更新方式によらず適用することが可能であり、更新方式には上述したNLMS法の代わりにRLS(Recursive least-square)法や射影法を用いることも可能である(例えば、非特許文献1を参照)。
第1のパワー計算部104では、以下の式に従い、マイクから入力した入力信号のパワー(pow_mic)が計算される。
Figure 2005198093
第2のパワー計算部105では、以下の式に従い、誤差信号のパワー(pow_err)が計算される。
Figure 2005198093
パワー比計算部では、以下の式に従い、入力信号と誤差信号のパワー比EMR(Error signal to Microphone signal Ratio)が計算される。
Figure 2005198093
ここで音声信号が十分に小さく、スピーカ101から音声信号が出力されていない場合には、マイク102から入力される入力信号から差し引かれる予測信号も小さくなるため、誤差信号のパワーと入力信号のパワーはほぼ等しくなり、EMRの値は1に近くなる。
一方、音声信号が大きく、スピーカ101から信号が出力されている場合には、マイクから入力した入力信号のうちスピーカ101から出力される信号の成分は、適応フィルタ103からの予測信号を差し引くことによって一定量除去されることになるため、誤差信号のパワーは入力信号のパワーに比べて小さくなる。したがってEMRは1よりも小さくなる。
制御係数決定部107ではEMRに基づいて誤差信号のゲインを制御する係数を決定する。上述したように、音声信号のパワーが大きく、生じたエコーが大きい場合にはEMRは1より小さく、逆に音声信号のパワーが小さく、生じたエコーが小さい場合にはEMRは1に近くなるという性質を利用して、図2に模式的に示すようにEMRによって制御係数αを決定する。
ゲイン制御部108では、制御係数決定部107において求まる制御係数αを用いて、以下の式に従い誤差信号のゲインが制御される。
Figure 2005198093
このように制御係数を決定し、エコーキャンセラ部100から出力される信号に対してゲイン制御を行うことにより、音声信号のパワーが大きく、生じたエコーが大きい場合には、制御係数αが小さく設定されているため、生じたエコーを抑圧することが可能になる。一方、音声信号のパワーが小さく、生じたエコーが小さい場合には、制御係数αは1に近く設定されるため、エコーキャンセラ部からの出力信号は抑圧されることがない。そのためEMRに応じて誤差信号のゲインを制御するようにしたので、適応フィルタ103によって十分にエコーが除去できない場合でも、マイク102から入力される入力信号におけるエコーの影響を小さくすることができる。
この音声処理装置の具体的な処理動作について、図3に示されるフローチャートを用いて説明する。マイク102に入力信号が入力され(S1)、この入力信号のパワーが第1のパワー計算部104で計算される(S2)。マイク102に入力された入力信号およびスピーカ101から出力される音声信号とから適応フィルタ103を用いてエコーキャンセラ部100でエコーキャンセル処理が行われて、誤差信号が出力される(S3)。エコーキャンセル後の誤差信号のパワーがパワー計算部105で計算され(S4)、S2で計算された入力信号のパワーとS4で計算されたエコーキャンセル後の誤差信号のパワーからパワー比EMRが計算される(S5)。EMRから制御係数決定部107により制御係数αが決定され(S6)、制御係数αを用いて、エコーキャンセル後の誤差信号に対してゲイン制御部108でゲイン制御が行われる(S7)。以上動作処理は図4に示すようなスピーカ101とマイク102を備えたPC端末でも適用できる。また、上述したS1〜S7の動作処理はPC端末に内蔵されたCPU(図示しない)で実行されるプログラムで実施してもよい。
このように構成された音声処理装置を用いて電話機のような通信システムを作成すれば、伝達特性の非線形性により、エコーキャンセラ部において、エコーが十分に除去されない場合であっても、ゲイン制御部において、相手側に送信すべき信号のゲインが抑圧されるため、適応フィルタにより生じるエコーの影響を小さく抑えることが可能になる。また、適応フィルタ自体は線形フィルタであるため、適応のための計算量は非線形フィルタを用いる場合と比較して小さく抑えることが可能であり、またゲイン制御部はパワー比等に応じた制御係数を誤差信号に乗じるのみであるため、計算量の増大を抑えることが可能になる。
図5は本発明の第2の実施形態に係る音声処理装置を概略的に示すブロック図である。第2の実施形態の音声処理装置は、音声信号を出力するスピーカ201と、入力信号を入力するマイク202と、スピーカから出力される音声信号から予測信号を作成する適応フィルタ203と、マイク202から入力した入力信号のパワーを計算する第1のパワー計算部204と、入力信号から予測信号を差し引いた誤差信号のパワーを計算する第2のパワー計算部205と、第1のパワー計算部204および第2のパワー計算部205によって計算された信号のパワー比を計算するパワー比計算部206と、パワー比計算部206により計算されたパワー比に応じて第1のゲイン制御部208において用いられる制御係数を決定する制御係数決定部207と、制御係数決定部207において決定された制御係数に基づいて誤差信号e(n)のゲインを制御する第1のゲイン制御部208と、音声信号のパワーを計算する第3のパワー計算部209と、この第3のパワー計算部209によって計算された音声信号のパワーから、第2のゲイン制御部211において用いられる制御係数を決定する第2の制御係数決定部210と、この第2の制御係数決定部210により決定された制御係数により、第2の制御係数決定部210において決定された制御係数に基づいてゲイン制御を行う第2のゲイン制御部211とから構成される。つまり、第1の実施形態とは、第3のパワー計算部209と、第2の制御係数決定部210と、第2のゲイン制御部211とを有する点が異なるのみである。従って、第1の実施形態と共通する部分(200〜208)については説明を省略する。
第3のパワー計算部209では、以下の式に従い、音声信号のパワー(pow_ref)が計算される。
Figure 2005198093
ここで、音声信号のパワーが大きい場合には、スピーカ201からマイク202への伝達特性に非線形性が存在すれば、エコーキャンセラ部において除去できないエコー成分も大きくなる。この除去できないエコーは、第1のゲイン制御部208により抑圧することが可能であるが、適応フィルタ203が十分に収束しておらず、適応フィルタ203によってマイクから入力した入力信号から音声信号の成分をほとんど除去できない場合には、前述したEMRは1に近くなるため、第1のゲイン制御部208では、エコーを十分に抑圧できない場合もある。
そこで、音声信号のパワーに基づいて、第1のゲイン制御部208の出力信号のゲインを小さくすれば、エコーキャンセラ部200および第1のゲイン制御部208によって十分にエコーを抑圧することができず、エコーが残存する場合でも、第2のゲイン制御部でエコーを抑圧することができる。
第2の制御係数決定部210では、 音声信号のパワーに基づいて誤差信号のゲインを制御する係数を決定する。上述したように、音声信号のパワーが大きい場合には、除去できず残存するエコーも大きくなるため、図6に模式的に示すように音声信号のパワーが大きい場合には、制御係数βを小さく設定し、逆に音声信号のパワーが小さい場合には、制御係数βを大きく設定する。
第2のゲイン制御部211では、第2の制御係数決定部210において求まる制御係数βを用いて、以下の式に従い、誤差信号のゲインが制御される。
Figure 2005198093
このように構成された音声処理装置を用いれば、適応フィルタが収束しておらずパワー比によるゲイン制御部においてエコーを十分に除去できない場合でも、エコーを抑圧することが可能になる。
図7は本発明の第3の実施形態に係る音声処理装置を概略的に示すブロック図である。第3の実施形態の音声処理装置は、音声信号を出力するスピーカ301と、入力信号を入力するマイク302と、スピーカから出力される音声信号から予測信号を作成する適応フィルタ303と、マイク302から入力した入力信号のパワーを計算する第1のパワー計算部304と、入力信号から予測信号を差し引いた誤差信号のパワーを計算する第2のパワー計算部305と、第1のパワー計算部304および第2のパワー計算部305によって計算された信号のパワー比を計算するパワー比計算部306と、パワー比計算部306により計算されたパワー比に応じて第1のゲイン制御部308において用いられる制御係数を決定する制御係数決定部307と、制御係数決定部307において決定された制御係数に基づいて誤差信号e(n)のゲインを制御する第1のゲイン制御部308と、音声信号のパワーを計算する第3のパワー計算部309と、この第3のパワー計算部309によって計算された音声信号のパワーと第1の制御係数決定部307で決定された制御係数により、第2のゲイン制御部311において用いられる制御係数を決定する第2の制御係数決定部310と、この第2の制御係数決定部310により決定された制御係数により、第2の制御係数決定部310において決定された制御係数に基づいてゲイン制御を行う第2のゲイン制御部311とから構成される。つまり、本発明の第2の実施形態とは第2の制御係数決定部310の構成および機能が異なるだけである。従って、第2の実施形態と共通する部分(300〜309、311)については説明を省略する。
第2の制御係数決定部310は、前記第3のパワー計算部309によって計算された音声信号のパワーと、第1の制御係数決定部307によって決定された制御係数αを用いて、制御係数βを決定する。
すなわち、既に第1の制御係数決定部307において制御係数αが十分に小さく設定されており、第1のゲイン制御部308において、十分にエコーが抑圧できている場合には、第2の制御係数決定部310で決定される制御係数βを小さく設定する必要はないため、この場合には、制御係数αおよびβに応じて、第2のゲイン制御部311で用いる制御係数β’を以下のように決定する。
Figure 2005198093
ただしTHはあらかじめ設定する閾値であり、残存するエコーの許容量によって定まる値である。
このように構成された音声処理装置を用いれば、第1のゲイン制御部において、十分にエコーが除去できている場合には、第2のゲイン制御部311において過剰に信号を抑圧することを防ぐことが可能になる。
図8は本発明の第4の実施形態に係る音声処理装置を概略的に示すブロック図である。第4の実施形態の音声処理装置は、音声信号を出力するスピーカ401と、入力信号を入力するマイク402と、スピーカから出力される音声信号から予測信号を作成する適応フィルタ403と、マイク402から入力した入力信号のパワーを計算する第1のパワー計算部404と、入力信号から予測信号を差し引いた誤差信号のパワーを計算する第2のパワー計算部405と、第1のパワー計算部404および第2のパワー計算部405によって計算された信号のパワー比を計算するパワー比計算部406と、パワー比計算部406により計算されたパワー比に応じて第1のゲイン制御部408において用いられる制御係数を決定する制御係数決定部407と、制御係数決定部407において決定された制御係数に基づいて誤差信号e(n)のゲインを制御する第1のゲイン制御部408と、音声信号のパワーを計算する第3のパワー計算部409と、この第3のパワー計算部409によって計算された音声信号のパワーと第1の制御係数決定部407で決定された制御係数により、第2のゲイン制御部411において用いられる制御係数を決定する第2の制御係数決定部410と、この第2の制御係数決定部410により決定された制御係数により、第2の制御係数決定部410において決定された制御係数に基づいてゲイン制御を行う第2のゲイン制御部411と、第1の制御係数決定部407および第2の制御係数決定部410により決定される制御係数β’に基づいて雑音を重畳する雑音重畳部412とから構成される。つまり、第3の実施形態とは雑音を重畳する雑音重畳部412を有する点が異なるのみである。従って、第3の実施形態と共通する部分(400〜411)については説明を省略する。
雑音重畳部412では、第1の制御係数決定部407および第2の制御係数決定部410において決定された制御係数に基づいて第2のゲイン制御部の出力信号に対して雑音信号を重畳する。重畳する雑音信号をs(n)とすると、雑音重畳は以下の式に従って行われる。
Figure 2005198093
ここでは、第1の制御係数決定部407および第2の制御係数決定部410において決定された制御係数に基づいて雑音信号を重畳する構成について説明しているが、第1の実施形態に雑音重畳部412を加えた構成であってもよい。このとき雑音重畳は以下の式に従って行なわれる。
Figure 2005198093
重畳する雑音は、マイクに入力される信号のうち、雑音と判断される信号を保存しておき、これを用いて重畳してもよく、別途収録しておいた雑音信号を、マイクに入力される信号のゲインレベルに応じて調整して用いてもよい。
このように構成された音声処理装置を用いれば、図9に示すように、ゲイン制御部においてエコーキャンセル後の信号の制御係数が時刻によって異なるような、時刻ごとに抑圧された信号のゲインレベルに差が生じることを防ぐことが可能になる。
第1の実施形態に係わる音声処理装置の構成を示すブロック図。 EMRと制御係数αとの関係を示すグラフ。 第1の実施形態に係わる音声処理動作を表すフローチャート図。 音声処理装置を構成するPC端末を表す図。 第2の実施形態に係わる音声処理装置の構成を示すブロック図。 音声信号パワーと制御係数βの関係を示すグラフ。 第3の実施形態に係わる音声処理装置の構成を示すブロック図。 第4の実施形態に係わる音声処理装置の構成を示すブロック図。 雑音重畳により信号のゲインレベルが調整される様子を表す図。
符号の説明
100、200、300、400・・・エコーキャンセラ部
101、201、301、401・・・スピーカ
102、202、302、402・・・マイク
103、203、303、403・・・適応フィルタ
104、204、304、404・・・第1のパワー計算部
105、205、305、405・・・第2のパワー計算部
106、206、306、406・・・パワー比計算部
107、207、307、407・・・第1の制御係数決定部
108、208、308、408・・・第1のゲイン制御部
209、309、409・・・第3のパワー計算部
210、310、410・・・第2の制御係数決定部
211、311、411・・・第2のゲイン制御部
412・・・雑音重畳部

Claims (12)

  1. スピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理装置であって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセラ部と、前記エコーキャンセラ部の出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する第1の制御係数決定部と、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行う第1のゲイン制御部とを具備したことを特徴とする音声処理装置。
  2. 前記エコーキャンセラ部は、適応フィルタを用いて予測信号を生成し、前記マイクに入力される入力信号から前記予測信号を減算することを特徴とする請求項1記載の音声処理装置。
  3. 更に、前記音声信号のパワーに応じてゲイン制御の制御係数を決定する第2の制御係数決定部と、前記第2の制御係数決定部により決定された制御係数に基づいて前記第1のゲイン制御部の出力信号のゲイン制御を行う第2のゲイン制御部を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の音声処理装置。
  4. 前記第2の制御係数決定部により決定される制御係数は、前記音声信号のパワーと前記第1の制御係数決定部における制御係数とに応じて決定されることを特徴とする請求項3記載の音声処理装置。
  5. 更に、前記第1の制御係数決定部の制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳部を具備したことを特徴とする請求項1記載の音声処理装置。
  6. 更に、前記第1の制御係数決定部と前記第2の制御係数決定部の制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳部を具備したことを特徴とする請求項3または請求項4記載の音声処理装置。
  7. スピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理方法であって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセルステップと、前記エコーキャンセルステップにより出力した出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する第1の制御係数決定ステップと、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行う第1のゲイン制御ステップとを有することを特徴とする音声処理方法。
  8. 更に、前記音声信号のパワーに応じてゲイン制御の制御係数を決定する第2の制御係数決定ステップと、前記第2の制御係数決定ステップにより決定された制御係数に基づいて前記第1のゲイン制御ステップの出力信号のゲイン制御を行う第2のゲイン制御ステップとを有することを特徴とする請求項7記載の音声処理方法。
  9. 前記第2の制御係数決定ステップにより決定される制御係数は、前記音声信号のパワーと前記第1の制御係数決定ステップにおける制御係数とに応じて決定されることを特徴とする請求項8記載の音声処理方法。
  10. 更に、前記第1の制御係数決定ステップの制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳ステップを有することを特徴とする請求項7記載の音声処理方法。
  11. 更に、前記第1の制御係数決定ステップと前記第2の制御係数決定ステップの制御係数に応じて雑音信号を重畳する雑音重畳ステップを有することを特徴とする請求項8または請求項9記載の音声処理方法。
  12. コンピュータに、スピーカから出力される音声信号がマイクに入力されることにより生じるエコーを低減させるための音声処理を実行させるための音声処理プログラムであって、前記音声信号からマイクへの入力信号を予測して予測信号を生成し、前記マイクに入力した入力信号から前記予測信号を減算するエコーキャンセル手段と、前記エコーキャンセル手段の出力信号と前記マイクに入力した入力信号のパワー比に応じて該出力信号に対するゲイン制御の制御係数を決定する制御係数決定手段と、前記制御係数に基づいて前記出力信号のゲイン制御を行うゲイン制御手段とを実行させるための音声処理プログラム。
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