JPH1023172A - エコー除去装置 - Google Patents

エコー除去装置

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Publication number
JPH1023172A
JPH1023172A JP17761496A JP17761496A JPH1023172A JP H1023172 A JPH1023172 A JP H1023172A JP 17761496 A JP17761496 A JP 17761496A JP 17761496 A JP17761496 A JP 17761496A JP H1023172 A JPH1023172 A JP H1023172A
Authority
JP
Japan
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voice
end speaker
far
state
attenuation
Prior art date
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Pending
Application number
JP17761496A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Ogata
賢生 尾形
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP17761496A priority Critical patent/JPH1023172A/ja
Publication of JPH1023172A publication Critical patent/JPH1023172A/ja
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  • Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エコーキャンセラとエコーサプレッサを併用
した時に、エコーサプレッサ処理通過後に遠端話者側へ
送信される近端話者の音声のレベル変動に伴う違和感を
解消することを目的とする。 【解決手段】 近端話者・遠端話者の音声が共に存在し
ない時の減衰量、近端話者の音声のみ存在する時の減衰
量、遠端話者の音声のみ存在する時の減衰量、ダブルト
ーク時の減衰量がそれぞれ独立に設定可能なエコーサプ
レッサ19を備えたものであり、近端話者の音声と遠端
話者の音声の有無の計4通りの状態でエコーサプレッサ
通過後の総減衰量が独立に4通りの設定となり、ダブル
トークの場合にはエコーサプレッサ19の最小減衰量
(13)にエコーキャンセラによる減衰量(15)が加
わった減衰量となり、総減衰量は小さく、レベル変動が
抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、国際電話などの長
距離電話回線、テレビ会議システム、自動車電話などに
応用されるエコー除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、国際電話などの長距離電話回線、
テレビ会議システム、自動車電話などでは、近端(遠
端)話者が発した音声がある時間後にエコーとして近端
(遠端)話者側へ戻る現象があり、会話に支障をきたし
ている。
【0003】図7はテレビ会議システムなどの拡声通信
で応用されている従来のエコー除去装置のブロック図で
あり、10は近端話者側のスピーカ、11は近端話者側
のマイクロフォンである。マイクロフォン11から入力
された音声には、スピーカ10から出力されて近端話者
側の部屋の壁や床や天井等に反射されてマイクロフォン
11に入力されたり、直接マイクロフォン11に入力さ
れる遠端話者の音声も含まれる。
【0004】1は遠端話者の音声が送信されてきたどう
かを検出する遠端話者音声検出手段である。3は適応フ
ィルタであり、適応フィルタ3は、遠端話者の音声がス
ピーカ10から出力されてマイクロフォン11に入力さ
れてエコーとして遠端話者側へ送信されるエコー成分の
擬似エコーを、フィルタの係数をリアルタイムに変化さ
せて作り出す処理を行なう。12は減算器であり、エコ
ー成分を含んだ音声からその擬似エコーが引き算され
る。適応フィルタ3のフィルタ係数は、遠端話者側へ送
信されるエコーのパワーとその擬似エコーのパワーの差
が最小となるように計算され設定される。
【0005】4は適応フィルタ3の係数を更新するかし
ないかを決定する状態比較処理を行い、適応フィルタ3
へ係数更新を指示する状態比較手段である。状態比較手
段4は、遠端話者の音声のみ存在する時に適応フィルタ
3の係数を更新するように指示する。
【0006】9は遠端話者の音声が存在する時にそのエ
コーを相手側へ送信しないように減衰をかけるエコーサ
プレッサであり、エコーキャンセラの適応フィルタ3で
は消去できない非線形成分のエコーがある時にその非線
形成分のエコーをキャンセルする目的でそのエコーキャ
ンセラに併用されている。
【0007】エコーサプレッサ9は各状態に応じて図8
の減衰特性を有し、マイクロフォン11から入力された
音声に対する減衰量を遠端話者の音声,近端話者の音声
の有無に応じて遷移させる。エコーキャンセラの適応フ
ィルタ3によるエコーのキャンセル量とエコーサプレッ
サ9によるエコーのキャンセル量の和がある一定値とな
るように設定される。このエコーサプレッサ9の作用に
より、遠端話者への送信出力(総減衰量)を図9に示す
様な特性にし、エコーキャンセラではキャンセルできな
い非線形成分のエコーを消去する処理を行なう。
【0008】図9は従来のエコーサプレッサ通過後の音
声に対する総減衰量の特性を示す図であり、符号20は
近端話者の音声のみ存在する状態のエコーサプレッサ9
の設定減衰量を、符号21は遠端話者の音声と近端話者
の音声が共に存在しない状態又はダブルトーク状態のエ
コーサプレッサ9の設定減衰量を、符号22は遠端話者
の音声のみ存在する状態のエコーサプレッサ9の設定減
衰量を、符号23はエコーキャンセラの減衰量をそれぞ
れ示す。
【0009】次にエコーサプレッサ9の動作を具体的に
説明する。近端話者の音声と遠端話者の音声が共になし
の状態では、エコーサプレッサ9に設定された単体減衰
量すなわちエコーサプレッサ9のみの減衰量は、図8の
符号21に示すとおり最大値の1/2に設定される。従
って、送信経路全体としても図9の符号21に示すよう
に最大値の1/2の減衰量となる。
【0010】近端話者の音声のみ存在する場合、マイク
ロフォン11によって入力された近端話者の音声は減算
器12を通るが、この場合減算される擬似エコー成分は
ゼロであるので結果的に減算はされず、そのままエコー
サプレッサ9で遠端話者側へ送信する音声の減衰量が設
定される。この場合、図8の符号20に示すとおり、エ
コーサプレッサ9の減衰量は最小値又はゼロにして遠端
話者側へ送信される音声が小さくなりすぎないようにす
る。その結果、送信経路全体としても減衰量は最小であ
るから、エコーサプレッサ通過後の遠端話者側へ送信さ
れる音声は図9の符号20に示すように最小減衰量がは
たらく。
【0011】次に、遠端話者の音声のみ存在する場合、
遠端話者の音声は近端話者側のスピーカ10から出力さ
れるとともに、適応フィルタ3に入力される。スピーカ
10から出力された遠端話者側の音声は近端話者側の部
屋の壁や床や天井等に反射されてマイクロフォン11に
入力されたり、または直接マイクロフォン11に入力さ
れたりする場合がある。マイクロフォン11に入力され
た遠端話者の反射音は減算器12に入力される。そこ
で、適応フィルタ3で作られた擬似エコー成分が減算さ
れる。
【0012】またマイクロフォン11に入力された音声
は近端話者音声検出手段5で検出され、この情報と遠端
話者音声検出手段1によって検出された情報に基づいて
状態比較手段4で適応フィルタ3の係数を更新するよう
に知らせ、マイクロフォン11に回り込んだ遠端話者の
音声を打ち消すための最適な擬似エコー成分が作られ
る。
【0013】減算器出力後の音声信号は、エコーサプレ
ッサ9にてエコーサプレッサ処理が行われる。この場合
図8の符号22に示すとおり減衰量は大きくしてエコー
キャンセラではキャンセルできない非線形成分のエコー
をキャンセルさせる。その結果、送信経路全体としては
図9の符号23および符号22に示すようにエコーキャ
ンセラによる減衰量とエコーサプレッサ9による減衰量
が加算された減衰量(総減衰量)となるから、遠端話者
側へ送信される音声にはこの総減衰量がはたらく。
【0014】次に、ダブルトーク状態の場合は、近端話
者の音声のみ存在する場合と同様の処理を行なうが、エ
コーサプレッサ処理が図8の符号21に示す通り減衰量
を最大値の1/2に設定する。その結果、送信経路全体
としては図9の符号23および符号21に示すようにエ
コーキャンセラによる減衰量とエコーサプレッサ9によ
る減衰量が加算された総減衰量となり、遠端話者側へ送
信される音声にはこの総減衰量がたらく。
【0015】実際の通信では、近端話者の音声と遠端話
者の音声の有無の計4通りの状態でエコーサプレッサ9
で設定される減衰量への遷移を図8に示すとおりある時
定数を持たせて遷移させる。そして、エコーサプレッサ
出力後の遠端話者側への音声が図9の様に遷移する様に
している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、ダブルトークの場合のエコーサプレッサ
9の単体減衰量は最大値の1/2の値(21)であり、
これは元々エコーサプレッサ9の最小減衰量(20)よ
りも高い値である。そしてダブルトークの場合の総減衰
量はエコーキャンセラによる減衰量(23)にエコーサ
プレッサ9の単体減衰量(21)が加わった減衰量とな
るので、総減衰量が非常に大きくなり、それは近端・遠
端話者の音声が共に存在しない場合の減衰量よりも大き
な量となる。これでは、近端話者の音声のみ存在する状
態からダブルトーク状態になった時に大きな減衰がかか
り、遠端話者側へ送信される近端話者の音声が小さくな
りすぎ、近端話者の音声のみ存在するときとダブルトー
クの状態が切り替わる度に送信される音声レベルが大き
く変動し、このレベル変動を伴う違和感が生じていた。
【0017】本発明では、近端話者の音声のみ存在する
ときとダブルトークの状態が切り替わる度に送信される
音声にレベル変動に伴う違和感をなくすエコー除去装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明のエコー除去装置は、近端話者・遠端話者の音
声が共に存在しない時の減衰量、近端話者の音声のみ存
在する時の減衰量、遠端話者の音声のみ存在する時の減
衰量、近端話者・遠端話者の音声が共に存在する時の減
衰量がそれぞれ独立に設定可能なエコーサプレッサとを
備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、遠端話者の音声がスピーカから出力されてマイクロ
フォンに入力されてエコーとして遠端話者側へ送信され
るエコー成分の擬似エコーを作り出す適応フィルタと、
マイクロフォンから入力した音声中に前記適応フィルタ
から出力された擬似エコーを加え、エコー成分を引き算
する減算器と、近端話者・遠端話者の音声が共に存在し
ない時の減衰量、近端話者の音声のみ存在する時の減衰
量、遠端話者の音声のみ存在する時の減衰量、近端話者
・遠端話者の音声が共に存在する時の減衰量がそれぞれ
独立に設定可能なエコーサプレッサとを備えたエコー除
去装置であり、エコーサプレッサ通過後に遠端話者側へ
送信される音声に対する総減衰量が近端話者と遠端話者
の音声の有無の計4通りの場合でそれぞれ独立した設定
となり、遠端話者側へ送信される近端話者の音声にレベ
ル変動に伴う違和感を生じさせないという作用を有す
る。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
エコーサプレッサにおいて、近端話者の音声のみ存在す
る状態から近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在
する状態、近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在
しない状態、遠端話者の音声のみ存在する状態の3通り
への遷移の時定数は大きくしてゆるやかに遷移させる様
にし、遠端話者の音声のみ存在する状態から近端話者の
音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態および近端
話者・遠端話者の音声が共に存在する状態および近端話
者の音声のみ存在する状態の3通りへの遷移の時定数は
小さくして素早く遷移させる様にし、近端話者・遠端話
者の音声が共に存在する状態から近端話者の音声のみ存
在する状態への遷移は時定数を小さくして素早く遷移さ
せる様にし、近端話者・遠端話者の音声が共に存在する
状態から近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在し
ない状態および遠端話者の音声のみ存在する状態の2通
りへの遷移の時定数は大きくしてゆるやかに遷移させる
様にし、近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在し
ない状態から遠端話者の音声のみ存在する状態への遷移
は時定数を大きくしてゆるやかに遷移させ、近端話者の
音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態から近端話
者・遠端話者の音声が共に存在する状態および近端話者
の音声のみ存在する状態の2通りへの遷移の時定数は小
さくして素早く遷移させる構成であり、場合によって遷
移の時定数が異なって総減衰量が素早く変わったり或は
ゆるやかに変わったりすることになり、遠端話者側へ送
信される近端話者の音声に途切れやレベル変動に伴う違
和感を解消するという作用を有する。
【0021】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図6を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態におけるエ
コー除去装置のブロック図で、この図を元に実施の形態
を説明する。図1において、1は遠端話者の音声が送信
されてきたどうかを検出する遠端話者音声検出手段であ
る。2は遠端話者側から送信されてきた音声を処理時間
緩和のために帯域分割する帯域分割手段である。5は近
端話者の音声が入力されたかどうかを検出する近端話者
音声検出手段、6は近端話者側のマイクロフォン11か
ら入力された音声を帯域分割する処理を行なう帯域分割
手段である。
【0022】マイクロフォン11から入力された音声に
は、スピーカ10から出力されて近端話者側の部屋の壁
や床や天井等に反射されてマイクロフォン11に入力さ
れたり、直接マイクロフォン11に入力される遠端話者
の音声も含まれる。
【0023】8は、帯域分割手段6により帯域分割され
た音声を合成する帯域合成手段である。3は適応フィル
タである。この適応フィルタ3は、遠端話者の音声がス
ピーカ10から出力されてマイクロフォン11に入力さ
れてエコーとして遠端話者側へ送信されるエコー成分の
擬似エコーを、フィルタ係数をリアルタイムに変化させ
て作り出す処理を行なう。12は減算器であり、エコー
成分を含んだ音声からその擬似エコーが引き算される。
適応フィルタ3のフィルタ係数は、遠端話者側へ送信さ
れるエコーのパワーとその擬似エコーのパワーの差が最
小となるように計算され設定される。
【0024】7はダブルトーク検出手段であり、このダ
ブルトーク検出手段7は、マイクロフォン11から入力
された音声が近端話者の音声なのかスピーカ10から出
力されてマイクロフォン11に入力された遠端話者の音
声なのかを、減算器12の前後のエコーの消去量から判
断する。4は適応フィルタ3の係数を更新するかしない
かを決定する状態比較処理を行い、遠端話者の音声のみ
存在するときのみ適応フィルタ3の係数を更新する様に
指示する状態比較手段である。
【0025】19はマイクロフォン11から入力された
音声の中のエコーを相手側へ送信しないように減衰をか
けるエコーサプレッサである。このエコーサプレッサ1
9は遠端話者の音声、近端話者の音声の有無に応じて減
衰量を設定し、遠端話者の音声、近端話者の音声の有無
の各状態への減衰量をある時定数を持たせて遷移させ
る。図2は本実施例におけるエコーサプレッサ19の減
衰特性を示す。
【0026】図4はエコーサプレッサ19の動作を示す
フローチャートである。step1では、遠端話者音声
検出手段1および近端話者音声検出手段5から音声有無
の情報を読み込む。step2で遠端話者の音声無しで
あればstep3へ移行し、step2で遠端話者の音
声有りと判明すればstep4へ移行する。
【0027】step3で近端話者の音声無しであれば
step5へ移行し、近端話者・遠端話者の音声が共に
存在しない時の減衰量に設定される。step3で近端
話者の音声有りと判明すればstep6へ移行し、近端
話者の音声のみ存在する時の減衰量に設定される。st
ep4で近端話者の音声無しであればstep7へ移行
し、遠端話者の音声のみ存在する時の減衰量に設定され
る。step4で近端話者の音声有りと判明すればst
ep8へ移行し、ダブルトーク時の減衰量に設定され
る。エコーサプレッサ19はこのようなステッブを繰り
返しながら、その時々の遠端話者・近端話者の音声の有
無に応じた減衰量に設定されている。
【0028】図3は本エコー除去装置のエコーサプレッ
サ通過後の総減衰量の特性を示す図であり、図3におい
て、符号13は近端話者の音声のみ存在する又はダブル
トーク状態のエコーサプレッサの設定減衰量を、符号1
4は遠端話者の音声のみ存在する又は遠端話者の音声と
近端話者の音声が共に存在しない状態のエコーサプレッ
サの設定減衰量を、符号15はエコーキャンセラの減衰
量をそれぞれ示す。
【0029】まず、近端話者の音声、遠端話者の音声が
共に存在しない場合(A)、図1のエコーサプレッサ1
9は図2の符号14に示す様に最大減衰量に設定され
る。従って、遠端話者側へ送信される音声は図3の符号
14の様な減衰量設定となる。
【0030】次に、近端話者の音声のみ存在する場合
(B)は、近端話者音声検出手段5によって音声検出が
行われる。その音声は帯域分割手段6で帯域分割され
る。そのあと減算器12を通るがこの場合減算される擬
似エコー成分はゼロであるので結果的に減算はされずに
そのまま次の帯域合成手段8にて合成処理が行われ、そ
の後エコーサプレッサ19で遠端話者側へ送信する音声
の減衰量が設定される。図1のエコーサプレッサ19は
図2の符号13に示す様に最小減衰量に設定されてい
る。従って、送信経路全体としても図3の符号13の様
な減衰量となる。
【0031】次に、遠端話者の音声のみ存在する場合
(C)、遠端話者音声検出手段1によって音声検出が行
われる。そして、一方は帯域分割手段2で帯域分割さ
れ、その出力が適応フィルタ3に入力される。もう一方
は近端話者側のスピーカ10から出力される。その出力
された遠端話者側の音声が近端話者側の部屋の壁や床や
天井等に反射されてマイクロフォン11に入力された
り、直接マイクロフォン11に入力される。
【0032】マイクロフォン11に入力された音声は、
帯域分割手段6で帯域分割されて減算器12に入力され
る。この減算器12にて適応フィルタ3で作られた擬似
エコー成分が減算される。またマイクロフォン11に音
声が入力されたことは近端話者音声検出手段5で検出さ
れ、その検知情報は状態比較手段4へ送られる。ここで
ダブルトーク検出手段7にてその音声が近端話者の音声
ではないことが判断されるので、その情報も状態比較手
段4へ送られ、それらの情報に従って状態比較手段4は
適応フィルタ3へフィルタ係数を更新するように知らせ
る。
【0033】減算器出力後の音声信号は帯域合成手段8
で合成され、エコーサプレッサ19にてエコーサプレッ
サ処理が行われる。図1のエコーサプレッサ19は図2
の符号14に示す様に最大減衰量に設定される。従っ
て、送信経路全体としては図3の符号14および符号1
5が示す様にエコーサプレッサ19による減衰量(1
4)とエコーキャンセラによる減衰量(15)の和とな
り、この総減衰量が遠端話者側へ送信される音声にはた
らく。
【0034】次に、ダブルトークの場合(D)、マイク
ロフォン11によって入力された音声は帯域分割手段6
で帯域分割され、そのあと減算器12を通り、帯域合成
手段8にて合成処理が行われ、その後エコーサプレッサ
19の処理を行なう。そしてエコーサプレッサ19によ
る減衰量とエコーキャンセラによる減衰量の和が送信経
路全体の総減衰量となる。ここでは、エコーサプレッサ
19は図2の符号13に示す様に最小減衰量に設定され
ている。遠端話者側へ送信される音声に対しては、図3
の符号13および符号15が示す様にエコーサプレッサ
19による減衰量(14)とエコーキャンセラによる減
衰量(15)の和の減衰量がはたらく。
【0035】なおダブルトーク検出手段7は、マイクロ
フォン11によって入力された音声の中に近端話者の音
声と遠端話者の音声が共に存在すると判断してそのこと
を示す情報を出力するので、その間、状態比較手段4は
適応フィルタの係数更新の処理を行わない。
【0036】以上、近端話者の音声と遠端話者の音声の
有無の計4通りの状態でエコーサプレッサ通過後の総減
衰量が独立に4通りに切り替わることになる。そしてダ
ブルトークの場合にはエコーサプレッサ19の最小減衰
量(13)にエコーキャンセラによる減衰量(15)が
加わった減衰量となり、この減衰量は近端・遠端話者の
音声が共に存在しない場合の減衰量よりも低くなる。
【0037】実際の通信では、近端話者の音声と遠端話
者の音声の有無の計4通りの場合でエコーサプレッサ通
過後の設定総減衰量がランダムに切り替わるが、エコー
キャンセラの減衰量は近端話者の音声そのものには作用
しない。しかも図2に示すように近端話者の音声のみ存
在する状態(B)とダブルトークの状態(D)のエコー
サプレッサ19に設定された単体減衰量が同じに設定さ
れているので、近端話者の音声のみの状態からダブルト
ーク状態への遷移で、あるいはダブルトーク状態から近
端話者の音声のみの状態への遷移で近端話者の音声レベ
ルは大きく変動せず、レベル変動に伴う違和感を感じさ
せない様にできる。
【0038】(実施の形態2)図5は、請求項2に示す
エコーサプレッサ19の減衰特性であり、図6は、図5
のエコーサプレッサ通過後の遠端話者側へ送信される音
声の減衰量特性である。図6において、符号30は近端
話者の音声のみ存在する状態又はダブルトーク状態のエ
コーサプレッサの設定減衰量を、符号31は遠端話者の
音声のみ存在する状態又は遠端話者の音声と近端話者の
音声が共に存在しない状態のエコーサプレッサの設定減
衰量を、符号32はエコーキャンセラの減衰量をそれぞ
れ示す。
【0039】まず、近端話者の音声、遠端話者の音声が
共に存在しない場合、図1のエコーサプレッサ19は図
5の符号31に示す様に最大減衰量に設定される。従っ
て、遠端話者側へ送信される音声は図6の符号31の様
な減衰量設定となる。次に、近端話者の音声のみ存在す
る場合、図1のエコーサプレッサ19は図5の符号30
に示す様に最小減衰量に設定される。従って、遠端話者
側へ送信される音声は図6の符号30の様な減衰量設定
となる。
【0040】次に、遠端話者の音声のみ存在する場合、
図1のエコーサプレッサ19は図5の符号31に示す様
に最大減衰量に設定される。従って、遠端話者側へ送信
される音声に対する総減衰量は、図6の符号31および
符号32の様にエコーサプレッサ19による減衰量とエ
コーキャンセラによる減衰量の和となる。
【0041】次に、ダブルトーク状態の場合、図1のエ
コーサプレッサ19は図5の符号30に示す様に最小減
衰量に設定される。従って、遠端話者側へ送信される音
声に対する総減衰量は、図6の符号30および符号32
の様にエコーサプレッサ19による減衰量とエコーキャ
ンセラによる減衰量の和となる。
【0042】以上、近端話者の音声と遠端話者の音声の
有無の計4通りの状態でエコーサプレッサ通過後の総減
衰量が独立に4通り設定される。従って実施の形態1と
同様に近端話者の音声のみ存在する状態からダブルトー
クの状態又は、ダブルトークの状態から近端話者の音声
のみ存在する状態への遷移で近端話者の音声のレベル変
動に伴う違和感を感じさせなくできる。
【0043】さらに、図5及び図6から近端話者の音声
のみ存在する状態からダブルトーク状態と近端話者の音
声と遠端話者の音声が共に存在しない状態と遠端話者の
音声のみ存在する状態の3通りへの遷移の時定数は大き
くしてゆるやかに遷移させる様にしている。
【0044】また遠端話者の音声のみ存在する状態から
近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態
とダブルトーク状態と近端話者の音声のみ存在する状態
の3通りへの遷移の時定数は小さくして素早く遷移させ
る様にしている。
【0045】またダブルトーク状態から近端話者の音声
のみ存在する状態への遷移は時定数を小さくして素早く
遷移させる様にしている。
【0046】またダブルトーク状態から近端話者の音声
と遠端話者の音声が共に存在しない状態と遠端話者の音
声のみ存在する状態の2通りへの遷移の時定数は大きく
してゆるやかに遷移させる様にしている。
【0047】また近端話者の音声と遠端話者の音声が共
に存在しない状態から遠端話者の音声のみ存在する状態
への遷移は時定数を大きくしてゆるやかに遷移させてい
る。
【0048】また近端話者の音声と遠端話者の音声が共
に存在しない状態からダブルトーク状態と近端話者の音
声のみ存在する状態の2通りへの遷移の時定数は小さく
して素早く遷移させるようにしている。
【0049】このように、場合によって遷移の時定数を
小さくして素早く遷移させたり或は時定数を大きくして
ゆるやかに遷移させたりすることで、近端話者の音声の
み存在する状態からダブルトーク状態や遠端話者の音声
のみ存在する状態への遷移で近端話者の音声の尻切れの
発生を防止でき、遠端話者の音声のみ存在する状態から
ダブルトーク状態や近端話者の音声のみ存在する状態へ
の遷移で近端話者の音声の頭切れの発生を防止できると
いう効果もある。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、近端話者
の音声のみ存在する状態からダブルトーク状態への遷
移、及びその逆の遷移で遠端話者側へ送信される音声に
レベル変動に伴う違和感を生じさせないという有利な効
果が得られ、また遠端話者の音声と近端話者の音声の有
無による計4通りの状態遷移の時定数を変えることで近
端話者の音声の頭切れ、尻切れを生じさせないという有
利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるエコー除去装置の
ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるエコー除去装置
のエコーサプレッサの減衰特性を示す図
【図3】同実施の形態におけるエコー除去装置のエコー
サプレッサ通過後に遠端話者側へ送信される音声に対す
る総減衰量の特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるエコー除去装置の
エコーサプレッサの動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2におけるエコーサプレッ
サの減衰特性を示す図
【図6】同実施の形態におけるエコー除去装置のエコー
サプレッサ通過後に遠端話者側へ送信される音声に対す
る総減衰量の特性を示す図
【図7】従来のエコー除去装置のブロック図
【図8】従来のエコーサプレッサの減衰特性を示す図
【図9】従来のエコーサプレッサ通過後の音声に対する
総減衰量の特性を示す図
【符号の説明】
1 遠端話者音声検出手段 2 帯域分割手段 3 適応フィルタ 4 状態比較手段 5 近端話者音声検出手段 6 帯域分割手段 7 ダブルトーク検出手段 8 帯域合成手段 10 スピーカ 11 マイクロフォン 12 減算器 19 エコーサプレッサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遠端話者の音声がスピーカから出力されて
    マイクロフォンに入力されてエコーとして遠端話者側へ
    送信されるエコー成分の擬似エコーを作り出す適応フィ
    ルタと、 マイクロフォンから入力した音声中に前記適応フィルタ
    から出力された擬似エコーを加え、エコー成分を引き算
    する減算器と、 近端話者・遠端話者の音声が共に存在しない時の減衰
    量、近端話者の音声のみ存在する時の減衰量、遠端話者
    の音声のみ存在する時の減衰量、近端話者・遠端話者の
    音声が共に存在する時の減衰量がそれぞれ独立に設定可
    能なエコーサプレッサとを備えたことを特徴とするエコ
    ー除去装置。
  2. 【請求項2】近端話者の音声のみ存在する状態から、近
    端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在する状態、お
    よび近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在しない
    状態、および遠端話者の音声のみ存在する状態の3通り
    の状態への遷移の時定数は大きくしてゆるやかに遷移さ
    せる様にし、 遠端話者の音声のみ存在する状態から、近端話者の音声
    と遠端話者の音声が共に存在しない状態、および近端話
    者・遠端話者の音声が共に存在する状態、および近端話
    者の音声のみ存在する状態の3通りの状態への遷移の時
    定数は小さくして素早く遷移させる様にし、 近端話者・遠端話者の音声が共に存在する状態から近端
    話者の音声のみ存在する状態への遷移は時定数を小さく
    して素早く遷移させる様にし、 近端話者・遠端話者の音声が共に存在する状態から、近
    端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態お
    よび遠端話者の音声のみ存在する状態の2通りの状態へ
    の遷移の時定数は大きくしてゆるやかに遷移させる様に
    し、 近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態
    から遠端話者の音声のみ存在する状態への遷移は時定数
    を大きくしてゆるやかに遷移させる様にし、 近端話者の音声と遠端話者の音声が共に存在しない状態
    から近端話者・遠端話者の音声が共に存在する状態およ
    び近端話者の音声のみ存在する状態の2通りの状態への
    遷移の時定数は小さくして素早く遷移させることを特徴
    とする請求項1記載のエコー除去装置。
JP17761496A 1996-07-08 1996-07-08 エコー除去装置 Pending JPH1023172A (ja)

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