JP4007676B2 - 能動騒音制御装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は能動騒音制御装置に関し、特に、小さく抑えたい騒音とは同振幅・逆位相の関係となるように合成した擬似騒音を音響的に重ね合わせることによって該騒音を相殺する能動騒音制御装置に関するものである。
【0001】
図9は、かかる能動騒音制御装置の従来例を示している。この例において、ダクト200中を右側の出口に向かって流れる騒音は騒音検出用マイクロホン201で信号xj(j:sample time index)として採取された後、誤差検出用マイクロホン202に至るまでに誤差騒音gjに変化するものと予測される。
【0002】
その間に、騒音制御フィルタ220はその採取された騒音xjと係数更新回路240からの係数Hjとを使って擬似騒音Gjを合成する。
【0003】
係数更新回路240は、乗算器205で“-1"が乗算されたことにより位相反転されてスピーカ203から送出される擬似騒音−Gjと騒音gjとの和として誤差検出用マイクロホン202から出力される信号Ejが最小となるように騒音制御フィルタ220の係数を算定する。
【0004】
スピーカ203から出力された擬似騒音−Gjはダクト200を経て騒音検出用マイクロホン201に帰還する。このとき、スピーカ203から騒音検出用マイクロホン201に至るダクト200の帰還路を遮断してハウリングの発生を防止するために帰還制御フィルタ210が挿入されている。
【0005】
また、誤差経路フィルタ230は、乗算器205の出力端子からスピーカ203及び誤差検出用マイクロホン202を経て係数更新回路240に至る誤差経路の特性を模擬するフィルタで、騒音制御フィルタ220の係数更新に使用されている。
その際、誤差経路フィルタ230は正しく該誤差経路を模擬していることが必要である。
【0006】
【従来の技術】
この図9に示す従来例の構造から、騒音gjは乗算器205で位相反転されてスピーカ203から送出される擬似騒音−Gjと騒音gjとの和、すなわち、誤差検出用マイクロホン202から出力Ejが最小となるように騒音制御フィルタ220の係数を更新するときに相殺されることが分かる。その係数Hjを更新する係数更新回路240に適用される最も代表的なアルゴリズムは次式で表されるFiltered-x NLMS法である。
【0007】
【数1】
Figure 0004007676
【0008】
ここで、μはステップゲインと呼ばれる定数、Ejは誤差検出用マイクロホン202の出力、Xjは乗算器205の出力からスピーカ203、誤差検出用マイクロホン202を経て係数更新回路240に至る誤差経路の特性を模擬する誤差経路フィルタ230の出力Xjを過去I−1標本化周期まで遡って得られたXj , Xj-1,・・・Xj(I-1)をXj(1),Xj(2),・・・,Xj(I)と表したI個の要素から成る次式で表されるベクトルである。
j=[Xj(1) Xj(1),・・・, Xj(I)] ・・・式(2)
【0009】
また、騒音制御フィルタ220と誤差経路フィルタ230は非巡回型で構成され、その各タップ数を説明の都合上、以下ではI,Mと置く。
【0010】
このFiltered-x NLMS法を係数更新アルゴリズムとするとき、誤差経路フィルタ230の次の係数
=[ (1) (2) ・・・ (M)] ・・・式(3)
は、次の誤差経路のインパルス応答
C=[C(1) C(2) ・・・ C(M)] ・・・式(4)
に高い精度で近似される推定値になっている必要がある。
【0011】
一般に、この図9の誤差経路フィルタ230の係数は固定されているが、その算定は、同図の能動騒音制御を開始する前に、図10に示すように白色雑音発生回路250で発生された白色雑音をスピーカ203と誤差経路フィルタ230とに与え、誤差検出用マイクロホン202の出力と誤差経路フィルタ230の出力を減算器251に与え、その差分出力を係数更新回路240に与える構成により行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このような誤差経路フィルタの問題点は、明らかに、係数の算定に際して白色雑音発生器130から白色雑音がスピーカを介してダクト外にも出力されてしまうことである。一時的とは言え、このように能動騒音制御装置から別種の騒音が出力されてしまうことは好ましくない。
【0013】
また、このようにして算定された誤差経路フィルタ230の係数が以後、図9に示す如く能動騒音制御時には固定されてしまうことも問題である。当然ながら、その算定以後においてダクト200内の特性が変化することが十分に想定されるからである。
【0014】
実際、その算定結果を用いて騒音制御フィルタ220の係数を更新して誤差検出用マイクロホン202の位置で騒音を減少させたときには騒音の反射位置がダクト200の出口端から誤差検出用マイクロホン202の位置に移動してダクト200内の音響特性が変化し、誤差経路フィルタ230が上記の誤差経路を正しく模擬しなくなることが知られている。
【0015】
この精度の落ちた模擬動作は騒音制御フィルタ220係数の精度の維持に悪影響を及ぼし、十分な騒音低減量が得られないばかりか、騒音制御動作もまた不安定となる場合がある。このダクト内の音響特性が騒音制御フィルタ220係数の推定誤差の減少とともに変化するという事実は、誤差経路フィルタ230の係数修正を能動騒音制御を動作させたまま繰り返して行う必要があることを示している。
【0016】
能動騒音制御中に誤差経路フィルタ230の係数を推定する方法としては図11に示す回路構成を用いる方法が知られている。
【0017】
すなわち、白色雑音発生回路250で発生させた白色雑音を加算器252で乗算器205からの擬似騒音−Gjに加えてスピーカ203から出力させ、図9の例とは異なり騒音制御フィルタ220の係数更新を行わない(固定する)ことにより使用可能となった係数更新回路240を流用して減算器251の出力が最小になるように誤差経路フィルタ230の係数を更新するものである。
【0018】
この構成において、誤差経路フィルタ230の係数は、その減算器251の出力が最小になった時点で騒音制御によって特性が変わった誤差経路のインパルス応答を与えるので、この時の係数を図9の回路に戻って用いればよい。
【0019】
しかしながら、このような回路構成では、上記と同様に、能動騒音制御中にスピーカ203から出力される白色雑音の重畳は能動騒音制御装置が新たな騒音源となることを示している。
【0020】
さらに、誤差経路フィルタ230の係数更新に用いられる上記式(1)のFiltered-x NLMS法は安定した動作を100%保証するものではない。
従って、一般には、ステップゲインをできるだけ小さくして、不安定となる可能性を小さくするという現実的な妥協を行うが、小さなステップゲインの設定は固定小数点演算において消音性能を劣化させるという問題を派生するので、廉価な固定小数点信号プロセッサが採用できないという実用上の問題が残る。
【0021】
この問題を根本的に解決するためには誤差経路フィルタ230の係数算定を不要にするアルゴリズムを確立すればよい。
このようなアルゴリズムとしては、同時摂動型最適化手法(梶川、野村、「残差信号のみで更新を行うアクティブノイズコントロールシステムの提案」、1-4-12、日本音響学会平成9年度秋季研究発表会講演論文集、pp.497-498) が既に提案されている。
【0022】
この手法の特徴は騒音制御フィルタ220の係数に白色雑音で摂動を加える点にあるが、この摂動を加えるという処置は白色雑音を擬似騒音に重畳させることと等価であり、それは図9の構成における問題を解決したことにならない。
【0023】
そこで本発明の目的は、抑制したい騒音とは同振幅・逆位相の関係となる擬似騒音を合成する騒音制御フィルタの係数を更新する能動騒音制御装置において、上記のような摂動を騒音制御フィルタの係数に加えることなく、誤差経路フィルタの係数の算定を不要とするアルゴリズムを確立し、以てFiltered-xNLMS法における問題を根本的に解決することに在る。
【0024】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明による能動騒音制御装置の原理を示し、特に該能動騒音制御装置に用いる誤差経路フィルタの係数推定を不要とする騒音制御フィルタ係数の算定原理を説明する図である。
【0025】
本発明では、騒音制御フィルタ220が、任意の第一及び第二係数S 1 及び S 2 にそれぞれが設定された第一及び第二騒音制御フィルタ144及び142を有し、該擬似騒音の合成に必要な騒音成分を採取する騒音検出用マイクロホン201から誤差検出用マイクロホン202に至る系全体の特性を同定する第一及び第二全系フィルタ141 及び 143であって、該第一全系フィルタ 141 の出力と、該第一騒音制御フィルタ 144 を用いてスピーカ 203 から音として出力したときの該誤差検出用マイクロホン 202 からの出力との差が最小となるように最適制御して得られた第一係数 S 1 を有する第一全系フィルタ 141 、及び該第二全系フィルタ 143 の出力と、該第二騒音制御フィルタ 142 を用いてスピーカ 203 から音として出力したときの該誤差検出用マイクロホン 202 からの出力との差が最小となるように最適制御して得られた第二係数 S 2 を有する第二全系フィルタ 143 と、該第一及び第二全系フィルタ141 及び 143の応答の差分を出力する差分全系フィルタ120と、該差分全系フィルタ120に続された係数が可変の推定騒音伝達系フィルタ130と、を備え、該白色雑音を、該第一全系フィルタ 141 と、該第二全系フィルタ 143 と、該差分全系フィルタ 120 にそれぞれ並列的に入力し、該第一全系フィルタ 141 の出力が、該第二騒音制御フィルタ 142 に入力され、該第二全系フィルタ 143 の出力が、該第一騒音制御フィルタ 144 に入力され、該差分全系フィルタ 120 の出力が、該推定騒音伝達系フィルタ 130 に入力され、該推定騒音伝達系フィルタ 130 の出力と該第一及び第二騒音制御フィルタ144及び142の差分出力との差が最小となるように該推定騒音伝達系フィルタ130の係数を更新し、その差が最小となった時点で得られた該推定騒音伝達系フィルタ130の係数を該騒音制御フィルタ220の係数として与えることを特徴としている。
【0026】
ここで、その原理の説明を簡単にするために図9の能動騒音制御装置を図2に示す機能ブロック図で表す。但し、図2において騒音の擬似騒音による減算はダクト200内空間で行われるので、この図に示す減算器206は現実の回路としては構成されない。また、帰還制御フィルタ210はここでは原理に関係しないので省略されている。
【0027】
また、図2の構成を本発明に適用した場合の基本的な能動騒音制御装置の構成が図3に示されており、騒音検出用マイクロホン201から誤差検出用マイクロホン202に至る制御系全体の特性を模擬する全系フィルタ260を追加した点に特徴がある。
【0028】
すなわち、まず、騒音制御フィルタの係数は任意に設定できるので、その係数に騒音低減量が大きく劣下しない程度に変更を加えて伝達関数がA1とA2となるように、図3に示した騒音制御フィルタ220を構成する第一騒音制御フィルタ144と第二騒音制御フィルタ142を第一及び第二係数A1及びA2に設定する。
【0029】
また、図1に示す第一全系フィルタ141と第二全系フィルタ143には、図3の構成において騒音制御フィルタ220に設定した第一及び第二係数A1及びA2に対して減算器261の出力を最小とする全系フィルタ260の第一及び第二係数S1及びS2が設定されている。
【0030】
差分全系フィルタ120は該第一全系フィルタ141と該第二全系フィルタ143の差分出力S1−S2を生成するフィルタであり、推定騒音伝達系フィルタ130は白色雑音発生回路110の出力を第一全系フィルタ141と第二全系フィルタ143及び差分全系フィルタ120に印加して得た信号を使って、図3の能動騒音制御装置から流用した係数更新回路240によって減算器131の出力を最小にするように更新して該第一及び第二全系フィルタ141及び143と該第一及び第二騒音制御フィルタ142及び144に含まれる騒音伝達系のインパルス応答を係数として取り出す適応フィルタである。
【0031】
図3に示した全系フィルタ260の係数の算定は、騒音制御フィルタ220の係数更新を一時停止させ、その停止によって不要となった係数更新回路240を流用して行う。ここで、図3に示す各回路の伝達関数をそれぞれ、
D:音響信号伝達系200の伝達関数、
A:騒音制御フィルタ220の伝達関数、
S:全系フィルタ260の伝達関数、
C:誤差経路の伝達関数、
と表せば、減算器261の出力が最小となった時点で次式の関係が成り立つ。
S≒(D−A)C ・・・式(5)
【0032】
当然ながら、騒音制御フィルタ220の係数は任意に設定できるので、その係数に騒音低減量が大きく劣下しない程度に変更を加えて伝達関数がA1とA2となるように係数を設定し、その両係数に対して減算器261の出力が最小となるように全系フィルタ260の係数を更新する。
【0033】
全系フィルタ260の伝達関数S1とS2は、その係数更新によって減算器(261) の出力が最小となった時点で次式の関係を満たす。
1≒(D−A1)C ・・・式 (6)
2≒(D−A2)C ・・・式 (7)
【0034】
明らかに、上記の両伝達関数S1とS2の差をとれば音響信号伝達系200の伝達関数Dは消去されて求める誤差経路の伝達関数、すなわち誤差経路フィルタ230の係数は次式で算定される。
C≒(S1−S2)/(A2−A1) ・・・式 (8)
【0035】
ここで、連立方程式の第一式(6)と第二式(7)を見ると、騒音伝達系200の伝達関数Dがもう一つの未知数として含まれていることが分かる。そこで、式(6)と(7)をDについて解くと次式が得られる。
D=(S12−S21)/(S1−S2) ・・・式(9)
【0036】
あとは、この式(9)左辺の伝達関数をインパルス応答に変換すればよい。そのインパルス応答の標本値が、求める騒音制御フィルタ220の係数となる。
【0037】
すなわち、非巡回型フィルタの係数はインパルス応答に対応することを利用して、各系の特性を伝達関数からインパルス応答で表す変更を加える。まず、騒音伝達系200についてそのインパルス応答を次式のように表す。
D=[D(1) D(2) ・・・D(I)] ・・・式(10)
【0038】
次に、全系フィルタ260の伝達関数S1とS2に対応する係数をそれぞれ、
1=[S1(1) S1(2) ・・・ S1(L)] ・・・式(11)
2=[S2(1) S2(2) ・・・ S2(L)] ・・・式(12)
とし、また、騒音制御フィルタ220の2つの係数を
1=[A1(1) A1(2) ・・・ A1(I)] ・・・式(13)
2=[A2(1) A2(2) ・・・ A2(I)] ・・・式(14)
と表す。
【0039】
以上の式を用い、図1に示す回路の第一全系フィルタ141にはS1を、第二全系フィルタ143には係数S2を与え、同様に、第一騒音制御フィルタ144と第二騒音制御フィルタ142にそれぞれ係数A1とA2を与えると、減算器145の出力は伝達関数がS12−S21の応答になる。
【0040】
従って、この伝達関数がS12−S21の系を未知系としてフィルタの係数がS1−S2の差分全系フィルタ120に、係数を可変とする推定騒音伝達系フィルタ130を縦続接続して減算器131の出力が最小になるように該推定騒音伝達系フィルタ130の係数を係数更新回路240において更新すれば、その係数は騒音伝達系200のインパルス応答に収束する。
【0041】
なお、上記の第一及び第二騒音制御フィルタそれぞれの第一及び第二係数は、起動時のみ、予め記憶した係数を読み出して用いることができ、該起動後は、該第一及び第二係数の一方を最新の係数更新で得られた係数と置き換えてもよく、さらには、該第一及び第二係数として最新の係数更新で得られた係数と該最新の係数更新で得られた係数を与えてもよい。
【0042】
また、該全系フィルタの出力が閾値以下となったときには、その係数更新を停止することが好ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明に係る能動騒音制御装置の実施例を示したもので、この実施例では、騒音伝達系としてのダクト200と、ダクト200を流れる騒音を検出するための騒音検出用マイクロホン201と、ダクト200の出口端に設けられた誤差検出用マイクロホン202と、このマイクロホン202に対向してダクト200内に擬似騒音を出力するスピーカ203と、マイクロホン201で検出された騒音信号及びマイクロホン202で検出された誤差信号とに基づいてスピーカ203に与える擬似騒音を生成するコンピュータ300とで構成されている。
【0044】
図5には、上記のコンピュータ300における図1に原理的に示した本発明に係る能動騒音制御装置の有効性を確認するためのシミュレーション工程をフローチャートで示したものであり、以下、このフローチャート並びに図1〜図3の構成を参照して図4に示した本発明の実施例の動作を説明する。
【0045】
まず、図6は本発明に係る能動騒音制御装置の有効性を確認するシミュレーションの結果を係数更新回数と推定誤差との関係で示したグラフである。
ここで、騒音制御フィルタに与える第一と第二係数A1とA2として、ダクト200のインパルス応答Dに、その平均振幅がインパルス応答Dの例えば1/10となる白色雑音の2I個の標本値から成る
1=[w1(1) w1(2) ・・・w1(I)] ・・・式(15)
2=[w2(1)w2(2)・・・w2(I)] ・・・式(16)
を加えた
1=[D(1)+w1(1)D(2)+w1(2) ・・・D(I)+w1(I)]・・・式(17)
2=[D(1)+w2(1)D(2)+w2(2)・・・D(I)+w2(I)]・・・式(18)
を考える。
【0046】
そして、騒音Gjとダクト200の外から侵入する外乱とのパワー比を40dB、全系フィルタ260の係数更新アルゴリズムを学習同定法としてステップゲインを0.01、各全系フィルタ260の係数更新回数を2500で打切る構成としている。また、誤差経路250とダクト200のインパルス応答Dの長さを128と置いている。
【0047】
図6のシミュレーション結果から、この実施例によればダクト200のインパルス応答Dが推定騒音伝達系フィルタ130の係数として算定されることが確認できる。
【0048】
一方、本能動騒音制御装置の初期起動時においては騒音制御フィルタ220の係数はまだ推定されていない。従って、任意に設定可能である。その最も簡単な設定法は騒音制御フィルタ220の内の第一騒音制御フィルタ144の係数としてA1=0を与え(図5のステップT1)、この係数A1により図3の構成から第一全系フィルタ141の係数S1が推定される(同ステップT2)。
【0049】
また、第二騒音制御フィルタ142の係数として、その適当な一つのタップについてだけ定数aを与える。
すなわち、例えば
2=[a 0 ・・・ 0] ・・・式(19)
とする(同ステップT3)。この係数A2によっても、図3の構成から第二全系フィルタ142の係数S2が推定される(同ステップT4)。
【0050】
この結果、上記の式(9)が単に
D=S1a/(S1−S2) ・・・式(20)
となるだけなので、図1に示す本発明の原理にA1=0及び式(19)の現在(最新)の係数A2を適用して同様に計算すれば推定騒音伝達系フィルタ130の係数はダクト200のインパルス応答Dを与えることになる(同ステップT5)。
【0051】
図7は、上記のような係数設定によってダクト200のインパルス応答が推定騒音伝達系フィルタ130の係数として算定されることを確認するシミュレーションの結果を図6と同様に係数更新回数と推定誤差との関係で示したグラフである。但し、この場合には、図6に与えた条件と比べて、全系フィルタ260の係数更新を行う学習同定法のステップゲインを0.1に変更している点が異なっている。
【0052】
また、式(19)の係数A2の第一要素としてa=1を設定した。このように騒音制御フィルタ220の係数として任意の係数が設定可能ということは、予め推定して騒音が低減された騒音制御フィルタ220を構成する第一及び第二騒音制御フィルタ144及び142の係数A1及びA2をコンピュータ300内のメモリ(図示せず)に記憶しておき、それを起動時に読み出して本実施例に適用し、ダクト200のインパルス応答を算定する構成とすれば能動騒音制御装置の起動当初から騒音が小さく抑えられる。
【0053】
次に、騒音制御フィルタ220の係数A1及びA2を上記のようにして算定し、騒音制御を起動した後の更新法について説明する。
まず、本発明の原理に従って算定された騒音制御フィルタ220の係数推定誤差は、全系フィルタ260を構成する第一及び第二全系フィルタ141及び143の係数S1及びS2が収束した後の推定誤差に対応し、この推定誤差は次式で示すように白色雑音w1に近似されることが知られている。
1=[D(1)+w1(1)D(2)+w1(2)・・・D(I)+w1(I)] ・・・式(21)
【0054】
そこで、この騒音制御フィルタ220の現係数A1に白色雑音発生回路110から得られるI個の標本値
w=[w(1) w(2)・・・w(I)] ・・・式(22)
を加えて次式とする。
2=[A1(1)+w(1) A1(2)+w(2)・・・A1(I)+w(I)]・・・式(23)
【0055】
この式に上記の式(21)を代入すると次式が得られる。
2=[D(1)+w1(1) +w(1) D(2)+w1(2)+w(2)
・・・D(I)+w1(I)+w(I)] ・・・式(24)
明らかに、この係数A2は、
2=[w1(1)+w(1) w1(2)+w(2) w1(I)+w(I)]・・・式(25)
と置いた場合に相当する。この時も図1の回路によって騒音制御フィルタ220の係数が算定される。
【0056】
この場合、本発明の原理に従って算定された騒音制御フィルタ220の係数推定誤差は全系フィルタ260の係数が収束した後の推定誤差に対応し、それは上述の如く白色雑音に近似されるのであるから、現係数A1に白色雑音の発生回路から得られるI個の標本値を加える操作は消音量を減少させることに等しい。
ここが、異質な騒音がダクト200から送出される従来の白色雑音を重畳する能動騒音制御装置と違うところである。異質の騒音は小さくても検知されやすい。
【0057】
それでも、消音量を減少させる操作は好ましくなく、その減少量は当然ながら少ないことが望ましい。また、現実には各音響系の特性は絶えず変化すると想像される。従って、騒音制御フィルタ220の係数は繰り返し更新する必要がある。このとき、前回の更新で得た係数と今回の係数更新の結果として得た係数の二つがある。そして、その二つの係数にはそれぞれ推定誤差が含まれている。そして、その推定誤差は現在の正しいダクト200のインパルス応答に対して次の誤差を持った係数と見做される。
【0058】
すなわち、
1=[D(1)+w1(1) D(2)+w1(2)・・・D(I)+w1(I)] ・・・式(26)
2=[D(1)+w2(1)D(2)+w2(2)・・・D(I)+w2(I)] ・・・式(27)
として得られている。
【0059】
これを用いれば本発明の原理に従って推定騒音伝達系フィルタ130の係数が得られることになる。
【0060】
図8は、起動時にA1=0及び式(19)に与える係数A2の第一要素をa=1と置いて算定した騒音制御フィルタの係数を再び用い、A1=A2、すなわちA1に前回のA2を用いるとともに、A2を現在(今回)算定した係数と置き換える。そして、このような操作を繰り返したときの推定騒音伝達系フィルタ130の係数が収束特性となる。これは全系フィルタの係数S1,S2についても同様に行われる(同ステップT6)。
【0061】
この後、求めたインパルス応答Dを最新の係数A2とし(同ステップT7)、係数S2を求め、更にインパルス応答Dを推定するという上記のステップT4〜T7を繰り返す。
【0062】
この図8より、2回目以降、騒音制御フィルタ220の係数推定誤差の収束値が大きくなっていることを除いて、本発明の原理に従って正しくダクト200のインパルス応答が推定されていることが分かる。
【0063】
また、式(5)によれば係数が収束した全系フィルタ260の出力は騒音制御フィルタ220で合成された擬似騒音によって相殺されずに残された騒音に近似される。すなわち、騒音制御フィルタ220の出力と全系フィルタ260の出力との比は本装置によって実現された騒音の相殺量に対応する。
【0064】
一方、実際に能動騒音制御装置を製作するときに廉価となる固定小数点演算を採用した場合にはダイナミックレンジの制約から実現できる騒音の相殺量には限界がある。
そこで、実現したい相殺量を予め定め、上記の比がこの相殺量を実現しているときは騒音制御フィルタ220の係数を更新する操作を停止し、その相殺量が閾値以下になったときだけ係数を更新するのが現実的な対応となる。
【0065】
もちろん、該全系フィルタ260の出力は消し残された騒音の大きさを与えるものであるから、上記の比ではなく、この全系フィルタ260の出力だけを参照することによっても該係数更新の停止/再開を制御することができることになる。
【0066】
【発明の効果】
以上、本発明に係る能動騒音制御装置によれば、動騒音制御中に白色雑音をスピーカから送出することなく、しかも誤差経路フィルタの係数を算定することなく騒音制御フィルタの係数を更新できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動騒音制御装置の原理構成を示したブロック図である。
【図2】一般的な能動騒音制御装置の等価的構造を示したブロック図である。
【図3】一般的な能動騒音制御装置において能動騒音制御中に誤差経路フィルタ係数を算定する白色雑音発生回路を使用しない従来例を示したブロック図である。
【図4】本発明に係る能動騒音制御装置の一実施例を示したブロック図である。
【図5】本発明に係る能動騒音制御装置の一実施例の動作手順を示したフローチャート図である。
【図6】本発明に係る能動騒音制御装置における騒音制御フィルタ係数の収束特性を示したグラフ図である。
【図7】本発明に係る能動騒音制御装置における騒音制御フィルタ係数の起動時の係数推定グラフ図である。
【図8】本発明に係る能動騒音制御装置における騒音制御フィルタ係数の係数算定の繰り返し動作を説明するためのグラフ図である。
【図9】一般的な能動騒音制御装置の構成を示したブロック図である。
【図10】 図9の能動騒音制御装置において誤差経路フィルタ係数の算定回路を示したブロック図である。
【図11】図9の能動騒音制御装置において能動騒音制御中に誤差経路フィルタ係数を算定する従来例を示したブロック図である。
【符号の説明】
110 白色雑音発生回路
120 差分全系フィルタ
130 推定誤差経路フィルタ
41 第一全系フィルタ
143 第二全系フィルタ
142 第二騒音制御フィルタ
14 第一騒音制御フィルタ
200 ダクト(音響信号伝達系)
201 騒音検出用マイクロホン
202 誤差検出用マイクロホン
203 スピーカ
204,231,261 減算器
210 帰還制御フィルタ
220 騒音制御フィルタ
230 誤差経路フィルタ
240 係数更新回路
250 誤差経路
260 全系フィルタ
300 コンピュータ
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

  1. 抑制したい騒音とは同振幅・逆位相の関係となる擬似騒音を合成する騒音制御フィルタの係数を更新する能動騒音制御装置において、
    該騒音制御フィルタが、任意の第一及び第二係数それぞれが設定された第一及び第二騒音制御フィルタを有し、
    該擬似騒音の合成に必要な騒音成分を採取する騒音検出用マイクロホンから誤差検出用マイクロホンに至る系全体の特性を同定する第一及び第二全系フィルタであって、該第一全系フィルタの出力と、該第一騒音制御フィルタを用いてスピーカから音として出力したときの該誤差検出用マイクロホンからの出力との差が最小となるように最適制御して得られた第一係数を有する第一全系フィルタ、及び該第二全系フィルタの出力と、該第二騒音制御フィルタを用いてスピーカから音として出力したときの該誤差検出用マイクロホンからの出力との差が最小となるように最適制御して得られた第二係数を有する第二全系フィルタと、
    該第一及び第二全系フィルタの応答の差分を出力する差分全系フィルタと、
    該差分全系フィルタに続された係数が可変の推定騒音伝達系フィルタと、
    を備え、該白色雑音を、該第一全系フィルタと、該第二全系フィルタと、該差分全系フィルタにそれぞれ並列的に入力し、該第一全系フィルタの出力が、該第二騒音制御フィルタに入力され、該第二全系フィルタの出力が、該第一騒音制御フィルタに入力され、該差分全系フィルタの出力が、該推定騒音伝達系フィルタに入力され、該推定騒音伝達系フィルタの出力と該第一及び第二騒音制御フィルタの差分出力との差が最小となるように該推定騒音伝達系フィルタの係数を更新し、その差が最小となった時点で得られた該推定騒音伝達系フィルタの係数を該騒音制御フィルタの係数として与えることを特徴とした能動騒音制御装置。
  2. 請求項1において、
    該第一及び第二騒音制御フィルタそれぞれの第一及び第二係数が、起動時のみ、予め記憶した係数を読み出して用いることを特徴とした能動騒音制御装置。
  3. 請求項2において、
    該起動後は、該第一及び第二騒音制御フィルタそれぞれの第一及び第二係数の一方を最新の係数更新で得られた係数と置き換えることを特徴とした能動騒音制御装置。
  4. 請求項2において、
    該起動後は、該第一及び第二騒音制御フィルタそれぞれの第一及び第二係数として最新の係数更新より前の係数更新で得られた係数と該最新の係数更新で得られた係数を与えることを特徴とする能動騒音制御装置。
  5. 請求項1において、
    該全系フィルタの出力が閾値以下となったときには、その係数更新を停止することを特徴とした能動騒音制御装置。
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