JPH1185166A - 能動騒音制御装置 - Google Patents

能動騒音制御装置

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JPH1185166A
JPH1185166A JP9239777A JP23977797A JPH1185166A JP H1185166 A JPH1185166 A JP H1185166A JP 9239777 A JP9239777 A JP 9239777A JP 23977797 A JP23977797 A JP 23977797A JP H1185166 A JPH1185166 A JP H1185166A
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filter
coefficient
noise
noise control
error
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JP9239777A
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Kensaku Fujii
健作 藤井
Toshiro Oga
寿郎 大賀
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変化した誤差経路のインパルス応答に合わせて
誤差経路フィルタの係数を騒音制御動作中に修正できる
機能を有する能動騒音制御装置に関し、新たな騒音を出
力せず誤差が累積しないようにする。 【解決手段】騒音検出用マイクロホンから誤差検出用マ
イクロホンに至る系全体の特性を模擬する全系フィルタ
を設けるとともに、騒音制御フィルタの係数更新を間隔
を置いて停止して固定された第1及び第2の係数につい
て得られた該全系フィルタが与える二つの伝達関数の差
に相当する特性を提供する差分全系フィルタ(140)と、
該第1及び第2の係数に対応する伝達関数の差を特性と
して有する差分騒音制御フィルタ(120)と、該差分騒音
制御フィルタに縦続接続された適応フィルタ(130)とを
設け、該全系フィルタと該差分騒音制御フィルタに白色
雑音を印加したとき、該差分全系フィルタの出力と該適
応フィルタの出力の差が最小となるように該適応フィル
タの係数を更新し、その差が最小となった時点で得られ
た該適応フィルタの係数から該誤差経路フィルタの係数
を算定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は能動騒音制御装置に
関し、特に、小さく抑えたい騒音とは同振幅・逆位相の
関係となるように合成した擬似騒音を音響的に重ね合わ
せることによって該騒音を相殺する能動騒音制御装置に
関するものである。
【0001】図3は、かかる能動騒音制御装置の従来例
を示している。この例において、ダクト200中を右側の
出口に向かって流れる騒音は騒音検出用マイクロホン20
1で信号xjとして採取された後、誤差検出用マイクロホ
ン202に至るまでに誤差騒音g jに変化するものと予測さ
れる。
【0002】その間に、騒音制御フィルタ220はその採
取された騒音xjと係数更新回路240からの係数Hjとを
使って擬似騒音Gjを合成する。
【0003】係数更新回路240は、乗算器205で“-1"が
乗算されたことにより位相反転されてスピーカ203から
送出される擬似騒音−Gjと騒音gjとの和として誤差検
出用マイクロホン202から出力される信号Ejが最小とな
るように騒音制御フィルタ220の係数を算定する。
【0004】スピーカ203から出力された疑似騒音−Gj
はダクト200を経て騒音検出用マイクロホン201に帰還す
る。このとき、スピーカ203から騒音検出用マイクロホ
ン201に至るダクト200の帰還路を遮断してハウリングの
発生を防止するために帰還制御フィルタ210が挿入され
ている。
【0005】また、誤差経路フィルタ230は、乗算器205
の出力端子からスピーカ203及び誤差検出用マイクロホ
ン202を経て係数更新回路240に至る誤差経路の特性を模
擬するフィルタで、騒音制御フィルタ220の係数更新に
使用されている。
【0006】その際、誤差経路フィルタ230は正しく該
誤差経路を模擬していることが必要である。その誤差が
何らかの事情で大きくなるときには騒音制御フィルタ22
0係数の更新は困難となり、その係数の更新を続けた場
合に騒音制御動作が不安定となることがある。その安定
な動作を保証する誤差経路フィルタ230の係数に生じる
誤差の上限は経験的に10dBとされている。
【0007】一般に、この図3の誤差経路フィルタ230
の係数は固定されているが、その算定は、図3の能動騒
音制御を開始する前に、図4に示すように白色雑音発生
回路250で発生された白色雑音をスピーカ203と誤差経路
フィルタ230とに与え、誤差検出用マイクロホン202の出
力と誤差経路フィルタ230の出力を減算器251に与え、そ
の差分出力を係数更新回路240に与える構成により行わ
れる。
【0008】しかしながら、このようにして算定された
誤差経路フィルタ230の係数は以後、図3に示す如く能
動騒音制御時には固定されてしまうことは問題である。
当然ながら、その算定以後においてダクト200内の特性
が変化することが十分に想定されるからである。
【0009】実際、その算定結果を用いて騒音制御フィ
ルタ220の係数を更新して誤差検出用マイクロホン202の
位置で騒音を減少させたときには騒音の反射位置がダク
ト200の出口端から誤差検出用マイクロホン202の位置に
移動してダクト200内の音響特性が変化し、誤差経路フ
ィルタ230が上記の誤差経路を正しく模擬しなくなるこ
とが知られている。
【0010】この精度の落ちた模擬動作は騒音制御フィ
ルタ220係数の精度の維持に悪影響を及ぼし、十分な騒
音低減量が得られないばかりか、騒音制御動作もまた不
安定となる場合がある。このダクト内の音響特性が騒音
制御フィルタ220係数の推定誤差の減少とともに変化す
るという事実は、誤差経路フィルタ230の係数修正を能
動騒音制御を動作させたまま繰り返して行う必要がある
ことを示している。
【0011】
【従来の技術】能動騒音制御中に誤差経路フィルタ230
の係数を推定する方法としては図5に示す回路構成を用
いる方法が知られている。
【0012】すなわち、白色雑音発生回路250で発生さ
せた白色雑音を加算器252で乗算器205からの擬似騒音−
jに加えてスピーカ203から出力させ、図3の例とは異
なり騒音制御フィルタ220の係数更新を行わない(固定
する)ことにより使用可能となった係数更新回路240を
流用して減算器251の出力が最小になるように誤差経路
フィルタ230の係数を更新するものである。
【0013】この構成において、誤差経路フィルタ230
の係数は、その減算器251の出力が最小になった時点で
騒音制御によって特性が変わった誤差経路のインパルス
応答を与えるので、この時の係数を図3の回路を用いれ
ばよい。
【0014】しかしながら、このような回路構成では能
動騒音制御中にスピーカ203から余分な白色雑音が送出
されてしまうという問題がある。
【0015】一方、その誤差経路のインパルス応答の推
定に白色雑音発生回路250による白色雑音を用いない方
法も本発明者らによって提案されている。
【0016】ここで、その原理の説明を簡単にするため
に図3の能動騒音制御装置を図6に示す機能ブロック図
で表す。但し、図6において騒音の擬似騒音による減算
はダクト200内空間で行われるので、この図に示す減算
器206は現実の回路としては構成されない。また、帰還
制御フィルタ210はここでは原理に関係しないので省略
している。
【0017】図6の構成をこの従来例に適用したものが
図7に示されており、騒音検出用マイクロホン201から
誤差検出用マイクロホン202に至る制御系全体の特性を
模擬する全系フィルタ260を追加した点に特徴がある。
【0018】この全系フィルタ260の係数の算定は、騒
音制御フィルタ220の係数更新を一時停止させ、その停
止によって不要となった係数更新回路240を流用して行
う。ここで、図7に示す各回路の伝達関数をそれぞれ、 D:音響信号伝達系200の伝達関数、 A:騒音制御フィルタ220の伝達関数、 S:全系フィルタ260の伝達関数、 C:誤差経路の伝達関数、 と表せば、減算器261の出力が最小となった時点で次式
の関係が成り立つ。 S≒(D−A)C ・・・式 (1)
【0019】当然ながら、騒音制御フィルタ220の係数
は任意に設定できるので、その係数に騒音低減量が大き
く劣下しない程度に変更を加えて伝達関数がA1とA2
なるように係数を設定し、その両係数に対して減算器26
1の出力が最小となるように全系フィルタ260の係数を更
新する。
【0020】全系フィルタ260の伝達関数S1とS2は、
その係数更新によって減算器(261)の出力が最小となっ
た時点で次式の関係を満たす。 S1≒(D−A1)C ・・・式 (2) S2≒(D−A2)C ・・・式 (3)
【0021】明らかに、上記の両伝達関数S1とS2の差
をとれば音響信号伝達系200の伝達関数Dは消去されて
求める誤差経路の伝達関数は次式で与えられる。 C≒(S1−S2)/(A2−A1) ・・・式 (4)
【0022】ここで、上記の式(4) を具体的に計算する
方法としてさらに2つの方法を提案している。第1の方
法は、分母(A2−A1)が定数となるように騒音制御フ
ィルタ220の係数を設定する方法である。
【0023】すなわち、全フィルタを非巡回型フィルタ
で構成することとし、固定した騒音制御フィルタ220 の
第一の係数に対して第一タップについてだけ微少な変位
δを与えた第二の係数の2組みについて全系フィルタ26
0の係数をそれぞれ算定すれば、求める誤差経路フィル
タはその2組の全系フィルタ260の係数の差に定数1/
δを乗じることだけで得られる。
【0024】第2の方法においては、式(2) ,(3) の差
から得られた次式の伝達関数 C(A2−A1)≒(S1−S2) ・・・式 (5) に対して全フィルタを非巡回型フィルタとして構成する
こととし、伝達関数(A 2 −A1 )は伝達関数A1とA2
とを与える次式の騒音制御フィルタ220の係数 a1=〔a1(1)a1(2)・・・a1(I)〕 ・・・式 (6) a2=〔a2(1)a2(2)・・・a2(I)〕 ・・・式 (7) を用いて(a2−a1)に対応させる。
【0025】また、伝達関数(S1−S2)は次式の全系
フィルタ260の係数 s1=〔s1(1)s1(2)・・・s1(L)〕 ・・・式 (8) s2=〔s2(1)s2(2)・・・s2(L)〕 ・・・式 (9) を用いて(S2−S1)に対応させる。
【0026】そして伝達関数Cは次式 c=〔c(1)c(2)・・・c(M)〕 ・・・式 (10) に対応させられることを利用している。ここで、IとL
は騒音制御フィルタ220と全系フィルタ260のタップ数で
あり、Mは誤差経路のインパルス応答長とし、L=IM
の関係にある。
【0027】このとき、次の連立方程式が成り立つ。 s1(1)−s2(1)=c(1){a2(1)−a1(1)} s1(2)−s2(2)=c(1){a2(2)−a1(2)}+c(2){a2(1)−a1(1)} s1(3)−s2(3)=c(1){a2(3)−a1(3)}+c(2){a2(2)−a1(2)} +c(3){a2(1)−a1(1)} …………………………………………………………………………… s1(M)−s2(M)=c(1){a2(M)−a1(M)}+… …+c(M){a2(1)−a1(1)} ・・・式(11)
【0028】従って、これを解けば未知数である誤差経
路のインパルス応答はこの解として得られることにな
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した従来例において上記の式(4) の分母を定数とした
第1の方法では、騒音制御フィルタ220の係数の一つに
余分な定数を加えて非巡回型フィルタである全系フィル
タ260の係数を算定しているので、その定数の加算は能
動騒音制御装置から新たな騒音を出力することと等価に
なってしまう。
【0030】また、連立方程式を解く第2の方法では騒
音制御フィルタ220の係数更新によって変動する係数を
使用するため、能動騒音制御装置からの新たな騒音の送
出はないが、連立方程式を順に解いて係数c(1)からc
(M)を抽出する過程で誤差が累積されてしまい、誤差経
路のインパルス応答が長いシステムにおいては解が発散
する場合がある。全系フィルタ260の係数が誤差なしで
得ることは現実にはありえないことから、この誤差の累
積は不可避である。
【0031】従って本発明は、変化した誤差経路のイン
パルス応答に合わせて誤差経路フィルタの係数を騒音制
御動作中に修正できる機能を有する能動騒音制御装置に
おいて、新たな騒音を出力せず誤差が累積しないように
することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】図1は上記の目的を達成
する本発明に係る能動騒音制御装置において、誤差経路
のインパルス応答を能動騒音制御中にフィルタの係数と
して算定する原理構成を示したものである。
【0033】同図に示す差分全系フィルタ140は、図7
の構成において係数更新を停止して固定した騒音制御フ
ィルタ220の第1の係数について得られた全系フィルタ2
60の第1の伝達関数と、再度係数更新処理を行って固定
された騒音制御フィルタ220の第2の係数について得ら
れた全系フィルタ260の第2の伝達関数との差に対応す
る係数をもつフィルタであり、その入力は白色雑音発生
回路110からの白色雑音であり、その出力は減算器131に
与えられる。
【0034】差分騒音制御フィルタ120は騒音制御フィ
ルタ220の該第2の係数が与える伝達関数と該第1の係
数が与える伝達関数との差を係数としてもつフィルタで
ある。適応フィルタ(推定誤差経路フィルタ)130は差
分騒音制御フィルタ120を経由して与えられる白色雑音
発生回路110の出力を参照信号として用い、例えば図7
の能動騒音制御装置から流用した係数更新回路240によ
って減算器131の出力を最小にするように更新して該差
分全系フィルタ140に含まれる誤差経路の伝達関数分を
取り出すフィルタである。
【0035】このような構成の動作においては、まず図
7の構成において、ある間隔をおいて係数更新を停止
し、その固定された二つの係数に関して騒音制御フィル
タ220が与える伝達関数をA1,A2とし、その二つに対
応する全系フィルタ260が与える伝達関数をS1,S2
すると、誤差経路の伝達関数Cとの間に上記の式(5)の
関係が成り立つ。
【0036】本発明では、図1に原理的に示すように、
その右辺の伝達関数(S1−S2)を構成する差分全系フ
ィルタ140を未知系としたシステム同定によって誤差経
路の特性を模擬する誤差経路フィルタの係数を確定す
る。
【0037】すなわち、その未知系としての差分全系フ
ィルタ140と並列に、誤差経路の特性を模擬する適応フ
ィルタ130と既知の伝達関数(A2−A1)を持つ差分騒音
制御フィルタ120との縦続接続回路を接続し、その縦続
接続回路の出力と該差分全系フィルタ140の出力との差
を与える減算器131の出力が最小となるように適応フィ
ルタ130の係数を係数更新回路240により修正するとき、
その出力が最小となった時点で適応フィルタ130が誤差
経路の特性を模擬するフィルタとなる。
【0038】
【発明の実施の形態】実際の能動騒音制御装置において
は、誤差検出用マイクロホン202は騒音gjや擬似騒音G
j以外の外乱雑音を拾うことは十分に予想される。この
外乱雑音は当然ながら全系フィルタ260の伝達関数の算
定精度を低下させ、その影響は、伝達関数A1やA2を構
成する騒音制御フィルタ220と音響信号伝達系200の特性
間の誤差が小さいほど大きくなる。このことは騒音低減
量の増大とともに誤差経路の特性の正しい算定が困難に
なって行くことを意味する。
【0039】これを逆に考えれば、騒音低減量の増大は
誤差経路フィルタ230の誤差経路に対する模擬が正しく
行われていることでもある。この外乱雑音の影響が大き
くなるにつれて誤差経路フィルタ230の係数の更新は不
要となって行くことを意味する。
【0040】この係数更新が不要となって行く効果は、
図3における誤差経路フィルタ230の係数の算定を現在
の係数に対する誤差分の修正で行う構成とすることで、
その係数更新に反映させることができる。騒音低減量の
増大とともに誤差経路フィルタ230の係数の修正量が小
さくなるような構造とすれば、外乱雑音の影響は抑えら
れる。
【0041】その修正構造は図2に示される騒音制御フ
ィルタ220の出力から誤差検出用マイクロホン202の出力
までの間に、既に算定している誤差経路の特性伝達関数
Cを模擬する係数を与えた誤差経路フィルタ230を挿入
することで実現される。ここで、その誤差経路フィルタ
230の伝達関数をC’とすると、騒音制御フィルタ220の
2組の係数が構成する伝達関数A1,A2に対応して得ら
れる全系フィルタ260の伝達関数S1,S2は次式のよう
になる。 S1≒(D−A1)+A1C’ ・・・式 (12) S2≒(D−A2)+A2C’ ・・・式 (13)
【0042】両者の差をとると次式が得られる。 S1−S2≒(A2−A1)C+(A1−A2)C’ =(A2−A1)(C−C’) ・・・式 (14)
【0043】この右辺(C−C’)は明らかに、誤差経
路の現時点で得られている特性と真の特性との差を与え
ている。誤差経路フィルタ230の誤差経路に対する精度
は、この差を用いて誤差経路フィルタ230の係数を修正
することで向上する。
【0044】また、実際の能動騒音制御装置において
は、各フィルタは安定した非巡回型フィルタで構成する
ことができる。この場合、全系フィルタ260の係数は例
えば学習同定法によって騒音制御フィルタ220の第1及
び第2の係数設定に対応する係数として式(8),(9)で与
える係数s1,s2として得られる。
【0045】従って、差分全系フィルタ140はこの両係
数の差(s1−s2)をタップ数がLの非巡回型フィルタ
の係数として与えることによって構成できる。
【0046】同様に、差分騒音制御フィルタ120もま
た、騒音制御フィルタ220の第1及び第2の係数との差
(a2−a1)をタップ数がIの非巡回型フィルタの係数
として与えることによって構成できる。
【0047】一方、差分全系フィルタ140、は上記の如
く、係数(a2−a1)を有する非巡回型フィルタと誤差
経路との縦続接続回路に等しいので、該差分騒音制御フ
ィルタ120とタップ数がMの適応フィルタ130とを縦続接
続し、その縦続接続回路と該差分全系フィルタ140に白
色雑音を加えてその両フィルタ出力の差(減算器131の
出力)が最小となるように適応フィルタ130の係数を例
えば学習同定法を用いて更新する。
【0048】その差が最小となったときに、適応フィル
タ130の係数は求める誤差経路のインパルス応答を与え
ることになる。
【0049】図2の構成例を用いる場合は、得られた適
応フィルタ130の係数は誤差経路フィルタ230の係数と誤
差経路のインパルス応答との差を与えるので、その適応
フィルタ130の係数を誤差経路フィルタ230の係数に加え
る構造とすれば、誤差経路フィルタ230の誤差経路に対
する模擬の程度はその加算とともに向上することにな
る。
【0050】なお、上記の説明において、係数更新回路
は各フィルタに固有のものを用いてもよく、不使用状態
にある余ったものを流用してもよい。
【0051】
【発明の効果】以上、本発明に係る能動騒音制御装置に
よれば、騒音検出用マイクロホンから誤差検出用マイク
ロホンに至る系全体の特性を模擬する全系フィルタを設
けるとともに、騒音制御フィルタの係数更新を間隔を置
いて停止して固定された第1及び第2の係数について得
られた該全系フィルタが与える二つの伝達関数の差に相
当する特性を提供する差分全系フィルタと、該第1及び
第2の係数に対応する伝達関数の差を特性として有する
差分騒音制御フィルタと、該差分騒音制御フィルタに縦
続接続された適応フィルタとを設け、該全系フィルタと
該差分騒音制御フィルタに白色雑音を印加したとき、該
差分全系フィルタの出力と該適応フィルタの出力の差が
最小となるように該適応フィルタの係数を更新し、その
差が最小となった時点で得られた該適応フィルタの係数
から該誤差経路フィルタの係数を算定するように構成し
たので、能動騒音制御中に白色雑音をスピーカから送出
することなくしかも誤差が累積せずに誤差経路フィルタ
の係数を修正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動騒音制御装置の原理構成を示
したブロック図である。
【図2】本発明に係る能動騒音制御装置において誤差経
路フィルタの係数を現時点の誤差で修正するために必要
な実施例を示したブロック図である。
【図3】一般的な能動騒音制御装置の構成を示したブロ
ック図である。
【図4】図3の能動騒音制御装置において誤差経路フィ
ルタ係数の算定回路を示したブロック図である。
【図5】図3の能動騒音制御装置において能動騒音制御
中に誤差経路フィルタ係数を算定する従来例を示したブ
ロック図である。
【図6】図3の能動騒音制御装置の等価的構造を示した
ブロック図である。
【図7】図3の能動騒音制御装置において能動騒音制御
中に誤差経路フィルタ係数を算定する白色雑音発生回路
を使用しない従来例を示したブロック図である。
【符号の説明】
110 白色雑音発生回路 120 差分騒音制御フィルタ 130 適応フィルタ(推定誤差経路フィルタ) 140 差分全系フィルタ 200 ダクト(音響信号伝達系) 201 騒音検出用マイクロホン 202 誤差検出用マイクロホン 203 スピーカ 204,231,261 減算器 210 帰還制御フィルタ 220 騒音制御フィルタ 230 誤差経路フィルタ 240 係数更新回路 250 誤差経路 260 全系フィルタ 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抑制したい騒音とは同振幅・逆位相の関係
    となる擬似騒音を送出するスピーカから、その抑制の度
    合いを監視する誤差検出用マイクロホンに至る誤差経路
    の特性を模擬する誤差経路フィルタを用いて該擬似騒音
    を合成する騒音制御フィルタの係数を更新する能動騒音
    制御装置において、 該擬似騒音の合成に必要な騒音成分を採取する騒音検出
    用マイクロホンから該誤差検出用マイクロホンに至る系
    全体の特性を模擬する全系フィルタと、 騒音制御フィルタの係数更新を間隔を置いて停止して固
    定された第1及び第2の係数について得られた該全系フ
    ィルタが与える二つの伝達関数の差に相当する特性を提
    供する差分全系フィルタと、 該騒音制御フィルタの該第1及び第2の係数に対応する
    伝達関数の差を特性として有する差分騒音制御フィルタ
    と、 該差分騒音制御フィルタに縦続接続された係数が可変の
    適応フィルタと、 該全系フィルタと該差分騒音制御フィルタに白色雑音を
    印加する白色雑音発生回路とを備え、 該差分全系フィルタの出力と該適応フィルタの出力の差
    が最小となるように該適応フィルタの係数を更新し、そ
    の差が最小となった時点で得られた該適応フィルタの係
    数から該誤差経路フィルタの係数を算定することを特徴
    とした能動騒音制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 該全系フィルタの係数算定を、該誤差経路と並列に該誤
    差経路フィルタを接続して行い、該適応フィルタは該誤
    差経路と該誤差経路フィルタの両特性間の誤差を用いて
    該誤差経路フィルタの現在の係数を修正することを特徴
    とした能動騒音制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 各フィルタを非巡回型フィルタで構成し、該全系フィル
    タには該騒音制御フィルタに与えた該第1及び第2の係
    数によりそれぞれ与えられる第1及び第2係数が与えら
    れ、該差分全系フィルタには該全系フィルタの該第1及
    び第2の係数が与えられ、該差分騒音制御フィルタには
    該騒音制御フィルタに与えた第1及び第2の係数の差が
    与えられ、該差分全系フィルタの出力と該適応フィルタ
    の出力の差が最小となるように算定した該適応フィルタ
    の係数を該誤差経路フィルタの係数として与えることを
    特徴とした能動騒音制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 該全系フィルタの係数算定を、該誤差経路と並列に該誤
    差経路フィルタを接続して行い、該適応フィルタの係数
    を該誤差経路フィルタの係数に加えることを特徴とした
    能動騒音制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102170520A (zh) * 2011-04-29 2011-08-31 杭州海康威视软件有限公司 级联滤波器及其标定去噪强度的动态设定方法

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