JP2000099026A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

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JP2000099026A
JP2000099026A JP10268157A JP26815798A JP2000099026A JP 2000099026 A JP2000099026 A JP 2000099026A JP 10268157 A JP10268157 A JP 10268157A JP 26815798 A JP26815798 A JP 26815798A JP 2000099026 A JP2000099026 A JP 2000099026A
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JP
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hammer
key
shank
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keyboard device
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JP10268157A
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English (en)
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Nobuo Sugiyama
伸郎 杉山
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Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 よりグランドピアノに近い鍵タッチ感および
演奏性能を得ることを可能とする。 【解決手段】 この鍵盤楽器は、鍵11と、鍵11が押
下されることにより回動して被打撃体を打撃するハンマ
43とを備えている。ハンマ43は、ハンマシャンク4
3aと、その先端に結合されるシャンク結合部材43b
と、シャンク結合部材43bにネジ止めにより結合され
る中間結合部材43cと、中間結合部材43cの先端に
取り付けられた重量部材43fとから構成されている。
この構成により、ハンマ43の重心位置がハンマシャン
ク43aよりも打撃時のハンマ43の回動方向と反対側
に位置することになり、ハンマ43のメカニズムがグラ
ンドピアノの近いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リアルな鍵タッ
チ感を得ることができるようにした電子ピアノなどのア
ップライトピアノ型の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような鍵盤楽器としては、鍵盤
と、鍵が押下されることにより回動して被打撃体を打撃
するハンマと、押下された鍵の動作をハンマに伝達する
アクションとを備えており、鍵の運動をセンサで検出
し、この検出結果に基づいて楽音を発生させるものが開
発されている。このような鍵盤楽器によれば、演奏者
は、アコーステックピアノと同等の鍵タッチ感を得なが
ら演奏をして、演奏をスピーカやヘッドホンによって聞
くことができる。
【0003】ところで、上述したような鍵盤楽器は、図
4に示すような内部構成となっている。同図に示すよう
に、この鍵盤楽器は、複数の鍵11からなる鍵盤12
と、鍵11が押下されることにより駆動されるアクショ
ン機構13と、このアクション機構13の動作により回
転させられるハンマアッセンブリ14と、ダンパー機構
15とから概略構成されている。また、この鍵盤楽器で
は、ハンマアッセンブリ14によって打撃されるのは、
弦を有していない被打撃部116とされている。
【0004】この鍵盤楽器のハンマアッセンブリ14
は、ハンマシャンク14aと、ハンマシャンク14aの
先端に取り付けられたハンマヘッド14bとを有してい
る。このようにハンマシャンク14aの先端部に、アッ
プライトピアノにおけるフェルトハンマーに相当するハ
ンマヘッド14bを設け、アップライトピアノに近い鍵
タッチ感を得ることを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示すよ
うな鍵盤楽器では、ハンマヘッド14bがハンマシャン
ク14aの延長上に配置されているため、鍵タッチ感は
軽くなりがちであり、また戻りが遅くなるため、連打時
のレスポンスが悪くなる。従って、グランドピアノのよ
うに優れた鍵タッチ感および演奏性能を得ることができ
ない。また、アップライトピアノと同様にハンマの重心
位置が打撃時のハンマの回動方向側になるようにハンマ
ヘッドを配置した場合、アップライトピアノに近い鍵タ
ッチ感を得ることができるが、鍵タッチ感はさらに軽く
なるとともに、ハンマの戻りもさらに遅くなる。
【0006】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、グランドピアノに近い鍵タッチ感および演奏性能を
得ることが可能な電子ピアノなどのアップライトピアノ
型の鍵盤装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の鍵盤装置は、鍵と、鍵が押下されることにより回動す
るハンマと、押下された鍵の動作を上記ハンマに伝達す
るアクション機構とを備えたアップライトピアノ型の鍵
盤装置において、前記ハンマは、ハンマシャンクと、前
記ハンマシャンクよりも前記ハンマの押鍵時の回動方向
と反対の方向側に配置される重量部材とを有しており、
前記ハンマの重心が前記ハンマシャンクよりも押鍵時の
前記ハンマの回動方向と反対の方向側に位置するように
したことを特徴としている。
【0008】この鍵盤装置、ハンマの重心位置がハンマ
シャンクよりも押鍵時のハンマの回動方向と反対の方向
側になるように重量部材が設けられているため、打撃後
にハンマが戻るときには、バネによる力だけでなく、ハ
ンマの重量により自然落下する力が加わることになる。
従って、グランドピアノにおけるハンマのメカニズムに
近くなり、グランドピアノに近い鍵タッチ感および演奏
性能を得ることができる。
【0009】また、請求項2に記載の鍵盤装置は、請求
項1に記載の鍵盤装置において、前記重量部材は、前記
ハンマシャンクに対して着脱可能に取り付けられている
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項3に記載の鍵盤装置は、請求
項1に記載の鍵盤装置において、前記重量部材が取り付
けられる部材であって、前記ハンマシャンクに結合さ
れ、前記ハンマの押鍵時の回動方向と反対方向側に前記
ハンマシャンクの軸方向とほぼ直交する方向に延びる結
合部材をさらに具備し、前記重量部材は、前記結合部材
の軸方向に沿って移動可能に取り付けられていることを
特徴としている。
【0011】また、請求項4に記載の鍵盤装置は、請求
項1ないし3のいずれかに記載の鍵盤装置において、前
記鍵が押下されたことを検出するセンサと、このセンサ
の検出結果に基づいて楽音信号を発生する楽音信号発生
手段とをさらに具備することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態であ
る鍵盤楽器について図1および図2を参照しながら説明
する。これらの図に示す鍵盤楽器は、複数の鍵11等か
らなる鍵盤12と、鍵11が押下されることにより駆動
されるアクション機構13と、このアクション機構13
の動作により回動させられるハンマアッセンブリ40
と、ダンパー機構15とから概略構成されており、これ
ら各部はアップライトピアノのものと同等の構成とされ
ている。また、この鍵盤楽器では、ハンマアッセンブリ
40によって打撃されるのは、弦を有していない被打撃
部60とされている。以下、鍵盤楽器の各部の構成につ
いて説明する。
【0013】A.鍵盤の構成 図1において符号1は鍵盤楽器の下部フレームを構成す
る棚板である。棚板1の上面には、鍵盤楽器の全幅に亘
って延在する筬後2、筬中3および筬前4が図中左側か
らこの順番で取り付けられている。筬中3の上面には鍵
11を上下方向に貫通するバランスピン5が取り付けら
れており、これによって、鍵11は、筬中3の上面で上
下方向へ向けて回動自在に支持されている。また、筬後
2と筬前4の上面には、鍵11が当接するクッション材
6,7がそれぞれ取り付けられ、筬前4には、鍵11の
左右方向への回動を規制するオーバルピン8が取り付け
られている。そして、押鍵することにより鍵11の後端
部(図1において左端部)が上昇し、そこに取り付けた
キャプスタン9が以下に説明するアクション機構13を
押し上げるようになっている。
【0014】本実施形態では、鍵盤12の下側に押鍵を
検出する図示せぬセンサを配置し、各鍵11の運動を検
出している。センサに検出された信号は、図示は省略す
るが楽音波形発生回路(楽音信号発生手段)に出力さ
れ、楽音波形発生回路は、当該センサに割り当てられた
音色および音高を有する楽音波形をスピーカやヘッドホ
ンに出力するようになっている。この場合のセンサは、
鍵11によって打撃される圧電素子でもよく、フォトイ
ンタラプタ等の光センサを棚板1の上面に配置し、光セ
ンサの光軸を遮光するシャッタを鍵11の下面に取り付
けて構成してもよい。なお、光センサを用いる場合に
は、シャッタが光軸を遮光した後に受光状態にするまで
の時間から押鍵速度を計測し、発生する楽音の音量を計
測した押鍵速度に対応させるようにしてもよい。
【0015】B.アクション機構の構成 図において符号16はセンターレールであり、センター
レール16はこの鍵盤楽器の全幅に亘って延在してい
る。センターレール16の両端部および中間部の複数位
置にはアクションブラケット50が配置され、アクショ
ンブラケット50どうしの間で、各鍵11毎に設けられ
たアクション機構13がセンターレール16によって支
持されている。センターレール16の下端部には、各鍵
11について1個づつウイペンフレンジ22が取り付け
られている。ウイペンフレンジ22の下端部には、長手
方向を鍵盤楽器の前後方向へ向けたウイペン23の一端
部がピン22aによって回動自在に支持されている。ウ
イペン23は板状をなし、その他端部の下面にはウイペ
ンヒールクロス24が取り付けられている。ウイペンヒ
ールクロス24は、その下面がキャプスタン9に支持さ
れることにより、押鍵されない状態(以下、このときの
各部材の位置をレスト位置という)でウイペン23を略
水平に保っている。
【0016】また、ウイペン23には、上方へ向けて突
出するジャックフレンジ25が取り付けられ、ジャック
フレンジ25の上端部には、略L字状をなすジャック2
6がその屈曲部近傍においてピン26cによって回動自
在に支持されている。ジャック26は、斜め上方に向け
て延在するジャック大26aと、このジャック大26a
に対してほぼ直交するジャック小26bとから構成され
ている。そして、ウイペン23に取り付けたジャックス
プリング27によってジャック小26bが押し上げられ
ることにより、ジャック26は反時計方向に付勢されて
いる。また、センターレール16には、レギュレーティ
ングブラケット28を介して鍵盤楽器の全幅に亘って延
在するレギュレーティングレール32が取り付けられ、
このレギュレーティングレール32に貼り付けられたジ
ャックストップフェルト29によって、ジャック26の
回動範囲が規制されている。
【0017】また、鍵盤楽器の全幅に亘って延在するレ
ギュレーティングレール32には、スクリュウ33によ
り上下方向の位置が調整可能とされたレギュレーティン
グボタン34が取り付けられている。レギュレーティン
グボタン34の下端面には、ウイペン23が所定位置ま
で回動したときにジャック小26bの先端部が当接する
ようになっている。
【0018】C.ハンマアッセンブリの構成 次に、図中符号41はハンマアッセンブリ40の基部を
構成するバットである。バット41は、センターレール
16に取り付けたバットフレンジ42にセンターピン4
2aを介して回動自在に取り付けられている。バット4
1には、斜め上方へ向けて延在するハンマ43が取り付
けられている。
【0019】図2に示すように、ハンマ43はハンマシ
ャンク43aを有しており、ハンマシャンク43aの先
端にはシャンク結合部材43bが取り付けられている。
シャンク結合部材43bには、ハンマ43の打撃時、つ
まり押鍵時の回動方向と反対側(図における右側)、か
つハンマシャンク43aの軸方向と直交する方向に延び
る中間結合部材43cが取り付けられている。ここで、
シャンク結合部材43bには、ネジ穴43dが形成され
ており、また中間結合部材43cのシャンク結合部材4
3b側の端部にはネジ43eが形成されている。この構
成の下、ネジ穴43dにネジ43eが螺合されることに
より、シャンク結合部材43bと中間結合部材43cが
結合されるとともに、中間結合部材43cを図中矢印方
向に移動させることができるようになっている。また、
中間結合部材43cをシャンク結合部材43bから取り
外すことも可能となっている。
【0020】中間結合部材43cの他端側には、重量部
材43fが取り付けられており、これにより、ハンマ4
3の重心がハンマシャンク43aよりもハンマ43の打
撃時の回動方向と反対側に位置するようになっている。
重量部材43fの重量は、その大きさや使用材料を変え
ることにより、実際のアップライトピアノのフェルトハ
ンマと同様に、低音側から高音側へ移るに従って漸次軽
くなるように設定されている。ここで、重量部材43f
としては、木材、プラスチック、鉄およびこれらを複合
したものなど様々な材料を用いることが可能である。あ
るいは、重量部材43fの表面に機械加工を施すことに
よって、各重量部材43fの重量を変えることもでき
る。たとえば、重量部材43fの形状を変えて重量を変
えるようにすることもでき、あるいは、全周に溝を形成
して重量を変えることもできる。また、各重量部材43
f毎に重量を変えるのではなくて、例えば、鍵盤12の
低音域では重量の大きい重量部材を用い、高音域では重
量の小さい重量部材を用い、中音域でこれらの中間の重
量を有する重量部材を用いるといった3段階の重量設定
としてもよい。
【0021】図1に戻り、バット41には、ハンマシャ
ンク43aと略直交するキャッチャシャンク45が取り
付けられ、キャッチャシャンク45の先端部にはキャッ
チャ46が取り付けられている。また、バット41の左
上端部には、これを時計方向へ付勢するバットスプリン
グ47が取り付けられている。さらに、バット41の下
面には、バットアンダーフェルト41aとこれを覆うバ
ットアンダースキン41bとが取り付けられ、バットア
ンダースキン41bにはジャック大26aの上端面が当
接している。
【0022】次に、アクションブラケット50には、鍵
盤楽器の全幅にわたって延在するハンマレール36が取
り付けられ、ハンマレール36には、ハンマシャンク4
3aを受けて跳返りを防止するハンマパッド37が取り
付けられている。そして、レスト位置においてハンマア
ッセンブリ40は、バットスプリング47の付勢力によ
り、ハンマシャンク43aをハンマパッド37に当接さ
せた状態で保持されている。
【0023】また、ウイペン23の自由端には、レスト
位置へ回動復帰するハンマアッセンブリ40のキャッチ
ャ46を弾性的に受けとめるバックチェック38が取り
付けられている。さらに、バックチェック38の隣に
は、ブライドルワイヤ39aが取り付けられ、ブライド
ルワイヤ39aの上端部とキャッチャ46とはブライド
ルテープ39bで連結されている。ブライドルテープ3
9bは、ハンマアッセンブリ40の回動復帰をウイペン
23の回動復帰に追従させることにより、ハンマアッセ
ンブリ40の跳ね返りに起因する被打撃部60の二度打
ちを防止するためのものである。
【0024】D.ダンパー機構の構成 この鍵盤楽器では、弦がないためにダンパー機構は不要
であるが、鍵タッチ感をアップライトピアノと同等にす
るために、押鍵に連動するダンパー機構15を設けてい
る。図中符号51はダンパーレバーであり、ダンパーレ
バー51は、センターレール16に取り付けられたダン
パーフレンジ52によって回動自在に支持されている。
また、ダンパーレバー51は、ダンパーレバーフレンジ
52に取り付けたダンパーレバースプリング54によっ
て反時計方向へ付勢されている。また、ウイペン23の
端部には、上端部をダンパーレバー51の下端部に接触
させたダンパースプーン55が取り付けられており、押
鍵するとダンパースプーン55がダンパーレバー51を
ダンパーレバースプリング54の付勢力に抗して時計方
向に回動させるようになっている。
【0025】また、図中符号56はダンパーロッドであ
り、ラウドペダル(図示略)と連結されている。ダンパ
ーロッド56は、演奏者がラウドペダルを踏むことによ
り回動させられ、各鍵11毎に設けられたダンパーレバ
ー51を全て図中時計方向へ回動させる。そして、レバ
ー57を時計方向へ回動させた状態では、押鍵してもダ
ンパースプーン55はダンパーレバー51に達しないよ
うになっている。
【0026】E.被打撃部の構成 次に、被打撃部60の構成について説明する。図1に示
すように、アクションブラケット50には、鍵盤楽器の
全幅に亘って延在するブラケット61が取り付けられて
いる。ブラケット61は、例えば鋳鉄などの減衰性の高
い材料で構成してもよい。ブラケット61の一方の面に
は、ゴムやウレタンなどの合成樹脂で構成された減衰材
62が取り付けられ、減衰材62の表面には、ゴム、合
成樹脂、皮革、クロス、フェルトなどで構成された緩衝
材63が取り付けられている。
【0027】F.実施の形態の動作 次に、上記構成の鍵盤楽器の動作について説明する。ま
ず、押鍵が行われるとキャプスタン9がウイペン23を
突き上げ、これをピン22aを中心として反時計方向に
回動させる。これにより、ジャック大26aがバット4
1を突き上げてハンマアッセンブリ40を反時計回りに
回動させ、ハンマ43が被打撃部60を打撃する。その
際、押鍵された鍵11の運動をセンサが検出することに
より、その鍵11に対応する音色および音高、並びに打
撃強度に対応する音量を有する楽音がスピーカやヘッド
ホンから発せられる。
【0028】ここで、ジャック大26aがハンマアッセ
ンブリ40を回動させている間に、ジャック小26bが
レギュレーティングボタン34に当接する。これによ
り、ジャック26は、レギュレーティングボタン34と
の当接部を作用点としてピン26cを中心に時計方向へ
回動し、これにより、ジャック大26aの上端面がバッ
ト41の下面から図中右方向へ逃げ、バット41との非
当接位置に移動する。そして、ハンマ43が被打撃部6
0を打弦した後のハンマアッセンブリ40の回動復帰の
動作は、キャッチャー46がバックチェック38に当接
することにより一時的に停止する。そして、ジャック2
6は鍵11の復帰動作に伴うウイペン23の回動復帰に
連動し、ジャック大26aの上端部が再びバット41の
下部に入り込んで次の打撃動作を可能にする。
【0029】このように鍵11を押下すると、ジャック
26がバット41から抜けるように離脱するアコーステ
ックピアノと同等の鍵タッチ感を得ることができる。ま
た、ウイペン23が反時計方向に回動すると、ダンパー
スプーン55がダンパーレバー51をダンパーレバース
プリング54の付勢力に抗して時計方向に回動させるか
ら、その付勢力が演奏者に伝わってさらにリアルな鍵タ
ッチ感を得ることができる。
【0030】上記構成の鍵盤楽器では、ハンマシャンク
43aよりもハンマ43の打撃時の回動方向と反対方向
側にハンマ43の重心が位置しているので、ハンマ43
の戻り時にハンマ43に加わる力は、被打撃部60を打
撃した時の反発力、バットスプリング47による付勢力
およびハンマ43自体の重量により自然落下の力、つま
り重力が加わることになる。これにより、静的バランス
の観点から、戻り性能が向上するとともに、押鍵時には
少し重たい感じとなり、タッチ感は指にしっくりとくる
ようになる。また、動的バランスの観点からもレスポン
スがよく、慣性モーメントも大きいため、指に対してよ
り一層のしっとり感が感じられることになる。このよう
に、本実施形態に係る鍵盤楽器におけるハンマ43の動
的なメカニズムは、グランドピアノに近いものであるた
め、グランドピアノにより近い優れた鍵タッチ感および
演奏性能を得ることができる。言い換えると、実際のグ
ランドピアノよりも奥行き等を小さいアップライトピア
ノ型の鍵盤装置によりグランドピアノと同等の鍵タッチ
感および演奏性能を得ることができる。
【0031】また、中間結合部材43cがシャンク結合
部材43bにネジ止めされているので、中間結合部材4
3cを図2中の矢印方向に移動、つまり中間結合部材4
3cの先端に取り付けられた重量部材43fを移動させ
ることができる。これにより、ハンマ43の重心位置を
容易に調整することが可能である。また、シャンク結合
部材43bから中間結合部材43cおよび重量部材43
fを取り外して、重さ等が異なる他の重量部材が取り付
けられた中間結合部材43cをネジ止めすることも可能
であり、重心位置だけでなく重量の変更も容易に行うこ
とができる。従って、この鍵盤楽器によれば、ハンマ4
3の動的バランスを容易に調整することができ、演奏者
に適した鍵盤−アクション機構を構成することが可能と
なる。
【0032】G.変形例 本発明は、上述した実施形態に限定されず、以下のよう
な種々の変形が可能である。
【0033】(1)ハンマシャンク43a、シャンク結
合部材43b、中間結合部材43cおよび重量部材43
fを一体的に構成することができ、それらに加えてバッ
ト41さらにはキャッチャー46も一体的に構成するこ
とができる。
【0034】(2)被打撃部60における緩衝材63の
表面に、ハンマシャンク43aで打撃されたときに打撃
力に対応する電気信号を発生する圧電素子を設けるよう
にしてもよい。この圧電素子の出力信号を楽音波形発生
回路(楽音信号発生手段)に出力し、楽音波形発生回路
において、当該圧電素子に割り当てられた音色および音
高を有する楽音波形をスピーカやヘッドホンに出力する
ようにしてもよい。その際に楽音波形発生回路は、圧電
素子から出力される出力信号の強弱によって音量を設定
するようにしてもよい。
【0035】(3)また、上述した実施形態において
は、シャンク結合部材43bと中間結合部材43cとを
ネジ止めにより結合するようにしていたが、接着や圧入
等の方法でハンマシャンク43aと中間結合部材43c
を固定するようにしてもよい。
【0036】(4)また、上述した実施形態におけるハ
ンマ43の代わりに、図3に示すようなハンマ100を
用いるようにしてもよい。ハンマ100は、ハンマシャ
ンク43aを有しており、ハンマシャンク43aの先端
には、シャンク結合部材100bが取り付けられてい
る。シャンク結合部材100bには、ハンマ100の打
撃時の回動方向と反対方向側(図における右側)、かつ
ハンマシャンク43aの軸方向と直交する方向に延びる
中間結合部材100cが取り付けられており、これによ
りハンマシャンク43aよりもハンマ100の打撃時の
回動方向と反対方向側にハンマ100の重心が位置する
ようになっている。中間結合部材100cの外周にはネ
ジ100dが形成されており、このネジ100dにネジ
穴100eを有する重量部材100fが螺合されてい
る。ここで、重量部材100fの重量は、低音側から高
音側へ移るに従って漸次軽くなるように設定されてい
る。この構成の下、重量部材100fを回転させること
により、重量部材100fを中間結合部材100cに沿
って移動させることができ、ハンマ100の重心位置を
容易に調整することが可能となる。また、中間結合部材
100cから重量部材100fを取り外して、重量等の
異なる重量部材を中間結合部材100cにネジ止めする
ことも可能であり、重心位置だけでなく、重量の変更も
容易に行うことができる。
【0037】(5)また、本発明は、鍵盤楽器と同様の
鍵盤を備えていながらも、鍵を押したときの音を小さく
したり、鍵を押しても音が発生しないようにしたアップ
ライトピアノ型の鍵盤楽器の練習装置にも適用すること
ができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、よりグランドピアノに近いリアルな鍵タッチ感を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る鍵盤楽器を示す側
断面図である。
【図2】 前記鍵盤楽器の構成要素であるハンマの例を
示す図である。
【図3】 前記鍵盤楽器の変形例におけるハンマを示す
図である。
【図4】 従来の鍵盤楽器を示す側断面図である。
【符号の説明】
11…鍵、12…鍵盤、13…アクション機構、15…
ダンパー機構、40…ハンマアッセンブリ、43…ハン
マ、43a…ハンマシャンク、43b…シャンク結合部
材、43c…中間結合部材(結合部材)、43f…重量
部材、100…ハンマ、100a…ハンマシャンク、1
00b…シャンク結合部材、100c…中間結合部材
(結合部材)、100f…重量部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵と、鍵が押下されることにより回動す
    るハンマと、押下された鍵の動作を上記ハンマに伝達す
    るアクション機構とを備えたアップライトピアノ型の鍵
    盤装置において、 前記ハンマは、ハンマシャンクと、前記ハンマシャンク
    よりも前記ハンマの押鍵時の回動方向と反対の方向側に
    配置される重量部材とを有しており、前記ハンマの重心
    が前記ハンマシャンクよりも押鍵時の前記ハンマの回動
    方向と反対の方向側に位置するようにしたことを特徴と
    する鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 前記重量部材は、前記ハンマシャンクに
    対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする
    請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】 前記重量部材が取り付けられる部材であ
    って、前記ハンマシャンクに結合され、前記ハンマの押
    鍵時の回動方向と反対方向側に前記ハンマシャンクの軸
    方向とほぼ直交する方向に延びる結合部材をさらに具備
    し、 前記重量部材は、前記結合部材の軸方向に沿って移動可
    能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の鍵盤装置。
  4. 【請求項4】 前記鍵が押下されたことを検出するセン
    サと、 このセンサの検出結果に基づいて楽音信号を発生する楽
    音信号発生手段とをさらに具備することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の鍵盤装置。
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