JP2000096303A - 紳士用ズボンタイプトランクス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】平織生地からなる少なくとも左右の後身頃
ｃ，ｄ部分とマチｅ部分とをバイアス生地で形成する。
左右の後身頃ｃ，ｄ部分を左右対称的となるように中央
線１上で縫合する。前記マチｅ部分には前記中央線１の
延長線上である中央部分も含めて身頃との縫い合わせの
外には縫目がないものとする。 【効果】着用者の２つの凸部分である臀部に対しては、
左右の後身頃ｃ，ｄ部分の縫合部分である中央線１を境
にしてその左右両側の伸びてほしい部分が均等に伸び、
また、前記中央線１は前記両凸部分間である凹部にぴっ
たりと対応する。また、着用者の股間部に対しては、前
記マチｅ部分には前記中央線１の延長線上である中央部
分も含めて身頃との縫い合わせの外には縫目がないた
め、バイアス生地からなるマチｅの伸びが減殺されるこ
とがない。従って、着用者の臀部と股間部のいずれに対
応する部分とも着用者の体の動きに充分対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、平織生地製の紳士
用ズボンタイプのトランクスに関するもので、更に詳し
くは、着用時において少なくとも左右後身頃部分とマチ
部分とが伸びやすいように工夫したものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、紳士用ズボンタイプのトランクス
には平織生地からなるものとメリヤス生地からなるもの
とに大別される。このうち、平織生地からなるものは三
ないし四片程度の部材を適宜縫合することにより構成さ
れるのが普通である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
平織生地製のトランクスはその素材の性質上伸びがほと
んど期待できない上、着用時体の凹凸形状にうまく合致
するように配慮されていない。従って、着用時において
体を動かしたりしゃがんだりした場合には、特に臀部な
いし股間部に対応する部分の伸びが充分ではなく、圧迫
感が強く履き心地が悪いという欠点があった。本発明
は、これらの欠点を解消することを目的とするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の紳士用ズボンタ
イプのトランクスは平織生地からなる少なくとも左右の
後身頃ｃ，ｄ部分とマチｅ部分とが共にバイアス生地で
形成され、かつ、左右の後身頃ｃ，ｄ部分が左右対称的
となるように中央線１上で縫合されており、前記マチｅ
部分には身頃との縫い合わせの外には縫目がないことを
特徴とするものである。

【０００５】着用時において体を動かしたりしゃがんだ
りした場合、臀部に対応する部分と股間部に対応する部
分とが共にバイアス生地で形成されているため、両部分
が、特に、伸びてほしい部分のみが体の凹凸形状に応じ
て充分伸び、圧迫感が全くない。すなわち、着用者の臀
部に対しては、左右の後身頃ｃ，ｄ部分の縫合部分であ
る中央線１（図２〜図４参照）を境にしてその左右両側
の伸びてほしい部分のみが図５に示すように均等に伸び
る。さらに詳しく述べると、中央線１を境にしてその左
右両側が着用者の２つの凸部分である臀部に、また、前
記中央線１は両凸部分間である凹部分にいずれもぴった
り対応するから、伸びてほしい部分のみが体の凹凸形状
に応じて充分伸び、圧迫感が全くなく、逆に、だぶつく
こともない。また、着用者の股間部に対しては、前記マ
チｅ部分には身頃との縫い合わせの外には縫目がないた
め、バイアス生地からなるマチｅ部分の伸びが減殺され
ることがない。従って、着用者の臀部と股間部のいずれ
に対応する部分とも着用者の体の動きに充分対応でき、
圧迫感が全くなく履き心地もきわめて良好である。特
に、左右の後身頃ｃ，ｄ部分とマチｅ部分とが共にバイ
アス生地で形成されているため、しゃがんだ時にも股間
部に対する圧迫感が全くない。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の紳士用ズボンタイプトラ
ンクスの好ましい一例を、図面に基いて詳細に説明す
る。図１に、平織生地製の５部材からなる紳士用ズボン
タイプトランクスの構成片を示す。すなわち、左右対称
的な左右後身頃ｃ，ｄ部分と、左右対称的な左右前身頃
ａ，ｂ部分と、マチｅ部分の五部材で構成される場合が
例示されている。なお、各図面においては、いずれも生
地の表側からそれぞれを見た状態で示してある。

【０００７】図１に示す平織生地製の５つの構成片のう
ち、少なくとも(a) に示す左右の後身頃ｃ，ｄ部分と、
(c) に示すマチｅ部分とをバイアス生地で形成する。す
なわち、少なくとも左右の後身頃ｃ，ｄ部分とマチｅ部
分とはその経緯糸方向がほぼ４５度の角度となるように
生地取りしたいわゆる正バイアス生地である。図１に
は、便宜上、平織生地の経緯糸方向を碁盤目状に示して
あり、この碁盤目から少なくとも左右の後身頃ｃ，ｄ部
分とマチｅ部分の生地がバイアスであることを容易に理
解することができる。なお、図１(b) に示す左右の前身
頃ａ，ｂの生地取りについては自由である。

【０００８】次に、これらの生地を用いた紳士用ズボン
タイプトランクスの縫製手順を詳細に説明する。まず、
バイアス生地で形成されている左右の後身頃ｃとｄのう
ち、図１(a) において1cで示す部分と1dで示す部分と
を、図２(a) において図面符号１で示すように左右の後
身頃ｃ，ｄが左右対称的となるように縫合する。そし
て、縫着された左右の後身頃ｃとｄのうち、図１(a) 及
び図２(a) において2c，2dで示す部分とバイアス生地で
形成されているマチｅのうち図１(c) において2eで示す
部分とを、図２(b) において図面符号２で示すように縫
合する。図２(b) にそれを後側から見た場合が、また、
図２(c) にそれを前記中央線１上において二つ折りした
場合が示されている。特に、図２(c) から明らかなよう
に、トランクスとなった場合において中央線１を境にし
てその左右両側の後身頃ｃ，ｄ部分と、トランクスとな
った場合において股下となるマチｅ部分とがバイアス生
地で形成されていてきわめて伸びやすいことが分かる。
なお、図２(a) 〜(c) 及び図３において生地表面上に矢
印を付してあるが、この矢印は平織生地の前記経緯糸方
向を便宜的に示すためのものである。

【０００９】そして、図２(b) に示すものに図１(b) に
示す左右の前身頃ａ，ｂを従来の場合と同じように縫合
するとともに、左右の前身頃ａ，ｂの前股側（図１(b)
において図面符号4a，4bで示す部分）と後身頃ｃ，ｄに
縫着されているマチｅの前股側（図１(c) 、図２(b) に
おいて図面符号4eで示す部分）とを、図３において図面
符号４で示すように縫合して股下を形成する。

【００１０】かくして、５つの構成片ａ〜ｅにより一着
の紳士用ズボンタイプトランクスを縫製することができ
る。なお、トランクスの上端開口部分には従来の場合と
同じようにゴム挿通部７が形成され、その中には帯状の
ゴムが挿入されている。このようにして縫製されたトラ
ンクスは、少なくとも左右の後身頃ｃ，ｄ部分とマチｅ
部分とがバイアス生地で形成され、かつ、左右の後身頃
ｃ，ｄ部分が左右対称的となるように中央線１上で縫合
されており、前記マチｅ部分には前記中央線１の延長線
上である中央部分も含めて身頃との縫い合わせの外には
縫目が全くない。

【００１１】本トランクス着用時において体を動かした
りしゃがんだりした場合、臀部に対応する部分と股間部
に対応する部分とが共にバイアス生地で形成されている
ため、両部分が、特に、その中でも伸びてほしい部分の
みが体の凹凸形状に応じて充分伸び、圧迫感が全くな
い。すなわち、着用者の臀部に対しては、左右の後身頃
ｃ，ｄの縫合部分である中央線１（図２、図３、図４参
照）を境にしてその左右両側である伸びてほしい部分の
みが図５に示すように均等に伸び、また、前記中央線１
は両凸部分間である凹部分にぴったり対応するから、伸
びてほしい部分のみが体の凹凸形状に応じて充分伸び、
圧迫感が全くなく、逆に、だぶつくこともない。また、
着用者の股間部に対しては、前記マチｅ部分には前記中
央線１の延長線上である中央部分も含めて身頃との縫い
合わせの外には縫目が全くないため、バイアス生地から
なるマチｅ部分の伸びが減殺されることがない。従っ
て、着用者の臀部と股間部のいずれに対応する部分とも
着用者の体の動きに充分対応できる。動きの激しい若年
層が着用した場合のメリットは大きい。また、帯状のゴ
ムが挿入されているウエスト部分もバイアス効果により
着用しやすく、また、だぶつかないという利点もある。

【００１２】ここには、左右対称的な後身頃ｃ，ｄ部分
と、左右対称的な前身頃ａ，ｂ部分と、マチｅ部分の五
部材からなる紳士用ズボンタイプトランクスを例示して
本発明を説明したが、本発明は、左側の後身頃ｃと左側
の前身頃ａとが、また、右側の後身頃ｄと右側の前身頃
ｂとが互いに連なって一枚となっている紳士用ズボンタ
イプトランクスにも応用することができる。すなわち、
左右それぞれ一枚づつの身頃部分とマチｅ部分の三部材
からなり、左右の身頃部分とマチｅ部分とがバイアス生
地で形成され、かつ、左右の身頃部分の後側、つまり、
後身頃側が左右対称的となるように中央線１上で縫合さ
れ、前記マチｅ部分には前記中央線１の延長線上である
中央部分も含めて身頃との縫い合わせの外には縫目がな
い場合にも応用することができる。

【００１３】この三部材から構成されるトランクスを着
用した場合においても、前記五部材から構成されるトラ
ンクスの場合と同じ効果が得られる。すなわち、このト
ランクスの着用時において体を動かしたりしゃがんだり
した場合、臀部に対応する部分と股間部に対応する部分
とが共にバイアス生地で形成されているため、両部分
が、特に、その中でも伸びてほしい部分のみが体の凹凸
形状に応じて充分伸び、圧迫感が全くない。すなわち、
着用者の臀部に対しては、左右の後身頃側の縫合部分で
ある中央線１を境にしてその左右両側である伸びてほし
い部分のみが図５に示す場合と同じように均等に伸び、
また、前記中央線１は両凸部分間である凹部分にぴった
り対応するから、伸びてほしい部分のみが体の凹凸形状
に応じて充分伸び、圧迫感が全くなく、逆に、だぶつく
こともない。また、着用者の股間部に対しては、前記マ
チｅ部分には前記中央線１の延長線上である中央部分も
含めて身頃との縫い合わせの外には縫目が全くないた
め、バイアス生地からなるマチｅ部分の伸びが減殺され
ることがない。従って、着用者の臀部と股間部のいずれ
に対応する部分とも着用者の体の動きに充分対応でき
る。

【００１４】ちなみに、左側の後身頃ｃ及び右側の後身
頃ｄ部分と一枚のマチｅを左右二つ割りしたものとが左
右とも互いに連なるように、あるいは、マチｅを左右二
つ割りとしないで一枚のマチｅを左側の後身頃ｃもしく
は右側の後身頃ｄ部分に連なるように生地取りした場合
において、後身頃ｃ，ｄ部分をバイアスにするとマチｅ
部分はバイアスとはならず、逆に、マチ部分ｅ部分をバ
イアスにすると後身頃ｃ，ｄ部分はバイアスとはならな
い。そして、これらの場合には、着用者の臀部に対応す
る部分、あるいは、股間部に対応する部分のいずれか一
方がバイアスとならず、その部分の伸びが充分でない。
また、左側の後身頃ｃ及び右側の後身頃ｄ部分と一枚の
マチｅを左右二つ割りしたものとが左右とも互いに連な
るように生地取りした場合には、着用者の臀部に対応す
る部分、あるいは、股間部に対応する部分のいずれか一
方が上述したようにバイアスとならないのみならず、左
右二つ割りした部分における縫目がマチｅ部分に形成さ
れることになるから、この縫目によりマチｅ部分の伸び
が減殺される結果となる。

【００１５】

【発明の効果】本トランクスは着用者の臀部と股間部の
いずれに対応する部分とも着用者の体の動きに充分対応
でき、特に、伸びてほしい部分のみが伸びるから、圧迫
感が無く、逆に、だぶつくこともなく、履き心地もきわ
めて良好であり、さらに、左右の後身頃ｃ，ｄ部分とマ
チｅ部分とが共にバイアス生地で形成されているため、
しゃがんだ時にも股間部に対する圧迫感が全く無い等、
きわめて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】五部材からなる紳士用ズボンタイプトランクス
の構成片を例示した平面図で、(a) は左右の後身頃部分
を、(b) は左右の前身頃部分を、(c) はマチ部分をいず
れも表側から見た場合を示す。

【図２】左右の後身頃部分同士の縫着状態を示す斜視図
で、(a) は左右の後身頃部分のみの縫着状態を、(b) は
縫着後の左右の後身頃部分にマチ部分をさらに縫着した
状態を、(c) は(b) に示すものを中央線上において二つ
折りした状態を示す。

【図３】図２(b) に示すものに左右の前身頃を縫着する
とともに、この前身頃の前股側にマチの前股側を縫合し
た状態を後側から見た斜視図である。

【図４】五部材からなる本トランクスの完成品を後側か
ら見た斜視図である。

【図５】五部材からなる本トランクスの使用状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

ａ，ｂ─前身頃、ｃ，ｄ─後身頃、ｅ─マチ、１─中央
線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平織生地からなる少なくとも左右の後身頃
   ｃ，ｄ部分とマチｅ部分とが共にバイアス生地で形成さ
   れ、かつ、左右の後身頃ｃ，ｄ部分が左右対称的となる
   ように中央線１上で縫合されており、前記マチｅ部分に
   は身頃との縫い合わせの外には縫目がないことを特徴と
   する紳士用ズボンタイプトランクス。