JP4601981B2 - 下衣 - Google Patents
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Description
例えば、図9(a)に示すように、下衣後中心付近にて下衣本体70を鋲71で締めることにより着用者のサイズに応じてウエストサイズを調整し、安定着衣できる下衣が知られている。
また、下記特許文献1には、サイズ調整可能な固定手段を備えた略帯状のインナーベルトが腰裏に装着された下衣であって、インナーベルトを尻側の腰裏を基端として左右方向に下降傾斜するように形成したインナーベルト付きの下衣が開示されている。
また、特許文献1に記載の下衣では、インナーベルトによるウエスト調整機能が付いているものの、ウエストベルトの幅が細いために下衣本体の安定着衣については十分といえるものではなかった。
そこで本発明は、前記従来技術の課題を解決し、下衣本体を安定着衣させるとともにサイズ調整を行った場合でも下衣本体の見栄えを損なわない下衣を提供することを目的としている。
また、前記内層部にはサイズ調整用治具を取り付けることが好ましい。サイズ調整用治具は、内装部のテンションを強くするというよりは、食事などをして体型変化した場合に、内層部の生地のテンションを緩めることを主な機能としている。
内層部にサイズ調整用治具を設けることで、食事などをして体型変化した場合でも、内層部の生地のテンションの調節が可能である。
紐部分と係止具によるサイズ調整用治具では、紐部分の一部を延長して下衣本体部のポケット袋内に通せば、ポケット袋内から紐部分を引っぱることが可能となり、下衣を着用した状態での内層部のサイズ調整が可能となる。
また、ファスナー部分とマチによるサイズ調整用治具では、下衣本体部のポケット袋内でファスナーを開閉可能とすれば、下衣を着用したままの状態で内層部のサイズ調整が可能となる。
まず、本発明では下衣を安定着衣するために重要な、人体の下半身のフィットゾーンに着目した。前記の下半身のフィットゾーン30とは、図8の人体下半身の側面図に示すように着用者のウエストライン31から下部において前面の下腹部32、側面の腰骨(上前腰骨棘)部33および後面の大臀部34にいたる領域である。この領域は、下衣のフィット性に大きく関与する部分であり、安定着衣するための支持部となる。従ってこの領域の密着性を高めれば下衣のフィット感がより向上する。なお本発明の説明では、人体の各部位によって各部分、領域等を説明しているが、これは下衣を着用した際の着用者の各部位に該当する部分を表している。
高捲縮仮撚加工を施して伸縮性を持たせたポリエステル、ナイロン等の高捲縮仮撚加工糸を生地の少なくとも一部あるいは全部に使用した生地も可能である。
伸長率の測定方法は、TENSILON万能型引張試験機(UTM−III−200、(株)東洋ボールドウイン社製)を用い、引張強度を100cm/分とし、試料生地の大きさは、巾が5cm、長さが30cm、つかみ間隔が20cmとして1.8kgf荷重時の伸長率を計測する。なお本発明の説明に用いる伸張率は、この測定方法による測定結果である。
前記のように構成することで、内層部は下半身のフィットゾーンにより密着することができる。
両者を縫製で一体化する場合は、本縫い、環縫い、1本針オーバーロック、2本針オーバーロック、インターロック、フラットシーマ等の縫目を形成するミシンで縫着する方法があげられるが、縫目の種類は特にこれらに限定されるものではない。ただ、縫目もストレッチ性を有し、1本針オーバーロック、2本針オーバーロック、インターロック、フラットシーマを採用するのが好ましい。
前記紐部分の一部を下衣本体部のポケット袋内に通せば、ポケット袋から紐部分を引っぱることができ、下衣を着用したままの状態で内層部のサイズ調整が可能となる。なお本発明でいう着用とは、下衣の前ボタンや前ファスナーを閉めた状態のことであり、前ボタンや前ファスナーを開けて下衣の前面が開いた状態は着用した状態とはいわない。
ファスナー形状は特に限定されるものではないが、エスロンファスナー、コイルファスナ等を用いることが好ましい。マチに用いる生地は特に限定されるものではないが、タフタ等の薄手の生地が好ましい。薄手の生地であれば、ファスナーを閉める際の収容が容易であるからである。
また、ファスナー部分とマチによるサイズ調整用治具の場合は、ファスナー部分にポケット袋を連結することで、ポケット袋内でファスナーを開閉することができ、下衣を着用したままの状態で内層部のサイズ調整が可能となる。
本発明に係る下衣の実地例について図面を用いて説明する。図1は第一実施例の正面図、図2は同じく背面図、図3は同じく前ファスナーを開けた状態の図である。
このように構成すればウエストライン前面内側部4cは自由に可動するので、内層部の人体へ密着をより高めることができる。また内層部の前中心から側面の腰骨(上前腰骨棘)部までの下端部のライン形状の一部分を波型形状とすれば、外観形状を損なう余分なテンションを緩和でき、内層部の人体へ密着をさらに高めることができる。
図4に示す第二実施例では、内層部3の前側の左右の両端31にサイズ調整用治具5として、ウエスト方向にポリエステル製の紐部分5aを設け、前記紐部分5aを前ファスナーサイド片5cに設けた穴に通し、前記紐部分5aを前ファスナーサイド片5cにて係止するための係止具5bを取り付けることで、内層部3の生地テンションを調整可能とした。紐部分の長さは特に限定されないが、内装部のサイズ調整を行うに十分な長さが必要である。下衣本体部2と内層部3とはウエストライン背面部4a及びウエストライン前面外側部4bで縫製によって一体化した。なお内層部3および下衣本体部2の構成については、第一実施例で説明したところと同じである。図4では内層部3と前ファスナーサイド片5cとは、紐部分5aを2本で繋いだが、生地テンションの調整が可能であれば本数は2本に限定されない。係止具5bは各紐部分5aをそれぞれ係止できるように下衣の前中心の左右両側に2つづつ設けた。サイズ調整用治具5でサイズ調整することで内臓部3のフィット感をより高めることができる。
図5に示す第三実施例では、内層部3にサイズ調整用治具5として、ウエスト方向に垂直にファスナー5dを設けた。
図5では、右足側がファスナー5dを開けた状態、左足側がファスナー5dを閉めた状態を示しており、ファスナーの開閉によって内層部3の生地テンションを調整可能とした。下衣本体部2と内層部3とはウエストライン背面部及びウエストライン前面外側部で縫製によって一体化した。なお内層部3および下衣本体部2の構成については、第一実施例で説明したところと同じである。また図5ではサイズ調整用治具5(ファスナー5d、マチ5e)は点線で表記するところだが、説明の簡素化のため実線で表記した。
以上のような構成とすれば、下衣本体部2の前脇ポケット袋内からファスナーの開閉が可能であり、図6(b)のようにファスナーを開けた状態とすれば、内層部3のテンションを緩めることができる。またファスナーは前脇ポケット内で開閉できるので、下衣を着用したままの状態で内層部のサイズ調整が可能となる。
例えば、通常はファスナーを閉めた状態で着用し、食事などで体型が変化した場合には、ファスナーを開けて内層部の生地のテンションを緩めることができる。
ファスナーを開けた際に生地のテンションを充分に緩めるためには、ファスナーの長さはファスナー位置の内層部を完全に分断するだけの流さが必要である。本実施例では18cmとした。
同じくファスナーを開けた際に生地のテンションを充分に緩めるためには、マチの幅は3cm〜5cmであることが好ましい。本実施例では4cmとした。
2 下衣本体部
21 前脇ポケット
22 向袋布
23 折り返し部
3 内層部
31 端部
4a ウエストライン背面部
4b ウエストライン前面外側部
4c ウエストライン前面内側部
4d ファスナーサイド部
5 サイズ調整用治具
5a 紐部分
5b 係止具
5c 前ファスナーサイド片
5d ファスナー
5e マチ
5f ファスナー片
6 滑り止めテープ
30 フィットゾーン
31 ウエストライン
32 下腹部
33 腰骨部
34 大臀筋
70 下衣本体
71 鋲
72 皺
Claims (4)
- 下衣本体部と内層部との二重構造で構成される下衣であって、前記下衣本体部と内層部とは少なくともウエストラインの背面部分で一体化され、前記内層部は着用者のウエストライン下部の前面の下腹部、側面の腰骨部および後面の大臀部にいたる領域にストレッチ性の良い生地を配置することで構成し、前記下衣本体部の前脇ポケット袋内にウエスト方向に垂直に設けたファスナー部分とファスナー部分を開いた間の領域に配置したマチとで構成したサイズ調整用治具を設け、下衣を着用したままの状態で内層部のサイズ調整を可能としたことを特徴とする下衣。
- 前記サイズ調整用治具を下衣本体部の前脇ポケット袋内の左右両方又は左右どちらか一方に設けたことを特徴とする請求項1に記載の下衣。
- 前記内層部の人体側において、ウエスト方向に滑り止めテープを設けたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の下衣。
- 前記ストレッチ性の良い生地が保温機能、吸汗速乾機能、抗菌防臭機能、消臭機能、涼感機能および通気性のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の下衣。
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