JP2000094837A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000094837A
JP2000094837A JP10272328A JP27232898A JP2000094837A JP 2000094837 A JP2000094837 A JP 2000094837A JP 10272328 A JP10272328 A JP 10272328A JP 27232898 A JP27232898 A JP 27232898A JP 2000094837 A JP2000094837 A JP 2000094837A
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electron
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JP10272328A
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Inventor
Koichi Shimada
浩一 島田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存および加熱印画する環境、特に、湿度環
境に起因する濃度変動の少ない感熱記録材料を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも、無色または淡色の電子供与
性染料前駆体と電子受容性化合物とを含有し、これらの
いずれか一方がマイクロカプセルに内包されることを特
徴とする感熱記録層を支持体上に有してなる感熱記録材
料において、カプセル壁材として特定のポリウレタン樹
脂を用い、温度23℃、相対湿度20%RHの環境下に
記録材料中の水分量が平衡状態に達するのに十分な時間
置いて発色させたときの発色濃度を飽和濃度の15〜2
5%濃度としうる加熱印画条件を用いて、温度23℃、
相対湿度70%RHの環境下に記録材料中の水分量が平
衡状態に達するのに十分な時間置いて発色させた場合、
その発色濃度が前記飽和濃度の15〜30%の範囲の濃
度であることを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱印画する際の
環境、特に、湿度に起因する濃度変動の少ない、湿度依
存性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合、材質が一般紙に近い、
(3)取扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡便で信頼性が高く、安価である、
(6)記録時の騒音が無い、(7)メンテナンスが不要
である、等の利点があることから近年様々な分野で発達
しており、上記感熱記録に用いる感熱記録材料として
は、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応
を利用したもの、ジアゾ化合物とカプラーとの反応を利
用したもの、等が従来から広く知られている。
【0003】これらの感熱記録材料の中でも、電子供与
性染料前駆体と電子受容性化合物との反応を利用したも
のは、感圧紙、感熱紙、感光感熱紙、通電感熱記録紙、
感熱転写紙等に広く用いられている。また、文字や記号
の記録だけではなく、近年は階調のある画像記録にも用
いられており、発色濃度、濃度安定性、耐熱性、色調等
についても高性能なものが要求されている。そのため、
これらの諸特性を改良する研究が盛んに行われている。
しかしながら、これらの諸特性を十分な程度に満足する
感熱記録材料は、未だに得られていないのが現状であ
る。特に、マイクロカプセルを用い、熱エネルギーを印
加して画像形成する感熱記録材料では、雰囲気中に含ま
れる水分の影響を受けやすく、印画時の湿度の変化によ
り同一エネルギーを印加した場合でも発色濃度が一定せ
ず、常に安定した濃度が得られにくいといった問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加熱印画す
る際の環境、特に、湿度環境に起因する濃度変動の少な
い感熱記録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、支持体上
に設ける感熱記録層中のマイクロカプセルを形成する構
成成分に着目し、鋭意検討を重ねた結果、該マイクロカ
プセルの壁材として特定の壁材を用いることにより、高
湿環境下に保持され、また印画した場合でも画像濃度の
変動を大幅に低減することができることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、前記目的は、以下の本発
明の感熱記録材料により達成される。 <1> 少なくとも、無色または淡色の電子供与性染料
前駆体と電子受容性化合物とを含有し、且つ、これらの
いずれか一方がマイクロカプセルに内包されることを特
徴とする感熱記録層を支持体上に有してなる感熱記録材
料において、温度23℃、相対湿度20%RHの環境条
件下に感熱記録材料中に含有される水分量が平衡状態に
達するのに十分な時間置き、さらに同一環境条件下で発
色させたときの発色濃度をその熱エネルギー条件におけ
る飽和濃度(Dmax)の15〜25%の範囲の濃度と
しうる加熱印画条件を用いて、温度23℃、相対湿度7
0%RHの環境条件下に感熱記録材料中に含有される水
分量が平衡状態に達するのに十分な時間置き、さらに同
一環境条件下で発色させた場合、その発色濃度が、前記
飽和濃度の15〜30%の範囲の濃度であることを特徴
とする感熱記録材料。
【0006】<2> 上記マイクロカプセルの壁材がポ
リウレタン樹脂であることを特徴とする上記<1>に記
載の感熱記録材料。
【0007】<3> 上記ポリウレタン樹脂が、脂環族
系イソシアネート化合物、或いは、それらの誘導体から
なることを特徴とする上記<2>に記載の感熱記録材
料。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録材料は、支持体
上に、少なくとも感熱記録層を有してなり、さらに必要
に応じて前記感熱記録層上に保護層、下塗り層等を有し
てなる。
【0009】(感熱記録層) <電子供与性染料前駆体>本発明の感熱記録材料の感熱
記録層に用いる電子供与性染料前駆体(以下、「発色
剤」という場合がある。)は、実質的に無色であるもの
であれば特に限定されるものではないが、エレクトロン
を供与して、或いは、酸等のプロトンを受容して発色す
る性質を有するものであり、特に、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有しており、電子受容性化合物(以下、「顕色
剤」ということがある。)と反応して、これらの部分骨
格が開環若しくは開裂する、無色または淡色の化合物が
好ましい。
【0010】具体的には、トリフェニルメタンフタリド
系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合
物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系
化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化
合物、フルオレン系化合物等の各種化合物が挙げられ
る。
【0011】上記フタリド類の具体例としては、米国再
発行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第
3,491,111号、同第3,491,112号、同
第3,491,116号および同第3,509,174
号等に記載された化合物が挙げられる。また、フルオラ
ン類の具体例としては、米国特許明細書第3,624,
107号、同第3,627,787号、同第3,64
1,011号、同第3,462,828号、同第3,6
81,390号、同第3,920,510号、同第3,
959,571号等に記載された化合物が挙げられる。
スピロジピラン類の具体例としては、米国特許明細書第
3,971,808号等に記載された化合物が挙げられ
る。ピリジン系およびピラジン系化合物類としては、米
国特許明細書第3,775,424号、同第3,85
3,869号、同第4,246,318号等に記載され
た化合物が挙げられる。フルオレン系化合物の具体例と
しては、特願昭61−240989号等に記載された化
合物が挙げられる。
【0012】マゼンタ発色色素に用いられる電子供与性
染料前駆体としては、米国特許第4705776号、西
独公告特許公報2265233号、西独公告特許公報2
409112号、特開平2−178087号、特開昭6
2−71692号等に記載されている化合物が好まし
い。
【0013】イエロー発色色素に用いられる電子供与性
染料前駆体としては、米国特許第4775656号、同
4540790号、同4025090号、同44463
21号、同4820481号、同4598150号、特
開昭62−288827号、同62−288828号、
同63−251280号、同63−251279号、同
63−251278号、英国特許第1431493号等
に記載されている化合物が好ましい。
【0014】シアン発色色素に用いられる電子供与性染
料前駆体としては、米国特許第4062866号、同4
123439号、同4153609号、同429566
3号、同4814320号、特開昭61−87758
号、同62−270662号、同63−53542号、
同63−112188号、同63−113446号、特
開平1−213636号、特公昭61−4856号、ヨ
ーロッパ公開特許公報第82822号等に記載されてい
る化合物が好ましい。
【0015】黒発色色素に用いられる電子供与性染料前
駆体としては、特に、2−アリールアミノ−3−〔H、
ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置換アミノフ
ルオラン〕が好ましく、具体的には、2−アニリノ−3
−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチル
アミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−メチ
ル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−ジオクチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソア
ミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−ドデシルアミノフルオラン、2−ア
ニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチルアミノフル
オラン、2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6−N
−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−o−
クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラン、
2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチル−
6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル
−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソアミ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−
γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシプ
ロピルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0016】さらに、下記一般式(1)〜(3)で表さ
れる電子供与性染料前駆体も好適に挙げることができ
る。
【0017】
【化1】
【0018】〔式中、R1 及びR2 は、互いに同一であ
ってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜8のア
ルキル基を表す。R3 は、水素原子又は炭素数1〜5の
アルキル基を表す。〕
【0019】
【化2】
【0020】〔式中、R4 、R5 及びR6 は、互いに同
一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜
5のアルキル基を表す。〕
【0021】
【化3】
【0022】〔式中、R23、R24、R25及びR26は、互
いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素
数1〜5のアルキル基を表す。〕
【0023】前記一般式(1)で表される電子供与性染
料前駆体において、R1 及びR2 は、互いに同一であっ
てもよいし、異なってもよく、炭素数1〜8直鎖状又は
分鎖状のアルキル基を表す。本発明において、R1 及び
2 は、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、2−エ
チルヘキシル基等が好ましい。R3 は、水素原子又は炭
素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。
【0024】上記アルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、2−メチルブチル基、n−ペンチル基、i−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチ
ルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等
が挙げられる。中でも、水素原子、メチル基、エチル基
等がより好ましい。
【0025】前記各種電子供与性染料前駆体および一般
式(1)で表される電子供与性染料前駆体は、それぞれ
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用い
てもよい。
【0026】前記一般式(1)で表される電子供与性染
料前駆体の特に好ましい具体例としては、下記構造式
(1−I)で表される化合物が挙げられる。
【0027】
【化4】
【0028】前記一般式(2)で表される電子供与性染
料前駆体において、R4 、R5 及びR6 は、互いに同一
であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜5
の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。上記アルキ
ル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブ
チル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基等が挙げられ
る。中でも、R4 及びR5 としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基等が好ましく、互いに水素原子では
ないことが好ましい。R6 としては、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基等が好まし
い。
【0029】前記一般式(3)中、R23、R24、R25
びR26は、互いに同一であってもよいし、異なっていて
もよく、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基
を表す。上記アルキル基の具体的な例としては、一般式
(2)と同様である。中でも、R23、R24、R25及びR
26としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が
好ましく、互いに水素原子ではないことが好ましい。
【0030】前記一般式(2)又は前記一般式(3)で
表される電子供与性染料前駆体は、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】前記一般式(2)で表される電子供与性染
料前駆体としては、特に、下記構造式(2−I)及び
(2−II) のいずれかで表される化合物であることが好
ましい。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】前記一般式(3)で表される電子供与性染
料前駆体としては、特に、下記構造式(3−I)で表さ
れる化合物が好ましい。
【0035】
【化7】
【0036】本発明において前記一般式(1)〜(2)
で表される電子供与性染料前駆体を使用する場合、前記
一般式(1)で表される電子供与性染料前駆体と、前記
一般式(2)または前記一般式(3)で表される電子供
与性染料前駆体と、を組み合わせて用いることが好まし
い。この場合の混合重量比(一般式(1)で表される電
子供与性染料前駆体:一般式(2)または前記一般式
(3)で表される電子供与性染料前駆体)が、10:2
〜10:6であることが好ましく、10:2.5〜1
0:5であることがより好ましい。
【0037】<電子受容性化合物>上記の電子供与性染
料前駆体と作用して色素を形成する電子受容性化合物
(顕色剤)としては、例えば、フェノール誘導体、サリ
チル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、
ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹
脂、金属錯体等の化合物が挙げられる。これらの例は、
例えば、特公昭40−9309号公報、同45−140
39号公報、特開昭56−140483号公報、同48
−51510号公報、同57−210886号公報、同
58−87089号公報、同59−11286号公報、
同60−76795号公報、同61−95988号公報
等に詳細に記載されている。
【0038】これらの一部を例示すれば、4−tert
−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、2,
2’−ジヒドロキシビフェニール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4,4’
−シクロヘキシリデンジフェノール、4−ヒドロキシフ
ェニル−3’,4’ジメチルフェニルスルホン、4−
(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
1,4−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,3−ビス−(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチ
ルフェノール)、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエス
テル、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−
フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル
酸、3−クミル−5−t−オクチルサリチル酸、3,5
−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−t−
オクチルサリチル酸、
【0039】3−メチル−5−α−メチルベンジルサリ
チル酸、3−メチル−5−クミルサリチル酸、3,5−
ジ−t−オクチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチ
ルベンジル)サリチル酸、3−クミル−5−フェニルサ
リチル酸、5−n−オクタデシルサリチル酸、4−ペン
ダデシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチル
ベンジル)サリチル酸、3,5−ビス−t−オクチルサ
リチル酸、4−β−ドデシルオキシエトキシサリチル
酸、4−メトキシ−6−ドデシルオキシサリチル酸、4
−β−フェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−エ
チルフェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−メト
キシフェノキシエトキシサリチル酸等及びこれらの金属
塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0040】また、下記一般式(4)で表される電子受
容性化合物も好適に挙げることができる。
【0041】
【化8】
【0042】〔式中、R7 、R8 、R9 及びR10は、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基また
はアリール基を表す。但し、R7 、R8 、R9 及びR10
は、同時に水素原子を表すことはない。〕
【0043】上記一般式(4)で表される電子受容化合
物において、R7 、R8 、R9 及びR10は、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基またはアリル
基を表す。R7 、R8 、R9 及びR10は、水素原子、フ
ッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、
炭素原子数2〜6のアルケニル基、または炭素原子数6
〜18のアリール基が好ましく、中でも、R7 及びR10
がアリール基であり、R8 及びR9 が水素原子であるの
が特に好ましい。
【0044】前記一般式(4)で表される化合物の具体
例としては、4−ヒドロキシフェニル−3’−メチル−
4’−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス−(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキ
シフェニル−3’−エチル−4’−ヒドロキシフェニル
スルホン、ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−3’−イソプ
ロピル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス−
(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、4−ヒドロキシフェニル−3’−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニ
ル−3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニルスルホ
ン、ビス−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、4−ヒドロキシフェニル−3’−クロロ−
4’−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス−(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
【0045】4−ヒドロキシフェニル−3’−フェニル
−4’−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス−(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒド
ロキシフェニル−3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロ
キシフェニルスルホン、ビス−(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェ
ニル−3’,6’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−3’−t−ブチ
ル−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニルスルホ
ン、ビス−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス−(3−アリル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3,5−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3,6
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−
ヒドロキシフェニル−3’−t−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニルスルホン、ビス−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、及び4−ヒドロキシフ
ェニル−3’−アリル−4’−ヒドロキシフェニルスル
ホン等が挙げられる。
【0046】これらの中でも、4−ヒドロキシフェニル
−3’−メチル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン、
ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、4−ヒドロキシフェニル−3’−エチル−4’−ヒ
ドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−
3’−イソプロピル−4’−ヒドロキシフェニルスルホ
ン、ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、4−ヒドロキシフェニル−3’,5’−ジメ
チル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス−(3
−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−
(3,5−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス−(3,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−3’−t−ブ
チル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン、及びビス−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン
から選択される少なくとも1種が耐熱性の点で好まし
い。
【0047】上記一般式(4)で表される電子受容性化
合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよいし、前記他の電子受容性化合物とともに使用
してもよい。また、一般式(4)で表される電子受容性
化合物は、前記一般式(1)〜(3)で表される電子供
与性染料前駆体と組み合わせて用いることが、耐熱性に
優れ、画像部の安定した濃度を確保する点で好ましい。
【0048】この場合、前記一般式(1)で表される電
子供与性染料前駆体、および前記一般式(2)又は前記
一般式(3)で表される電子供与性染料前駆体の総量
と、前記一般式(4)で表される電子受容性化合物と、
の混合重量比(一般式(1)で表される電子供与性染料
前駆体、および前記一般式(2)又は前記一般式(3)
で表される電子供与性染料前駆体の総重量:一般式
(4)で表される電子受容性化合物の重量)としては、
2:1〜40:1が好ましく、5:1〜20:1がより
好ましい。
【0049】前記一般式(4)で表される電子受容性化
合物の重量が、前記一般式(1)で表される電子供与性
染料前駆体、および前記一般式(2)又は前記一般式
(3)で表される電子供与性染料前駆体の総重量を10
としたときに、0.25未満であると耐熱性が十分でな
く、5を超えると乳化液の安定度が低下し、いずれも好
ましくない。
【0050】以下に、マイクロカプセルの製造方法につ
いて詳述する。マイクロカプセルの製造には、界面重合
法、内部重合法、外部重合法等があり、いずれの方法も
採用することができる。特に、電子供与性染料前駆体、
または光分解性ジアゾ化合物をカプセルの芯となる疎水
性の有機溶媒に溶解または分散させ調製した油相を、水
溶性高分子を溶解した水相中と混合し、ホモジナイザー
等の手段により乳化分散した後、加温することによりそ
の油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分子物質のマ
イクロカプセル壁を形成させる界面重合法を採用するこ
とが好ましい。
【0051】高分子を形成するリアクタントは、油滴内
部および/または油滴外部に添加される。高分子物質の
具体例としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、スチレンメタクリレート共重合体、ス
チレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。中で
も、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好まし
いものとして用いることができるが、本発明の感熱記録
材料においては、温度23℃、相対湿度20%RHの環
境下で発色させた感熱記録材料の発色濃度が飽和濃度
(Dmax)の15〜25%濃度となる加熱印画条件を
用いて、温度23℃、相対湿度70%RHの環境下に置
かれた上記感熱記録材料を発色させた場合、その発色濃
度が飽和濃度の15〜30%濃度の範囲まで濃度変動を
抑制するため、特にポリウレタン樹脂を使用する。
【0052】本発明の感熱記録材料では、上記ポリウレ
タン樹脂として、多価イソシアネート化合物、例えば、
2官能以上のイソシアネート基を有する化合物等を用い
ることが好ましい。具体的には、キシレンジイソシアネ
ートおよびその水添物、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートおよびその水添物、イソ
ホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートを主原
料とし、これらの2量体あるいは3量体(ビューレット
あるいはイソシアヌレート)の他、トリメチロールプロ
パンなどのポリオールとキシリレンジイソシアネート等
の2官能イソシアネートとのアダクト体として多官能と
したもの、トリメチロールプロパンなどのポリオールと
キシリレンジイソシアネート等の2官能イソシアネート
とのアダクト体にポリエチレンオキシド等の活性水素を
有するポリエーテル等の高分子量化合物を導入した化合
物、ベンゼンイソシアネートのホルマリン縮合物などが
挙げられる。また、特開昭62−212190号公報、
特開平4−26189号公報、特開平5−317694
号公報、特願平8−268721号公報等に記載の化合
物が好ましい。
【0053】上記の中でも、特に、イソホロンジイソシ
アネートや水素添加キシリレンジイソシアネート等の2
官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンア
ダクト体やイソシアヌレート体等の脂環族イソシアネー
ト化合物、或いは、それらの誘導体を用いることがより
好ましい。さらに、上記脂環族イソシアネート化合物と
しては、下記構造式(1)〜(4)で表される化合物が
最も好ましい。
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】具体的には、市販のタケネートD120
N、タケネートD140N、タケネートD127N、タ
ケネートD147N、タケネートKIT−1(武田薬品
工業(株)製)等を挙げることができる。
【0057】上記の好ましいポリウレタン樹脂は、1種
単独で用いることはもちろん、2種以上併用して用いる
こともでき、また、前記のマイクロカプセル壁の形成に
用いることのできる他の高分子物質と併用して用いるこ
ともできる。
【0058】上記他の高分子物質を併用して用いる場
合、上記の好ましいポリウレタン樹脂1重量部に対し
て、0.05〜0.1重量部の範囲で用いることができ
る。0.1重量部を超えると本発明の効果を十分なレベ
ルで奏することができないため好ましくない。
【0059】本発明の感熱記録材料は、温度23℃、相
対湿度20%RHの環境下に感熱記録材料中に含有され
る水分量が平衡状態に達するのに十分な時間置いた後、
そのまま同一の環境条件下で加熱印画し発色させたとき
の発色濃度を、その熱エネルギー条件における飽和濃度
(Dmax)の15〜25%の範囲の濃度とするのに必
要な加熱印画条件を用いて、温度23℃、相対湿度70
%RHの環境下に感熱記録材料中に含有される水分量が
平衡状態に達するのに十分な時間置いた後、そのまま同
一の環境条件下で発色させた場合、その発色濃度を上記
飽和濃度の15〜30%の範囲の濃度とすることができ
る、湿度環境の変化に対する濃度変動の少ない感熱記録
材料である。
【0060】即ち、例えば、温度23℃、相対湿度20
%RHの環境下で2時間調湿した後に、同様の温度23
℃、相対湿度20%RHの環境下で150mJ/mm2
の熱エネルギーにより加熱印画し発色させたときの発色
濃度Aが、150mJ/mm 2 の熱エネルギーで加熱印
画した時の飽和濃度(Dmax)の15〜25%の範囲
の濃度となる場合に、この150mJ/mm2 の熱エネ
ルギーで上記発色濃度Aを得た条件と同じ加熱印画条件
を用いて、温度23℃、相対湿度70%RHの環境下で
2時間調湿した後、そのまま同一の環境下で発色させた
場合、その発色濃度Bを飽和濃度の15〜30%の範囲
の濃度とすることができる、発色濃度の安定した感熱記
録材料である。
【0061】上記環境条件下に置く時間としては特に限
定されるものではなく、加熱印画して発色させる感熱記
録材料が一定の湿度環境下に置かれ、その感熱記録材料
中に含有される水分量が平衡状態に達するのに十分な時
間、換言すれば、その一定の湿度環境下における雰囲気
中に含まれる水分量にまで達するのに十分な時間であれ
ばよい。従って、感熱記録材料の感熱記録層の膜厚、硬
膜度または保護層の有無等の諸要因により左右され、1
時間であっても、或いは、それ以上であってもよい。
【0062】上記の相対湿度70%RHの環境下におけ
る発色濃度Bは、飽和濃度の15〜28%の範囲にある
ことがより好ましく、飽和濃度の15〜25%の範囲に
あることが最も好ましい。
【0063】前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。
【0064】例えば、ポリウレタンをカプセル壁材とし
て用いる場合には、ジイソシアネート,トリイソシアネ
ート,テトライソシアネート,ポリイソシアネートプレ
ポリマー等のポリイソシアネートと、ジアミン,トリア
ミン,テトラアミン等のポリアミン、2以上のアミノ基
を有するプレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体
またはポリオール等と、を上記水相中で界面重合法によ
って反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を
形成させることができる。
【0065】また、例えば、ポリウレタンとポリアミド
からなる複合壁若しくはポリウレアとポリアミドからな
る複合壁は、例えば、ポリイソシアネートおよびそれと
反応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、酸ク
ロライド若しくはポリアミン、ポリオール)を水溶性高
分子水溶液(水相)またはカプセル化すべき油性媒体
(油相)中に混合し、これらを乳化分散した後、加温す
ることにより調製することができる。
【0066】また、本発明で調製するマイクロカプセル
壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の荷
電調節剤、或いは、その他任意の添加物質を加えること
ができる。これらの添加剤は壁形成時または任意の時点
でカプセルの壁に含有させることができる。また、必要
に応じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、ビ
ニルモノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよ
い。
【0067】さらに、マイクロカプセル壁を、より低温
な状況下でも物質透過性に優れ、かつ発色性に富む壁質
とするため、壁材として用いるポリマーに適合した可塑
剤を用いることが好ましい。該可塑剤は、その融点が5
0℃以上のものが好ましく、さらに該融点が120℃以
下にあるものがより好ましい。このうち、常温下で固体
状のものを好適に選択して用いることができる。例え
ば、壁材がポリウレタンからなる場合、ヒドロキシ化合
物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化
合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合
物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0068】前記の油相の調製に際し、電子供与性染料
前駆体を溶解し、マイクロカプセルの芯を形成するとき
の疎水性有機溶媒としては、沸点100〜300℃の有
機溶媒が好ましく、具体的には、エステル類の他、ジメ
チルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピル
ナフタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフ
ェニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジ
メチルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1
−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピ
ル−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリ
アリルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイル
ジフェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えば、タ
ーフェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニル
エーテル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水
添ターフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニ
ル)、ジフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、エ
ステル類を使用することが乳化分散物の乳化安定性の観
点から特に好ましい。
【0069】エステル類としては、リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリクレジル、リン酸ブチル、リン酸オクチ
ル、リン酸クレジルフェニル等のリン酸エステル類;フ
タル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸ブチルベンジ
ル等のフタル酸エステル;テトラヒドロフタル酸ジオク
チル;安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル等の安
息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベ
ンジル等のアビエチン酸エステル;アジピン酸ジオクチ
ル;コハク酸イソデシル;アゼライン酸ジオクチル;シ
ュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル等のシュウ酸エス
テル;マロン酸ジエチル;マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エス
テル;クエン酸トリブチル;ソルビン酸メチル、ソルビ
ン酸エチル、ソルビン酸ブチル等のソルビン酸エステ
ル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセ
バシン酸エステル;ギ酸モノエステル及びジエステル、
酪酸モノエステル及びジエステル、ラウリン酸モノエス
テル及びジエステル、パルミチン酸モノエステル及びジ
エステル、ステアリン酸モノエステル及びジエステル、
オレイン酸モノエステル及びジエステル等のエチレング
リコールエステル類;トリアセチン;炭酸ジエチル;炭
酸ジフェニル;炭酸エチレン;炭酸プロピレン;ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホウ酸エステル等
が挙げられる。
【0070】中でも、リン酸トリクレジルを単独または
混合して用いた場合、乳化物の安定性が最もよく、特に
好ましい。上記のオイル同士または他のオイルとの併用
による使用も可能である。
【0071】カプセル化しようとする電子供与性染料前
駆体の上記溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性
の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもできる。こ
のような低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチルまたはメチレンクロライド
等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0072】また、上記の電子供与性染料前駆体を感熱
記録材料の感熱記録層に用いる場合、該電子供与性染料
前駆体の含有量は、0.1〜5.0g/m2 の範囲であ
ることが好ましく、1.0〜3.5g/m2 の範囲であ
ることがより好ましい。
【0073】前記電子供与性染料前駆体の含有量が0.
1g/m2 未満の場合には、十分な発色濃度が得られな
いことがあり、5.0g/m2 を越える場合には感熱記
録層の透明性が低下することがある。
【0074】一方、用いる水相には、保護コロイドとし
て水溶性高分子を溶解した水溶液を使用し、これに前記
油相を投入後、ホモジナイザー等の手段により乳化分散
を行うが、該水溶性高分子は分散を均一に、かつ容易に
するとともに、乳化分散した水溶液を安定化させる分散
媒として作用する。ここで、更に均一に乳化分散し安定
化させるためには、油相あるいは水相の少なくとも一方
に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、周知の
乳化用界面活性剤が使用可能である。また、界面活性剤
を添加する場合には、界面活性剤の添加量は、油相の重
量に対して0.1%〜5%、特に0.5%〜2%である
ことが好ましい。
【0075】上記水溶性高分子としては、公知のアニオ
ン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適
宜選択することができ、乳化しようとする温度における
水に対する溶解度が5%以上の水溶性高分子が好まし
く、その具体例としては、ポリビニルアルコールまたは
その変成物、ポリアクリル酸アミドまたはその誘導体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロ
リドン、エチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−
アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラ
チン、澱粉誘導体、アラビヤゴム、アルギン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール、ゼ
ラチン、セルロース誘導体が、特に好ましい。
【0076】これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物との反応性がないか、或いは、低いことが好まし
く、例えば、ゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミ
ノ基を有するものは予め変成するなどして反応性をなく
しておくことが好ましい。
【0077】前記壁材として用いる多価イソシアネート
と反応してマイクロカプセル壁の構成成分の一つとして
水相中および/または油相中に添加するポリオールまた
は/およびポリアミンとしては、例えば、プロピレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
エタノールアミン、ソルビトール、ヘキサメチレンジア
ミン等が挙げられる。ポリオールを添加した場合には、
ポリウレタン壁が形成される。上記反応において、反応
温度を高く保ち、あるいは適当な重合触媒を添加するこ
とが反応速度を速める点で好ましい。多価イソシアネー
ト、ポリオール、反応触媒、あるいは、壁剤の一部を形
成させるためのポリアミン等については成書に詳しい
(岩田敬治編 ポリウレタンハンドブック 日刊工業新
聞社(1987))。
【0078】また、水相に含有させる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記
保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを
好適に選択して使用することができる。好ましい界面活
性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオク
チルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を
挙げることができる。
【0079】乳化は、上記成分を含有した油相と保護コ
ロイド及び界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超
音波分散等の通常の微粒子乳化に用いられる手段、例え
ば、ホモジナイザー、マントンゴーリー、超音波分散
機、ディゾルバー、ケディーミルなど、公知の乳化装置
を用いて容易に行うことができる。乳化後は、カプセル
壁形成反応を促進させるために、乳化物を30〜70℃
に加温する。また、反応中はカプセル同士の凝集を防止
するために、加水してカプセル同士の衝突確率を下げた
り、充分な攪拌を行う等の必要がある。
【0080】また、反応中に改めて凝集防止用の分散物
を添加してもよい。重合反応の進行に伴って炭酸ガスの
発生が観測され、その発生の終息をもっておよそのカプ
セル壁形成反応の終点とみなすことができる。通常、数
時間反応させることにより、目的のジアゾニウム塩内包
マイクロカプセルを得ることができる。
【0081】電子供与性染料前駆体を芯物質としてカプ
セル化した場合、用いる電子受容性化合物は、例えば、
水溶性高分子および有機塩基、その他の発色助剤等とと
もに、サンドミル等の手段により固体分散して用いるこ
ともできるが、予め水に難溶性又は不溶性の高沸点有機
溶剤に溶解した後、これを界面活性剤および/または水
溶性高分子を保護コロイドとして含有する高分子水溶液
(水相)と混合し、ホモジナイザー等で乳化した乳化分
散物として用いることがより好ましい。この場合、必要
に応じて、低沸点溶剤を溶解助剤として用いることもで
きる。さらに、電子受容性化合物、有機塩基は別々に乳
化分散することも、混合してから高沸点溶媒に溶解し、
乳化分散することも可能である。好ましい乳化分散粒子
径は1μm以下である。
【0082】本発明の感熱記録材料において電子受容性
化合物を用いる場合、該電子受容性化合物は電子供与性
染料前駆体1重量部に対して、0.5〜30重量部の範
囲で使用することが好ましく、1.0〜10重量部の範
囲で使用することがより好ましい。
【0083】この場合に使用される有機溶剤は、例え
ば、特開平2−141279号公報に記載された高沸点
オイルの中から適宜選択することができる。中でもエス
テル類を使用することが、乳化分散液の乳化安定性の観
点がら好ましく、中でも、リン酸トリクレジルが特に好
ましい。上記のオイル同士、又は他のオイルとの併用も
可能である。
【0084】また、油相の水相に対する混合比(油相重
量/水相重量)は、0.02〜0.6が好ましく、0.
1〜0.4がより好ましい。0.02以下では、水相が
多すぎて希薄となり製造適性に欠け、0.6以上では逆
に液の粘度が高くなり、取扱いの不便さや塗布液安定性
の低下を生ずるため好ましくない。
【0085】上記のように調製した各種感熱記録層塗布
液には、バインダーが添加、混合される。前記バインダ
ーとしては、水溶性のものが一般的であり、ポリビニル
アルコ−ル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、エピクロルヒドリン変性ポリアミ
ド、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレインサ
リチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ア
ミド、メチロール変性ポリアクリルアミド、デンプン誘
導体、カゼイン、ゼラチン等が挙げられる。また、これ
らのバインダーに耐水性を付与する目的で耐水化剤を加
えたり、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、
スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリル樹脂エ
マルジョン等を添加することもできる。
【0086】上記のように調製した各種感熱記録層塗布
液を支持体上に塗布する際、水系または有機溶剤系の塗
布液に用いる公知の塗布手段が用いられるが、この場
合、感熱記録層塗布液を安全かつ均一に塗布するととも
に、塗膜の強度を保持するため、本発明の感熱記録材料
においては、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉類、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニル
アルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレンまたは
その共重合体、ポリエステルまたはその共重合体、ポリ
エチレンまたはその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレ
ート系樹脂またはその共重合体、メタアクリレート系樹
脂またはその共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等を使用することがで
きる。
【0087】感熱記録層は、塗布、乾燥後の乾燥塗布量
が1〜25g/m2 になるように塗布されること、およ
び該層の厚みが1〜25μmになるように塗布されるこ
とが望ましい。
【0088】以下に、感熱記録層に用いることのできる
その他の成分について述べる。その他の成分としては、
特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ
るが、例えば、公知の熱可融性物質、ワックス、紫外線
吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0089】前期熱可融性物質は、熱応答性の向上を図
る目的で感熱記録層に含有させることができる。熱可融
性物質としては、芳香族エーテル、チオエーテル、エス
テル及び又は脂肪族アミド又はウレイドなどがその代表
である。これらの例は、特開昭58−57989号、同
58−87094号、同61−58789号、同62−
109681号、同62−132674号、同63−1
51478号、同63−235961号、特開平2−1
84489号、同2−215585号の各公報などに記
載されている。
【0090】前記ワックスとしては、融点が40℃〜1
00℃の範囲にあり、且つ、その50%体積平均粒径が
0.7μm以下のものであることが好ましく、0.4μ
m以下のものであることがより好ましい。該平均粒径が
0.7μmを越える場合、感熱記録層の透明性が低下し
たり、画像のカスレが発生し好ましくない。また、融点
が40℃未満の場合、保護層表面が粘着性を帯びてくる
ため好ましくなく、100℃を越える場合には、サーマ
ルヘッドを用いた場合、そのヘッドとの間でスティッキ
ングが生じ易くなり好ましくない。
【0091】融点を40℃〜100℃に有するワックス
としては、例えば、パラフィンワックス;マイクロクリ
スタリンワックス等の石油ワックス;ポリエチレンワッ
クス等の合成ワックス;キャンデリラワックス、カルナ
バワックス、ライスワックス等の植物系ワックス;ラノ
リン等の動物系ワックス;モンタンワックス等の鉱物系
ワックスが挙げられる。中でも、融点を55℃〜75℃
に有するパラフィンワックスが特に好ましい。ワックス
の使用量は、保護層全体の0.5〜40重量%、好まし
くは1〜20重量%の割合で添加される。また、これら
のワックスと12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、高
級脂肪酸アミド等を併用して用いてももよい。
【0092】前記ワックスを上記した50%平均粒径に
まで分散する方法としては、ワックスを適当な保護コロ
イドや界面活性剤の共存下で、ダイノミルやサンドミル
等の公知の湿式分散機で分散する方法などが挙げられる
が、微粒子化する観点からは、一旦ワックスを加熱して
融解した後、この融点以上の温度下で、ワックスが不溶
または難溶の溶剤中で高速撹拌、超音波分散等の手段に
より乳化する方法や、ワックスを適当な溶剤に溶解した
後、ワックスが不溶または難溶の溶剤中で乳化する方法
等が挙げられる。この際、適当な界面活性剤や保護コロ
イドを併用してもよい。
【0093】前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤などが好適に挙げられる。これらの例は、特開昭
47−10537号、同58−111942号、同58
−212844号、同59−19945号、同59−4
6646号、同59−109055号、同63−535
44号、特公昭36−10466号、同42−2618
7号、同48−30492号、同48−31255号、
同48−41572号、同48−54965号、同50
−10726号の各公報、米国特許2,719,086
号、同3,707,375号、同3,754,919
号、同4,220,711号の各明細書などに記載され
ている。
【0094】前記酸化防止剤としては、ヒンダードアミ
ン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、
アニリン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤などが好
適に挙げられる。これらの例は、特開昭59−1550
90号、同60−107383号、同60−10738
4号、同61−137770号、同61−139481
号、同61−160287号の各公報などに記載されて
いる。
【0095】上記のようなその他の成分の塗布量として
は、0.05〜1.0g/m2 程度が好ましく、0.1
〜0.4g/m2 がより好ましい。なお、前記その他の
成分は、前記マイクロカプセル内に添加してもよいし、
前記マイクロカプセル外に添加してもよい。
【0096】また、電子受容性化合物の乳化液中の安定
性を改良する点で、下記一般式(5)で表される化合物
を添加することが好ましい。
【0097】
【化11】
【0098】〔式中、MはZn、CaまたはAlを表
す。nは2〜3の整数を表す。〕
【0099】前記一般式(5)で表される化合物の使用
量としては、電子受容性化合物1重量部に対して、1〜
100重量部が好ましく、8〜50重量部がより好まし
い。
【0100】さらに、印画後の面状を改良する目的で下
記一般式(6)で表される化合物及び下記一般式(7)
で表される化合物の少なくともいずれか一方を添加する
ことが好ましい。
【0101】
【化12】
【0102】〔式中、R11は、炭素数1〜8の直鎖また
は分鎖状のアルキル基を表し、中でもt−ブチル基が好
ましい。R12は、炭素数1〜8の直鎖または分鎖状のア
ルキル基を表し、中でも、t−ブチル基が好ましい。R
13は、炭素数5以下の2価の基を表し、中でも、エチレ
ン基が好ましい。R14は、炭素数10〜25のアルキル
基を表し、中でも、炭素数18の直鎖状のアルキル基が
好ましい。〕
【0103】
【化13】
【0104】〔式中、R15は、炭素数1〜8の直鎖また
は分鎖状のアルキル基を表し、中でも、メチル基が好ま
しい。R16は、炭素数1〜8の直鎖または分鎖状のアル
キル基を表し、中でも、t−ブチル基が好ましい。R17
は、炭素数5以下の2価の基を表し、中でも、エチレン
基が好ましい。R18は、ポリエーテル基を表し、中で
も、−C2 4 OCH2 −が好ましい。〕
【0105】前記一般式(6)で表される化合物及び一
般式(7)で表される化合物の少なくともいずれか一方
の使用量としては、電子受容性化合物1重量部に対し
て、0.5〜6重量部が好ましく、1.5〜4重量部が
より好ましい。前記一般式(6)で表される化合物と、
前記一般式(7)表される化合物とを併用する場合に
は、両者の重量比(一般式(6)で表される化合物:一
般式(7)表される化合物)としては、3:1〜1:3
が好ましい。
【0106】感度の向上を図る目的で下記一般式(8)
で表される化合物を添加することが好ましい。
【0107】
【化14】
【0108】〔式中、R19、R20、R21及びR22は、そ
れぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基を表し、中でも、アルキル基が好ま
しく、メチル基またはt−ブチル基が特に好ましい。〕
【0109】前記一般式(8)で表される化合物の使用
量としては、電子受容性化合物1重量部に対して、0.
25〜6重量部が好ましく、0.6〜4重量部がより好
ましい。
【0110】(下塗り層)本発明の感熱記録材料におい
ては、支持体から感熱記録層が剥がれることを防止する
目的で、マイクロカプセル等を含有する感熱記録層や光
反射防止層を塗布する前に、支持体上に下塗り層を設け
ることが望ましい。下塗り層としては、アクリル酸エス
テル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリ
エステル等を用いることができ、膜厚としては0.05
〜0.5μmとすることが望ましい。
【0111】下塗り層上に感熱記録層を塗布する際、感
熱記録層塗布液に含まれる水分により下塗り層が膨潤し
て、感熱記録層に記録された画像が悪化することがある
ので、下塗り層にはグルタルアルデヒド、2,3−ジヒ
ドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類およ
びホウ酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが望まし
い。これらの硬膜剤の添加量は、下塗り素材の重量に応
じて0.2〜3.0重量%の範囲で、所望の硬化度に合
わせて適宜、添加することができる。
【0112】本発明の感熱記録材料は、支持体上に下塗
り層、感熱記録層、保護層を順次、ブレード塗布法、エ
アナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング
塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法
等の公知の塗布方法により支持体上に塗布することによ
り形成することができる。
【0113】(保護層)前記保護層としては、単層構造
であってもよいし、二層以上の積層構造であってもよ
い。前記保護層に用いる材料としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、珪素変性ポ
リビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、スチ
レン−マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−マレ
イン酸共重合物ハーフエステル加水分解物、イソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリアクリル
アミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンス
ルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子
化合物、及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル
酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマ
ルジョン等のラテックス類などが挙げられる。
【0114】前記保護層に用いる水溶性高分子化合物を
架橋することにより、保存安定性をより一層向上させる
こともできる。この場合、前記架橋に用いる架橋剤とし
ては、公知の架橋剤を使用することができ、具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリンな
どが挙げられる。前記保護層には、更に公知の顔料、金
属石鹸、ワックス、界面活性剤などを使用することもで
きる。前記保護層の塗布量としては、0.2〜5g/m
2 が好ましく、0.5〜3g/m2 がより好ましい。前
記保護層の厚みとしては、0.2〜5μmが好ましく、
0.5〜3μmがより好ましい。前記保護層には、公知
のUV吸収剤やUV吸収剤プレカーサーを添加すること
もできる。
【0115】(支持体)前記支持体としては、特に制限
はなく、目的に応じて公知の支持体の中から適宜選択す
ることができ、例えば、上質紙、酸性紙、中性紙、コー
ト紙、プラスチックフィルムラミネート紙、合成紙、プ
ラスチックフィルムなどが挙げられる。前記支持体に
は、公知の下塗り層を設けてもよく、この下塗り層は前
記保護層と同様にして設けることができる。また、前記
支持体には、カールバランスの補正、裏面からの耐薬品
性の向上等の目的から、バックコート層を設けてもよ
く、また裏面に接着剤層を介して剥離紙を組み合わせて
ラベルの形態にしてもよい。前記バックコート層につい
ても前記保護層と同様にして設けることができる。
【0116】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。尚、以下実施例中の濃度は、全て重量%を表す。
【0117】(実施例1) <電子供与性染料前駆体を内包したマイクロカプセル液
(MC1)の調製>前記式(1−I)、下記式(E−
2)、下記式(E−3)、前記式(3−I)、下記式
(E−5)及び下記式(E−6)でそれぞれ表される化
合物(それぞれ10.9g、1.4g、2.1g、2.
6g、0.4g及び0.4g)を、酢酸エチル18g中
で加熱溶解させ、40℃まで冷却させた後、カプセル壁
材A−1(脂環族系イソシアネート化合物75%酢酸エ
チル溶液,商品名:タケネートD127N,武田薬品工
業(株)製)13.6g及びn−ブタノール0.4gを
添加し、40℃で40分攪拌させた。得られた溶液を、
ポリビニルアルコール8%溶液(商品名:PVA217
C;クラレ(株)製)40gと水13gとを混合した水
相に添加した後、エースホモジナイザー(日本精機
(株)製)を用い、回転数10000rpmで5分間乳
化分散を行った。得られた乳化液に、さらに水66g及
びテトラエチレンペンタミン0.6gを添加した後、6
0℃で4時間カプセル化反応を行わせて、平均粒子径が
0.6μmのカプセル液(MC1)を得た。なお、上記
平均粒子径はレーザー回折粒度分布測定装置(LA70
0;(株)堀場製作所製)を用いて測定した50%体積
平均粒子径である。以下において、特に断りがない限
り、平均粒子径は上記の50%体積平均粒子径を表す。
【0118】<電子供与性染料前駆体を内包したマイク
ロカプセル液(MC2)の調製>前記式(1−I)、下
記式(E−2)、下記式(E−3)、前記式(3−
I)、下記式(E−6)及び下記式(E−7)でそれぞ
れ表される化合物(それぞれ10.5g、1.4g、
2.0g、4.2g、0.4g及び0.3g)を酢酸エ
チル20g中で加熱溶解させ、60℃まで冷却させた
後、カプセル壁材B−1(脂環族系イソシアネート化合
物75%酢酸エチル溶液,商品名:タケネートD140
N,武田薬品工業(株)製)12.4gを添加し攪拌さ
せた。得られた溶液をポリビニルアルコール8%溶液
(商品名:PVA217C;クラレ(株)製)40gと
水13gとを混合した水相に添加した後、エースホモジ
ナイザー(日本精機(株)製)を用い、回転数1000
0rpmで5分間乳化分散を行った。得られた乳化液
に、さらに水70g及びテトラエチレンペンタミン0.
8gを添加した後、60℃で3時間カプセル化反応を行
わせて、平均粒子径が0.6μmのカプセル液(MC
2)を得た。
【0119】
【化15】
【0120】
【化16】
【0121】<電子受容性化合物(顕色剤)乳化分散液
(A)の調製>下記式(F−1)、下記式(F−2)、
下記式(F−3)、下記式(F−4)、下記式(F−
5)、下記式(F−6)、下記式(F−7)及び下記式
(F−8)でそれぞれ表される化合物(それぞれ1.7
g、5.5g、3.5g、3.4g、3.5g、4.6
g、21.6g及び4.5g)を、TCP(大八化学
(株)製オイル)1.1g、DEM(大八化学(株)製
オイル)0.6g及び酢酸エチル17.7gを混合した
溶液に溶解させた。得られた溶液を、ポリビニルアルコ
ール15%溶液(商品名:PVA205C;クレラ
(株)製)21.8g、ポリビニルアルコール8%溶液
(商品名:PVA217C;クラレ(株)製)61.4
g、ドデシルスルホン酸ナトリウム0.5g及び水6
7.4gを混合した水相に添加した後、エースホモジナ
イザー(日本精機(株)製)を用い、回転数10000
rpmで3分間乳化分散し、平均粒子径が0.6μmの
電子受容性化合物(顕色剤)乳化分散液(A)を得た。
【0122】
【化17】
【0123】
【化18】
【0124】<保護層用塗布液の調製>水30g、ポリ
ビニルアルコール6%溶液(商品名:PVA124C;
クラレ(株)製)20g、スルホコハク酸ジオクチルの
ナトリウム塩2%溶液0.3g、水酸化アルミニウム分
散物〔水100g中に、ポリビニルアルコール(PVA
105;クラレ(株)製)2gを混合した水溶液に水酸
化アルミニウム20gをボールミルで分散させたもの〕
15.0g及びステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリン
Z;中京油脂(株)製)0.5gを混合して保護層用塗
布液を得た。
【0125】<下塗り層を設けた透明支持体の作製>青
色に着色された、厚み175μmのポリエチレンテレフ
タレートの一方の面にSBRラテックスを固形分重量で
0.3g/m2 となるようにし塗布した後、下記下塗り
層用塗布液を片面当たりの固形分重量が0.1g/m2
となるように塗布して、透明支持体を得た。
【0126】<下塗り層用塗布液の調製>ゼラチン5%
水溶液(#810;新田ゼラチン(株)製)200g、
粒子径2μmのポリメチレンメタクリレート樹脂粒子を
5%分散したゼラチン0.5g、1,2−ベンゾチアゾ
リン−3−オン3%水溶液1.0g及びスルホン酸ジ
(2−エチル)ヘキシル2%水溶液10gを混合して下
塗り層用塗布液を得た。
【0127】<感熱記録層用塗布液(1)の調製>既に
調製したマイクロカプセル液(MC1)5.4g、マイ
クロカプセル液(MC2)11.5g、顕色剤乳化分散
物(A)70g及び水26gを混合して、感熱記録層用
塗布液(1)を得た。
【0128】<感熱記録材料の作製>既に作製した、一
方の面に下塗り層を設けた透明支持体の、該下塗り層上
に上記感熱記録層用塗布液(1)を固形分重量で14g
/m2 となるように塗布・乾燥した後、さらにその層上
に前記保護層用塗布液を固形分重量で2.8g/m2
なるように塗布・乾燥して本発明の感熱記録材料(1)
を得た。本発明の感熱記録材料中における、一般式
(1)で表される電子供与性染料前駆体と、一般式
(3)で表される電子供与性染料前駆体と、の含有重量
比は、10:3.5であった。また、一般式(1)で表
される電子供与性染料前駆体と一般式(4)で表される
電子受容性化合物との重量比は1:1であった。
【0129】(実施例2)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC1の調製に用いたカ
プセル壁材A−1をカプセル壁材A−2(脂環族系イソ
シアネート化合物75%酢酸エチル溶液,商品名:タケ
ネートD120N,武田薬品工業(株)製)13.6g
に代えた以外、前記実施例1と同様にして感熱記録層用
塗布液(2)を調製し、さらに、実施例1と同様の方法
により本発明の感熱記録材料(2)を得た。
【0130】(実施例3)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC2の調製に用いたカ
プセル壁材B−1をカプセル壁材B−2(脂環族系イソ
シアネート化合物70%酢酸エチル溶液,商品名:タケ
ネートKIT−1,武田薬品工業(株)製)13.3g
に代えた以外、前記実施例1と同様にして感熱記録層用
塗布液(3)を調製し、さらに、実施例1と同様の方法
により本発明の感熱記録材料(3)を得た。
【0131】(実施例4)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC1の調製に用いたカ
プセル壁材A−1をカプセル壁材A−2(脂環族系イソ
シアネート化合物75%酢酸エチル溶液,商品名:タケ
ネートD120N,武田薬品工業(株)製)13.6g
に代え、かつ前記MC2の調製に用いたカプセル壁材B
−1をカプセル壁材B−2(脂環族系イソシアネート化
合物70%酢酸エチル溶液,商品名:タケネートKIT
−1,武田薬品工業(株)製)13.3gに代えた以
外、前記実施例1と同様にして感熱記録層用塗布液
(4)を調製し、さらに、実施例1と同様の方法により
本発明の感熱記録材料(4)を得た。
【0132】(比較例1)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC1の調製に用いたカ
プセル壁材A−1を芳香族/脂環族系イソシアネート化
合物75%酢酸エチル溶液(商品名:タケネートD11
0N;武田薬品工業(株)製)13.6gに代え、かつ
前記MC2の調製に用いたカプセル壁材B−1を芳香族
/脂環族系イソシアネート化合物75%酢酸エチル溶液
(商品名:タケネートD110N;武田薬品工業(株)
製)12.4gに代えた以外、前記実施例1と同様にし
て感熱記録層用塗布液(5)を調製し、さらに、実施例
1と同様の方法により感熱記録材料(5)を得た。
【0133】(比較例2)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC1の調製に用いたカ
プセル壁材A−1を、芳香族/脂環族系イソシアネート
化合物75%酢酸エチル溶液(商品名:タケネートD1
10N,武田薬品工業(株)製)8.5g及びカプセル
壁材A−1(脂環族系イソシアネート化合物75%酢酸
エチル溶液,タケネートD127N,武田薬品工業
(株)製)5.1gに代え、かつ前記MC2の調製に用
いたカプセル壁材B−1を、芳香族/脂環族系イソシア
ネート化合物75%酢酸エチル溶液(商品名:タケネー
トD110N;武田薬品工業(株)製)8.1g及びカ
プセル壁材B−1(脂環族系イソシアネート化合物75
%酢酸エチル溶液,タケネートD140N,武田薬品工
業(株)製)4.3gに代えた以外、前記実施例1と同
様にして感熱記録層用塗布液(6)を調製し、さらに、
実施例1と同様の方法により感熱記録材料(6)を得
た。
【0134】(比較例3)実施例1の感熱記録層用塗布
液(1)の調製において、前記MC1の調製に用いたカ
プセル壁材A−1を、芳香族/脂環族系イソシアネート
化合物75%酢酸エチル溶液(商品名:タケネートD1
10N;武田薬品工業(株)製)3.4g及びカプセル
壁材A−1(脂環族系イソシアネート化合物75%酢酸
エチル溶液,タケネートD127N,武田薬品工業
(株)製)10.2gに代え、かつ前記MC2の調製に
用いたカプセル壁材B−1を、芳香族/脂環族系イソシ
アネート化合物75%酢酸エチル溶液(商品名:タケネ
ートD110N;武田薬品工業(株)製)3.7g及び
カプセル壁材B−1(脂環族系イソシアネート化合物7
5%酢酸エチル溶液,タケネートD140N,武田薬品
工業(株)製)8.7gに代えた以外、前記実施例1と
同様にして感熱記録層用塗布液(7)を調製し、さら
に、実施例1と同様の方法により感熱記録材料(7)を
得た。
【0135】<印字方法及び性能評価>上記実施例1〜
4より得られた本発明の感熱記録材料(1)〜(4)及
び比較例1〜3より得られた感熱記録材料(5)〜
(7)について、下記評価を行った。上記の各感熱記録
材料に対して、サーマルヘッドの印加熱エネルギーを7
0mJ/mm2 に調整したサーマルプリンター(TRT
16;長野日本無線(株)製)を用い、温度23℃、相
対湿度20%RHの環境下で2時間調湿した感熱記録材
料を加熱印画し、得られた各画像の発色濃度(X)をマ
クベス濃度計(RD−918;マクベス社製)により測
定した。また、上記の各感熱記録材料を温度23℃、相
対湿度70%RHの環境下で2時間調湿した後、上記サ
ーマルプリンターを用いて上記と同一の加熱条件(同一
熱エネルギー)により加熱印画し、得られた各画像の発
色濃度(Y)を上記濃度計により測定した。上記濃度
(X),(Y)を用いて飽和濃度(Dmax)に対する
発色度(〔%〕;X/Dmax,Y/Dmax)を算出
し、下記の表1に示す。さらに、上記結果をもとに評価
した結果も併せて表1に示す。
【0136】
【表1】
【0137】表1から明らかなように、本発明に規定す
るポリウレタン樹脂を含有した感熱記録層を支持体上に
有してなる実施例1〜4の本発明の感熱記録材料は、相
対湿度20%RH環境下で飽和濃度の15〜20%の範
囲の濃度が得られる加熱印加条件により、相対湿度70
%RH環境下で調湿した上記本発明の感熱記録材料を発
色させた場合、その発色濃度は飽和濃度の15〜30%
の濃度範囲内にあり、湿度の影響による濃度変動が大幅
に抑制されていることが明らかである。一方、比較例1
〜3の本発明に規定するポリウレタン樹脂を含有しない
感熱記録層を支持体上に有する感熱記録材料では、実施
例の場合と同様にして得られた70%RH環境下の調湿
後の濃度が飽和濃度の30%濃度を超えており、湿度変
化に対する影響を受けやすいことが明らかである。
【0138】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、保存や加熱印
画する際の環境、特に、湿度に対する影響を受け難い、
即ち、湿度変化に起因して生ずる濃度変動が少ない感熱
記録材料であるため、高湿環境下であっても濃度変動の
少ない、安定した画像を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、無色または淡色の電子供与
    性染料前駆体と電子受容性化合物とを含有し、且つ、こ
    れらのいずれか一方がマイクロカプセルに内包されるこ
    とを特徴とする感熱記録層を支持体上に有してなる感熱
    記録材料において、 温度23℃、相対湿度20%RHの環境条件下に感熱記
    録材料中に含有される水分量が平衡状態に達するのに十
    分な時間置き、さらに同一環境条件下で発色させたとき
    の発色濃度をその熱エネルギー条件における飽和濃度
    (Dmax)の15〜25%の範囲の濃度としうる加熱
    印画条件を用いて、 温度23℃、相対湿度70%RHの環境条件下に感熱記
    録材料中に含有される水分量が平衡状態に達するのに十
    分な時間置き、さらに同一環境条件下で発色させた場
    合、その発色濃度が、前記飽和濃度の15〜30%の範
    囲の濃度であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記マイクロカプセルの壁材がポリウレ
    タン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の感熱
    記録材料。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン樹脂が、脂環族系イソ
    シアネート化合物、或いは、それらの誘導体からなるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の感熱記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009231515A (ja) * 2007-03-30 2009-10-08 Fujifilm Corp 有機電界発光素子

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