JP2000094244A - 複合加工方法及び複合加工装置 - Google Patents

複合加工方法及び複合加工装置

Info

Publication number
JP2000094244A
JP2000094244A JP10273699A JP27369998A JP2000094244A JP 2000094244 A JP2000094244 A JP 2000094244A JP 10273699 A JP10273699 A JP 10273699A JP 27369998 A JP27369998 A JP 27369998A JP 2000094244 A JP2000094244 A JP 2000094244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
work
indexing
feed
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10273699A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ota
博 太田
Yoshihiro Somei
義博 惣明
Eiji Kato
栄二 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Koki KK filed Critical Toyoda Koki KK
Priority to JP10273699A priority Critical patent/JP2000094244A/ja
Publication of JP2000094244A publication Critical patent/JP2000094244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turning (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数位置に割り出して複合加工を行う場合
に、他の割出し位置で加工がなされた部分に対する溝の
軸線方向の角度誤差を実質的に0にする。 【解決手段】 ワークWを複数位置に旋回割り出しし、
割出し位置の1つにおいては溝Wcの加工を行い、他の
割出し位置では溝が加工される部分(例えば中心孔W
a)の加工を行う。溝加工工具G1は、主送り方向Xと
これと交差する補正送り方向Zの2方向に案内支持され
ている。事前に同じようにして複合加工されたワークを
計測して、他の割出し位置で加工がなされた部分に対す
る溝の軸線方向の角度誤差を取得しておき、その後の加
工ではこの角度誤差が補正されるように、主送り方向の
送りに対する補正方向の送りを制御する。溝加工工具
は、主送り方向と直交する回転軸線を有する溝加工砥石
車とするのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の割出し位置
においてワークを加工する複合加工方法及び複合加工装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト式無段変速装置の可動シーブは、
図3に示すように、固定シーブ(図示省略)の中心軸が
挿通される中心孔Waと、これと同軸的に形成されるシ
ーブ面Wbと、中心孔Waに形成されて中心軸に設けた
ボールスプラインと軸動自在に係合されるスプライン溝
Wcを有している。このような可動シーブを加工する方
法としては、例えば特公平6−49256号公報に開示
された技術がある。これは、予め加工された中心孔Wa
にブローチ加工によりスプライン溝Wcを形成し、この
スプライン溝Wcを加工証として加工基準面を加工し、
この加工基準面を基準としてシーブ面Wbの加工を行う
ものである。この加工方法では、加工基準面を含む各部
分の加工を異なる加工装置により行っているので、加工
装置の数が多くなり、またその都度可動シーブの着脱の
手間を要して加工工数が多くなるので製造コストが増大
するという問題がある。
【0003】このような問題を解決するために、加工装
置に可動シーブを1回取り付けただけ(ワンチャック)
で全ての加工を行う複合加工装置が提案されている。こ
れは、180度位相が異なる2位置に旋回割り出しを行
う割出し装置上に2つの主軸台を設け、各主軸台に同軸
的に取り付けた可動シーブに、一方の割出し位置では中
心孔Waとシーブ面Wbを加工し、他方の割出し位置で
は一方向にのみ移動する溝加工砥石車によりスプライン
溝Wcを加工するものである(図1参照。ただし溝加工
砥石車G1はX方向に移動するだけで、Z方向には移動
しない)。この複合加工装置によればワンチャックで全
ての加工ができるので、製造コストを低下させることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
2の従来技術では、可動シーブの旋回割出しを行う割出
し装置に割出し誤差があると、一方の割出し位置で加工
される中心孔Waに対し他方の割出し位置で加工される
スプライン溝Wcは割出し誤差の分だけ傾いて加工され
てしまう。このため固定シーブの中心軸に設けたボール
スプラインとスプライン溝Wcの間の係合に不具合を生
じ、食い付きを生じて可動シーブが固定シーブに対し摺
動しなくなることがある。このような問題はベルト式無
段変速装置の可動シーブと固定シーブの間に限らず、ス
プライン係合あるいはキー係合される部材の間に生じ
る。本発明はこのような各問題を解決することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る複合加工方法は、ワークを複数位置に旋回割り出し
し、各割出し位置においてワークの加工を行う複合加工
方法において、主送り方向とこれと交差する補正送り方
向の2方向に案内支持された溝加工工具により1つの割
出し位置に割出されたワークの他の割出し位置において
加工がなされたあるいは加工がなされる部分に溝を加工
し、この溝の加工では、同じ複合加工方法により事前に
加工されたワークを計測することにより得られた他の割
出し位置において加工がなされた部分に対する溝の軸線
方向の角度誤差に基づき、この角度誤差が補正されるよ
うに、主送り方向の送りに対する補正方向の送りを制御
することを特徴とするものである。
【0006】前項の発明では、ワークには他の割出し位
置において中心孔の加工がなされ、溝は中心孔の内面に
形成するようにしてもよい。
【0007】また本発明による複合加工装置は、ワーク
を支持して複数位置に旋回割り出しする割出し装置と、
各割出し位置においてワークの加工を行う複数の加工ユ
ニットを備えてなる複合加工装置において、複数の加工
ユニットは主送り方向とこれと交差する補正送り方向の
2方向に案内支持されて1つの割出し位置に割出された
ワークの他の割出し位置において加工がなされたあるい
は加工がなされる部分に溝を加工する溝加工工具を備え
た溝加工ユニットを含み、この溝加工ユニットは、同じ
複合加工装置により事前に加工されたワークを計測する
ことにより得られた他の割出し位置において加工がなさ
れた部分に対する溝の軸線方向の角度誤差に基づき、こ
の角度誤差が補正されるように、主送り方向の送りに対
する補正方向の送りを制御するものであることを特徴と
するものである。
【0008】前項の発明の割出し装置はワークを同軸的
に回転可能に支持する主軸台を備え、加工ユニットは他
の割出し位置においてワークに中心孔の加工を行う内面
加工ユニットを含み、溝は中心孔の内面に形成するもの
とするのがよい。
【0009】前2項の発明の溝加工工具は、主送り方向
と直交する回転軸線を有する溝加工砥石車であることが
好ましい。
【0010】本発明による各複合加工方法及び複合加工
装置では、同一のワークの最初のものは、補正方向の送
りを与えることなく溝の加工を行い、そのワークを計測
することにより他の割出し位置で加工がなされた部分に
対する溝の軸線方向の角度誤差を求めておく。それ以後
のワークでは、このようにして求めた角度誤差に基づ
き、角度誤差が補正されるように、主送り方向の送りに
対する補正方向の送りを制御して角度誤差が補正される
ように溝の加工を行う。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明による複合加工方法
及び複合加工装置を、図1〜図6に示す実施の形態によ
り説明する。この実施の形態では、加工の対象となるワ
ークWは図3に示すベルト式無段変速装置の可動シーブ
であり、中心孔Wa、シーブ面Wb及びスプライン溝
(溝)Wcが加工される。この複合加工装置は、図1の
全体平面図に示すように、ベッド10上の中央部にワー
クWを支持する割出し装置20が設けられ、その左側に
溝加工ユニット40が、右側に内面加工ユニット50
が、また上側にシーブ面加工ユニット60が設けられて
いる。
【0012】割出し装置20は、図1及び図2に示すよ
うに、ベッド10上に鉛直軸線回りに回転自在に支持さ
れた旋回テーブル21を有している。この旋回テーブル
21は、ウォームホイール22とウォーム23を介して
割出しモータ24により180度位相の異なる2つの割
出し位置に往復旋回割り出しされ、その外周縁に180
度の位相差をおいて固着された1対の位置決め部材25
A,25Bと、ベッド10上に設けた位置決め装置26
により各割出し位置に保持される。ベッド10上に固定
した位置決め装置26のハウジング27には旋回テーブ
ル21に向かって進退可能に可動部材28が支持され、
同じくハウジング27に設けたシリンダ装置29のピス
トンロッド29aの先端と可動部材28の後端とは互い
に連結されている。旋回テーブル21が各割出し位置に
旋回割り出された状態で、シリンダ装置29により可動
部材28を前進させ、その先端のテーパ部を対応する位
置決め部材25Aまたは25Bのノッチ25aに係合す
ることにより、その割出し位置に正確に位置決め保持さ
れる。
【0013】旋回テーブル21上には、チャック31a
を介してワークWが同軸的に取り付けられる主軸31と
これを回転駆動する主軸モータ32を有する第1及び第
2主軸台30A,30Bが互いに逆向きに取り付けられ
ている。この両主軸台30A,30Bの回転軸線は水平
かつ互いに平行であり、旋回テーブル21が各割出し位
置に割り出された状態では、次に述べる溝加工ユニット
40の第1可動テーブル42の移動方向(X方向)と平
行になるようにされている。各主軸台30A,30Bの
主軸31にチャック31aを介して取り付けられた各ワ
ークWは主軸モータ32により割り出しまたは回転駆動
可能であり、このワークWが取り付けられる各主軸31
の先端部は割出し装置20の一方の割出し位置では内面
加工ユニット50及びシーブ面加工ユニット60側とな
る第1加工位置P1に割り出され、他方の割出し位置で
は溝加工ユニット40側となる第2加工位置P2に割り
出される。
【0014】溝加工ユニット40は、図1に示すよう
に、ベッド10上に固定された第1固定テーブル41に
より水平なX方向(主送り方向)に移動可能に案内支持
されてX軸モータ46により往復移動される第1可動テ
ーブル42と、この第1可動テーブル42によりX方向
と直交する水平なZ方向(補正送り方向)に移動可能に
案内支持されてZ軸モータ47により往復移動される移
動台43と、この移動台43に鉛直なY方向に移動可能
に案内支持された昇降台44と、この昇降台44から第
2加工位置P2に向かって突出するアーム45と、その
先端に設けられた溝加工砥石車G1を備えている。溝加
工砥石車G1は、回転面がX方向と平行な鉛直面となる
ようにZ方向と平行な軸線回りに回転可能にアーム45
の先端に支持されて回転駆動され、ワークWの中心孔W
a内に挿入されてワークWのスプライン溝Wcを加工す
るものである。この実施の形態では、第2加工位置P2
に割り出されたワークWは、主軸31の回転により12
0度おきに割り出され、その都度アーム45が前進され
て、中心孔Waの内面には3本のスプライン溝Wcが形
成される。
【0015】内面加工ユニット50は、図1に示すよう
に、ベッド10上に固定された第2固定テーブル51に
よりX方向と平行なX1方向に移動可能に案内支持され
てX1軸モータ56により往復移動される第2可動テー
ブル52と、この第2可動テーブル52によりZ方向と
平行なZ1方向に移動可能に案内支持されてZ1軸モー
タ57により往復移動される第1砥石台53と、この第
1砥石台53上に設けられてX1方向の回転軸線を有す
る第1砥石モータ54よりなり、第1砥石モータ54の
回転軸の先端には砥石軸55を介して内面加工砥石車G
2が設けられている。第1砥石モータ54により回転駆
動される内面加工砥石車G2は、Z1方向のプランジ送
りとX1方向のトラバース送りが与えられ、回転してい
る主軸31の先端に取り付けられたワークWの中心孔W
a内に挿入されて、中心孔Waの内面を加工する。
【0016】またシーブ面加工ユニット60は、図1に
示すように、ベッド10上に固定された第3固定テーブ
ル61によりZ方向に対し多少傾斜した水平なA方向に
移動可能に案内支持されてA軸モータ66により往復移
動される第3可動テーブル62と、この第3可動テーブ
ル62によりA方向と直交する水平なB方向に移動可能
に案内支持されてB軸モータ67により往復移動される
第2砥石台63と、この第2砥石台63に設けられてB
方向に対し傾斜した水平な回転軸線を有する第2砥石モ
ータ64よりなり、第2砥石モータ64の先端には砥石
軸65を介してシーブ面加工砥石車G3が設けられてい
る。第2砥石モータ64により回転駆動されるシーブ面
加工砥石車G3は、B方向のプランジ送りとA方向のト
ラバース送りが与えられて、回転している主軸31の先
端に取り付けられたワークWのシーブ面Wbを加工す
る。
【0017】上記実施の形態の割出し装置20は、主軸
31に固着した1対の位置決め部材25A,25Bのノ
ッチ25aに位置決め装置26の可動部材28先端部を
係合することにより180度位相の異なる2つの割出し
位置に割り出しを行うものであるが、各位置決め部材2
5A,25Bの旋回テーブル21への取付誤差や、その
ノッチ25a及びこれと係合する可動部材28先端のテ
ーパ部の摩耗などにより割出し誤差が生じ、2つの割出
し位置の位相差は正確に180度にはならない。このた
め第2加工位置P2でスプライン溝Wcを加工する際に
X方向送りを与えただけでは、スプライン溝Wcは第1
加工位置P1で加工される中心孔Waの軸線に対し平行
にはならず、割出し誤差の分だけ角度が付いて加工さ
れ、角度誤差θが生じる。この実施の形態では、図3に
示すように、この角度誤差θが補正されるように、X方
向の送りに対するZ方向の送りを制御して、溝加工砥石
車G1によるスプライン溝Wcの加工を行っている。
【0018】しかしながら、溝加工砥石車G1は、その
回転面がX方向と平行な鉛直面となるようにアーム45
の先端に回転可能に支持されているので、上述のように
角度誤差θを補正するためにZ方向の送りを制御してス
プライン溝Wcの研削を行うと、図3に示すように、溝
加工砥石車G1はその回転面に対し補正角度θだけ傾い
た方向に移動してスプライン溝Wcの研削をすることに
なり、スプライン溝Wcの断面形状に誤差を生じる。こ
の誤差は図4に示す溝口元幅L1とボール当り部幅L2
の誤差により代表され、それぞれは図5に示すように補
正角度θの関数となる。この溝口元幅L1とボール当り
部幅L2の誤差がそれぞれの要求精度S1及びS2の何
れも越えないようにするには、この補正角度θは各要求
精度S1及びS2に対応する補正角度θ1 及びθ2 の何
れよりも小さくしなければならず、補正角度θがθ1
たはθ2 よりも大きくなれば、角度誤差θをZ方向送り
により補正することは出来なくなり、位置決め部材25
A,25Bの位置調整または交換、あるいは主軸台30
A,30Bの位置調整が必要となる。
【0019】次に、上記実施の形態の複合加工装置によ
りワークWを加工する方法を、図6に示すフローチャー
トにより説明する。先ず、1ロットのワークWの最初の
2つを第1及び第2主軸台30A,30Bの各主軸31
の先端にそれぞれ取り付け、第1主軸台30Aに取り付
けた第1のワークWを割出し装置20により第1加工位
置P1に割り出して、内面加工ユニット50及びシーブ
面加工ユニット60により中心孔Waの内面研削及びシ
ーブ面Wbの研削を行い、研削が終了すればこの第1の
ワークWを割出し装置20により第2加工位置P2に割
り出して、Z方向の送りを与えることなくX方向の送り
のみを与えて溝加工ユニット40の溝加工砥石車G1に
よりスプライン溝Wcの加工を行う(ステップ10
0)。次いでこの第1のワークWを取り外して中心孔W
aの軸線方向に対するスプライン溝Wcの軸線方向の角
度誤差θを計測して、第1主軸台30Aに関する補正角
度θA(=θ)を取得する(ステップ101)。そして
θA ≦θ1 及びθA ≦θ2 の両条件を満足するか否かを
判断し(ステップ102)、この両条件を満足する場合
は次のステップ103に進み、両条件の一方でも満足し
ない場合は、前述のように角度誤差θをZ方向送りによ
り補正することは出来ないので、手動により位置決め部
材25A,25Bの位置調整または交換、あるいは主軸
台30A,30Bの位置調整(ステップ106)を行っ
てこの角度誤差θを小さくしてから、ステップ100か
ら制御動作をやり直す。
【0020】ステップ103〜105では、第2主軸台
30Bに取り付けた第2のワークWにつきステップ10
0〜102と同様な動作を行って第2主軸台30Bに関
する補正角度θB を取得し(ステップ104)、そして
θB ≦θ1 及びθB ≦θ2 の両条件をを満足する場合は
次のステップ110に進み、両条件の一方でも満足しな
ければステップ106の処理を行って、ステップ100
から制御動作をやり直す。以上は、ステップ110以降
においてX方向の送りに対するZ方向の送りを制御し
て、割出し誤差による角度誤差θが補正されるようにワ
ークWの補正加工を行うための準備である。
【0021】ステップ110以降では、第1主軸台30
Aと第2主軸台30Bに取り付けたワークWを、交互に
補正加工する。先ず第1主軸台30Aの主軸31の先端
部に取り付けたワークWを割出し装置20により第1加
工位置P1に割り出して、内面加工ユニット50及びシ
ーブ面加工ユニット60により中心孔Waの内面研削及
びシーブ面Wbの研削を行う(ステップ110)。次い
で何れの主軸台で加工がなされているかを判断し(ステ
ップ111)、この場合は第1主軸台30Aで加工がな
されているので、ステップ101で取得した補正角度θ
A に基づいて第1主軸台30Aに関するX方向のトラバ
ース量に対するZ方向の補正量ZA を計算し(ステップ
112)、この補正量ZA に基づいて溝加工ユニット4
0のX方向の送りに対するZ方向の送りを制御して、溝
加工砥石車G1により第1主軸台30Aに取り付けたワ
ークWのスプライン溝Wcの加工を行う(ステップ11
3)。これにより割出し誤差による角度誤差θは補正さ
れ、中心孔Waの軸線方向に対するスプライン溝Wcの
軸線方向の角度誤差は実質的に0になる。
【0022】ステップ113が終了すれば、ワークWを
第1主軸台30Aから取り外してステップ110に戻
り、この状態では第1加工位置P1側に割り出されてい
る第2主軸台30Bの主軸31の先端部にワークWを取
り付け、前述と同様ステップ110及び111により中
心孔Waの内面研削及びシーブ面Wbの研削を行い、何
れの主軸台で加工がなされているかを判断する。この場
合は第2主軸台30Bで加工がなされているので、ステ
ップ112及び123と同様なステップ114及び11
5により第2主軸台30Bに関するX方向のトラバース
量に対するZ方向の補正量ZB を計算し、これに基づい
て溝加工ユニット40のX方向の送りに対するZ方向の
送りを制御して、溝加工砥石車G1により第2主軸台3
0Bに取り付けたワークWのスプライン溝Wcの加工を
行う。これにより第2主軸台30Bに取り付けたワーク
Wも中心孔Waの軸線方向に対するスプライン溝Wcの
軸線方向の角度誤差は実質的に0になる。
【0023】ステップ115が終了すれば、ワークWを
第2主軸台30Bから取り外してステップ110に戻
り、これ以後はワークWを両主軸台30A,30Bの主
軸31の先端部に交互に取り付けて加工する。
【0024】上記実施の形態によれば、溝加工ユニット
40は溝加工砥石車G1にX方向及びZ方向の2方向の
送りを与え、X方向の送りに対するZ方向の送りを制御
することにより、第1加工位置P1で加工がなされた中
心孔Waの軸線方向に対する第2加工位置P2で加工さ
れたスプライン溝Wcの軸線方向の角度誤差が補正され
て実質的に0になるので、このような角度誤差によりワ
ーク(可動シーブ)Wの中心孔Waに挿通される固定シ
ーブの中心軸に設けたボールスプラインにスプライン溝
Wcが食い付いて、可動シーブと固定シーブが互いに摺
動しなくなるという不都合が生じることはなくなる。
【0025】同じ部品の異なるロットの加工を行う場合
は、図6のフローチャートにより説明したのと同じよう
にして行えばよいが、各主軸台30A,30Bにおいて
最初となる2つのワークWのスプライン溝Wcの研削
は、前回のロット加工の際に得られた補正量ZA,ZB
基づいて溝加工ユニット40のX方向の送りに対するZ
方向の送りを制御して、スプライン溝Wcの加工を行っ
てもよい。このようにすれば角度誤差θは小さくなり、
またステップ112及び114で計算する補正量ZA
Bは、前回の補正量に今回の角度誤差θによる補正量
を加えたものとすればよい。Z方向の送りを0としてロ
ットの最初となる2つのワークWのスプライン溝Wcの
加工を行った場合は、その2つのワークWは精度不足で
不良品となる可能性が少なくないが、上述のようにして
異なるロットの加工を行えば、ロットの最初の2つのワ
ークWが精度不足で不良品となる可能性はほとんどなく
なる。
【0026】この実施の形態では、スプライン溝Wcは
溝加工砥石車G1により研削されているのでその精度が
向上し、食い付きなどの不都合が生じるおそれは一層減
少する。しかし本発明のスプライン溝Wcの加工は溝加
工砥石車の代わりにバイトなどの切削工具を用いて行っ
てもよい。なおこの実施の形態では、第2加工位置P2
に割り出されたワークWは、主軸31の回転により12
0度おきに割り出され、中心孔Waの内面には3本のス
プライン溝Wcが形成されるので、可動シーブと固定シ
ーブ間の伝達トルクを増大させることもできる。
【0027】旋回テーブル21上に設けられてワークW
を取り付ける主軸台の数は、上記実施の形態のように2
個に限らず、1個でもよいし、3個以上としてもよい。
またX方向に対するZ方向の交差角度も、上記実施の形
態のように直角に限らず、適当な角度とすることもでき
る。また上記実施の形態では、ワークWを先ず第1加工
位置P1に割り出して中心孔Waを加工してからワーク
Wを第2加工位置P2に割り出して溝Wcを加工してい
るが、この加工順序は逆にしてもよい。
【0028】上記実施の形態は、ベルト式無断変速機の
可動シーブをワークWとし、中心孔Waとその内面に加
工されるスプライン溝Wcを加工する場合の例につき説
明したが、本発明は異なる位置に割り出されて加工され
る溝と他の加工箇所との間の角度誤差を減少させる場合
に広く適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の複合加工方法によれば、主送り
方向の送りに対する補正方向の送りを制御することによ
り、他の割出し位置で加工がなされた部分に対する溝の
軸線方向の角度誤差が補正されて実質的に0になるの
で、加工されたワークにこのような角度誤差による作動
の不具合を生じることはなくなる。
【0030】前項の発明において、他の割出し位置にお
いて加工された中心孔の内面に溝を形成するようにした
ものによれば、中心孔の中心軸線に対する溝の角度誤差
が補正されて実質的に0になるので、このような角度誤
差により中心孔に挿通される軸に設けられる突出部と溝
とが食い付いて、加工されたワークとこれに挿通される
軸が摺動しなくなるという不都合が生じることはなくな
る。
【0031】本発明の複合加工装置によれば、溝加工ユ
ニットが主送り方向の送りに対する補正方向の送りを制
御することにより、他の割出し位置で加工がなされた部
分に対する溝の軸線方向の角度誤差が補正されて実質的
に0になるので、加工されたワークにこのような角度誤
差による作動の不具合を生じることはなくなる。
【0032】前項の発明の割出し装置は、ワークを同軸
的に回転可能に支持する主軸台を備えたものとし、加工
ユニットは他の割出し位置においてワークに中心孔の加
工を行う内面加工ユニットを含むものとし、溝は中心孔
の内面に形成するようにしたものによれば、中心孔の中
心軸線に対する溝の角度誤差が補正されて実質的に0に
なるので、このような角度誤差により中心孔に挿通され
る軸に設けられる突出部と溝とが食い付いて、加工され
たワークとこれに挿通される軸が摺動しなくなるという
不都合が生じることはなくなり、また複数の溝を中心孔
の内面に形成できるので、加工されたワークとこれに挿
通される軸の間の伝達トルクを増大させることもでき
る。
【0033】前2項の発明の溝加工工具を主送り方向と
直交する回転軸線を有する溝加工砥石車としたものによ
れば、形成される溝も精度が向上するので加工されたワ
ークに生じる不具合は一層減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による複合加工装置の一実施形態の全
体構造を示す平面図である。
【図2】 図1に示す実施の形態の割出し装置付近の拡
大平面図である。
【図3】 本発明により加工されるワークの一例の溝加
工状態を示す水平断面図である。
【図4】 図3に示すワークの中心孔に形成される溝の
拡大断面図である。
【図5】 溝加工砥石車をその回転面に対しある補正角
度だけ傾斜した方向に送って図4に示す溝を加工した場
合の、補正角度と要求精度との関係を示す図である。
【図6】 本発明による複合加工方法を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
20…割出し装置、30A,30B…主軸台、40,5
0,60…加工ユニット、40…溝加工ユニット、50
…内面加工ユニット、G1…溝加工工具(溝加工砥石
車)、W…ワーク、Wa…中心孔、Wc…溝(スプライ
ン溝)、X…主送り方向(X方向)、Z…補正送り方向
(Z方向)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを複数位置に旋回割り出しし、各
    割出し位置において前記ワークの加工を行う複合加工方
    法において、主送り方向とこれと交差する補正送り方向
    の2方向に案内支持された溝加工工具により1つの割出
    し位置に割出された前記ワークの他の割出し位置におい
    て加工がなされたあるいは加工がなされる部分に溝を加
    工し、この溝の加工では、同じ複合加工方法により事前
    に加工されたワークを計測することにより得られた前記
    他の割出し位置において加工がなされた部分に対する前
    記溝の軸線方向の角度誤差に基づき、この角度誤差が補
    正されるように、前記主送り方向の送りに対する前記補
    正方向の送りを制御することを特徴とする複合加工方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ワークには前記他の割出し位置にお
    いて中心孔の加工がなされ、前記溝は前記中心孔の内面
    に形成してなる請求項1に記載の複合加工方法。
  3. 【請求項3】 ワークを支持して複数位置に旋回割り出
    しする割出し装置と、各割出し位置において前記ワーク
    の加工を行う複数の加工ユニットを備えてなる複合加工
    装置において、前記複数の加工ユニットは主送り方向と
    これと交差する補正送り方向の2方向に案内支持されて
    1つの割出し位置に割出された前記ワークの他の割出し
    位置において加工がなされたあるいは加工がなされる部
    分に溝を加工する溝加工工具を備えた溝加工ユニットを
    含み、この溝加工ユニットは、同じ複合加工装置により
    事前に加工されたワークを計測することにより得られた
    前記他の割出し位置において加工がなされた部分に対す
    る前記溝の軸線方向の角度誤差に基づき、この角度誤差
    が補正されるように、前記主送り方向の送りに対する前
    記補正方向の送りを制御するものであることを特徴とす
    る複合加工装置。
  4. 【請求項4】 前記割出し装置は前記ワークを同軸的に
    回転可能に支持する主軸台を備え、前記加工ユニットは
    前記他の割出し位置において前記ワークに中心孔の加工
    を行う内面加工ユニットを含み、前記溝は前記中心孔の
    内面に形成してなる請求項3に記載の複合加工装置。
  5. 【請求項5】 前記溝加工工具は、前記主送り方向と直
    交する回転軸線を有する溝加工砥石車である請求項3ま
    たは請求項4に記載の複合加工装置。
JP10273699A 1998-09-28 1998-09-28 複合加工方法及び複合加工装置 Pending JP2000094244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10273699A JP2000094244A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 複合加工方法及び複合加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10273699A JP2000094244A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 複合加工方法及び複合加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000094244A true JP2000094244A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17531331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10273699A Pending JP2000094244A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 複合加工方法及び複合加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000094244A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102152123A (zh) * 2011-05-05 2011-08-17 李善思 数控花键轴铣磨一体机
TWI564686B (zh) * 2010-10-01 2017-01-01 Citizen Machinery Co Ltd A power management device, and a work machine provided with the power management device
CN107309653A (zh) * 2017-06-28 2017-11-03 山东玲珑机电有限公司 一种用于轮胎模具向心机构中套加工装置及其加工方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI564686B (zh) * 2010-10-01 2017-01-01 Citizen Machinery Co Ltd A power management device, and a work machine provided with the power management device
CN102152123A (zh) * 2011-05-05 2011-08-17 李善思 数控花键轴铣磨一体机
CN102152123B (zh) * 2011-05-05 2013-04-17 李善思 数控花键轴铣磨一体机
CN107309653A (zh) * 2017-06-28 2017-11-03 山东玲珑机电有限公司 一种用于轮胎模具向心机构中套加工装置及其加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2510976C (en) Gear grinding machine
JP4475817B2 (ja) 機械加工前のギヤ等の歯付き被加工物を機械加工する方法および装置
JPH07501276A (ja) 歯車ホブ盤
JP2002103139A (ja) 歯車研削加工方法、並びに歯車研削用タレットヘッド及び歯車研削工具
KR100206640B1 (ko) 절삭 블레이드를 연마하는 방법
JP3807647B2 (ja) カムシャフト加工機
JPH081774Y2 (ja) 歯付き工作物の歯面を仕上げ加工するための機械
CN211072099U (zh) 一种多齿轮部轴齿双面倒棱机
JP3072452U (ja) 歯車付き製作品の歯フランクを精密加工する機械
JP2000094244A (ja) 複合加工方法及び複合加工装置
US20190217405A1 (en) Gear machining apparatus and gear machining method
EP0406775A2 (en) Grinding machine
JP7439403B2 (ja) 砥石による研削加工方法
JP2004090203A (ja) ルーツロータ加工方法及び加工装置
JP2001062682A (ja) テーブル切込み式研削盤
JP3021066B2 (ja) 対向砥石台を備えたねじ研削盤
JP3204159B2 (ja) ねじ研削方法およびねじ研削盤
JPH08132320A (ja) 外面ねじの研削方法
JP2002052428A (ja) マシニングセンタの工具修正または再生加工方法、およびマシニングセンタ
CN117415620B (zh) 一种多轴车铣复合数控机床
JP7331510B2 (ja) 砥石による研削加工方法
JP2002103188A (ja) 端面研削加工方法及び端面研削装置
JPH10156677A (ja) 研削加工方法及び研削盤
JPH07204934A (ja) シンクロナイズスプラインの加工方法
JPH0727078Y2 (ja) 平面研削盤