JP2000094011A - 調質圧延機 - Google Patents

調質圧延機

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JP2000094011A
JP2000094011A JP10260495A JP26049598A JP2000094011A JP 2000094011 A JP2000094011 A JP 2000094011A JP 10260495 A JP10260495 A JP 10260495A JP 26049598 A JP26049598 A JP 26049598A JP 2000094011 A JP2000094011 A JP 2000094011A
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stand
rolling
steel sheet
temper rolling
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JP10260495A
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English (en)
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Hideo Kijima
秀夫 木島
Hirotaka Kano
裕隆 狩野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Masami Tsujimoto
雅巳 辻本
Akihiro Sasaki
聡洋 佐々木
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縦筋や蛇腹、及び板の反りの発生を抑えつつ要
求された表面粗さを持つ極薄鋼板を安定して製造し得る
調質圧延機を提供することを課題とする。 【解決手段】調質圧延機2に組み込む上下ワークロール
2a,2bを、ヤング率が35000kgf /mm2 以上
の超硬合金で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延工程で極
薄鋼板を調質圧延するための調質圧延機に係り、特に、
調質圧延により鋼板表面に生じるおそれのある縦筋及び
蛇腹を防止することのできる調質圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、板厚が0.05〜0.35mmの
極薄鋼板、特にブリキ原板のDR(Double Reduction)
材と呼ばれる材料において、タンデム圧延機などによる
冷間圧延後に焼鈍し、さらに再圧延を施した後に調質圧
延を行うと、鋼板表面に縦筋と呼ばれる形状不良が発生
する。また、上記ブリキ原板がSR(Single Reductio
n;再圧延なし)材と呼ばれる比較的柔らかい材質の場
合には、調質圧延後の鋼板に蛇腹と呼ばれる形状不良が
発生する。
【0003】この縦筋や蛇腹の発生は、調質圧延機のロ
ールギャップ内で鋼板内部に生じる幅方向の圧縮応力に
起因する座屈現象によるとされる。もっとも、縦筋と蛇
腹とは、その発生する鋼板の硬さ(硬・軟)に違いがあ
る。
【0004】このような形状不良は、後工程(表面処
理)である電気メッキ、溶融亜鉛メッキ、食用缶などの
ラベル印刷の品質を著しく劣化させる。このため、従来
にあっては、調質圧延後に、縦筋や蛇腹が発生した鋼板
をテンションレベラーやローラレベラーに通板して鋼板
表面の矯正を行っている。
【0005】また、調質圧延工程における縦筋や蛇腹の
発生状況は、圧延荷重、圧延機出側張力、圧延機出側で
の鋼板の流出角度などの圧延条件を変更することにより
変化することが知られており、例えば、特開平3−16
1107号公報に開示されている方法では、圧延機出側
で生じたクロスバックルの大きさを測定し、発生する蛇
腹が目標の大きさとなるように、フィードバック制御に
よって上記圧延条件を調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、全く縦
筋や蛇腹のない鋼板の要求が強くなっているが、テンシ
ョンレベラー等で矯正しても、縦筋や蛇腹が多少低減す
るのみで、縦筋や蛇腹を許容範囲以下まで消去すること
は難しく、この要求に応えることができない。
【0007】ここで、縦筋や蛇腹を防止するには、調質
圧延のワークロール表面の研磨目の粗さを小さくすると
効果的であることが知られているが、完全に縦筋や蛇腹
を防止するほど研磨目の粗さを充分小さくすると、要求
される鋼板の表面粗さを満足できなくなる。すなわち、
通常、調質圧延後の鋼板表面には、後工程である電気メ
ッキ・溶融亜鉛メッキ・ラベルプリントなど、様々な表
面処理を安定して行えるように、ある一定の表面粗さを
保つことが要求される。このため、従来にあっては、ワ
ークロール表面を研磨した際に形成される研磨目に、あ
る一定以上の粗さを付けている。
【0008】また、調質圧延での出側張力を増加させる
と縦筋や蛇腹が減少する傾向にあることが知られてい
る。しかし、完全に縦筋や蛇腹を防止するには張力を鋼
板の降伏応力程度まで増加させる必要があり、このよう
な設定は板破断の危険性が増大するため、縦筋や蛇腹を
完全に防止するまで出側張力を付与することはできな
い。さらに、出側張力は、調質圧延の伸び率を一定に保
つ必要があるので変更するのが難しい。
【0009】また、上記従来の縦筋や蛇腹防止方法とし
て、上記特開平3−161107号公報に開示されてい
るような、圧延機出側の形状を監視して操業条件を変更
していく方法では、安定して縦筋や蛇腹のない鋼板を製
造することは難しく、レベラーに通板して蛇腹を消去す
る必要があり作業効率が悪かった。
【0010】また、図4に示すように、圧延機出側で鋼
板に若干の流出角度(α)を付与することは、縦筋や蛇
腹発生の防止には効果があるものの、圧延後の板に反り
が発生しやすく、また、圧延材の板厚や出側張力により
反りが変化するため、やはり、レベラー通板して反りを
矯正する必要があり作業効率が悪かった。なお、上記流
出角度を余り大きく設定することは逆に縦筋や蛇腹の高
さ(溝)を大きくし、縦筋や蛇腹防止の上からは不利で
ある。
【0011】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、縦筋や蛇腹、及び板の反りの発生を抑
えつつ要求された表面粗さを持つ極薄鋼板を安定して製
造し得る調質圧延機を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題の
解決に向けて、調質圧延による縦筋や蛇腹の発生原因に
ついて詳細に検討し、調質圧延機に組み込まれるワーク
ロールの素材に着目して、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、上記課題を解決するために、本
発明は、極薄鋼板を調質圧延するための調質圧延機であ
って、上下ワークロールのうち少なくとも一方のワーク
ロールについて、少なくともその表層部を超硬合金と
し、その表層部の厚さを、ロール半径の3%以上に設定
したことを特徴とする調質圧延機を提供するものであ
る。
【0014】ここで、対象とするワークロール全体を超
硬合金で構成しない場合には、超硬合金とする表層部の
みをスリーブで構成し、芯部を従来の鋼製等で構成する
複合ロールとすればよい。
【0015】また、上記超硬合金の硬さは高いほどよい
が、後述するように、35000kgf /mm2 で縦筋及
び蛇腹が消えたので、35000kgf /mm2 以上の合
金を使用することが好ましい。
【0016】極薄鋼板の調質圧延における縦筋や蛇腹の
発生メカニズムは未だ詳細には明らかにされていない
が、おおよそ次のように考えられる。通常、調質圧延後
の表面処理を安定して行えるように、鋼板表面に一定の
粗さを保つことが要求されるため、調質圧延に用いられ
るワークロール表面には、一定の粗さを持った円周方向
に延びる研磨目が形成されている。この結果、上下ワー
クロールにより調質圧延される鋼板は、ロールギャップ
内で鋼板が板幅方向に広がろうとしても、調質圧延にお
いては大径のワークロールを用いるためにロール偏平が
大きく、鋼板表面がワークロールにより拘束される。こ
のために、圧延された分だけ板幅方向に圧縮応力が生じ
る。これがロールギャップを出た後に塑性座屈をおこし
て縦筋や蛇腹となると考えられる。なお、上述のよう
に、鋼板の種類や硬さの違い等によって縦筋となったり
蛇腹となったりする。
【0017】そして、この観点(圧延時の板幅方向への
拘束緩和)に基づき、ワークロールの素材について検討
した。すなわち、発明者らは、上述した状況の下で、ロ
ールギャップ内における、ワークロールによる鋼板の幅
方向変形の拘束力を低減することで、鋼板内部の幅方向
圧縮応力が緩和して座屈を防ぐことが可能であると考
え、ワークロールの材質を変更することによりヤング率
を向上させて、ロール偏平量を小さくし、これによっ
て、ワークロールと鋼板の接触弧長を短くする方法を見
出した。
【0018】すなわち、本発明によれば、ロール材質を
超硬合金とすることにより、従来の鋼系ロールに比べて
接触弧長が短くなるので、ロールギャップ内部におい
て、鋼板表面の幅方向変形を拘束する力が著しく小さく
なる。
【0019】従って、鋼板内部に生じる幅方向の圧縮応
力も極く小さいものとなり、ロールギャップ内を出た後
も座屈することがなく、縦筋及び蛇腹の発生が抑えられ
る。ここで、超硬合金ロールの研磨目の粗さを、従来の
円周方向研磨目の粗さとほぼ同程度にしておくことによ
り、調質圧延後の鋼板表面に要求される粗さを容易に満
足させることができる。
【0020】また、ワークロール全体を超硬合金として
も、縦筋及び蛇腹を防止するという面からは問題ない
が、調質圧延用の大径ロールの場合に用いることを想定
した場合に、製造コストが極めて高くなる。従って、表
層部分だけを超硬合金にすれば、コスト低減の上で極め
て有効となる。
【0021】そこで、スリーブ型複合ロールとして、ワ
ークロールの表層についてだけを超硬合金とした場合に
おける、縦筋及び蛇行防止に有効な表層の厚さについて
検討した。
【0022】ここで、複合ロールを調質圧延に用いる場
合、圧延中のロール偏平は、超硬合金一体のロールの場
合と異なることが考えられる。また、縦筋や蛇腹の発生
状況は、偏平ロール半径すなわち接触弧長に大きく係わ
っているので、上記複合ロールを使用して調質圧延する
場合には、超硬合金一体型のロールと偏平ロール半径が
大きく異ならず、かつ、製造コストをも考慮した上で、
表層部(スリーブ)の肉厚を適正に設定する必要があ
る。
【0023】発明者らは、この観点から、鋼系の芯材に
対し、ヤング率35000kgf /mm2 以上のWC系超
硬合金をスリーブとして嵌合して形成される複合ロール
を、調質圧延のワークロールに適用した場合における、
スリーブ肉厚(t)とロール半径(r)の比(t/r)
と偏平ロール半径の関係を詳細に解析した。
【0024】その結果、上記比(t/r)が3%以上で
あれば、超硬合金一体型のロールとほぼ同一のロール偏
平量となることを確認した(図5参照)。このようなこ
とから、本発明において、超硬合金とする表層部の厚さ
をロール半径の3%以上と規定した。
【0025】図3にスリーブロールの概要を示す。な
お、ワークロールを超硬合金一体ロールとしない場合に
おける、上記(t/r)の上限については、ワークロー
ルの製造コストの余裕度等に応じて適宜設定すればよ
い。
【0026】また、超硬合金としては、WC(タングス
テンカーバイド)にCo、Ni、Cr、Tiなどを添加
して破壊靭性を向上させたWC合金が好適であり、なか
でもCoを10〜50wt%添加したWC−Co合金が
より好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、縦筋防
止に関するものである。
【0028】図1は、本実施形態に係る2段式2スタン
ドの圧延機を示す図である。図1中、第1スタンド1
は、焼鈍後の鋼板3を再圧延するための冷間圧延機であ
り、第2スタンド2が調質圧延用の調質圧延機である。
【0029】そして、第1スタンド1での圧下率が20
%となるように設定する。また、第2スタンド2での圧
延条件として、伸び率を1%以下の所定の伸び率に設定
する。上記伸び率は、圧延荷重にあわせて鋼板の出側張
力を調整することで実現される。
【0030】また、第2スタンド2のワークロール2
a,2bの素材として、超硬合金(例えばWC−Co
(20wt%),ヤング率35000kgf /mm2 )を
採用する。また、ワークロール2a,2bの周面には、
従来と同程度の研磨目の粗さを付ける。
【0031】そして、例えば、素材厚0.3mmで降伏
応力40kgf /mm2 の焼鈍されたブリキ原板となる鋼板
を、第1スタンド1での圧下率を20%、第2スタンド
2での伸び率を1%として圧延する。
【0032】以上のような圧延条件にて、第2スタンド
2で調質圧延を行うことで、調質圧延後の鋼板表面に生
成される縦筋の発生が防止される。このように、超硬合
金からなるワークロール2a,2bにより調質圧延する
ことにより、極薄鋼板の縦筋の発生を防止でき、従っ
て、レベラー通板の必要がなく、作業効率が著しく改善
される。
【0033】また、ワークロール2a,2bの研磨目の
粗さを従来と同等にしておくことで、調質圧延後の鋼板
表面に要求される粗さも満足することができる。なお、
こうした効果は、ロールギャップ内部における、ロール
による鋼板表面の幅方向変形の拘束力を低減したことに
より達成されたものである。
【0034】ここで、上記実施形態では、ワークロール
2a,2b全体を超硬合金で構成した場合を例に説明し
ているが、ワークロール2a,2bの表層部の所定厚さ
だけが超硬合金製であってもよい。この場合の方が、コ
スト上,有利である。すなわち、ワークロール2a,2
bをスリーブ型複合ロールとする。そして、その表層部
を形成するスリーブだけを超硬合金製とし、芯部を鋼系
素材で構成して両者を嵌合して構成する。但し、上記ス
リーブの厚さをロール半径の3%以上とする。このよう
に設定することで、ワークロール全体を超硬合金とした
場合と同程度の上述の効果を得る。なお、芯部も超硬合
金製としても良い。このようにすることで、ロール摩耗
時の交換がスリーブ部分だけとなり、コスト上,有利と
なる。
【0035】また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル2a,2bしかない2段式調質圧延機(第2スタンド
2)を例に説明しているが、上下バックアップロールや
中間ロールをもった4段式、6段式などの圧延機であっ
てもよい。要は、ワークロール2a,2bの表層部が所
定厚さだけ超硬合金から構成されていればよい。
【0036】また、圧延スタンド数も2スタンドに限ら
ず、シングルスタンドあるいは多スタンドミルの最終ス
タンドに本実施例を適用すればよい。また、鋼種なども
本実施形態に限られるものではない。
【0037】また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル2a,2bの素材を超硬合金とする場合を例に説明し
ているが、鋼板の裏面の品質がさほど問題とならない極
薄鋼板の場合にあっては、表面と接触する側のワークロ
ール2a,2bの材質だけを超硬合金にしてもよい。
【0038】また、調質圧延スタンドがパスラインに沿
って並ぶ複数組の上下ワークロール2a,2bで行われ
る場合には、調質圧延用の全てのワークロール2a,2
bに本発明を適用してもよいが、少なくとも最終位置の
上下ワークロール2a,2bについて本発明を採用すれ
ばよい。
【0039】次に、本発明の第2実施形態について図面
を参照しつつ説明する。上記第1実施形態と同様な部材
には同一の符号を付して説明する。なお、本実施形態
は、蛇腹防止に関するものである。
【0040】図2は、本実施形態に係るシングル形式の
2段式調質圧延機を示す図である。その圧延機4での圧
延条件として、伸び率を1%以下の所定の伸び率に設定
する。また、そのワークロール4a,4bの素材とし
て、超硬合金(例えばWC−Co(20wt%),ヤン
グ率35000kgf /mm2 )を採用した。また、ワー
クロール4a,4b周面には、従来と同程度の研磨目の
粗さを付けた。
【0041】そして、例えば、素材厚0.3mmで降伏
応力(20%耐力)20kgf /mm2の焼鈍された比較的
柔らかいブリキ原板となる鋼板を、伸び率1%で調質圧
延する。
【0042】以上のような圧延条件で調質圧延すること
で、調質圧延後の鋼板表面に生成される蛇腹の発生が防
止される。このように、超硬合金からなるロールにより
調質圧延することにより、極薄鋼板の蛇腹の発生を防止
でき、調質圧延後の鋼板に反りも発生しない。従って、
レベラー通板の必要がなく、作業効率が著しく改善され
る。
【0043】また、ワークロール4a,4bの研磨目の
粗さを従来と同等にしておくことで、調質圧延後の鋼板
表面に要求される粗さも満足することができる。ここ
で、上記全実施形態では、ワークロール4a,4b全体
を超硬合金で構成した場合を例に説明しているが、ロー
ル表層部の所定厚さだけが超硬合金製であってもよい。
この場合の方が、コスト上,有利である。すなわち、ワ
ークロール4a,4bをスリーブ型の複合ロールとし
て、その表層部を形成するスリーブを超硬合金製とし、
且つ芯部を鋼系素材で構成して両者を嵌合して構成す
る。但し、上記スリーブの厚さをロール半径の3%以上
に設定する。このように設定することで、ロール全体を
超硬合金とした場合と同程度の上述の効果を得る。な
お、芯部も超硬合金製としても良い。このようにするこ
とで、ロール摩耗時の交換がスリーブ部分となり、コス
ト上,有利となる。
【0044】また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル4a,4bしかない2段式調質圧延機2を例に説明し
ているが、上下バックアップロールや中間ロールをもっ
た4段式、6段式などの圧延機であってもよい。要は、
ワークロール4a,4bが超硬合金から構成されていれ
ばよい。
【0045】また、圧延スタンド数も1スタンドに限ら
ず、タンデムスタンドあるいは多スタンドミルの最終ス
タンドに本実施例を適用すればよい。また、鋼種なども
本実施形態に限られるものではない。
【0046】また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル4a,4bの素材を超硬合金とする場合を例に説明し
ているが、一方のワークロール4a,又は4bの素材だ
けを超硬合金にしてもよい。
【0047】また、調質圧延スタンドがパスラインに沿
って並ぶ複数組の上下ワークロール4a,4bで行われ
る場合には、調質圧延用の全てのワークロール4a,4
bに本発明を適用しても良いが、少なくとも最終位置の
上下ワークロール4a,4bについて本発明を採用すれ
ばよい。
【0048】
【実施例】〔第1実施例〕縦筋防止についての実施例を
示す。
【0049】上記第1実施形態の2段式2スタンドの圧
延機を使用して、素材厚0.2〜0.3mmで第1スタ
ンド圧延後の降伏応力50〜60kgf /mm2 のブリキ
原板となる鋼板を、第1スタンド1での圧下率を20
%、第2スタンド2での伸び率を1%に設定して圧延し
た。
【0050】第2スタンド2における上下ワークロール
2a,2bのロール材質として、本発明に係る超硬合金
(WC−Co(20wt%)、ヤング率35000kg
f /mm2 )、及び従来技術である鋼系ロール(5wt%
Cr鍛鋼、ヤング率21000kgf /mm2 )の二つを
使用して、上記圧延を個々に行った。
【0051】なお、ワークロール2a,2bの周面の研
磨目の粗さは、ほぼ同一とした。その結果、ロール材質
を超硬合金として、本発明に基づき調質圧延した鋼板
は、すべて、縦筋の発生がなかった。また、調質圧延後
の鋼板表面の粗さに所望の粗さが確保されていた。
【0052】これに対し、従来技術も基づく鋼系ワーク
ロールで調質圧延した鋼板は、すべて、50〜300μ
mの高さ(溝)の縦筋が発生した。また、発明者らは、
ロール材質について詳細に調査した。上記圧延と同一の
条件の下に、ロール材質を、鋼系(ヤング率21000
kgf /mm2 )、ジルコニア系(Zr02 、25000
kgf /mm2 )、サイアロン系(30000kgf/mm
2 )、超硬合金系(35000kgf /mm2 )と変更し
たところ、ヤング率を大きくするにしたがい縦筋は徐々
に軽減され、超硬合金の35000kgf /mm2 以上に
すると、消滅することが分かった。
【0053】なお、超硬合金のヤング率を35000k
gf /mm2 以上にまで高めるには、WC(タングステン
カーバイド)系の超硬合金が好ましく、特に、Coを1
0〜50wt%以下の範囲で添加した、WC−Co合金
が好ましい。
【0054】また、上記第1実施形態で説明した2段式
2スタンドの圧延機にて、素材厚0.23mm、降伏応
力40kgf /mm2 のブリキ原板となる鋼板を、第1ス
タンド1での圧下率を20%、第2スタンド2での伸び
率を1%として圧延してみた。
【0055】このとき、第2スタンド2におけるロール
材質として、本発明である表層部が超硬合金となるスリ
ーブ型複合ロール(スリーブは、WC−Co(20wt
%)でヤング率35000kgf /mm2 の超硬合金から
なり、その厚さはロール半径の3%、また、芯部は、5
%Cr鍛鋼、ヤング率21000kgf /mm2 )、及び
鋼系ロール(5wt%Cr鍛鋼、ヤング率21000k
gf /mm2 )の二種類を用意して、上記圧延を個々に行
った。ロール周面の粗さは、中心線平均粗さ(Ra)で
1.10μmでほぼ同一とした。
【0056】本発明に係る方法で調質圧延した鋼板は、
縦筋がなくフラットで、反りも発生していなかった。こ
れに対し、従来技術のロールで圧延した鋼板は、70μ
mの高さの縦筋が発生した。
【0057】〔第2実施例〕蛇腹防止についての実施例
について説明する。上記第2の実施形態で示した2段式
調質圧延機4を使用して、素材厚0.2〜0.35mm
で降伏応力(0.2%耐力)20〜40kgf /mm2
ブリキ原板となる鋼板を、調質圧延機4での伸び率を1
%として調質圧延を行った。
【0058】このとき、上下ワークロール4a,4bの
ロール材質として、本発明である超硬合金(WC−Co
(20wt%)、ヤング率35000kgf /mm2 )、
及び従来技術である鋼系ロール(5wt%Cr鍛鋼、ヤ
ング率21000kgf /mm 2 )として、上記圧延を行
った。ロール周面の研磨目の粗さは、ほぼ同一とした。
【0059】本発明に基づくワークロールで圧延した鋼
板は、すべて、蛇腹の発生がなくフラットで、反りも発
生していなかった。これに対し、従来技術のロールで圧
延した鋼板は、すべて、50〜300μmの高さの蛇腹
が発生した。
【0060】また、ロール材質について詳細に調査し
た。上記圧延と同一の条件の下に、ロール材質を、鋼系
(ヤング率21000kgf /mm2 )、ジルコニア系
(Zr0 2 、25000kgf /mm2 )、サイアロン系
(30000kgf /mm2 )、超硬合金系(35000
kgf /mm2 )と変更したところ、ヤング率を大きくす
るにしたがい蛇腹は徐々に軽減され、超硬合金の350
00kgf /mm2 以上にすると、消滅することが分かっ
た。
【0061】また、素材厚0.32mmで降伏応力
(0.2%耐力)25kgf /mm2 の焼鈍されたブリキ
原板について、伸び率1%で調質圧延した。この圧延機
にて、ロール材質として、本発明に基づき表層部が超硬
合金からなる複合ロール(スリーブが、WC−Co(2
0wt%)製でヤング率35000kgf /mm2 となり
厚みがロール半径の3%、芯部が、5wt%Cr鍛鋼、
ヤング率21000kgf /mm2 )、及び従来技術に基
づく鋼系ロール(5wt%Cr鍛鋼、ヤング率2100
0kgf /mm2 )の2種類を用意して、上記圧延を個々
に行った。ロール周面の粗さは、ともに、Ra=0.2
3μmでほぼ同一とした。
【0062】本発明に基づくワークロールで圧延した鋼
板は、蛇腹の発生がなくフラットで、反りも発生してい
なかった。これに対し、従来技術のロールで圧延した鋼
板は、300μm前後の高さの蛇腹が発生した。従来技
術において蛇腹を低減するため流出角度を2度だけ付与
したところ、蛇腹の高さが50μm以下となったが、逆
に、圧延方向の反りが、板長さ500mmに対して20
mm発生した。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
極薄鋼板の調質圧延において調質圧延時に、縦筋や蛇腹
の発生が防止され、縦筋及び蛇腹低減のためのレベラー
通板が必ずしも必要でなくなって、効率的に極薄鋼板を
製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧延機の配列を示
す図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る圧延機の配列を示
す図である。
【図3】超硬スリーブロールを示す図である。
【図4】調質圧延機における出側流出角度を示す図であ
る。
【図5】(スリーブ肉厚/ロール半径)と光沢度の関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 第1スタンド 2 第2スタンド(調質圧延機) 2a,2b ワークロール 3 鋼板 4 調質圧延機 4a,4b ワークロール 5 鋼板
フロントページの続き (72)発明者 剣持 一仁 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 辻本 雅巳 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 佐々木 聡洋 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E002 AD05 AD06 BB09 CB03 4E016 AA02 BA01 CA09 EA06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極薄鋼板を調質圧延するための調質圧延
    機であって、上下ワークロールのうち少なくとも一方の
    ワークロールについて、少なくともその表層部を超硬合
    金とし、その表層部の厚さを、ロール半径の3%以上に
    設定したことを特徴とする調質圧延機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017506581A (ja) * 2014-01-30 2017-03-09 アルセロールミタル 電気亜鉛めっき金属シートからうねりの少ない部品を製造するための方法、対応する部品および車両
JP2017119303A (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 Jfeスチール株式会社 調質圧延機及び調質圧延方法

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