JP2000094010A - 調質圧延機 - Google Patents

調質圧延機

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JP2000094010A
JP2000094010A JP26049798A JP26049798A JP2000094010A JP 2000094010 A JP2000094010 A JP 2000094010A JP 26049798 A JP26049798 A JP 26049798A JP 26049798 A JP26049798 A JP 26049798A JP 2000094010 A JP2000094010 A JP 2000094010A
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roll
polishing
steel sheet
temper rolling
bellows
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JP26049798A
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Hideo Kijima
秀夫 木島
Hirotaka Kano
裕隆 狩野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Masami Tsujimoto
雅巳 辻本
Akihiro Sasaki
聡洋 佐々木
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】縦筋や蛇腹、及び板の反りの発生を抑えつつ要
求された表面粗さを持つ極薄鋼板を安定して製造し得る
調質圧延機を提供することを課題としている。 【解決手段】極薄鋼板を調質圧延するための調質圧延機
である。上下ワークロール2a,2bの周面に形成され
る研磨目を、互いに交差する2方向に延在させて当該研
磨目を編み目状に形成すると共に、その研磨目の各延在
方向を、それぞれロール周方向に対しθ1 ,θ2 だけ左
右に傾斜させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延工程で極
薄鋼板を調質圧延する際に使用される調質圧延機に係
り、特に、調質圧延により鋼板表面に生じるおそれのあ
る縦筋及び蛇腹を防止することのできる調質圧延機に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、板厚が0.05〜0.35mmの
極薄鋼板、特にブリキ原板のDR(Double Reduction)
材と呼ばれる材料において、タンデム圧延機などによる
冷間圧延後に焼鈍し、さらに再圧延を施した後に調質圧
延を行うと、鋼板表面に縦筋と呼ばれる形状不良が発生
する。また、上記ブリキ原板がSR(Single Reductio
n; 再圧延なし) 材と呼ばれる比較的柔らかい材質の場
合には、調質圧延後の鋼板に蛇腹と呼ばれる形状不良が
発生する。
【0003】この縦筋や蛇腹の発生は、調質圧延機のロ
ールギャップ内で鋼板内部に生じる幅方向の圧縮応力に
起因する座屈現象によるとされる。もっとも、縦筋と蛇
腹とは、その発生する鋼板の硬さ(硬・軟)に違いがあ
る。
【0004】このような形状不良は、後工程である電気
メッキ、溶融亜鉛メッキ、食用缶などのラベル印刷の品
質を著しく劣化させる。このため、従来にあっては、調
質圧延後に、縦筋や蛇腹が発生した鋼板をテンションレ
ベラーやローラレベラーに通板して鋼板表面の矯正を行
っている。
【0005】また、調質圧延工程における縦筋や蛇腹の
発生状況は、圧延荷重、圧延機出側張力、圧延機出側で
の鋼板の流出角度などの圧延条件を変更することにより
変化することが知られており、例えば、特開平3−16
1107号公報に開示されている方法では、圧延機出側
で生じたクロスバックルの大きさを測定し、発生する蛇
腹が目標の大きさとなるように、フィードバック制御に
よって上記圧延条件を調整している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、全く縦
筋や蛇腹のない鋼板の要求が強くなっているが、テンシ
ョンレベラー等で矯正しても、縦筋や蛇腹が多少低減す
るのみで、縦筋や蛇腹を許容範囲以下まで消去すること
は難しく、この要求に応えることができない。
【0007】ここで、縦筋や蛇腹を防止するには、調質
圧延のワークロール表面の研磨目の粗さを小さくすると
効果的であることが知られているが、完全に縦筋や蛇腹
を防止するほどに研磨目の粗さを充分小さくすると、要
求される鋼板の表面粗さを満足できなくなる。すなわ
ち、通常、調質圧延後の鋼板表面には、後工程である電
気メッキ・溶融亜鉛メッキ・ラベルプリントなど、様々
な表面処理を安定して行えるように、ある一定の表面粗
さを保つことが要求される。
【0008】このため、従来にあっては、ワークロール
表面を円周方向に沿って研磨することで、当該ロール表
面に円周方向(圧延方向)に延びる研磨目が形成され、
その研磨目により一定以上の粗さを付けている。
【0009】また、調質圧延での出側張力を増加させる
と縦筋や蛇腹が減少する傾向にあることが知られてい
る。しかし、完全に縦筋や蛇腹を防止するには張力を鋼
板の降伏応力程度まで増加させる必要があり、このよう
な設定は板破断の危険性が増大するため、縦筋や蛇腹を
完全に防止するまで出側張力を付与することはできな
い。さらに、出側張力は、調質圧延の伸び率を一定に保
つ必要があるので変更するのが難しい。
【0010】また、上記従来の縦筋や蛇腹防止方法とし
て、上記特開平3−161107号公報に開示されてい
るような、圧延機出側の形状を監視して操業条件を変更
していく方法では、安定して縦筋や蛇腹のない鋼板を製
造することは難しく、レベラーに通板して蛇腹を消去す
る必要があり作業効率が悪かった。
【0011】また、図5に示すように、圧延機出側で鋼
板に若干の流出角度(α)を付与することは、縦筋や蛇
腹発生の防止に効果があるが、圧延後の板に反りが発生
しやすく、また、圧延材の板厚や出側張力により反りが
変化するため、やはり、レベラーに通板して反りを矯正
する必要があり作業効率が悪かった。なお、上記流出角
度を余り大きく設定することは逆に縦筋や蛇腹の高さ
(溝)を大きくし、縦筋や蛇腹防止の上からは不利であ
る。
【0012】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、縦筋や蛇腹、及び板の反りの発生を抑
えつつ要求された表面粗さを持つ極薄鋼板を安定して製
造し得る調質圧延機を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題の
解決に向けて、調質圧延による縦筋や蛇腹の発生原因に
ついて詳細に検討し、調質圧延機に組み込まれるワーク
ロールの研磨目に着目して、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】すなわち、上記課題を解決するために、本
発明のうち請求項1に記載した発明は、極薄鋼板を調質
圧延するための調質圧延機であって、上下ワークロール
のうち少なくとも一方のワークロール周面に形成される
研磨目を互いに交差する2方向に延びるように存在させ
て当該研磨目を編み目状に形成すると共に、その研磨目
の各延在方向を、それぞれロール周方向に対し傾斜させ
たことを特徴とする調質圧延機を提供するものである。
【0015】ここで、2方向に延在して交差する各研磨
目は、ロール周面全面で全て同一傾斜角である必要はな
く、また、各研磨目が直線状に延びている必要もなく、
多少,曲線状(円弧状等)に延在していてもよい。ま
た、各研磨目の長さは短くても良い。要は、各研磨目の
延在方向が円周方向から傾いていると共に、全体として
編み目状となっていればよい。
【0016】また、交差する2つの研磨目の延在方向
は、好ましくは、円周方向(圧延方向)から、互いに反
対方向に傾斜するように設定する方が良い。この方が、
被圧延材の蛇行(片寄り)をより有効に防止できる。
【0017】次に、請求項2に記載した発明は、極薄鋼
板を調質圧延するための調質圧延機であって、上下ワー
クロールのうち少なくとも一方のワークロール周面に形
成される研磨目が、ロール軸方向に延在することを特徴
とする調質圧延機を提供するものである。
【0018】極薄鋼板の調質圧延における縦筋や蛇腹の
発生メカニズムは未だ詳細には明らかにされていない
が、おおよそ次のように考えられる。通常、調質圧延後
の表面処理を安定して行えるように、鋼板表面に一定の
粗さを保つことが要求されるため、調質圧延に用いられ
るワークロール表面には、一定の粗さを持った円周方向
に延びる研磨目が形成されている。この結果、上下ワー
クロールにより調質圧延される鋼板は、ロールギャップ
内で鋼板が板幅方向に広がろうとしても、調質圧延にお
いては大径のワークロールを用いるためにロール偏平が
大きく、鋼板表面がワークロールにより拘束される。こ
のために、圧延された分だけ板幅方向に圧縮応力が生じ
る。これがロールギャップを出た後に塑性座屈をおこし
て縦筋や蛇腹となると考えられる。なお、上述のよう
に、鋼板の種類や硬さの違い等によって縦筋となったり
蛇腹となったりする。
【0019】そして、この観点(圧延時の板幅方向への
拘束緩和)に基づき、ワークロール周面に形成する研磨
目について検討した。すなわち、発明者らは、上述した
状況の下で、ロールギャップ内における、ワークロール
による鋼板の幅方向変形の拘束力を低減することによ
り、鋼板内部の幅方向圧縮応力を緩和して座屈を防ぐこ
とが可能であると考え、ワークロール周面に形成される
研磨目の延在方向を調整することで、上記ロール偏平量
を小さくて板幅方向への拘束緩和を行うことを考えた。
【0020】すなわち、本発明によれば、ワークロール
周面に、従来の円周方向(すなわち圧延方向)に平行な
研磨目に代えて、研磨目がロール周方向、すなわち鋼板
圧延方向に対して傾斜した方向に延在させ、あるいは軸
方向に延在させることで、従来の円周方向に研磨された
ロールに比べて、ロールギャップ内部において鋼板表面
の板幅方向変形を拘束する力を著しく小さくする。
【0021】従って、鋼板内部に生じる幅方向の圧縮応
力も小さいものとなり、ロールギャップ内から出た後も
座屈することがなく、縦筋及び蛇腹にならない。ここ
で、円周方向から傾斜した1方向にのみ研磨目を延在さ
せて幅方向の圧縮応力を小さくすることも考えられる
が、鋼板が蛇行(片寄り)しやすく安定した圧延が困難
となるおそれがある。
【0022】また、ワークロール周面に付与される編み
目状の研磨目、あるいは、軸方向の研磨目の粗さを、従
来の円周方向研磨目の粗さとほぼ同程度にしておくこと
で、調質圧延後の鋼板表面に要求される粗さを容易に満
足することができる。なお、この場合、軸方向研磨目の
粗さは周方向に測定された粗さである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、縦筋防
止に関するものである。
【0024】図1は、本実施形態に係る2段式2スタン
ドの圧延機を示す図である。図1中、第1スタンド1
は、焼鈍後の鋼板3を再圧延するための冷間圧延機であ
り、第2スタンド2が調質圧延用の調質圧延機である。
【0025】そして、第1スタンド1での圧下率が20
%となるように設定する。また、第2スタンド2での圧
延条件として、伸び率を1%以下の所定の伸び率に設定
する。上記伸び率は、圧延荷重にあわせて鋼板の出側張
力を調整することで実現される。
【0026】また、第2スタンド2のワークロール2
a,2bの周面には、図2に示すように、ロール周方向
に対して傾斜し且つ互いに交差する方向に延在する研磨
目によって、編み目状の研磨目が形成されている。
【0027】一方の研磨目は、円周方向に対して左側に
θ1 (≠0度)だけ傾斜した方向に延び、また、他方向
研磨目は、円周方向に対して上記θ1 とは反対方向に、
つまり右側にθ2 (≠0度)だけ傾斜した方向に延びる
ことで、全体として研磨目が編み目状となっている。
【0028】この研磨目は、例えば、従来と同様に、ワ
ークロール2a,2bを回転しながら回転砥石を当接し
て研磨する際に、その回転砥石のロール周面に対する接
触角を変更することで実現される。すなわち、その接触
角とロールの回転速度との合成ベクトル方向に比例した
方向に研磨目が形成される。
【0029】また、上記研磨による円周方向の研磨目の
粗さを、従来と同様に、中心線平均粗さ(Ra)で1.
0〜1.2μmとなるように設定する。そして、例え
ば、素材厚0.3mmで降伏応力40kgf /mm2 の焼鈍
されたブリキ原板となる鋼板を、第1スタンド1での圧
下率を20%、第2スタンド2での伸び率を1%として
圧延する。
【0030】以上のような圧延条件で、第2スタンド2
において調質圧延を行うと、研磨目の延在方向がそれぞ
れ板幅方向に左右に傾斜していることから、ロールギャ
ップ内において、鋼板表面に板幅方向への流れが許容さ
れて、つまり板幅方向への拘束力が小さくなって、調質
圧延後の鋼板表面に生成される縦筋の発生が防止され
る。
【0031】従って、レベラー通板の必要がなく、作業
効率が著しく改善される。また、ワークロール2a,2
bの研磨目の粗さを従来と同等にしておくことで、調質
圧延後の鋼板表面に要求される粗さも満足することがで
きる。
【0032】ここで、上記実施形態では、上下ワークロ
ール2a,2bしかない2段式調質圧延機(第2スタン
ド2)を例に説明しているが、上下バックアップロール
や中間ロールをもった4段式、6段式などの圧延機であ
ってもよい。
【0033】要は、研磨目をワークロール2a,2bの
周面に円周方向から傾斜し且つ互いに交差する2方向に
延在させて、研磨目が編み目状に形成されていればよ
い。また、圧延スタンド数も2スタンドに限らず、シン
グルスタンドあるいは多スタンドミルの最終スタンドに
本実施例を適用すればよい。
【0034】また、鋼種なども本実施形態に限られるも
のではない。また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル2a,2bの両方の周面に形成する研磨目を編み目状
とする場合で説明しているが、鋼板の裏面の品質がさほ
ど問題とならない極薄鋼板の場合にあっては、表面と接
触する側のワークロール2a,2bの周面に形成する研
磨目だけを編み目状としてもよい。
【0035】また、上記編み目を形成する研磨目は必ず
しも連続的である必要はなく、ロールに比べて砥石を小
さくできるなど,編み目状の研磨目形成の見地からは、
断続的である方が好ましい。また、断続的である場合
に、全ての研磨目の傾斜角度を2方向に等しくする形成
する必要はない。編み目を構成する2方向に延びる研削
目の方向が円周方向から傾いていればよい。
【0036】また、編み目状の研磨目を形成する方法
は、回転砥石を使用した場合に限定されず、例えば、遊
離砥石による研磨、研削バイトによる研削,あるいはエ
ッチングなど,いかなる加工方法で付与されたものでも
よい。
【0037】また、調質圧延スタンドがパスラインに沿
って並ぶ複数組の上下ワークロール2a,2bで行われ
る場合には、調質圧延用の全てのワークロール2a,2
bに本発明を適用すればよいが、少なくとも最終位置の
上下ワークロール2a,2bについて本発明を採用すれ
ばよい。
【0038】次に、本発明の第2実施形態について図面
を参照しつつ説明する。上記第1実施形態と同様な部材
には同一の符号を付して説明する。本実施形態の基本構
成は、第1の実施形態と同様であり、上記第2スタンド
に組み込むワークロール周面に形成する研磨目を、図3
に示すように、軸方向に向くように形成した点が異な
る。
【0039】他の構成、及び作用・効果等は、第1実施
形態と同様である。次に、本発明の第3実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。上記第1実施形態と同様
な部材には同一の符号を付して説明する。なお、本実施
形態は、蛇腹防止に関するものである。
【0040】図4は、本実施形態に係るシングル形式の
2段式調質圧延機を示す図である。その調質圧延機4で
の圧延条件として、伸び率を1%に設定する。また、調
質圧延機4のワークロール4a,4bの周面には、図2
に示すように、ロール周方向に対して傾斜し且つ互いに
交差する方向に延在する研磨目によって、編み目状の研
磨目が形成されている。
【0041】一方の研磨目は、円周方向に対して左側に
θ1 (≠0度)だけ傾斜した方向に延び、また、他方向
研磨目は、円周方向に対して上記θ1 とは反対方向に、
つまり右側にθ2 (≠0度)だけ傾斜した方向に延びる
ことで、全体として研磨目が編み目状となっている。
【0042】この研磨目は、例えば、従来と同様に、ワ
ークロール2a,2bを回転しながら回転砥石を当接し
て研磨する際に、その回転砥石のロール周面に対する接
触角を変更することで実現される。すなわち、その接触
角とロールの回転速度との合成ベクトル方向に比例した
方向に研磨目が形成される。
【0043】また、上記研磨による円周方向の研磨目の
粗さを、従来と同様に、中心線平均粗さ(Ra)1.0
〜1.2μmとなるように設定する。そして、例えば、
素材厚0.25mmで降伏応力(0.2%耐力)25kg
f /mm2 の焼鈍されたブリキ原板となる比較的に柔らか
い鋼板を、伸び率を1%として調質圧延する。
【0044】以上のような圧延条件で調質圧延を行う
と、ロールギャップ内において、研磨目が円周方向から
傾斜する方向に延在することで板幅方向への拘束力が小
さくなって、調質圧延後の鋼板表面に生成される蛇腹の
発生が防止される。また、鋼板はフラットで反りも発生
しない。
【0045】従って、レベラー通板の必要がなく、作業
効率が著しく改善される。また、ワークロール4a,4
bの研磨目の粗さを従来と同等にしておくことで、調質
圧延後の鋼板表面に要求される粗さも満足することがで
きる。
【0046】ここで、上記実施形態では、上下ワークロ
ール2a,2bしかない2段式調質圧延機4を例に説明
しているが、上下バックアップロールや中間ロールをも
った4段式、6段式などの圧延機であってもよい。要
は、ワークロール4a,4bの周面に周方向から傾斜し
た方向に延在するように研磨目が編み目状に形成されて
いればよい。
【0047】また、圧延スタンド数も2スタンドに限ら
ず、シングルスタンドあるいは多スタンドミルの最終ス
タンドに本実施例を適用すればよい。また、鋼種なども
本実施形態に限られるものではない。
【0048】また、上記実施形態では、上下ワークロー
ル4a,4bの両方の周面に形成する研磨目の方向を編
み目状とする場合で説明しているが、一方のワークロー
ル4a,4bの周面の研磨目だけを編み目状としてもよ
い。
【0049】また、調質圧延スタンドがパスラインに沿
って並ぶ複数組の上下ワークロール4a,4bで行われ
る場合には、調質圧延用の全てのワークロール4a,4
bに本発明を適用すればよいが、少なくとも最終位置の
上下ワークロール4a,4bについて本発明を採用すれ
ばよい。
【0050】また、上記編み目を形成する研磨目は必ず
しも連続的である必要はなく、編み目形成の見地から
は、断続的である方が好ましい。また、断続的である場
合に、全ての角度を等しくする必要はない。編み目を構
成する2方向に延びる研削目の方向が円周方向から傾き
且つ交差していれば良い。
【0051】また、編み目状の研磨目を形成する方法
は、回転砥石を使用した場合に限定されず、例えば、遊
離砥石による研磨、研削バイトによる研削,あるいはエ
ッチングなど,いかなる加工方法で付与されたものでも
よい。
【0052】次に、本発明の第4実施形態について図面
を参照しつつ説明する。上記第3実施形態と同様な部材
には同一の符号を付して説明する。本実施形態の基本構
成は、第3の実施形態と同様であり、上記調質圧延機に
組み込むワークロール周面に形成する研磨目を、図3に
示すように、軸方向に向くように形成した点が異なる。
【0053】他の構成、及び作用・効果等は、第3実施
形態と同様である。
【0054】
【実施例】〔第1実施例〕縦筋防止についての実施例を
示す。
【0055】上記第1の実施形態で説明した2段式2ス
タンドの圧延機にて、素材厚0.3mmで降伏応力40
kgf /mm2 の焼鈍されたブリキ原板となる鋼板を、第
1スタンド圧下率20%、第2スタンド伸び率1%で圧
延した。
【0056】このとき、調質圧延機である第2スタンド
のロール研磨目について、円周方向に対する傾斜角(平
均値)およびその分布(標準偏差)を、表1のように種
々変更して行った。
【0057】
【表1】
【0058】ここで、表1において、条件Aは、回転砥
石によって円周方向に研磨目を付与したロールによる比
較例である。条件B〜Kは、図1に例を示す本発明(第
1実施形態)に基づき編み目状をなす研磨目を回転砥石
により付与したロールによるものであり、条件Lは、図
3に例を示すように、本発明(第2実施形態)である軸
方向に研磨されたロールによるものである。なお、編み
目状の研磨目の粗さ、軸方向研磨粗さおよび周方向研磨
目の粗さは、ほぼ同一でRa=1.0〜1.2μmとし
た。
【0059】その結果は、本発明に基づく条件B〜kの
ように研磨目を設定したワークロールを使用して調質圧
延した鋼板では、いずれも縦筋の発生がなくフラットで
あった。
【0060】これに対し、比較例の条件Aのように円周
方向に研削目を形成したワークロールを使用して調質圧
延した鋼板では、25〜50μmの高さの縦筋が発生し
た。また、表1に示すように、上下ワークロール2a,
2bでの編み目をなす研磨目のパターン(研磨目傾斜角
度の平均値とばらつき(標準偏差))は同一である必要
はなく、製造上はむしろ異なっていることが好ましい。
【0061】さらに、上記2段式2スタンドの圧延機に
て、素材厚0.35mmで降伏応力40kgf /mm2
ブリキ原板となる鋼板を、第1スタンドでの圧下率を2
5%、第2スタンドでの伸び率を1%として圧延してみ
た。
【0062】このとき、第2スタンドにて、ワークロー
ルに形成する研磨目について、表1の条件Bに示す研磨
目を有するロールを用いた場合(本発明)と、条件Aに
示す研磨目を用いた場合(比較例)との両方で上記の圧
延を実施した。
【0063】ここで、本発明に基づく条件Bのロールの
編み目状の研磨目の粗さはRa=1.12μm(軸方向
に測定)、比較例であるA条件のロールについての周方
向研磨目の粗さはRa=1.09μm(軸方向に測定)
と、ほぼ同一とした。
【0064】その結果は、条件B(本願発明)を採用し
て圧延した鋼板は、縦筋の発生がなくフラットで良好で
あった。これに対し、条件A(比較例)のロールで圧延
した鋼板は、25〜50μmの高さの縦筋が発生し不良
となった。
【0065】また、上記2段式2スタンドの圧延機に
て、素材厚0.22mmで降伏応力45kgf /mm2
ブリキ原板となる鋼板を、第1スタンドでの圧下率18
%、第2スタンドでの伸び率1%として圧延した。第2
スタンドのワークロールに形成するロール研磨目とし
て、表1の条件Lに示す研磨目を有するロールを用いた
場合(本発明)と、条件Aに示す研磨目を用いた場合
(比較例)との両方について上記の圧延を実施した。
【0066】ここで、本発明に基づく条件Lのロールの
軸方向の研磨目の粗さはRa=0.98μm(周方向に
測定)、比較例である条件Aのロールの周方向研磨目の
粗さはRa=1.01μm(軸方向に測定)と、ほぼ同
一とした。
【0067】その結果は、条件L(本発明)を採用して
調質圧延した鋼板では、縦筋の発生がなくフラットで良
好であった。これに対し、条件A(比較例)を採用して
調質圧延した鋼板では、30〜40μmの高さの縦筋が
発生し不良となった。
【0068】〔第2実施例〕蛇腹防止についての実施例
について説明する。上記第3及び第4実施形態で示した
2段式調質圧延機4を使用して、素材厚0.25mmで
降伏応力(0.2%耐力)25kgf /mm2 のブリキ原
板となる比較的に柔らかい鋼板を、伸び率1%で調質圧
延した。
【0069】このとき、圧延機4に組み込むワークロー
ルの研磨目について、上記表1に示すように、円周方向
に対する傾斜角(平均値)およびその分布(標準偏差)
を種々変更した。
【0070】その圧延結果による蛇腹の発生状況(蛇腹
の高さ)を、上記表1中に併記する。その結果から分か
るように、本発明に基づき圧延した鋼板は、蛇腹の発生
がなくフラットで、反りも発生していなかった。
【0071】これに対し、比較例のロールで圧延した鋼
板は、50〜100μmの高さの蛇腹が発生し、製品と
して不良であった。このように、ロール周面に編み目を
なす研磨目を付与したロールにより調質圧延することに
より、極薄鋼板の蛇腹を防止でき、流出角度を付与する
必要がないので反りも発生しない。従って、レベラー通
板の必要がなく、作業効率が著しく改善される。また、
調質圧延後の鋼板表面に要求される粗さも満足すること
ができる。
【0072】さらに、上記2段式調質圧延機にて、素材
厚0.34mmで降伏応力(0.2%耐力)30kgf
/mm2 のブリキ原板を、伸び率1%で調質圧延した。こ
のとき、調質圧延のワールロール周面の研磨目につい
て、表1の条件Cに示す研磨目を有するロールを用いた
場合(本発明)と、条件Aに示す研磨目を有するロール
を用いた場合(比較例)との2つを使用して実施した。
【0073】ここで、本発明に基づく条件Cのロールの
編み目状の研磨目の粗さはRa=0.25μm(軸方向
に測定)、比較例である条件Aのロールの周方向研磨目
の粗さはRa=0.23μm(軸方向に測定)と、ほぼ
同一とした。
【0074】条件C(本発明)を採用して調質圧延した
鋼板では、蛇腹の発生がなくフラットで、反りも発生し
ていなかった。これに対し、条件A(比較例)と同一の
ロールを採用して調質圧延した鋼板では、200μm以
上の高さの蛇腹が発生した。比較例で蛇腹の高さを低減
するため、出側流出角度を2度付与したところ、蛇腹高
さは30μm以下まで低減されたが、圧延方向の板反り
が板長さ500mmに対して20mm発生した。
【0075】また、上記2段式調質圧延機にて、素材厚
0.2mmで降伏応力(0.2%耐力)35kgf /mm
2 のブリキ原板となる鋼板を、伸び率1%で調質圧延し
た。このとき、調質圧延機のワークロールの研磨目につ
いて、表1の条件Lに示す研磨目を有するロールを用い
た場合(本発明)と、条件Aに示す研磨目を有するロー
ルを用いた場合(比較例)の2種類を使用して実施し
た。
【0076】ここで、本発明に基づく条件Lのロールの
軸方向研磨目の粗さはRa=0.30μm(周方向に測
定)、比較例である条件Aのロールの周方向研磨目の粗
さはRa=0.29μm(軸方向に測定)と、ほぼ同一
とした。
【0077】条件L(本発明)を採用して調質圧延した
鋼板では、蛇腹の発生がなくフラットで、反りも発生し
ていなかった。これに対し、条件A(比較例)と同一の
ロールを採用して調質圧延した鋼板では、100μm以
上の高さの蛇腹が発生した。比較例で蛇腹の高さを低減
するため、出側流出角度を1度付与したところ、蛇腹高
さは10μm以下まで低減されたが、圧延方向の板反り
が板長さ500mmに対して10mm発生した。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
極薄鋼板の調質圧延において調質圧延時に、縦筋や蛇腹
の発生が防止され、縦筋及び蛇腹低減のためのレベラー
通板が必ずしも必要なくなって、効率的に極薄鋼板を製
造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧延機の配列を示
す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るワークロールに形成
する研磨目の例を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るワークロールに形成
する研磨目の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る圧延機の配列を示
す図である。
【図5】調質圧延機における出側流出角を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 第1スタンド 2 第2スタンド(調質圧延機) 2a,2b ワークロール 3 鋼板 4 調質圧延機 4a,4b ワークロール 5 鋼板
フロントページの続き (72)発明者 剣持 一仁 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 辻本 雅巳 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 佐々木 聡洋 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 3C043 AC13 CC01 4E002 AD06 BB09 CA01 CA15 CA20 CB03 4E016 AA02 BA01 DA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極薄鋼板を調質圧延するための調質圧延
    機であって、上下ワークロールのうち少なくとも一方の
    ワークロール周面に形成される研磨目を互いに交差する
    2方向へ延びるように存在させて、当該研磨目を編み目
    状に形成すると共に、その研磨目の各延在方向を、それ
    ぞれロール周方向に対し傾斜させたことを特徴とする調
    質圧延機。
  2. 【請求項2】 極薄鋼板を調質圧延するための調質圧延
    機であって、上下ワークロールのうち少なくとも一方の
    ワークロール周面に形成される研磨目が、ロール軸方向
    に延在することを特徴とする調質圧延機。
JP26049798A 1998-09-14 1998-09-14 調質圧延機 Pending JP2000094010A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108555729A (zh) * 2017-12-20 2018-09-21 复旦大学 光学镜片小磨头光学加工中的边缘误差控制方法

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CN108555729A (zh) * 2017-12-20 2018-09-21 复旦大学 光学镜片小磨头光学加工中的边缘误差控制方法

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