JP2000093493A - 消臭材 - Google Patents

消臭材

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JP2000093493A
JP2000093493A JP10263761A JP26376198A JP2000093493A JP 2000093493 A JP2000093493 A JP 2000093493A JP 10263761 A JP10263761 A JP 10263761A JP 26376198 A JP26376198 A JP 26376198A JP 2000093493 A JP2000093493 A JP 2000093493A
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Japan
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fibers
deodorant
fiber
acrylate
acid
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JP10263761A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakajima
中島  茂
Mitsuru Wakitani
満 脇谷
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Japan Exlan Co Ltd
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Japan Exlan Co Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業用、車輌室内用、生活資材等に利用され
る消臭材を提供する。 【構成】 アクリレ−ト系繊維と細孔半径、比表面積が
特定値である活性炭素繊維及びその他の繊維でなる吸湿
性を有する消臭材 【効果】 アルカリ臭、酸性臭、アルデヒド臭、有機物
臭等の複合臭を効率良く消臭し、再生も出来るし耐久性
も有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維状素材でなり耐
久性や風合いに優れ、各種の悪臭の消臭ができる工業
用、車輌室内用、生活資材等に利用される消臭材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、生活様式の変化、居住環境の高密
度化や機密性の高まり等により、悪臭が問題とされ、消
臭に対する要求が高まってきている。中でも狭い車輌空
間、例えば自動車内では、車製作時に用いる塗料、接着
剤等に含まれる溶剤臭、ホルムアルデヒド臭が、或いは
乗車喫煙時のタバコ臭、体臭等が、更にペットを同乗さ
せた場合のペット臭、尿中のアンモニア臭等が問題とさ
れている。また室内での日常生活用品、殊に寝具等にも
体臭、汗臭等の消臭機能が要求されるようになってい
る。
【0003】かかる問題となる悪臭を消臭する為の繊維
状の素材でなる消臭材としては、消臭性物質を繊維表面
に付着固定させたものや、活性炭繊維等が知られている
が、前者は耐久性や風合いなどに問題があり、後者は特
定の臭気に対しては効果があるものの、タバコ臭等の複
合臭には効果が小さいといった問題がある等の欠点を有
していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
状素材でなり耐久性や風合いに優れ、各種の悪臭の消臭
ができる工業用、車輌室内用、生活資材等に利用される
消臭材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意検討した結果、本発明の完成に至った。即ち、本発
明の目的は、アクリレ−ト系繊維10〜30重量%、活
性炭素繊維5〜30重量%、残余は天然繊維、合成繊
維、半合成繊維、再生繊維の中から選ばれる1種以上の
繊維でなることを特徴とする吸湿性を有する消臭材によ
り達成され、好ましい実施態様として、前記アクリレ−
ト系繊維が消臭性架橋アクリレ−ト系繊維であって20
℃65%RHでの飽和吸湿率が繊維当り15〜50重量
%であるアクリレ−ト系繊維であり、活性炭素繊維が細
孔半径30〜150nmの細孔と比表面積600〜20
00m/gを有するものであることが挙げられる。ま
た該消臭材の形態としては、ウェッブ状あるいは不織布
状であることにより、一層発明の目的が良好に達成され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を詳述する。ま
ず、本発明は少なくともアクリレ−ト系繊維を10〜3
0重量%、活性炭素繊維5〜30重量%を含む消臭材で
ある。ここでアクリレ−ト系繊維とはアクリル酸(又は
その塩)及びまたはメタアクリル酸(又はその塩)成分
を必須の成分とする重合体であって、H型カルボキシル
基と金属塩型カルボキシル基が共存するもの(共重合及
び又は変性によってこれと同一の構造を有することとな
ったものを含む)からなる繊維を言う。アクリレ−ト系
繊維、活性炭素繊維の含有量がこの範囲を下回ると前記
悪臭物質の吸着量が少なくなるので、消臭効果の持続性
が乏しくなり、発明の目的が達成されない。また一般に
アクリレ−ト系繊維、活性炭素繊維は作製が複雑であっ
て高価になることに加え、得られたものの繊維強度が低
いので、30重量%を超えて採用しては得られた消臭材
の機械的な耐久性に劣り、経済性の面と共に発明の目的
が達成されない。
【0007】さらに前述したアクリレ−ト系繊維とし
て、消臭性架橋アクリレ−ト系繊維を採用することで発
明の目的が好適に達成されるが、かかる消臭性架橋アク
リレ−ト系繊維とはアクリル系重合体からなる繊維を出
発原料として使用し、架橋処理、加水分解処理、更に必
要により中和処理して製造されるものであり、全カルボ
キシル基量が2.5〜8meq/gであり、全カルボキ
シル基量に対するH型カルボキシル基量の比が30〜9
5モル%であり、残りの5〜70モル%はK、Na、C
a、Mg、Alより選ばれた1種以上の金属塩型であ
り、さらに20℃65%RHでの飽和吸湿率が繊維重量
当り10〜50重量%であるものが好ましい。
【0008】本発明における消臭性架橋アクリレ−ト系
繊維を製造する際の架橋剤としては、ヒドラジン、ヒド
ロキシルアミン、アルキルジアミン等が使用できる。ヒ
ドラジンを架橋剤とする場合、ヒドラジン処理による処
理前後の繊維中窒素含有率の差である窒素増加量が1.
0〜8.0重量%であることが好ましい。
【0009】本発明の消臭性架橋アクリレ−ト系繊維の
製造例を挙げる。出発アクリル系繊維としてはアクリロ
ニトリル(以下、ANという)を40重量%以上、好ま
しくは50重量%以上含有するAN系重合体により形成
された繊維であり、短繊維、トウ等いずれの形態のもの
でもよく、また、製造工程途中品、廃繊維などでも構わ
ない。AN系重合体は、AN単独重合体、ANと他のモ
ノマーとの共重合体のいずれでも良く、他のモノマーと
しては、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;
(メタ)アクリル酸エステル(なお(メタ)の表記は、
該メタの語の付いたもの及び付かないものの両方を表
す);メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等
のスルホン酸含有モノマー及びその塩;(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸等のカルボン酸基含有モノマー及びそ
の塩;アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニル等のその
他のモノマーが挙げられる。出発アクリル系繊維の製造
手段に限定はなく、適宜公知の手段が用いられる。
【0010】該アクリル系繊維に架橋としてヒドラジン
架橋を導入する方法としては、窒素含有量の増加が1.
0〜8.0重量%に調整しうる手段である限り採用出来
るが、出発アクリル系繊維を、ヒドラジン濃度3〜80
重量%好ましくは5〜40重量%、温度50〜130℃
好ましくは85〜130℃で、1〜8時間好ましくは1
〜4時間処理する手段が工業的に好ましい。
【0011】なお、窒素含有量の増加が上記下限に満た
ない場合には、後に加水分解処理や中和処理した繊維の
酢酸、亜硫酸ガスの如き酸性ガス、及びホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒドの如きアルデヒド類の吸収能力が
低く、又最終的に実用上満足し得る物性の繊維とは言え
ず、上限を越えると後続する加水分解処理によるカルボ
キシル基の導入量が少なくなり、飽和吸湿率も十分には
上がらず、いずれも発明目的が達成されるとは言い難
い。窒素含有量の増加が 1.0〜8.0重量%となる
条件については、反応の温度、濃度、時間等の反応因子
と窒素含有量の増加の関係を実験で明らかにすることに
より、容易に決定出来る。ここで採用し得るヒドラジン
としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒド
ラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン等が例示さ
れる。
【0012】また、加水分解反応により、ヒドラジン架
橋されずに残存しているニトリル基を実質的に消失さ
せ、最終的に2.5〜8.0meq/gの全カルボキシ
ル基を導入する方法としては、アルカリ金属水酸化物、
アンモニア、アミン類等の塩基性水溶液、或いは硝酸、
硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液を含浸、または該水溶液中
に原料繊維を浸漬した状態で加熱処理する手段が挙げら
れる。なお、前記架橋結合の導入と同時に加水分解反応
を行うことも出来る。ここにおいて、最終的にカルボキ
シル基量が上記下限に満たない場合には消臭能力の面
で、また上限を越えると繊維の加工物性の面で発明の目
的達成が十分でない。本発明が推奨する全カルボキシル
基量が 2.5〜8.0meq/gとなる条件について
は、反応の温度、濃度、時間等の反応因子と導入される
カルボキシル基量の関係を実験で明らかにすることによ
り、容易に決定出来る。
【0013】かくして導入されたカルボキシル基の一部
を金属塩型にする方法としては加水分解後の繊維をK、
Na、Ca、Mg、Alから選ばれた1種以上の金属の
水酸化物又は塩の水溶液に浸漬し、しかる後水洗、乾燥
する方法が好適に用いられる。
【0014】吸湿率が繊維当り15〜50重量%、且つ
該カルボキシル基の30〜95モル%をH(酸)型に調
整する方法としては、上述した加水分解を酸で行った時
は、K、Na、Ca、Mg、Alより選ばれた1種以上
の金属の水酸化物でpH4.0〜9.0に調整する方法
が、またアルカリ加水分解のときは、硫酸、塩酸、硝酸
および燐酸より選ばれた1種以上の酸でpH4.0〜
9.0に調整してカルボキシル基の一部をH型に変換す
る方法が採用される。特に、2価の金属塩を導入する場
合にはカルボキシル基の一部をK、Naの金属塩型に変
換したのちCa、Mg、Alの硝酸塩、塩酸塩、燐酸塩
より選ばれた1種以上の金属塩を添加してカルボキシル
基の1部を2価あるいは3価の金属塩に転換する方法が
処理される繊維の微細構造を半膨潤化せしめ、金属塩へ
の変換が繊維内部まで均一に且つ素速く行われるため、
好適に採用される。金属塩に転換した繊維はしかる後水
洗、油剤処理、乾燥される。
【0015】なお、H型カルボキシル基量が上記下限に
満たない場合にはアンモニア、アミンの如き塩基性ガス
の消臭能力が小さく、消臭速度が遅くなり、また上限を
超えると、硫化水素、亜硫酸ガス、酢酸、カプロン酸、
イソ吉相酸の如き酸性ガスの吸収能力が小さく、吸収速
度が遅くなる。本発明は例えばアンモニアと酢酸の如き
性質の相反するガスの複合臭を同時に消臭し、多くの消
臭量を持ち、速い消臭速度を持つことも特徴であるの
で、H型と金属塩型の比が特に重要である。更に、後述
するように容易に再生することの出来る繊維を提供する
ことが出来る。即ち、この酸・塩基性ガス吸収反応は可
逆反応であり、雰囲気の酸及びまたは塩基性ガス濃度に
応じて該繊維単位量当たりのガス吸収量が決まるため、
一度吸収した酸及びまたは塩基性ガスは、清浄な空気を
あてることにより放出し、該繊維の吸収能力を容易に再
生することが出来るのである。
【0016】なおK、Na、Ca、Mg、Al以外の金
属塩型カルボキシル基では酸性ガスが吸収できないか、
人体に対する有害性が懸念されることから必ずしも推奨
できないが、特定の製法等に由来する金属等の存在を否
定するものでない。しかしその含有量は、高々金属塩型
カルボキシル基として0.4meq/g以下である。
【0017】本発明に用いられる消臭性架橋アクリレ−
ト系繊維は性質の相反するガスを同時に吸収し、多くの
消臭量を持ち、速い消臭速度を持つことが特徴である。
その為に前記の全カルボキシル基量に対するH型カルボ
キシル基量の比と共に、20℃65%RHでの飽和吸湿
率が繊維当り10〜50重量%であることが重要であ
る。20℃65%RHでの飽和吸湿率が上記範囲を下回
ると、特に水に対する親和性の高いアンモニア、ホルム
アルデヒド、亜硫酸ガス等に対する吸着性が低下し、上
回る場合には該繊維を含有してなる消臭材が高湿度雰囲
気下にさらされると、べとつき感が生じて好ましくな
い。
【0018】本発明で推奨する消臭性架橋アクリレ−ト
系繊維の20℃65%RHでの飽和吸湿率が繊維当り1
0〜50重量%の範囲となる条件については、全カルボ
キシル基量に対するH型カルボキシル基量の比、金属塩
型カルボキシル基の金属塩の種類によって異なるが、中
和処理(即ち金属塩処理)時の反応pH、濃度、時間等
の反応因子と該繊維の20℃65%RHでの飽和吸湿率
の関係を実験で明らかにすることにより、容易に決定出
来る。
【0019】次に、本発明の消臭材は活性炭素繊維を5
〜30重量%を含むものであるが、活性炭素繊維として
は、細孔半径30〜150nmの細孔と比表面積600
〜2000m/gを有する活性炭素繊維が好適に使用
される。細孔半径がこの範囲を外れる場合はベンゼン、
トルエン、アセトン、エチレン、クロロホルム、トリク
レン等の有機物質の消臭能力が損なわれ、比表面積がこ
の範囲を外れる場合には吸着能力が低下したり、高価と
なって実用上好ましくない。
【0020】この様な活性炭素繊維は石油ピッチ、石炭
ピッチ、レ−ヨン、ポリアクリロニトリル、フェノ−ル
樹脂等を原料とし、紡糸、不融化、耐炎化、炭素化、賦
活等の工程を経る常法により製造される。具体的な例と
しては大阪ガス株式会社の繊維状活性炭「アド−ル」、
東洋紡績株式会社製活性炭素繊維「T1000、T15
00、T1600」等が挙げられる。
【0021】活性炭素繊維の使用量が上記範囲を下回る
場合には前記有機物質の消臭能力が低下し、上回る場合
には、一般に活性炭素繊維は脆いために他の消臭材構成
繊維と混紡してのウェッブ化や不織布化加工が困難とな
り、しかも風合いが悪く、いずれも発明の目的が達成さ
れない。
【0022】次に本発明の消臭材は、以上説明したアク
リレ−ト系繊維や活性炭素繊維の他に、天然繊維、合成
繊維、半合成繊維、再生繊維の中から選ばれる1種以上
の繊維を構成繊維として採用する。天然繊維、合成繊
維、半合成繊維、再生繊維の中から選ばれる1種以上の
繊維をその他の繊維と称すれば、その他の繊維の量は前
記アクリレ−ト系繊維と活性炭素繊維を消臭材から差し
引いた残余の量、具体的には消臭材の40〜85重量%
である。その他の繊維としては一々限定できないが、例
えば、木綿、羊毛、麻等の天然繊維、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリアクリル、ビニロン繊維等の合成繊維あ
るいはレ−ヨン、ポリノジック繊維等の半合成繊維、再
生繊維が例示され、合成繊維、半合成繊維の場合丸型の
みならず、異型繊維、中空繊維等も好適に例示される。
中でも上述した構成繊維を混紡したウェッブをさらに積
層して不織布状とする場合には、その他の繊維としてポ
リエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエス
テル、ポリエステル−ポリエステル等の低融点−高融点
成分からなる熱融着性繊維が寸法安定性が求められる用
途において好都合である。
【0023】本発明の消臭材は、以上説明したアクリレ
−ト系繊維、活性炭素繊維及びその他の繊維で構成され
たウェッブ状あるいはそのウェッブをさらに必要に応じ
複数層積層してなる不織布状形態を執る。かかる消臭材
は、上述の構成繊維の夫々の所定量を常法に従って混
綿、解繊してウェッブ状の形態で得るとか、かかるウェ
ッブを不織布化工程を通して不織布状で得る方法で製造
される。
【0024】ウェッブ状あるいは不織布状である本発明
の消臭材の中におけるアクリレ−ト系繊維及び活性炭素
繊維の含有形態としては、ウェッブの場合には実質的に
均一に分布したものが多いが、複数のウェッブを積層し
た構造の不織布の場合には、いずれかの層(単数でも複
数でも良い)に集中して存在せしめたものや、夫々の層
に特定比率で分布せしめるもの等がある。
【0025】したがって本発明の不織布は、上記に例示
した含有形態の組合わせとして、無数のものが存在す
る。いかなる構造物とするかは、本発明の不織布の最終
製品の使用態様(例えばシ−ズン性、内装内部への張込
み、カ−テンやカ−ペット、クッション、空調器、布
団、座布団等としての利用の仕方など)を勘案して適宜
決定される。
【0026】さらに構造物を細かく見れば、本発明の必
須構成繊維であるアクリレ−ト系繊維と活性炭素繊維及
びその他の繊維をほぼ均一に混合した状態のものだけで
なるもの、これに他の素材を貼付、接着、融着、挟み付
け等で積層あるいはラミネ−トなど行い、2〜5の複数
層の積層状でなるものがある。また積層状ではあるが、
積極的な接合は行わず支持体で積層状を維持するものも
ある。
【0027】本発明のウェッブや不織布を利用した最終
製品の用途としては、先にも触れたように、大別する
と、布団や枕、クッション、パットの様な寝具類の中
綿、カ−テン、カ−ペットに代表されるインテリア、車
内,室内の内装材、椅子やぬいぐるみの中綿、その他の
分野がある。そして夫々の用途に応じ、要求される機能
を満たすべく単一層から複数層まで、さらにそれを含ん
で外被を施すなど、最適の構造を選択する訳である。
【0028】
【作用】本発明に係る消臭材が様々なガスの吸収能力を
併せ有する理由は、十分には説明するに至っていないが
概ね次のように考える。即ち、本発明が採用する構成繊
維の1つであるアクリレ−ト系繊維は、構成する主成分
単量体由来の多量のH型及び金属塩型カルボキシル基を
有しているが、殊に好適に採用される消臭性架橋アクリ
レ−ト系繊維はAN系重合体から出発していながら、実
質的にニトリル基が消失している所から、ポリマー鎖に
結合している側鎖は、ヒドラジンとの反応により生成し
た1級、2級アミンや、かつ窒素を含有する架橋構造
と、ニトリル基の加水分解反応により生成したH型,金
属塩型カルボキシル基及びアミド基と考えられる。
【0029】当該繊維が酸、塩基性ガスを吸収するの
は、H型カルボキシル基と塩基性ガスが、また金属塩型
カルボキシル基及び1級、2級アミンと酸性ガスが酸・
塩基反応により結合するためであろう。この酸・塩基反
応は可逆反応であるので、該繊維の吸収能力は容易に再
生される。また、アルデヒド類を吸収するのは1級、2
級アミン及びアミド基と容易に反応し、メチロ−ル等を
生成することによるものであろう。更に、ベンゼン、ト
ルエン、アセトン、エチレン、クロロホルム、トリクレ
ン等の有機物質の吸着は、活性炭素繊維の持つ広い表面
積と細孔構造に基づく物理吸着によるものであろう。
【0030】本発明の消臭材は高い消臭能力を持ってい
るが、その再生も容易である。即ち一度吸収した酸・塩
基性ガスは、清浄な空気をあてることにより放出し、該
消臭材の消臭能力を容易に再生することが出来るが、よ
り効率良く再生するために、例えば塩基性ガス吸収能力
回復を目的とする場合、酢酸、蟻酸の如き弱有機酸ある
いは希無機酸で、酸性ガス吸収能力回復の場合アンモニ
ア水あるいは希アルカリ水で処理し、水洗する方法も採
用できる。また、50〜150℃の加熱空気にさらす事
も再生には有効であり、その際に水蒸気を含ませる事に
よって更に有効な再生ができる。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部及び百分率は断りのない限り重量基準
で示す。 アクリレ−ト系繊維の製造例1 アクリロニトリル80重量%、アクリル酸20重量%の
アクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに
共重合体濃度が25重量%となるように溶解し、紡糸原
液とした。この紡糸原液を40℃、30重量%ジメチル
アセトアミド水溶液を満たした紡糸浴中に湿式紡糸し、
沸水中で溶剤を洗浄しながら5倍延伸を施した後の延伸
糸を0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液中でpH=
6.0としてカルボン酸の一部をNa塩とした。水洗
後、0.2%硝酸カルシウム水溶液を満たした浴に導
き、金属イオン交換させた。その後過剰の硝酸カルシウ
ムを洗浄除去、油剤を付着せしめた後150℃の熱ロ−
ラ−で乾燥緻密化を行った。さらに2.5Kg/cm
Gの加圧スチ−ム中で緩和熱処理を行い、2デニ−ルの
アクリレ−ト系繊維を得た。繊維の全カルボキシル基量
は2.8meq/g、全カルボキシル基量中のCa型カ
ルボキシル基の割合は45モル%であった。
【0032】消臭性架橋アクリレ−ト系繊維の製造例2 アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチル10重
量%のアクリロニトリル系重合体を45%ロダンソ−ダ
水溶液で溶解した紡糸原液を常法に従って紡糸、水洗、
延伸、捲縮、熱処理して、1デニ−ル×70mmの原料
繊維を得た。この原料繊維1Kgに20重量%のヒドラ
ジン水溶液10Kgを加え、100℃で3時間架橋処理
した。窒素増加量は5.1%であった。該架橋繊維を水
洗後、更に3重量%の水酸化ナトリウム10Kgを加
え、90℃で2時間加水分解した。次いで、水洗後、水
酸化ナトリウムでpHを6.5に調整し、硝酸カルシウ
ム650gを添加して、60℃で2時間金属塩処理し
た。十分水洗後、脱水、油剤処理及び熱処理を行い、繊
度は2デニ−ル、長さは50mmのアクリレ−ト系繊維
を得た。この繊維は全カルボキシル基量は5.1meq
/g、全カルボキシル基量中のCa型カルボキシル基の
割合は50モル%で更に、20℃65%RHで測定した
飽和吸湿率は乾燥繊維に対して20重量%の消臭性架橋
アクリレ−ト系繊維である。
【0033】実施例1 製造例1のアクリレ−ト系繊維15重量%、大阪ガス
(株)製ピッチ系活性炭素繊維アド−ルA10(細孔半
径85nm、比表面積1000m/g)5重量%、ポ
リエステル繊維(東洋紡績株式会社製2デニ−ル)80
重量%を原綿供給用ラチス上に並べ、60インチロ−ラ
−カ−ド(共和機械(株)製)に連続して供給した。カ
−ドウェッブ積層機(池上機械(株)製)にてウェッブ
を6層に重ね合わせながら、ニ−ドルパンチング機(共
和機械(株)製)を用い、第1次ニ−ドルパンチング3
0針/cm、第2次ニ−ドルパンチング140針/c
、走行速度2m/分で不織布状の消臭材を作製し
た。該不織布の単独臭気物質の消臭性はアンモニア9
8.1%(初期濃度350ppm)、酢酸92.7%
(初期濃度100ppm)、アセトアルデヒド78.8
%(初期濃度100ppm)、トリメチルアミン69.
3%(初期濃度90ppm)、メチルメルカプタン8
2.5%(初期濃度40ppm)、トルエン99.1%
(初期濃度500ppm)、であった。このことはタバ
コ臭、汗臭等に基づく各種悪臭物質を消臭することを示
すものである。
【0034】なお消臭性は次の方法にて測定し、消臭率
で表したものである。試料10gをテドラ−バックに入
れて密封し、20℃65%RHの空気を3リットル注入
し、次いで所定の初期濃度になるように標準ガスを注入
する。20℃で2時間放置後にテドラ−バック内のガス
濃度を北川式ガス検知管を用いて測定し、次式に従って
消臭率を算出した。 消臭率(%)=[(初期濃度−2時間後濃度)/初期濃
度]×100
【0035】実施例2 製造例2のアクリレ−ト系繊維15重量%、大阪ガス
(株)製ピッチ系活性炭素繊維アド−ルA7(細孔半径
85nm、比表面積700m/g)5重量%、ポリエ
ステル繊維(東洋紡績株式会社製2デニ−ル)80重量
%を用い実施例1と同様の方法に従って不織布状消臭材
を作製した。該不織布の単独臭気物質の消臭性はアンモ
ニア100%(初期濃度400ppm)、酢酸96.8
%(初期濃度100ppm)、アセトアルデヒド90.
3%(初期濃度100ppm)、トリメチルアミン8
2.5%(初期濃度90ppm)、メチルメルカプタン
82.5%(初期濃度40ppm)、トルエン99.8
%(初期濃度500ppm)であった。
【0036】次に該不織布を重ね合わせて目付けを50
0g/mとし、大きさ40×40cmに切断して自動
車シ−トの4ヵ所に取り付けた。喫煙乗車しても翌朝に
は車内のタバコ臭さは認めなかった。また座席のべとつ
き感が解消された。更に犬、猫を同乗させた場合もペッ
ト臭、尿臭は認めなかった。又更にニ−ドルパンチ機を
かける前のウェッブ状の消臭材を用いて大きさ40×4
0cm、重さ600gのクッションを作製し、4個新車
内に置き、新車特有の臭いの嫌いなパネラ−に試乗して
もらったところ、新車の臭いが気にならないとの回答を
得た。
【0037】実施例3 製造例2のアクリレ−ト系繊維10重量%、大阪ガス
(株)製ピッチ系活性炭素繊維アド−ルA20(細孔半
径105nm、比表面積2000m /g)5重量
%、中空ポリエステル繊維(東洋紡績株式会社製)85
重量%を混繊機で予備解繊を行った後、ロ−ラ−カ−ド
でウェッブ状の消臭材を作成した。次いで該消臭材を詰
め綿に使用して、敷布団を作製した。作製した敷布団を
寝た切り老人の寝具に用い、介護者にアンケ−ト方式で
1ケ月間の使用試験を実施した結果室内の臭気が気にな
らなくなったとの回答を得た。特に尿に基づくアンモニ
アの臭気が少なくなるとの回答を得た。このことから布
団はもとより、枕、座布団、汗取りパット等の中綿にも
応用し得ることが示唆された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 BB04 CC02 CC04 CC08 CC12 HH05 JJ05 JJ09 KK08 MM05 MM26 QQ03 QQ20 4G066 AA04B AA13D AA14D AA53D AB09A AB13D AB27A AC02B AC06B AC11B AC17B AC23B AC35B BA16 BA23 BA26 BA36 BA42 CA02 CA25 CA29 CA43 CA51 CA52 CA56 DA03 FA07 FA15 FA20 FA21 FA25 FA37 FA40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリレ−ト系繊維10〜30重量%、
    活性炭素繊維5〜30重量%、残余は天然繊維、合成繊
    維、半合成繊維、再生繊維の中から選ばれる1種以上の
    繊維でなることを特徴とする吸湿性を有する消臭材。
  2. 【請求項2】 アクリレ−ト系繊維が、消臭性架橋アク
    リレ−ト系繊維であって20℃65%RHでの飽和吸湿
    率が繊維当り10〜50重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の吸湿性を有する消臭材。
  3. 【請求項3】 活性炭素繊維が、細孔半径30〜150
    nmの細孔と比表面積600〜2000m/gを有す
    るものであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか
    に記載の吸湿性を有する消臭材。
  4. 【請求項4】 消臭材が、ウェッブ状あるいは不織布状
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の吸湿性を有する消臭材。
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