JP2000092929A - 作業車 - Google Patents

作業車

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JP2000092929A
JP2000092929A JP11069922A JP6992299A JP2000092929A JP 2000092929 A JP2000092929 A JP 2000092929A JP 11069922 A JP11069922 A JP 11069922A JP 6992299 A JP6992299 A JP 6992299A JP 2000092929 A JP2000092929 A JP 2000092929A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苗植付装置の昇降操作を、煩わしい操作無
く、苗植付け作動に際して苗植付装置を操縦者の所望の
状態に切り換え設定できるようにする。 【解決手段】 走行機体に駆動昇降自在に作業装置を連
結すると共に、左右外方に突出する作用姿勢と内方に引
退する格納姿勢とに切換自在な左右の線引きマーカ23
R,23Lを備え、作業装置を上昇させる状態と接地下
降させる状態とに切換自在な昇降操作具SW1を設け、
この昇降操作具SW1の操作形態により左右の線引きマ
ーカ23R,23Lのうち作用姿勢に切り換えるものの
選択を行うとともに、操縦部に作用状態の側のマーカ2
3R,23Lを表示する表示具を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に駆動昇降自
在に苗植付装置を連結し、走行機体側から植付クラッチ
を介して断続自在に前記苗植付装置に動力を供給するよ
う構成するとともに、前記苗植付装置の左右両側に外方
に突出する作用姿勢と機体内方側に引退する格納姿勢と
に切り換え自在に一対の線引きマーカを設け、各線引き
マーカを格納姿勢でロック保持するロック機構を各別に
ロック解除させて、選択的に線引きマーカを作用姿勢に
切り換えるよう構成し、かつ、前記苗植付装置を強制上
昇させる状態と接地下降させる状態とに切り換え自在な
昇降操作スイッチを備えてある田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機において、従来では、圃場で
の苗植付け作業走行の枕地旋回の際、前記昇降操作スイ
ッチを操作すると、それに連動して植付クラッチを切り
操作し、苗植付装置を接地下降姿勢から強制上昇させ、
旋回走行が終了して昇降操作スイッチを再度操作すると
苗植付装置が下降して、別途設けた植付クラッチ入り切
り用操作具を操作することで植付クラッチが入り操作さ
れるよう構成したものが考えられ、又、上記したような
苗植付装置の最大上昇位置までの昇降作動に伴って、左
右のロック機構のロック状態を順次的に左右切り換え操
作して、苗植付装置の下降時に作用姿勢に切り換わる線
引きマーカが左右交互に切り換えられるよう構成したも
のが考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構造は、圃場
での枕地旋回走行における操縦操作性の向上を図ったも
のである。即ち、枕地旋回の際には、苗植付装置におけ
る苗植付け作動を停止して苗植付装置を泥面から上昇さ
せるとともに、ステアリング操作して機体を旋回させた
後、再度、苗植付装置を下降させて条合わせができた時
点で苗植付け作動を再開させるとともに、線引きマーカ
の左右切り換え操作も必要であり、操縦操作が煩わしい
ものとなる。しかも、操縦者によっては旋回の手前で機
体の走行速度を減速させる必要もあって、特に未熟練者
にとっては行い難い操作となっていた。そこで、これら
の各操作を極力少なくする目的で、苗植付装置の昇降操
作を切り換え式のスイッチで行い、かつ、このスイッチ
の上昇用操作に連動して植付クラッチを自動で切り操作
するよう連係し、更には、マーカ用左右ロック機構のロ
ック状態を苗植付装置の昇降作動に伴って自動で切り換
えるようにしたものである。ところが、上記したような
構造においては、苗植付装置を下降作動させる場合に
は、苗植付装置の下降操作と植付クラッチの入り操作と
を同じタイミングで行うことができないので、クラッチ
入り操作専用の操作具を設ける必要があり、操作が煩わ
しい欠点があり、又、苗植付装置の昇降に伴って強制的
に線引きマーカが順次左右で切り換わるので、圃場が異
なった場合の作業開始時に所望の位置と異なる側の線引
きマーカが作用姿勢に切り換わると、畦等に接当して損
傷するおそれがある等の弊害があり、未だ改善の余地が
あった。本発明は、苗植付装置の昇降操作をスイッチで
行う点に着目して、煩わしい操作無く、苗植付け作動に
際して苗植付装置を操縦者の所望の状態に切り換え設定
できるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本第1発明の特徴構成
は、冒頭に記載した田植機において、前記昇降操作スイ
ッチの操作形態を判別する操作形態判別手段を備え、こ
の操作形態判別手段の判別結果に基づいて、前記苗植付
装置の上昇作動に伴って前記ロック機構のロック状態を
左右順次的に切り換え作動させる状態と、その作動を牽
制する状態とに切り換えるよう構成してある点にある。
本第2発明の特徴構成は、前記昇降操作スイッチの操作
形態を判別する操作形態判別手段を備え、この操作形態
判別手段の判別結果に基づいて、前記苗植付装置の下降
作動に伴って前記植付クラッチを自動で入り操作させる
状態と、クラッチ自動入り操作を牽制する状態とに切り
換えるよう構成してある点にある。
【0005】
【作用】第1発明の特徴構成によると、苗植付装置を上
昇させる際の前記昇降操作スイッチの操作形態、例え
ば、押し操作式であればその押し操作時間の差により、
又、揺動式であれば操作方向の違い等により、操縦者の
意思に基づく操作形態の違いを判別して、苗植付装置の
昇降作動に伴って線引きマーカのロック機構のロック状
態を左右で順次的に切り換え操作する状態と、順次的な
切り換えを行わない状態とのいずれかに選択的に設定で
きる。その結果、機体を旋回させた後、すぐに植付け作
動を再開するときは、順次的切り換え状態に設定してお
くと、煩わしさ無く未植付け領域に線引き作業が行え、
又、圃場での作業開始に当たり、線引きマーカのロック
解除が所望の側と異なっているときには、順次的な切り
換えを行わない状態に設定することで、所望の側に線引
きマーカを降ろすことができる。第2発明の特徴構成に
よると、上記したような昇降操作スイッチの操作形態の
違いを判別して、植付クラッチを自動で入り操作させる
状態と、そのような自動入り操作を牽制する状態とのい
ずれかに選択的に設定できるので、機体を旋回させた
後、すぐに植付け作動を再開するときは、自動入り状態
に設定しておくことで煩わしさ無く、植付け作業を再開
でき、旋回走行の際に枕地を整地フロート等によって整
地したいような場合には、前記牽制状態に設定して意に
反して苗植付け作動が開始されるのを防止できることに
なる。
【0006】
【発明の効果】従って、枕地旋回走行において、苗植付
装置の昇降用操作に連動して左右線引きマーカの作用姿
勢の自動切り換え操作や植付クラッチの自動入り切り操
作を行えるものにして、旋回に伴う操縦者の操作負担を
極力軽減できる利点を有しながら、昇降操作の際の操作
形態の差によって、旋回後の苗植付装置における各種作
業装置の作業形態を操縦者の意思に沿う状態に設定する
ことができて、操縦操作のバリエーションを増やすこと
で、更に、操縦操作性並びに作業能率を向上させること
ができるものを提供できるに到った。
【0007】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図3
に乗用型田植機を示している。この田植機は乗用型走行
機体の後部に平行四連リンク機構1を介して昇降自在並
びに前後軸芯周りで左右ローリング自在に苗植付装置2
を連結して構成してある。苗植付装置2は前後軸芯Y周
りで回動自在にフレーム兼用の植付伝動ケース4に支持
され、この植付伝動ケース4に、一定ストロークで往復
横移動する苗のせ台5、苗のせ台5の下端部から一株づ
つ植付け用苗を取り出して圃場に植付ける複数の植付機
構6、左右に並列配備した3個の接地フロート7等を備
えてなり、油圧シリンダ10の伸縮駆動により昇降作動
するよう構成してある。そして、前記油圧シリンダ10
に対する油圧制御弁Vは電磁式に構成され、この電磁制
御弁Vは、マイクロコンピュータを備えた制御装置13
により駆動制御するよう構成してある。つまり、図1に
示すように、機体の運転座席15の横側に配備した昇降
レバー16の揺動操作に基づくポテンショメータPM1
の出力により、人為的に上昇作動、下降作動並びに中立
停止状態を現出できるよう構成し、操縦部パネル17に
設けた押し操作式昇降スイッチSW1により、上昇作動
と下降作動とを交互に現出できるよう構成してある。
又、植付作業状態では、苗植付装置2の対地高さを所定
値に維持する昇降制御手段Aを制御装置13に制御プロ
グラム形式で備えてある。即ち、機体中央の接地フロー
ト7を後部支点周りで上下揺動自在に支持するととも
に、苗植付装置2の対地高さの変化に伴うこの接地フロ
ート7の前部側における接地圧変動に基づく相対上下動
をポテンショメータPM2により検出して、このポテン
ショメータPM2の出力値が所定の設定領域内に収まる
よう制御装置13が油圧シリンダ10の電磁制御弁Vを
制御して苗植付装置2を所定対地高さに維持するのであ
る。そして、前記昇降スイッチSW1の作動に伴って苗
植付装置2が最大上昇位置まで上昇作動する際に、苗植
付装置2が最大上昇位置近くまで上昇したことを検出す
るリミットスイッチSW2を走行機体の後輪フェンダ部
21に取付け、上昇作動に伴ってリンク機構1の途中部
が接当作用して検出作動するよう構成し、このリミット
スイッチSW2の検出作動に基づいて油圧シリンダ10
の上昇側駆動を自動停止させるよう構成してある。走行
機体側からの動力を植付クラッチ21、伝動軸22を介
して断続自在に苗植付装置2に供給するよう構成し、前
記植付クラッチ21は減速機構付き電動モータMにより
入り切り操作するよう構成してある。前記苗植付装置2
の左右両側には、横外方に突出して未植付け領域に走行
目標線を描く作用姿勢と機体内方側に引退する格納姿勢
とに切り換え自在な線引きマーカ23R,23Lを備え
てあり、この線引きマーカ23R,23Lは図2に示す
ように、作用姿勢に向けてバネ24で揺動付勢するとと
もに、苗植付装置2の上昇操作時に後リンク1aの相対
変化姿勢に伴ってローラ25により操作ワイヤ26を引
き操作して引退姿勢になるよう連係してある。そして、
この引退姿勢において自動で係止保持してその姿勢を維
持するロック機構27R,27Lを夫々設け、このロッ
ク機構27R,27Lのロック保持を選択的に解除した
状態で苗植付装置2を下降させると、選択された側の線
引きマーカが作用姿勢に設定されるよう構成してある。
そして、この各ロック機構27R,27Lを左右交互に
順次的に解除作動させる電磁ソレノイド28R,28L
を設けてある。前記昇降操作スイッチSW1の苗植付装
置2上昇操作時の操作形態を判別する第1操作形態判別
手段Bを備え、この第1操作形態判別手段Bの判別結果
に基づいて、前記苗植付装置2の上昇作動に伴って前記
ロック機構27R,27Lのロック状態を左右順次的に
切り換え作動させる状態と、その作動を牽制する状態と
に切り換えるよう構成してある。又、昇降操作スイッチ
SW1の苗植付装置2下降操作時の操作形態を判別する
第2操作形態判別手段Cを備え、この第2操作形態判別
手段Bの判別結果に基づいて、前記苗植付装置2の下降
作動に伴って植付クラッチ21を自動で入り操作させる
状態と、自動クラッチ入り操作を牽制する状態とに切り
換えられるよう構成してある。前記各操作形態判別手段
B,Cは制御装置13に制御プログラム形式で備えら
れ、制御装置13は以下のように制御を実行する。図
4,図5に植付け作業における制御フローチャートを示
す。昇降レバー16が苗植付装置2下降位置に操作され
ている状態で昇降操作スイッチSW1が操作されると、
電動モータMを駆動して植付クラッチ21を切り操作す
るとともに、電磁制御弁Vを駆動して前記リミットスイ
ッチSW2の検出状態を判断しながら苗植付装置2を最
大上昇位置まで上昇操作する〔ステップ1〜4〕。昇降
操作スイッチSW1の上昇用操作時間t1が所定時間T
1以上であるときは、前記電磁ソレノイド28R,28
Lを切り換え操作して線引きマーカ23R,23Lの左
右切り換えを行う〔ステップ5,6〕。尚、前記操作時
間t1が短いときは、電磁ソレノイドSLの駆動を行わ
ず、線引きマーカ23R,23Lの左右切り換えを牽制
する。そして、再度、昇降操作スイッチSW1が操作さ
れると、電磁制御弁Vを駆動して苗植付装置2を接地下
降させるとともに、昇降操作スイッチSW1の下降用操
作時間t2が所定の設定時間T2よりも長いときは、前
記ポテンショメータPM2の出力の変化より検知した接
地時点から所定の設定時間T3経過すると、電動モータ
Mを駆動して植付クラッチ21を自動で入り操作させる
〔ステップ7〜12〕。そして、前記下降用操作時間t
2が短いときは、苗植付装置2を接地下降させ植付クラ
ッチ21は切り状態を維持する。尚、植付クラッチ21
が入り操作されたときは、操縦部パネル17に設けた植
付状態表示ランプ44を青色に点灯させ、植付クラッチ
21が切り状態のときは赤色に点灯表示させる〔ステッ
プ13、15〕。又、そのときに作用状態になっている
線引きマーカ23R,23Lが左右いずれの側であるか
を、操縦部パネル17に備えたマーカランプ45を表示
させる〔ステップ14〕。
【0008】〔別実施例〕前記昇降操作スイッチSW1
は押し操作式のものに代えて揺動操作式に構成してもよ
く、このとき前記ステップ5及びステップ9における操
作形態の判別は、操作方向の違いによって判別するよう
にしてもよい。又、苗植付装置2が下降した後、植付ク
ラッチ21を入り操作させる構成は、時間経過により自
動で入り操作するものに代えて専用の操作具により入り
操作させるものであってもよい。
【0009】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御ブロック図
【図2】線引きマーカ支持部の正面図
【図3】田植機の全体側面図
【図4】制御フローチャート
【図5】制御フローチャート
【符号の説明】
2 苗植付装置 23R,23L 線引きマーカ 45 表示具 SW1 昇降操作スイッチ
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月31日(1999.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 作業車
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に駆動昇降自
在に作業装置を連結し、走行機体側から前記作業装置に
動力を供給するよう構成するとともに、左右一対の線引
きマーカを備えて、この線引きマーカを左右方向での外
側方に突出する作用姿勢と、それよりも上方に引き上げ
られた非作用姿勢とに切り換え自在に設けてある作業車
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記作業車において、従来では、乗用型
田植機を例にとると、圃場での苗植付け作業走行に伴う
枕地旋回の際、苗植付装置を昇降操作すると、それに連
動して機械的に左右の線引きマーカを引き上げ、且つ、
苗植付装置の下降時には、線引きを開始する側の線引き
マーカが突出した作用姿勢に切り換わり、他側の線引き
マーカは引き上げられた非作用姿勢を維持するように、
左右のロック機構のロック状態を左右の何れかに切り換
え操作するように構成したものが考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構造による
と、枕地旋回の際には、苗植付装置における苗植付け作
動を停止して苗植付装置を泥面から上昇させるととも
に、ステアリング操作して機体を旋回させた後、再度、
苗植付装置を下降させて条合わせができた時点で苗植付
け作動を再開させるとともに、線引きマーカの左右切り
換え操作も必要であり、操縦操作が煩雑なものとなる。
しかも、操縦者によっては旋回の手前で機体の走行速度
を減速させる必要もあって、特に未熟練者にとっては行
い難い操作となっていた。このような旋回操作中の操作
の煩雑さを解消することだけを考えるのなら、例えば、
苗植付装置の昇降操作に連動させてマーカ用の左右ロッ
ク機構のロック状態を苗植付装置の昇降動作と共に自動
で左右交互に切り換えるようにしてもよい。しかしなが
ら、このような単なる連動構造においては、苗植付装置
の昇降に伴って線引きマーカが強制的に順次左右で切り
換わるので、圃場が異なった場合や、植付作業途中に苗
補給のために苗植付装置を上昇させた場合などからの作
業開始時に、所望の位置と異なる側の線引きマーカが作
用姿勢に切り換わると、畦に接当して損傷したり、既植
付苗を損傷する等のおそれがあり、未だ改善の余地があ
る。本発明は、苗植付装置の昇降を昇降操作具の操作で
行う点に着目して、枕地旋回中の煩わしい操作を省い
て、苗植付け作動に際して苗植付装置を操縦者の所望の
状態に切り換え設定できるように、かつ、その切り換え
状態の確認を容易に行えるようにすることを目的として
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、走
行機体に駆動昇降自在に作業装置を連結すると共に、左
右外方に突出する作用姿勢と、それよりも上方に引き上
げられた非作用姿勢とに切換自在な左右の線引きマーカ
を備え、作業装置を上昇させる状態と接地下降させる状
態とに切換自在な昇降操作具を設け、この昇降操作具の
操作形態を判別して左右の線引きマーカのうち作用姿勢
に切り換えるものの選択を行うとともに、操縦部に線引
きマーカの作用状態を表示する表示手段を設けてある点
にある。
【0005】
【作用】本発明の特徴構成によると、苗植付装置を上昇
させる際の前記昇降操作具の操作形態、例えば、押し操
作式であればその押し操作時間の差により、又、揺動式
であれば操作方向の違い等により、操縦者の意思に基づ
く操作形態を判別して、苗植付装置の上昇に伴って線引
きマーカのロック機構のロック状態を左右でいずれかに
選択的に設定できる。その結果、機体の旋回中において
は煩わしい線引きマーカの選択操作を省くことができ
る。また、ロックが解除される側のマーカを選択するに
あたり、従来のように操作具が目的の操作位置に停止す
るという、明確な形で操作結果が現れるのではなく、昇
降操作具の操作形態の判別という、操縦者にとっては、
操作結果として明確には把握し難い条件が採用されてい
るのであるが、本発明では、その操作結果の判別を、操
作感覚という割と熟練を要する技に頼らず、操縦部に設
けた表示手段で認識することができるので、所要のマー
カのロック解除を不慣れな操縦者でも操作ミスなく行う
ことができる。
【0006】
【発明の効果】本発明の特徴構成によると、苗植付装置
を上昇させる際の操縦者の意思に基づく操作形態の違い
を判別して、次回下降時のマーカの作動方向を選択でき
るものであるため、下降操作時に作動側のマーカのロッ
クを解除するものに比べ、機体の旋回中における煩わし
い線引きマーカの選択操作を省いて操作性を向上するこ
とができるとともに、マーカの作用姿勢への切り換えが
早く行われ、作業開始とともに線引き作業が行われるこ
とで能率良く作業を行える利点がある。また、ロックが
解除される側のマーカを選択するにあたり、操縦部に設
けた表示手段で操作結果を認識することができるので、
所要のマーカのロック解除を不慣れな操縦者でも操作ミ
スなく行うことができ、安心して操縦することができ
る。
【0007】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図3
に作業車の一例である乗用型田植機を示している。この
田植機は乗用型走行機体の後部に平行四連リンク機構1
を介して昇降自在並びに前後軸芯周りで左右ローリング
自在に苗植付装置2を連結して構成してある。苗植付装
置2は前後軸芯Y周りで回動自在にフレーム兼用の植付
伝動ケース4に支持され、この植付伝動ケース4に、一
定ストロークで往復横移動する苗のせ台5、苗のせ台5
の下端部から一株づつ植付け用苗を取り出して圃場に植
付ける複数の植付機構6、左右に並列配備した3個の接
地フロート7等を備えてなり、油圧シリンダ10の伸縮
駆動により昇降作動するよう構成してある。
【0008】そして、前記油圧シリンダ10に対する油
圧制御弁Vは電磁式に構成され、この電磁制御弁Vは、
マイクロコンピュータを備えた制御装置13により駆動
制御するよう構成してある。つまり、図1に示すよう
に、機体の運転座席15の横側に配備した昇降レバー1
6の揺動操作に基づくポテンショメータPM1の出力に
より、人為的に上昇作動、下降作動並びに中立停止状態
を現出できるよう構成し、操縦部パネル17に設けた昇
降操作具としての押し操作式昇降スイッチSW1によ
り、上昇作動と下降作動とを交互に現出できるよう構成
してある。
【0009】又、植付作業状態では、苗植付装置2の対
地高さを所定値に維持する昇降制御手段Aを制御装置1
3に制御プログラム形式で備えてある。即ち、機体中央
の接地フロート7を後部支点周りで上下揺動自在に支持
するとともに、苗植付装置2の対地高さの変化に伴うこ
の接地フロート7の前部側における接地圧変動に基づく
相対上下動をポテンショメータPM2により検出して、
このポテンショメータPM2の出力値が所定の設定領域
内に収まるよう制御装置13が油圧シリンダ10の電磁
制御弁Vを制御して苗植付装置2を所定対地高さに維持
するのである。そして、前記昇降スイッチSW1の作動
に伴って苗植付装置2が最大上昇位置まで上昇作動する
際に、苗植付装置2が最大上昇位置近くまで上昇したこ
とを検出するリミットスイッチSW2を走行機体の後輪
フェンダ部29に取付け、上昇作動に伴ってリンク機構
1の途中部が接当作用して検出作動するよう構成し、こ
のリミットスイッチSW2の検出作動に基づいて油圧シ
リンダ10の上昇側駆動を自動停止させるよう構成して
ある。走行機体側からの動力を植付クラッチ21、伝動
軸22を介して断続自在に苗植付装置2に供給するよう
構成し、前記植付クラッチ21は減速機構付き電動モー
タMにより入り切り操作するよう構成してある。
【0010】前記苗植付装置2の左右両側には、横外方
に突出して未植付け領域に走行目標線を描く作用姿勢と
機体内方側に引退する格納姿勢とに切り換え自在な線引
きマーカ23R,23Lを備えてあり、この線引きマー
カ23R,23Lは図2に示すように、作用姿勢に向け
てバネ24で揺動付勢するとともに、苗植付装置2の上
昇操作時に後リンク1aの相対変化姿勢に伴ってローラ
25により操作ワイヤ26を引き操作して引退姿勢にな
るよう連係してある。そして、この引退姿勢において自
動で係止保持してその姿勢を維持するロック機構27
R,27Lを夫々設け、このロック機構27R,27L
のロック保持を選択的に解除した状態で苗植付装置2を
下降させると、選択された側の線引きマーカが作用姿勢
に設定されるよう構成してある。そして、この各ロック
機構27R,27Lを左右交互に順次的に解除作動させ
る電磁ソレノイド28R,28Lを設けてある。
【0011】前記昇降操作スイッチSW1の苗植付装置
2上昇操作時の操作形態を判別する第1操作形態判別手
段Bを備え、この第1操作形態判別手段Bの判別結果に
基づいて、前記苗植付装置2の上昇作動に伴って前記ロ
ック機構27R,27Lのロック状態を左右順次的に切
り換え作動させる状態と、その作動を牽制する状態とに
切り換えるよう構成してある。又、昇降操作スイッチS
W1の苗植付装置2下降操作時の操作形態を判別する第
2操作形態判別手段Cを備え、この第2操作形態判別手
段Bの判別結果に基づいて、前記苗植付装置2の下降作
動に伴って植付クラッチ21を自動で入り操作させる状
態と、自動クラッチ入り操作を牽制する状態とに切り換
えられるよう構成してある。前記各操作形態判別手段
B,Cは制御装置13に制御プログラム形式で備えら
れ、制御装置13は以下のように制御を実行する。
【0012】図4,図5に植付け作業における制御フロ
ーチャートを示す。昇降レバー16が苗植付装置2下降
位置に操作されている状態で昇降操作スイッチSW1が
操作されると、電動モータMを駆動して植付クラッチ2
1を切り操作するとともに、電磁制御弁Vを駆動して前
記リミットスイッチSW2の検出状態を判断しながら苗
植付装置2を最大上昇位置まで上昇操作する〔ステップ
1〜4〕。昇降操作スイッチSW1の上昇用操作時間t
1が所定時間T1以上であるときは、前記電磁ソレノイ
ド28R,28Lを切り換え操作して線引きマーカ23
R,23Lの左右切り換えを行う〔ステップ5,6〕。
尚、前記操作時間t1が短いときは、電磁ソレノイドS
Lの駆動を行わず、線引きマーカ23R,23Lの左右
切り換えを牽制する。そして、再度、昇降操作スイッチ
SW1が操作されると、電磁制御弁Vを駆動して苗植付
装置2を接地下降させるとともに、昇降操作スイッチS
W1の下降用操作時間t2が所定の設定時間T2よりも
長いときは、前記ポテンショメータPM2の出力の変化
より検知した接地時点から所定の設定時間T3経過する
と、電動モータMを駆動して植付クラッチ21を自動で
入り操作させる〔ステップ7〜12〕。そして、前記下
降用操作時間t2が短いときは、苗植付装置2を接地下
降させ植付クラッチ21は切り状態を維持する。尚、植
付クラッチ21が入り操作されたときは、操縦部パネル
17に設けた植付状態表示ランプ44を青色に点灯さ
せ、植付クラッチ21が切り状態のときは赤色に点灯表
示させる〔ステップ13、15〕。又、そのときに作用
状態になっている線引きマーカ23R,23Lが左右い
ずれの側であるかを、操縦部パネル17に備えた表示手
段としてのマーカランプ45を表示させる〔ステップ1
4〕。
【0013】〔別実施例〕前記昇降操作スイッチSW1
は押し操作式のものに代えて揺動操作式に構成してもよ
く、このとき前記ステップ5及びステップ9における操
作形態の判別は、操作方向の違いによって判別するよう
にしてもよい。又、苗植付装置2が下降した後、植付ク
ラッチ21を入り操作させる構成は、時間経過により自
動で入り操作するものに代えて専用の操作具により入り
操作させるものであってもよい。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御ブロック図
【図2】線引きマーカ支持部の正面図
【図3】田植機の全体側面図
【図4】制御フローチャート
【図5】制御フローチャート
【符号の説明】 2 作業装置 23R,23L 線引きマーカ 27R,27L ロック機構 SW1 昇降操作具 45 表示手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に駆動昇降自在に作業装置を連
    結すると共に、左右外方に突出する作用姿勢と内方に引
    退する格納姿勢とに切換自在な左右の線引きマーカを備
    え、作業装置を上昇させる状態と接地下降させる状態と
    に切換自在な昇降操作具を設け、この昇降操作具の操作
    形態により左右の線引きマーカのうち作用姿勢に切り換
    えるものの選択を行うとともに、操縦部に作用状態の側
    のマーカを表示する表示具を設ける作業車。
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