JP2000092601A - 小型電動車 - Google Patents

小型電動車

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JP2000092601A
JP2000092601A JP10267308A JP26730898A JP2000092601A JP 2000092601 A JP2000092601 A JP 2000092601A JP 10267308 A JP10267308 A JP 10267308A JP 26730898 A JP26730898 A JP 26730898A JP 2000092601 A JP2000092601 A JP 2000092601A
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勉 乾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型電動車において始動時に自己診断を行う
と共に、迅速に発進させる。さらには、乗員が意図する
ときは、進行方向切り換え時も迅速に逆方向に発進させ
る。 【解決手段】 自己診断中に走行指示がなされたとき
(S100)、自己診断を継続しながら、直ちに発進制
御を行う(S102)。また、乗員が意図するときは減
速停止後、直ちに逆方向に発進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動車椅子ある
いはゴルフカートなどとして使用される小型電動車に関
する。
【0002】
【従来技術】上記した小型電動車としては、米国特許公
報第4,729,447号公報あるいは特開平10−1
65454号公報記載の技術が知られている。米国特許
公報第4,729,447号公報記載の技術は、乗員保
護のため、操作レバーの付近にセーフガード機構を設け
ることを提案している。
【0003】また、特開平10−165454号公報記
載の技術は、前進から後進、あるいは後進から前進に走
行状態を切り換える場合、所定時間停止させてから進行
方向を変え、よって乗員に安心な状態で方向変換する技
術を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の車
両においては、始動時に自己診断を行って走行中に予期
しない異常が生じて停止する事態などが生じないように
するのが望ましいが、他方、緊急非難の場合などを考慮
すると、早期に発進走行するのが乗員にとっては好まし
い。このように相反する両者をどのようにバランスさせ
るかが問題となる。
【0005】従って、この発明は、上記した課題を解消
することにあり、始動時の自己診断と迅速な発進制御と
を最適にバランスさせるようにした小型電動車を提供す
ることを目的とする。
【0006】さらに、小型電動車において、前進あるい
は後進方向に走行中に逆方向への走行指示がなされた場
合、前記した従来技術においては所定時間停止させてか
ら進行方向を変え、よって乗員に安心な状態で方向変換
するように構成している。
【0007】しかしながら、この場合においても緊急非
難の場合などを考慮すると、乗員が意図するときは、指
示された方向に早期に発進走行するのが望ましい。
【0008】従って、この発明の第2の目的は、上記し
た課題を解消することにあり、前進あるいは後進方向に
走行中に逆方向への走行指示がなされた場合、乗員が意
図するときは迅速に発進走行するようにした小型電動車
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、請求項1項においては、車載電源から電力の供給
を受けて車輪を駆動する電動モータを備え、乗員の指示
に従って前記電動モータを駆動制御して前進方向あるい
は後進方向に走行する小型電動車において、前記電動モ
ータを車載電源に接続するモータ駆動回路に設けられた
電源スイッチ、前進走行あるいは後進走行を選択する前
後進セレクトスイッチ、選択された方向に走行指示する
アクセルレバー、および前記電源スイッチ、前後進セレ
クトスイッチおよびアクセルレバーの出力を入力し、入
力に応じて前記電動モータの駆動を制御する電子制御ユ
ニット、を備え、前記電子制御ユニットは、前記電源ス
イッチが入力された後、所定時間、前記モータ駆動回路
の作動状態を含む自己診断を行うと共に、前記自己診断
中に前記アクセルレバーを介して乗員から走行指示が入
力されたときは、前記自己診断を継続しながら発進制御
を行う如く構成した。
【0010】このように、始動時に自己診断を行うと共
に、自己診断中に走行指示がなされたとき、自己診断を
継続しながら、発進制御することで両者を最適にバラン
スさせることができる。
【0011】請求項2項にあっては、車載電源から電力
の供給を受けて車輪を駆動する電動モータを備え、乗員
の指示に従って前記電動モータを駆動制御して前進方向
あるいは後進方向に走行する小型電動車において、前記
電動モータを車載電源に接続するモータ駆動回路に設け
られた電源スイッチ、前進走行あるいは後進走行を選択
する前後進セレクトスイッチ、選択された方向に走行指
示するアクセルレバー、および前記電源スイッチ、前後
進セレクトスイッチおよびアクセルレバーの出力を入力
し、入力に応じて前記電動モータの駆動を制御する電子
制御ユニット、を備えると共に、前記電子制御ユニット
は、前進走行および後進走行のいずれかの走行制御中
に、走行中の方向と逆の方向への走行指示が入力された
とき、減速して停止後、直ちに指示された方向に前記発
進制御を行う如く構成した。
【0012】このように、前進あるいは後進方向に走行
中に逆方向への走行指示がなされた場合、乗員が意図す
るときは減速して停止後、直ちに指示された方向に発進
走行することで、緊急非難の際なども迅速に走行を開始
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の実施の形態を説明する。
【0014】図1はこの発明に係る小型電動車の上面
図、図2はその縮小側面図、図3はその側面図、および
図4はその背面図である。
【0015】以下説明すると、この発明に係る小型電動
車10は、メインフレーム12を備えた、スクータ状の
外観を呈する。メインフレーム12の前端にはハンドル
パイプ14が取り付けられ、ハンドルパイプ14の上方
にはステアリングホイール16が取り付けられる。
【0016】ハンドルパイプ14はその他端で、ギヤ機
構18を介して2個の前輪22,22に連結され、ステ
アリングホイール16の回転に応じた方向および角度に
前輪22を操舵する。
【0017】メインフレーム12には後端側でポスト2
4が立設され、その上方には乗員が着座するためのシー
ト26が取り付けられる。尚、図3および図4でシート
の図示を省略した。
【0018】シート26の下部には(発電)電動モータ
28が収容される。電動モータ28の出力は、電磁ブレ
ーキ30を介してアクスル34に伝達され、その両端に
取り付けられた2個の後輪36,36を駆動する。
【0019】電動モータ28は、前輪側のハンドルパイ
プ14付近に収容された2個のバッテリ(車載電源)3
8,38(それぞれ容量12V)に接続され、バッテリ
電圧を供給されて回転する。このように、小型電動車1
0は4輪車として構成され、前輪の間にバッテリを配置
して安定性を向上させる構成とした。尚、符号40は、
メインヒューズボックスを示す。
【0020】さらに、図3に示す如く、車両前面にはヘ
ッドライト44が設けられると共に、その両側面には方
向指示用のウィンカライト46,46が設けられる。ま
た、図4に示す如く、車両後部には2個のリフレクタ4
8,48が配置される。
【0021】電動モータ28は、それに隣接して後輪側
のシート26の下部の空間に配置されたコントロールユ
ニット(電子制御ユニット)50によって制御される
(符号50はより詳しくはコントロールユニットを収容
するボックスを示すが、図示の便宜上、コントロールユ
ニットを符号50で示す)。コントロールユニット50
はマイクロコンピュータを備える。
【0022】図5はコントロールユニット50の詳細を
示す回路図である。図5では省略するが、コントロール
ユニット50は、図6に示すような、モータ駆動回路5
4を備える。モータ駆動回路54は、4個のFET(ス
イッチング素子)A,B,C,Dからなるブリッジ回路
を備える。
【0023】図6において、対向する2個のFET素子
A,Dがオンされて矢印(実線)で示す如くソース電流
が流されると、電動モータ28は矢印(実線)で示す方
向に正転して小型電動車10を前進方向に走行させる。
【0024】他方、対向する2個のFET素子B,Cが
オンされて矢印(破線)で示す如くソース電流が流され
ると、電動モータ28は矢印(破線)で示す方向に逆転
して小型電動車10を後進方向に走行させる。
【0025】尚、所定の運転状態においては電動モータ
28は発電機として作用し、バッテリ38を充電する。
また、バッテリ38はチャージャ56を介して外部のD
C電源から充電することができる。
【0026】ステアリングホイール16の付近にはメイ
ンコントロールパネル58が配置される。
【0027】図7はメインコントロールパネル58の拡
大上面図であり、図8はパネル部分の表示を示す説明図
である(図5では「PANEL」と示す)。尚、図7で
ステアリングホイール16の図示は省略した。
【0028】図示の如く、メインコントロールパネル5
8の下部には回転式のキースイッチ(電源スイッチ)6
2が設けられる。キースイッチ62は、電動モータ28
をバッテリ38に接続するモータ駆動回路54に設けら
れる。
【0029】キースイッチ62は、乗員によって図8に
示す「停止」位置に廻されるとき、バッテリ38と電動
モータ28の接続を遮断すると共に、「運転」位置に廻
されるとき、バッテリ38を電動モータ28に接続す
る。
【0030】キースイッチ62の図7および図8で右上
方には、乗員が「前」(前進走行)あるいは「後」(後
進走行)を選択するための前後進セレクトスイッチ64
が設けられる。
【0031】キースイッチ62の上方にはスピードボリ
ューム66が設けられる。スピードボリューム66は、
乗員によって数字2から6の間に廻される位置に応じて
電圧をVsvを出力する。即ち、図9に示す如く、0V
付近から8V付近の値を出力し、それに応じて走行速度
が0km/h相当から6.5km/h相当に設定され
る。
【0032】さらに、図7に示す如く、メインコントロ
ールパネル58の右端にはアクセルボリューム68(ア
クセルレバー)が配置される。アクセルボリューム68
はその自由端が図7で紙面の上下方向に移動自在に構成
され、乗員により紙面の下方向に移動されて前進方向あ
るいは後進方向に走行指示する。
【0033】このアクセルボリューム68は紙面の下方
向の移動量に応じた電圧Vavを、図10に示す如く、
出力する。出力電圧Vavが始動ボリューム電圧Vav
s以上となると、アクセルオンと判断されて走行制御が
開始される。
【0034】小型電動車10の走行速度は、スピードボ
リューム66の出力電圧(ボリューム位置)に、アクセ
ルボリューム68の出力電圧(ボリューム位置)による
所定の比(アクセル比)を乗じた値となるように制御さ
れる。
【0035】より具体的には、前記したコントロールユ
ニットにより、走行速度がその値となるように、モータ
駆動回路54のFETのデューティ比(PWM制御にお
ける)が決定され、デューティ駆動される。アクセルボ
リューム68がオフされると、小型電動車10は所定の
減速パターンで減速して停車する。
【0036】尚、図5に示す如く、電動モータ54には
ロータリエンコーダ(ENCODER)72が配置さ
れ、モータ回転速度を通じて車両走行速度に比例する信
号を出力する。
【0037】メインコントロールパネル58の上方には
LED素子からなる5個のインディケータ74が設けら
れる。図5などで、この5個のインディケータ74をN
O.1からNO.5と示す。このインディケータ74
は、バッテリ38の残量表示などに使用される。
【0038】それについて説明すると、以下の如く、開
路電圧〔V〕を算出し、算出値に基づいて図11に示す
如く、インディケータ74の全部または一部を点灯、消
灯、あるいは点滅させて電池(バッテリ)電圧の残量を
表示する。
【0039】開路電圧〔V〕=電池電圧〔V〕+放電電
流〔A〕×(電池内部抵抗〔Ω〕+電源配線抵抗
〔Ω〕)
【0040】上記で、電池電圧はバッテリの端子電圧か
ら求める。また、放電電流は、モータ電流より求める。
尚、電流値は検出抵抗(図示せず)の両端電圧を検出す
ることで、電圧値はバッテリ38の端子電圧を検出して
求める。尚、電池内部抵抗は、放電電流に基づいて算出
する。また、電池内部抵抗と電源配線抵抗は予め求めて
おく。また、開路電圧は、所定時間、例えば5分間の平
均値を算出して使用する。
【0041】図11に示す如く、電池(バッテリ)残量
表示レベルが1となると、左から2番目(NO.2)の
インディケータを点滅させて乗員の注意を喚起する。
尚、ブザーなどの音声信号を用いても良い。
【0042】このように、開路電圧よりバッテリ残量を
検出することで、バッテリ残量を確実に判定することが
できると共に、確認もインディケータを参照するだけ
で、容易に行うことができる。
【0043】さらに、5段階のレベル表示を電圧のみで
行うことで、寿命劣化時にはレベルが短時間に低下方向
に変化するので、バッテリ38の劣化も検出することが
できる。
【0044】また、図示例の小型電動車10の場合、走
行中に段差を乗り越えるときなどは負荷が急増し、走行
状態によってバッテリ残量が急変するため、電池残量表
示レベルが所定時間経過するとき、開路電圧算出値と無
関係にレベルを1つ下げるようにしても良い。尚、一
度、あるレベルに達した後は、充電されるまで、そのレ
ベルから上げられることがない。
【0045】さらに、図12に示す如く、ヘッドライド
44がオン(点灯)されているときは、5個のインディ
ケータの任意の1個(例えば左端のNO.1)を点滅さ
せることで、乗員の注意を喚起する。
【0046】これにより、昼間のヘッドライト44の消
灯忘れによって走行時間が短くなるといった乗員が意図
しない不都合を回避することができると共に、インディ
ケータ74をバッテリ残量表示と兼用することで専用の
インディケータを設けることが不要となって構成を簡素
にすることができる。
【0047】さらに、図13に示す如く、5個のインデ
ィケータの点灯、消灯あるいは点滅を組み合わせること
で、小型電動車10の故障箇所を表示するようにした。
尚、図13は自己診断のチェックリストである。
【0048】これによって、種々の故障箇所を数少ない
5個のインディケータで示すことができ、サービス工場
などで故障箇所を迅速に特定して修理することができ
る。また、専用のインディケータを設けることがなくて
構成を簡易にすることができる。
【0049】さらに、図14に示す如く、5個のインデ
ィケータの点灯、消灯あるいは点滅を組み合わせること
で、小型電動車10の履歴を管理するようにした。例え
ば、以下の内容を管理するようにした。
【0050】(1)過去に発生した故障を5回記憶し、
表示する。 (2)電動モータ28の回転数から走行距離を算出し、
表示する。 (3)バッテリ38の充電時間、回数を表示する。
【0051】これによって、種々の履歴を数少ない5個
のインディケータで示すことができ、サービス工場など
で部品交換を容易に行うことができる。また、専用のイ
ンディケータを設けることがなくて構成を簡易にするこ
とができる。
【0052】次いで、図示の小型電動車10の動作、よ
り具体的には前記した自己診断中の発進動作を説明す
る。
【0053】図15はその動作を示すフロー・チャート
である。尚、図示のプログラムは、キースイッチ62の
オンの度に実行される。
【0054】即ち、キースイッチ62がオンされると、
S10において自己診断が行われる。具体的には、キー
スイッチ62がオンされた後、1secの間、図13に
示す如く、モータ駆動回路54を含む全ての装置につい
て異常・故障がないかどうか自己診断する。自己診断の
間、5個のインディケータ74を全て点灯すると共に、
必要に応じてブザーを連続して作動させる。
【0055】この実施の形態においては、図15フロー
・チャートに示すプログラムと同時に、図16フロー・
チャートに示すプログラムが平行して実行される。図1
6に示すプログラムもキースイッチ62がオンされる度
に実行される。
【0056】以下説明すると、S100でアクセルボリ
ューム68の出力電圧Vavが前記した始動ボリューム
電圧Vavs以上となったか否か判断し、否定されると
きは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるとき
S102に進み、発進制御を行う。
【0057】即ち、図15フロー・チャートに示すプロ
グラムにおいて自己診断中であっても、自己診断を継続
しながら、車両の発進制御を行うようにした。これによ
って、自己診断の終了を待機することなく、発進制御が
実行されるため、速やかに車両走行を開始することがで
き、特に緊急非難の際などには好適となる。
【0058】即ち、自己診断を継続しながら、発進制御
することで両者を最適にバランスさせることができる。
【0059】この走行制御を簡単に説明すると、アクセ
ルオンと判断されると、電磁ブレーキ38を開放し、電
圧モータ28のコイルを短絡して車両を始動させ、所定
時間以上経過した時点で速度制御に移行する。速度制御
は、ロータリエンコーダ50の出力に基づいてFET素
子A,B,C,Dの通電をデューティ比制御することで
行う。
【0060】次いで、図示の小型電動車10の動作の別
の例、即ち、走行方向転換動作を説明する。
【0061】図17はその動作を示すフロー・チャート
である。
【0062】以下説明すると、S200において前後進
セレクトスイッチ64がオンしているか否か、換言すれ
ば、乗員が走行方向を前進から後進に、あるいはその逆
に切り換えるように指示しているか否か判断し、否定さ
れるときはS202に進み、それまでの走行制御を継続
する。
【0063】他方、S200で肯定されるときはS20
4に進み、方向転換に備えてデューティ比を減少させて
走行速度を減速する。次いでS206に進み、アクセル
ボリューム出力電圧Vavが前記した始動ボリューム電
圧Vavs以上となったか否か、即ち、乗員が方向を切
り換えて直ちにその方向に発進するのを意図しているか
否か判断する。
【0064】S206で肯定されるときはS208に進
み、減速して停止した後、直ちに指示された方向に発進
する。他方、S206で否定されるときはS210に進
み、減速して一旦停止(例えば1secの間)し、次い
で指示された方向に発進する。
【0065】これによって、前進あるいは後進方向に走
行中に逆方向への走行指示がなされた場合、直ちに指定
された方向に走行を開始することができ、特に緊急非難
の際などには好適となる。
【0066】即ち、アクセルボリューム68がオフされ
た場合、所定の減速パターンで停止し、その後に方向転
換するため、逆方向に走行を開始するのにある程度の時
間を要するが、S208に示すように構成したことで、
直ちに逆方向に走行を開始することができる。
【0067】他方、アクセルボリューム68を操作しな
い限り、S210の処理が行われて所定の時間停止して
から逆方向に走行するので、乗員が緊急な方向転換を意
図しないときは、緩やかに方向転換を行うことができ
る。
【0068】この実施の形態は上記の如く、車載電源
(バッテリ38)から電力の供給を受けて車輪(後輪3
6)を駆動する電動モータ28を備え、乗員の指示に従
って前記電動モータを駆動制御して前進方向あるいは後
進方向に走行する小型電動車10において、前記電動モ
ータ28を車載電源(バッテリ38)に接続するモータ
駆動回路54に設けられた電源スイッチ(キースイッチ
62)、前進走行あるいは後進走行を選択する前後進セ
レクトスイッチ64、選択された方向に走行指示するア
クセルレバー(アクセルボリューム68)、および前記
電源スイッチ、前後進セレクトスイッチおよびアクセル
レバーの出力を入力し、入力に応じて前記電動モータの
駆動を制御する電子制御ユニット(コントロールユニッ
ト50)、を備え、前記電子制御ユニットは、前記電源
スイッチが入力された後、所定時間、前記モータ駆動回
路の作動状態を含む自己診断(S10)を行うと共に、
前記自己診断中に前記アクセルレバーを介して乗員から
走行指示が入力されたときは、前記自己診断を継続しな
がら発進制御(S100,S102)を行う如く構成し
た。
【0069】このように、始動時に自己診断を行うと共
に、自己診断中に走行指示がなされたとき、自己診断を
継続しながら、発進制御することで両者を最適にバラン
スさせることができる。
【0070】また、車載電源(バッテリ38)から電力
の供給を受けて車輪(後輪36)を駆動する電動モータ
28を備え、乗員の指示に従って前記電動モータを駆動
制御して前進方向あるいは後進方向に走行する小型電動
車10において、前記電動モータ28を車載電源(バッ
テリ38)に接続するモータ駆動回路54に設けられた
電源スイッチ(キースイッチ62)、前進走行あるいは
後進走行を選択する前後進セレクトスイッチ64、選択
された方向に走行指示するアクセルレバー(アクセルボ
リューム68)、および前記電源スイッチ、前後進セレ
クトスイッチおよびアクセルレバーの出力を入力し、入
力に応じて前記電動モータの駆動を制御する電子制御ユ
ニット(コントロールユニット50)、を備えると共
に、前記電子制御ユニットは、前進走行および後進走行
のいずれかの走行制御中に、走行中の方向と逆の方向へ
の走行指示が入力されたとき(S200,S206)、
減速して停止後、直ちに指示された方向に前記発進制御
を行う(S208)如く構成した。
【0071】このように、前進あるいは後進方向に走行
中に逆方向への走行指示がなされた場合、乗員が意図す
るときは減速して停止後、直ちに指示された方向に発進
走行することで、緊急非難の際などは迅速に走行を開始
することができる。
【0072】
【発明の効果】請求項1項にあっては、始動時に自己診
断を行うと共に、自己診断中に走行指示がなされたと
き、自己診断を継続しながら、発進制御することで両者
を最適にバランスさせることができる。
【0073】請求項2項にあっては、前進あるいは後進
方向に走行中に逆方向への走行指示がなされた場合、乗
員が意図するときは減速して停止後、直ちに指示された
方向に発進走行することで、緊急非難の際などは迅速に
走行を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る小型電動車の構成を全体的に示
す平面図である。
【図2】図1に示す小型電動車の縮小側面図である。
【図3】図1に示す小型電動車の正面図である。
【図4】図1に示す小型電動車の背面図である。
【図5】図1の小型電動車のコントロールユニットの構
成を具体的に示すブロック図である。
【図6】図5のコントロールユニットが内蔵するモータ
駆動回路の詳細を示す回路図である。
【図7】図1の小型電動車のメインコントロールパネル
の拡大平面図である。
【図8】図7に示すメインコントロールパネルの説明図
である。
【図9】図7に示すメインコントロールパネルのスピー
ドボリュームの出力電圧特性を示す説明グラフである。
【図10】図7に示すメインコントロールパネルのアク
セルボリュームの出力電圧特性を示す説明グラフであ
る。
【図11】図7に示すメインコントロールパネルのイン
ディケータの表示例を示す説明図である。
【図12】図7に示すメインコントロールパネルのイン
ディケータの別の表示例を示す説明図である。
【図13】図7に示すメインコントロールパネルのイン
ディケータのさらに別の表示例を示す自己診断チェック
リストである。
【図14】図7に示すメインコントロールパネルのイン
ディケータのさらに別の表示例を示す保守データ図であ
る。
【図15】図1に示す小型電動車の動作のうちの自己診
断動作を示すフロー・チャートである。
【図16】図1に示す小型電動車の動作のうちの自己診
断中の発進制御を示すフロー・チャートである。
【図17】図1に示す小型電動車の動作のうちの走行方
向転換制御を示すフロー・チャートである。
【符号の説明】
10 小型電動車 28 電動モータ 38 バッテリ(車載電源) 50 コントロールユニット(電子制御ユニット) 62 キースイッチ(電源スイッチ) 68 アクセルボリューム(アクセルレバー) 74 インディケータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅家 博夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H115 PG06 PG07 PI16 PI29 PO17 PU02 PV02 PV24 QE01 QE10 QH01 QH08 QI02 QN06 QN12 TB01 TI02 TI05 TI06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車載電源から電力の供給を受けて車輪を
    駆動する電動モータを備え、乗員の指示に従って前記電
    動モータを駆動制御して前進方向あるいは後進方向に走
    行する小型電動車において、 a.前記電動モータを車載電源に接続するモータ駆動回
    路に設けられた電源スイッチ、 b.前進走行あるいは後進走行を選択する前後進セレク
    トスイッチ、 c.選択された方向に走行指示するアクセルレバー、 および d.前記電源スイッチ、前後進セレクトスイッチおよび
    アクセルレバーの出力を入力し、入力に応じて前記電動
    モータの駆動を制御する電子制御ユニット、 を備え、前記電子制御ユニットは、前記電源スイッチが
    入力された後、所定時間、前記モータ駆動回路の作動状
    態を含む自己診断を行うと共に、前記自己診断中に前記
    アクセルレバーを介して乗員から走行指示が入力された
    ときは、前記自己診断を継続しながら発進制御を行うこ
    とを特徴とする小型電動車。
  2. 【請求項2】 車載電源から電力の供給を受けて車輪を
    駆動する電動モータを備え、乗員の指示に従って前記電
    動モータを駆動制御して前進方向あるいは後進方向に走
    行する小型電動車において、 a.前記電動モータを車載電源に接続するモータ駆動回
    路に設けられた電源スイッチ、 b.前進走行あるいは後進走行を選択する前後進セレク
    トスイッチ c.選択された方向に走行指示するアクセルレバー および d.前記電源スイッチ、前後進セレクトスイッチおよび
    アクセルレバーの出力を入力し、入力に応じて前記電動
    モータの駆動を制御する電子制御ユニット、 を備えると共に、前記電子制御ユニットは、前進走行お
    よび後進走行のいずれかの走行制御中に、走行中の方向
    と逆の方向への走行指示が入力されたとき、減速して停
    止後、直ちに指示された方向に前記発進制御を行うこと
    を特徴とする小型電動車。
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