JP2000090730A - 高分子ゲル電解質 - Google Patents

高分子ゲル電解質

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JP2000090730A
JP2000090730A JP10233780A JP23378098A JP2000090730A JP 2000090730 A JP2000090730 A JP 2000090730A JP 10233780 A JP10233780 A JP 10233780A JP 23378098 A JP23378098 A JP 23378098A JP 2000090730 A JP2000090730 A JP 2000090730A
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electrolyte
polymer
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mol
solvent
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JP10233780A
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Mitsuo Hamada
光夫 浜田
Yoshihiko Hosako
芳彦 宝迫
Teruyuki Yamada
輝之 山田
Tomoyoshi Chiba
知義 千葉
Noriyuki Komatsu
範行 小松
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温度領域から高温度領域までの広い温度
範囲において優れたイオン導電性を示す高分子ゲル電解
質に関するものであり、二次電池用ゲル電解質やエレク
トロルミネッセンス素子等として使用できるゲル電解質
であり、特に本発明は、充放電サイクル特性に優れ、広
い使用温度領域を有するリチウム二次電池用の高分子ゲ
ル電解質の提供。 【解決手段】 支持電解質塩と粘度1.0cP以下の非
水溶媒を5wt%以上含む非水電解液と10mol%以
上のメタクリロニトリルユニットを有するアクリロニト
リル系共重合体、またはポリメタクリロニトリルから構
成される高分子ゲル電解質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温領域から高温領
域までの広い温度範囲において優れたイオン導電性を示
す高分子ゲル電解質に関するものであり、二次電池用ゲ
ル電解質やエレクトロルミネッセンス素子等として使用
できるゲル電解質である。更に本発明は、充放電サイク
ル特性に優れ、広い使用温度領域を有するリチウム二次
電池用の高分子ゲル電解質に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
携帯電話、パソコン、又は各種携帯情報端末の普及によ
り、充放電サイクル特性に優れ、且つ安全性の高いリチ
ウムイオン二次電池の開発が望まれている。これらの目
的を達成し得る二次電池用電解質として高分子ゲル電解
質を用いた電池開発の検討がなされている。例えば特開
平7−320781号公報には塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体や酢酸ビニル−アクリロニトリル共重合体など
のビニル共重合体、電解質塩、及び環状カーボネートを
主体とする非プロトン性溶媒からなる高分子ゲル電解質
を用いたリチウムイオン二次電池が開示されている。
【0003】上記高分子ゲル電解質を構成している非水
溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
トの如き比誘電率が高く常温での粘度が1.0cP以上
であるため、このゲル電解質を零度以下の温度の雰囲気
下に暴すとそのイオン導電性が急激に低下するという難
点がある。低温での高分子を含まない非水電解液のイオ
ン導電性を高める方法としては、上記高粘度溶媒に低粘
度の非水溶媒を含む非水電解液が知られているが、この
混合非水溶媒へのアクリロニトリル系重合体の溶解性は
低く、且つ、高分子ゲル電解質形成能は極めて低く、該
非水溶媒を用いては良好なイオン導電性を備えた高分子
ゲル電解質を開発できない現状にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は常温
での粘度が1.0cP以下なる低粘度溶媒を5wt%以
上含む混合非水溶媒を用いた高分子ゲル電解質であっ
て、低温領域から高温領域の幅広い温度範囲において高
いイオン導電性を発揮する高分子ゲル電解質を開発すべ
く、鋭意検討した結果、アクリロニトリルおよび/また
は10mol%以上のメタクリロニトリルからなる共重
合体、またはポリメタクリロニトリルを用いることによ
り、その目的を達成しうることを見出し本発明を完成し
た。
【0005】本発明の要旨とするところは、支持電解質
塩と、常温での粘度が1.0cP以下の低粘度溶媒を5
wt%以上含む非水電解液と、10mol%以上のメタ
クリロニトリルユニットを有するアクリロニトリル系重
合体、またはポリメタクリロニトリルから構成される高
分子ゲル電解質にある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明
する。本発明において高分子ゲル電解質とは、支持電解
質塩、高分子重合体、非水電解液を含み、室温で流動性
のないゲル状物のことを指す。高分子ゲル電解質に含ま
れる支持電解質塩としては、種々のものを用いる事がで
き、例えばLiPF6,LiBF4,LiAsF6,LiCF3SO3等を挙げる事
ができ、これらの支持電解質塩は非水電解液中に0.5
〜2.5mol/kgの濃度で溶解したときが、最も高
いイオン伝導度が得られるので好ましい。
【0007】通常、非水電解液として用いられる溶媒は
高濃度の支持電解質塩を溶解するために、高い比誘電率
を有するものが用いられる。このような高い比誘電率を
有する溶媒としては、比誘電率が90であるエチレンカ
ーボネート(EC)、比誘電率が65であるプロピレン
カーボネート(PC)が挙げられるが、これらの非水溶
媒の粘度は1.0cPを越える高粘度溶媒である。
【0008】このような高比誘電率の非水溶媒と高分子
とを組み合わせ高分子ゲル電解質を作る場合、夫々の溶
解度パラメータを考慮してその組成を決定しないと、得
られる電解質は均一溶液となったり、相分離したりし
て、本発明の目的とする高分子ゲル電解質を得ることが
できない。ECの溶解度パラメータは30(MPa)1/2、P
Cの溶解度パラメータは27(MPa)1/2であることより、
これら高比誘電率の非水溶媒と高分子とを組み合わせて
高分子ゲル電解質を構成する場合、前記特許にも示され
るように、溶解度パラメータが25〜32(MPa)1/2程度
であるアクリロニトリル系重合体を用いることが知られ
ている。
【0009】上記のアクリロニトリル系重合体を含む高
分子ゲル電解質は低温雰囲気下に暴されると、それに含
まれる高粘度溶媒により、そのイオン導電性が急激に低
下するという難点があり、このような高分子ゲル電解質
を用いたリチウム二次電池の低温特性は極めて低い現状
にある。一方、低温での高いイオン導電性を有する非水
電解液としては前記した高比誘電率のEC、PC等と、
常温での粘度が1.0cP以下の非水溶媒との混合物を
用いたものが知られている。
【0010】ところが、この非水電解液中に含まれる低
粘度溶媒は、その溶解度パラメータが低いためアクリロ
ニトリル系重合体に対して貧溶媒として作用し、該非水
溶媒とポリアクリロニトリル系重合体とからは高分子ゲ
ル電解質を形成することができない。したがって、サイ
クル特性に優れ、低温から高温までの広い温度領域で、
高いイオン導電性を示す高分子ゲル電解質は未だ知られ
ていない。
【0011】本発明では10mol%以上のメタクリロ
ニトリルユニットを含むアクリロニトリル系共重合体、
またはポリメタクリロニトリルが前記した低粘度溶媒を
含む非水電解液に溶解し、ゲルを形成することを見出す
ことによりなされたものである。
【0012】本発明で用いる重合体はメタクリロニトリ
ルの共重合量が10mol%以上、好ましくは20mo
l%以上、より好ましくは60mol%以上の高分子共
重合体、またはポリメタクリロニトリルであることが好
ましい。これらの重合体は、粘度1.0cP以下の低粘
度溶媒を5wt%以上含む非水電解液に対する溶解性、
ゲル形成性も良好であり、これら高分子と前記非水電解
液とにより作られた本発明の高分子ゲル電解質は低温域
においても十分なイオン導電性及びサイクル特性を備え
ている。
【0013】本発明で用いるメタクリロニトリルを10
mol%以上共重合した共重合体はメタクリロニトリル
とアクリロニトリルとの共重合体を主体とするものであ
るが、本発明の目的を害さない範囲、特に10mol%
以下の範囲で他のモノマー、例えば酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、塩化ビニル、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート等を共重合しても良い。
【0014】本発明で用いるメタクリロニトリルユニッ
トを10mol%以上含有した高分子共重合体、又はポ
リメタクリロニトリルは、水系懸濁重合法、あるいは溶
液重合法等により作ることができる。また本発明の高分
子ゲル電解質を形成するに際して用いる上記高分子の形
態としては粉末状物、短繊維状物、パルプ状物、又は短
繊維やパルプを抄造した不織布状多孔質シートなどを用
いることができる。この不織布形成の際、非水電解液へ
の非溶解性ポリオレフィンパルプや繊維を併用すること
もできる。
【0015】本発明を実施するに際して用いる非水電解
液は、常温での粘度が1.0cP以下の非水溶媒を5w
t%以上含むことが必要である。粘度1.0cP以下の
低粘度溶媒の含有量が5wt%以上の非水電解液を用い
て作った本発明の高分子ゲル電解質は低温域においても
良好なイオン導電性を示す。
【0016】本発明で用いる常温での粘度が1.0cP
以下の非水電解液としては、通常用いられる種々の溶媒
を用い得るが、本発明の高分子電解質の耐熱安定性、酸
化還元安定性、低温での良好なイオン導電性を確保する
ためには、鎖状カーボネート特にジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート
より選ばれたものを用いるのがよい。これら低粘度溶媒
の非水電解液中での含有量は5wt%以上、好ましくは
10wt%以上、80wt%以下の範囲とするのがよ
い。
【0017】本発明で用いる非水電解液に含まれる粘度
1.0cP以上の非水溶媒としては、比誘電率が20以
上の環状カーボネートであることが好ましく、この溶媒
は高濃度の支持電解質塩の溶解を可能にする。本発明で
用いられる環状カーボネートは、例えばプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0018】本発明の高分子ゲル電解質は10mol%
以上のメタクリロニトリルユニットを有する共重合体、
またはポリメタクリロニトリルを、上記非水電解液によ
り十分に湿潤化した後、加熱溶解し、冷却することによ
り作る事ができる。共重合体の非水電解液への溶解性、
得られる本発明の高分子ゲル電解質のイオン導電性を良
好なものとするためには、これら重合体の含量は5〜5
0wt%の範囲とするのが好ましい。
【0019】本発明の高分子ゲル電解質は、支持電解質
塩と低粘度溶媒を含む非水電解液に前記高分子重合体を
添加し、十分に湿潤した後、加温溶解し、所定形状、例
えばシート状に賦形した後、冷却しゲル化せしめる方
法、或いは上記高分子の非水電解質溶液を、ポリプロピ
レン多孔質膜やポリエチレン多孔質膜等に含浸、或いは
塗工した後、冷却ゲル化せしめる方法、更にはメタクリ
ロニトリルユニットを有する高分子より作ったパルプ状
物や繊維状物に必要によりポリオレフィン系パルプや短
繊維を加えて構成した多孔質シート状物に、前記非水電
解液を含浸し、加熱してメタクリロニトリル含有高分子
を溶解した後、冷却ゲル化せしめることにより作ること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明する。
【0021】(1)ポリマー組成分析 NMRにより、ポリマー組成を決定した。
【0022】(2)溶解検討 アクリロニトリル系共重合体、支持電解質濃度が所定濃
度になるようにして、100℃にて撹拌しながら電解液
に溶解した。その後、室温まで冷却、目視により溶解状
態を観察した。室温で流動性のないものについてゲルと
判断した。
【0023】(3)ゲル電解質のイオン伝導度測定 ゲル状固体電解質のイオン伝導度を、ヒューレットパッ
カード製プレシジョンLCRメーター4284Aを用
い、交流インピーダンス法により測定した。測定に用い
たイオン伝導度測定用のアタッチメントは、対向する直
径14.8mmの円盤状ステンレス製電極よりなり、こ
の電極間にゲル状固体電解質を挟んだ。ここで電極間距
離が1mm程度になるようにサンプルの厚さを調整し、
バネを利用して両極間に11.8kPaの荷重を与え、試
料とステンレス製電極との密着性を一定に保った。これ
らの操作はアルゴン置換したグローボックス中で行っ
た。
【0024】周波数100Hzから1MHzの範囲でピ
ーク電圧20mVの交流を印加し、試料の複素インピー
ダンスを測定した。測定で得られた複素インピーダンス
の軌跡をコールコールプロット法により求め、高周波側
で実軸上と交わる点を試料の抵抗値として、電極面積と
電極間距離より電気イオン伝導度を導出した。
【0025】〔実施例1〕レドックス触媒を用いて水系
懸濁重合法により、組成がメタクリロニトリル(MA
N)100mol%であるポリメタクリロニトリルを重
合した。プロピレンカーボネート/ジメチルカーボネー
ト混合液に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、LiPF6
度が1.5mol/kgになるよう調製した。この調製
液の電解液組成を表1に示した。また、用いた溶媒の誘
電率及び物性は表2に示した。この溶液にポリメタクリ
ロニトリルを室温で加え、スラリー状にした。このスラ
リーを80℃で、撹拌しながら溶解した。溶解を確認し
た後、ジメチルカーボネートを滴下した。全て滴下した
ところで、ポリマー濃度が10wt%、LiPF6が1.0
mol/kgになるように滴下量を決定した。滴下後、
試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放置するとゲル
化した。得られたゲル状固体電解質について、前出の方
法でイオン伝導度を測定した。その結果、7.2mS/
cmであった。
【0026】〔実施例2〕レドックス触媒を用いて水系
懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル62.7m
ol%、メタクリロニトリル37.3mol%である共
重合体を重合した。プロピレンカーボネート/エチレン
カーボネート/ジメチルカーボネート混合溶液に支持電
解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF6濃度が1.5mo
l/kgになるよう調製した。この調製液の電解液組成
を表1に示した。また、用いた溶媒の誘電率及び物性は
表2に示した。この溶液にアクリロニトリル系共重合体
を室温で加え、スラリー状にした。このスラリーを80
℃、撹拌しながら溶解した。溶解を確認した後、ジメチ
ルカーボネートを滴下した。全て滴下したところで、ポ
リマー濃度が10wt%、LiPF6が1.0mol/kg
になるように滴下量を決定した。滴下後、試料をサンプ
ル瓶に移液し、1日室温で放置するとゲル化した。得ら
れたゲル状固体電解質について、前出の方法でイオン伝
導度を測定した。その結果、6.7mS/cmであっ
た。
【0027】〔実施例3〕レドックス触媒を用いて水系
懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル87.9m
ol%、メタクリロニトリル12.1mol%である共
重合体を重合した。プロピレンカーボネート/エチレン
カーボネート/ジメチルカーボネートよりなる混合液に
支持電解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF6濃度が1.
5mol/kgになるよう調製した。この調製液の電解
液組成を表1に示した。 また、用いた溶媒の誘電率及
び物性は表2に示した。この溶液にアクリロニトリル系
共重合体を室温で加え、スラリー状にした。このスラリ
ーを80℃で、撹拌しながら溶解した。溶解を確認した
後、ジメチルカーボネートを滴下した。 全て滴下した
ところで、ポリマー濃度が10wt%、LiPF6が1.0
mol/kgになるように滴下量を決定した。滴下後、
試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放置するとゲル
化した。得られたゲル状固体電解質について、前出の方
法でイオン伝導度を測定した。その結果、5.3mS/
cmであった。
【0028】〔実施例4〕AIBNを触媒に、ジメチル
スルホキシドを溶剤に用いて溶液重合法により、組成が
アクリロニトリル87.5mol%、メタクリロニトリ
ル12.5mol%である共重合体を重合した後、アク
リロニトリル系共重合体を得た。プロピレンカーボネー
ト/エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート
よりなる混合液に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、
LiPF6濃度が1.5mol/kgになるよう調製した。
この調製液の電解液組成を表1に示した。この溶液にア
クリロニトリル系共重合体を室温で加え、スラリー状に
した。このスラリーを100℃で、撹拌しながら溶解し
た。溶解を確認した後、エチルメチルカーボネートを滴
下した。全て滴下したところで、ポリマー濃度が10w
t%、LiPF6が1.0mol/kgになるように滴下量
を決定した。滴下後、試料をサンプル瓶に移液し、1日
室温で放置するとゲル化した。得られたゲル状固体電解
質について前出の方法でイオン伝導度を測定したとこ
ろ、5.5mS/cmであった。
【0029】〔実施例5〕レドックス系触媒を用いて水
系懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル44.8
mol%、メタクリロニトリル55.2mol%である
共重合体を重合した。プロピレンカーボネート/エチレ
ンカーボネート/ジメチルカーボネートよりなる非水溶
媒に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF6濃度が
1.5mol/kgになるよう調製した。この調製液の
電解液組成を表1に示した。この溶液にアクリロニトリ
ル系共重合体を室温で加え、スラリー状にした。このス
ラリーを80℃で、撹拌しながら溶解した。溶解を確認
した後、ジメチルカーボネートを滴下した。全て滴下し
たところで、ポリマー濃度が10wt%、LiPF6が1.
0mol/kgになるように滴下量を決定した。滴下
後、試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放置すると
ゲル化した。得られたゲル状固体電解質について、前出
の方法でイオン伝導度を測定した。その結果、6.6m
S/cmであった。
【0030】〔実施例6〕レドックス系触媒を用いて水
系懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル20.2
mol%、メタクリロニトリル79.8mol%である
共重合体を重合した。プロピレンカーボネート/エチレ
ンカーボネート/エチルメチルカーボネートよりなる混
合液に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF6濃度
が1.5mol/kgになるよう調製した。この調製液
の電解液組成を表1に示した。この溶液にアクリロニト
リル系共重合体を室温で加え、スラリー状にした。この
スラリーを100℃で、撹拌しながら溶解した。溶解を
確認した後、エチルメチルカーボネートを滴下した。全
て滴下したところで、ポリマー濃度が10wt%、LiPF
6が1.0mol/kgになるように滴下量を決定し
た。滴下後、試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放
置するとゲル化した。得られたゲル状固体電解質につい
て、前出の方法でイオン伝導度を測定した。その結果、
4.4mS/cmであった。
【0031】〔実施例7〕レドックス触媒を用いて水系
懸濁重合法により、組成がメタクリロニトリル(MA
N)100mol%であるポリメタクリロニトリルを重
合した。プロピレンカーボネート/ジメチルカーボネー
ト混合液に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF6
濃度が1.5mol/kgになるよう調製した。この調
製液の電解液組成を表1に示した。また、用いた溶媒の
誘電率及び物性は表2に示した。この溶液にポリメタク
リロニトリルを室温で加え、スラリー状にした。このス
ラリーを100℃で、撹拌しながら溶解した。溶解を確
認した後、ジメチルカーボネートを滴下した。全て滴下
したところで、ポリマー濃度が20wt%、LiPF6
1.0mol/kgになるように滴下量を決定した。滴
下後、試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放置する
とゲル化した。得られたゲル状固体電解質について、前
出の方法でイオン伝導度を測定した。その結果、6.9
mS/cmであった。
【0032】〔実施例8〕実施例6のアクリロニトリル
/メタクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミ
ドに溶解し、18wt%の濃度の重合体溶液を調製し
た。この重合体溶液を、特開平9−241917に開示
されている手法に準じて、直径が0.2mmφの溶液吐
出口、直径が2mmφ、長さが1.5mmの円筒状の混
合セル部、水蒸気流路がスリット状で開度を250μm
に調整し、溶液流路の中心線とスリット中心線のなす角
度が60度になるように作成したノズルを用いて、該高
分子溶液の供給量を18ml/min、水蒸気の供給圧
を1.5kg/cm2として、温度30℃の水中へ噴出
しパルプ状の高分子集合体を得た。
【0033】このパルプ状高分子集合体を、水に分散し
家庭用ミキサーで10分間叩解処理を行った。この叩解
処理後の水分散液を一部取り出し、乾燥して得たパルプ
状繊維を走査型電子顕微鏡を用いて形態観察を行ったと
ころ、直径5から20μmの直径を有する繊維状の幹か
ら、多数の直径0.2μmから1μm程度のフィブリル
状の繊維が分岐している構造が認められた。上記の如く
して得たパルプ状繊維の水分散液を用いて、標準角形シ
ートマシンを用いてJIS P−8209法に準じて湿
式抄紙を行った。得られた共重合体よりなる繊維質シー
ト状物の坪量は25g/m2、シート平均厚みをJIS
P−8118に準じて測定したところ150μmであ
った。
【0034】このアクリロニトリル/メタクリロニトリ
ル系共重合体のパルプ状よりなるシートを1.0mol
/kgのLiPF6を溶解したPC/EMC=25/75w
t%の組成である電解液に浸漬し、シートの2倍量の電
解液を含浸した(ポリマー濃度にして33wt%であ
る)。この電解液含浸シートをホットプレート(表面温
度100℃)上で加熱溶解した。溶解させた後、一日室
温で放置したところ、ゲル化した。得られたゲルシート
のイオン伝導度を前出の方法で測定した。その結果、
0.5mS/cmであった。
【0035】〔比較例1〕レドックス系触媒を用いて水
系懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル99.0
mol%、アクリル酸エチル(EAA)1.0mol%
であるアクリロニトリル系共重合体を重合した。プロピ
レンカーボネート/エチレンカーボネート/エチルメチ
ルカーボネートよりなる混合液に支持電解質としてLiPF
6を溶解させ、LiPF6濃度が1.5mol/kgになるよ
う調製した。この調製液の電解液組成を表1に示した。
この溶液にアクリロニトリル系共重合体を室温で加え、
スラリー状にした。このスラリーを100℃で、撹拌し
ながら溶解した。溶解を確認した後、エチルメチルカー
ボネートを滴下した。全て滴下したところで、ポリマー
濃度が10wt%、LiPF6が1.0mol/kgになる
ように滴下量を決定した。滴下後、試料をサンプル瓶に
移液し、1日室温で放置した。その結果、固液相分離が
生じ安定なゲルを形成することができなかった。
【0036】〔比較例2〕レドックス系触媒を用いて水
系懸濁重合法により、組成がアクリロニトリル93.0
mol%、アクリル酸エチル(EAA)7.0mol%
であるアクリロニトリル共重合体を重合した。プロピレ
ンカーボネート/エチレンカーボネート/エチルメチル
カーボネートよりなる混合液に支持電解質としてLiPF6
を溶解させ、 LiPF6濃度が1.5mol/kgになるよ
う調製した。この調製液の電解液組成を表1に示した。
この溶液にアクリロニトリル系共重合体を室温で加え、
スラリー状にした。このスラリーを100℃で、撹拌し
ながら溶解した。溶解を確認した後、エチルメチルカー
ボネートを滴下した。全て滴下したところで、ポリマー
濃度が10wt%、LiPF6が1.0mol/kgになる
ように滴下量を決定した。滴下後、試料をサンプル瓶に
移液し、1日室温で放置した。その結果、均一溶液であ
った。
【0037】〔比較例3〕アゾビスイソブチロニトリル
を触媒に、ジメチルスルホキシドを溶媒に用いて溶液重
合法により、組成がアクリロニトリル93.0mol
%、スチレン(ST)7.0mol%、であるアクリロ
ニトリル系共重合体を重合した。プロピレンカーボネー
ト/エチレンカーボネート/ジメチルカーボネートより
なる混合液に支持電解質としてLiPF6を溶解させ、 LiPF
6濃度が1.5mol/kgになるよう調製した。この
調製液の電解液組成を表1に示した。この溶液にアクリ
ロニトリル系共重合体を室温で加え、スラリー状にし
た。このスラリーを80℃で、撹拌しながら溶解した。
溶解を確認した後、ジメチルカーボネートを滴下した。
全て滴下したところで、ポリマー濃度が10wt%、Li
PF6が1.0mol/kgになるように滴下量を決定し
た。滴下後、試料をサンプル瓶に移液し、1日室温で放
置した。その結果、固液相分離が生じ、安定なゲルを形
成しなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の高分子ゲル電解質を構成する非
水電解質は低温から高温域までの広い温度範囲における
高いイオン導電性を示すとともに、そのサイクル特性も
良好である。また本発明の高分子ゲル電解質は非水電解
液として粘度1.0cP以下の非水溶媒を10wt%以
上含むにもかかわらず高分子としてメタクリロニトリル
ユニットを5mol%以上重合した高分子を用いている
ため、極めて均一な組成のゲルとなっており、その耐熱
性、耐酸化還元性に優れると共に、相分離や非水溶媒の
離脱などの不都合のない高分子ゲルとなっており、リチ
ウム二次電池用高分子ゲル電解質として特に有用に用い
ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 知義 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 小松 範行 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AF29 EA25 EA29 EA34 GA01 GA37 GA39 GA46 5H029 AJ00 AJ01 AJ05 AL12 AM00 AM03 AM05 AM07 AM16 EJ12 EJ14 HJ02 HJ10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持電解質塩と粘度1.0cP以下の非
    水溶媒を5wt%以上含む非水電解液と10mol%以
    上のメタクリロニトリルユニットを有するアクリロニト
    リル系共重合体、またはポリメタクリロニトリルから構
    成される高分子ゲル電解質。
  2. 【請求項2】 非水溶媒として粘度1.0cP以下の非
    水溶媒と、粘度が1.0cPを越える非水溶媒との混合
    溶媒を用いることを特徴とする請求項1記載の高分子ゲ
    ル電解質。
  3. 【請求項3】 前記重合体として、メタクリロニトリル
    ユニットの含有量が20mol%以上の重合体を用いた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高分子ゲ
    ル電解質。
  4. 【請求項4】 前記重合体として、メタクリロニトリル
    ユニットの含有量が60mol%以上の重合体を用いた
    ことを特徴とする請求項3記載の高分子ゲル電解質。
  5. 【請求項5】 前記非水電解液として、粘度が1.0c
    P以下である溶媒の含有量が10〜80wt%である混
    合非水溶媒を用いることを特徴とする請求項2ないし請
    求項4のいずれか1項記載の高分子ゲル電解質。
  6. 【請求項6】 前記非水電解液において、粘度が1.0
    cP以下である溶媒の含量が50wt%以上であることを
    特徴とする請求項2又は請求項4記載の高分子ゲル電解
    質。
  7. 【請求項7】 高分子ゲル電解質中の高分子重合体濃度
    が5wt%以上50wt%以下であることを特徴とする
    請求項2ないし請求項6のいずれか1項記載の高分子ゲ
    ル電解質。
  8. 【請求項8】 粘度が1.0cP以下の溶媒が鎖状カー
    ボネートであることを特徴とする請求項2ないし請求項
    7のいずれか1項記載の高分子ゲル電解質。
  9. 【請求項9】 粘度が1.0cPを越える非水電解液と
    して比誘電率が20以上である環状カーボネートを用い
    たことを特徴とする請求項2又は請求項8記載の高分子
    ゲル電解質。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106602137A (zh) * 2016-12-21 2017-04-26 成都国珈星际固态锂电科技有限公司 凝胶电解质膜、锂离子电池及其制备方法
WO2020207450A1 (zh) * 2019-04-10 2020-10-15 深圳新宙邦科技股份有限公司 一种固态电解质及聚合物锂离子电池

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