JP2000087981A - 転がり軸受およびその製造方法 - Google Patents
転がり軸受およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性が向上し耐久性の高い樹脂製転がり
軸受、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 転走面を含む外輪および転走面を含む内
輪の少なくとも一つが合成樹脂で構成され、該外輪およ
び内輪間に複数の転動体が介在する転がり軸受におい
て、上記転動体の表面に転走面を形成する合成樹脂の主
成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜が形成されている。
軸受、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 転走面を含む外輪および転走面を含む内
輪の少なくとも一つが合成樹脂で構成され、該外輪およ
び内輪間に複数の転動体が介在する転がり軸受におい
て、上記転動体の表面に転走面を形成する合成樹脂の主
成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜が形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転がり軸受およびそ
の製造方法に関し、特に転走面を含む外輪および転走面
を含む内輪の少なくとも一つが合成樹脂で構成される転
がり軸受およびその製造方法に関する。
の製造方法に関し、特に転走面を含む外輪および転走面
を含む内輪の少なくとも一つが合成樹脂で構成される転
がり軸受およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製転がり軸受は、外輪や内輪を
合成樹脂にすることで、その摺動性を利用しグリースレ
ス化が可能である。また、耐薬品性樹脂製の内外輪と、
ガラス製またはセラミック製転動体からなる軸受などの
組合わせが可能である。このため、近年、真空環境、腐
食環境、クリーン環境などの分野において多用されてい
る。従来、合成樹脂製転がり軸受としては、少なくとも
外輪がポリイミド材からなる転がり軸受(特開平7−2
79973号公報)、軌道輪が曲げ弾性率 2000〜6000M
Pa の範囲にあるポリアリーレンスルフィド系樹脂で形
成されている樹脂製転がり軸受(特開平10−4735
5号公報)、内輪および外輪の転がり摩擦または滑り摩
擦を生ずる表面等にPTFEの潤滑被膜を形成した転が
り軸受(特開平8−93774号公報)等が知られてい
る。また、転がり軸受を構成する部品のうち少なくとも
転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性の高
分子量PTFEを含む被膜形成部材を圧接し、両者間に
摺動を与えることにより上記表面にPTFEの固体潤滑
被膜を形成する転がり軸受における固体潤滑被膜の形成
方法(特開平5−106638号公報)が知られてい
る。
合成樹脂にすることで、その摺動性を利用しグリースレ
ス化が可能である。また、耐薬品性樹脂製の内外輪と、
ガラス製またはセラミック製転動体からなる軸受などの
組合わせが可能である。このため、近年、真空環境、腐
食環境、クリーン環境などの分野において多用されてい
る。従来、合成樹脂製転がり軸受としては、少なくとも
外輪がポリイミド材からなる転がり軸受(特開平7−2
79973号公報)、軌道輪が曲げ弾性率 2000〜6000M
Pa の範囲にあるポリアリーレンスルフィド系樹脂で形
成されている樹脂製転がり軸受(特開平10−4735
5号公報)、内輪および外輪の転がり摩擦または滑り摩
擦を生ずる表面等にPTFEの潤滑被膜を形成した転が
り軸受(特開平8−93774号公報)等が知られてい
る。また、転がり軸受を構成する部品のうち少なくとも
転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に、結晶性の高
分子量PTFEを含む被膜形成部材を圧接し、両者間に
摺動を与えることにより上記表面にPTFEの固体潤滑
被膜を形成する転がり軸受における固体潤滑被膜の形成
方法(特開平5−106638号公報)が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内輪ま
たは外輪の転走面が樹脂製の転がり軸受は、一般に転走
面を形成する樹脂より硬質の転動体が転動することによ
り、転走面の摩耗が顕著であり転がり軸受の耐久性が十
分でないという問題がある。
たは外輪の転走面が樹脂製の転がり軸受は、一般に転走
面を形成する樹脂より硬質の転動体が転動することによ
り、転走面の摩耗が顕著であり転がり軸受の耐久性が十
分でないという問題がある。
【0004】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、耐摩耗性が向上し耐久性の高い樹脂
製転がり軸受、およびその製造方法を提供することを目
的とする。
になされたもので、耐摩耗性が向上し耐久性の高い樹脂
製転がり軸受、およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受は、
転走面を含む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも
一つが合成樹脂で構成され、該外輪および内輪間に複数
の転動体が介在する転がり軸受において、上記転動体の
表面に転走面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合成樹
脂を含む樹脂被膜が形成されていることを特徴とする。
転走面を含む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも
一つが合成樹脂で構成され、該外輪および内輪間に複数
の転動体が介在する転がり軸受において、上記転動体の
表面に転走面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合成樹
脂を含む樹脂被膜が形成されていることを特徴とする。
【0006】また、転動体の表面に形成される樹脂被膜
の膜厚が 2〜 70μm であることを特徴とする。
の膜厚が 2〜 70μm であることを特徴とする。
【0007】また、転走面を構成する合成樹脂の耐熱温
度が 100℃以上であることを特徴とする。ここで、耐熱
温度とは、ASTM D 648に規定する、18.6kg/c
m2での熱変形温度をいう。耐熱温度が 100℃以上の合成
樹脂がポリイミド系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系
樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂および芳香族熱
硬化性樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂であるこ
とを特徴とする。
度が 100℃以上であることを特徴とする。ここで、耐熱
温度とは、ASTM D 648に規定する、18.6kg/c
m2での熱変形温度をいう。耐熱温度が 100℃以上の合成
樹脂がポリイミド系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系
樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂および芳香族熱
硬化性樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂であるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明の転がり軸受の製造方法は、転走面
を含む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも一つを
合成樹脂で形成する工程と、上記外輪および内輪間に介
在させる転動体の表面に上記転走面を形成する合成樹脂
の主成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜を形成する工程
とを含む転がり軸受の製造方法において、合成樹脂被膜
を形成する工程が上記転動体を合成樹脂上で転がす工程
であることを特徴とする。
を含む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも一つを
合成樹脂で形成する工程と、上記外輪および内輪間に介
在させる転動体の表面に上記転走面を形成する合成樹脂
の主成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜を形成する工程
とを含む転がり軸受の製造方法において、合成樹脂被膜
を形成する工程が上記転動体を合成樹脂上で転がす工程
であることを特徴とする。
【0009】または、合成樹脂被膜を形成する工程がタ
ンブル法により上記転動体表面に樹脂被膜を形成する工
程であることを特徴とする。
ンブル法により上記転動体表面に樹脂被膜を形成する工
程であることを特徴とする。
【0010】本発明の転がり軸受は、転走面が合成樹脂
で、転動体がその合成樹脂より硬質である転がり軸受で
あっても、転走面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合
成樹脂を含む樹脂被膜を転動体表面に形成することによ
り、耐摩耗性が著しく向上する。また、本発明の転がり
軸受の製造方法は、合成樹脂被膜を形成する工程が転動
体を合成樹脂上で転がす工程であるか、あるいはタンブ
ル法による工程であることにより、均一な膜厚が容易に
得られる。
で、転動体がその合成樹脂より硬質である転がり軸受で
あっても、転走面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合
成樹脂を含む樹脂被膜を転動体表面に形成することによ
り、耐摩耗性が著しく向上する。また、本発明の転がり
軸受の製造方法は、合成樹脂被膜を形成する工程が転動
体を合成樹脂上で転がす工程であるか、あるいはタンブ
ル法による工程であることにより、均一な膜厚が容易に
得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の転がり軸受の一例を図1
により説明する。図1は深溝玉軸受の断面図である。内
輪1と、外輪2と、内輪1および外輪2間に介在する複
数の転動体3と、転動体3を円周等間隔に保持する保持
器4とで転がり軸受が構成される。内輪1が回転軸に嵌
着され、外輪2がハウジングに嵌合され、転がり軸受と
して使用される。なお、保持器4がない総玉方式の軸受
であってもよい。本発明は、転走面を含む外輪2および
転走面を含む内輪1の少なくとも一つが合成樹脂で構成
される。すなわち、外輪2を合成樹脂で内輪1を金属製
で、内輪1を合成樹脂で外輪2を金属製で、または外輪
2および内輪1をともに同一の合成樹脂で構成する組み
合わせ等とすることができる。また、保持器4を合成樹
脂製とすることができる。
により説明する。図1は深溝玉軸受の断面図である。内
輪1と、外輪2と、内輪1および外輪2間に介在する複
数の転動体3と、転動体3を円周等間隔に保持する保持
器4とで転がり軸受が構成される。内輪1が回転軸に嵌
着され、外輪2がハウジングに嵌合され、転がり軸受と
して使用される。なお、保持器4がない総玉方式の軸受
であってもよい。本発明は、転走面を含む外輪2および
転走面を含む内輪1の少なくとも一つが合成樹脂で構成
される。すなわち、外輪2を合成樹脂で内輪1を金属製
で、内輪1を合成樹脂で外輪2を金属製で、または外輪
2および内輪1をともに同一の合成樹脂で構成する組み
合わせ等とすることができる。また、保持器4を合成樹
脂製とすることができる。
【0012】転走面を形成する合成樹脂は、耐熱温度 1
00℃以上の合成樹脂であることが好ましく、特に耐熱温
度 100℃以上のエンジニアリングプラスチックが好まし
い。耐熱温度 100℃以上のエンジニアリングプラスチッ
クとすることにより、転がり軸受に要求される耐摩耗性
や耐久性が向上する。具体的には、ポリイミド樹脂(P
I樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂やポリアミドイミド
樹脂などのポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂(PPS樹脂)などのポリアリーレンスルフィド
系樹脂、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PE
EK樹脂)や芳香族ポリエーテルケトン樹脂などの芳香
族ポリエーテルケトン系樹脂、芳香族熱硬化性樹脂、脂
肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げ
ることができる。これらの合成樹脂は樹脂単独でも、あ
るいは樹脂混合物であっても使用することができる。
00℃以上の合成樹脂であることが好ましく、特に耐熱温
度 100℃以上のエンジニアリングプラスチックが好まし
い。耐熱温度 100℃以上のエンジニアリングプラスチッ
クとすることにより、転がり軸受に要求される耐摩耗性
や耐久性が向上する。具体的には、ポリイミド樹脂(P
I樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂やポリアミドイミド
樹脂などのポリイミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂(PPS樹脂)などのポリアリーレンスルフィド
系樹脂、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PE
EK樹脂)や芳香族ポリエーテルケトン樹脂などの芳香
族ポリエーテルケトン系樹脂、芳香族熱硬化性樹脂、脂
肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げ
ることができる。これらの合成樹脂は樹脂単独でも、あ
るいは樹脂混合物であっても使用することができる。
【0013】これらの中で、PI樹脂などのポリイミド
系樹脂、PPS樹脂などのポリアリーレンスルフィド系
樹脂、PEEK樹脂などの芳香族ポリエーテルケトン系
樹脂または芳香族熱硬化性樹脂が、耐摩耗性および自己
潤滑性に優れるため好ましい。また、転動体表面に樹脂
被膜が形成しやすくなる。なお、射出成形が可能な材料
であれば、歩留まりが多く生産性が向上するため好まし
い。
系樹脂、PPS樹脂などのポリアリーレンスルフィド系
樹脂、PEEK樹脂などの芳香族ポリエーテルケトン系
樹脂または芳香族熱硬化性樹脂が、耐摩耗性および自己
潤滑性に優れるため好ましい。また、転動体表面に樹脂
被膜が形成しやすくなる。なお、射出成形が可能な材料
であれば、歩留まりが多く生産性が向上するため好まし
い。
【0014】本発明に係るPI樹脂は、耐熱温度 100℃
以上で、かつ射出成形が可能なPI樹脂であることが好
ましい。射出成形が可能なPI樹脂としては、分子構造
の繰り返し単位中に、熱的特性、機械的強度等に優れた
イミド基が芳香族基を取り囲みながらも、熱などのエネ
ルギーが加えられることにより適度な溶融特性を示すエ
ーテル結合部分を複数個有する構造のPI樹脂がよく、
機械的特性、剛性、耐熱性、射出成形性を満足させるた
め、エーテル結合部を繰り返し単位中に 2個有する熱可
塑性ポリイミド樹脂が好ましい。好ましいPI樹脂の繰
り返し単位の一例を化1に示す。
以上で、かつ射出成形が可能なPI樹脂であることが好
ましい。射出成形が可能なPI樹脂としては、分子構造
の繰り返し単位中に、熱的特性、機械的強度等に優れた
イミド基が芳香族基を取り囲みながらも、熱などのエネ
ルギーが加えられることにより適度な溶融特性を示すエ
ーテル結合部分を複数個有する構造のPI樹脂がよく、
機械的特性、剛性、耐熱性、射出成形性を満足させるた
め、エーテル結合部を繰り返し単位中に 2個有する熱可
塑性ポリイミド樹脂が好ましい。好ましいPI樹脂の繰
り返し単位の一例を化1に示す。
【化1】 (式中、Xは直結または炭素数 1〜 10 の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。Yは炭素数 2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
からなる群から選ばれた 4価の基を表わす。)
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1〜R4は水素、低級アルキル基(炭素数 1〜5
)、低級アルコキシ基(炭素数 1〜5 )、塩素または
臭素を表わし、互いに同じであっても異なっていてもよ
い。Yは炭素数 2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋基により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
からなる群から選ばれた 4価の基を表わす。)
【0015】このようなPI樹脂のうち、市販品として
は化1におけるR1〜R4が全て水素であるオーラム(A
URUM)(三井化学社、商品名)などを挙げることが
できる。
は化1におけるR1〜R4が全て水素であるオーラム(A
URUM)(三井化学社、商品名)などを挙げることが
できる。
【0016】本発明に係るPPS樹脂は、芳香族基がチ
オエーテル結合で連結された構造を有する樹脂をいい、
その繰り返し単位を化2に示す。
オエーテル結合で連結された構造を有する樹脂をいい、
その繰り返し単位を化2に示す。
【化2】
【0017】PPS樹脂は、架橋構造をとらない直鎖状
のPPS樹脂から部分的架橋構造を有するものに至るま
で各種重合度のものを後熱処埋工程にかけて自由に製造
することができるので、耐摩耗性および自己潤滑性に優
れた転がり軸受を得ることができる。PPS樹脂の市販
品としては、T4AG(トープレン社、商品名)、B1
60(東ソー社、商品名)、KPS W214(呉羽化
学工業社、商品名)等が挙げられる。
のPPS樹脂から部分的架橋構造を有するものに至るま
で各種重合度のものを後熱処埋工程にかけて自由に製造
することができるので、耐摩耗性および自己潤滑性に優
れた転がり軸受を得ることができる。PPS樹脂の市販
品としては、T4AG(トープレン社、商品名)、B1
60(東ソー社、商品名)、KPS W214(呉羽化
学工業社、商品名)等が挙げられる。
【0018】本発明に係るPEEK樹脂は、下記化3で
示される繰り返し単位を有する樹脂をいい、市販品とし
ては、PEEK150P(ビクトレックス (VICTREX)
社、商品名)が挙げられる。
示される繰り返し単位を有する樹脂をいい、市販品とし
ては、PEEK150P(ビクトレックス (VICTREX)
社、商品名)が挙げられる。
【化3】
【0019】本発明に係る芳香族熱硬化性樹脂は、ナフ
タレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、コー
ルタール、ピッチ等の多環芳香族炭化水素を酸触媒によ
りパラキシリレングリコールで架橋した熱硬化性樹脂、
あるいは上記多環芳香族炭化水素とフェノール類とを一
般式−CH2X(ただし、X=OH、ClまたはBr)
で表される官能基を二個以上有する芳香族化合物で架橋
した熱硬化性樹脂である。縮合多環芳香族樹脂(Conden
sed Polynuclear Aromatic Resin)の英文字より「CO
PNA」(コプナ)樹脂と呼ばれている。コプナ樹脂
は、耐熱性、摺動特性、機械特性、耐薬品性に優れ、か
つ、易成形加工性、コストパフォーマンスとを備えてい
る。また、コプナ樹脂は射出成形が可能であり、複雑な
形状であっても成形が容易である。市販品としては、S
Kレジン(住金化工社、商品名)が挙げられる。
タレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、コー
ルタール、ピッチ等の多環芳香族炭化水素を酸触媒によ
りパラキシリレングリコールで架橋した熱硬化性樹脂、
あるいは上記多環芳香族炭化水素とフェノール類とを一
般式−CH2X(ただし、X=OH、ClまたはBr)
で表される官能基を二個以上有する芳香族化合物で架橋
した熱硬化性樹脂である。縮合多環芳香族樹脂(Conden
sed Polynuclear Aromatic Resin)の英文字より「CO
PNA」(コプナ)樹脂と呼ばれている。コプナ樹脂
は、耐熱性、摺動特性、機械特性、耐薬品性に優れ、か
つ、易成形加工性、コストパフォーマンスとを備えてい
る。また、コプナ樹脂は射出成形が可能であり、複雑な
形状であっても成形が容易である。市販品としては、S
Kレジン(住金化工社、商品名)が挙げられる。
【0020】転走面を形成する合成樹脂は、上記射出成
形が可能な材料単独でも使用することができるが、これ
らの樹脂材料に配合材を配合することにより、転がり軸
受の耐摩耗性や耐久性がより向上する。そのような配合
材としては、フッ素系樹脂および黒鉛の粉末等を挙げる
ことができる。フッ素系樹脂はフッ素を含有する樹脂を
いう。そのようなフッ素樹脂としては、例えばポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエ
チレン−フルオロアルキルビニルエーテル−フルオロオ
レフィン共重合体(EPE)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオ
ロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等を例
示できる。これらの中で、耐摩耗性および自己潤滑性を
付与することができるPTFEが好ましい。PTFEは
バージン材のPTFE粉末、あるいはバージン材を一度
焼成した後、粉砕して得られる再生PTFE粉末を使用
することができる。市販品としては、テフロン7J、T
LP−10(三井・デュポンフロロケミカル社、商品
名)、フルオンG163(旭硝子社、商品名)、ポリフ
ロンM15、ルブロンL5(ダイキン工業社、商品
名)、KT400H(喜多村社、商品名)等が挙げられ
る。
形が可能な材料単独でも使用することができるが、これ
らの樹脂材料に配合材を配合することにより、転がり軸
受の耐摩耗性や耐久性がより向上する。そのような配合
材としては、フッ素系樹脂および黒鉛の粉末等を挙げる
ことができる。フッ素系樹脂はフッ素を含有する樹脂を
いう。そのようなフッ素樹脂としては、例えばポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエ
チレン−フルオロアルキルビニルエーテル−フルオロオ
レフィン共重合体(EPE)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオ
ロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等を例
示できる。これらの中で、耐摩耗性および自己潤滑性を
付与することができるPTFEが好ましい。PTFEは
バージン材のPTFE粉末、あるいはバージン材を一度
焼成した後、粉砕して得られる再生PTFE粉末を使用
することができる。市販品としては、テフロン7J、T
LP−10(三井・デュポンフロロケミカル社、商品
名)、フルオンG163(旭硝子社、商品名)、ポリフ
ロンM15、ルブロンL5(ダイキン工業社、商品
名)、KT400H(喜多村社、商品名)等が挙げられ
る。
【0021】黒鉛は、固定炭素量 97 %以上の、天然の
鱗片状黒鉛、人造黒鉛を好適に使用することができる。
市販品としては、ACP(日本黒鉛社、商品名、固定炭
素量99.5%)、KS−6またはKS−10(LONZA
社、商品名、固定炭素量 99.5%)等が挙げられる。
鱗片状黒鉛、人造黒鉛を好適に使用することができる。
市販品としては、ACP(日本黒鉛社、商品名、固定炭
素量99.5%)、KS−6またはKS−10(LONZA
社、商品名、固定炭素量 99.5%)等が挙げられる。
【0022】配合材の配合割合は、樹脂材料 100重量部
に対して、 1〜100 重量部、好ましくは 3〜 50 重量部
である。この範囲であると、耐摩耗性や耐久性がより向
上する。
に対して、 1〜100 重量部、好ましくは 3〜 50 重量部
である。この範囲であると、耐摩耗性や耐久性がより向
上する。
【0023】外輪または内輪を上述の合成樹脂で形成す
る場合、配合材の混合方法は特に限定するものでなく、
通常多用されている方法、例えば樹脂と配合材とをそれ
ぞれ個別に、あるいは同時にヘンシェルミキサー、ボー
ルミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適宜乾
式混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶
融押出し成形機に供給するか、または予め熱ロール、ニ
ーダ、バンバリーミキサー、溶融押出し機などで溶融混
合したのちペレット化する方法を用いることができる。
その後、射出成形機により外輪または内輪を成形する。
る場合、配合材の混合方法は特に限定するものでなく、
通常多用されている方法、例えば樹脂と配合材とをそれ
ぞれ個別に、あるいは同時にヘンシェルミキサー、ボー
ルミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適宜乾
式混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶
融押出し成形機に供給するか、または予め熱ロール、ニ
ーダ、バンバリーミキサー、溶融押出し機などで溶融混
合したのちペレット化する方法を用いることができる。
その後、射出成形機により外輪または内輪を成形する。
【0024】上記合成樹脂の主成分と同じ樹脂被膜が形
成される転動体の材質は特に限定するものではないが、
セラミックス、ステンレス等の耐腐食性材料が好まし
い。また、内輪1および外輪2よりも硬度および剛性の
高い材料で形成することが好ましい。例えば、マルテン
サイト系ステンレス鋼、アルミナ系セラミックス、ジル
コニア系セラミックス、シリカ系セラミックス、炭化ケ
イ素系セラミックス、窒化ケイ素系セラミックス、サイ
アロン系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミック
ス、窒化チタン系セラミックス、炭化タングステン系セ
ラミックス等を挙げることができる。
成される転動体の材質は特に限定するものではないが、
セラミックス、ステンレス等の耐腐食性材料が好まし
い。また、内輪1および外輪2よりも硬度および剛性の
高い材料で形成することが好ましい。例えば、マルテン
サイト系ステンレス鋼、アルミナ系セラミックス、ジル
コニア系セラミックス、シリカ系セラミックス、炭化ケ
イ素系セラミックス、窒化ケイ素系セラミックス、サイ
アロン系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミック
ス、窒化チタン系セラミックス、炭化タングステン系セ
ラミックス等を挙げることができる。
【0025】転動体表面の樹脂被膜の膜厚は、例えば 7
0 μm 以下、好ましくは 2〜 70 μm の範囲内であるこ
とが好ましい。この範囲内であれば、転走面の摩耗が非
常に小さくなる。膜厚が 2μm より薄いと転走面の摩耗
を十分に小さくすることができない。膜厚が 70 μm よ
り厚いと運転時に被膜が剥がれるおそれがあり、また膜
厚を 70 μm より厚く形成させるには一度の被覆処理で
形成できず二度塗り、三度塗り等が必要になり被覆工程
が煩雑になる。
0 μm 以下、好ましくは 2〜 70 μm の範囲内であるこ
とが好ましい。この範囲内であれば、転走面の摩耗が非
常に小さくなる。膜厚が 2μm より薄いと転走面の摩耗
を十分に小さくすることができない。膜厚が 70 μm よ
り厚いと運転時に被膜が剥がれるおそれがあり、また膜
厚を 70 μm より厚く形成させるには一度の被覆処理で
形成できず二度塗り、三度塗り等が必要になり被覆工程
が煩雑になる。
【0026】転動体表面への樹脂被膜の形成方法として
は、均一な膜厚が形成できる方法であれば特に制限がな
いが、合成樹脂板上で転がす方法、あるいはタンブル法
で形成することが好ましい。合成樹脂板上で転がす方法
は、上述の転走面を形成する合成樹脂板を転動体に圧接
しながら摺動することにより、転動体表面に樹脂被膜を
形成する方法である。圧接時の圧力、摺動速度、時間等
は、転動体および合成樹脂板の種類、樹脂被膜厚さ等に
よって調節することができる。例えば、アルミナセラミ
ック製転動体表面にPPS樹脂膜を形成する場合、圧力
は 0.5〜10kgf/cm2、摺動速度は 1〜100m/min、形成時
間は 1〜60min が好ましい。この方法で形成された樹脂
被膜は、 2μm 以上の膜厚とすることにより転がり軸受
としての優れた耐久性および耐摩耗性が得られる。
は、均一な膜厚が形成できる方法であれば特に制限がな
いが、合成樹脂板上で転がす方法、あるいはタンブル法
で形成することが好ましい。合成樹脂板上で転がす方法
は、上述の転走面を形成する合成樹脂板を転動体に圧接
しながら摺動することにより、転動体表面に樹脂被膜を
形成する方法である。圧接時の圧力、摺動速度、時間等
は、転動体および合成樹脂板の種類、樹脂被膜厚さ等に
よって調節することができる。例えば、アルミナセラミ
ック製転動体表面にPPS樹脂膜を形成する場合、圧力
は 0.5〜10kgf/cm2、摺動速度は 1〜100m/min、形成時
間は 1〜60min が好ましい。この方法で形成された樹脂
被膜は、 2μm 以上の膜厚とすることにより転がり軸受
としての優れた耐久性および耐摩耗性が得られる。
【0027】タンブル法とは、メッシュバスケット内に
樹脂被膜が被覆される転動体を投入し、 5〜50rpm 程度
の回転数でメッシュバスケットを回転させ、その上から
樹脂被覆剤を含む液を塗布、乾燥のサイクルを繰り返
し、被覆剤を十分に乾燥させた後、所定の焼成温度で焼
き付けるタンブルスプレーコーティング法、あるいは、
密閉されたバスケット内に転動体とともに上述の合成樹
脂の粉体やペレット等を投入し、 5〜50rpm 程度の回転
数でバスケットを回転させることにより転動体表面に合
成樹脂膜を形成させる方法である。この方法で形成され
た樹脂被膜は、特に均一な膜厚が形成される。なお、樹
脂被覆剤は市販されている被覆剤が採用できるが、バイ
ンダー等の樹脂成分が転走面と同じ樹脂であれば耐摩耗
性が特に優れる。
樹脂被膜が被覆される転動体を投入し、 5〜50rpm 程度
の回転数でメッシュバスケットを回転させ、その上から
樹脂被覆剤を含む液を塗布、乾燥のサイクルを繰り返
し、被覆剤を十分に乾燥させた後、所定の焼成温度で焼
き付けるタンブルスプレーコーティング法、あるいは、
密閉されたバスケット内に転動体とともに上述の合成樹
脂の粉体やペレット等を投入し、 5〜50rpm 程度の回転
数でバスケットを回転させることにより転動体表面に合
成樹脂膜を形成させる方法である。この方法で形成され
た樹脂被膜は、特に均一な膜厚が形成される。なお、樹
脂被覆剤は市販されている被覆剤が採用できるが、バイ
ンダー等の樹脂成分が転走面と同じ樹脂であれば耐摩耗
性が特に優れる。
【0028】
【実施例】実施例1 #6202深溝玉軸受形状の転がり軸受を以下の方法で
作製した。PPS樹脂(東ソー社製;160N、耐熱温
度 250℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末 100重量部を
配合した樹脂組成物を用いて、外輪および内輪を射出成
形で素形材を成形後、切削加工および研磨加工で仕上げ
た。
作製した。PPS樹脂(東ソー社製;160N、耐熱温
度 250℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末 100重量部を
配合した樹脂組成物を用いて、外輪および内輪を射出成
形で素形材を成形後、切削加工および研磨加工で仕上げ
た。
【0029】一方、転動体を上記樹脂組成物から得られ
た 2枚の板状成形体にサンドイッチさせた状態で、一方
の板状成形体を転動体に対し加圧しながら往復動させ
て、転動体表面に 3μm の樹脂被膜を形成させた。な
お、転動体はアルミナ質セラミックスボールを用いた。
また、保持器は冠形で66ナイロン樹脂にガラス繊維を
30 重量%充填した材料を用いた。
た 2枚の板状成形体にサンドイッチさせた状態で、一方
の板状成形体を転動体に対し加圧しながら往復動させ
て、転動体表面に 3μm の樹脂被膜を形成させた。な
お、転動体はアルミナ質セラミックスボールを用いた。
また、保持器は冠形で66ナイロン樹脂にガラス繊維を
30 重量%充填した材料を用いた。
【0030】内輪および外輪を完成後、転動体を内外輪
間に挿入し、保持器で転動体を等間隔に保持することに
より転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して耐久試
験(ラジアル荷重 4kgf、回転数 60rpm、運転時間 1000
hr)を行ない、耐久試験終了後に転がり軸受のラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
間に挿入し、保持器で転動体を等間隔に保持することに
より転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して耐久試
験(ラジアル荷重 4kgf、回転数 60rpm、運転時間 1000
hr)を行ない、耐久試験終了後に転がり軸受のラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
【0031】実施例2 外輪および内輪の樹脂材料および転動体の樹脂被膜の形
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、熱可塑性PI樹脂(三井化学社製;オーラム、耐熱
温度 260℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末 20 重量部
と黒鉛 10 重量部とを配合した樹脂組成物を用いた。転
動体の表面は、PTFE樹脂粉末とPI樹脂とを主成分
とする被覆剤をタンブルスプレーコーティング法で 25
μm 厚の被膜を形成した。
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、熱可塑性PI樹脂(三井化学社製;オーラム、耐熱
温度 260℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末 20 重量部
と黒鉛 10 重量部とを配合した樹脂組成物を用いた。転
動体の表面は、PTFE樹脂粉末とPI樹脂とを主成分
とする被覆剤をタンブルスプレーコーティング法で 25
μm 厚の被膜を形成した。
【0032】実施例3 外輪および内輪の樹脂材料および転動体の樹脂被膜の形
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、PEEK樹脂(ビクトレックス・エムシー製;45
0P、耐熱温度 240℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末
10 重量部と黒鉛 10 重量部とを配合した樹脂組成物を
用いた。転動体の表面は、PTFE樹脂粉末とPEEK
樹脂とを主成分とする被覆剤をタンブルスプレーコーテ
ィング法で 60 μm 厚の被膜を形成した。
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、PEEK樹脂(ビクトレックス・エムシー製;45
0P、耐熱温度 240℃) 100重量部にPTFE樹脂粉末
10 重量部と黒鉛 10 重量部とを配合した樹脂組成物を
用いた。転動体の表面は、PTFE樹脂粉末とPEEK
樹脂とを主成分とする被覆剤をタンブルスプレーコーテ
ィング法で 60 μm 厚の被膜を形成した。
【0033】実施例4 転動体の樹脂被膜の形成方法を変更する以外は、実施例
1と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。転動体の表面は、
PPS樹脂粉末といっしょに密閉されたバスケット内に
投入し、バスケットを回転させ転動体表面に 3μm 厚の
被膜を形成した。
1と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。転動体の表面は、
PPS樹脂粉末といっしょに密閉されたバスケット内に
投入し、バスケットを回転させ転動体表面に 3μm 厚の
被膜を形成した。
【0034】実施例5 外輪および内輪の樹脂材料および転動体の樹脂被膜の形
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、芳香族熱硬化性樹脂(住金化工社製;SKR−H、
耐熱温度 300℃以上) 100重量部にPTFE樹脂粉末 2
0 重量部と黒鉛 15重量部とを配合した樹脂組成物を用
いた。転動体の表面は、PTFE樹脂粉末と芳香族熱硬
化性樹脂とを主成分とする被覆剤をタンブルスプレーコ
ーティング法で 30 μm 厚の被膜を形成した。
成方法、被膜厚さを変更する以外は、実施例1と同一の
条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して
実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定
した。結果を表1に示す。外輪および内輪の樹脂材料
は、芳香族熱硬化性樹脂(住金化工社製;SKR−H、
耐熱温度 300℃以上) 100重量部にPTFE樹脂粉末 2
0 重量部と黒鉛 15重量部とを配合した樹脂組成物を用
いた。転動体の表面は、PTFE樹脂粉末と芳香族熱硬
化性樹脂とを主成分とする被覆剤をタンブルスプレーコ
ーティング法で 30 μm 厚の被膜を形成した。
【0035】比較例1 樹脂被膜を形成していない転動体を用いる以外は実施例
1と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
1と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
【0036】比較例2 樹脂被膜を形成していない転動体を用いる以外は実施例
2と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
2と同一の条件方法で転がり軸受を得た。得られた軸受
を使用して実施例1と同一の耐久試験を行ないラジアル
隙間を測定した。結果を表1に示す。
【0037】比較例3 実施例1で得られた外輪および内輪、および実施例2で
得られた転動体を用いる以外は実施例1と同一の条件方
法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して実施例
1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定した。
結果を表1に示す。
得られた転動体を用いる以外は実施例1と同一の条件方
法で転がり軸受を得た。得られた軸受を使用して実施例
1と同一の耐久試験を行ないラジアル隙間を測定した。
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなとおり、実施例1〜5は
比較例1〜3に比べ耐久試験後のラジアル隙間が非常に
小さく、耐久性に優れていた。
比較例1〜3に比べ耐久試験後のラジアル隙間が非常に
小さく、耐久性に優れていた。
【0040】
【発明の効果】本発明による転がり軸受は、転走面を含
む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも一つを形成
する合成樹脂の主成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜を
有する転動体を用いるので、耐摩耗性に優れ、耐久性に
優れる。
む外輪および転走面を含む内輪の少なくとも一つを形成
する合成樹脂の主成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜を
有する転動体を用いるので、耐摩耗性に優れ、耐久性に
優れる。
【0041】また、樹脂被膜の膜厚が 2〜 70μm であ
るので、耐摩耗性と耐久性との両立を図ることができ
る。
るので、耐摩耗性と耐久性との両立を図ることができ
る。
【0042】合成樹脂の耐熱温度が 100℃以上であるの
で、特にポリイミド系樹脂、ポリアリーレンスルフィド
系樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂および芳香族
熱硬化性樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂である
ので、耐摩耗性および自己潤滑性に優れるとともに、耐
久性に優れる。
で、特にポリイミド系樹脂、ポリアリーレンスルフィド
系樹脂、芳香族ポリエーテルケトン系樹脂および芳香族
熱硬化性樹脂から選ばれた少なくとも一つの樹脂である
ので、耐摩耗性および自己潤滑性に優れるとともに、耐
久性に優れる。
【0043】本発明による転がり軸受の製造方法は、樹
脂被膜を形成する工程が転動体を合成樹脂上で転がす工
程であるので、均一な膜厚が容易に得られる。また、樹
脂被膜を形成する工程がタンブル法による工程であるの
で、膜厚の調整が容易で、被膜厚の厚い均一な樹脂被膜
が容易に得られる。
脂被膜を形成する工程が転動体を合成樹脂上で転がす工
程であるので、均一な膜厚が容易に得られる。また、樹
脂被膜を形成する工程がタンブル法による工程であるの
で、膜厚の調整が容易で、被膜厚の厚い均一な樹脂被膜
が容易に得られる。
【図1】深溝玉軸受の断面図である。
1 内輪 2 外輪 3 転動体 4 保持器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA34 AA42 AA54 AA62 BA10 BA70 DA05 DA14 EA31 EA34 EA36 EA37 EA78 FA31 FA32 4F213 AA17 AA27 AA29 AA32 AA34 AA36 AA40 AH14 WA05 WA54 WA63 WA72 WB01 WB18
Claims (6)
- 【請求項1】 転走面を含む外輪および転走面を含む内
輪の少なくとも一つが合成樹脂で構成され、該外輪およ
び内輪間に複数の転動体が介在する転がり軸受におい
て、 前記転動体の表面は、前記転走面を形成する合成樹脂の
主成分と同じ合成樹脂を含む樹脂被膜が形成されている
ことを特徴とする転がり軸受。 - 【請求項2】 前記樹脂被膜の膜厚が 2〜 70μm であ
ることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。 - 【請求項3】 前記合成樹脂の耐熱温度が 100℃以上で
あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の転
がり軸受。 - 【請求項4】 前記合成樹脂がポリイミド系樹脂、ポリ
アリーレンスルフィド系樹脂、芳香族ポリエーテルケト
ン系樹脂および芳香族熱硬化性樹脂から選ばれた少なく
とも一つの樹脂であることを特徴とする請求項1、請求
項2または請求項3記載の転がり軸受。 - 【請求項5】 転走面を含む外輪および転走面を含む内
輪の少なくとも一つを合成樹脂で形成する工程と、前記
外輪および内輪間に介在させる転動体の表面に前記転走
面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合成樹脂を含む樹
脂被膜を形成する工程とを含む転がり軸受の製造方法に
おいて、 前記樹脂被膜を形成する工程は前記転動体を前記合成樹
脂上で転がす工程であることを特徴とする転がり軸受の
製造方法。 - 【請求項6】 転走面を含む外輪および転走面を含む内
輪の少なくとも一つを合成樹脂で形成する工程と、前記
外輪および内輪間に介在させる転動体の表面に前記転走
面を形成する合成樹脂の主成分と同じ合成樹脂を含む樹
脂被膜を形成する工程とを含む転がり軸受の製造方法に
おいて、 前記樹脂被膜を形成する工程はタンブル法により前記転
動体表面に樹脂被膜を形成する工程であることを特徴と
する転がり軸受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25781598A JP2000087981A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 転がり軸受およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25781598A JP2000087981A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 転がり軸受およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000087981A true JP2000087981A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17311517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25781598A Pending JP2000087981A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 転がり軸受およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000087981A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009041177A (ja) * | 2001-08-23 | 2009-02-26 | Shen Wei (Usa) Inc | アロエ・ベラのグローブおよび製造方法 |
JP2019086137A (ja) * | 2017-11-10 | 2019-06-06 | 株式会社アイカムス・ラボ | 波動歯車減速機 |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP25781598A patent/JP2000087981A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009041177A (ja) * | 2001-08-23 | 2009-02-26 | Shen Wei (Usa) Inc | アロエ・ベラのグローブおよび製造方法 |
JP2019086137A (ja) * | 2017-11-10 | 2019-06-06 | 株式会社アイカムス・ラボ | 波動歯車減速機 |
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