JP2003193084A - 摺動部材 - Google Patents
摺動部材Info
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Abstract
を傷つけず、相手材とのなじみ性の良い摺動部材を提供
する。 【構成】 摺動部材1の表面は、その表面にダイヤモン
ドライクカーボンが被覆された1〜70質量%の固体潤
滑剤を含む合成樹脂からなる摺動層5であることによ
り、ダイヤモンドライクカーボンの硬質性により摩耗特
性を向上させることができ、また、ダイヤモンドライク
カーボンの有する潤滑特性及び固体潤滑剤によって、摩
擦係数を低減させることができると共に相手材を傷つけ
ることがない。また、ダイヤモンドライクカーボンを固
体潤滑剤に被覆することにより、固体潤滑剤の合成樹脂
との濡れ性が向上するため、固体潤滑剤の添加量を多く
した場合であっても樹脂強度が低下することを防止でき
ると共に、摩擦時における合成樹脂からの固体潤滑剤の
脱落が少なくなるため、高い摩擦特性を維持することが
できる。
Description
当接して該相手材を摺動可能に支持する摺動部材に関す
るものである。
られる軸受用摺動部材として、合成樹脂によって形成さ
れる摺動部材が知られている。これら自動車あるいは一
般産業用機械等に用いられる摺動部材においては、その
軸受面に高い面圧が加わるため、優れた摩耗特性などが
要求される。
擦係数を下げるために固体潤滑剤を合成樹脂に添加して
いた。しかし、固体潤滑剤を添加するだけでは、摩擦係
数を下げることはできても、摩耗特性を大きく向上させ
ることはできず、摩耗特性を向上させるためにアルミナ
や窒化ケイ素等の硬質粒子あるいは、グラスファイバー
や炭素繊維等の強化繊維など多種にわたる充填材を添加
していた。しかし、これらの充填材は、相手材を傷つけ
たり、また、あまり添加量が多いと合成樹脂との濡れ性
が悪くなり、樹脂強度が低下してしまう。樹脂強度が低
下すると却って摩耗特性が低下してしまうため、添加量
に制限があった。
膜として、スパッタリング等により生成されるダイヤモ
ンドライクカーボンが知られており、上記した問題点を
解消する軸受用摺動部材として、このダイヤモンドライ
クカーボンを鋼製の裏金等に被覆して軸受面としたもの
が提案されている。
ドライクカーボンの被膜は、摩耗特性の向上及び摩擦係
数の低減には有効であるものの、硬度が高すぎて相手材
に対してなじみ性が悪いため、例えば、相手材が片当り
しているような場合に、相手材を摩耗させてしまった
り、あるいは、焼き付きを起こしてしまうという問題が
あった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、摩耗特性及び摩擦特性に
優れ、また、相手材を傷つけず、相手材とのなじみ性の
良い摺動部材を提供することにある。
ために、請求項1に係る発明においては、相手材の摺動
面に当接して該相手材を摺動可能に支持する摺動部材に
おいて、該摺動部材の表面は、その表面にダイヤモンド
ライクカーボンが被覆された1〜70質量%の固体潤滑
剤を含む合成樹脂からなる摺動層であることを特徴とす
る。このように構成することにより、ダイヤモンドライ
クカーボンの硬質性により摩耗特性を向上させることが
でき、また、ダイヤモンドライクカーボンの有する潤滑
特性及び固体潤滑剤によって、摩擦係数を低減させるこ
とができると共に相手材を傷つけることがない。また、
ダイヤモンドライクカーボンを固体潤滑剤に被覆するこ
とにより、固体潤滑剤の合成樹脂との濡れ性が向上する
ため、固体潤滑剤の添加量を多くした場合であっても樹
脂強度が低下することを防止できると共に、摩擦時にお
ける合成樹脂からの固体潤滑剤の脱落が少なくなるた
め、高い摩擦特性を維持することができる。更に、ダイ
ヤモンドライクカーボンを固体潤滑剤に被覆することに
より、膜状のダイヤモンドライクカーボンを被覆した場
合と異なり、相手材とのなじみ性の良い摺動部材を構成
することができる。
記固体潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン,二硫化
モリブデン及びグラファイトから選ばれる少なくとも1
種から構成されていることを特徴とする。このように構
成することにより、高い摩擦特性を有する摺動部材を安
価に構成することができる。
記摺動層は、さらに0.1〜15質量%のオイルを含む
ことを特徴とする。このように構成することにより、オ
イルの有する潤滑特性によって摺動層の摩擦係数を更に
低減させることができる。
記合成樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェ
ニレンサルファイド,ポリアセタール,ポリアミド,芳
香族ポリエステル,ポリテトラフルオロエチレン,ポリ
エチレン,ポリアミドイミド,ポリイミド,ポリベンゾ
イミダゾール,フェノール又はエポキシのいずれかであ
ることを特徴とする。このように構成することにより、
高い耐熱性を有する摺動部材を形成することができるた
め、摺動部材をきびしい運転条件下や高温の環境下でも
使用することができる。
記摺動部材は、基材と、該基材の表面に形成された前記
摺動層と、からなることを特徴とする。このように構成
することにより、裏金により耐荷重性を高くすることが
できるため、変形し難い摺動部材を形成することができ
る。また、摺動層を薄くすることができるため、摺動層
の熱伝導率を高めて放熱効率を向上させることができ
る。
記基材は、裏金と、該裏金の表面に形成された多孔質層
と、からなることを特徴とする。このように構成するこ
とにより、裏金により耐荷重性を高くすることができる
ため、変形し難い摺動部材を形成することができる。ま
た、摺動層を薄くすることができるため、摺動層の熱伝
導率を高めて放熱効率を向上させることができる。更
に、摺動層が多孔質層に含浸被覆されることにより、摺
動層が剥離し難い摺動部材を形成することができる。
記基材は、裏金と、該裏金の表面に形成された軸受合金
層と、からなることを特徴とする。このように構成する
ことにより、裏金により耐荷重性を高くすることができ
るため、変形し難い摺動部材を形成することができる。
また、摺動層を薄くすることができるため、摺動層の熱
伝導率を高めて放熱効率を向上させることができる。更
に、摺動層が摩耗して軸受合金層が露出した場合であっ
ても、軸受合金層の良好な摩擦特性及び摩耗特性によっ
て、軸受の性能を長時間維持することができる。
て図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第
1実施形態に係る摺動部材1について説明する。図1
は、第1実施形態に係る摺動部材1の断面図である。
孔質層3及び摺動層5をこの順に積層することにより、
形成されている。裏金2は、鋼製のものであり、多孔質
層3は、この裏金2の表面に青銅粉末を0.3mm厚さ
に散布し、850℃で燒結を行うことにより形成される
ものである。なお、裏金2及び多孔質層3が摺動部材1
の基材を構成するものである。
クカーボン(以下、DLCと表示)により被覆された固
体潤滑剤(以下、DLC被覆固体潤滑剤と表示)を添加
し、オイルを含有させたものにより形成されており、合
成樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(以下、
PEEKと表示),ポリフェニレンサルファイド(以
下、PPSと表示),ポリアセタール(以下、POMと
表示),ポリアミド(以下、PAと表示),芳香族ポリ
エステル,ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
Eと表示),ポリエチレン(以下、PEと表示),ポリ
アミドイミド(以下、PAIと表示),ポリイミド(以
下、PIと表示),ポリベンゾイミダゾール(以下、P
BIと表示),フェノール(以下、PFと表示)又はエ
ポキシ(以下、EPと表示)のいずれかである。これら
の合成樹脂は、高い耐熱性を有するものである。
剤は、固体カーボンのターゲットを用いてスパッタリン
グ等の製法により固体潤滑剤の表面にDLCを被覆する
ことにより製造される。具体的には、粒状の固体潤滑剤
を籠状の容器に入れ、この容器を回転させることにより
固体潤滑剤を攪拌しながら固体潤滑剤の表面にスパッタ
リング等によりDLCを被覆するものである。このDL
C被覆される固体潤滑剤としては、PTFE,グラファ
イト(以下、Grと表示),二硫化モリブデン(以下、
MoS2と表示)であり、固体潤滑剤をこれらのものと
することにより、高い摩擦特性を有する摺動層5を安価
に構成することができる。このDLC被覆固体潤滑剤
は、1〜70質量%で添加される。好ましくは10〜5
0質量%である。
されており、この含有されるオイルにより摺動層5の摩
擦係数をより低減させることができる。好ましくは0.
5〜10質量%である。
摺動部材1の製造について説明する。まず、PEEK,
PPS,POMをベース樹脂とする摺動層5を有する摺
動部材1については、まず、PEEK,PPS,POM
のいずれかの合成樹脂,DLC被覆,固体潤滑剤,オイ
ル等の充填材をドライブレンドした後、40mm径押出
機で溶融混練しながら押出す作業を行い、均一配合ペレ
ットを形成する。次に、この均一配合ペレットを用いて
シート用押出機により0.4mm厚のシートとして形成
することにより、摺動層5を作成する。そして、裏金2
を加熱し、作成した摺動層5を多孔質層3の上面に重ね
合わせてロールに通し、摺動層5を多孔質層3とその表
面に含浸及び被覆させることにより、第1実施形態に係
る摺動部材1が形成される。
摺動層5を有する摺動部材1については、溶剤にPA
I,PBIのいずれかの合成樹脂,DLC被覆,固体潤
滑剤等の充填材を均一分散させることにより得た分散液
を、裏金2の多孔質層3に含浸被覆し、乾燥・焼成を行
うことにより、摺動部材1が形成される。
た多孔質層3に摺動層5が含浸被覆されるため、多孔質
層3のアンカー効果により摺動層5が剥離しにくい摺動
部材1が形成される。
する摺動部材1については、所定量のPTFEディスパ
ージョンに、DLC被覆,固体潤滑剤,オイル等の充填
材を加え、均一に混合して混合物を作成する。そして、
この混合物を前記裏金2の多孔質層3に含浸被覆し、乾
燥・焼成を行った後にロール圧延により厚みを均一化に
させることにより、摺動部材1が形成される。
裏金2の表面に形成された多孔質層3上に摺動層5が形
成されているものを示したが、このようなものに限ら
ず、裏金2上に直接、摺動層5がコーティングされた構
造のものであっても良い。
る摺動部材1について説明する。図2は、第2実施形態
に係る摺動部材1の断面図である。なお、第1実施形態
と同様のものには、同じ符号を付してある。
受合金層4及び摺動層5をこの順に積層することによ
り、形成されている。裏金2は、第1実施形態と同様、
鋼製のものであり、軸受合金層4は、銅系合金あるいは
アルミ系合金により形成されるものである。この裏金2
及び軸受合金層4が摺動部材1の基材を構成するもので
ある。なお、摺動層5を構成する成分については、第1
実施形態と同様であるため説明を省略し、以下、第2実
施形態に係る摺動部材1の製造について説明する。
後、脱脂処理を行い、続いて軸受合金層4の表面を表面
処理により粗面化する。更に酸洗を行い、表面に付着し
た不純物を除去すると共に、軸受合金層4の表面を活性
化させる。
当な有機溶剤で希釈した摺動層5の組成物をエアースプ
レーにより軸受合金層4の表面に1〜50μmの厚さに
なるように吹き付けて塗布し、200〜400℃で乾燥
・焼成する。この焼成により、溶剤が蒸発すると共に摺
動層5が硬化し、軸受合金層4の表面に形成される。こ
のようにして、第2実施形態に係る摺動部材1が形成さ
れる。
層5と裏金2等の基材により複層構造で構成されるもの
を示したが、このようなものに限らず、摺動層5のみに
よって形成されるもの、即ち、基材と摺動層5とが同様
の組成を有する合成樹脂で一体的に構成されるものであ
ってもよい。このように、摺動層5のみからなる摺動部
材1の場合、その製造は、前記均一配合ペレットを通常
の射出成形機を用いて所要の形状に成形することにより
行う。
部材1の試験試料を用い、スラスト型試験機により行っ
た摩耗特性及び摩擦特性の試験について、表1及び表2
を参照して説明する。表1は、摺動層5の組成を変えて
試験を行った場合の試験結果を示し、表2は、摩耗特性
及び摩擦特性を評価するための試験の条件を示す表であ
る。表1において、摺動層5の摩耗量(Wで表示、単
位:μm)の数値が低いほど摩耗特性が優れており、摩
擦係数(μで表示)の数値が低いほど摩擦特性が優れて
いる。また、表1中、相手材摩耗量とは、相手材の表面
粗さの変化量を表しており、数値が低いほど優れたもの
である。
実施例1〜21に示す摺動層5の組成の異なる試験試料
を用いた。また、比較する試験試料として、比較例22
〜28に示す摺動層5の組成の異なる試験試料を用い
た。
合成樹脂として、実施例1〜6,14〜16及び比較例
22〜25ではPEEKを、実施例7ではPPSを、実
施例8,20ではPOMを、実施例9,21ではPAI
を、実施例10〜12,17〜19及び比較例26〜2
8ではPBIを、実施例13ではPTFEを用いた。
7,8,14〜16,20及び比較例23,24にはP
TFEが、実施例3,13にはGrが、実施例4〜6,
9〜12,17〜19,21及び比較例24〜28には
MoS2が合成樹脂に添加されている。また、実施例1
4〜21には、合成樹脂にオイルが含有されている。
化ケイ素(以下、Si3N4)が合成樹脂に添加されてい
る。
試験結果から以下のことが判明した。まず、相手材摩耗
量については、比較例28において1.7の値を示して
いるが、他の比較例22〜27及びすべての実施例1〜
21では、その値が0である。これは、比較例28にの
み添加されているSi3N4が相手材を傷つけてしまうた
めであると考えられる。
脂に添加される固体潤滑剤をDLC被覆した場合の比較
として、実施例11と比較例28を比較した場合、摩耗
量及び摩擦係数のいずれも実施例11が比較例28より
も大幅に低い値を示している。このように、硬質粒子の
添加に代えてDLC被覆固体潤滑剤とすることにより、
摩耗特性及び摩擦特性が向上する。また、実施例11と
比較例26を比較した場合、即ち、固体潤滑剤にDLC
被覆したものとDLC被覆していないものを比較した場
合、摩擦量及び摩擦係数の双方とも実施例11が比較例
26よりも低い値を示している。このように、固体潤滑
剤をDLC被覆することのみでも摩耗特性及び摩擦特性
が向上する。
〜28においては、ベースとなる合成樹脂がPBIで、
また、添加される固体潤滑剤がMoS2であるが、その
他の合成樹脂及び固体潤滑剤を用いた場合を比較する。
まず、合成樹脂にPEEKを、固体潤滑剤にPTFEを
用いた場合として、実施例1と比較例22、及び実施例
2と比較例23をそれぞれ比較した場合、いずれも固体
潤滑剤にDLC被覆したものの方が、摩耗量及び摩擦係
数の双方とも低い値を示している。
にMoS2を用いた場合として、実施例5と比較例2
4、及び実施例6と比較例25をそれぞれ比較した場
合、上記と同様に、いずれも固体潤滑剤にDLC被覆し
たものの方が、摩耗量及び摩擦係数の双方とも低い値を
示している。
加した合成樹脂と、DLC被覆していない固体潤滑剤を
添加した合成樹脂とを比較した場合、DLC被覆固体潤
滑剤を添加した合成樹脂の方が摩耗特性及び摩擦特性の
双方とも向上させることができる。
ず、DLC被覆固体潤滑剤の種類を変えた場合の比較と
して、実施例2〜4を比較した場合、摩耗量及び摩擦係
数の双方ともほぼ同等の値を示しており、DLC被覆固
体潤滑剤の種類の違いによって摩耗特性及び摩擦特性が
大きく変化することはない。また、DLC被覆固体潤滑
剤の添加量を変えた場合の比較として、実施例4と前述
の実施例5,6を比較した場合、摩耗量は、添加量が増
加するに従い高い値を示し、摩擦係数は、実施例5,6
で同等であり、実施例4で実施例5,6よりも高い値を
示している。
の種類を変えず、合成樹脂の種類を変えた場合を比較す
る。まず、DLC被覆固体潤滑剤にPTFEを、合成樹
脂にPEEK,PPSあるいはPOMを用いた場合とし
て、実施例2,7,8を比較した場合、摩耗量は、実施
例2,7,8の順に増加しており、摩擦係数は、実施例
8,2,7の順に増加している。このように、DLC被
覆固体潤滑剤をPTFEにした場合、摩耗特性について
はPEEKが、摩擦特性についてはPOMが優れてい
る。
成樹脂にPEEKあるいはPTFEを用いた場合とし
て、実施例3と実施例13を比較した場合、摩耗量は、
実施例3が実施例13よりも低い値を示し、摩擦係数
は、実施例3が実施例13よりも高い値を示している。
このように、DLC被覆固体潤滑剤をGrにした場合、
摩耗特性についてはPTFEよりもPEEKが、摩擦特
性についてはPEEKよりもPTFEが優れている。
2を、合成樹脂にPEEK,PAIあるいはPBIを用
いた場合として、実施例6,9及び12を比較した場
合、摩耗量及び摩擦係数の双方ともほぼ同等の値を示し
ている。このように、DLC被覆固体潤滑剤をMoS2
にした場合、摩耗特性及び摩擦特性について、PEE
K,PAIあるいはPBIの違いによる大きな変化は見
られない。また、DLC被覆固体潤滑剤にMoS2を、
合成樹脂にPBIを用いた場合において、DLC被覆固
体潤滑剤の添加量を変えた場合の比較として、実施例1
0〜12を比較した場合、摩耗量は、実施例10,1
1,12の順に増加しており、摩擦係数は、実施例11
と実施例12が同等で、実施例10が実施例11,12
よりも高い値を示している。
2を、合成樹脂にPEEKあるいはPBIを用いた場合
において、MoS2の添加量を変えた場合の比較とし
て、実施例4〜6と実施例10〜12を比較した場合、
MoS2の同添加量における摩耗量は、実施例4〜6が
実施例10〜12よりもそれぞれ高い値を示しており、
摩擦係数は、同等の値を示している。このように、DL
C被覆固体潤滑剤をMoS2にした場合、摩耗特性につ
いてはPEEKよりもPBIが優れている。
剤を添加した合成樹脂に、更にオイルを含有させた場合
の比較として、合成樹脂がPEEKである実施例1と実
施例15、及び実施例2と実施例16を比較した場合、
いずれもオイルを含有させたものの方が、摩耗量が高い
値を示し、摩擦係数が低い値を示している。また、含有
させるオイルの量を変えた場合の比較として、実施例1
4と実施例15を比較した場合、摩耗量は、実施例15
が実施例14よりも高い値を示し、摩擦係数は、実施例
15が実施例14よりも低い値を示している。
加した合成樹脂に、オイルを含有させた場合の比較とし
て、合成樹脂をPBIとした実施例10と実施例17、
実施例11と実施例18、及び実施例12と実施例19
を比較した場合、いずれもオイルを含有させたものの方
が、摩耗量が高い値を示し、摩擦係数が低い値を示して
いる。なお、オイルを含有させ、DLC被覆固体潤滑剤
の添加量を変えた場合、即ち、実施例17〜19を比較
した場合、摩耗量及び摩擦係数の双方ともほぼ同等の値
を示している。また、上記した実施例18では、ベース
となる合成樹脂がPBIであるが、この合成樹脂をPA
Iにした実施例21と比較した場合、摩耗量は、実施例
18が実施例21よりも低い値を示しており、摩擦係数
は、同等の値を示している。
加した合成樹脂に、オイルを含有させた場合の比較とし
て、合成樹脂をPOMとした実施例8と実施例20を比
較した場合、摩耗量は、同等の値を示し、摩擦係数は、
オイルを含有させたものの方が低い値を示している。
させることにより、摩擦特性を向上させることができ
る。
試験試料に用いる合成樹脂としてPEEK,PPS,P
OM,PAI,PBI及びPTFEを示したが、PA,
芳香族ポリエステル,PE,PI,PF及びEPを用い
ても良好な結果が得られた。
固体潤滑剤の添加量の最小値は、5質量%であるが、1
質量%とした場合にも同様に良好な結果が得られた。
に、請求項1に係る発明においては、DLCの硬質性に
より摩耗特性を向上させることができ、また、DLCの
有する潤滑特性及び固体潤滑剤によって、摩擦係数を低
減させることができると共に相手材を傷つけることがな
い。また、DLCを固体潤滑剤に被覆することにより、
固体潤滑剤の合成樹脂との濡れ性が向上するため、固体
潤滑剤の添加量を多くした場合であっても樹脂強度が低
下することを防止できると共に、摩擦時における合成樹
脂からの固体潤滑剤の脱落が少なくなるため、高い摩擦
特性を維持することができる。更に、DLCを固体潤滑
剤に被覆することにより、相手材とのなじみ性の良い摺
動部材を構成することができる。
い摩擦特性を有する摺動部材を安価に構成することがで
きる。
イルの有する潤滑特性によって摺動層の摩擦係数を更に
低減させることができる。
い耐熱性を有する摺動部材を形成することができるた
め、摺動部材をきびしい条件下や高温の環境下でも使用
することができる。
金により耐荷重性を高くすることができるため、変形し
難い摺動部材を形成することができる。また、摺動層の
熱伝導率を高めて放熱効率を向上させることができる。
金により耐荷重性を高くすることができるため、変形し
難い摺動部材を形成することができる。更に、摺動層が
多孔質層に含浸被覆されることにより、摺動層が剥離し
難い摺動部材を形成することができる。
金により耐荷重性を高くすることができるため、変形し
難い摺動部材を形成することができる。更に、摺動層が
摩耗して軸受合金層が露出した場合であっても、軸受合
金層の良好な摩擦特性及び摩耗特性によって、軸受の性
能を長時間維持することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 相手材の摺動面に当接して該相手材を摺
動可能に支持する摺動部材において、該摺動部材の表面
は、その表面にダイヤモンドライクカーボンが被覆され
た1〜70質量%の固体潤滑剤を含む合成樹脂からなる
摺動層であることを特徴とする摺動部材。 - 【請求項2】 前記固体潤滑剤は、ポリテトラフルオロ
エチレン,二硫化モリブデン及びグラファイトから選ば
れる少なくとも1種から構成されていることを特徴とす
る請求項1記載の摺動部材。 - 【請求項3】 前記摺動層は、さらに0.1〜15質量
%のオイルを含むことを特徴とする請求項1又は請求項
2記載の摺動部材。 - 【請求項4】 前記合成樹脂は、ポリエーテルエーテル
ケトン,ポリフェニレンサルファイド,ポリアセター
ル,ポリアミド,芳香族ポリエステル,ポリテトラフル
オロエチレン,ポリエチレン,ポリアミドイミド,ポリ
イミド,ポリベンゾイミダゾール,フェノール又はエポ
キシのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の摺動部材。 - 【請求項5】 前記摺動部材は、基材と、該基材の表面
に形成された前記摺動層と、からなることを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の摺動部材。 - 【請求項6】 前記基材は、裏金と、該裏金の表面に形
成された多孔質層と、からなることを特徴とする請求項
5記載の摺動部材。 - 【請求項7】 前記基材は、裏金と、該裏金の表面に形
成された軸受合金層と、からなることを特徴とする請求
項5記載の摺動部材。
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