JP2000087709A - 内燃機関における動電式バルブ駆動装置 - Google Patents

内燃機関における動電式バルブ駆動装置

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JP2000087709A
JP2000087709A JP10281160A JP28116098A JP2000087709A JP 2000087709 A JP2000087709 A JP 2000087709A JP 10281160 A JP10281160 A JP 10281160A JP 28116098 A JP28116098 A JP 28116098A JP 2000087709 A JP2000087709 A JP 2000087709A
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moving coil
valve driving
internal combustion
combustion engine
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English (en)
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Noriomi Miyoshi
紀臣 三好
Jo Otsubo
城 大坪
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Fuji Oozx Inc
Original Assignee
Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L9/00Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically
    • F01L9/20Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by electric means
    • F01L9/21Valve-gear or valve arrangements actuated non-mechanically by electric means actuated by solenoids
    • F01L2009/2115Moving coil actuators

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動電式バルブ駆動装置におけるムービングコ
イルの取付強度を高めて、その耐久性、信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】 ムービングコイル13を、強化繊維14
により覆うとともに、それに耐熱性及び機械的強度に優
れる合成樹脂を含浸させて硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関における
吸、排気バルブを、電気的に開閉させるようにした、動
電式バルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のエンジンのバルブ駆動系は、カム
シャフト、ロッカアーム(又はタペット)、バルブスプ
リング、及びスプリングリテーナを主要部として構成さ
れ、クランク軸により駆動されるカムシャフトのカムの
回転力を、ロッカアームを介してバルブに伝達すること
により、その開閉運動がなされるようになっている。
【0003】一般にエンジンの出力性能や燃費等は、
吸、排気効率に大きく左右され、それが高い程、シリン
ダ内のガス交換が円滑に行われて性能は向上する。しか
し、自動車用のエンジンは、回転領域が広いため、全運
転領域に亘ってエンジン性能を高めるのは難しく、高速
性能を重視すると、低速性能が犠牲となり、またその反
対に低速性能を重視すると、高速性能が低下する。
【0004】この問題に対処するには、高速時には、
吸、排気バルブのリフト量を大として、吸、排気効率を
高めるとともに、オーバーラップ領域の大きい高速重視
型のバルブタイミングとし、また燃焼状態が不安定とな
り易い低速時には、リフト量を小として強いスワール等
が形成されるようにし、かつオーバーラップ領域の小さ
いバルブタイミングとすることが望ましい。
【0005】最近、このような要求を満たすものとし
て、低速性能と高速性能とを両立させる動弁機構、すな
わち低速用と高速用の2つのバルブタイミング及びリフ
トを有する可変バルブタイミング・リフト機構を組込ん
だエンジンが実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この可変バル
ブタイミング・リフト機構も、上述したカムシャフトを
駆動源とする機械的な動弁機構と基本的には同じであ
り、従って、このような動弁機構が本来的に有している
性能低下要因、すなわち、機械的損失やカムに対するバ
ルブの追従性等による性能低下要因を取り除くことはで
きない。
【0007】また、バルブタイミングやリフトは、カム
の位相やプロフィールにより決定されるため、それらを
エンジンの全運転領域に亘って変化させることは不可能
であり、従って、せいぜい上記低速用と高速用の2つの
バルブタイミング及びリフトに設定せざるを得ないのが
実情である。
【0008】このような問題を解決するものとして、通
常のカムシャフトによる機械的なバルブ駆動方式に代え
て、磁力によりバルブを開閉するようにした電磁式のバ
ルブ駆動装置が種々提案されている(例えば、特開平1
0−37726号公報、特開平10−141028号公
報参照)。
【0009】しかし、従来の電磁式のバルブ駆動装置
は、単に電磁石の吸引力によりバルブを開閉するように
したものが殆どであるため、バルブの着座音が大きく、
かつバルブ駆動時の応答性も悪い。また、バルブタイミ
ングやリフトの制御領域が小さいため、エンジンのあら
ゆる運転状態に対応した最適なバルブタイミング及びリ
フトを得るのが難しく、全運転領域に亘ってエンジン性
能を向上させるのには限界がある。
【0010】さらに、バルブ側に可動鉄芯(又は可動
片)を有しているため、バルブ開閉時の慣性質量が大き
くなって、制御時の応答性や信頼性に欠ける。
【0011】本願出願人は、上記従来の電磁式バルブ駆
動装置が有している諸問題を解決するために、バルブ
を、ボイスコイルモータと称される電磁アクチュエータ
により駆動するようにした動電式バルブ駆動装置を案出
している。
【0012】これは、バルブの軸部に、その軸線方向に
沿って巻回したムービングコイルを固着するとともに、
このムービングコイルの内側又は外側に、磁束がムービ
ングコイルの巻き軸線と直交する方向に生成されるよう
にした磁石を固定的に設け、ムービングコイルに通電し
た際に、これを軸方向に移動させる力、すなわちフレミ
ングの左手の法則による力を利用して、バルブを駆動す
るものである。
【0013】この動電式バルブ駆動装置におけるムービ
ングコイルは、軸方向に繰り返し高速で移動して、バル
ブを直接駆動するようになっているため、その取付強度
をいかに大きくして、耐久性、信頼性を向上させるかが
課題として残されていた。
【0014】また、ムービングコイルの両端末部を入力
端子に接続する際の容易性や、常時移動するムービング
コイルの端子を固定端子に接続する際に用いられるリー
ド線の耐久性など、解決しなければならない問題も残さ
れていた。
【0015】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、ムービングコイルの取付強度を高めて、その耐久
性、信頼性を向上させるとともに、ムービングコイルの
端末部を容易に端子に接続することができ、かつ移動側
と固定側の端子同士を接続するリード線の耐久性を大幅
に向上させうるようにした、内燃機関における動電式バ
ルブ駆動装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (1)バルブの軸部に設けられたムービングコイル
と、、磁束がムービングコイルの巻き軸線と直交する方
向に生成されるように固定的に設けられた磁石とを備
え、前記ムービングコイルに通電することによりこれを
軸方向に移動させて、吸、排気バルブを開閉させるよう
にした内燃機関における動電式バルブ駆動装置におい
て、前記ムービングコイルを、強化繊維により覆うとと
もに、それに耐熱性及び機械的強度に優れる合成樹脂を
含浸させて硬化する。
【0017】(2)上記(1)項において、ムービングコ
イルを、バルブの軸部に固着された有底円筒状のバルブ
駆動体における筒部の外周面に巻回する。
【0018】(3)上記(1)または(2)項において、ム
ービングコイルを偶数層巻きとして、その巻き始めと巻
き終りの端末部をほぼ同位置となるようにする。
【0019】(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおい
て、ムービングコイルの両端末部と、その側方に設けた
固定側の入力端子とを、可撓性と弾性を有するローリン
グ変形可能なリード板により接続する。
【0020】(5)上記(4)項において、リード板を、
閉弁方向側に折り返し湾曲部を有する逆U字形とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の動電式バルブ駆動
装置(A)と、その制御装置(B)を示している。まずバル
ブ駆動装置(A)の構成を詳細に説明する。シリンダヘッ
ド(1)に圧入されたバルブガイド(2)には、耐熱鋼製の
吸気又は排気バルブ(以下、バルブという)(3)の軸部
(3a)が上下に摺動可能として保持され、その下端の傘部
(3b)は、吸気又は排気ポート(1a)の開口端に圧入された
バルブシート(4)と当接して、ポート(1a)を密閉しうる
ようになっている。
【0022】シリンダヘッド(1)の上面には、バルブ
(3)と同軸をなす円筒形のブラケット(5)の下端が、ボ
ルト(6)により固着され、その上端部内には、磁性体よ
りなる、例えば鉄糸のヨーク(7)が嵌合され、その外周
面に向かって螺挿した複数のボルト(6)により固定され
ている。
【0023】ヨーク(7)は、その中心に上下に貫通する
給気孔(8)を有し、かつ径方向の中央部には、下端が開
口する円環状の作動空間(9)が、バルブ(3)と同心的に
形成されている。
【0024】上記作動空間(9)内における外側の内周面
には、径方向の外側をN極、内側をS極(又はその反
対)とした筒形の永久磁石(10)が、その内周面と作動空
間(9)の内側の内周面との間に所要の隙間が形成される
ようにして固着されている。
【0025】エンジンバルブ(3)におけるブラケット
(5)内に位置している軸部(3a)の上端部の小径部(3c)に
は、有底円筒形をなすバルブ駆動体(11)の底板(11a)
が、小径部(3c)の上端部の雄ねじ部に螺着したナット(1
2)により固定されている。
【0026】バルブ駆動体(11)の薄肉とした筒状ボビン
部(11b)(図1においては図示略)の外周面には、図2
に拡大して示すように、ムービングコイル(13)が、巻き
始めを下端部として、軸方向に巻回することにより、偶
数層(実施例では2層)に巻回されている。なお、偶数
層巻きとするのは、コイル(13)の両端末がボビン(11b)
の下端部にくるようにして、後記する端子への接続を容
易とするためである。ボビン部(11b)及びムービングコ
イル(13)は、上記作動空間(9)内に形成された、永久磁
石(10)とヨーク(7)との間の隙間に、それらと干渉しな
い若干の隙間を設けて収容されている。
【0027】ムービングコイル(13)は、図2に示すよう
に、ガラス又はカーボン繊維(14)により覆ったのち、耐
熱性と機械的強度に優れる、例えばエポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂を含浸させて硬化形成され、ボビン(11b)に
一体的に固着されている。
【0028】バルブ駆動体(11)の材質は、バルブ(3)の
開閉時の慣性質量を小とするために、アルミニウム合金
等の軽金属又は硬質合成樹脂等により形成するのが好ま
しい。
【0029】上記永久磁石(10)とムービングコイル(13)
とにより、ボイスコイルモータと称される電磁アクチュ
エータが構成される。すなわち、ムービングコイル(13)
を巻回したボビン(11b)が収容された隙間には、ムービ
ングコイル(13)の巻き軸線と直交する放射方向の磁束が
生成されるため、ムービングコイル(13)に通電すると、
このムービングコイル(13)には、フレミングの左手の法
則による力が発生し、この力は、バルブ駆動体(11)にこ
れを軸方向に移動する力として作用する。
【0030】従って、ムービングコイル(13)に流れる電
流値及びその方向を制御することにより、バルブ(3)を
上下方向に任意に移動させることができる。
【0031】シリンダヘッド(1)の上面に載置された座
金(15)と、バルブ駆動体(11)における底板(11a)の下面
に当接させた硬質のばね受け(16)との間には、圧縮コイ
ルばね(17)が縮設され、バルブ(3)は、常時上向きに付
勢されている。圧縮コイルばね(17)の上端部は、底板(1
1a)の下端外周縁に下向連設された環状片(11c)により、
横方向に位置ずれするのが防止されている。
【0032】なお、上記圧縮コイルばね(17)は、ムービ
ングコイル(13)への非通電時において、バルブ(3)の自
重やバルブ駆動体(11)及びそれに巻回したムービングコ
イル(13)等の質量により、バルブ(3)が下降してしまう
のを防止し、閉弁位置に保持するためのものである。従
って、そのばね定数は、通常のエンジンの動弁機構に用
いられているバルブスプリングよりもかなり小さくてよ
い。
【0033】上記ヨーク(7)の中心に穿設した給気孔
(8)内の下端部には、バルブ位置検出用の電極(18)が固
定的に取付けられ、この電極(18)内には、バルブ(3)に
おける軸部(3a)の上端に上向き連設された小径のセンサ
軸(鉄芯)(3d)が無接触状態で位置している。これら電極
(18)とセンサ軸(3d)とにより、静電容量型のバルブ位置
検出手段を構成しており、ヨーク(7)とセンサ軸(3d)と
の相対位置を検知することにより、バルブ(3)の上下方
向の変位量を検出することができる。
【0034】図2に示すように、ムービングコイル(13)
の各端末部(13a)(13a)は、それぞれバルブ駆動体(11)の
基部外周面に下向き連設された案内片(19)を挿通して、
それに圧入固着した1対のターミナルピン(20)(一方の
ものは図示略)に接続されている。
【0035】ターミナルピン(20)と、ブラケット(5)に
取付けられた入力端子(21)のターミナルピン(22)とは、
U字形に折曲された可撓性と弾性を有する例えばリン青
銅等の金属リード板(23)により接続され、金属リード板
(23)は、バルブ駆動体(11)が上下に変位した際、案内片
(19)と入力端子(21)に形成した案内片(21a)とに密接し
ながらローリング変形するようになっている。
【0036】ヨーク(7)の給気孔(8)には、その上端に
螺着したコネクタ(24)及びそれに接続したエアパイプ(2
5)を介して、冷却用の圧縮空気が供給され、給気孔(8)
内に流入した圧縮空気は、バルブ駆動体(11)におけるボ
ビン部(11b)の内周面とヨーク(7)との隙間、及びムー
ビングコイル(13)の外周面と永久磁石(10)の内周面との
間の隙間を通ってブラケット(5)内に流入し、その周壁
に形成した複数の通気孔(26)より外部に排出される。こ
の際の空気の流通過程において、電極(18)やムービング
コイル(13)等が冷却され、それらが過熱するのが防止さ
れる。なお、上記圧縮空気は、エンジンを動力とするエ
アポンプ又はエアタンク等より供給することができる。
【0037】次に、図1に示すブロック図を参照して、
上記動電式バルブ駆動装置(A)の制御装置(B)及びそれ
による制御要領について説明する。エンジンや車両に取
付けられた、クランク角基準位置センサ及び気筒判別セ
ンサを含むクランク角センサ(27)、エンジンの回転速度
センサ(28)、スロットル開度センサ(29)、車速センサ(3
0)、加・減速度センサ(31)等の各種センサ群、及び図示
しない他の各種のセンサにより、エンジンの運転状態を
検出し、得られた電気信号は、マイクロコンピュータに
おけるCPU(32)の運転状態判別部(33)に入力される。
【0038】CPU(32)は、図3に示すように、エンジ
ンの運転状態に対応した最適のバルブタイミング・リフ
トパターンを、〜nまでマップ化して予め設定し、こ
れを例えばROM等に記憶させたバルブタイミング・リ
フトパターンメモリ(34)と、このメモリ(34)より、上記
運転状態判別部(33)に基づいて決定された最適のバルブ
タイミングとリフトを選択するバルブタイミング・リフ
トパターン選択部(35)とを有している。
【0039】上記バルブタイミング・リフトパターンメ
モリ(34)より選択して呼び出された電気信号は、バルブ
(3)の最適な位置信号として比較器(36)に入力される。
この比較器(36)には同時に、バルブ駆動装置(A)に設け
たバルブ位置検知手段、すなわち電極(18)より出力され
たバルブ位置信号が、バルブ位置検出器(37)により電気
信号に変換されて入力される。
【0040】比較器(36)において、バルブタイミング・
リフトパターンメモリ(34)より呼び出されたバルブ位置
信号と、電極(18)による現在のバルブ位置信号とが比較
演算され、バルブ(3)は、2つの位置信号に差が生じな
いように駆動される。すなわち、2つの位置信号が一致
するように、入力端子(21)に接続された増幅器(38)を介
して、ムービングコイル(13)に流れる電流値とその方向
をフィードバック制御し、ムービングコイル(13)及びこ
れと一体をなすバルブ駆動体(11)を上下動させれば、バ
ルブ(3)は、バルブタイミング・リフトパターンメモリ
(34)より選択した通りの最適なタイミング及びリフトで
駆動される。
【0041】なお、上記バルブ位置検出器(37)には、バ
ルブ(3)の全閉位置からの正確なリフト量を得るため
に、バルブ(3)が閉じている状態において、その上限位
置を検出し、常に閉位置を示すように修正(リセット)す
る全閉位置補正手段が含まれており、バルブ(3)の熱膨
張や弁フェースの摩耗等により現在位置に誤差が生じる
ことのないようにしてある。
【0042】また、多気筒エンジンにおいて、上記制御
装置(B)は、各気筒の個々の吸、排気バルブ(3)毎に個
別に設けられ、各吸、排気バルブ(3)を独立して駆動す
るようになっている。
【0043】以上説明したように、本発明の動電式バル
ブ駆動装置(A)は、バルブ(3)の軸端に固着したムービ
ングコイル(13)を軸方向に移動させて、バルブ(3)を駆
動するようにしているため、従来の電磁石による吸引力
を利用したバルブ駆動装置のように、可動部であるバル
ブ(3)側に質量のある鉄芯等を設ける必要はない。従っ
て、バルブ開閉時の慣性質量が小さくなって、バルブの
着座騒音を小さくしうるとともに、応答性や信頼性も高
まる。
【0044】また、ムービングコイル(13)に流す電流値
及び方向を制御するだけで、バルブタイミングやリフト
を任意に調整しうるので、従来の電磁石式のものに比し
て、その制御領域は大幅に拡大する。
【0045】さらに、本発明の動電式バルブ駆動装置
(A)は、バルブ(3)を常時閉側に付勢する圧縮コイルば
ね(17)を備えているので、始動キースイッチをオフとし
てエンジンを停止した後の惰性回転や電気系の故障など
により、ムービングコイル(13)への給電が中断された際
等において、バルブ(3)とピストンとが干渉するのを防
止することができる。
【0046】ヨーク(7)の中心に給気孔(8)を穿設し、
この給気孔(8)に導入した圧縮空気を、永久磁石(10)と
ムービングコイル(13)との間の隙間を通過させて、ブラ
ケット(5)の通気孔(26)より外部に排出するようにして
いるため、ムービングコイル(13)が空気により直接冷却
され、その温度上昇を抑えることができる。
【0047】また、バルブ(3)の位置検出用の電極(18)
は、給気孔(8)内に設けられているため、効果的に冷却
され、バルブ(3)が排気側であっても、その軸端のセン
サ軸(3d)による輻射熱の影響を受けることがない。
【0048】ムービングコイル(13)を偶数層巻きとし
て、その両端末を同一端に位置するようにしてあるの
で、ターミナルピン(20)や入力端子(21)への接続が容易
となる。また、ムービングコイル(13)は、ガラス又はカ
ーボン繊維(14)に覆われ、さらにエポキシ樹脂等を含浸
して硬化させてあるため、耐熱性だけでなく、引張りや
曲げ強度が高く、かつ振動にも耐えうる。
【0049】ムービングコイル(13)側のターミナルピン
(20)と、入力端子(21)側のターミナルピン(22)とを、可
撓性と弾性を有する金属リード板(23)により接続し、バ
ルブ駆動体(11)が上下動した際にローリング変形しうる
ようにしてあるため、金属リード板(23)が破断してムー
ビングコイル(13)への給電が断たれる恐れはない。
【0050】上述した実施例の制御装置(B)によりバル
ブ駆動装置(A)を制御すると、エンジンのあらゆる運転
状態を想定して予め設定しておいた最適なバルブタイミ
ングとリフトをもってバルブ(3)を開閉させうるので、
制御領域が大幅に拡大され、エンジンの全運転領域に亘
って、出力性能や燃費性能、排気ガス性能等は向上させ
られる。
【0051】また、バルブ(3)の閉弁時のリフトパター
ンを、図3に示すように、なだらかとなるように設定し
ておけば、バルブ(3)の着座時の緩衝作用により、着座
騒音を低減させることができる。
【0052】さらに、吸気側のバルブ(3)自身により、
混合気の吸入量を制御することも可能となり、スロット
ルバルブを廃止することができる。減速時に、排気側の
バルブ(3)のリフトが極小となるように制御すれば、排
気ブレーキの作用により、制動効果を高めうる。
【0053】上記動電式バルブ駆動装置(A)において、
永久磁石(10)は、ムービングコイル(13)の内側に配設し
てもよい。また、エンジンのキースイッチをオフとした
後、ムービングコイル(13)をバルブ(3)の閉方向に移動
させうる予備電源を設けることがある。
【0054】エンジンの配置、例えば水平対向エンジン
等に適用する際には、圧縮コイルばね(17)を省略するこ
ともある。
【0055】上記実施例では、バルブ位置検出手段とし
て、磁気による影響のない、電極(18)とセンサ軸(3d)と
よりなる静電容量型の変位センサを用いているが、他の
渦電流型等の変位センサを用いることもできる。
【0056】また、実施例では、バルブ(3)の軸端部の
変位を検知するようにしているが、例えば図4に示すよ
うに、バルブ駆動体(11)の下端部に金属製の検知片(39)
を取付け、この上下方向の変位を、シリンダヘッド(1)
に設けた磁気(近接)センサ(40)等により検知し、バルブ
(3)の変位を間接的に検出するようにしてもよい。
【0057】上記のような検出手段の代わりに、図5に
略示するように、レーザ等の発光部(41)と受光部(42)と
からなる光学式の変位センサを用いてバルブ(3)の変位
を検知したり、図示は省略するが、超音波を軸端に向か
って送波して、バルブ(3)の変位を直接検知するように
してもよい。電磁アクチュエータを構成している永久磁
石(10)は、電磁石であってもよい。
【0058】ムービングコイル(13)等を冷却する空気の
流通路は、上記ヨーク(7)の中心に給気孔(8)を穿設す
る代わりに、例えばムービングコイル(13)の直上のヨー
ク(7)に複数の給気孔を穿設したり、あるいは、ブラケ
ット(5)に給、排気孔を設けて、ブラケット(5)内の熱
気を排出するようにしてもよい。
【0059】上記実施例においては、金属リード板(23)
を、図2に示すように、開弁方向側に折り返し湾曲部を
有するU字形に折曲してあるが、図6に示すように、閉
弁方向側に折り返し湾曲部を有する逆U字形としてもよ
い。(21a)は上向きの案内片である。
【0060】このようにすると、バルブ(3)の開弁時、
すなわち最も大きな加速度が作用するバルブ(3)の開弁
初期において、金属リード板(23)のローリング部に引張
方向(上記実施例では圧縮方向)の力が作用するように
なるため、金属リード板(23)は無理なく安定的にローリ
ング変形することができ、その耐久性を大きく向上させ
ることができる。
【0061】
【発明の効果】(a) 請求項1記載の発明によれば、ム
ービングコイルの引張りや曲げに対する強度及びバルブ
に対する取付強度を高めうるので、その耐久性や信頼性
は大幅に向上する。
【0062】(b) 請求項2記載の発明によれば、ムー
ビングコイルを安定的に巻回しうるとともに、取付強度
はより高まる。
【0063】(c) 請求項3記載の発明によれば、ムー
ビングコイルの両端末部と入力端子とを最短としうるの
で、その接続が容易となる。
【0064】(d) 請求項4記載の発明によれば、ムー
ビングコイルが繰り返し軸方向に移動しても、リード板
が疲労により破断する恐れはなく、その耐久性を向上さ
せうる。
【0065】(e) 請求項5記載の発明によれば、最も
大きな加速度が作用するバルブの開弁初期において、リ
ード板に引張り方向の力が作用するので、リード板は無
理なく安定的にローリング変形し、その耐久性をより向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す中央縦断正面図とその
制御装置を示すブロック図である。
【図2】同じく、バルブ駆動体とそれに巻回したムービ
ングコイルの詳細を示す要部の拡大縦断面図である。
【図3】バルブタイミングとリフトの制御パターンの一
例を示す説明図である。
【図4】バルブの変位を検知する手段の変形例を示す要
部の拡大縦断面図である。
【図5】同じく、バルブの変位を光学的に検知する手段
の他の変形例を示す概略図である。
【図6】金属リード板の変形例を示す要部の拡大縦断面
図である。
【符号の説明】
(1)シリンダヘッド (1a)ポート (2)バルブガイド (3)バルブ (3a)軸部 (3b)傘部 (3c)小径部 (3d)センサ軸 (4)バルブシート (5)ブラケット (6)ボルト (7)ヨーク (8)給気孔 (9)作動空間 (10)永久磁石 (11)バルブ駆動体 (11a)底板 (11b)ボビン部 (11c)環状片 (12)ナット (13)ムービングコイル (13a)端末部 (14)ガラス又はカーボン繊維 (15)座金 (16)ばね受け (17)圧縮コイルばね (18)電極 (19)案内片 (20)(22)ターミナルピン (21)入力端子 (23)金属リード板 (24)コネクタ (25)エアパイプ (26)通気孔 (27)クランク角センサ (28)回転速度センサ (29)スロットル開度センサ (30)車速センサ (31)加・減速度センサ (32)CPU (33)運転状態判別部 (34)バルブタイミング・リフトパターンメモリ (35)バルブタイミング・リフトパターン選択部 (36)比較器 (37)バルブ位置検出器 (38)増幅器 (39)検知片 (40)磁気センサ (41)発光部 (42)受光部 (A)動電式バルブ駆動装置 (B)制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブの軸部に設けられたムービングコ
    イルと、磁束がムービングコイルの巻き軸線と直交する
    方向に生成されるように固定的に設けられた磁石とを備
    え、前記ムービングコイルに通電することによりこれを
    軸方向に移動させて、吸、排気バルブを開閉させるよう
    にした内燃機関における動電式バルブ駆動装置におい
    て、 前記ムービングコイルを、強化繊維により覆うととも
    に、それに耐熱性及び機械的強度に優れる合成樹脂を含
    浸させて硬化したことを特徴とする内燃機関における動
    電式バルブ駆動装置。
  2. 【請求項2】 ムービングコイルを、バルブの軸部に固
    着された有底円筒状のバルブ駆動体における筒部の外周
    面に巻回した請求項1記載の内燃機関における動電式バ
    ルブ駆動装置。
  3. 【請求項3】 ムービングコイルを偶数層巻きとして、
    その巻き始めと巻き終りの端末部をほぼ同位置となるよ
    うにした、請求項1または2記載の内燃機関における動
    電式バルブ駆動装置。
  4. 【請求項4】 ムービングコイルの両端末部と、その側
    方に設けた固定側の入力端子とを、可撓性と弾性を有す
    るローリング変形可能なリード板により接続した、請求
    項1〜3のいずれかに記載の内燃機関における動電式バ
    ルブ駆動装置。
  5. 【請求項5】 リード板を、閉弁方向側に折り返し湾曲
    部を有する逆U字形とした、請求項4記載の内燃機関に
    おける動電式バルブ駆動装置。
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