JP4198854B2 - 動電式バルブ駆動装置におけるボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法 - Google Patents

動電式バルブ駆動装置におけるボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における吸、排気バルブを、電気的に開閉させる動電式バルブ駆動装置に係り、特に、それに設けられているボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のエンジンのバルブ駆動系は、カムシャフト、ロッカアーム(又はタペット)、バルブスプリング、及びスプリングリテーナを主要部として構成され、クランク軸により駆動されるカムシャフトのカムの回転力を、ロッカアームを介してバルブに伝達することにより、その開閉運動がなされるようになっている。
【0003】
一般に、エンジンの出力性能や燃費等は、吸、排気効率に大きく左右され、それが高い程、シリンダ内のガス交換が円滑に行われて性能は向上する。
しかし、自動車用のエンジンは、回転領域が広いため、全運転領域に亘ってエンジン性能を高めるのは難しく、高速性能を重視すると、低速性能が犠牲となり、またその反対に、低速性能を重視すると、高速性能が低下する。
【0004】
この問題に対処するには、高速時には、吸、排気バルブのリフト量を大として、吸、排気効率を高めるとともに、オーバーラップ領域の大きい高速重視型のバルブタイミングとし、また燃焼状態が不安定となり易い低速時には、リフト量を小として、強いスワール等が形成されるようにし、かつバルブタイミングをオーバーラップ領域の小さいものとすることが望ましい。
【0005】
最近、このような要求を満たすものとして、低速性能と高速性能とを両立させる動弁機構、すなわち低速用と高速用の2つのバルブタイミング及びリフトを有する可変バルブタイミング・リフト機構を組込んだエンジンが実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この可変バルブタイミング・リフト機構も、上述したカムシャフトを駆動源とする機械的な動弁機構と基本的には同じであり、従って、このような動弁機構が本来的に有している性能低下要因、すなわち、機械的損失やカムに対するバルブの追従性等による性能低下要因を取り除くことはできない。
【0007】
また、バルブタイミングやリフトは、カムの位相やプロフィールにより決定されるため、それらをエンジンの全運転領域に亘って変化させることは不可能であり、従って、せいぜい上記低速用と高速用の2つのバルブタイミング及びリフトに設定せざるを得ないのが実情である。
【0008】
このような問題を解決するものとして、通常のカムシャフトによる機械的なバルブ駆動方式に代えて、磁力によりバルブを開閉するようにした電磁式のバルブ駆動装置が種々提案されている(例えば、特開平10−37726号公報、特開平10−141028号公報参照)。
【0009】
しかし、従来の電磁式のバルブ駆動装置は、単に電磁石の吸引力によりバルブを開閉するようにしたものが殆どであるため、バルブの着座音が大きく、かつバルブ駆動時の応答性も悪い。
また、バルブタイミングやリフトの制御領域が小さいため、エンジンのあらゆる運転状態に対応して最適なバルブタイミング及びリフトを得るのが難しく、全運転領域に亘ってエンジン性能を向上させるのには限界がある。
【0010】
さらに、バルブ側に可動鉄芯(又は可動片)を有しているため、バルブ開閉時の慣性質量が大きくなり、制御時の応答性や信頼性に欠ける。
【0011】
本出願人は、上記従来の電磁式バルブ駆動装置が有する諸問題を解決するために、バルブを、ボイスコイルモータと称される電磁アクチュエータにより駆動するようにした動電式バルブ駆動装置を案出し、先に特許出願している。
【0012】
これは、バルブの軸部に固着したボビンに、その軸線方向に沿ってムービングコイルを巻回するとともに、このムービングコイルの内側又は外側に、磁束がムービングコイルの巻き軸線と直交する方向に生成されるようにした磁石を固定して設け、ムービングコイルに通電した際に、これを軸方向に移動させる力、すなわちフレミングの左手の法則による力を利用して、バルブを駆動するようにしたものである。
【0013】
この動電式バルブ駆動装置は、ボビンが、それに巻回したムービングコイルと共に移動してバルブを駆動するようになっているため、ボビンの強度を確保しながら、いかに軽量化を図り、動弁系の慣性質量を小さくするかが課題として残されていた。
すなわち、動弁系の慣性質量が大きくなればなるほど、バルブの駆動力を確保するために、ムービングコイルへの通電電流を増加させなければならず、このようにすると、コイルが発熱し耐久性が問題となる。
これを防止するために、コイルの線径を太くすると、慣性質量はさらに大きくなる。
【0014】
上記先願の装置に用いられているボビンは、強度と軽量化を両立させるために、アルミニウム合金等により形成しているが、上記の観点から、さらなる軽量化が求められている。
【0015】
また、上記先願の装置においては、ボビンに巻回したムービングコイルを強固に固定するために、その周囲を強化繊維により覆ったのち、それにエポキシ樹脂等を含浸させて硬化させている。
【0016】
そのため、被覆材を含めたコイルの重量が大きく、その重量増加を最小限に抑えて、コイルをボビンにいかに強固に固定するかも、課題の1つとなっていた。
【0017】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、動弁系の慣性質量をより小さくするとともに、重量を増加させずにムービングコイルをボビンに強固に固定しうるようにした、動電式バルブ駆動装置におけるボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)バルブの軸部と一体をなすボビンと、このボビンの外周面に軸線方向に沿って巻回されたムービングコイルと、磁束がコイルの巻き軸線と直交する方向に生成されるようにして、ボビンの内外周面に近接して固定的に設けられた磁石とを備え、前記ムービングコイルに通電することにより、吸、排気バルブを開閉させるようにした動電式バルブ駆動装置における前記ボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法であって、強化繊維よりなる織布の芯材または強化繊維を袋状に編組した芯材を、円筒形のマンドレルの外周面に密着状に被せ、前記芯材の表面に熱硬化性樹脂を含浸または塗布したのち、これが硬化しないうちに、前記芯材の外周面にムービングコイルを巻回し、前記熱硬化性樹脂を加熱硬化させてボビンを成形するのと同時に、その外周面に、前記ムービングコイルを、前記熱硬化性樹脂を介して一体的に固着する。
【0019】
(2)上記(1)項において、芯材の外周面に巻回したムービングコイルの表面にも、熱硬化性樹脂を塗布して、芯材に含浸または塗布した熱硬化性樹脂と同時に加熱硬化する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
シリンダヘッド(1)に圧入されたバルブガイド(2)には、耐熱鋼製の吸気又は排気バルブ(以下、バルブという)(3)の軸部(3a)が上下に摺動可能として保持され、その下端の傘部(3b)は、吸気又は排気ポート(1a)の開口端に圧入されたバルブシート(4)と当接して、ポート(1a)を密閉しうるようになっている。
【0021】
シリンダヘッド(1)の上面には、バルブ(3)と同軸をなす円筒形のブラケット(5)の下端が、ボルト(6)により固着され、その上端部内には、磁性体よりなる、例えば鉄系の円筒形のヨーク(7)が嵌合され、その外周面に向かって螺挿した複数のボルト(6)により固定されている。
【0022】
ヨーク(7)の内周面には、径方向の外側をN極、内側をS極(又はその反対)とした筒形の永久磁石(8)が固着されている。
【0023】
ヨーク(7)の上面には、その外形とほぼ等しい外径の鉄製のポールピース(9)が、その下面中央にバルブ(3)と同心状に下向き突設された円柱状の磁極部(9a)の外周面が磁石(8)の内周面と所要の隙間を形成して対向するように、いんろう状に嵌合され、上方より螺合した複数のボルト(10)により固定されている。
【0024】
ポールピース(9)の上面中央には、後記するセンサロッド(28)の上下方向の動きを検出することにより、バルブ(3)の上下方向の変位を検出する、例えば、静電容量型やポテンショメータ等のバルブ位置検出装置(11)がボル止めされている。なお、バルブ位置検出装置(11)をポールピース(9)の上部に設けるのは、熱的影響を受けにくくするとともに、メンテナンス等を容易とするためである。
【0025】
(12)は、ポールピース(9)の上面に、上記バルブ位置検出装置(11)が気密性を保持して上方に突出するように、パッキン(13)を介してボルト止めされたカバーで、その内底面とポールピース(9)の上面との間の空間は、エアチャンバ(14)となっている。
【0026】
バルブ(3)の軸部(3a)の上端部に形成された小径部(3c)には、有底円筒形をなすバルブ駆動体(15)における皿状のスプリングリテーナ(16)が嵌挿され、小径部(3c)の上端部の雄ねじ部に螺合したチタン合金製の袋ナット(17)により固定されている。
【0027】
上記スプリングリテーナ(16)は、例えば不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、又はナイロン等の熱可塑性樹脂をマトリックスとし、これに炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、アラミッド繊維(商品名ケブラー繊維)等の強化繊維を添加して成形された複合材料、又は、上記強化繊維により織られた織布を芯材として、これを熱硬化性樹脂により被覆して硬化させたものよりなり、機械的な強度と軽量化とを実現させている。
【0028】
スプリングリテーナ(16)の外周面には、外周面の上半部にムービングコイル(18)を巻回してなる薄肉円筒形をなすボビン(19)の下端部が嵌着され、そのムービングコイル(18)が巻回された上半部は、前述した磁石(8)と磁極部(9a)との間の隙間に、それらと干渉しない若干の隙間(例えば0.5〜1.0mm)を設けて収容されている。
【0029】
上記ムービングコイル(18)は、巻き始めと巻き終りのコイル端末が下端部側となるように、偶数層(例えば2層)に巻回されている。
このようにすると、コイル(18)の端末を後記する端子に接続する際の作業が容易となる。
【0030】
ボビン(19)の成形、及びその外周面へのムービングコイル(18)の固定は、次のようにして行われる。
まず、図2に示すように、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、アラミッド繊維等の極細の強化繊維により斜交メッシュ状(縦横メッシュ状でもよい)に織られた芯材としての織布(20)を、表面を鏡面状に平滑に加工した円筒形のマンドレル(21)の外周面に、一重又は複数に重ねて巻き付ける。
【0031】
ついで、巻き付けた織布(20)に、不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させるか、塗布したのち、それが硬化しないうちに、図3に示すように、織布(20)の長手方向のほぼ半表面に上記ムービングコイル(18)用のコイル(18')をその巻き始めと巻き終りが一方の端部側にくるように偶数層に巻回する。
【0032】
ついで、巻回したコイル(18')の表面に再度上記のような熱硬化性樹脂を塗布したのち、マンドレル(21)全体を加熱炉内に収容し、織布(20)に含浸させた熱硬化性樹脂と、コイル(18')の表面に塗布した熱硬化性樹脂とを硬化させる。
この際、コイル(18')の表面に塗布した樹脂が垂れて、表面が凹凸状に硬化されるのを防止するため、マンドレル(21)を緩速に回転させながら加熱するのがよい。
【0033】
ついで、マンドレル(21)より硬化した織布(20)を抜き取れば、織布(20)と熱硬化性樹脂よりなる、軽量で高強度の上記ボビン(19)が形成され、かつその外周面には、ムービングコイル(18)としてのコイル(18')が一体的に固着される。
【0034】
なお、上記織布(20)の代わりに、図4に示すように、上述のような強化繊維により袋状に編組した芯材(22)を用いてもよく、この芯材(22)をマンドレル(21)に密着状に被せ、熱硬化性樹脂を含浸させるなどして硬化させたのち、不用な部分を仕上加工時に切除すれば、上述のようなボビン(19)が形成される。
このような袋状に編組した芯材(22)を用いると、外周面に継目が形成されないので、ボビン(19)の強度が高まる。
【0035】
さらに、図5に示すように、熱硬化性樹脂に強化繊維を添加するか、あるいは強化繊維により織られた織布(20)に熱硬化性樹脂を含浸するなどして、平板状に硬化させた基材(23)を形成し、これを円筒形に折り曲げてボビン(19)を形成したのち、その外周面にムービングコイル(18)用のコイル(18')を巻回して、これを熱硬化性樹脂により固定するようにしてもよい。
このようにすると、長寸の基材(23)を所要寸法に切断するだけで、任意の直径のボビン(19)を形成しうるという利点が得られる。
なお、上記スプリングリテーナ(16)とボビン(19)とを、上述のような複合材料により一体的に成形することもできる。
【0036】
上記永久磁石(8)とムービングコイル(18)とにより、ボイスコイルモータと称される電磁アクチュエータが構成される。
すなわち、磁石(8)とポールピース(9)の磁極部(9a)との間には、ムービングコイル(18)の巻き軸線と直交する放射方向の磁束が生成されるため、ムービングコイル(18)に通電すると、このムービングコイル(18)には、フレミングの左手の法則による力が発生し、この力は、ボビン(19)を介して、バルブ駆動体(15)にこれを軸方向に移動する力として作用する。これにより、バルブ(3)は上下方向に駆動される。
【0037】
シリンダヘッド(1)の上面に載置されたチタン合金等の座金(24)と、バルブ駆動体(15)におけるスプリングリテーナ(16)の下面に当接させたチタン合金等のばね受け(25)との間には、付勢手段である圧縮コイルばね(26)が縮設され、バルブ(3)は常時上向きに付勢されている。
【0038】
圧縮コイルばね(26)の上端部は、スプリングリテーナ(16)の下端外周縁に下向連設された環状片(16a)により、横方向に位置ずれするのが防止されている。
上記圧縮コイルばね(26)は、ムービングコイル(18)への非通電時、すなわち、エンジンの運転停止時において、バルブ(3)の自重やバルブ駆動体(15)全体の質量により、バルブ(3)がシリンダ内に下降してしまうのを防止し、閉弁状態に保持するためのものである。
【0039】
ポールピース(9)の中心に、バルブ(3)と同軸をなして貫設された軸孔(27)には、炭素繊維よりなる小径のセンサロッド(28)が、その下端部に嵌着した保持部材(29)を、上記袋ナット(17)によりバルブ(3)の軸端に固定するとともに、上端部を上記バルブ位置検出装置(11)内のセンサ部に突入するようにして、上下動可能に遊嵌されている。
【0040】
ムービングコイル(18)の各端末部は、それぞれスプリングリテーナ(16)における基部の一側面の膨出部(16b)に絶縁状態として圧入固着した1対のターミナルピン(30)に接続されている。
【0041】
各ターミナルピン(30)と、ブラケット(5)に取付けられた入力端子(31)のターミナルピン(32)とは、可撓性と弾性を有するリン青銅又はベリリウム、銅等よりなる薄肉の逆U字形の金属リード板(33)により接続されている(図6参照)。
金属リード板(33)は、バルブ駆動体(15)が上下動した際、逆U字形を保った状態で弾性変形することができる。
【0042】
図6に示すように、ブラケット(5)の内周面における両入力端子(31)との間には、内向きのストッパ片(34)がボルト止めされ、その内端部は、スプリングリテーナ(16)の膨出部(16b)に形成した上下方向を向くスリット状の凹溝(35)内に遊嵌されている。
これにより、バルブ駆動体(15)は、軸線回りに回動するのが阻止され、金属リード板(33)がねじれたり、破損したりするのが防止される。
【0043】
なお、上記ストッパ片(34)と、凹溝(35)とからなる回り止め手段の形態は逆であってもよい。すなわち、膨出部(16b)側にストッパ片を設け、その外端部を、ブラケット(5)の内周面に設けた縦長の凹溝に遊嵌するようにしてもよい。
【0044】
また、図7に略示するように、ボビン(19)が、その円周方向の一部に長手方向を向くスリット状の切込み溝(36)が形成された欠円筒形をなすものにおいては、この切込み溝(36)に、ブラケット(5)に取付けたストッパ片(34)の先端を遊嵌して、バルブ駆動体(15)の回り止めを図ることができる。
【0045】
さらに、図8に示すように、金属リード板(33)の反対側におけるスプリングリテーナ(16)とブラケット(5)との間に、金属リード板(33)と同材質の逆U字形の板状片、すなわちダミーリード板(37)を取付け、これによりバルブ駆動体(15)が回動するのを拘束して、金属リード板(33)のねじれを防止するようにしてもよい。なお、ダミーリード板(37)は、円周方向に所定間隔おきに複数設けてもよい。
【0046】
図9及び図10は、バルブ駆動体(15)の回り止め手段のさらなる変形例を示す。
図9に示すものは、ポールピース(9)の磁極部(9a)の外周面に、上下方向を向く2個の凹溝(38)を、円周方向に180゜離間させて設け、各凹溝(38)に、ボビン(19)の内周面に内向きに突設した上下方向を向く突条(39)を遊嵌してある。これにより、ボビン(19)を含めたバルブ駆動体(15)全体の回り止めが図れる。
【0047】
図10に示すものは、ポールピース(9)における磁極部(9a)の外周面の一部に、フラットな平削面(40)を形成するとともに、ボビン(19)及び磁石(8)における上記平削面(40)と対向する部分を、平削面(40)に沿うように内向きに凹ませてある。
このようにすると、ボビン(19)の凹入部の内面が磁極部(9a)の平削面(40)と接触することにより、バルブ駆動体(15)の回動が阻止される。
【0048】
なお、この実施形態においては、ムービングコイル(18)と磁石(8)との間の隙間を、磁極部(9a)とボビン(19)間の隙間よりも若干大とするのが好ましく、このようにすると、ボビン(19)が回動しようとした際、ムービングコイル(18)の外周面が磁石(8)の内面と接触するのが防止される。
【0049】
図10に示す実施形態において、磁極部(9a)やボビン(19)、磁石(8)の形状を楕円形又は多角形としてもよい。
【0050】
ブラケット(5)の周壁には、エアフィルタ(図示略)を通った清浄外気をブラケット(5)内に流入させるための送気管(41)が取付けられ、また、上記カバー(12)の上面適所には、エンジンを動力として作動するブロワー吸引機や真空ポンプ又はエンジンの吸気管(いずれも図示略)等の負圧発生源に接続された吸引管(42)が取付けられている。
【0051】
ポールピース(9)における磁石(8)及びムービングコイル(18)の上方には、ヨーク(7)と、ポールピース(9)の磁極部(9a)との間の環状空間(43)と、ポールピース(9)の上面に取付けたカバー(12)内とに連通する複数の上下方向を向く通気孔(44)が穿設されている。
【0052】
吸引管(42)に負圧発生源よりの吸引力が作用すると、装置全体の内部が減圧されることにより、送気管(41)より装置の内部に清浄空気が流入し、その流入した空気は、図1の矢印で示すように、磁石(8)とポールピース(9)の磁極部(9a)間に位置しているボビン(19)とそれに巻回したムービングコイル(18)との間の隙間、及び複数の通気孔(44)を通して、カバー(12)内に流入し、吸引管(42)により吸引される。
これにより、ムービングコイル(18)は冷却され、それが過熱するのが防止される。
【0053】
また、磁極部(9a)とボビン(19)間の隙間、及びムービングコイル(18)と磁石(8)間の隙間を小さくしてあるため、磁石(8)よりも下方のバルブ駆動体(15)の外側の(A)室と、ボビン(19)により囲まれた(B)室との間に、(B)室側が小となる圧力差が生じ、この差圧により、バルブ駆動体(15)には上向きの補助力が作用する。
その結果、圧縮コイルばね(26)のばね定数を最小限として、そのセット荷重を小さくすることができ、バルブ(3)の作動時の慣性質量を小としうる。
【0054】
また、排気側のバルブ(3)が吸入行程時のシリンダ内負圧により開くのが防止されるので、圧縮コイルばね(26)のばね定数やセット荷重を大としたり、吸入行程においてバルブ(3)を閉じる方向にムービングコイル(18)に通電する必要はなく、圧縮コイルばね(26)の慣性質量を小さくしうるともに、電流の制御系が簡素化し、かつムービングコイル(18)の電流負荷も軽減される。
【0055】
なお、上記送気管(41)を、エアポンプや送気ブロワー、蓄圧エアタンク等の圧縮空気源に持続することにより、(A)室内に圧縮空気を送り込み、この空気を、上方の吸引管(42)を排気管として外部に排出するようにしてもよい。このようにしても、(A)室とボビン(19)により囲まれた(B)室との間には、(B)室側が小となる圧力差が生じるため、上述と同様、バルブ駆動体(15)には、上向きの補助力が作用し、上述と同様の作用効果が得られる。
【0056】
ポールピース(9)に穿設された通気孔(44)の位置は、図1の想像線で示すように、下端が磁極部(9a)の下端面に開口するように、ポールピース(9)全体に上下に貫設したり、センサロッド(28)の軸孔(27)と連通するように穿設するなどしてもよい。
このようにすると、装置内の空気は、ボビン(19)内の下方に回り込んで流通するようになるため、(A)室と(B)室との差圧が大となり、バルブ駆動体(15)に作用する上向きの力が大きくなる。
【0057】
上記動電式バルブ駆動装置において、その制御は次のようにして行われる。なお、制御方法及びその装置については、本発明に直接関係しないので、その図示及び詳細な説明は省略する。
【0058】
エンジンに取付けた各種のセンサ群により、エンジンの運転状態を判別し、その運転状態に最適のバルブタイミング及びリフトを、予め設定しておいたバルブタイミング・リフトパターン群より、各バルブ(3)毎に選択するとともに、その選択したバルブ位置信号と現在のバルブ位置信号とを比較し、これら2つの信号が一致するように、上記ムービングコイル(18)への通電電流を制御することにより、バルブ(3)を、エンジンのあらゆる運転状態に対応して、正確に開閉させることができる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、従来のアルミニウム合金等よりなるボビンよりも軽く、かつ高強度の動電式バルブ駆動装置用のボビンを容易に製造することができるとともに、このボビンの製造と同時に、その外周面に、ムービングコイルを、簡単に固定することができる。
また、ボビンが軽量化し、かつムービングコイルを固定するための別のバインダが不要となるので、動弁系の慣性質量を小さくすることができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、ボビンの外周面に、ムービングコイルを、より強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す中央縦断正面図である。
【図2】 ボビンの成形要領を示す正面図である。
【図3】 同じく、図2において成形したボビンにコイルを巻回して固着した状態の正面図である。
【図4】 同じく、ボビン成形の変形例を示す正面図である。
【図5】 同じく、ボビン及びコイル巻回の他の変形例を示す斜視図である。
【図6】 図1のVI−VI線の拡大横断平面図である。
【図7】 ボビンの回り止め手段の変形例を示す要部の拡大横断平面図である。
【図8】 同じく、ボビンの回り止め手段の変形例を示す要部の縦断正面図である。
【図9】 同じく、ボビンの回り止め手段の変形例を示す要部の横断平面図である。
【図10】 同じく、ボビンの回り止め手段の変形例を示す要部の横断平面図である。
【符号の説明】
(1)シリンダヘッド
(1a)ポート
(2)バルブガイド
(3)バルブ
(3a)軸部
(3b)傘部
(3c)小径部
(4)バルブシート
(5)ブラケット
(6)ボルト
(7)ヨーク
(8)永久磁石
(9)ポールピース
(9a)磁極部
(10)ボルト
(11)バルブ位置検出装置
(12)カバー
(13)パッキン
(14)エアチャンバ
(15)バルブ駆動体
(16)スプリングリテーナ
(16a)環状片
(16b)膨出部
(17)袋ナット
(18)ムービングコイル
(19)ボビン
(20)織布
(21)マンドレル
(22)芯材
(23)基材
(24)座金
(25)ばね受け
(26)圧縮コイルばね(付勢手段)
(27)軸孔
(28)センサロッド
(29)保持部材
(30)(32)ターミナルピン
(31)入力端子
(33)金属リード板
(34)ストッパ片
(35)凹溝
(36)切込み溝
(37)ダミーリード板(板状片)
(38)凹溝
(39)突条
(40)平削面
(41)送気管
(42)吸引管
(43)環状空間
(44)通気孔

Claims (2)

  1. バルブの軸部と一体をなすボビンと、このボビンの外周面に軸線方向に沿って巻回されたムービングコイルと、磁束がコイルの巻き軸線と直交する方向に生成されるようにして、ボビンの内外周面に近接して固定的に設けられた磁石とを備え、前記ムービングコイルに通電することにより、吸、排気バルブを開閉させるようにした動電式バルブ駆動装置における前記ボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法であって、強化繊維よりなる織布の芯材または強化繊維を袋状に編組した芯材を、円筒形のマンドレルの外周面に密着状に被せ、前記芯材の表面に熱硬化性樹脂を含浸または塗布したのち、これが硬化しないうちに、前記芯材の外周面にムービングコイルを巻回し、前記熱硬化性樹脂を加熱硬化させてボビンを成形するのと同時に、その外周面に、前記ムービングコイルを、前記熱硬化性樹脂を介して一体的に固着することを特徴とする動電式バルブ駆動装置におけるボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法
  2. 芯材の外周面に巻回したムービングコイルの表面にも、熱硬化性樹脂を塗布して、芯材に含浸または塗布した熱硬化性樹脂と同時に加熱硬化することを特徴とする請求項1記載の動電式バルブ駆動装置におけるボビンの製造及びそれに対するムービングコイルの固定方法
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