JP2000087131A - 極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

極低炭素鋼の溶製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空脱炭処理速度を低下させずに、清浄性に
優れた極低炭素鋼を溶製する方法を提供する。 【解決手段】 真空脱ガス脱炭処理前のスラグ中の(F
eO+Fe2 3 +MnO)濃度を3.5重量%以下と
し、真空脱ガス装置の真空度を40Torr以下の真空
下で酸素を添加して脱炭し、脱炭後の溶鋼中の酸素濃度
を300ppm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清浄性に優れた極
低炭素鋼の溶製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極低炭素鋼は自動車外装材などに使用さ
れ、鋼中のC濃度は通常35ppm以下であることが要
求される。この極低炭素濃度まで炭素を低減させる方法
は転炉で鋼中のC濃度を0.01〜0.05重量%(以
下、重量%を単に%で表示する)まで低減させ、引き続
き真空脱ガス装置で真空脱炭(以下、真空脱ガスまたは
真空脱ガス脱炭ともいう)を行い35ppm以下まで低
減させるのが一般的である。
【0003】極低炭素鋼は高酸素下で製造されており、
転炉出鋼時の脱酸省略や真空脱ガス処理中真空槽内で酸
素添加などが行われ、真空脱ガス装置での脱炭処理が完
了すると、酸素濃度が250〜450ppmになる。
【0004】酸素濃度を所定濃度にするため、真空脱ガ
ス処理装置で溶鋼にAlを添加し、溶鋼中酸素濃度を1
0ppm以下まで低減する。この処理をAl脱酸という
が、このAl脱酸処理の際、溶鋼中の酸素濃度は低下す
るが、Alと酸素との反応によりアルミナ介在物が生成
し、表面疵の原因となり、対策が必要である。
【0005】アルミナ介在物の発生原因は以下に示すと
おりである。極低炭素鋼の製造は高酸素濃度下で行われ
るため、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃
度が5〜20%となり、真空脱炭処理後、Al脱酸によ
り溶鋼中の酸素濃度は著しく低減されるが、スラグ中の
(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度は、スラグ−溶鋼
間の反応速度が遅いため、ほとんど還元されず変化しな
い。
【0006】反応速度が遅くても、真空脱ガス処理後か
ら鋳込みまでの間に、スラグ中の(FeO+Fe2 3
+MnO)が溶鋼中の[Al]と徐々に反応し、〜
式の反応により溶鋼中のアルミナ介在物(以下、[Al
2 3 ]でもあらわす)が生成する。この生成反応をス
ラグによる再酸化反応という。
【0007】 3(FeO) +2[Al]=[Al2 3 ]+3[Fe] (Fe2 3 )+2[Al]=[Al2 3 ]+2[Fe] 3(MnO) +2[Al]=[Al2 3 ]+3[Mn] ここで、(FeO)、(Fe2 3 )、(MnO):ス
ラグ中成分 [Al]、[Fe]、[Mn]:溶鋼中のAl、Fe、
Mn [Al2 3 ]:溶鋼中のアルミナ介在物 アルミナ介在物によるタンディシュと鋳型間にある浸漬
ノズルの閉塞防止を図るために、鋳造時に浸漬ノズルの
側壁にあるポーラスレンガからアルゴンガス(以下、ポ
ーラスアルゴンまたはポーラスArガスともいう)を溶
鋼に吹き込む操作を行う。しかし、このポーラスアルゴ
ン流量が過多になると、アルゴンガスが溶鋼流に引き込
まれピンホールを形成し、製品に表面疵が発生する。
【0008】上記アルミナ介在物の生成および表面疵の
発生は、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃
度が高いことに起因しており、以下に示す技術が提案さ
れている。
【0009】特開平5−51625号公報には出鋼時に
特定式に基づいた量でスラグ還元剤を添加し、スラグ中
の鉄酸化物濃度を2%以下にする方法が示されている。
【0010】特開平6−256836号公報には真空脱
炭終了後にスラグ上にスラグ還元剤を添加し、スラグ還
元を行う方法が示されている。
【0011】特開平7−34117号公報には出鋼時と
真空脱炭処理後の2回に分けて、スラグにスラグ還元剤
を添加することにより、脱炭反応を阻害することなくス
ラグ中のFeO、MnO濃度を低減する方法が示されて
いる。
【0012】以上の様に、スラグ中の鉄酸化物、MnO
に注目し、スラグ中の鉄酸化物、MnO濃度の低減によ
り、アルミナ介在物の生成を低減することを狙いとして
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−51625
号公報に開示されている出鋼時にスラグ還元を行い、真
空脱ガス処理後までスラグ中の酸化鉄濃度を2%以下に
すると、溶鋼中の酸素濃度も低下し、真空脱炭処理時間
が非常に長くなり、前後工程の操業に支障を来し問題と
なる。これを回避するために真空脱ガス装置にて酸素上
吹き等を行い、溶鋼中の酸素濃度を上昇させると、スラ
グ中の鉄酸化物濃度、MnO濃度共に大きく上昇し、出
鋼時のスラグ還元の効果が無くなり問題である。
【0014】特開平6−256836号公報、特開平7
−34117号公報に開示されている方法は、上記問題
を解決する方法として真空脱炭処理後にスラグ中の鉄酸
化物、MnOを低減する方法である。
【0015】しかし、真空脱炭後にスラグ還元を行って
も、介在物個数の低減効果は小さく不十分であった。
【0016】本発明の目的は、真空脱炭処理速度を低下
させずに、介在物個数を低減し、清浄性に優れた極低炭
素鋼を溶製する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、実機レベ
ルの試験を重ねた結果、以下の知見を得た。 (A) 転炉で溶鋼中のC濃度を0.035%とし、スラグ
中の(FeO+Fe23 +MnO)濃度を2%まで低
減した後、RH真空脱ガス装置(以下、単に真空脱ガス
装置、またはRHともいう)の上吹きランスを用いて酸
素ガスを真空槽内溶鋼表面に上吹きした。上吹きの際の
真空度を100、45、40、5Torrと変化させ、
酸素添加時の真空度とスラグ中の(FeO+Fe2 3
+MnO)濃度との関係を調査した。
【0018】図1は、RHにおける酸素添加時の真空度
と処理時間毎のスラグ中の(FeO+Fe2 3 +Mn
O)濃度との関係を示すグラフである。図1において
A、B、C、Dはそれぞれ真空度100、45、40、
5Torrの条件下での関係を示すものである。
【0019】図1に示すように、真空度が45〜100
Torr(B〜A)の条件下で真空槽内溶鋼に酸素を添
加すると、溶鋼の脱炭反応が遅いため、溶鋼中の酸素濃
度の低下が遅く、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +M
nO)濃度が急速に上昇するが、真空度を5〜40To
rr(D〜C)の条件下で真空槽内溶鋼に酸素を添加す
ると、溶鋼の脱炭反応が高速で進行するため溶鋼中の酸
素濃度が低下し、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +M
nO)濃度がほとんど一定になるか若干低下する傾向を
示した。
【0020】従って、スラグ中の(FeO+Fe2 3
+MnO)濃度の上昇を抑制する手段としては、真空度
を40Torr以下とする方法が有効であり、しかも脱
炭反応速度の向上の面からも有効であることがわかっ
た。 (B) 真空脱炭時に、スラグ中の(FeO+Fe2 3
MnO)濃度の上昇を十分抑制できるのであれば、真空
脱ガス処理前のスラグ還元の程度を真空脱ガス処理後の
スラグによる再酸化が発生しない程度にすればよいこと
になる。
【0021】再酸化しないスラグ中の(FeO+Fe2
3 +MnO)濃度の臨界濃度を調査するため、300
トンの溶鋼を転炉でC濃度を0.035%とし、真空脱
ガス処理前のスラグ中の(FeO+Fe2 3 +Mn
O)濃度を変化させて、真空度を40Torr以下で上
吹き酸素添加して真空脱炭を施し溶鋼中C濃度を8〜3
4ppmとした後にAlで脱酸し、Al脱酸後に約7分
間環流処理を行い、連続鋳造機で鋳造する一連の実機試
験を行ない、環流処理終了時点の取鍋内溶鋼および連続
鋳造中のタンディッシュ内で溶鋼からサンプルを採取
し、介在物個数を光学顕微鏡により計測した。
【0022】図2は、上記実機試験の結果を示すグラフ
であり、真空脱ガス処理前のスラグ中の(FeO+Fe
2 3 +MnO)濃度と溶鋼中の介在物個数指数との関
係を示すグラフである。同図で、介在物個数指数とは環
流処理終了時点での各スラグ中の(FeO+Fe2 3
+MnO)濃度における溶鋼中の介在物個数を1とし、
タンディッシュ内での溶鋼中の介在物個数を指数で表示
したものである。介在物個数指数1は、環流処理終了時
点での溶鋼中の介在物個数と、タンディッシュ内での溶
鋼中の介在物個数とが変化していないことを示し、1未
満はタンディッシュ内での溶鋼中の介在物個数が環流処
理終了時点での溶鋼中の介在物個数に比べ減少している
ことを示し、1を超えたものはタンディッシュ内での溶
鋼中の介在物個数が増加していることを示す。
【0023】同図に示すように、スラグ中の(FeO+
Fe2 3 +MnO)濃度が3.5%を越えて高くなる
と、環流処理終了後からタンディッシュまでに、再酸化
により介在物個数が増加する。スラグ中の(FeO+F
2 3 +MnO)濃度が3.5%以下の場合、介在物
個数が一定に維持されるか、環流処理終了後からタンデ
ィッシュまでの間に浮上効果により介在物個数が減少す
る。
【0024】上記知見から、真空脱ガス処理前のスラグ
還元処理は、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +Mn
O)濃度を3.5%以下とすることが必要である。
【0025】(C) 図3は、Al脱酸・環流処理後の介在
物個数指数と表面疵の発生率との関係を示すグラフであ
り、図4は、Al脱酸・環流処理後の介在物個数指数と
浸漬ノズルの閉塞発生率との関係を示すグラフである。
両図は、試験条件は図2と同一であり、真空脱炭処理前
のスラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度を1
〜2.5%とし、ポーラスArガスを使用しない条件下
でおこなって得たグラフである。図3および図4におけ
る横軸の介在物個数指数は、試験結果の内で最大介在物
個数となった介在物個数を1として指数で表したもので
ある。
【0026】図3および図4に示すように、介在物個数
指数が0.3を越えて高くなると表面疵の発生率、浸漬
ノズルの閉塞発生率共に急速に高くなる。
【0027】従って、介在物の少ない清浄性に優れた溶
鋼を溶製することが表面疵の発生率、浸漬ノズルの閉塞
発生率を低下させる有効な方法であるといえる。
【0028】(D) 上記に示したように、スラグ中の(F
eO+Fe2 3 +MnO)濃度を十分低減し、スラグ
の再酸化による介在物個数の増加を抑制しても、溶鋼の
清浄性が悪化したり、表面疵の発生率や浸漬ノズルの閉
塞発生率が増加することがある。
【0029】この原因は、真空脱ガス装置での真空脱炭
処理後にAl脱酸処理を行う際に、大量にアルミナ介在
物が生成し、環流処理時にスラグに移行せずに溶鋼中に
残留したアルミナ介在物が溶鋼の清浄性を悪化させるか
らである。この残留アルミナ介在物がさらに表面疵にな
ったり、浸漬ノズル閉塞を起こす原因にもなる。
【0030】図5は、真空脱炭後の溶鋼中の酸素濃度と
Al脱酸・環流処理後の介在物個数指数との関係を示す
グラフである。試験条件は図2と同一であり、スラグ中
の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度は3%以下であ
る。介在物個数指数を決める方法は、図3、図4と同一
である。同図から明らかなように、真空脱炭後の溶鋼中
の酸素濃度が300ppmを越えて高くなると、急速に
介在物個数が増加する。
【0031】この原因は、真空脱炭処理後の溶鋼にAl
脱酸処理を行う際に、溶鋼中の酸素濃度が高いと大量に
アルミナ介在物が生成し、環流処理時にスラグに移行せ
ずに溶鋼中に残留したアルミナ介在物が溶鋼の清浄性を
悪化させるからである。この残留アルミナ介在物がさら
に表面疵になったり、浸漬ノズル閉塞を起こす原因にも
なる。
【0032】従って、真空脱ガス処理前のスラグ中の
(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度を3.5%以下に
低減し、真空脱ガス脱炭処理時の真空度を40Torr
以下とし、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)
濃度の上昇を抑制する操作に加えて、真空脱ガス脱炭処
理後の酸素濃度を300ppm以下にすることが必要と
なる。
【0033】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、下記のとおりである。転炉で脱炭
した後、真空脱ガス装置で極低炭素鋼を溶製する方法で
あって、真空脱ガス脱炭処理前のスラグ中の(FeO+
Fe2 3 +MnO)濃度を3.5重量%以下とし、真
空脱ガス脱炭処理時の真空度を40Torr以下で酸素
添加して脱炭し、脱炭後の溶鋼中の酸素濃度を300p
pm以下とすることを特徴とする清浄性に優れた極低炭
素鋼の溶製方法。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、転炉とRH
を用いて実施する場合を例に説明する。転炉でC濃度
0.03%まで脱炭した後、取鍋へ出鋼し、例えば、取
鍋内溶鋼中に0〜100kgのAlを添加し、同時にス
ラグ中にCaO含有フラックスやAl混合炭酸Ca等の
還元剤を添加し、スラグ中の(FeO+Fe2 3 +M
nO)濃度を3.5%以下とする。スラグ中の(FeO
+Fe2 3 +MnO)濃度の低減方法は、3.5%以
下にすることが可能であれば、いかなる方法でもよい。
【0035】スラグ中の(FeO+Fe2 3 +Mn
O)濃度を3.5%以下とした後に、取鍋をRHへ移動
し、真空脱炭処理を開始する前に真空脱炭後の溶鋼中の
酸素濃度が300ppm以下となるように溶鋼中のC濃
度を基に酸素添加量を決定する。RHの真空槽の真空度
が40Torr以下となった後に、例えば上吹きランス
から酸素ガスを溶鋼に添加する。酸素添加中も真空度が
40Torr以下になるように操作する。溶鋼中のC濃
度が例えば30ppm以下、酸素濃度が300ppm以
下となった時点で、溶鋼にAlまたはAl含有物質等の
脱酸剤を添加し脱酸処理を行う。Al脱酸後、成分調整
等を行い引き続き環流処理を行い、連続鋳造機にて鋳造
する。
【0036】溶鋼への酸素の添加方法は、真空槽内側壁
に設置した羽口から酸素含有ガスを吹き付けるか、ある
いは吹き込む方法であってもよい。
【0037】溶鋼への酸素添加速度は0.05〜0.3
Nm3 /(溶鋼トン・分)が望ましい。その理由は、酸
素添加速度が0.05未満となると脱炭時間が長くなり
すぎ温度降下等の弊害が生じ、0.3を越えて高くなる
とスプラッシュの発生や耐火物損耗などの設備的な弊害
が生じるからである。
【0038】真空脱炭処理後の環流処理時間は特に規定
されるものではないが、5分以上20分以下が望まし
い。その理由は、処理時間が5分未満となるとAl脱酸
で生成したアルミナ介在物の除去率が低下し、20分を
越えて長くなると溶鋼温度が著しく低下するからであ
る。
【0039】介在物低減の観点から真空脱炭処理後の溶
鋼中の酸素濃度は低ければ低いほどよいが、溶鋼中の酸
素濃度が100ppm未満となると脱炭速度が極端に低
下して処理時間が長くなるので、溶鋼中の酸素濃度は1
00ppm以上であることが望ましい。
【0040】本発明によれば、極めて介在物個数の少な
い清浄性に優れた溶鋼が得られるため、鋳込み中にポー
ラスArガスを使用する必要はないが、使用する場合は
20Nl/min以下が望ましい。その理由は、ポ−ラ
スArガス流量が20Nl/minを越えて高くなると
ピンホールが増加し、表面疵が発生するからである。
【0041】
【実施例】溶鋼300トンを転炉で粗脱炭し、C濃度
0.025〜0.045%とした後、取鍋に出鋼し、溶
鋼にAlを、スラグにAl含有炭酸カルシウムを添加し
てスラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度を調
整して、取鍋をRHに移動した。
【0042】溶鋼中の酸素濃度を酸素濃度プロ−ブで測
定し、溶鋼中のC濃度を基に酸素添加量を決定し、真空
槽内に設置した上吹きランスから酸素ガスを吹き付ける
方法で真空脱炭処理を行なった。酸素添加速度は30N
3 /minとした。
【0043】真空脱炭処理後、溶鋼にAlを添加しAl
濃度を0.03〜0.05%とし、引き続き真空下成分
調整等を行い、連続鋳造機で鋳造した。
【0044】表1は、各条件下における製品清浄度およ
び疵発生率との関係を示す。製品清浄度指数はNo.1
の製品中の介在物個数を1として、介在物個数を指数化
したものである。
【0045】
【表1】
【0046】表1の本発明例に示すように、転炉出鋼後
のスラグ中の(FeO+Fe2 3+MnO)濃度を
3.5%以下とし、真空脱ガス装置の真空度を40To
rr以下の真空下で酸素を上吹き脱炭し、脱炭後の溶鋼
中の酸素濃度を300ppm以下とすることにより、清
浄性に優れ、製品疵の少ない極低炭素鋼の溶製できた。
【0047】しかし、表1の比較例に示すように、上記
条件を満たさないと清浄度が悪化し、表面疵の発生が顕
著になった。また、表記していないがポーラスArガス
を停止するとノズル閉塞が発生し、鋳造が困難であっ
た。
【0048】また、溶鋼中の炭素濃度を20ppm 以下に
するための処理時間は、比較例が13分以上であるのに
対して、本発明例では11分以下であった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、真空脱炭処理速度を低
下させずに、介在物個数を低減した清浄性に優れた極低
炭素鋼を溶製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素添加時のRHにおける真空度と真空脱炭処
理時間毎のスラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)
濃度との関係を示すグラフである。
【図2】真空脱ガス脱炭処理前のスラグ中の(FeO+
Fe2 3 +MnO)濃度と介在物個数指数との関係を
示すグラフである。
【図3】Al脱酸・環流処理後の介在物個数指数と表面
疵の発生率との関係を示すグラフである。
【図4】Al脱酸・環流処理後の介在物個数指数と浸漬
ノズルの閉塞発生率との関係を示すグラフである。
【図5】真空脱炭後の溶鋼中の酸素濃度とAl脱酸・環
流処理後の介在物個数指数との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K013 AA00 AA07 BA02 BA08 CA04 CA12 CE01 CE04 DA03 DA05 DA12 EA12 EA19 FA02 FA04 FA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転炉で脱炭した後、真空脱ガス装置で極低
    炭素鋼を溶製する方法であって、真空脱ガス脱炭処理前
    のスラグ中の(FeO+Fe2 3 +MnO)濃度を
    3.5重量%以下とし、真空脱ガス脱炭処理時の真空度
    を40Torr以下で酸素添加して脱炭し、脱炭後の溶
    鋼中の酸素濃度を300ppm以下とすることを特徴と
    する清浄性に優れた極低炭素鋼の溶製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100890807B1 (ko) * 2002-12-02 2009-03-30 주식회사 포스코 전로내 용존 산소농도 저감방법
KR100964900B1 (ko) 2003-06-30 2010-06-23 주식회사 포스코 저탄소강 제조방법
JP2013095947A (ja) * 2011-10-31 2013-05-20 Jfe Steel Corp 高清浄度鋼の製造方法
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