JP2000086776A - 摺動部材の製造法 - Google Patents

摺動部材の製造法

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JP2000086776A
JP2000086776A JP10261086A JP26108698A JP2000086776A JP 2000086776 A JP2000086776 A JP 2000086776A JP 10261086 A JP10261086 A JP 10261086A JP 26108698 A JP26108698 A JP 26108698A JP 2000086776 A JP2000086776 A JP 2000086776A
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heating
sliding member
fluororesin
oxygen
ionizing radiation
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JP10261086A
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English (en)
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Yoshiji Unoki
由次 卯ノ木
Osamu Kobayashi
修 小林
Akihiko Toda
昭彦 戸田
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂成形品に実質的に酸素の不存在下
で電離性放射線を照射する摺動部材の製造法において、
効果的な照射効果を発現させる加熱をより有効に適用し
得る方法を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂成形品に実質的に酸素の不存
在下で電離性放射線を照射し、その直後内部加熱方式に
より、急速に当該フッ素樹脂の結晶融点以上に加熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部材の製造法
に関する。更に詳しくは、磨耗特性を改善せしめた摺動
部材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9-278,907号公報には、フッ素樹
脂製摺動部材の摩擦摩耗特性を改善するために、電離性
放射線で照射処理することが記載されている。電離性放
射線による照射処理は、酸素の不存在下で行われ、また
フッ素樹脂の結晶融点以上に加熱しておくことが望まし
いとされているが、それの加熱方法については何らの具
体的な記載はない。例えば、その加熱が最も一般的な加
熱方法である加熱炉等を用いた伝熱による加熱方法であ
るとした場合、肉厚の材料を加熱するためには多くの時
間を要し、量産には不向きであるという欠点を有してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素樹脂成形品に実質的に酸素の不存在下で電離性放射線
を照射する摺動部材の製造法において、効果的な照射効
果を発現させる加熱をより有効に適用し得る方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
フッ素樹脂成形品に実質的に酸素の不存在下で電離性放
射線を照射し、その直後内部加熱方式により、急速に当
該フッ素樹脂の結晶融点以上に加熱する摺動部材の製造
法によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】フッ素樹脂成形品としては、ポリ
テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-パ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)共重合体、テトラフ
ルオロエチレン-ヘキサフルオロプロぺン共重合体等の
テトラフルオロエチレンの単独重合体または共重合体の
成形品が用いられる。これらのテトラフルオロエチレン
系重合体の成形は、これを一旦所定形状に予備成形した
後焼成することによって行われる。なお、これらのテト
ラフルオロエチレン系重合体は、ポリアセタールやポリ
カーボネートとブレンドまたはアロイ化して用いること
もできる。
【0006】これらフッ素樹脂成形品には、実質的に酸
素の不存在下で、電離性放射線の照射が行われる。実質
的な酸素の不存在状態とは、酸素濃度が約300ppm以下、
好ましくは100ppm以下の状態をいい、このような状態は
窒素置換などによる酸素不在の状態とすることによって
形成される。
【0007】このような条件下での電離性放射線の照射
は、γ線、電子線、X線、中性子線、高エネルギーイオ
ン等を、約1KGy〜10MGy、好ましくは約10〜1500Kgyの照
射強度で照射することによって行われる。これ以下の照
射強度では、その後の加熱に長時間を要するようにな
り、長時間の加熱は樹脂の熱劣化をもたらし、所望の強
度が得られなくなる。一方、これ以上の照射強度でも、
樹脂の劣化を生じ、物性面で不具合を生ずるようにな
る。
【0008】一般に、フッ素樹脂の誘電損失(比誘電率
ε×誘電正接tanδ)は低く、誘電加熱やマイクロ波加熱
などの内部加熱方式による加熱は効率が低い。例えば、
誘電加熱を加熱源とする場合、加熱可能な被加熱物の誘
電損失の範囲は約0.01〜1程度とされているのに対し、
ポリテトラフルオロエチレンの場合には約0.0004と極め
て低い値である。
【0009】本発明方法にあっては、電離性放射線をフ
ッ素樹脂成形品に照射した直後に、内部加熱方式による
急速加熱が行われるが、このような内部加熱方式による
急速加熱を効率良く行うために、予めフッ素樹脂成形品
中にカーボン粒子、酸化鉄等の粉末状導電性物質をフッ
素樹脂100重量部当り約10〜50重量部、好ましくは約20
〜30重量部、あるいはステアリン酸、イオウ、酸化亜鉛
等の極性物質をフッ素樹脂100重量部当り約1〜25重量
部、好ましくは約5〜20重量部の割合で配合しておくこ
とが望ましい。これらの物質をフッ素樹脂成形品中に配
合しておくと、被加熱対象であるフッ素樹脂の誘電損失
を任意に大きくすることが容易となり、それの急速加熱
を可能とする。
【0010】内部加熱方式による急速加熱は、電離性放
射線の照射直後に、自動搬送等の手段により、誘電加熱
の場合には誘電加熱電極間に、またマイクロ波加熱の場
合にはマイクロ波加熱用加熱チャンバに、照射されたフ
ッ素樹脂成形品を移送する。所定の位置に成形品が配置
されたならば、誘電加熱あるいはマイクロ波加熱を開始
する。誘電加熱を利用する場合、その発振周波数として
は13〜100MHzが用いられる。また、マイクロ波加熱を利
用する場合、ISMバンドで規定されている周波数帯が用
いられる。その加熱温度は、フッ素樹脂の結晶融点以上
であって、好ましくはそれよりも約10〜30℃、特に好ま
しくは約20℃程度高いことが望ましい。このような温度
での加熱は、約1〜5分間程度行われる。
【0011】
【発明の効果】フッ素樹脂成形品に実質的に酸素の不存
在下で電離性放射線を照射した直後、フッ素樹脂の結晶
融点以上に急速加熱させるに際し、内部加熱方式を採用
することにより、比較的厚みのある摺動部材であっても
加熱に要する時間が少くて済み、短時間で大量の処理を
行うことができる。
【0012】このようにして、処理された摺動部材は、
耐摩耗性、耐摩擦性、耐荷重性にすぐれているので、無
潤滑軸受、ダイナミックシール、複写機用ロール、ベア
リングパッド等に有効に用いられる。
【0013】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0014】実施例1〜3 ポリテトラフルオロエチレン(融点327℃)100重量部およ
びケッチェンブラック30重量部をヘンシェルミキサで混
合し、圧縮成形型を用いて厚さ10mmのシート状に成形し
た。
【0015】このシートに、電子線照射装置(岩崎電気
製モデルEC250/15/180L)を用いて、窒素置換により酸素
濃度を50ppm以下とした雰囲気中で、50KGy(実施例1)、
100KGy(実施例2)または1000KGy(実施例3)となるよう
に電子線を照射した。その直後に、上記酸素濃度を保っ
たまま、誘電加熱装置(富士電波工機製;100MHz)でシー
トを350℃に2分間加熱した。
【0016】このようにして処理されたシートについ
て、摩耗係数の測定試験が次のようにして行われた。試
験は、ピンオンディスク型磨耗試験機を使用し、S45C製
ピンにより被試験シートに対して10Nの力を加え、摺動
速度2.1m/秒で摺動距離7540mの後の被試験シートの重量
減少量を測定し、PV値に対する被磨耗量として測定し
た。
【0017】被摩耗量は、実施例1では8×10-7g/N/m、
実施例2では1×10-7g/N/m、実施例3では0.5×10-7g/N
/mであった。
【0018】実施例4 実施例3において、ケッチェンブラックの代りに酸化亜
鉛20重量部を配合したポリテトラフルオロエチレンシー
トを用いると、一連の処理がなされたシートの被摩耗量
は8×10-7g/N/mであった。
【0019】実施例5 実施例3において、ポリテトラフルオロエチレンの代り
にテトラフルオロエチレン-パーフルオロ(メチルビニル
エーテル)共重合体(融点217℃)を用い、加熱温度を250
℃に変更して一連の処理を行うと、処理シートの被摩耗
量は3×10-7g/N/mであった。
【0020】比較例 実施例1において、ケッチェンブラックを配合しないポ
リテトラフルオロエチレンシートについて、電子線照射
をすることなく、加熱処理したシートの摩耗試験を行っ
たところ、被磨耗量が23×10-7g/N/mと非常に高い値を
示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 昭彦 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケー 株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA27 AA27X AA30X AB03 AB18 AE15 AF01 AF37 AH17 4F073 AA07 BA16 BA49 CA41

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂成形品に実質的に酸素の不存
    在下で電離性放射線を照射し、その直後内部加熱方式に
    より、急速に当該フッ素樹脂の結晶融点以上に加熱する
    ことを特徴とする摺動部材の製造法。
  2. 【請求項2】 内部加熱を効率良く行うための導電性物
    質または極性物質が配合されたフッ素樹脂成形品が用い
    られる請求項1記載の摺動部材の製造法。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂成形品がテトラフルオロエチ
    レンの単独重合体または共重合体である請求項1または
    2記載の摺動部材の製造法。
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