JP2000086347A - セラミック焼結体及びその製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体及びその製造方法

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JP2000086347A
JP2000086347A JP10276441A JP27644198A JP2000086347A JP 2000086347 A JP2000086347 A JP 2000086347A JP 10276441 A JP10276441 A JP 10276441A JP 27644198 A JP27644198 A JP 27644198A JP 2000086347 A JP2000086347 A JP 2000086347A
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ceramic sintered
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silicon nitride
chromium carbide
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Yutaka Sekiguchi
豊 関口
Takeshi Mitsuoka
健 光岡
Kazuhiro Urashima
和浩 浦島
Satoshi Iio
聡 飯尾
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温に昇温され、急冷却される環境及び冷却水
等の水が存在する環境等で使用される、窒化珪素を含む
摺動部材に使用されるセラミック焼結体とその製造方法
を提供する。 【解決手段】摺動部材に使用され、窒化珪素と、5〜7
0体積%の炭化クロム、焼結助剤(Al、Mg、Zr、
希土類元素、O、N及びCを含む)2〜10体積%含む
セラミック焼結体で、摩耗試験で摩耗体積が1.0mm
3、曲げ強度が700MPa以上、ビッカース硬度が1
500以上である。本製造方法は1次焼成を、窒素を含
む圧力1kg/cm2以上の非酸化性雰囲気において、温
度1450℃〜1600℃にて行い、更に2次焼成を窒
素を含む圧力100〜2000kg/cm2以下の非酸化
性雰囲気中、温度1300℃〜1700℃でHIPにて
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック焼結体
及びその製造方法に関する。更に詳しくは、高温、且つ
水が存在する過酷な環境における耐摩耗性に優れ、ま
た、強度が大きく、靱性及び耐熱衝撃性等も良好なセラ
ミック焼結体及びその製造方法に関する。本発明のセラ
ミック焼結体は、金属線材熱間圧延ロール及び金属線材
熱間ガイドロール等、非常に過酷な環境下に使用される
各種の摺動部材など、広範な用途において有用である。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素は硬度が大きく、耐摩耗性に優
れるため、摺動部材等として広く利用されている。特
に、窒化珪素は、高温における強度及び耐食性にも優れ
ており、過酷な環境下においても使用し得ることが、特
開昭63−74963号公報、特開平07−22386
8号公報等に記載されている。また、金属線材熱間圧延
用ロール等にも適用し得ることが特開平07−2659
14号公報、特開平07−214117号公報等に開示
されている。
【0003】更に、特開昭56−140076号公報等
には、クロム、ジルコニウム、タングステン等の炭化
物、窒化物或いはこれらの混合物からなる硬質粒子を含
有する窒化珪素を基材とする耐摩耗性材料が開示されて
いる。しかし、これらのいずれの公報にも、高温、且つ
水が存在する過酷な環境において摺動部材等として使用
されるセラミック焼結体については記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】窒化珪素は優れた耐摩
耗性を有する。しかし、高温、且つ水の存在する環境に
おいては、その耐摩耗性が低下するという問題がある。
一般に、窒化珪素は次式に従がって水と反応し溶出する
ことが知られている。 Si34+6H2O→3SiO2+4NH3 特に、金属線材熱間圧延用ロール、金属線材熱間ガイド
ロール等においては、高温の線材と接触し、且つ冷却水
が供給されるため、この窒化珪素と水との反応が顕著に
生じ、耐摩耗性に優れるSi34であっても摩耗が進行
することとなる。この他、窒化珪素は、高温の鉄、銅な
ど、又は溶融した鉄、銅などにも侵されることも指摘さ
れている。更に、上記のように急激に、且つ大きく温度
が変化する環境において使用される部材等にあっては、
耐摩耗性とともに、優れた耐熱衝撃性をも併せ有するこ
とが必要とされている。
【0005】本発明は、上記の従来の問題を解決するも
のであり、高温、且つ水の存在する過酷な環境における
水との反応が抑えられ、優れた耐摩耗性が維持されると
ともに、耐熱衝撃性等も良好なセラミック焼結体及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明のセラミック焼
結体は、炭化クロムと窒化珪素とを主成分とするセラミ
ック焼結体において、上記炭化クロムは5〜70体積%
であり、残部が上記窒化珪素と焼結助剤又は焼成によっ
て該焼結助剤から生成する化合物であることを特徴とす
る。
【0007】上記「炭化クロム」は、硬度が大きく、耐
食性に優れる。この炭化クロムを窒化珪素と複合させる
ことにより、高温、且つ水が存在する等の過酷な環境に
おいて、窒化珪素と、水、鉄或いは銅等との反応が抑え
られる。この炭化クロムの含有量が5体積%未満では、
窒化珪素の水等との反応が十分に抑えられず、耐摩耗性
が低下する。また、炭化クロムは熱伝導性が低いため、
この含有量が70体積%を越える場合は、焼結体中の結
晶粒子が粗大化することにより、耐熱衝撃性が低下する
とともに、曲げ強さも低下する。炭化クロムの含有量は
5〜50体積%とすることが好ましく、第2発明のよう
に、5〜20体積%とすることが特に好ましい。この範
囲の含有量とすれば、優れた耐摩耗性を維持しつつ、1
000MPa以上の曲げ強さ及び550℃以上の熱衝撃
抵抗値を有するセラミック焼結体とすることもできる。
【0008】上記「主成分」とは、炭化クロムと窒化珪
素との合計量が80体積%以上、特に85体積%以上、
更には90体積%以上であることを意味する。また、上
記「焼結助剤」及び上記「化合物」は、焼成時に配合さ
れる焼結助剤を構成する元素を含む酸化物、炭化物、窒
化物等である。この元素は、第3発明のように、Al、
Mg、Zr、希土類、O、N及びCのうちの少なとも1
種であることが好ましく、希土類元素としては、セリウ
ム、ネオジウム、イッテルビウム等が挙げられる。これ
らの元素を含む酸化物、炭酸塩、水酸化物等が焼結助剤
として使用され、焼成後、実質的に変化せず、そのまま
焼結体に含有され、或いは反応して上記の化合物となっ
て焼結体に含有され、いずれにしても主に焼結体の粒界
相を形成することになる。
【0009】焼結助剤及びこの焼結助剤から生成する化
合物の含有量は、第4発明のように、2〜10体積%と
することが好ましい。焼結助剤等の含有量が2体積%未
満では、焼結性が低下し、十分に緻密な焼結体が得られ
ないことがある。一方、この含有量が10体積%を越え
る場合は、曲げ強さ、特に高温における強度が低下する
傾向にある。焼結助剤等の含有量は、特に2〜8体積
%、更には3〜7体積%とすることが好ましく、この範
囲の含有量とすれば、緻密であって、且つ曲げ強さ等に
優れた焼結体とすることができる。
【0010】第5発明のセラミック焼結体は、炭化クロ
ムと窒化珪素とを主成分とするセラミック焼結体におい
て、前記の方法によって測定した摩耗体積が1.0mm
3以下であることを特徴とする。また、第1乃至4発明
においても、第6発明のようにこの摩耗体積が1.0m
3以下であることが好ましい。また、この主成分と
は、炭化クロムと窒化珪素との合計量が80体積%以
上、特に85体積%以上、更には90体積%以上である
ことを意味する。
【0011】このセラミック焼結体は、JlS R 1
601によって測定した3点曲げ強さが600MPa以
上であり、ビッカース硬度が1400以上であるが、第
7発明のように、JlS R 1601によって測定し
た3点曲げ強さが700MPa(より好ましくは900
MPa)以上であり、ビッカース硬度が1500(より
好ましくは1600)以上とすることができる。
【0012】第8発明のセラミック焼結体の製造方法
は、5〜70体積%の炭化クロム粉末、2〜10体積%
の、Al、Mg、Zr、希土類、O、N及びCのうちの
少なくとも1種の元素を含む焼結助剤粉末及び窒化珪素
粉末を混合し、この混合粉末を使用して成形体を得、そ
の後、該成形体を、窒素を含む圧力1〜10kg/cm2
の非酸化性雰囲気において、1450℃〜1600℃の
温度で1次焼成し、次いで、窒素を含む圧力100〜2
000kg/cm2の非酸化性雰囲気において、1300
℃〜1700℃の温度で熱間静水圧法によって2次焼成
することを特徴とする。
【0013】上記「1次焼成」は、窒素を含む「非酸化
性雰囲気」において行う。このように特定の雰囲気にお
いて焼成することにより、原料粉末中の炭化クロム及び
窒化珪素の分解が抑えられる。1次焼成の圧力が1kg
/cm2未満では、炭化クロム及び窒化珪素の分解が抑
えられず、この圧力が10kg/cm2を越える場合
は、材料特性に問題はないが、製造時にコストがかかる
ため好ましくない。1次焼成の温度が1450℃未満で
は、焼結性が低下して緻密な焼結体とすることができな
い。一方、この温度が1600℃を越える場合は、原料
粉末中の窒化珪素の分解、揮散が激しくなり、焼結体を
得ることができない。
【0014】2次焼成も、炭化クロム及び窒化珪素の分
解を抑えるため、窒素を含む非酸化性雰囲気において行
われる。また、特に、この2次焼成は、より焼結性を向
上させ、緻密な焼結体とするため、熱間静水圧法(Hl
P法)によって行う。2次焼成の圧力が100kg/c
2未満では、焼結体中に生成する粗大な空孔を消滅さ
せることができないため強度が低下する一方、この圧力
が2000kg/cm2を越える圧力であっても何ら効
果に変化はなく、また、コスト面でも不利である。ま
た、2次焼成の温度が1300℃未満では、上記空孔を
消滅させることができず強度が低下する一方、この温度
が1700℃を越える場合は、焼結体の表面の分解、揮
発がおこる。更に、粒成長によって焼結体の強度が低下
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明をより詳
しく説明する。 実験例1〜22 [1]焼結体の製造 炭化クロム粉末(比表面積;1.5m2/g、粒径;
2.5μm)、窒化珪素粉末(比表面積;10m2
g、粒径;0.6μm)、並びに焼結助剤粉末(A12
3、CeO2、MgO及びZrO2の粉末、但し、実験
例16では、MgOとYb23の粉末を用いた。)を、
表1(実験例1〜22)に示す組成及び量比となるよう
に配合した。
【0016】これらの粉末を窒化珪素からなるボール及
びポットを用いて、70rpmで40時間、湿式粉砕
し、混合した後、得られたスラリーを500メッシュの
篩を通過させて夾雑物を取り除いた。その後、溶媒を除
去し、混合粉末を60メッシュの篩を通過させて造粒粉
末を得た。次いで、この造粒粉末を1軸加圧した後、2
t/m2の圧力で等方圧加圧成形法によって成形し、成
形体を得た。その後、窒素雰囲気下、表1に示す温度及
び圧力で1次焼成した後、更に、窒素雰囲気下、表1に
示す温度及び圧力でHlP法によって2次焼成し、45
×45×15mmの焼結体を得た。尚、表1において、
*は第1発明、**は第4発明及び***は第8発明の
範囲を外れていることを表わす。
【0017】
【表1】
【0018】[2]焼結体の物性評価 窒化珪素が分解して焼結体が得られなかった実験例18
以外の各実験例の焼結体を、ダイヤモンドホイール(2
00番)を用いてプレート状に全面研削し、更に鏡面研
磨を行い、試験片を作製した。こられの試験片につい
て、相対密度、曲げ強さ、破壊靭性値、ビッカース硬
度、熱衝撃抵抗値及び摩耗体積を測定した。測定方法は
以下の通りである。実験例1〜22の結果を表2に示
す。尚、表2において*は第5及び6発明、**は第7
発明の範囲を外れていることを表わす。
【0019】(1)相対密度;アルキメデス法により密
度を測定し、混合則に従って算出した理論密度によって
除して算出する。 (2)曲げ強さ;JlS R 1601に従って3点曲
げ強さを測定する。試験片の上下面の粗さはJlS B
0601に従って0.8S以下に調整する。 (3)破壊靭性値;JlS R 1607に従って、I
F法により測定する。 (4)ビッカース硬度;JlS Z 2244に従って
測定する。 (5)熱衝撃抵抗値(耐熱衝撃性);試験片を電気炉に
収容し、所定の温度で10分間保持した後、水中急冷法
によって調製した試験片を使用し、上記と同様にして3
点曲げ強さを測定し、この強度が急激に低下する温度
を、熱衝撃抵抗値△Tとする。
【0020】(6)摩耗体積;摺動試験機を用いて、リ
ングオンプレート法にて行う。30×30×5(厚さ)
mmの平板セラミックス試験片の表面を鏡面研磨し、こ
の試験片の鏡面研磨した面の中央部に20(外径)×1
0(内径)×33(厚さ)mmの炭素鋼からなる円筒リ
ングを載置し、散水しながら試験片を回転させて摺動さ
せる。試験片の回転数は300rpm、荷重は100k
g、摺動距離は2km、給水量は12ml/分とする。
試験前後の試験片の重量変化に基づいて下記の式によっ
て摩耗体積を算出する。また、下記式中の試験片の密度
はアルキメデス法により算出した。 摩耗体積(mm3)=重量変化/試験片の密度 尚、図4は実験例で用いた摺動試験機に試験片を装着し
た状態を示す一部断面図である。
【0021】尚、機械の保守のため、水溶性の研削油を
含むpH=11.2の冷却水を使用し、測定終了後、試
験片に付着した鉄分を取り除くため、試験片を希塩酸で
洗浄し、その後、アセトンに浸漬して十分に超音波洗浄
を行った後、乾燥し、秤量する。試料の秤量には感度
0.01mgの精密化学天秤を用いる。また、各実験例
では散水しながら摺動試験を行ったが、散水をせずに摺
動した場合の摺動試験機の金属リングの温度(熱電対に
より測定した。)は、試験片と相手材との接触面から2
mm離れた場所で300℃であった。従って接触面は更
に高温であることが推測される。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果によれば、第1、5及び8発明
に対応する焼結体は、いずれも強度、靭性、硬度、耐熱
衝撃性及び耐摩耗性に優れるが、このうち特に、第2発
明に対応する実験例4〜6では、いずれもより強度、硬
度が大きく、耐熱衝撃性に優れた焼結体が得られている
ことが判る。また、実験例16と同じ粉末組成及び同じ
製造方法による試験片を使用して、同様な摺動試験を、
散水を行わずにした結果、摩耗体積は1.73mm3
あった。上記実験例16の摩耗体積が14.31mm3
であることを考慮すると、窒化珪素の高温且つ水が存在
する場合の摩耗の激しさが判る。
【0024】一方、炭化クロムの配合量が第1発明の下
限値未満である実験例12では、摩耗体積が増加し、上
限値を越えている実験例13では、耐熱衝撃抵抗値及び
曲げ強さが低下している。また、焼結助剤及びこの焼結
助剤から生成する化合物の含有量が第4発明の下限値未
満である実験例14では、焼結性が低下するため、緻密
化が不十分であり相対密度が低下する。一方、この含有
量が上限値を越えている実験例15では、曲げ強さ及び
硬度が低下する傾向にあることが判る。更に、炭化クロ
ムが配合されていない実験例16では、強度、硬度及び
耐熱衝撃性等は非常に優れているものの、摩耗体積が著
しく大きくなり、耐摩耗性が非常に大きく低下している
ことが判る。このように、実験例16によって、耐摩耗
性の維持、向上に対する炭化クロムの複合による大きな
効果が裏付けられている。
【0025】また、1次焼成の温度が第8発明の下限値
未満である実験例17では、焼結性が低下するため、緻
密化が不十分であり、各物性値はいずれも好ましい値で
はない。上限値を越えている実験例18では、窒化珪素
の分解のため焼結体を得ることができなかった。更に、
2次焼成の温度が第8発明の下限値未満である実験例1
9では、粗大な空孔を消滅させることができず各強度及
び硬度が低下し、上限値を越えている実験例22では、
粒子が粗大化し、各強度及び硬度が低下していることが
判る。
【0026】[3]本発明のセラミック焼結体の摩耗試
験後の表面の電子顕微鏡写真 実験例9の焼結体からなる試験片の摩耗試験後の摩耗面
を走査型電子顕微鏡によって観察し、写真を撮影した。
図1は倍率1000倍の写真であり、図2は、図1と同
じ視野において倍率を3000倍にした拡大写真であ
る。
【0027】図1及び図2において、白い部分は炭化ク
ロムであり、黒い部分は窒化珪素及び焼結助剤又はこれ
が反応して生成した化合物である。これらの写真によれ
ば、炭化クロムの部分は摩耗しておらず、窒化珪素の部
分のみが選択的に摩耗していることが判る。この結果か
ら、高温、且つ水が存在する過酷な環境において摺動さ
せることにより、窒化珪素は水と反応しSiO2となっ
て摩耗するのに対して、硬度が大きく、耐食性等に優れ
る炭化クロムは、同様な環境における摺動によってほと
んど摩耗しないことが推察される。このように、窒化珪
素に炭化クロムを併存させることにより、窒化珪素の反
応が抑えられ、焼結体全体としての耐摩耗性が向上する
ことが判る。
【0028】図3は、図1及び図2の摩耗面の断面を模
式的に示すものである。実際の焼結体では、このよう
に、窒化珪素により構成される摩耗面から炭化クロムの
粒子が突き出しており、この硬度の大きい炭化クロムの
粒子が焼結体全体の耐摩耗性を向上させているものと考
えられる。
【0029】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明
の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即
ち、粉末組成は表1に示すものに限らず、本発明の範囲
内における他の組成とすることができる。また、焼結助
剤も表1に示すものに限られず、その組成及び量比を、
本発明の範囲内で種々変更することができる。
【0030】
【発明の効果】第1発明によれば、高温、且つ水が存在
する等、過酷な環境において、優れた耐摩耗性が維持さ
れ、また、十分に緻密化され、強度、靭性、耐熱衝撃性
等に優れたセラミック焼結体を得ることができる。ま
た、第5発明によれば、上記の特性を持ち、特に摩耗体
積が小さいため、金属線材熱間圧延ロール及び金属線材
熱間ガイドロール等、各種の摺動部材に使用することに
適するセラミック焼結体を得ることができる。また、第
8発明によれば、特定の原料粉末を使用し、特定の温
度、圧力によって、特に、HIP法によって2次焼成す
ることにより、第1発明及び第5発明の優れた特性を有
するセラミック焼結体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例9の焼結体の摩耗試験後の摩耗面を観察
した倍率1000倍の電子顕微鏡写真である。
【図2】図1の写真と同じ視野において倍率3000倍
に拡大した電子顕微鏡写真である。
【図3】炭化クロムによる焼結体の耐摩耗性の向上を説
明する模式図である。
【図4】本実験例において用いた摺動試験機に試料を装
着した状態を表す一部縦断面図である。
【符号の説明】
1;チャック、2;相手材からなる円筒リング、3;平
板セラミックス試験片、4;試験片回転台、5;熱電
対。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦島 和浩 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 飯尾 聡 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 3J011 DA02 SB04 SB12 SB19 SB20 SD01 SD03 4G001 BA03 BA06 BA08 BA11 BA14 BA24 BA32 BB03 BB06 BB08 BB11 BB14 BB24 BB32 BC13 BC43 BC54 BC55 BC57 BD04 BD12 BD14 BD16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化クロムと窒化珪素とを主成分とする
    セラミック焼結体において、上記炭化クロムは5〜70
    体積%であり、残部が上記窒化珪素と焼結助剤又は焼成
    によって該焼結助剤から生成する化合物であることを特
    徴とするセラミック焼結体。
  2. 【請求項2】 上記炭化クロムが5〜20体積%である
    請求項1記載のセラミック焼結体。
  3. 【請求項3】 上記焼結助剤及び上記化合物が、Al、
    Mg、Zr、希土類、O、N及びCのうちの少なとも1
    種の元素の化合物(但し、炭化クロム及び窒化珪素を除
    く。)である請求項1又は2記載のセラミック焼結体。
  4. 【請求項4】 上記焼結助剤及び上記化合物が2〜10
    体積%である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記
    載のセラミック焼結体。
  5. 【請求項5】 炭化クロムと窒化珪素とを主成分とする
    セラミック焼結体において、下記の方法によって測定し
    た摩耗体積が1.0mm3以下であることを特徴とする
    セラミック焼結体。 測定方法;摺動試験機を用いて、リングオンプレート法
    にて行う。30×30×5(厚さ)mmの平板セラミッ
    クス試験片の表面を鏡面研磨し、この鏡面研磨された面
    の中央部に20(外径)×10(内径)×33(厚さ)
    mmの炭素鋼からなる円筒リングを載置し、散水しなが
    ら試験片を回転させて摺動させる。試験片の回転数は3
    00rpm、荷重は100kg、摺動距離は2km、散
    水量は12ml/分とする。試験前後の試験片の重量変
    化に基づいて下記の式によって摩耗体積を算出する。 摩耗体積(mm3)=重量変化/試験片の密度
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記
    載のセラミック焼結体であって、請求項5記載の方法に
    よって測定した摩耗体積が1.0mm3以下であること
    を特徴とするセラミック焼結体。
  7. 【請求項7】 JlS R 1601によって測定した
    3点曲げ強さが700MPa以上であり、ビッカース硬
    度が1500以上である請求項1乃至6のうちのいずれ
    か1項に記載のセラミック焼結体。
  8. 【請求項8】 5〜70体積%の炭化クロム粉末、2〜
    10体積%の、Al、Mg、Zr、希土類、O、N及び
    Cのうちの少なとも1種の元素を含む焼結助剤粉末及び
    窒化珪素粉末を混合し、この混合粉末を使用して成形体
    を得、その後、該成形体を、窒素を含む圧力1〜10k
    g/cm2の非酸化性雰囲気において、1450℃〜16
    00℃の温度で1次焼成し、次いで、窒素を含む圧力1
    00〜2000kg/cm2の非酸化性雰囲気において、
    1300℃〜1700℃の温度で熱間静水圧法によって
    2次焼成することを特徴とするセラミック焼結体の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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