JP2000086293A - 撥水性ガラスおよびその製法 - Google Patents

撥水性ガラスおよびその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】フロートガラスのトップ面とボトム面を区別せ
ずに双方に対して同等又は同等以上の撥水性能が得ら
れ、且つ耐久性にも優れた高品質の撥水性ガラス及びそ
の製法を提供する。 【解決手段】膜厚が20〜45nmの範囲にある下地層
が形成されたガラス表面に、フルオロアルキル基含有シ
ラン化合物を有効成分とする塗布液が塗布され、該フル
オロアルキル基が該下地層表面に固定化された撥水性膜
が形成されてなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロートガラス等
のガラス基板表面に撥水性被膜が形成された撥水性ガラ
スおよびその製法に関し、建築用、自動車用、船舶用或
いは航空機用等の各種窓材、浴室用或いは自動車用等の
ミラー、さらにはその他産業用など種々の分野の各種透
明物品等に利用できる撥水性ガラスおよびその製法を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、優れた撥水性能をより長く持続す
る透明な撥水性被膜が望まれてきている。これらのニ−
ズに答えるための代表的な性能として、例えば高い耐摩
耗性(耐トラバ−ス性)を有する撥水性被膜を備える撥
水性ガラスとする必要がある。この撥水性被膜を得るた
めにフルオロアルキル基含有シラン化合物をガラス基板
表面に処理した撥水性ガラスについて、非常に多くの提
案が報告されている。
【0003】例えば、本出願人が既に出願した特願平4
−16688号(特開平5−213633号公報)およ
び特開平9−132433号公報等に記載している発明
は、ガラス表面に微細な凹凸形状表層表面を有するベ−
ス膜を形成し、該ベ−ス膜を被覆する撥水膜を形成する
ことで、撥水性被膜の付着効率と密着性を高め、さらに
耐光性能を向上するようにしたものである。また、本出
願人が既に出願した特願平8−217510号に記載し
ている発明は、フルオロアルキル(Rf)基含有シラン
化合物の重縮合の程度(FAS重合度)を制御して(脱
水撥水液)、耐トラバース性を改善するようにしたもの
である。さらに、特開平9-268031号公報にはフ
ロートガラスのトップ面を選択してフルオロアルキル基
含有シラン化合物を処理することにより、耐久性を向上
するようにしたものが知られている。さらにまた、特開
平3-232747号公報にはフロートガラス面にシリ
カよりなる下地層を形成し、フロートガラスのトップ面
とボトム面との性能の差異を解消し、同等な撥水性を有
するガラスが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た例えば、特願平4−16688号(特開平5−213
633号公報)および特開平9−132433号公報に
記載の撥水性ガラスは、前述したニ−ズに充分に答えう
るものであるものの、特異なベ−ス膜と撥水性被膜の2
層構造の膜構成であり複雑であるという問題がある。ま
た、特願平8−217510号や特開平9−26803
1号公報については、ガラス基板としてフロートガラス
のトップ面を使用する必要があり、例えば自動車用ガラ
スの場合には必然的にボトム面(車外面)が撥水処理面
となるなど、所望の性能を得ることができない場合があ
る。さらに、特開平3-232747号公報の場合は、
下地層の厚みは100〜300nmと非常に厚く、耐摩
耗性を充分に満足出来るものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のかかる
課題に鑑みてなしたものであって、フロートガラスのト
ップ面、ボトム面を区別することなく同等の性能を有す
る撥水性被膜を簡単に形成できる高性能の撥水性ガラス
およびその製法に関するものである。
【0006】すなわち本発明は、膜厚が20〜45nm
である下地層が形成されたフロートガラス表面に、フル
オロアルキル(Rf)基含有シラン化合物を有効成分と
する塗布液が塗布され、Rf基が下地層表面に撥水性被
膜が形成されてなる撥水性ガラスに関する。また、フロ
ートガラスのボトム面に撥水性被膜が形成された撥水性
ガラスのトップ面と他のフロートガラスのトップ面同士
を合わせフィルムを介して積層させることも可能であ
る。
【0007】さらに本発明は フロートガラス表面に膜
厚20〜45nmの下地層を形成する工程と、該下地層
の上面にフルオロアルキル基含有シラン化合物を有効成
分とする溶液を加水分解および重縮合して調整してなる
撥水液を塗布する工程と、次いで該撥水液に含まれるフ
ルオロアルキル基含有シランを該下地層表面に撥水性被
膜を形成する硬化工程とからなる撥水性ガラスの製法に
関するものであり、その下地層は、撥水液を塗布する前
に酸性水溶液に浸漬して酸処理すると良い。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の態様について
説明する。ガラス基板としては、建築用窓ガラスや自動
車用窓ガラス等に通常使用されているフロ−トガラスあ
るいはロ−ルアウト法で製造されたガラス基板を用いる
ことが出来、無色または着色ならびにその種類あるいは
形状等に特に限定されるものではなく、さらに曲げ板ガ
ラスとしてはもちろん各種強化ガラスや強度アップガラ
ス、平板や単板で使用できるとともに、複層ガラスある
いは合せガラスとしても使用できる。汎用ガラスとして
一般に用いられているフロートガラスは、ガラスを形成
する工程において、溶融錫上を浮遊して製造されるため
に、該溶融錫と接触する面(以下、ボトム面と呼ぶ)と
溶融錫と接触しない面(以下、トップ面と呼ぶ)とで、
その表面性能に差異が生じる。また、フルオロアルキル
(Rf)基含有シラン化合物を有効成分とする塗布液
を、フロートガラスのガラス面に塗布してRf基をガラ
ス表面に固定化する撥水性ガラスでは、処理されるガラ
ス基板の表面のシラノール基の濃度が製品の品質を左右
する極めて重要な因子であり、該フロートガラスを基板
ガラスとして用いる場合には、トップ面とボトム面では
シラノール基の濃度が異なる。
【0009】本発明では、上記フロートガラスのトップ
面とボトム面との表面性能の差異をなくすために、該フ
ロートガラス面に20〜45nmの範囲にある薄い膜厚
の下地層を形成し、その上面に撥水性被膜を被覆させる
ことにより、撥水性能とともに耐久性能の重要な因子で
ある耐候性および耐摩耗性(耐トラバース性)も併せて
向上させることが出来る。
【0010】下地層は、その膜組成は限定されるもので
はなく、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、酸化
ジルコニウム等の金属酸化物を単独あるいは組み合わせ
て用いる事が出来、さらに窒化物、炭化物、それらの組
み合わせ等も用いることが出来る。なお下地層として
は、ガラス中に含有されているアルカリイオンの拡散防
止および被膜の形成の容易性、コスト等の面から、特に
シリカを主成分とする下地層とするのが良い。下地層の
膜厚は、ボトム面の錫の影響を無視でき、かつ耐摩耗性
に富んだものとする必要があり、これを満足するために
は20〜45nmの膜厚範囲に制御することが重要であ
る。すなわち、ボトム面の影響を受けなくするには膜厚
を大きくする必要があり、一方下地層の耐摩耗性を高め
るためには膜厚をできる限り小さくすることが有利であ
るので、両者を共に満足する最適な膜厚が20〜45n
mの範囲である。なお、膜厚を23〜40nmの範囲に
すると、耐摩耗性(耐トラバース性)がより向上し長期
耐久性において特に優れたものとなる。
【0011】また、この下地層を形成後、シラノール基
の濃度を増大させて、フルオロアルキル(Rf)基含有
シラン化合物との反応性を活性化させるために、撥水処
理前に0.1〜13Nの濃度の酸性水溶液に浸漬して酸
処理すると膜の耐久性能が向上する。
【0012】撥水性被膜を形成する撥水液は、フルオロ
アルキル基含有シラン化合物からなる撥水剤と、希釈用
の溶媒と、触媒としての酸性水溶液を所定量混合したの
ち、所定時間撹拌して加水分解反応を終結させ、次いで
該溶液に脱水剤を添加し、所定時間脱水処理を行って重
縮合させることにより得ることができる。
【0013】上記の出発原料としては、撥水剤としてフ
ルオロアルキルアルコキシシラン系化合物或いはフルオ
ロアルキルハロゲン化シラン系化合物であり、その化合
物としては、例えばCF3(CF211CH2CH2Si
(OR)3、CF3(CF29CH2CH2Si(O
R)3、CF3(CF27CH2CH2Si(OR)3、C
3(CF25CH2CH2Si(OR)3、CF3(C
211CH2CH2SiR(OR)2、CF3(CF29
CH2CH2SiR(OR)2、CF3(CF27CH2
2SiR(OR)2、CF3(CF2)5CH2CH2Si
R(OR)2、CF3CH2CH2SiCl3、CF3(CF
27CH2CH2SiCl3、CF3(CF27CH2CH2
SiRCl2、CF3(CF29CH2CH2SiCl3、C
3(CF29CH2CH 2SiRCl2等を用いることが
出来る。なお、上記化学式におけるRはCH3、C
25、C37を示す。
【0014】希釈溶媒としては、イソプロピルアルコ−
ル(以下、「i−PA」と略す)の他に、メタノ−ル、
エタノ−ルなど炭素数が5以下の低級アルコ−ル溶媒で
あってもよく、アルコ−ル以外にエ−テル類やケトン類
を用いることができ、ことにイソプロピルアルコールを
主成分としてなるアルコールがコ−ティング溶液の調製
における希釈溶媒として好ましい。
【0015】触媒としての酸性水溶液は、0.01N以
上、好ましくは0.1N〜13N程度の濃度の硝酸、塩
酸、硫酸などの無機酸あるいは、酢酸、クエン酸などの
有機酸を使用することができる。なお、撥水剤:希釈溶
剤:酸性水溶液は、重量割合で1:5〜50:0.09
〜1.0の範囲が好ましいが、これらの範囲に限定され
るものではない。
【0016】脱水剤としては、シリカゲル、合成ゼオラ
イト、活性アルミナ等を用いることが出来るが、これに
限定するものではない。また本発明は、加水分解終結後
に重縮合する場合あるいは加水分解の途中で重縮合が開
始する場合等、特に限定するものではない。さらに、撥
水液をガラス基板の表面上に塗布する条件は、撥水剤成
分のシラノール基と基材表面の水酸基との反応を活性化
させるために、通常雰囲気湿度が約75%RH以下が好
ましいが、これらに限定されるものではない。
【0017】撥水液を塗布するガラス基板の表面を予め
酸処理することにより表面改質すると、被膜の強度等が
増し好ましい。さらに、ガラス基板表面に凹凸の下地層
を形成すると耐久性がより向上するので特に好ましく、
その方法としては、例えば金属アルコキシド系化合物或
いは金属アセチルアセトネート系化合物の中から少なく
とも1種以上選択し、しかも該選択した2つ以上の化合
物は4官能および3官能のアルコキシドであって、該2
つ以上の化合物を溶剤とともに混合してコーティング溶
液とし、該溶液を被覆・加熱成膜してマイクロピット状
の表層をつくる方法等が採用できるがこれに限定される
ものではない。
【0018】ガラス基板への下地層及び撥水層の膜付け
法としては、手塗り(ラビング法)、ノズルフロ−コ−
ト法、ディッピング法、スプレー法、リバ−スコ−ト
法、フレキソ法、印刷法、フローコート法あるいはスピ
ンコート法、ならびにそれらの併用等既知の塗布手段等
各種の塗布法が適宜採用し得るものである。
【0019】撥水性ガラスの応用例として、例えば合わ
せガラスに撥水性被膜を形成する場合、積層された合わ
せガラスの性能は、フロートガラスのトップ面同志を該
中間膜側に接着させることがトップ面とボトム面或いは
ボトム面同志を合わせた合わせガラスよりも耐衝撃性能
等の面より好ましいので、一般に採用されている。この
ような場合に撥水性被膜を形成させるには、撥水性被膜
はフロートガラスのボトム面に形成せざるをえず、本発
明を適用してボトム面に設けた下地層の上面に撥水性被
膜を形成できるので、合わせ性能および撥水性能ともに
良好な性能を得ることができる利点を有する。
【0020】また、他の一例としてフロートガラスの片
面に熱線反射膜を形成し、その反対側のガラス面に撥水
膜を形成させる熱線反射膜付き撥水性ガラスを製造する
場合には、一般に該熱線反射膜はフロート法のオンライ
ンで該ガラスのトップ面に被覆される。このような場
合、撥水性被膜はボトム面に被覆せざるを得ないような
場合にも、本発明のボトム面に下地層を形成し撥水膜を
形成出来る利点もある。なお、上記例に限定せず目的に
応じて適宜適用できることは言うまでもない。
【0021】
【作用】下地層を形成する目的は、フロートガラスのボ
トム面あるいはトップ面の表面性能の差異を解消するた
めとその上面に被覆した撥水性被膜を耐候性および耐摩
耗性に富んだものとするものであり、その膜厚は20n
m〜45nmの範囲に制御することが本発明のポイント
である。すなわち、ボトム面の影響を受けなくするに
は、膜厚を大きくする必要があり、一方下地層の耐摩耗
性を高めるためには、膜厚をできる限り小さくすること
が有利であるので、両者を共に満足する最適な膜厚が2
0〜45nmの範囲である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 下地層の作製 200×300×3.5mmサイズのフロートガラスの
ボトム面に、シリカゾル(チッソ製CSG−DI−06
00(シリカ溶質濃度6wt%))をエキネンでシリカ
溶質濃度が4wt%になるように希釈した下地層用溶液
をリバースロールコート法で成膜した(成膜時のロール
の速度は6m/分とした)。成膜後、250℃で乾燥し
たのち、ガラスの曲げ加工温度である650℃で焼成し
て、膜厚が20nmである透明なシリカ下地膜を得た。
なお、得られたシリカ下地膜の膜厚は接触式膜厚計(S
loan tech.製Dektak-3030)或いは
エリプソメーター(溝尻光学工業製DVA−36VW−
S)を用いて測定した。 撥水液の調合 撥水液は、撥水剤としてフルオロアルキルアルコキシシ
ラン系のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン
(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3:信越化学
工業製KBM−7803、以下「FAS」と称す)を用
い、希釈溶媒であるイソプロピルアルコール(i-P
A)と酸触媒を含む水(0.1N硝酸(HNO 3)水溶
液)を所定量(FAS:i−PA:0.1N−硝酸=
1:25:0.3(g))混合し、室温で2h撹拌して
加水分解反応を終結させた。次いで、該加水分解反応を
終結させた溶液に脱水剤である合成ゼオライト〔モレキ
ュラ−シ−ブ4A〕を添加し(添加量は重量比で撥水剤
の5倍)、16時間(脱水時間)浸漬・放置し脱水させ
つつ重縮合反応を完了したのち、濾紙(NO.7)を用
いて濾過しモレキュラ−シ−ブ4Aを分離除去して塗布
用撥水液とした。 撥水性ガラスの作製 下地層を形成したガラスを水洗した後、35℃の0.1
N硫酸水溶液中に1分間浸漬した。その後市販のガラス
洗浄機(当所製作品)にて水洗および乾燥して、温度と
湿度を23℃,45%RHに保った環境下で、2ml/
枚の撥水液を該下地層上に滴下し、綿布(商品名ベンコ
ット)でガラス全面に十分引き伸ばした後、5分程度風
乾した。その後マッフル炉でガラス温度が5分で140
℃に達するような熱処理(以下、キュアリングと呼ぶ)
を行い、白濁して残った余剰な撥水剤をi−PAで拭き
上げて透明な撥水性ガラスを得た。
【0024】得られた撥水性ガラスの品質の評価は、下
記に示す初期接触角試験(初期撥水性)、トラバース試
験(耐摩耗性)およびスーパーUV試験(耐光性)の3
項目について行った。 品質評価方法 〔初期接触角試験〕 測定機器 :協和界面科学製CA−X200型 測定環境 :大気中(約25℃−50%RH) 水 :純水(2μl)の水滴 評価 :ガラス面上に上記の水滴を落とし、該ガラスと水 滴のなす角度(°)(すなわち、接触角と呼ぶ) を測定。 〔トラバース試験〕 試験機 :トラバ−ス式摺動試験機(当社製作機) 試料サイズ :約100mm×200mm 摩擦布への荷重 :キャンバス布に0.1kg/cm2(JIS L 3102−1961−1206) ストロ−ク :100mmの往復摺動(摺動回数は往復の回数) 摺動速度 :30往復/分 評価 :摺動回数3500回後の接触角θ(°)の測定。 〔スーパーUV試験〕 試験機 :岩崎電気製アイスーパーUVテスターSUV-W 131 UV照射強度 :76mW/cm2 試料環境 :48℃,20%RH 評価 :UV照射200時間毎の接触角を測定し、600 時間照射後の接触角を耐光性の値とした。
【0025】得られた撥水性ガラスの品質評価を行った
結果、表1に示す通り初期接触角は目標値100°に対
して109〜111°と良好な値を示した。また耐摩耗
性(耐トラバース性)においては目標値95°に対して
96〜105°と高い値が保持されており、さらに耐光
性については目標70°に対して71°であり、全ての
評価において目標値をクリアー出来、良好な結果を示し
た。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 下地層成膜時のロール速度を7m/分とした以外は全て
実施例1と同一の方法で行った。なお、下地層の膜厚は
25nmであった。品質評価した結果、表1に示す通り
耐トラバース性は106〜108°および耐光性75°
と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を
示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い
値を示した。
【0028】実施例3 下地層成膜時のロール速度を8m/分とした以外は全て
実施例1と同一の方法で行った。なお、下地層の膜厚は
32nmであった。品質評価した結果、表1に示す通り
耐トラバース性は101〜104°および耐光性75°
と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を
示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い
値を示した。
【0029】実施例4 ディッピング法により下地層を成膜した以外は、実施例
1と同じ方法で行った。なお、下地層成膜時の引き上げ
速度は1.0mm/秒とした。焼成後の下地層の膜厚は
40nmであった。品質評価した結果、表1に示す通り
耐トラバース性は100〜104°および耐光性75°
と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を
示した。特に、耐トラバース性能は100°以上と高い
値を示した。
【0030】実施例5 成膜時の引き上げ速度を0.5mm/秒とした以外は、
実施例4と同じ方法で行った。なお、焼成後の下地層の
膜厚は30nmであった。品質評価した結果、表1に示
す通り耐トラバース性は100〜105°および耐光性
75°と全ての品質において目標値をクリアーし良好な
結果を示した。特に、耐トラバース性能は100°以上
と高い値を示した。
【0031】実施例6 成膜時の引き上げ速度は1.5mm/秒とした以外は、
実施例4と同じ方法で行った。なお、焼成後の下地層の
膜厚は45nmであった。品質評価した結果、表1に示
す通り耐トラバース性は95〜103°、耐光性75°
と全ての品質において目標値をクリアーし良好な結果を
示した。
【0032】比較例1 下地層を形成しないで、フロートガラスのボトム面に実
施例1と同様な方法で直接撥水処理した。なお、この場
合は酸処理前にセリア懸濁液とブラシポリッシャーで研
磨して同様に酸処理後、撥水処理した。なお、ここで用
いた研磨液は、三井金属工業製ミレーク(A+B):水=
1:100(wt%)なる懸濁液を用いた。結果、耐トラバ
ース性は90〜105゜と良好であったが、耐光性は5
7゜と目標を大きく下回わり、接触角が70に低下する
までの時間はトップ面品の約650hに対して、約40
0hと耐光性寿命は約2/3に低下した。
【0033】比較例2 下地層成膜時のロール速度を5m/分とした以外は、実
施例1と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚は10
nmであった。品質評価を行った結果、耐トラバース性
は83〜105°、耐光性は60°と目標を大きく下回
わり、実用耐久性の低いものであった。
【0034】比較例3 下地層成膜時(ディッピング法)の引き上げ速度を2m
m/秒とした以外は、実施例4と同じ方法で行った。な
お、下地層の膜厚は55nmであった。品質評価を行っ
た結果、耐光性は72°で高い耐久性を示したが、耐ト
ラバース性は58〜100°とバラツキが大きく、目標
の95゜を満足できなかった。
【0035】比較例4 下地層成膜時の引き上げ速度を3mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は70nmであった。品質評価を行った結果、耐光性は
72°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性75〜
93°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できな
かった。
【0036】比較例5 下地層成膜時の引き上げ速度を4mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は85nmであった。品質評価を行った結果、耐光性は
74°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性77〜
99°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足できな
かった。
【0037】比較例6 下地層成膜時の引き上げ速度を5mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は100nmであった。品質評価を行った結果、耐光性
は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性89
〜104°とバラツキが大きく、目標の95°を満足で
きなかった。
【0038】比較例7 下地層成膜時の引き上げ速度を6mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は110nmであった。品質評価を行った結果、耐光性
は74°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性89
〜103°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足で
きなかった。
【0039】比較例8 下地層成膜時の引き上げ速度を7mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は120nmであった。品質評価を行った結果、耐光性
は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性74
〜89°とバラツキが大きく、目標の95°を満足でき
なかった。
【0040】比較例9 下地層成膜時の引き上げ速度を8mm/秒とした以外
は、実施例4と同じ方法で行った。なお、下地層の膜厚
は150nmであった。品質評価を行った結果、耐光性
は75°で高い耐久性を示したが、耐トラバース性70
〜102°とバラツキが大きく、目標の95゜を満足で
きなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、フロートガラスのトップ面と
ボトム面を区別せずに双方に対して同等又は同等以上の
撥水性能が得られるとともに耐久性にも優れた撥水性ガ
ラスを、簡単な方法で安価に製造することができ、各種
のニーズに応じて自由に選択でき広範囲の撥水ガラスに
適用できるという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱口 滋生 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB01 AC06 AC22 FA05 FB05 4H020 BA36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜厚が20〜45nmの範囲にある下地層
    が形成されたガラス表面に、フルオロアルキル(Rf)
    基含有シラン化合物を有効成分とする塗布液が塗布さ
    れ、該Rf基が該下地層表面に撥水性被膜が形成されて
    なることを特徴とする撥水性ガラス。
  2. 【請求項2】フロートガラスのトップ面に熱線反射被膜
    が形成され、且つ該ガラスのボトム面に撥水性被膜が形
    成されてなることを特徴とする請求項1記載の撥水性ガ
    ラス。
  3. 【請求項3】フロートガラスのボトム面に撥水性被膜が
    形成された撥水性ガラスのトップ面と他のフロートガラ
    スのトップ面同士が、合わせフィルムを介して積層され
    てなることを特徴とする請求項1乃至2記載の撥水性ガ
    ラス。
  4. 【請求項4】フロートガラス表面に膜厚20〜45nm
    の下地層を形成する工程と、該下地層の上面にフルオロ
    アルキル基含有シラン化合物を有効成分とする溶液を加
    水分解および重縮合して調整してなる撥水液を塗布する
    工程と、次いで該撥水液に含まれるフルオロアルキル基
    含有シランを該下地層表面に撥水性被膜を形成する硬化
    工程とからなることを特徴とする撥水性ガラスの製法。
  5. 【請求項5】下地層は、撥水液を塗布する前に酸性水溶
    液に浸漬して酸処理されてなることを特徴とする請求項
    4記載の撥水性ガラスの製法。
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