JP2000086092A - 線材用スプール - Google Patents

線材用スプール

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JP2000086092A
JP2000086092A JP10257400A JP25740098A JP2000086092A JP 2000086092 A JP2000086092 A JP 2000086092A JP 10257400 A JP10257400 A JP 10257400A JP 25740098 A JP25740098 A JP 25740098A JP 2000086092 A JP2000086092 A JP 2000086092A
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flange
spool
wire
wire rod
flanges
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JP10257400A
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Tetsuya Hattori
哲也 服部
Shojiro Oya
正二郎 大家
Shinji Komatsu
伸二 小松
Kenji Muraji
健二 連
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/50Storage means for webs, tapes, or filamentary material
    • B65H2701/51Cores or reels characterised by the material
    • B65H2701/511Cores or reels characterised by the material essentially made of sheet material
    • B65H2701/5114Metal sheets

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  • Storage Of Web-Like Or Filamentary Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線材の品質保特性が優れており、線材を円滑
に引き出すことができると共に、リサイクル性が良好で
ある線材用スプールを提供する。 【解決手段】 1対のフランジ2は対向して配置され、
中央部に支持軸が挿通される孔2cが設けられており、
アルミニウム又はアルミニウム合金板からなる。8本の
胴柱部材3は孔2cの中心を中心とする円輪上の位置で
フランジ2間を掛け渡すようにその両端部でフランジ2
に連結されている。この胴柱部材3とフランジ2との接
続部は孔2cの中心を中心とする円輪上にあり、フラン
ジ2には放射状に延びるように形成された複数本のリブ
2bが設けられている。このリブ2bの延長線上に胴柱
部材3の接続部がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅線及び溶接線ワイ
ヤ等のような中実線材並びにパイプのような中空線材が
巻回される線材用スプールに関し、特に、円滑に線材を
引き出すことができる線材用スプールに関する。なお、
本発明において、金属という場合は合金も含むものであ
る。
【0002】
【従来の技術】銅線及び溶接用ワイヤ等のような中実線
材並びにパイプのような中空線材は、一般的に、裸コイ
ルの形又はスプールに巻回されたコイルの形で使用され
ている。しかし、裸コイルは、搬送中にコイル層が乱れ
たり、溶接機への取付操作が煩雑であるという欠点を有
するので、近時、スプール巻きコイルが広く使用されて
いる。特に、細径の線材においては、大部分がスプール
に巻回されたコイルの形で使用されている。
【0003】ところで、線材用スプールの分野において
は、従来より、成形性及びコストの面からプラスティッ
ク製のものが使用されており、これらのスプールは通
常、回収されることなく廃棄処分されている。この廃棄
処分の方法として、例えば、焼却法によって廃棄する
と、有毒ガスが発生することにより環境が汚染されると
いう問題点が発生する。また、埋め立て法により廃却す
ると、埋め立て用の土地を確保する必要がある。
【0004】そこで、巻取枠が金属線材によって構成さ
れた線材用(溶接ワイヤ用)スプールが提案されている
(特間昭52−1275号公報、特開昭56−6638
9号公報)。図4は特開昭56−66389号公報に記
載された従来の線材用スプールの形状を示す斜視図であ
る。図4に示すように、スプール21は、8個の巻芯構
成部材22を有している。この巻芯構成部材22は軸構
成部22a及びフランジ構成部22bからなり、1本の
鋼線を折り曲げ加工することにより形成されたものであ
る。フランジ構成部22bは、扇形の外周に沿う形状を
有しており、1対のフランジ構成部22bは、1本の軸
構成部22aにより連結されている。そして、これらの
8個の巻芯構成部材22が組み合わされて、互いに溶接
接合されることにより、スプール21が形成されてい
る。
【0005】このようにスプール21が鋼線により構成
されていると、プラスティック製スプールと比較して、
廃棄処分の問題点を解決することができる。
【0006】この図4に示す形状と異なる形状を有する
スプールとして、従来、金属板からなるフランジを有す
るワイヤ用スプールが提案されている(実開昭54−7
3317号公報)。図5はこの公報に記載された従来の
ワイヤ用スプールを示す正面図である。金属板からなる
フランジ23は中央に孔28を有していると共に、この
内縁部にボス部23bが形成されている。また、フラン
ジ23には、ボス部23bから放射状に延びるように、
ボス部23bと同様に膨出されたリブ23aが形成され
ている。更に、ボス部23bの外側には、各リブ23a
の間に扇形孔26が設けられている。そして、対向して
配置された1対のフランジ23同士は、円筒状の巻胴2
5及びこの巻胴25の内部に挿通された1対の管軸24
により連結されている。従って、管軸24がスプールの
軸孔27となっており、巻胴25は扇形孔26よりも外
側に配置されている。
【0007】このように構成されたワイヤ用スプールに
おいては、フランジを金属板により形成しているので、
図3に示すスプールと比較してスプールの強度を向上さ
せることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示すスプール21を使用すると、以下に示す問題点が発
生する。先ず、第1の問題点について説明する。スプー
ル21に巻回されることにより、多層に積層された線材
において、上層側に積層された線材には巻締め力が働い
ているので、上層側の線材は、常時、下層側に積層され
た線材の谷間に落ち込もうとする力を有している。従っ
て、スプール21の吊り下げ搬送時、特に、フランジ構
成部22bの外周側を掴んで片手で持ち上げる場合、又
はスプール21の落下衝撃時に、フランジ構成部22b
により構成されたフランジに対してフランジ間の間隔が
拡げられる方向に外力が与えられると、上層側の線材が
直ちに下層側の線材に落ち込むように食い込むことがあ
る。
【0009】また、極めて大きい外力がスプール21に
対して与えられると、線材が高密度で巻回された状態が
崩れて、上層と下層とが不整列な状態になることがあ
る。このように、上層側の線材が下層側の線材に食い込
んだり、上層と下層とが不整列な状態になると、線材を
円滑に引き出すことができなくなり、引き出された線材
に屈曲部が形成されることがある。また、吊り下げ搬送
時又は落下衝撃時の外力がスプール21に与えられない
場合であっても、線材を引き出す際に、この線材に引張
力が働いて線材が絡まることがある。
【0010】次いで、第2の問題点について説明する。
スプール21は鋼線により構成されているので、スプー
ル21に線材を巻回した場合に、その線材は大気に暴露
される面積が大きくなる。従って、線材が巻回されたス
プール21には、これらの全体を覆うために、包装フィ
ルムによるヒートシュリンク包装が施されている。しか
し、この包装フィルムに一部でも欠陥が生じている場合
には、大気中に含有される水分及び酸素等が線材及びス
プール全体に拡散して、線材に腐食が発生する虞があ
る。
【0011】ところで、前記第1の問題点の解決を図っ
たスプールとして、溶接ワイヤ巻回用リールが実開平3
−7078号公報に開示されている。これは、対向して
配置されたフランジ間が外力によって拡がるという現象
を回避するのではなく、このフランジ間の広がりを想定
してフランジの形状を規定したものである。即ち、この
溶接ワイヤ巻回用リールにおいては、線材を巻回する前
のフランジ周縁部におけるフランジ間の間隔が、リール
軸の近傍におけるフランジ間の間隔よりも予め狭く形成
されている。
【0012】このように構成されたリールに溶接ワイヤ
を巻回すると、ワイヤの押圧力によってフランジ間の間
隔が拡がり、対向するフランジ同士が平行な状態とな
る。そして、この状態において線材は密巻き状態とな
る。このように、フランジには、常に、フランジ間の間
隔が拡げられる方向に線材からの押圧力が与えられて、
フランジ間の間隔が拡がっている。従って、フランジに
対して通常よりも大きな外力が与えられないと、フラン
ジ間の間隔がより一層拡げられることはない。その結
果、フランジに対して通常与えられる程度の外力が与え
られても、フランジ間の間隔は拡がりにくくなり、上層
の線材が下層の線材間に落ち込むことを防止することが
できる。
【0013】しかし、この線材用ワイヤ巻回リールを使
用して線材を巻回する場合には、以下に示す問題点が発
生する。即ち、線材をリールに巻回した後においても、
対向するフランジ同士が平行な状態にならず、フランジ
の周縁部におけるフランジ間の間隔が、リール軸の近傍
におけるフランジ間の間隔よりも狭くなることがある。
このような現象は、リールを構成する部材の寸法精度、
接合精度並びにリールに巻回される線材の強度及び線材
の径の寸法精度等が不良になることにより発生する。フ
ランジの周縁部におけるフランジ間の間隔が狭くなる
と、線材を巻解く際に線材がフランジの周縁部に引っか
かり、円滑に線材を巻解くことができなくなり、線材に
屈曲部が形成される虞がある。従って、上述の溶接用ワ
イヤ巻回用リールを使用する場合には、リールを構成す
る部材の寸法精度、接合精度並びにリールに巻回される
線材の強度及び線材の径の寸法精度等を厳密に制御する
必要がある。
【0014】更に、図5に示すワイヤ用スプールは、構
造が複雑であると共に、図4に示すスプールと比較して
重量が極めて大きくなるという問題点を有している。ま
た、1対のフランジ23の間に管軸24と巻胴25とが
2重構造で連結されており、この巻胴25は管軸24よ
りも大径であって、線材はこの巻胴25に巻回されるの
で、線材の巻回量が制限される。更に、線材をスプール
に巻回する際には、線材の先端を曲げて巻胴25の一部
に掛止する必要があるが、図5に示すワイヤ用スプール
は巻胴25が円筒部材により構成されているので、この
スプールを使用する場合には、巻胴25に線材を掛止す
る部分を設けるための加工が必要となる。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、線材の品質保特性が優れており、線材を円
滑に引き出すことができると共に、リサイクル性が良好
である線材用スプールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る線材用スプ
ールは、対向して配置され中央部に支持軸が挿通される
孔が設けられた金属板からなる1対のフランジと、前記
孔の中心を中心とする円輪上の位置で前記フランジ間を
掛け渡すようにその両端部で前記フランジに連結された
複数本の胴柱部材と、前記フランジに放射状に延びるよ
うに形成された複数個の凹凸部とを有することを特徴と
する。
【0017】この線材用スプールにおいて、前記胴柱部
材と前記フランジとの接続位置は、前記凹凸部の延長上
にあることが好ましい。そして、その延長線上に前記胴
柱部材の接続位置がある凹凸部と、前記接続位置がない
凹凸部とが交互に配列されていることが好ましい。ま
た、前記延長線上に胴柱部材の接続位置がある凹凸部の
長さは、前記接続位置がない凹凸部よりも短いことが好
ましい。
【0018】更に、前記フランジの外周縁に巻き込みビ
ードが形成され、前記フランジの内周縁に巻き込みビー
ドが形成されていることが好ましい。巻き込みビード
は、フランジの端面を巻き込むように折り曲げる加工を
施したものであり、断面が環状に形成されているもので
ある。フランジ外周部に巻き込みビードを設けることに
より、フランジ外周側の撓みが防止され、線材巻き終わ
り側、即ちフランジ外周部に巻き込みビードを設けるこ
とにより、フランジ外周部の撓みを防止することができ
る。これにより、ハンドリング時にフランジが変形する
ことを防止することができる。フランジの外周部及び内
周部の双方に巻き込みビードを設けることにより、その
防撓効果が一層発揮される。なお、巻き込みビードの寸
法は、巻き込みビードの径d(管状部の直径)がフラン
ジの板厚(素板の板厚)tの1.5乃至8倍とすること
が強度向上の観点から好ましい。
【0019】更にまた、前記凹凸部は前記フランジの外
面に突出する凸部であり、この凸部の総面積は、前記フ
ランジの全面積の30%以上であることが好ましい。フ
ランジに設けられる凹凸部は内周側に突出してもよい
が、外周側に突出させると、コイルの巻数を増加させる
ことができると共に、線材をより密に巻くことができる
ため、スプールを小型化することもできる。この場合
に、凸部の面積率をフランジ全面積の30%以上とする
ことが、強度向上の観点から好ましい。なお、この面積
率とは、フランジの見掛面積(フランジ外径をDとする
と、πD2/4)に対する凸部を平面図に投影した場合
の総投影面積の比率をいう。
【0020】更にまた、前記凹凸部の高さ又は深さh
と、前記フランジの板厚tとの比h/tは、スプールの
重量と所要強度との関係から、2.5乃至10であるこ
とが好ましく、前記フランジ外周縁部及び前記フランジ
内周縁部の巻き込みビードは、板厚tの1.5乃至8倍
の中心径を有することが好ましい。
【0021】更にまた、前記フランジには、隣接する前
記凹凸部間を接続するように横凹凸部が形成されている
ことが好ましい。これにより、フランジ強度を一層高め
ることができる。このような横凹凸部としては、フラン
ジ内周部にその周方向に延びるように形成することがで
きる。
【0022】本発明においては、フランジに放射状に延
びる複数本の凹凸部を形成したので、これがリブとして
作用し、フランジが補強される。これにより、線材を巻
回したときに、フランジが外側に拡がろうとする力に対
する抵抗力が増大し、フランジの拡がりを防止すること
ができる。
【0023】更に、フランジが外側に拡がるとき、胴柱
部材の接合部が支点となるため、これを阻止するように
放射状のリブのフランジ中心側の先端部を、胴柱部材の
中心を結ぶ円弧(中心線)の内側に位置させることが効
果的である。
【0024】更にまた、放射状の前記凹凸部の隣接する
もの同士が、例えばフランジ周方向に延びる横凹凸部に
より接続されていると、フランジの1点に外側に拡がろ
うとする力が印加された場合にも、それに対して大きな
抵抗力となる。
【0025】更に、前記フランジ及び前記胴柱部材はア
ルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好まし
い。
【0026】本発明においては、フランジが金属板によ
り形成されているので、その強度が著しく高められると
共に、スプールに巻回された線材の大気との接触面積を
低減することができる。
【0027】以上のようにして、フランジの変形を防止
することができ、これにより、スプールに巻回された線
材を円滑に引き出すことができると共に、線材の品質保
特性が向上して線材を保護するためのコストを低減する
ことができる。
【0028】また、本発明においては、複数本の胴柱部
材のみによってフランジ同士を連結しており、スプール
を支持するための支持軸と線材を巻回するための巻胴等
との2重構造にする必要がないので、スプールの構造が
単純化されて軽量になると共に、巻胴によって線材の巻
回量が制限されることがない。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る線材
用スプールについて、添付の図面を参照して具体的に説
明する。図1(a)は本発明例に係る線材用スプールを
示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。ま
た、図2(a)は図1(a)のB−B線に沿う断面図で
あり、図2(b)は図1(a)のC−C線に沿う断面図
である。図1及び図2に示すように、フランジ2は金属
板を加工することにより成形されたものであり、その中
央部にはバーリング加工により支持軸挿通孔2cが設け
られていると共に、フランジの内周側部分にはバーリン
グ加工により複数個の胴柱部材接続用孔2dが形成され
ている。この胴柱部材接続用孔2dは、支持軸挿通孔2
cの中心を中心とする円輪上の8等配の位置に設けられ
ている。
【0030】支持軸挿通孔2cに面する端部には、フラ
ンジ2の外面側に向かって立ち上がったつば2fが設け
られている。また、胴柱部材接続用孔2dの周縁部に
も、フランジ2の外面側に向かって立ち上がり、更に孔
2dの外側でフランジ側に折り返されて形成されたつば
2eが設けられている。
【0031】また、フランジ2の外周緑部には、その端
縁がフランジ2の外面側に巻き込まれた形状の巻き込み
ビード2aが形成されている。
【0032】更に、フランジ2には、支持軸挿通孔2c
の中心から放射状に延びる形状で膨出した複数本のリブ
(凸部)2bが形成されている。このリブ2bは円板状
のフランジ2からその外側に膨出するように突出してお
り、この凸部によりフランジ間に巻回される線材の整列
巻きを阻害しないようになっている。
【0033】そして、対向して配置された1対のフラン
ジ2同士は、円筒パイプからなる8本の胴柱部材3によ
って連結されている。即ち、胴柱部材3はバーリング加
工が施された胴柱部材接続用孔2dに挿入されることに
より、胴柱部材3がフランジ2に対して垂直に配置され
ており、その端部が孔2dの外側に向かって折り込まれ
ることにより、胴柱部材3とフランジ2とが機械的に接
合されている。これにより、胴柱部材3はフランジ2同
土を架け渡すようにフランジ間に延びている。また、こ
れらの8本の胴柱部材3とフランジ2との連結点(孔2
d)は、孔2cの中心を中心とする円輪上にあるので、
胴柱部材3の包絡線は、孔2cを中心とする円に一致す
る。このように、胴柱部材3はフランジ中央部に設けら
れ、支持軸が挿通される支持軸挿通孔2cの中心から略
一定の距離に配置される。しかし、強度を更に一層向上
させるために、支持軸挿通孔2cを中心とする円輪上だ
けではなく、それ以外の数カ所の位置に補助的に胴柱部
材を設けてもよい。
【0034】このように構成された線材用スプール1に
おいては、線材は胴柱部材3の周囲に巻回される。この
線材の巻回により、フランジ2には外側に拡がろうとす
る力が作用するが、本実施例においては、フランジ2に
リブ2bが設けられており、しかもフランジ2は金属板
を加工することにより形成されているので、従来の鋼線
により構成されたフランジ(図4)と比較して、その強
度は著しく高められる。これにより、外力によってフラ
ンジ2の周緑部におけるフランジ間の間隔が広くなるこ
とを防止することができるので、スプール1に巻回され
た上層の線材が下層の続材間に落ち込むことがない。従
って、スプール1に巻回された線材を円滑に引き出すこ
とができる。また、リブ2bが放射状に延びていること
によって、フランジ2が外側に拡がる力に対する抵抗力
が高められる。
【0035】更に、スプール1に巻回された線材は、金
属板により形成されたフランジ2によって大気から保護
されており、線材が大気と接触する部分は、巻回された
線材の内面と最外周面のみとなる。従って、本実施例に
おいては、線材の品質保持性が良好であると共に、線材
が大気と接触する部分のみにシュリンク包装又はこれに
相当する包装を施すことによって線材を保護することが
できるので、従来のワイヤ用スプールと比較して、線材
を保護するためのコストを低減させることができる。
【0036】なお、例えば、実開平3−7078号公報
に示すように、線材を巻回する前において、予め、フラ
ンジ2の周縁部におけるフランジ間の間隔が狭くなるよ
うに形成する場合に、フランジ2は金属板のプレス加工
によって成形されるので、フランジ間の間隔を安定して
高精度に調整することができる。従って、線材をスプー
ルに巻回後に、フランジの周緑部におけるフランジ間の
間隔が、支持軸用孔2cの近傍におけるフランジ間の間
隔よりも狭くなることがない。これにより、フランジ間
の間隔を予め狭く形成していても、線材を巻回した後に
フランジ同士が平行になるように容易に調整することが
でき、線材を円滑に引き出すことができる。
【0037】また、図4に示す従来のワイヤ用スプール
においては、管軸24と巻胴25とによりフランジ23
同士が連結されており、これらの管軸24及び巻胴25
が重量を増加させていた。また、管軸24の外側に、管
軸24よりも大径の巻胴25が配置されているので、線
材の巻回量が制限されていた。しかし、本実施例におい
ては、複数本の円筒パイプからなる胴柱部材3に線材が
巻回される構造を有しており、また、このスプール1を
支持する支持軸は、フランジ2に設けられた支持軸挿通
用孔2cに挿通される。従って、管軸24及び巻胴25
の代わりに、複数本の胴柱部材3のみによりフランジ2
同士が連結されているので、スプールの構造が単純化さ
れて軽量になると共に、巻胴によって線材の巻回量が制
限されることがない。
【0038】更に、スプール1は単純な構造で構成され
ているので、フランジ2と胴柱部材3とを機械的に接合
するだけで製造されることができ、これらは溶接によっ
て接合する必要はない。即ち、本実施例に示すように、
フランジ2と胴柱部材3とが機械的に接合されている
と、溶接部の損傷による部材間の分離を防止することが
でき、取扱いが容易になる。
【0039】しかし、本発明においては、スプールはこ
れらの寸法及び構成に限定されるものでなく、例えば、
円柱状の胴柱部材を使用することもでき、その本数も増
減が可能である。また、本実施例に示すように、フラン
ジ2に形成されたリブ2b及びその周縁部に形成された
巻き込みビード2a等によって、フランジ2を高強度化
することができるので、フランジ薄肉化することがで
き、これによりスプールを軽量化することができる。更
に、円柱状の胴柱部材を使用する場合と比較して、円筒
状の胴柱部材を使用すると、より一層スプールを軽量化
するとができる。本発明において、スプールは金属によ
り構成されていれば、その材料は限定されないが、アル
ミニウム又はアルミニウム合金によりスプールを構成す
ると、その重量をより一層軽量化することができると共
に、リサイクル性を向上させることができる。
【0040】次に、図3を参照して本発明の他の実施例
について説明する。本実施例のスプール10はフランジ
12にその中心から放射状に延びるリブ13が形成され
ていると共に、このリブ13はフランジ12の内周部側
でフランジ周方向に延びるリブ16によって接続されて
いる。また、胴柱部材接続用孔14がリブ13内に設け
られていると共に、この胴柱部材接続用孔の中心を結ぶ
円弧(中心線)15よりもリブ13のフランジ中心側の
端部が内側に位置している。
【0041】このように構成された実施例においては、
放射状のリブ13のフランジ中心側の先端部を、胴柱部
材(胴柱部材接続用孔14)の中心を結ぶ中心線15の
内側に位置させているので、フランジ12がワイヤの巻
回により外側に拡がる力を印加されて、胴柱部材との接
合部を支点として拡がろうとしても、リブ13によりこ
れを阻止することができる。
【0042】また、放射状のリブ13の隣接するもの同
士がフランジ周方向に延びるリブ16により接続されて
いるので、フランジの1点に外側に拡がろうとする力が
印加された場合にも、それに対して大きな抵抗力とな
る。
【0043】このように、本実施例においては、リブ1
3が放射状に延びていることによって、フランジ12が
外側に拡がる力に対する抵抗力が高められると共に、こ
の抵抗力は放射状のリブ13の先端が胴柱部材接続用孔
14の中心線15の内側に位置することによってその効
果を高めることができ、また、放射状のリブ13の一部
又は全部をリブ16によって連結することによって、そ
の効果を更に高めることができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
フランジが放射状に延びる凹凸部を有する金属板により
形成されているので、その強度が著しく高められてお
り、フランジの拡がりに対する抵抗力が高く、スプール
に巻回された線材を円滑に引き出すことができると共
に、線材の品質保持性を向上させることができる。ま
た、フランジ及び胴柱部材が金属からなるのでプラステ
ィック製のスプールと比較してリサイクル性を向上させ
ることができる。更に、フランジの周縁部に巻込みビー
ドが形成されていると、フランジの強度をより一層向上
させることができ、これにより、スプールを軽量化する
ことができる。また、フランジ及び前記胴柱部材をアル
ミニウム又はアルミニウム合金により形成すると、スプ
ールを更に一層軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例に係る線材用スプール
を示す正面図であり、(b)はその平面図である。
【図2】(a)は図1(a)のB−B線に沿う断面図で
あり、(b)は図1(a)のC−C線に沿う断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例を示す線材用スプールの正
面図である。
【図4】従来の線材用スプールの形状を示す斜視図であ
る。
【図5】従来のワイヤ用スプールを示す平面図である。
【符号の説明】
1、10、21;スプール 2、12、23;フランジ 2a;巻込みビード 2b、23a、13、16;リブ 2c;支持軸挿通用孔 2d、14;胴柱部材接続用孔 3;胴柱部材 22;巻芯構成部材 22a;軸構成部 22b;フランジ構成部 24;管軸 25;巻胴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 伸二 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 連 健二 大阪府茨木市東宇野辺町2番19号 株式会 社神戸製鋼所茨木工場内 Fターム(参考) 3F058 AA04 AB02 AB03 AC06 BB12 CA01 DA05 DB15 DC04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置され中央部に支持軸が挿通
    される孔が設けられた金属板からなる1対のフランジ
    と、前記孔の中心を中心とする円輪上の位置で前記フラ
    ンジ間を掛け渡すようにその両端部で前記フランジに連
    結された複数本の胴柱部材と、前記フランジに放射状に
    延びるように形成された複数個の凹凸部とを有すること
    を特徴とする線材用スプール。
  2. 【請求項2】 前記胴柱部材と前記フランジとの接続位
    置は、前記凹凸部の延長上にあることを特徴とする請求
    項1に記載の線材用スプール。
  3. 【請求項3】 その延長線上に前記胴柱部材の接続位置
    がある凹凸部と、前記接続位置がない凹凸部とが交互に
    配列されていることを特徴とする請求項2に記載の線材
    用スプール。
  4. 【請求項4】 前記延長線上に胴柱部材の接続位置があ
    る凹凸部の長さは、前記接続位置がない凹凸部よりも短
    いことを特徴とする請求項3に記載の線材用スプール。
  5. 【請求項5】 前記フランジの外周縁に巻き込みビード
    が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の線材用スプール。
  6. 【請求項6】 前記フランジの内周縁に巻き込みビード
    が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の線材用スプール。
  7. 【請求項7】 前記凹凸部は前記フランジの外面に突出
    する凸部であり、この凸部の総面積は、前記フランジの
    全面積の30%以上であることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の線材用スプール。
  8. 【請求項8】 前記凹凸部の高さ又は深さhと、前記フ
    ランジの板厚tとの比h/tは2.5乃至10であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    線材用スプール。
  9. 【請求項9】 前記フランジ外周縁部の巻き込みビード
    は、板厚tの1.5乃至8倍の中心径を有することを特
    徴とする請求項5に記載の線材用スプール。
  10. 【請求項10】 前記フランジ内周縁部の巻き込みビー
    ドは、板厚tの1.5乃至8倍の中心径を有することを
    特徴とする請求項6に記載の線材用スプール。
  11. 【請求項11】 前記凹凸部のフランジ中心側の先端部
    を、前記胴柱部材の中心を結ぶ円弧の内側に位置させた
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記
    載の線材用スプール。
  12. 【請求項12】 前記フランジには、隣接する前記凹凸
    部間を接続するように横凹凸部が形成されていることを
    特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の線
    材用スプール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103418893A (zh) * 2013-08-16 2013-12-04 山东核电设备制造有限公司 中空环形构件的制造方法
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