JP2000085609A - 舵角速度検出装置およびそれを用いたパワーステアリング装置 - Google Patents

舵角速度検出装置およびそれを用いたパワーステアリング装置

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JP2000085609A
JP2000085609A JP26160898A JP26160898A JP2000085609A JP 2000085609 A JP2000085609 A JP 2000085609A JP 26160898 A JP26160898 A JP 26160898A JP 26160898 A JP26160898 A JP 26160898A JP 2000085609 A JP2000085609 A JP 2000085609A
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angular velocity
time
steering angular
pulse
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Masahiko Sakamaki
正彦 酒巻
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パワーステアリング装置のエネルギー効率を高
める。 【解決手段】舵角パルスのパルス幅PWが、パルスエッ
ジ間の時間を計時するタイマによって計測される。この
タイマの計時時間T(n)に基づいて、舵角速度検出値
θ′が、θ′=K/T(n)(Kは定数)により求められ
る。舵角速度が減速すると、タイマの計時時間T(n)
は、前回のパルス幅PWに相当する参照値T(n-1)を超
える。この場合、パルスエッジの入力を待たずに、舵角
速度検出値θ′が更新される。時間経過とともに、タイ
マの計時時間T(n)は増大していくから、舵角速度検出
値θ′は、すみやかに減少していく。 【効果】舵角速度の低下に伴って、電動モータの回転速
度をすみやかに減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パワーステアリ
ング装置などで用いられ、ステアリングの操舵速度であ
る舵角速度を検出するための舵角速度検出装置およびそ
れを組み込んだパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステアリング機構に結合され
たパワーシリンダにオイルポンプからの作動油を供給す
ることによって、ステアリングホイールの操作を補助す
るようにしたパワーステアリング装置が用いられてい
る。オイルポンプは、電動モータによって駆動され、そ
の回転速度に応じた操舵補助力がパワーシリンダから発
生される。
【0003】電動モータの駆動制御は、たとえば、ステ
アリングの操舵速度である舵角速度に基づいて行われ
る。すなわち、舵角速度が一定のしきい値未満であれ
ば、電動モータを所定の低速度で回転させるスタンバイ
モードとされ、舵角速度がそのしきい値を超えている場
合には、舵角速度にほぼ比例するモータ回転速度が設定
されるパワーモードとなって、この設定されたモータ回
転速度に基づいて電動モータの駆動制御が行われる。
【0004】舵角速度の検出には、舵角センサが用いら
れる。舵角センサには、光学式のものや磁気式のものが
あるが、いずれも、舵角が一定値だけ変化するたびに、
パルス信号を出力するように構成されている。したがっ
て、舵角センサの出力パルス幅を計測すれば、単位時間
当たりの舵角変化、すなわち舵角速度を求めることがで
きる。
【0005】図6は、従来技術による舵角速度検出の原
理を説明するためのタイムチャートである。図6(a)
は、舵角センサが出力する舵角パルスを表し、図6(b)
は、舵角速度検出値θ′を表す。舵角パルスは、マイク
ロコンピュータなどを含む制御装置に入力され、パルス
の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの間の時間T
が計測される。この時間Tと所定の定数Kとにより、舵
角速度検出値θ′が、下記第(1)式により演算される。
【0006】θ′=K/T ・・・・・・(1) この舵角速度検出値θ′の演算は、舵角パルスのエッジ
が検出される度に行われ、その都度、時間Tは零にリセ
ットされる。舵角変化がない場合には、舵角パルスのエ
ッジが検出されないから、図6において参照符号Aで示
すように、舵角速度検出値θ′は、従前の値に保持され
る。この間、電動モータの回転速度は従前の舵角速度検
出値θ′に応じた値に保持されることになる。このよう
な状態が長時間継続しては、電動モータが無駄に駆動さ
れ、省エネルギー性が損なわれるので、一定時間Tmax
(たとえば1秒)に渡ってパルスエッジの入力がない場
合には、Tおよびθ′をいずれも零にリセットすること
としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
技術においては、操舵が停止された後も、一定時間Tma
xの期間には、舵角速度検出値θ′が零になる保証がな
い。そのため、とくに、大きな舵角速度からすぐに操舵
停止状態に移行したような場合には、時間Tmaxに渡っ
て、電動モータが高速回転状態に保持されるおそれがあ
るから、無駄なエネルギー消費が避けられない。
【0008】そこで、この発明の目的は、舵角速度の低
下に良好に追従して舵角速度検出値を求めることができ
る舵角速度検出装置を提供することである。この発明の
さらに具体的な目的は、パワーステアリング装置のエネ
ルギー効率を高めることができ、その省エネルギー化に
寄与することができる舵角速度検出装置を提供すること
である。
【0009】また、この発明の他の目的は、エネルギー
効率が高く、省エネルギー性に優れたパワーステアリン
グ装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、舵角速度
に応じたパルス幅の舵角パルスを発生する舵角パルス発
生手段(11)と、この舵角パルス発生手段が出力する
舵角パルスのパルス幅を計測するパルス幅計測手段(3
0,40)と、このパルス幅計測手段によって計測され
たパルス幅に基づいて舵角速度検出値を演算する第1舵
角速度演算手段(30,S3)と、上記パルス幅計測手
段によるパルス幅計測の開始に同期して計時を開始する
計時手段(40)と、この計時手段の計時時間が上記パ
ルス幅計測手段による従前の計測結果に基づいて定めた
参照値(T(n-1))を上回ったならば、上記計時手段の
計時時間に基づいて舵角速度検出値を演算する第2舵角
速度演算手段(30,S8)とを含むことを特徴とする
舵角速度検出装置である。
【0011】請求項2記載の発明は、電動モータにより
駆動されるポンプの発生油圧によって操舵補助力を発生
させるパワーステアリング装置であって、請求項1記載
の舵角速度検出装置と、この舵角速度検出装置によって
求められた舵角速度検出値に基づいて上記電動モータを
駆動制御するモータ制御手段(30)とを含むことを特
徴とするパワーステアリング装置である。
【0012】なお、括弧内の数字は、後述の実施形態に
おける対応構成要素等の参照符号を示す。上記の構成に
よれば、パルス幅計測手段によってパルス幅が計測され
る度に、第1舵角速度演算手段によって舵角速度検出値
が演算され、これにより、基本的な舵角速度検出動作が
行われる。
【0013】その一方で、計時手段の計時時間がパルス
幅計測手段による従前の計測結果に基づいて定めた参照
値を上回ることにより、舵角速度が減速傾向にあること
が検出される。そこで、舵角速度が減速傾向にあること
が検出された場合には、パルス幅計測手段によるパルス
幅の計測結果の確定を待たずに、計時手段の計時時間に
基づいて、第2舵角速度演算手段が、舵角速度検出値を
求める。これにより、時間の経過に伴って、舵角速度検
出値をすみやかに減少させることができ、実際の舵角速
度の変化に良好に追従させることができる。
【0014】よって、舵角速度検出値に基づいて電動モ
ータを駆動制御する方式のパワーステアリング装置にお
いては、実際の舵角速度の変化を良好に反映して電動モ
ータを制御できるので、エネルギー効率を向上でき、省
エネルギー性の向上に寄与できる。パルス幅計測手段の
計測結果が確定すれば、その計測結果に対応した舵角速
度検出値が演算されるとともに、計時手段の計時時間は
リセットされ、この計時手段は、パルス幅計測手段によ
る次のパルス幅の計測に同期して計時動作を再開するこ
とになる。
【0015】なお、上記パルス幅計測手段と上記計時手
段とは、それぞれ別のタイマで実現することもできる
し、1つのタイマで実現することもできる。1つのタイ
マで実現する場合には、たとえば、舵角パルスの所定の
パルスエッジ(立ち上がりエッジおよび/または立ち下
がりエッジ)の入力に応答してタイマの計時時間をリセ
ットするようにしておけばよい。
【0016】また、上記参照値は、パルス幅計測手段に
よる前回の計測値であってもよいし、パルス幅計測手段
による直前の数回の計測値の移動平均値であってもよ
い。さらに、パルス幅計測手段は、舵角パルスの立ち上
がりエッジと立ち下がりエッジとの間の時間を計測する
ものであってもよいし、立ち上がりエッジから次の立ち
上がりエッジまでの時間を計測するものであってもよい
し、立ち下がりエッジから次の立ち下がりエッジまでの
時間を計測するものであってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的
な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装
置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、
このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのも
のである。
【0018】ステアリング機構1は、ドライバによって
操作されるステアリングホイール2と、このステアリン
グホイール2に連結されたステアリング軸3と、ステア
リング軸3の先端に設けられたピニオンギア4と、ピニ
オンギア4に噛合するラックギア部5aを有し、車両の
左右方向に延びたラック軸5とを備えている。ラック軸
5の両端にはタイロッド6がそれぞれ結合されており、
このタイロッド6は、それぞれ、操舵輪としての前左右
輪FL、FRを支持するナックルアーム7に結合されて
いる。ナックルアーム7は、キングピン8まわりに回動
可能に設けられている。
【0019】この構成により、ステアリングホイール2
が操作されてステアリング軸3が回転されると、この回
転がピニオンギア4およびラック軸5によって車両の左
右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、
ナックルアーム7のキングピン8まわりの回動に変換さ
れ、これによって、前左右輪FL、FRの転舵が達成さ
れる。
【0020】ステアリング軸3には、ステアリングホイ
ール2に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応
じてねじれを生じるトーションバー9と、トーションバ
ー9のねじれの方向および大きさに応じて開度が変化す
る油圧制御弁23とが組み込まれている。油圧制御弁2
3は、ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワー
シリンダ20に接続されている。パワーシリンダ20
は、ラック軸5に一体的に設けられたピストン21と、
ピストン21によって区画された一対のシリンダ室20
a、20bとを有しており、シリンダ室20a、20b
は、それぞれ、オイル供給/帰還路22a、22bを介
して、油圧制御弁23に接続されている。
【0021】油圧制御弁23は、さらに、リザーバタン
ク25およびオイルポンプ26を通るオイル循環路24
の途中部に介装されている。オイルポンプ26は、電動
式のモータ27によって駆動され、リザーバタンク25
に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁23に
供給する。余剰分の作動油は、油圧制御弁23からオイ
ル循環路24を介してリザーバタンク25に帰還され
る。
【0022】油圧制御弁23は、トーションバー9に一
方方向のねじれが加わった場合には、オイル供給/帰還
路22a、22bのうちの一方を介してパワーシリンダ
20のシリンダ室20a、20bのうちの一方に作動油
を供給する。また、トーションバー9に他方方向のねじ
れが加えられた場合には、オイル供給/帰還路22a、
22bのうちの他方を介してシリンダ室20a、20b
のうちの他方に作動油を供給する。トーションバー9に
ねじれがほとんど加わっていない場合には、油圧制御弁
23は、いわば平衡状態となり、作動油はパワーシリン
ダ20に供給されることなく、オイル循環路24を循環
する。
【0023】パワーシリンダ20のいずれかのシリンダ
室に作動油が供給されると、ピストン21が車幅方向に
沿って移動する。これにより、ラック軸5に操舵補助力
が作用することになる。油圧制御弁に関連する構成例
は、たとえば、特開昭59−118577号公報に開示
されている。
【0024】モータ27の駆動は、電子制御ユニット3
0によって制御される。電子制御ユニット30は、CP
U31と、CPU31のワークエリアなどを提供するR
AM32と、CPU31の動作プログラムを記憶したR
OM33と、CPU31、RAM32およびROM33
を相互接続するバス34とを備えるマイクロコンピュー
タを含む。
【0025】電子制御ユニット30には、舵角センサ1
1から出力される舵角パルスが与えられるようになって
いる。舵角センサ11は、ステアリングホイール2に関
連して設けられており、ステアリングホイール2が一定
角度だけ回転されるたびにパルスを出力するものであ
る。したがって、ステアリングホイール2の操舵速度に
相当する舵角速度に応じたパルス幅の舵角パルスが出力
されることになる。
【0026】舵角センサ11には、光学式のものや磁気
式のものなど種々の形態のものが適用可能である。光学
式の舵角センサは、たとえば、周縁に等間隔で小さな開
口を形成した回転板と、この回転板の上記開口を光学的
に検出する透過型または反射型の光学センサとにより構
成される。この場合、回転板をステアリングホイール2
の回転に連動して回転するように設けておけば、光学セ
ンサからは、開口のエッジでハイレベルとローレベルと
の間で反転するパルス信号が出力される。一対の光学セ
ンサを、回転板に対する角度位置をずらして配置してお
けば、位相の異なる一対のパルス信号を出力する2相式
のセンサを構成できる。ただし、この実施形態では、説
明を簡単にするために、1相の出力信号のみを出力する
1相式の舵角センサを例にとることにする。
【0027】電子制御ユニット30には、舵角センサ1
1からパルスエッジが入力されるたびにリセットされて
計時を開始するタイマ40が備えられている。このタイ
マ40は、たとえば、制御周期(たとえば、1ミリ秒)
ごとに+1ずつカウントアップするカウンタにより実現
され、舵角センサ11が出力する舵角パルスのパルス幅
を計測することになる。
【0028】電子制御ユニット30には、さらに、モー
タ27に流れる電流を検出する電流検出回路12からの
電流データが与えられるようになっている。電流データ
は、モータ27の消費電流値(モータ電流)に比例した
値を有する。さらに、電子制御ユニット30には、車速
センサ13から出力される車速データが与えられるよう
になっている。車速センサ13は、車両の速度を直接的
に検出するものでもよく、また、車輪に関連して設けら
れた車輪速センサの出力パルスに基づいて車両の速度を
計算により求めるものであってもよい。
【0029】電子制御ユニット30は、舵角センサ1
1、電流検出回路12および車速センサ13からそれぞ
れ与えられる舵角パルス、電流データおよび車速データ
に基づいて、電動モータ27の駆動を制御する。図2
は、舵角センサ11が出力する舵角パルスに基づいて電
子制御ユニット30が演算する舵角速度検出値θ′と、
これに基づいて定められるモータ回転速度指示値との関
係を示す図である。舵角速度検出値θ′が所定のしきい
値未満であれば、モータ回転速度指示値は所定の低速度
とされ、電動モータ27を所定の低速度で回転させるス
タンバイモードとなる。一方、舵角速度検出値θ′が、
そのしきい値を超えている場合には、舵角速度検出値
θ′の一次関数により表されるモータ回転速度指示値が
設定され、舵角速度が大きいほど電動モータ27は高速
回転されることになる。このような動作モードは、パワ
ーモードと呼ばれ、オイルポンプ26は、比較的大きな
油圧を発生する。
【0030】図3は、電子制御ユニット30による舵角
速度検出動作を説明するためのフローチャートである。
車両のイグニッションキースイッチが導通されると、電
子制御ユニット30は、初期化動作を行う(ステップS
1)。すなわち、タイマ40の計時時間T(n)および後
述の参照値T(n-1)を零にリセットし、舵角速度検出値
θ′を零にリセットする。この時点で、タイマ40は、
計時を開始することになる。
【0031】続いて、電子制御ユニット30は、舵角セ
ンサ11から舵角パルスのパルスエッジが入力されたか
どうかを判断する(ステップS2)。パルスエッジが入
力されたならば、下記第(2)式により、舵角速度検出値
θ′を演算する(ステップS3)。 θ′=K/T(n) ・・・・・・(2) ただし、Kは、定数である。
【0032】そして、電子制御ユニット30は、上記計
時時間T(n)を、直前の舵角パルスのパルス幅を表す参
照値T(n-1)に代入し(ステップS4)、その後、計時
時間T(n)をリセットしてタイマ40の計時動作を再開
させる(ステップS5)。一方、ステップS2でパルス
エッジが検出されなかった場合には、タイマ40の計時
時間T(n)が最長検出時間Tmax(たとえば1秒)を超え
ているかどうかが判断される(ステップS6)。もし
も、計時時間T(n)が最長検出時間Tmaxを超えているな
らば、計時時間T(n)、参照値T(n-1)および舵角速度検
出値θ′をいずれも零にリセットして、ステップS2か
らの処理を繰り返す(ステップS1)。
【0033】ステップS6において、計時時間T(n)が
最長検出時間Tmax以下であると判断されると、さら
に、計時時間T(n)が1回前の計時時間を表す上述の参
照値T(n-1)を超えているかどうかが判断される(ステ
ップS7)。もしも、計時時間T(n)が参照値T(n-1)を
超えていなければ、ステップS2からの処理を繰り返
す。一方、計時時間T(n)が参照値T(n-1)を超えていれ
ば、上記第(2)式に従って角速度検出値θ′を演算する
(ステップS8)。このとき、タイマ40の計時時間T
(n)のリセットは行われず、この計時時間T(n)は、時間
の経過とともに、引き続き増加していく。
【0034】図4は、動作を説明するためのタイムチャ
ートである。図4(a)は舵角センサ11から出力される
舵角パルスを表し、図4(b)は、舵角速度検出値θ′の
時間変化を表している。舵角パルスの立ち上がりエッジ
と立ち下がりエッジとの間のパルス幅PWは、パルスエ
ッジごとにリセットされるタイマ40によって計測され
る。そして、このパルス幅PW(パルスエッジが入力さ
れたときの計時時間T(n)により表される。)に応じた
舵角速度検出値θ′が上述の処理によって求められるこ
とになる。
【0035】時刻t1以前の期間においてほぼ一定の速
度で操舵が行われていて、この時刻t1で操舵が停止さ
れた場合を想定する。この場合に、時刻t1以前におけ
る舵角速度検出値θ′はほぼ一定の値Cをとり、これは
実際の舵角速度を正確に反映している。時刻t1以後
は、舵角センサ11はパルスエッジを出力しないので、
参照符号A1で示すように、舵角速度検出値θ′は引き
続き値Cをとり続けることとなり、実際の舵角速度を反
映することができなくなる。しかし、この実施形態にお
いては、図3のステップS7,S8に表された処理によ
り、タイマ40の計時時間T(n)が前回のパルス幅に対
応した参照値T(n-1)を超えると、タイマ40の計時時
間T(n)に基づいて、舵角速度検出値θ′の更新が開始
される。すなわち、図3のステップS7→S8→S2→
S6の処理の処理が繰り返し行われる結果、図4におい
て参照符号A2で示すように、計時時間T(n)の増加に
伴って、舵角速度検出値θ′はすみやかに減少してい
く。
【0036】そして、時刻t1から最長検出時間Tmax
が経過するまでパルスエッジの入力がなければ、図3の
ステップS6,S1の処理によって、舵角速度検出値
θ′は零にリセットされることになる。また、時刻t1
から最長検出時間Tmaxが経過する前に操舵が再開され
て、パルスエッジE1が入力された場合には、図4にお
いて二点鎖線で示すように、その時点からタイマ40に
よるパルス幅の計測が再開され、次のパルスエッジE2
が入力されると、そのときのタイマ40の計時時間T
(n)に基づいて、舵角速度検出値θ′が演算されること
になる。パルスエッジE1,E2の間の期間における舵
角速度検出値θ′は、パルスエッジE1が入力されたと
きの計時時間T(n)に基づいて求められることになる。
【0037】以上のようにこの実施形態によれば、タイ
マ40の計時時間T(n)が1回前のパルス幅(参照値T
(n-1))を上回った場合に、舵角速度が減速されたもの
と判断し、その時点で舵角速度検出値θ′の更新を開始
して、この舵角速度検出値θ′をすみやかに減少させる
ようにしている。そのため、舵角速度が減速された場
合、舵角速度検出値θ′に基づいて定められるモータ回
転速度をすみやかに低下させることができ、とくに操舵
が停止された場合には、電動モータ27の動作状態をす
みやかにスタンバイモードとすることができる。
【0038】このようにして、電動モータ27の無駄な
駆動が防がれるから、エネルギー効率を向上することが
でき、省エネルギー性を向上できる。以上、この発明の
一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態
でも実施することができる。たとえば、上述の実施形態
では、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの間の時
間を計測することによって舵角パルスのパルス幅を計測
しているが、立ち上がりエッジ同士の間または立ち下が
りエッジ同士の間の時間を計測することによってもパル
ス幅の計測が可能である。
【0039】また、上記の実施形態では、1相式の舵角
センサを用いる場合について説明したが、2相式の舵角
センサを用いる場合にも、本発明を同様に適用できる。
たとえば、2相式の舵角センサは、図5(a)(b)に示すよ
うに、位相がたとえば90度だけずれたパルス信号を出
力するが、この場合には、たとえば、2つの位相の信号
の排他的論理和をとって、図5(c)のような舵角パルス
を作成し、この舵角パルスのパルスエッジを捕らえてパ
ルス幅を計測すればよい。むろん、図5(a)および(b)の
いずれか1相のみを用いて舵角速度を検出することも可
能であり、この場合には、1相式の舵角センサを用いる
場合と同様にしてパルス幅を測定できる。また、2相の
信号の各立ち上がりエッジ間の時間、2相の信号の各立
ち下がりエッジ間の時間、一方の信号の立ち上がりエッ
ジから他方の信号の立ち下がりエッジまでの時間、また
は、一方の信号の立ち下がりエッジから他方の信号の立
ち上がりエッジまでの時間を計測することによっても、
実質的に、舵角パルスのパルス幅の計測が可能である。
【0040】さらに、上述の実施形態では、1回前のパ
ルス幅に相当する参照値T(n-1)を基準に、舵角速度が
減速したかどうかの判断を行っているが、たとえば、前
回までのパルス幅の移動平均を減速判断のための参照値
として採用することもできる。具体的には、直前の4回
の移動平均をとる場合には、下記第(3)式の値を上記参
照値T(n-1)の代わりに用いればよい。
【0041】
【数1】 ただし、この場合、T(n-1)は、1回前のパルス幅を表
す変数を表すものとし、同様に、T(n-2)は、2回前の
パルス幅を表す変数であり、T(n-3)は、3回前のパル
ス幅を表す変数であり、T(n-4)は、4回前のパルス幅
を表す変数である。
【0042】また、上述の実施形態では、パルスエッジ
が最後に入力されてから最長検出時間Tmaxが経過した
時点で、舵角速度検出値θ′を零にリセットすることに
しているが、この処理を省いても、舵角速度検出値θ′
をすみやかに減少させることができるので、大きな問題
はない。とくに、舵角速度がある一定値未満となったこ
とに応答して電動モータ27をスタンバイモードに移行
させることとしている場合には、実質的な問題はないと
言える。ただし、タイマ40の計時時間T(n)が最長検
出時間Tmaxに達した時点で舵角速度検出値θ′を零に
リセットするようにした方が、無駄な演算が行われない
ので、制御動作が安定する。
【0043】これらの変形の他、特許請求の範囲に記載
された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る舵角速度検出装置が
適用されたパワーステアリング装置の基本的な構成を示
す概念図である。
【図2】舵角速度検出値と電動モータの回転速度指示値
との関係を示す図である。
【図3】電子制御ユニット30による舵角速度検出動作
を説明するためのフローチャートである。
【図4】舵角速度検出動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図5】2相式舵角センサの場合における舵角パルスの
パルス幅の検出原理の一例を説明するための波形図であ
る。
【図6】従来技術に係る舵角速度検出を説明するための
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリング機構 2 ステアリングホイール 11 舵角センサ 20 パワーシリンダ 27 電動モータ 30 電子制御ユニット 40 タイマ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】舵角速度に応じたパルス幅の舵角パルスを
    発生する舵角パルス発生手段と、 この舵角パルス発生手段が出力する舵角パルスのパルス
    幅を計測するパルス幅計測手段と、 このパルス幅計測手段によって計測されたパルス幅に基
    づいて舵角速度検出値を演算する第1舵角速度演算手段
    と、 上記パルス幅計測手段によるパルス幅計測の開始に同期
    して計時を開始する計時手段と、 この計時手段の計時時間が上記パルス幅計測手段による
    従前の計測結果に基づいて定めた参照値を上回ったなら
    ば、上記計時手段の計時時間に基づいて舵角速度検出値
    を演算する第2舵角速度演算手段とを含むことを特徴と
    する舵角速度検出装置。
  2. 【請求項2】電動モータにより駆動されるポンプの発生
    油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリン
    グ装置であって、 請求項1記載の舵角速度検出装置と、 この舵角速度検出装置によって求められた舵角速度検出
    値に基づいて上記電動モータを駆動制御するモータ制御
    手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装
    置。
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