JP2000084641A - 鋳型用レジンコーテッドサンド及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用レジンコーテッドサンド及び鋳型の製造方法

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JP2000084641A JP10254748A JP25474898A JP2000084641A JP 2000084641 A JP2000084641 A JP 2000084641A JP 10254748 A JP10254748 A JP 10254748A JP 25474898 A JP25474898 A JP 25474898A JP 2000084641 A JP2000084641 A JP 2000084641A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型を製造することができるレジンコーテッ
ドサンドを提供する。 【解決手段】 フェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネ
ート化合物粘結剤によって耐火骨材の表面を被覆して鋳
型用レジンコーテッドサンド2を調製する。この鋳型用
レジンコーテッドサンド2を型1に充填して水蒸気を供
給することによって、フェノール系樹脂粘結剤やイソシ
アネート化合物粘結剤を硬化させ、鋳型を製造すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造に用いられる
鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている鋳型は、生砂型や高
圧造型、高速造型など粘土類等を粘結剤として用いる普
通鋳型と、熱硬化性鋳型、自硬性鋳型、ガス硬化鋳型、
精密鋳造用鋳型など硬化性粘結剤を用いる特殊鋳型と、
その他の鋳型とに分類される。
【0003】普通鋳型は最も一般的な鋳型であり、鋳型
砂を繰り返し使用することができて安価であるために、
今なお鋳型の中心になっている。しかし、普通鋳型は粘
土類や亜麻仁油などを粘結剤として用いるために、鋳型
を加熱セットするにあたって170〜180℃の温度で
数十分から数時間程度の長時間を必要とし、生産性が低
いと共に、長時間を要する加熱セットの間に鋳型に垂れ
変形や崩壊などの型くずれが生じるおそれがある。さら
に、鋳込み時にガスの発生が多いため、ガス圧で鋳型が
破損されたり鋳物に欠陥が発生したりし易いなどの問題
がある。
【0004】一方、特殊鋳型は硬化性粘結剤を用い、加
熱硬化あるいは、硬化剤や硬化触媒などの併用による常
温硬化で粘結剤を迅速に硬化させることができ、生産性
が高く、また安定した品質をもった造型を行なうことが
できるものであり、そしてこの特殊鋳型は手込めや注
型、ブロー等で造型して硬化性粘結剤を硬化させ、次い
で水平割りや垂直割り、ダンプボックス法などで模型を
抜き取ることによって製造される。
【0005】この特殊鋳型の一つである熱硬化性鋳型に
は、シェルモールド法、小松KY法などがある。これら
の粘結剤にはフェノール樹脂が使用され、耐火骨材の表
面を熱硬化性樹脂粘結剤で被覆して調製される常温で自
由流動性を持ったレジンコーテッドサンドが用いられて
いる。そして、ガスバーナーや電気ヒーターなどで25
0℃以上に加熱した型の表面にレジンコーテッドサンド
を熱融着させて鋳型を作るダンプボックス方式や、ある
いは加熱した金型のキャビティにレジンコーテッドサン
ドを吹き込んで粘結剤を熱硬化させて鋳型を作る方式が
ある。しかしこの場合、生産性を向上させるために、型
の温度をより高くする必要があるという問題があり、ま
たこのように高温で加熱をすると、フェノール樹脂が硬
化する際にその急激な反応に伴ってアンモニアガスやホ
ルムアルデヒド、フェノールなどが発生し、作業環境の
悪化を招くという問題がある。
【0006】また自硬性鋳型には、エステル硬化鋳型、
Nプロセス、フェノールウレタン鋳型、ポリオールウレ
タン自硬性鋳型、フランノーベーク鋳型、フェノールノ
ーベーク鋳型、エステル硬化フェノールノーベーク鋳
型、減圧造型法、SVプロセス造型法、ボールサンドプ
ロセスなどがある。これらのうち、熱硬化性樹脂などの
有機物を粘結剤として用いる自硬性鋳型は、耐火骨材
と、熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂を室温で硬化させる
ための硬化剤と、また硬化触媒として有機酸や無機酸な
どの強酸とをミキサーで混練して調製したレジンコーテ
ッドサンドを型に充填し、室温で養生して粘結剤を硬化
させた後に、抜型して得られる鋳型である。この場合、
レジンコーテッドサンドの調製とともに粘結剤の硬化が
進行しているために、短時間に作業を終わらないと型へ
の充填不良を起こしたり、鋳型の強度低下を招くおそれ
があるなど、安定した造型が難しいという問題がある。
【0007】また、ガス硬化鋳型には、CO2プロセ
ス、有機CO2プロセス、VRHプロセス、アミンコー
ルドボックス鋳型、エステルコールドボックス鋳型など
がある。これらのうち有機物を粘結剤として用いるガス
硬化鋳型は、耐火骨材と粘結剤とをミキサーで混練して
調製したレジンコーテッドサンドを型に吹き込んだり、
手込めなどして充填し、次に室温で硬化させるために粘
結剤と反応するガスや、反応触媒のガスを型に吹き込
み、粘結剤を硬化させた後、抜型して得られる鋳型であ
る。このガス硬化鋳型の場合、レジンコーテッドサンド
の可使時間は自硬性鋳型に比較して長く、硬化時間は極
めて短いという長所を有する。
【0008】しかし、熱硬化性樹脂など有機系の粘結剤
を用いたレジンコーテッドサンドの場合、室温で硬化さ
せるために第三級アミン、SO2、蟻酸メチルなどのガ
スを吹き込んで硬化させることになるが、これらの化学
物質は殆どが有害であり、しかも低沸点で取り扱いが難
しく、防毒ガスを着用するなど極めて慎重に取り扱う必
要があり、また鋳型中に残ったガスは大気中に放出する
ことができないため、薬品で中和したり液体に吸収させ
てから処理をするなど、煩雑な操作が必要になるという
問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、型をさほど高温に加熱する必
要がなく、短時間で安定して鋳型を製造することがで
き、また有害化学物質を用いる必要なくしかも有毒ガス
が発生することなく鋳型を製造することができるレジン
コーテッドサンド及び鋳型の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
鋳型用レジンコーテッドサンドは、フェノール系樹脂粘
結剤及びイソシアネート化合物粘結剤によって耐火骨材
の表面が被覆されて成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明は、フェノール系樹脂
粘結剤が室温で固形のものであることを特徴とするもの
である。
【0012】また請求項3の発明は、耐火骨材の表面が
フェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート化合物粘結
剤の順に被覆されて成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項4の発明は、耐火骨材の表面に
被覆された粘結剤には硬化剤と硬化触媒の少なくとも一
方が含有されて成ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項5の発明は、常温で自由流動性
を有する粒子に形成されて成ることを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明の請求項6に係る鋳型の製造方法
は、上記請求項1乃至5の何れかに記載の鋳型用レジン
コーテッドサンドを型内に充填し、この型内に水蒸気を
吹き込んでフェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート
化合物粘結剤を硬化させることを特徴とするものであ
る。尚、本出願人はこの方法をスチームブロー造型法
(Steam blow molding process)と呼んでいる。
【0016】また請求項7の発明は、型内に水蒸気と同
時に硬化触媒を吹き込んでフェノール系樹脂粘結剤及び
イソシアネート化合物粘結剤を硬化させることを特徴と
するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0018】本発明において粘結剤としては、フェノー
ル系樹脂粘結剤とイソシアネート化合物粘結剤を用い
る。そしてこれらにヘキサメチレンテトラミンなどの硬
化剤や、第三級アミン、ピリジン誘導体などの硬化触媒
を配合して、加熱硬化型の自硬化性にして使用すること
ができる。
【0019】ここで、フェノール系樹脂はフェノール類
とホルムアルデヒド類を反応触媒の存在下で反応させる
ことによって調製することができる。
【0020】フェノール類は、フェノール及びフェノー
ルの誘導体を意味するものであり、例えばフェノールの
他に、m−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシ
レノールなどの3官能性のもの、ビスフェノールA、ジ
ヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性のもの、o
−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフ
ェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノ
ール、p−ノニルフェノール、2,4又は2,6−キシ
レノールなどの2官能性のo−又はp−置換のフェノー
ル類を挙げることができ、さらに塩素又は臭素で置換さ
れたハロゲン化フェノールなども用いることができる。
勿論、これらから1種を選択して用いる他、複数種のも
のを混合して用いることもできる。
【0021】またホルムアルデヒド類としては、水溶液
の形態であるホルマリンが最適であるが、パラホルムア
ルデヒドやアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、トリ
オキサン、テトラオキサンのような形態のものを用いる
こともでき、その他、ホルムアルデヒドの一部をフルフ
ラールやフルフリルアルコールに置き換えて使用するこ
とも可能である。
【0022】上記のフェノール類とホルムアルデヒド類
との配合比率は、フェノール類とホルムアルデヒドのモ
ル比が1:0.4〜1:3.5の範囲になるように設定
するのが好ましい。
【0023】このフェノール系樹脂の反応触媒として
は、ノボラック型フェノール樹脂を調製する場合は、塩
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、あるいはシュウ酸、パ
ラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレン
スルホン酸などの有機酸、さらに酢酸亜鉛などを用いる
ことができる。またレゾール型フェノール樹脂を調製す
る場合は、アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物を用い
ることができ、さらにジメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジエチレントリアミン、ジシアンジアミドなどの脂
肪族の第一級、第二級、第三級アミン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン、
アニリン、1,5−ナフタレンジアミンなどの芳香族ア
ミン、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンなどや、
その他二価金属のナフテン酸や二価金属の水酸化物等を
用いることもできる。
【0024】また、イソシアネート化合物としては、−
NCO基を2個以上持つものであれば特に制限されない
が、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、m−キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート、メタキシリレンジイソシアネートなどの芳
香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、さらには
p−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ブロック
型ポリイソシアネート、ポリオール変性イソシアネー
ト、カルボジイミドイソシアネート、イソシアネートの
二量体、イソシアネートの三量体、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、ポリメチレンポリフェノールイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、クロルフェニレン2,4−ジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートのオリゴマーなどの、液状又は粉
末状のものを使用することができる。勿論、これらは単
独で用いる他、複数種を混合して用いることもできる。
【0025】イソシアネート化合物は後述のように型に
吹き込む水蒸気の水で硬化させたり、水蒸気の熱で硬化
させることもできるが、硬化触媒を配合することができ
る。この硬化触媒としては、トリメチルアミン、ジメチ
ルエチルアミン、モノメチルジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ジエチルプロピルアミン、モノエチルプロピ
ルアミン、トリプロピルアミン、アンモニア、N−メチ
ルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、
N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルプロピルジアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジ
アミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチ
ルジエチレントリアミン、
【0026】
【化1】 、メラミン、尿素、イミダゾール、ヘキサメチレンテト
ラミンなどのアミン類、スタナスオクトエート、ジブチ
ルチンジ−2−エチルヘキサエート、レジド、2−エチ
レンヘキソエート、ナトリウムo−フェニルフェネー
ト、カリウムオレート、硝酸蒼鉛、テトラ(2−エチル
ヘキシル)チタネート、塩化第二錫、塩化第二鉄、第二
2−エチルヘキソエート鉄、コバルト2−エチルヘキソ
エート、ナフテン酸亜鉛、三塩化アンチモンなどの塩類
などを例示することができる。これらのなかでも室温で
固体のものが好ましい。また硬化剤としても硬化触媒と
してもなりうる水は重要な硬化触媒である。
【0027】さらに、フェノール系樹脂粘結剤及びイソ
シアネート化合物粘結剤やこれらの粘結剤を用いて調製
したレジンコーテッドサンドの吸湿性や、硬化した鋳型
の吸湿性や強度の低下を小さくするために、エチレンビ
スオレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマ
イド、メチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステ
アリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸亜鉛などの脂肪族系ワックスや、カルナバワックス、
オレフィンワックス等の撥水剤、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のカップリング剤を使用すること
ができる。
【0028】上記のフェノール系樹脂粘結剤やイソシア
ネート化合物粘結剤は液状や固形で、あるいは希釈して
液状にして用いられるものであり、希釈用の溶剤として
は、水酸基を含有しないものが好ましく、脂肪族、脂環
族、芳香族炭化水素系の溶剤、ハロゲン化炭化水素溶
剤、エーテル類、ケトン類、エステル類、多価アルコー
ルの誘導体や、これらの混合物を使用することができ
る。その代表的なものとして、灯油、シクロヘキサン、
キシレン、クメン、塩化メチレン、1,1,1−トリク
ロロエタンシクロヘキサン、イソホロン、フタル酸ジブ
チル、エチルセロソルブアセテートプロピレンカーボネ
ートなどを挙げることができる。
【0029】そしてけい砂などの鋳型用の耐火骨材にフ
ェノール系樹脂粘結剤を加えて混練し、さらにこれにイ
ソシアネート化合物粘結剤を加えて混練することによっ
て、耐火骨材にフェノール系樹脂粘結剤とイソシアネー
ト化合物粘結剤をこの順に被覆したレジンコーテッドサ
ンドを得ることができるものである。このようにレジン
コーテッドサンドは内側が比較的耐熱性の高いフェノー
ル系樹脂、外側が比較的耐熱性の低いイソシアネート化
合物の二層に被覆されているので、後述のように両粘結
剤を硬化させて鋳型を製造した際には耐火骨材は比較的
耐熱性の低いイソシアネート化合物で主として接着結合
されることになる。従って、この鋳型に鋳造の際の溶湯
が接すると、その熱でイソシアネート化合物は容易に分
解して鋳型を崩壊させることができるものであり、砂落
としの作業を容易に行なうことができるものである。
【0030】耐火骨材にフェノール系樹脂粘結剤やイソ
シアネート化合物粘結剤を被覆するにあたっては、ドラ
イホットコート法、コールドコート法、セミホットコー
ト法、粉末溶剤法などで行なうことができる。
【0031】ドライホットコート法は、固形の粘結剤を
100〜180℃に加熱した耐火骨材に添加して混合
し、耐火骨材による加熱によって固形粘結剤を溶融させ
て、粘結剤で耐火骨材の表面をコートさせ、しかる後に
この混合を保持したまま冷却することによって、常温で
自由流動性を有する粒状でさらさらしたレジンコーテッ
ドサンドを得る方法である。
【0032】コールドコート法は、粘結剤をそのまま
で、あるいは溶剤に溶解又は希釈し、これを耐火骨材に
添加して混合し、溶剤を揮発させたりすることによっ
て、常温で自由流動性を有するさらさらとした粒状の、
あるいは湿態状のレジンコーテッドサンドを得る方法で
ある。
【0033】セミホットコート法は、上記溶剤に溶解し
た液状の粘結剤を50〜90℃に加熱した耐火骨材に添
加混合することによってレジンコーテッドサンドを得る
方法である。
【0034】粉末溶剤法は、固形の粘結剤を粉砕し、こ
の粉砕粘結剤を耐火骨材に添加してさらに溶剤を添加
し、これを混合することによってレジンコーテッドサン
ドを得る方法である。
【0035】ここで耐火骨材とフェノール系樹脂粘結剤
及びイソシアネート化合物粘結剤との混合割合は、鋳型
として要求される性能によって変動があり、特に制限さ
れるものではないが、耐火骨材100重量部に対してフ
ェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート化合物粘結剤
の合計量の樹脂分換算で0.5〜4重量部程度が好まし
い。またフェノール系樹脂粘結剤とイソシアネート化合
物粘結剤の割合は、前者と後者の樹脂分換算の重量比で
1:99〜99:1の範囲、好ましくは10:90〜9
0:10の範囲、最も好ましくは20:80〜80:2
0の範囲である。さらに上記のように耐火骨材と粘結剤
との混合の際に必要に応じて硬化剤、硬化触媒、ワック
ス類、耐火骨材と粘結剤とを親和させるためのシランカ
ップリング剤などの各種のカップリング剤等を配合する
ことができる。また、耐火骨材にフェノール系樹脂粘結
剤とイソシアネート化合物粘結剤を被覆してレジンコー
テッドサンドを調製するにあたって、フェノール系樹脂
粘結剤が室温で固形のものであれば、固形のフェノール
系樹脂粘結剤はイソシアネート化合物粘結剤に溶解もし
くは相溶し難いので、両粘結剤同士の反応が起こり難く
することができるものであり、レジンコーテッドサンド
の保存安定性を高めることができるものである。
【0036】次に、上記のように調製されるレジンコー
テッドサンドを用いて鋳型を製造する方法の一例を図1
を参照して説明する。図1(a)に示すように、内部に
成形用空所3を設けて形成した型1の上面に注入孔4が
設けてあり、型1の下面には金網等の網5で塞いだベン
トホール6が設けてある。この型は縦割りあるいは横割
に割ることができるようになっている。またレジンコー
テッドサンド2はホッパー7内に貯蔵してあり、ホッパ
ー7にはコック8付きの空気供給管9が接続してある。
そしてホッパー7の下端のノズル口9aを型1の注入孔
4に合致させた後、コック8を閉から開に切り代えるこ
とによって、ホッパー7内に1kgf/cm2程度の圧
力で空気を吹き込んで加圧し、ホッパー7内のレジンコ
ーテッドサンド2を図1(b)のように型1内に吹き込
んで、型1の成形用空所3内にレジンコーテッドサンド
2を充填する。ベントホール6は網5で塞いであるの
で、レジンコーテッドサンド2がベントホール6から洩
れ出すことはない。
【0037】上記のように型1内にレジンコーテッドサ
ンド2を充填した後、型1の注入孔4からホッパー7を
外すと共に図1(c)のように水蒸気パイプ10を接続
し、コック11を開いて型1の成形用空所3内に水蒸気
を吹き込む。この水蒸気としては、飽和水蒸気をさらに
加熱してその飽和温度以上に上げた過熱蒸気を用いるこ
ともできる。水蒸気は型1内に充填されたレジンコーテ
ッドサンド2の粒子間を通過してレジンコーテッドサン
ド2を加熱した後、網5を通してベントホール6から排
出される。このように水蒸気を吹き込むことによって、
型1内のレジンコーテッドサンド2の全体を瞬時に加熱
し、フェノール系樹脂粘結剤やイソシアネート化合物粘
結剤の硬化を促進させると共に硬化に至らせることがで
きる。このとき、水蒸気の吹き込みによる加熱でフェノ
ール系樹脂粘結剤とイソシアネート化合物粘結剤をそれ
ぞれ硬化させる他に、フェノール系樹脂粘結剤はイソシ
アネート化合物が、イソシアネート化合物粘結剤はフェ
ノール系樹脂が硬化剤の作用をなすので、フェノール系
樹脂粘結剤とイソシアネート化合物粘結剤を相互に反応
させ合って硬化させることもできるものであり、フェノ
ール系樹脂粘結剤やイソシアネート化合物粘結剤は短時
間で硬化するものである。
【0038】従って、型1を高温に加熱しておく必要が
なく、水蒸気による加熱でフェノール系樹脂粘結剤やイ
ソシアネート化合物粘結剤を硬化させることができるも
のであり、また型1内のレジンコーテッドサンド2の全
体を水蒸気によって均一に短時間で加熱することがで
き、安定して短時間にフェノール系樹脂粘結剤やイソシ
アネート化合物粘結剤を硬化させることができるもので
ある。しかも、硬化剤や硬化触媒のような有害化学物質
の蒸気を型1内に吹き込む場合のような、作業環境を悪
化させるようなこともなくなるものである。型1内のレ
ジンコーテッドサンド2のフェノール系樹脂粘結剤やイ
ソシアネート化合物粘結剤を硬化させるこの水蒸気とし
ては、温度が110〜180℃程度、蒸気圧が1.5〜
10kgf/cm2程度のものが好ましく、このように
比較的低温の水蒸気によってフェノール系樹脂粘結剤や
イソシアネート化合物粘結剤を硬化させることができ、
高温で加熱してフェノール系樹脂粘結剤やイソシアネー
ト化合物粘結剤を硬化させる場合のような、急激な硬化
反応に伴ってアンモニアやホルムアルデヒド、フェノー
ル、イソシアネート化合物などのガスが発生することを
抑制することができるものであり、またこれらのガスが
多少発生しても、水蒸気の水分に吸収されて洗い流さ
れ、作業環境を悪化させる臭気の発生を防ぐことができ
るものである。
【0039】またここで、臭気の少ない硬化触媒を用い
る場合には、型1に水蒸気を吹き込む際に同時に、硬化
触媒を吹き込むようにしてもよい。図2はこの場合に用
いる装置の一例を示すものであり、まずレジンコーテッ
ドサンド2を図1(b)のように型1内に充填した後、
図2に示すように、型1の注入孔4に硬化触媒吹き込み
筒13の先端のノズル口をセットする。硬化触媒吹き込
み筒13内には金網14が張ってあり、金網14の上に
は硬化触媒をしみ込ませた脱脂綿15が配置してある。
また硬化触媒吹き込み筒13の後端にはコック16付き
の水蒸気供給管17が接続してある。そして水蒸気供給
管17から上記と同様な条件の水蒸気を硬化触媒吹き込
み筒13内に吹き込むことによって、脱脂綿15にしみ
込ませた硬化触媒を水蒸気と混合させ、硬化触媒吹き込
み筒13から水蒸気と硬化触媒との混合蒸気を型1内に
吹き込むことができるものである。このように型1に水
蒸気を吹き込む際に同時に硬化触媒を吹き込むようにす
れば、レジンコーテッドサンド2に被覆したフェノール
系樹脂粘結剤やイソシアネート化合物粘結剤に硬化触媒
を予め混合しておく必要がなくなり、レジンコーテッド
サンド2の粘結剤の保存安定性が高くなるものである。
【0040】上記のように型1内に充填したレジンコー
テッドサンド2のフェノール系樹脂粘結剤やイソシアネ
ート化合物粘結剤を硬化させることによって、型1内で
鋳型を成形することができるものであり、鋳型は型1を
割ることによって取り出すことができる。ここで、型1
内に吹き込んだ水蒸気が凝縮することを防止するため
に、型1を予め加熱しておいてもよい。また水蒸気によ
って鋳型内に含有されることになる水分を除去するため
に、鋳型を乾燥機などに入れて加熱乾燥するようにして
もよい。このように加熱乾燥することによって鋳型の粘
結剤が養生され、鋳型の強度を向上させることができる
ものである。
【0041】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0042】(フェノール系樹脂粘結剤の製造例1)反
応容器にフェノール752重量部、37%ホルマリン9
73重量部、水酸化リチウム6重量部を仕込み、約60
分を要して65℃まで昇温させ、そのまま3時間反応さ
せた。このものを50トールの減圧下、70℃まで脱液
を行なうことによって、25℃における粘度が30ポア
ズのレゾール型フェノール樹脂のフェノール系樹脂粘結
剤Aを得た。
【0043】(フェノール系樹脂粘結剤の製造例2)反
応容器にフェノール752重量部、37%ホルマリン8
75重量部、ナフテン酸鉛1.5重量部を仕込み、約6
0分を要して還流させ、そのまま3時間反応させた。こ
のものを常圧で110℃まで脱水した後、50トールの
減圧下、120℃まで脱液を行ない、半固体状のベンジ
リックエーテル型フェノール樹脂を得た。得られたこの
樹脂700重量部に芳香族炭化水素系溶剤(エクソン化
学株式会社製「ソルベッソ150」)を300重量部加
えて溶解させ、25℃における粘度が70センチポアズ
のベンジリックエーテル型フェノール樹脂のフェノール
系樹脂粘結剤Bを得た。
【0044】(フェノール系樹脂粘結剤の製造例3)反
応容器にフェノール940重量部、37%ホルマリン4
05重量部、シュウ酸3.76重量部を仕込み、約60
分を要して還流させ、そのまま3時間反応させた。この
ものを常圧で180℃まで脱液を行なうことによって、
25℃における粘度が80ポアズのノボラック型フェノ
ール樹脂のフェノール系樹脂粘結剤Cを得た。
【0045】(フェノール系樹脂粘結剤の製造例4)反
応容器にフェノール940重量部、37%ホルマリン6
49重量部、シュウ酸4.7重量部を仕込み、約60分
を要して還流させ、そのまま120分間反応させた。こ
のものを常圧で内温160℃まで脱水を行なった後、1
00トールで減圧脱水を行なうことによって、軟化点が
95℃の固形ノボラック型フェノール樹脂のフェノール
系樹脂粘結剤Dを得た。
【0046】(フェノール系樹脂粘結剤の製造例5)反
応容器にフェノールを680重量部、37%ホルマリン
を880重量部、ヘキサメチレンテトラミンを101重
量部仕込み、約60分を要して70℃まで昇温させ、そ
のまま5時間反応させた。このものを100トールで9
0℃まで減圧脱水を行なった後、バットに払い出し、冷
却することによって、軟化点が80℃の固形レゾール型
フェノール樹脂のフェノール系樹脂粘結剤Eを得た。
【0047】(イソシアネート化合物粘結剤の製造例)
ポリメリックMDI(三井化学株式会社製「コスモネー
ト200」)700重量部に芳香族炭化水素系溶剤(エ
クソン化学株式会社製「ソルベッソ100」)を300
重量部加えて溶解させ、25℃における粘度が80セン
チポアズのイソシアネート化合物粘結剤Fを得た。
【0048】(実施例1)フラッタリーけい砂10kg
をワールミキサーに入れ、上記フェノール系樹脂粘結剤
Aを100g加えて30秒間混練し、さらにこれに上記
イソシアネート化合物粘結剤Fを100g加えて60秒
間混練した後、ワールミキサーから払い出すことによっ
て、液量が重量比率で2%の湿態状のレジンコーテッド
サンドを得た。
【0049】次に、図1(a)のような直径50mm、
高さ50mmの円筒状の成形用空所3を設けた型1を用
い、レジンコーテッドサンド2をホッパー7から1kg
f/cm2の空気圧で10秒間吹き込むことによって、
図1(b)のように型1に吹き込み充填した。次いでこ
の型1に図1(c)のように水蒸気パイプ10を接続
し、温度151℃、蒸気圧5kgf/cm2の水蒸気を
30秒間吹き込んだ後、直ちに型1から脱型することに
よって、直径50mm、高さ50mmの円筒状の評価用
鋳型を得た。
【0050】(実施例2)フェノール系樹脂粘結剤Aの
代わりにフェノール系樹脂粘結剤Bを用いるようにした
他は実施例1と同様にしてレジンコーテッドサンドを得
た。後はこのレジンコーテッドサンドを用いて、実施例
1と同様にして評価用鋳型を得た。
【0051】(実施例3)型1を予め100℃に加熱し
て用いるようにした他は、実施例2と同様にして評価用
鋳型を得た。
【0052】(実施例4)フェノール系樹脂粘結剤Aの
代わりにフェノール系樹脂粘結剤Cを用いるようにした
他は実施例1と同様にしてレジンコーテッドサンドを得
た。後はこのレジンコーテッドサンドを用いて、実施例
1と同様にして評価用鋳型を得た。
【0053】(実施例5)145℃に加熱したフラッタ
リーけい砂30kgをワールミキサーに入れ、上記フェ
ノール系樹脂粘結剤Dを300g加えて30秒間混練し
た後、ヘキサメチレンテトラミン45gを水450gに
溶解したものを加えて砂粒が崩壊するまで混練し、これ
を払い出してエアーレーションを行なうことによって、
樹脂量が重量比率で1.0%の自由流動性のあるフェノ
ール系樹脂コーテッドサンドを得た。次に、このコーテ
ッドサンド10kgをワールミキサーに入れ、これに上
記イソシアネート化合物粘結剤Fを100g加えて60
秒間混練した後、ワールミキサーから払い出すことによ
って、湿態状のレジンコーテッドサンドを得た。後はこ
のレジンコーテッドサンドを用いて、実施例1と同様に
して評価用鋳型を得た。
【0054】(実施例6)実施例5において、水450
gにヘキサメチレンテトラミン45gと硬化触媒として
融点が159.8℃で極低臭気のトリエチレンジアミン
2gを溶解したものを用いるようにした他は実施例5と
同様にしてレジンコーテッドサンドを得た。後はこのレ
ジンコーテッドサンドを用いて、実施例1と同様にして
評価用鋳型を得た。
【0055】(実施例7)フェノール系樹脂粘結剤Dの
代わりにフェノール系樹脂粘結剤Eを用いると共にヘキ
サメチレンテトラミンを用いないようにした他は実施例
5と同様にしてレジンコーテッドサンドを得た。後はこ
のレジンコーテッドサンドを用いて、実施例1と同様に
して評価用鋳型を得た。
【0056】(実施例8)実施例5で得た湿態状のレジ
ンコーテッドサンドを25℃で1日養生して、フェノー
ル系樹脂とイソシアネート化合物を反応させると共に粘
結剤中の溶剤を揮散させることによって、100℃以上
に加熱することで容易に硬化することができるフェノー
ル樹脂とイソシアネート化合物のブロックポリマーに
し、常温で自由流動性を有する粒状のレジンコーテッド
サンドを得た。後はこのレジンコーテッドサンドを用い
て、実施例1と同様にして評価用鋳型を得た。
【0057】(実施例9)実施例5で得た湿態状のレジ
ンコーテッドサンドの代わりに実施例7で得た湿態状の
レジンコーテッドサンドを用いて常温で自由流動性を有
する粒状のレジンコーテッドサンドを得た。後はこのレ
ジンコーテッドサンドを用いて、実施例1と同様にして
評価用鋳型を得た。
【0058】(実施例10)実施例5で得たレジンコー
テッドサンド2を図1(b)のように型1内に充填した
後、図2に示すように、型1の注入孔4に硬化触媒吹き
込み筒13をセットした。硬化触媒吹き込み筒13内に
は金網14を張ると共に金網14の上に硬化触媒として
融点が159.8℃で極低臭気のトリエチレンジアミン
の2重量%水溶液をしみ込ませた脱脂綿15が配置して
あり、硬化触媒吹き込み筒13に接続した水蒸気供給管
17から温度151℃、蒸気圧5kgf/cm2の圧力
で水蒸気を送り込むことによって、水蒸気とトリエチレ
ンジアミンとの混合蒸気を30秒間、硬化触媒吹き込み
筒13から型1内に吹き込んだ後、直ちに型1から脱型
することによって評価用鋳型を得た。
【0059】(比較例1)実施例2で得たレジンコーテ
ッドサンド2を図1(b)のように型1内に充填した
後、図2に示すように、型1の注入孔4に硬化触媒吹き
込み筒13をセットした。硬化触媒吹き込み筒13内に
は金網14を張ると共に金網14の上にトリエチルアミ
ンをしみ込ませた脱脂綿15が配置してあり、硬化触媒
吹き込み筒13の後端には上記の水蒸気供給管17の代
わりにコック16付きの空気供給管18が接続してあ
る。そして空気供給管18から硬化触媒吹き込み筒13
に1kgf/cm2の圧力で空気を送り込むことによっ
て、空気とトリエチルアミンとの混合気体を10秒間、
硬化触媒吹き込み筒13から型1内に吹き込んだ後、直
ちに型1から脱型することによって評価用鋳型を得た。
【0060】(比較例2)実施例5で得たレジンコーテ
ッドサンドを用いるようにした他は、比較例1と同様に
して評価用鋳型を得た。
【0061】(比較例3)実施例8で得たレジンコーテ
ッドサンドを用いるようにした他は、比較例1と同様に
して評価用鋳型を得た。
【0062】上記の実施例1〜10及び比較例1〜3に
おいて、鋳型の造型時の臭いと、脱型時の臭いを、作業
者の臭覚によって評価した。また、鋳型の脱型直後の圧
縮強さと、鋳型を105℃の乾燥機中で60分養生して
冷却した後の圧縮強さを測定した。さらに、脱型直後に
評価用鋳型を半分に切断し、切断面での硬化の度合いを
目視と触感で観察した。これらの結果を表1〜表3に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】 表1〜表3にみられるように、各実施例のものは、臭気
が少ないのに対し、各比較例のものは臭気が強く、作業
環境が悪いものであった。また切断面での硬化の状態
は、実施例では総て全体が固化しているのに対して、比
較例2,3のものでは若干の程度の違いはあるものの、
内部まで固化していなものであった。これは、水蒸気を
吹き込む実施例のものでは、内部にまで瞬時に加熱をす
ることができるが、比較例2,3のものでは熱を加えな
いためレジンコーテッドサンドの粘結剤は熱溶融せず固
相のままであって、化学反応が極めて起こり難いので、
内部まで固化し難くなっていると考えられる。
【0066】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る鋳
型用レジンコーテッドサンドは、フェノール系樹脂粘結
剤及びイソシアネート化合物粘結剤によって耐火骨材の
表面が被覆されたものであるので、この鋳型用レジンコ
ーテッドサンドを型に充填して水蒸気を供給することに
よって、フェノール系樹脂粘結剤やイソシアネート化合
物粘結剤を硬化させ、鋳型を製造することができるもの
であり、しかもフェノール系樹脂粘結剤とイソシアネー
ト化合物粘結剤は相互に反応し合って硬化し、フェノー
ル系樹脂粘結剤やイソシアネート化合物粘結剤を短時間
で硬化させることができるものである。
【0067】また請求項2の発明は、フェノール系樹脂
粘結剤が室温で固形のものであることを特徴とするの
で、固形のフェノール系樹脂粘結剤はイソシアネート化
合物粘結剤に溶解もしくは相溶し難く、両粘結剤同士の
反応が起こり難くすることができ、レジンコーテッドサ
ンドの保存安定性を高めることができるものである。
【0068】また請求項3の発明は、耐火骨材の表面が
フェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート化合物粘結
剤の順に被覆されて成ることを特徴とするので、レジン
コーテッドサンドの被覆層の内側は比較的耐熱性の高い
フェノール系樹脂で、外側は比較的耐熱性の低いイソシ
アネート化合物で形成されており、両粘結剤を硬化させ
て鋳型を製造した際には耐火骨材は比較的耐熱性の低い
イソシアネート化合物で主として接着結合されることに
なり、この鋳型に鋳造の際の溶湯が接するとその熱でイ
ソシアネート化合物は容易に分解して鋳型を崩壊させる
ことができ、砂落としの作業を容易に行なうことができ
るものである。
【0069】また請求項4の発明は、耐火骨材の表面に
被覆された粘結剤には硬化剤と硬化触媒の少なくとも一
方が含有されて成ることを特徴とするので、硬化剤や硬
化触媒で粘結剤の硬化を促進して、硬化時間を短縮する
ことができるものである。また請求項5の発明は、常温
で自由流動性を有する粒状に形成されて成ることを特徴
とするので、型にレジンコーテッドサンドを充填するに
あたって、レジンコーテッドサンドをスムーズに型に流
し込んで充填することができるものであり、充填の作業
性を高めることができるものである。
【0070】本発明の請求項6に係る鋳型の製造方法
は、上記請求項1乃至5の何れかに記載の鋳型用レジン
コーテッドサンドを型内に充填し、この型内に水蒸気を
吹き込んでフェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート
化合物粘結剤を硬化させるようにしたので、水蒸気によ
って型内のレジンコーテッドサンドの全体を瞬時に加熱
してフェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート化合物
粘結剤を硬化させることができ、型を高温に加熱してお
く必要がなく、安定して短時間に鋳型を造型することが
できるものであり、しかも硬化剤や硬化触媒のような有
害化学物質の蒸気を型内に吹き込む場合や、型を高温に
加熱して粘結剤を硬化させる場合のような、有害物質に
よって作業環境を悪化させるようなことがなくなるもの
である。
【0071】また請求項7の発明は、型内に水蒸気と同
時に硬化触媒を吹き込んでフェノール系樹脂粘結剤及び
イソシアネート化合物粘結剤を硬化させるようにしたの
で、レジンコーテッドサンドに被覆したフェノール系樹
脂粘結剤やイソシアネート化合物粘結剤に硬化触媒を予
め混合しておく必要がなくなり、レジンコーテッドサン
ドの保存安定性が高くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b),(c)はそれぞれ断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例及び比較の一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 型 2 レジンコーテッドサンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 呉 稔 大阪府堺市築港新町2丁5番 リグナイト 株式会社研究所内 (72)発明者 梶井 直之 大阪府堺市築港新町2丁5番 リグナイト 株式会社研究所内 Fターム(参考) 4E092 AA32 AA45 BA01 BA02 BA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネ
    ート化合物粘結剤によって耐火骨材の表面が被覆されて
    成ることを特徴とする鋳型用レジンコーテッドサンド。
  2. 【請求項2】 フェノール系樹脂粘結剤が室温で固形の
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の鋳型用レ
    ジンコーテッドサンド。
  3. 【請求項3】 耐火骨材の表面がフェノール系樹脂粘結
    剤及びイソシアネート化合物粘結剤の順に被覆されて成
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型用レジ
    ンコーテッドサンド。
  4. 【請求項4】 耐火骨材の表面に被覆された粘結剤には
    硬化剤と硬化触媒の少なくとも一方が含有されて成るこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳型
    用レジンコーテッドサンド。
  5. 【請求項5】 常温で自由流動性を有する粒状に形成さ
    れて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の鋳型用レジンコーテッドサンド。
  6. 【請求項6】 上記請求項1乃至5の何れかに記載の鋳
    型用レジンコーテッドサンドを型内に充填し、この型内
    に水蒸気を吹き込んでフェノール系樹脂粘結剤及びイソ
    シアネート化合物粘結剤を硬化させることを特徴とする
    鋳型の製造方法。
  7. 【請求項7】 型内に水蒸気と同時に硬化触媒を吹き込
    んでフェノール系樹脂粘結剤及びイソシアネート化合物
    粘結剤を硬化させることを特徴とする請求項6に記載の
    鋳型の製造方法。
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