JP2000082594A - パルスx線装置 - Google Patents

パルスx線装置

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JP2000082594A
JP2000082594A JP11192144A JP19214499A JP2000082594A JP 2000082594 A JP2000082594 A JP 2000082594A JP 11192144 A JP11192144 A JP 11192144A JP 19214499 A JP19214499 A JP 19214499A JP 2000082594 A JP2000082594 A JP 2000082594A
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voltage
grid
cathode
circuit
ray tube
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JP11192144A
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Fumio Ishiyama
文雄 石山
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線照射中にX線管が放電を起こしても、グ
リッドオン回路が破壊されないようにすること。 【解決手段】 タイミング回路によりインバーター回路
がオンされると、高圧整流回路から発生した高電圧がX
線管に掛かると共に、ダイオードが順バイアスになって
X線管のグリッド電圧をゼロボルトとするため、X線管
のアノードとカソード間に電流が流れて、X線が曝射さ
れる。上記したインバーター回路のオンと同時に、タイ
ミング回路によりグリッドオン回路がオンして、X線管
のグリッド、カソード間をゼロボルトに保持して、グリ
ッド電圧を安定化させる。X線の照射中、X線管が放電
すると、平滑用のコンデンサからの放電電流によりグリ
ッド、カソード間が上昇するため、放電保護回路が動作
して、前記グリッド、カソード間を短絡する。これによ
り、グリッドオン回路に高電圧が印加されなくなり、こ
の回路の破壊を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断用X線装置な
どに係り、特にX線を間欠的に曝射するパルスX線装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパルスX線装置は図8に示すよう
な構成を有している。商用電源1などから供給される交
流は整流平滑回路2により直流に変換された後、インバ
ーター回路3に入力される。タイミング回路4のa信号
によりインバーター回路3がオンになると、インバータ
ー回絡3に入力された直流は交流に変換されて変圧器5
の一次巻線に入力される。変圧器5で昇圧された交流は
二次側巻線に出力され、高圧整流回路6により整流され
て高圧の直流となり、この直流電圧が高圧ケーブル15
a、15bを介してX線管9のアノードAとカソードK
に印加され、その際、コンデンサ7、8により前記高電
圧の直流が平滑される。
【0003】このX線管9のアノードAとカソードK間
に直流の高電圧が印加され、コンデンサ7、8が充電さ
れる時、ダイオード10は順バイアスとなるため、X線
管9のカソードKに対するグリッド電圧は約ゼロボルト
となる。これにより、X線管9に電流が流れて、アノー
ドAからX線が急峻に曝射される。
【0004】その後、タイミング回路4がインバーター
回路3をオフすると、高圧整流回路6から直流高電圧の
出力が停止されるため、コンデンサ7、8に蓄えられた
電荷は、X線管9とブリーダー抵抗11、12を介して
放電される。この時、ダイオード10は逆バイアスにな
るため、コンデンサ13が急速に充電され、X線管9の
グリッドGに負電圧のグリッド電圧が印加され、これが
カットオフ電圧(−1500〜−1800V程)に達す
ると、X線管9はX線の曝射を急峻に停止する。このよ
うにして、X線管9からパルス状のX線が間欠的に曝射
される。
【0005】ところで、管電圧(前記直流高電圧に同
じ)の立上がり時に、オーバーシュートが発生すると、
オーバーシュートした管電圧が定常値に回復する時にダ
イオード10が一時的に逆バイアスとなり、コンデンサ
7、8の放電電流がコンデンサ13をX線管9のグリッ
ド電圧が負になる方向に充電してしまうため、X線管9
に流れる電流が不安定になる。
【0006】この問題を解決するため、タイミング回路
4のb信号を受けて、インバーター回路3のオンタイミ
ングに同期してグリッドオン回路14のトランジスタ1
44をオンとして、X線照射中のグリッド電圧をほぼゼ
ロに保ち、X線管9に流れる電流が安定するようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のパ
ルスX線装置では、経年劣化によってX線管9の真空度
などが落ちてくると、X線照射中にX線管9が放電を起
こすことがある。このX線管9に放電が起きると、コン
デンサ,7、8の電荷がX線管9のアノードAとカソー
ドK間を通って一気に放電する。この放電電流は、短時
間ではあるが百アンぺア以上に達し、且つグリッドオン
回路14の中を流れるため、グリッドオン回路14内部
のトランジスタ144を破損してしまうという問題があ
った。
【0008】そこで、トランジスタ144のコレクタと
ツェナーダイオード145のカソード間に抵抗146を
挿入し、トランジスタ144に流れる電流を制限すれ
ば、X線管9の放電時でもトランジスタ144を保護す
ることができるが、この時、ツェナーダイオード145
には放電電流とツェナー電圧の積に相当する電力が供給
されて、ツェナーダイオード145が破損してしまうと
いう問題が生じる。
【0009】そこで、放電電流に耐えられるほどのツエ
ナーダイオードを取り付ければよいが、これは現実的で
なく採用することができない。
【0010】尚、ツェナーダイオード145はトランジ
スタ144の保護というよりも、X線管9が破損してグ
リッドGにより電流を遮断できなくなった場合に、コン
デンサ13の電圧が危険なまでに上昇して回路や高電圧
ケーブル15a、15bを破壊することを防ぐために挿
入されている。
【0011】本発明は、上述の如き従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的は、X線照射中にX
線管が放電を起こしても、グリッドオン回路の破壊を防
止することができ並びに、X線管のグリッドとカソード
間に挿入するツェナーダイオードを省略しても、X線管
のグリッド電圧を供給するコンデンサを過電圧から保護
することができる信頼性の向上したパルスX線装置を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の特徴は、グリッド、アノード及びカソ
ードの各電極を有するX線管の前記アノードと前記カソ
ード間に高電圧を間欠的に印加して前記アノードからX
線を間欠的に曝射し、その際に前記グリッドと前記カソ
ード間に接続されたコンデンサの充電電圧を制御して前
記グリッド電圧を変化させることにより、前記アノード
と前記カソード間の電流をオンオフするパルスX線装置
において、前記高電圧を前記アノードと前記カソード間
に印加すると同時に、前記グリッドと前記カソード間の
電圧をほぼゼロに保持するグリッド電圧安定化手段と、
前記X線管の放電を検出する放電検出手段と、この放電
検出手段により前記X線管の放電が検出されると、前記
グリッドと前記カソード問を短絡する保護手段とを備え
たことにある。
【0013】この第1の発明によれば、前記X線管が経
年劣化などでその真空度が低下してくると、X線照射中
に前記X線管に放電が起きることがある。このような放
電が起きると、管電圧の平滑用のコンデンサーから前記
グリッド電圧安定化手段に放電電流が流れ込むが、この
時、前記X線管の放電を検出して前記保護回路を動作さ
せ前記X線管のグリッドとカソード間を短絡して前記放
電電流を吸収することにより、前記グリッド電圧安定化
手段に掛かる電圧を低電圧にする。これにより、前記グ
リッド電圧安定化手段の破損が防止されると共に、前記
グリッドとカソード間に接続されているコンデンサに過
電圧が掛からないようにすることができる。
【0014】第2の発明の特徴は、グリッド、アノード
及びカソードの各電極を有するX線管の前記アノードと
前記カソード間に高電圧を間欠的に印加して前記アノー
ドからX線を間欠的に曝射し、その際に前記グリッドと
前記カソード間に接続されたコンデンサの充電電圧を制
御して前記グリッド電圧を変化させることにより、前記
アノードと前記カソード間の電流をオンオフするパルス
X線装置において、前記高電圧を前記アノードと前記カ
ソード間に印加すると同時に、前記グリッドと前記カソ
ード間の電圧をほぼゼロに保持するグリッド電圧安定化
手段と、前記グリッドと前記カソード間の電圧が所定値
を超えたことを検出する電圧検出手段と、この電圧検出
手段により前記グリッドと前記カソード間の電圧が所定
値を超えたことが検出されると、前記グリッドと前記カ
ソード間を短絡する保護手段とを備えたことにある。
【0015】この第2の発明によれば、前記X線管が経
年劣化などでその真空度が低下してくると、例えば、X
線照射中に前記X線管に放電が起きることがある。この
ような放電が起きると、管電圧の平滑用のコンデンサー
から前記X線管を通して前記グリッド電圧安定化手段に
放電電流が流れ込み、前記X線管のグリッドと前記カソ
ード間の電圧が上昇する。この電圧の上昇(1500V
−1800V)を検出して、前記保護回路を動作させ前
記X線管のグリッドと前記カソード間を短絡して前記放
電電流を吸収することにより、前記グリッド電圧安定化
手段に掛かる電圧を低電圧にする。これにより、前記グ
リッドとカソード間に接続されているコンデンサに過電
圧が掛からないようにすると共に、前記グリッド電圧安
定化手段の破損を防止することができる。但し、前記X
線管のグリッドと前記カソード間の電圧が別の異常で上
昇しても、前記保護回路が動作して、装置の破損が防止
される。
【0016】第3の発明の特徴は、前記電圧検出手段と
前記保護手段は負性抵抗を有する回路から成ることにあ
る。
【0017】この第3の発明によれば、前記X線管の前
記グリッドと前記カソード間の電圧が上昇して、前記負
性抵抗を有する回路のブレークオーバー電圧を超える
と、前記回路を通して電流が流れ、しかも、この回路に
掛かる電圧は急激に低下するため、前記X線管のグリッ
ドと前記カソード間の電圧は急激に低下する。
【0018】第4の発明の前記電圧検出手段は前記グリ
ッドと前記カソード間の電圧を分圧する分圧回路と、こ
の分圧回路の分圧電圧がブレークオーバー電圧に達する
とオンするトリガーダイオードとを有し、前記短絡手段
は前記オンしたトリガーダイオードを通して供給される
電流によりオンするサイリスタを有し、前記サイリスタ
がオンして前記グリッドと前記カソード間を短絡する。
【0019】この第4の発明によれば、前記X線管の前
記グリッドと前記カソード間の電圧が1500〜180
0Vに上昇すると、前記分圧電圧が30V程度のブレー
クオーバー電圧に達する。これにより、トリガーダイオ
ードがオンして、別途コンデンサなどに充電しておいた
電荷がこのトリガーダイオードを通して前記サイリスタ
の制御端子に流れ込み、このサイリスタをオンする。こ
れによって、このサイリスタが導通して、前記X線管の
前記グリッドと前記カソード間が短絡すると共に、この
サイリスタを通して放電電流などが流れる。この時のサ
イリスタに掛かる電圧は1V程度となる。
【0020】第5の発明の特徴は、前記コンデンサを過
電圧から保護するツェナーダイオードを前記X線管のグ
リッドと前記カソード間に接続することにある。
【0021】この第5の発明によれば、前記X線管の前
記グリッドと前記カソード間に接続されたコンデンサに
ツェナー電圧以上の電圧が掛かると、前記ツェナーダイ
オードがオンして、このツェナー電圧に前記グリッドと
前記カソード間の電圧を保持するため、前記コンデンサ
には前記ツェナー電圧以上の過電圧が掛からなくなる゜
第6の発明の前記コンデンサは前記高電圧を前記X線管
に印加する高電圧ケーブルの浮遊容量とする。
【0022】第7の発明の特徴の前記放電検出手段と前
記保護手段は、インダクタと負性抵抗を有する回路から
成る。
【0023】この第7の発明によれば、前記X線管の前
記グリッドと前記カソード間の電圧が前記インダクタの
両端で1500〜1800Vに上昇すると、前記負性抵
抗に掛かる電圧がブレークオーバー電圧を超えて、この
負性抵抗を通して電流が流れ、前記X線管のグリッド、
カソード間の電圧が急激に低下する。
【0024】第8の発明の特徴は、前記負性抵抗を有す
る回路はアレスタを使用し、X線管放電時に前記アレス
タが作動して、前記グリッドと前記カソード間を短絡す
ることにある。
【0025】この第8の発明によれば、前記X線管の前
記グリッドと前記カソード間の電圧が前記インダクタの
両端で1500〜1800Vに上昇すると、前記アレス
タがグロー放電を開始し、前記X線管のグリッド、カソ
ード間がほぼ短絡状態になり、この間の電圧が急激に低
下する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明のパルスX線装置の
第1の実施の形態を示したブロック図である。但し、従
来例と同一部分は同一符号を用いて説明する。パルスX
線装置は、例えば200ボルトの交流を供給する商用電
源1、商用電源1からの交流を直流に変換する整流平滑
回路2、整流平滑回路2から出力される直流を交流に変
換するインバーター回路3、インバーター回路3及びグ
リッドオン回路14をオンオフするタイミング回路4、
インバーター回路3から入力される交流を高電圧に昇圧
する変圧器5、変圧器5から出力される高電圧交流を整
流する高圧整流回路6、高圧整流回路6から出力される
高電圧を平滑するコンデンサ7、8、X線を曝射するX
線管9、X線管9のグリッドバイアス電圧を制御するダ
イオード10、X線管9のグリッドカットオフ電圧を充
電するコンデンサ13、X線管9のグリッド電圧を安定
化させるグリッドオン回路14、高電圧をX線管9に印
加する高電圧ケーブル15a、15b及びグリッドオン
回路14の破壊を防止する放電保護回路16を有してい
る。
【0027】次に本実施の形態の動作について説明す
る。タイミング回路4のa信号を受けてインバーター回
路3が動作すると、インバーター回路3で発生した交流
電圧は、変圧器5で昇圧され、高圧整流回路6で直流に
整流された後、高電圧ケーブル15a、15bの芯線と
アース間の静電容量であるコンデンサ7、8で平滑さ
れ、X線管9のアノードAとカソードKに印加される。
この時、ダイオード10は順バイアスとなるため、コン
デンサ13には電荷は蓄積されず、X線管9のグリッド
電圧(X線管9のカソードKに対するグリツドGの電
圧)はほぼゼロとなるため、X線管9のアノードAとカ
ソードK間には安定に電流が流れX線が曝射される。
【0028】次に、タイミング回路4の制御でインバー
ター回路3の動作が停止すると、変圧器5の二次電圧は
ゼロになり、高電圧の出力が停止されるので、コンデン
サ7とコンデンサ8の蓄積電荷はX線管9を通して放電
する。この時、ダイオード10は逆バイアスとなるた
め、マイナス極側の高電圧ケーブル15aで形成された
グリッドG、カソードK間の静電容量であるコンデンサ
13は、コンデンサ7、8の放電電流によってX線管9
のグリッド電圧が負になる方向に充電される。こうし
て、X線管9のグリッド電圧がカットオフ電圧に達する
と、X線管9のアノードAとカソードK間には電流が流
れなくなり、X線の曝射は停止する。
【0029】ここで、上記したようにタイミング回路4
はa信号をインバーター回路3へ出力してこの回路3を
動作させると同時に、b信号をグリッドオン回路14に
出力する。b信号はグリッドオン回路14の図2に示し
たアンド回路133に入力されて、このアンド回路13
3を導通させるため、パルス制御信号132がアンド回
路133、抵抗134を通してトランジスタ136のベ
ースに供給される。
【0030】これにより、トランジスタ136がスイッ
チングして、トランス139の一次側に直流電源131
から間欠的に電流が流れる。このため、トランス139
の二次側に交流電圧が発生し、この交流電圧は整流ダイ
オード140、141により整流され、更にチョーク1
42、抵抗143により平滑された後、トランジスタ1
44のベース、エミッタ間に印加されて、このトランジ
スタ144をオンにする。
【0031】この時は、放電保護回路16は動作しない
ため、グリッドオン回路14の端子c、d間は放電保護
回路16を通してX線管9のグリッドG、カソードK間
に接続されている。従って、上記した前記トランジスタ
144のオンにより、X線管9のグリッドGとカソード
K間がこのトランジスタ144を介して接続され、グリ
ッド電圧をほぼゼロにする。
【0032】従って、インバーター回路3のオン時の管
電圧の立ち上がり時にオーバーシュートが発生しても、
コンデンサ13はグリッド電圧が負になる方向に充電さ
れず、X線管13に流れる電流が不安定になることがな
い。
【0033】ところで、X線照射中にX線管9が放電を
起こすと、コンデンサ7、8の放電電流がX線管9のア
ノードA、カソードK間を通って一気に流れる。この放
電電流は、短時間ではあるが百アンペア以上に達する。
X線管13のアノードAとカソードK間は短絡状態であ
るため、コンデンサ7、8の放電電流は放電保護回路1
6の端子fから端子d、グリッドオン回路14の端子d
から端子c、放電保護回路16の端子cから端子eのよ
うに流れる。
【0034】このため、前記放電電流はグリッドオン回
路14の端子d側から侵入し、抵抗146、トランジス
タ144を流れる。この時、抵抗146の電圧降下によ
り、トランジスタ144は保護されるが、今度はツェナ
ーダイオード145に前記放電時の電圧と抵抗146の
降下電圧が掛かって(1500V〜1800V以上)、
これが破損してしまうため、このままでは、グリッドオ
ン回路14が破損してしまうことになる。
【0035】しかし、本例では、この時、放電保護回路
16が動作して、グリッドオン回路14が破壊されるの
を防止する動作が行われる。即ち、グリッドオン回路1
4内部には抵抗146があるために、上記したX線管9
の放電時、グリッドオン回路14の端子c、d問の電圧
は上昇する。これら端子c、dは放電保護回路16の端
子c、dに接続されているから、放電保護回路16の端
子c、d間の電圧も同様に上昇する。放電保護回路16
の端子c、d間の電圧は図3に示すように抵抗152、
153で分圧され、コンデンサ151を充電する。そし
てコンデンサ151の電圧がトリガーダイオード154
のブレークオーバ電圧(30V程度)に達すると、トリ
ガーダイオード154はオン状態となり、コンデンサ1
51の電荷でサイリスタ155をトリガしてオンする。
【0036】サイリスタ155がオンすることで、X線
管9のグリッドGとカソードK間が短絡され、前記放電
電流はこのサイリスタ155を通して流れ、放電保護回
路16の端子c、d間の電圧、即ちグリッドオン回路1
4の端子c、d間の電圧はほぼ1V程度にする。これに
より、グリッドオン回路14のツェナーダイオード14
5には1V程度の電圧しか掛からず、X線管9の放電電
流から保護される。
【0037】ところで、トリガーダイオード154の電
流−電圧特性は、図4のようになっており、トリガーダ
イオード154の端子電圧がブレークオーバ電圧VBO
に達すると、急激にオンする特性がある。ブレークオー
バ電圧VBOは、30V前後であり、又、抵抗152と
153の抵抗値をそれぞれR152、R153とする
と、(R152+R153)×VBO/R153<Vz
となるように、R152、R153の値を選択すれば、
ツェナーダイオード145は破壊されずに済むことにな
る。但し、Vzはツェナーダイオード145のツェナー
電圧である。それによって、ツェナーダイオード145
をX線管9の放電電流から確実に保護することができ
る。
【0038】尚、放電保護回路16は抵抗152、15
3、コンデンサ151、トリガーダイオード154及び
サイリスタ155で構成される。放電保護回路16は負
性抵抗特性を有し、オンする電圧は1500〜1800
Vと高いが、一度オンしてしまうと、サイリスタに掛か
る電圧は約1Vで、しかも大量の電流を一気に流すこと
ができる。
【0039】本実施の形態によれば、X線照射中にX線
管9が放電を起こし、コンデンサ7、8の電荷が一気に
放電しても、放電保護回路16によりX線管9のグリッ
ドG、カソードK間を短絡するため、前記放電による高
電圧がグリッドオン回路14に掛からないようにして、
グリッドオン回路14の破損を防止することができ、パ
ルスX線装置の信頼性を向上させることができる。
【0040】図5は、本発明のパルスX線装置の第2の
実施の形態の要部を示したブロック図である。但し、第
1の実施の形態と同一部分は同一符号を用い、且つその
説明を適宜省略する。本例は、グリッドオン回路14の
端子c、d間にツェナーダイオードがなく、この端子
c、dに放電回路16が接続されている。他の構成は図
1に示した第1の実施の形態と同様である。
【0041】次に本実施の形態の動作について説明す
る。X線照射中にX線管9が放電を起こすと、放電保護
回路16を通して、グリッドオン回路14にコンデンサ
7、8の放電電流が流れ込むが、抵抗152、153の
分圧電圧の上昇により、トリガーダイオード154がオ
ン状態となるため、コンデンサ151の電荷でサイリス
タ155をトリガして、これをオン状態とし、トランジ
スタ144へ流れ込む電流を減少させると共に、コンデ
ンサ13の過電圧を防止する。これにより、本例も、グ
リッドオン回路14の破損を防止する効果がある。
【0042】又、装置の動作中に、何らかの異常によっ
てコンデンサ13に1500〜1800V以上の過電圧
が掛かった場合、抵抗152、153の分圧電圧の上昇
により、トリガーダイオード154がオン状態となるた
め、コンデンサ151の電荷でサイリスタ155をトリ
ガしてこれをオン状態とすることによって、コンデンサ
13の両端を短絡してコンデンサ13に過電圧が掛から
ないようにでき、上記したようにツェナーダイオードを
省略しても、コンデンサ13の過電圧保護を行うことも
できる。
【0043】図6は、本発明のパルスX線装置の第3の
実施の形態の要部を示したブロック図である。但し、第
2の実施の形態と同一部分は同一番号を用い、且つその
説明を適宜省略する。本例は、グリッドオン回路14の
端子dとトランジスタ144のコレクタ間に抵抗がな
く、放電保護回路16の端子e、f間にアレスタ158
が接続され、同じく、端子f、d間にインダクタ157
が接続されている。また、グリッドオン回路14の端子
c、d間に端子c側がアノードになるようにツェナーダ
イオード145が接続されている。
【0044】次に本実施形態の動作について説明する。
X線照射中にX線管9が放電を起こすと、放電保護回路
16を通して、グリッドオン回路14にコンデンサ7、
8の放電電流が流れ込む。このX線管9の放電開始時の
電流上昇率di/dtは極めて大きいため、インダクタ
157の両端には、放電保護回路16の端子f側がプラ
スとなる向きの大きな電圧が発生する。
【0045】その電圧はツェナーダイオード145を介
してアレスタ158の両端に加わる。アレスタ158の
両端の電圧が1500〜1800Vに達すると、アレス
タ158はグロー放電を開始し、X線管9のグリッド、
カソード間を短絡状態する。これにより、トランジスタ
144に流れ込む電流を減少させると共に、コンデンサ
13の過電圧を防止する。
【0046】ここで、ツェナーダイオード145は、X
線管9が放電を開始した時にインダクタ157の両端に
発生する電圧をアレスタ158に伝える働きをする。更
に、ツェナーダイオード145は、X線管9の放電終了
時に、インダクタ157の両端に発生する放電保護回路
16の端子f側がマイナスとなる向きの逆起電力を放電
する働きがあり、これにより、トランジスタ144が前
記逆起電力によって破損することを防止している。
【0047】本実施の形態によれば、グリッドオン回路
14の端子dとトランジスタ144のコレクタ間に抵抗
がないため、上記した第1及び第2の実施の形態より
も、X線管9のエミッション特性の低下がないことに優
れ、X線を安定に出力することができる。
【0048】その理由は以下の如くである。即ち、上記
第1及び第2の実施の形態では、グリッドオン回路14
内のトランジスタ144のコレクタにトランジスタ保護
抵抗146が接続されている。この抵抗146は、X線
管放電時にトランジスタ144に過電流が流れないよう
にするために必要である。
【0049】しかし、通常の動作時はトランジスタ14
4がオンした時のグリッドオン回路14の端子c、d聞
の抵抗値を増加させ、X線管のグリッド、カソード間に
グリッドがマイナスになる向きの電圧が僅かに発生す
る。そのため、X線管9のエミッション特性が低下し、
X線出力を取り出し難くしていた。
【0050】これに対して本第3の実施の形態によれ
ば、トランジスタ144がオンした時のグリッドオン回
路14の端子c、d間の抵抗値を、前記抵抗を除したこ
とによってほぼゼロにすることができるため、X線管9
のエミッション特性低下を防ぐことができる。他の効果
は第1、第2の実施の形態と同様である。
【0051】尚、図7に示すように、ツェナーダイオー
ド145(図6参照)の代わりに、ダイオード148を
使用して、同様にX線管9のエミッション特性低下を防
止する効果を得ることができる。
【0052】しかし、この場合は、インダクタ157に
蓄積されたエネルギーを解放するために、インダクタ1
57と並列に放電保護回路16の端子f側がカソードに
なる向きにダイオード159を接続している。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1、第
2、第3、第4、第6の発明のパルスX線装置によれ
ば、X線照射中にX線管が放電を起こしても、グリッド
オン回路の破壊を防止でき、しかも、X線管のグリッド
とカソード間に挿入するツェナーダイオードを省略して
も、X線管のグリッド電圧を供給するコンデンサを過電
圧から保護することができ、装置の信頼性を向上させる
ことができる。
【0054】第5の発明のパルスX線装置によれば、X
線照射中にX線管が放電を起こしても、グリッドオン回
路の破壊を防止することができ、装置の信頼性を向上さ
せることができる。
【0055】第7又は第8の発明のパルスX線装置によ
れば、X線管のエミッション特性の低下を防止でき、よ
り安定にX線を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルスX線装置の第1の実施の形態を
示したブロック図である。
【図2】図1に示したグリッドオン回路の詳細例を示し
た回路図である。
【図3】図1に示した放電保護回路の詳細例を示した回
路図である。
【図4】図3に示したトリガーダイオードの電流−電圧
特性を示した特性図である。
【図5】本発明のパルスX線装置の第2の実施の形態の
要部を示したブロック図である。
【図6】本発明のパルスX線装置の第3の実施の形態の
要部を示したブロック図である。
【図7】図6に示したグリッドオン回路と放電保護回路
の他の例を示した回路図である。
【図8】従来のパルスX線装置の構成例を示したブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 商用電源 2 整流平滑回路 3 インバーター回路 4 タイミング回路 5 変圧器 6 高圧整流回路 7、8、137、151 コンデンサ 9 X線管 10、148、159 ダイオード 11、12、134、135、138、143、14
6、152、153 抵抗 14 グリッドオン回路 15a、15b 高電圧ケーブル 16 放電保護回路 131 直流電源 133 アンド回路 136、144 トランジスタ 139 トランス 140、141 整流ダイオード 142 チョーク 145 ツェナーダイオード 154 トリガーダイオード 155 サイリスタ 157 インダクタ 158 アレスタ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリッド、アノード及びカソードの各電
    極を有するX線管の前記アノードと前記カソード間に高
    電圧を印加して前記アノードからX線を曝射し、その際
    に前記グリッドと前記カソード間に接続されたコンデン
    サの充電電圧を制御して前記グリッド電圧を変化させる
    ことにより、前記アノードと前記カソード間の電流をオ
    ンオフするパルスX線装置において、 前記グリッドと前記カソード間の電圧を制御するグリッ
    ド電圧制御手段と、 前記X線管の放電を検出する放電検出手段と、 この放電検出手段により前記X線管の放電が検出される
    と、前記グリッドと前記カソード間を短絡する保護手段
    とを備えたことを特徴とするパルスX線装置。
  2. 【請求項2】 グリッド、アノード及びカソードの各電
    極を有するX線管の前記アノードと前記カソード間に高
    電圧を印加して前記アノードからX線を曝射し、その際
    に前記グリッドと前記カソード間に接続されたコンデン
    サの充電電圧を制御して前記グリッド電圧を変化させる
    ことにより、前記アノードと前記カソード間の電流をオ
    ンオフするパルスX線装置において、 前記グリッドと前記カソード間の電圧を制御するグリッ
    ド電圧制御手段と、 前記グリッドと前記カソード間の電圧が所定値を超えた
    ことを検出する電圧検出手段と、 この電圧検出手段により前記グリッドと前記カソード間
    の電圧が所定値を超えたことが検出されると、前記グリ
    ッドと前記カソード間を短絡する保護手段とを備えたこ
    とを特徴とするパルスX線装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧検出手段と前記保護手段は負正
    抵抗を有する回路から成ることを特徴とする請求項2記
    載のパルスX線装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧検出手段は前記グリッドと前記
    カソード間の電圧を分圧する分圧回路と、 この分圧回路の分圧電圧がブレークオーバー電圧に達す
    るとオンするトリガーダイオードとを有し、前記オンし
    たトリガーダイオードを通して供給される電流によリオ
    ンするサイリスタを有し、 前記サイリスタがオンして前記グリッドと前記カソード
    間を短絡することを特徴とする請求項2又は3記載のパ
    ルスX線装置。
  5. 【請求項5】 前記コンデンサを過電圧から保護するツ
    ェナーダイオードを前記X線管の前記グリッドと前記カ
    ソード間に接続することを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか1記載のパルスX線装置。
  6. 【請求項6】 前記コンデンサは前記高電圧を前記X線
    管に印加する高電圧ケーブルの浮遊容量とすることを特
    徴とする請求項1乃至5いずれか1記載のパルスX線装
    置。
  7. 【請求項7】 前記放電検出手段と前記保護手段は、イ
    ンダクタと負性抵抗を有する回路から成ることを特徴と
    する請求項1記載のパルスX線装置。
  8. 【請求項8】 前記負性抵抗を有する回路はアレスタを
    使用し、X線管放電時に前記アレスタが作動して、前記
    グリッドと前記カソード間を短絡することを特徴とする
    請求項2、3、4、5、6、7いずれか1記載のパルス
    X線装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008186774A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Rigaku Corp バイアス電圧制御回路およびこれを用いたx線発生装置
JP2010218917A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Toshiba Corp X線管装置
US9374881B2 (en) 2012-11-28 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Radiation generator including cut-off voltage generator and associated detection unit

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