JP2000082349A - 透明導電膜の抵抗値低減方法および装置 - Google Patents

透明導電膜の抵抗値低減方法および装置

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JP2000082349A
JP2000082349A JP10254414A JP25441498A JP2000082349A JP 2000082349 A JP2000082349 A JP 2000082349A JP 10254414 A JP10254414 A JP 10254414A JP 25441498 A JP25441498 A JP 25441498A JP 2000082349 A JP2000082349 A JP 2000082349A
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conductive film
resistance value
gas
reducing
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Yoshiaki Mori
義明 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低抵抗の透明導電膜を容易に得られるように
する。 【解決手段】 原料ガス供給源16からのCF4 は、
水バブリングユニット20において水蒸気を添加された
のち、放電ユニット18に導入される。放電ユニット1
8は、気体放電を発生させてCF4 と水蒸気とを反応
させ、HF、COFなどの反応性のフッ素系ガスを
生成する。反応性フッ素系ガスは、処理ガス供給配管4
0に流入する希釈ガスとともにフッ化処理室14に供給
される。フッ化処理室14に配置されたITO薄膜44
は、フッ化処理室14に供給された反応性フッ素系ガス
によってフッ化され、抵抗値が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜の抵抗
値を低減する方法に係り、特に液晶表示装置などの液晶
デバイスの電極に用いられるITO(インジウム、錫の
酸化物)薄膜の抵抗値を低減するのに好適な透明導電膜
の抵抗値低減方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶デバイスを用いた製品は、CRTな
どと比較して小型軽量化が可能であるとともに、消費電
力が小さいところから、近年増加の一途をたどってい
る。液晶デバイスは、液晶に電圧を印加することによっ
て光を透過、遮断するもので、情報を光学的に人々に伝
えるものである。そして、液晶に電圧を印加する電極材
料は、光を透過するとともに、導電性であることが要求
され、一般的に透明導電膜と呼ばれるITO薄膜が使用
されている。
【0003】ITO薄膜は、例えば特開平10−168
558号公報に記載されているように、一般に真空中に
おけるスパッタリングによって製造される。ITO薄膜
を成膜するスパッタリングは、ITOからなる電極をタ
ーゲットとし、真空中にアルゴンとわずかな酸素とを導
入して行われる。また、ITO膜の抵抗値を小さくする
ためにスパッタリングを行う雰囲気に水素等を添加する
場合もある。そして、近年は、液晶表示装置の大型化、
高速化が急速に進んでおり、これに伴ってITO薄膜の
低抵抗化が強く求められている。従来、ITO薄膜の低
抵抗化は、スパッタリング時の成膜条件の制御、特にI
TO薄膜の抵抗値が膜中の酸素量に大きく依存している
ところから、真空容器中への酸素供給量の制御と、成膜
後におけるアニール処理とによって行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スパッタリン
グによって成膜されるITO薄膜は、ITOターゲット
の消耗や、ITOターゲットから飛び出したITO材と
雰囲気中の酸素とで形成される物質が、ITOターゲッ
ト表面に再付着して形成される酸化物によるITOター
ゲットの汚染などにより、雰囲気や装置が経時変化して
ITO薄膜の抵抗値を一定にすることが難しいばかりで
なく、低抵抗にするために微量なガス(酸素、または酸
素と水素)を高精度にコントロールする必要がある。そ
して、このような微妙なガスコントロールを行おうとす
ると、生産性が低下するばかりでなく高価な装置を必要
とし、液晶デバイスの製造コストを上昇させる。
【0005】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、低抵抗の透明導電膜を容易に安
定して得られるようにすることを目的としている。
【0006】また、本発明は、透明導電膜の透明導電膜
の生産性を向上させることを目的としている。
【0007】さらに、本発明は、透明導電膜の抵抗値を
所望の値に制御することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安定した
特性を有するITO薄膜を得るために種々実験を行った
ところ、スパッタリングなどによって成膜したITO膜
をフッ化処理すると、そのメカニズムは現在のところ不
明であるが、抵抗値が大幅に低下することを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、上記
の目的を達成するために、本発明に係る透明導電膜の抵
抗値低減方法は、成膜した透明導電膜をフッ化処理する
ことを特徴としている。透明導電膜、特にITO薄膜を
フッ化処理すると、その抵抗値を30〜40%低下させ
ることができる。また、フッ化の程度によって透明導電
膜の抵抗値を所定値に制御することができるため、スパ
ッタリングなどによって成膜したときの透明導電膜の抵
抗値をその後にそろえることが可能で、成膜条件を緩和
でき、透明導電膜の生産性を向上することができる。そ
して、成膜後に抵抗値を低下させるため、スパッタリン
グを行う真空雰囲気に透明導電膜の抵抗を下げるための
水素などを導入する必要がない。また、酸素の導入量
は、成膜した薄膜の光学的な所定の透過率が得られる程
度に制御すればよく、スパッタリング条件が緩和されて
複雑な制御をする必要がなく、透明導電膜の生産性を向
上することができるとともに装置コストの削減が図れ
る。しかも、従来、スパッタリング時の経時変化に応じ
た制御を必要としていたのに対して、成膜後の任意のと
きに抵抗値を調整できるため、成膜時における抵抗値の
ずれを修正する必要がない。そして、一定の条件で成膜
した透明導電膜に対してフッ化処理をすることにより、
異なる任意の抵抗値を有する透明導電膜を容易に得るこ
とができる。
【0009】フッ化処理は、真空中で行ってもよいが、
大気圧またはその近傍の圧力下にある反応性のフッ素系
ガスを透明導電膜に接触させて行うことが望ましい。大
気圧中でフッ化処理を行うと、高価な真空装置を必要と
しないばかりでなく、排気などを必要としないためにフ
ッ化処理に要する時間を短縮することができるととも
に、連続処理を行うことができる。また、フッ化処理
は、大気圧またはその近傍の圧力下にある反応性のフッ
素系ガスと水蒸気とを透明導電膜に接触させて行うとよ
い。反応性フッ素系ガスと水蒸気とを透明導電膜に接触
させると、反応性フッ素系ガスと水蒸気とが反応してよ
り活性なフッ素系のイオンが生じ、フッ化処理の速度を
大きくすることができる。
【0010】反応性フッ素系ガスは、大気圧またはその
近傍の圧力下にある安定なフッ素系ガスを介した放電
(コロナ放電やグロー放電など)を発生させて生成する
ことができる。反応性フッ素系ガスとして例えばHFを
使用する場合、ボンベなどによって透明導電膜に供給し
てもよいが、安全装置やボンベユニットなどを必要と
し、コスト高となるのに対して、放電によって安定なフ
ッ素系ガスから反応性フッ素系ガスを得るようにする
と、取り扱いが容易であり、安全装置などが不要でコス
トの削減が図れる。そして、安定なフッ素系ガスには、
水蒸気を添加することができる。安定なフッ素系ガスと
水蒸気との混合ガスによって気体放電を発生させると、
HF、COFなどの反応性のフッ素系ガスを効率良
く生成することができる。
【0011】フッ化処理を透明導電膜に紫外線を照射し
つつ行うと、紫外線のエネルギーが活性なフッ素系ガス
を分解してより反応性が高いフッ素単原子が生成される
ため、フッ化処理の速度を高めることができる。透明導
電膜を加熱してフッ化処理を行うと、熱エネルギーがフ
ッ化処理を促進する。透明導電膜の加熱温度は、透明導
電膜に損傷を与えない温度であれば任意である。そし
て、フッ化処理を透明導電膜の抵抗値を計測しつつ行え
ば、各透明導電膜の抵抗値を所望の値に容易にそろえる
ことができるばかりでなく、1枚ごとに抵抗値の異なる
透明導電膜が容易に得られる。
【0012】上記の抵抗値低減方法を実施するための透
明導電膜の抵抗値低減装置は、反応性のフッ素系ガスを
供給するフッ化ガス供給部と、このフッ化ガス供給手段
からの前記反応性フッ素系ガスを透明導電膜に接触させ
てフッ化するフッ化処理部とを有することを特徴として
いる。
【0013】フッ化ガス供給部は、HFなどの反応性フ
ッ素系ガスを充填したボンベなどを用いることができる
が、安全性や取り扱いの容易性などから、安定なフッ素
系ガスを供給する原料ガス供給源と、この原料ガス供給
源から大気圧またはその近傍の圧力下の前記安定なフッ
素系ガスが供給され、この安定なフッ素系ガスを介した
放電を発生させて前記反応性フッ素系ガスを生成する放
電ユニットとを有するようにできる。また、放電ユニッ
トには、安定なフッ素系ガスから反応性のフッ素系ガス
を効率よく生成するために、放電ユニット内に水蒸気を
供給する水蒸気発生部を接続できる。
【0014】フッ化処理部には、反応性フッ素系ガスと
ともに水蒸気を供給する水蒸気供給部を接続し、反応性
フッ素系ガスと水蒸気とを透明導電膜に接触させてフッ
化処理の促進を図ることができる。また、フッ化処理部
には、透明導電膜に紫外線を照射する紫外線源や、透明
導電膜を加熱する加熱手段を設けてフッ化処理速度を大
きくすることができる。さらに、フッ化処理部には、透
明導電膜の抵抗値を検出する抵抗検出手段を設け、透明
導電膜の抵抗値を検出しながらフッ化処理を行い、所望
の抵抗値を有する透明導電膜を得るようにしてよい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る透明導電膜の抵抗値
低減方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面
に従って詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の第1実施の形態に係る透
明導電膜の抵抗値低減装置の説明図である。図1におい
て、抵抗値低減装置10は、フッ化ガス供給部12とフ
ッ化処理部であるフッ化処理室14とを有している。フ
ッ化ガス供給部12は、CF4 やSF6 などの安定な
フッ素系ガスを供給する原料ガス供給源16と、その作
用を後述する放電ユニット18と、原料ガスである安定
なフッ素系ガス(この実施形態においてはCF4 )に
水蒸気を添加する水蒸気発生手段である水バブリングユ
ニット20とを備えている。
【0017】原料ガス供給源16は、ますフローコント
ローラなどの流量制御弁22を有する原料配管24を介
して水バブリングユニット20に接続してあって、水バ
ブリングユニット20の水槽26内に原料ガスを供給で
きるようにしてある。また、水槽26は、恒温水槽であ
って、水槽26内の水28の温度を検出する熱電対など
の温度センサ30が取り付けてある。そして、温度セン
サ30の検出信号は、制御器32に入力するようになっ
ていて、制御器32が温度センサ30の検出値に基づい
て、水槽26に設けたヒータ34に給電する電源36を
制御し、水28の温度を一定温度に保持できるようにし
てある。さらに、水バブリングユニット20と放電ユニ
ット18とは、配管38によって接続してあり、水バブ
リングユニット20において水蒸気(HO)を添加
されたCF4 を大気圧状態で放電ユニット18に供給
できるようにしてある。
【0018】放電ユニット18は、CF4 と水蒸気と
の混合ガスが通流する電極間に交流電圧が印加されるよ
うになっていて、電極間を流れるガスを介して気体放電
を発生し、CF4 と水蒸気とを反応させてHFやCO
などの反応性のフッ素系ガスを生成する。なお、
放電ユニットは、大気圧下でしかも水分の多い状況で放
電できるシステムであればどのようなシステムでもよ
く、この実施形態においては、櫛歯状の電極を使用した
沿面放電方式を採用しており、電極に印加した電圧は1
0kVであって、その周波数は10kHzである。
【0019】放電ユニット18の流出側には、処理ガス
供給配管40を介してフッ化処理室14が接続してあ
り、生成したHFなどの反応性フッ素系ガスをフッ化処
理室14に供給できるようになっている。このフッ化処
理室14には、例えばガラス基板42にマグネトロンス
パッタリングなどによって成膜した透明導電膜であるI
TO薄膜44が配置してある。また、処理ガス供給配管
40には、希釈ガス管46が接続してあって、処理ガス
供給配管40に圧縮空気や窒素などの希釈ガス48を流
入させることができるようにしてある。希釈ガス管46
には、流量制御弁50が設けてあるとともにヒータ52
が配設してあって、希釈ガス源54からの希釈ガス48
を加熱して処理ガス供給配管40に供給し、処理ガス供
給配管40内を流れるHFが水素結合によって分子会合
するのを防止している。
【0020】上記のごとく構成した第1実施の形態にお
いては、原料ガス供給源16から原料ガスであるCF
4 を水バブリングユニット20の水28中に吹き込
み、CF4に水蒸気を添加する。この実施形態の場合、
水バブリングユニット20へのCF4 の供給量は、気
体の標準状態で100ml/分にしてある。水28は、
ヒータ34によって一定の温度に保持されており、水バ
ブリングユニット20を通過するCF4 の相対湿度が
一定となるようにしてある。そして、水バブリングユニ
ット20を通過したCF4 は、水蒸気とともに放電ユ
ニット18に流入する。放電ユニット18は、CF4
と水蒸気との混合ガスを介した気体放電を発生し、次の
ような反応によってCF4 と水蒸気とを反応させて活
性な反応性フッ素系ガスを生成する。すなわち、
【0021】
【化1】CF4 +e→F- +CF +e
【0022】
【化2】F- +CF +2HO→4HF+CO
または、
【0023】
【化3】F- +CF +HO→2HF+COF となり、HF、COFなどの反応性フッ素系ガスが
生成される。
【0024】放電ユニット18において生成された反応
性フッ素系ガスは、処理ガス供給配管40に流入する。
そして、反応性フッ素系ガスは、処理ガス供給配管40
に希釈ガス管46を介して供給された圧縮空気や窒素ガ
スなどの希釈ガス(この実施形態の場合、窒素ガス)4
8によって所定の濃度に希釈されてフッ化処理室14に
供給され、フッ化処理室14内に配置されたITO薄膜
44と接触してこれをフッ化する。これにより、ITO
薄膜44の抵抗値がスパッタリングによって成膜された
ときよりも30〜40%程度低下するため、低抵抗のI
TO薄膜を容易に得ることができる。しかも、成膜後の
任意のときに処理することができるばかりでなく、成膜
時に抵抗値がばらついていたとしても、フッ化処理によ
って容易に抵抗値を一定の値にそろえることができる。
このため、スパッタリングなどの成膜時に抵抗値を制御
するための酸素ガスの流量調整等を行う必要がなく、成
膜条件が緩和されてITO薄膜44の生産性を向上する
ことができる。また、一定の条件で成膜したITO薄膜
44をフッ化処理する場合に、反応性フッ素系ガスの濃
度やフッ化処理の時間を異ならせることにより、1枚ず
つ任意の異なる抵抗値を有するITO薄膜44を容易に
得ることができる。
【0025】なお、希釈ガス48は、ヒータ52によっ
て所定の温度に加熱してあって、処理ガス供給配管40
を80℃程度の温度となるように暖め、HFが水素結合
によって分子会合を形成し、処理ガス供給配管40の内
面に付着するのを防止する。これにより、フッ化処理室
14に供給されるフッ化処理ガスの状態や濃度が安定
し、ITO薄膜44のフッ化処理を均一に安定して行え
るとともに、処理ガス供給配管40が腐食するのを防止
できる。また、この実施形態においては、CF4に水蒸
気を添加して放電ユニット18に供給して反応性フッ素
系ガスを生成しているため、CF4 単独による気体放
電より効率よく反応性フッ素系ガスを生成することがで
きる。しかも、反応性フッ素系ガスを安定で安全なCF
4 から生成しているため、ボンベなどによってHFを
フッ化処理室14に供給する場合に比較して安全で取り
扱いが容易であり、装置のコストも低減することができ
る。また、ITO薄膜44のフッ化処理は、1枚ずつ行
ってもよいし、複数枚を同時にフッ化処理をしてもよ
い。
【0026】図2は、第2の実施形態に係る透明導電膜
の抵抗値低減装置の要部説明図である。図2において、
放電ユニット18には、原料ガス供給源からCF4
供給されるとともに、水蒸気発生部から水蒸気が供給さ
れるようになっている。そして、放電ユニット18とフ
ッ化処理室14とを接続している処理ガス供給配管40
には、希釈ガス管46が接続してある。この希釈ガス管
46は、流量調整弁56を備えた分岐管58が設けてあ
って、希釈ガス源54からの希釈ガス48の一部を水蒸
供給部となる水バブリングユニット60に導入できるよ
うにしてある。また、希釈ガス管46の分岐管58の接
続部より下流側と水バブリングユニット60との間に
は、水蒸気供給管62が設けてあって、水バブリングユ
ニット60において水蒸気を添加した希釈ガスを希釈ガ
ス管46に戻すことができるようになっている。
【0027】このように構成してある第2実施の形態に
おいては、前記したように放電ユニット18においてC
4 と水蒸気とが反応してHF、COFなどの反
応性フッ素系ガスが生成される。この反応性フッ素系ガ
スは、処理ガス供給配管40に流入した希釈ガス、水蒸
気とともにフッ化処理室14に供給され、水(水蒸気)
と次のような反応を生ずる。
【0028】
【化4】COF+HO→CO+2HF さらに、
【0029】
【化5】2HF+HO→HF- +H+ となり、HFやCOFよりも反応性が高いフッ素系
イオン分子が生成される。そして、このイオンがITO
薄膜44と反応し、ITO薄膜をフッ化する。
【0030】このように、第2の実施形態においては、
より反応性の高いフッ素系のイオンを生ずるため、IT
O薄膜44のフッ化処理に要する時間を短縮することが
できる。
【0031】図3は、第3実施の形態に係る抵抗値低減
装置の要部説明図である。この実施形態においては、フ
ッ化処理室14に紫外線源となる紫外線ランプ64が設
けてあって、ITO薄膜44に紫外線を照射できるよう
にしてある。このように構成した第3実施の形態におい
ては、紫外線ランプ64から出射される紫外線がHF、
COFの結合を切り、より反応性の高いフッ素単原
子を生成し、このフッ素単原子がITO薄膜44をフッ
化する。従って、フッ化処理室14にHF、COF
を単に供給してフッ化処理するよりも迅速なフッ化処理
が行える。
【0032】なお、図3の破線に示したように、フッ化
処理室14に加熱するヒータ66などの加熱手段を設け
てITO薄膜44を加熱するようにすると、フッ化反応
をより促進することができる。ITO薄膜の加熱温度
は、ITO薄膜が熱によって劣化しないような温度であ
れば任意であって、例えば50〜150℃とすることが
できる。
【0033】図4は、第4の実施形態に係る抵抗値低減
装置の要部説明図である。図4(1)においてフッ化処
理室14の内部には、例えば三次元的に移動可能なテー
ブル70が配置してあって、このテーブル70の上にI
TO薄膜44を設けたガラス基板42を配置するように
なっている。また、テーブル70の上方には、処理ガス
供給配管40に接続した局所処理ノズル72が設けてあ
って、処理ガス供給配管40によって放電ユニット18
から輸送されてきたフッ化処理ガス74をITO薄膜4
4の任意の部分に吹き付けることができるようにしてあ
る。局所処理ノズル72は、詳細を図4(2)に示した
ように、二重管構造となっていて、中心部が円筒状の吹
き出し管部76となっており、その周囲が排気管部78
となっている。そして、排気管部78は、図示しない吸
引装置に接続してあって、吹き出し管76の先端から吹
き出されてITO薄膜44と接触し、ITO薄膜44を
フッ化したフッ化処理ガス74を吸引し、排気80とし
てフッ化処理ガスを無害化する除害装置に送ることがで
きるようになっている。さらに、フッ化処理室14に
は、抵抗値検出手段となる例えば四探針法を利用したシ
ート抵抗測定器82の探針(電極)84が配置してあ
り、ITO薄膜44の抵抗値(シート抵抗)を検出でき
るようになっている。
【0034】このように構成した第4の実施形態におい
ては、テーブル70を駆動してITO薄膜44のフッ化
処理したい部分を局所処理ノズル72の下方に移動させ
るとともに、ITO薄膜44を局所処理ノズル72の先
端に近接させる。そして、局所処理ノズル72の吹き出
し管部76の先端から反応性フッ素系ガスを含んだフッ
化処理ガス74を吹き出し、ITO薄膜44の所望の位
置にに吹き付け、局部的なフッ化処理を行う。また、局
所処理ノズル72によるフッ化処理と同時に、フッ化処
理を行っている部分のITO薄膜44のシート抵抗をシ
ート抵抗測定器82によって検出し、シート抵抗が所定
値に低下した段階でITO薄膜44のフッ化処理を終了
する。
【0035】このように、この実施形態においては、局
所的なフッ化処理が可能で、ITO薄膜44の所望位置
の抵抗値を低減して所望の値にすることができる。しか
も、シート抵抗測定器82によってITO薄膜44のシ
ート抵抗を検出しながらフッ化処理を行うため、フッ化
処理下部分の抵抗値を容易、正確に所定値とすることが
できる。
【0036】なお、前記実施形態においては、局所処理
ノズル72が二重円筒状をなしている場合について説明
したが、例えば平滑なガラス板を平行に配置して吹き出
し口を帯状または線状をなすように形成してもよい。ま
た、前記実施の形態においては、ITO薄膜44を停止
させた状態でフッ化処理する場合について説明したが、
ITO薄膜44を移動させつつフッ化処理をしてもよ
い。そして、前記した各実施形態のように、ITO薄膜
44の全面をフッ化処理する場合にも、シート抵抗測定
器82によってシート抵抗を検出しつつフッ化処理する
ことにより、所望の抵抗値を有するITO薄膜44を容
易に得ることができ、また各ITO薄膜44の抵抗値を
そろえることができるばかりでなく、1枚ずつ任意の抵
抗値に制御することができる。さらに、前記実施の形態
においては、ITO薄膜44をフッ化処理室14内に配
置してフッ化処理する場合について説明したが、ITO
薄膜44をコンベヤなどの搬送装置の上に配置し、搬送
装置によって移動しているITO薄膜44にフッ化処理
ガスを吹き付けてフッ化処理を行ってもよい。これによ
り、ITO薄膜44の連続的なフッ化処理が可能とな
る。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、成膜した透明導電膜をフッ化処理することにより、
透明導電膜の抵抗値を低下させることができ、低抵抗の
透明導電膜を容易に得ることができる。また、スパッタ
リングなどによって成膜した透明導電膜をフッ化処理し
て抵抗値を低下させるようにしているため、抵抗値を所
定の値に制御することが容易で、スパッタリングなどの
成膜条件を緩和でき、透明導電膜の生産性を向上するこ
とができる。しかも、成膜後のフッ化処理によって透明
導電膜の抵抗値を調整できるため、所望の抵抗値を有す
る透明導電膜を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る透明導電膜の抵
抗値低減装置の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る透明導電膜の抵
抗値低減装置の要部説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る透明導電膜の抵
抗値低減装置の要部説明図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る透明導電膜の抵
抗値低減装置の要部説明図であって、(1)はフッ化処
理室の説明図、(2)は局所処理ノズルの詳細説明図で
ある。
【符号の説明】
10 抵抗値低減装置 12 フッ化ガス供給部 14 フッ化処理部(フッ化処理室) 16 原料ガス供給源 18 放電ユニット 20 水蒸気発生部(水バブリングユニット) 44 透明導電膜(ITO薄膜) 52 ヒータ 54 希釈ガス源 60 水蒸気供給部(水バブリングユニット) 64 紫外線源(紫外線ランプ) 66 加熱手段(ヒータ) 72 局所処理ノズル 74 フッ化処理ガス 82 抵抗検出手段(シート抵抗測定器)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜した透明導電膜をフッ化処理するこ
    とを特徴とする透明導電膜の抵抗値低減方法。
  2. 【請求項2】 前記フッ化処理は、大気圧またはその近
    傍の圧力下にある反応性のフッ素系ガスを前記透明導電
    膜に接触させて行うことを特徴とする請求項1に記載の
    透明導電膜の抵抗値低減方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ化処理は、大気圧またはその近
    傍の圧力下にある反応性のフッ素系ガスと水蒸気とを前
    記透明導電膜に接触させて行うことを特徴とする請求項
    1に記載の透明導電膜の抵抗値低減方法。
  4. 【請求項4】 前記反応性フッ素系ガスは、大気圧また
    はその近傍の圧力下にある安定なフッ素系ガスを介した
    放電を発生させて生成することを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の透明導電膜の抵抗値低減方法。
  5. 【請求項5】 前記安定なフッ素系ガスは、水蒸気が添
    加されていることを特徴とする請求項4に記載の透明導
    電膜の抵抗値低減方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ化処理は、前記透明導電膜に紫
    外線を照射しつつ行うことを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載の透明導電膜の抵抗値低減方法。
  7. 【請求項7】 前記フッ化処理は、前記透明導電膜を加
    熱して行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の透明導電膜の抵抗値低減方法。
  8. 【請求項8】 前記フッ化処理は、前記透明導電膜の抵
    抗値を計測しながら行うことを特徴とする請求項1ない
    し7のいずれかに記載の透明導電膜の抵抗値低減方法。
  9. 【請求項9】 反応性のフッ素系ガスを供給するフッ化
    ガス供給部と、このフッ化ガス供給部からの前記反応性
    フッ素系ガスを透明導電膜に接触させてフッ化するフッ
    化処理部とを有することを特徴とする透明導電膜の抵抗
    値低減装置。
  10. 【請求項10】 前記フッ化ガス供給部は、安定なフッ
    素系ガスを供給する原料ガス供給源と、この原料ガス供
    給源から大気圧またはその近傍の圧力下の前記安定なフ
    ッ素系ガスが供給され、この安定なフッ素系ガスを介し
    た放電を発生させて前記反応性フッ素系ガスを生成する
    放電ユニットとを有することを特徴とする請求項9に記
    載の透明導電膜の抵抗値低減装置。
  11. 【請求項11】 前記放電ユニットには、放電ユニット
    内に水蒸気を供給する水蒸気発生部が接続してあること
    を特徴とする請求項10に記載の透明導電膜の抵抗値低
    減装置。
  12. 【請求項12】 前記フッ化処理部には、水蒸気が供給
    される水蒸気供給部が接続してあることを特徴とする請
    求項9ないし11のいずれかに記載の透明導電膜の抵抗
    値低減装置。
  13. 【請求項13】 前記フッ化処理部は、前記透明導電膜
    に紫外線を照射する紫外線源が設けてあることを特徴と
    する請求項9ないし12のいずれかに記載の透明導電膜
    の抵抗値低減装置。
  14. 【請求項14】 前記フッ化処理部は、前記透明導電膜
    を加熱する加熱手段を有していることを特徴とする請求
    項8ないし13のいずれかに記載の透明導電膜の抵抗値
    低減装置。
  15. 【請求項15】 前記フッ化処理部は、前記透明導電膜
    の抵抗値を検出する抵抗検出手段を有することを特徴と
    する請求項9ないし14のいずれかに記載の透明導電膜
    の抵抗値低減装置。
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