JP2000081083A - 振動低減方法及びディスクドライブ - Google Patents

振動低減方法及びディスクドライブ

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JP2000081083A
JP2000081083A JP26746698A JP26746698A JP2000081083A JP 2000081083 A JP2000081083 A JP 2000081083A JP 26746698 A JP26746698 A JP 26746698A JP 26746698 A JP26746698 A JP 26746698A JP 2000081083 A JP2000081083 A JP 2000081083A
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vibration
vibration reducing
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reducing material
disk
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JP26746698A
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Nobuyuki Takahashi
伸幸 高橋
Manabu Matsunaga
学 松永
Hideyuki Kitai
秀幸 北井
Yasunori Sugihara
保則 杉原
Kazumasa Tanaka
和雅 田中
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動低減能に優れて高度な防音や防振等の作
用を示し、狭小空間等にも容易に適用できる振動低減方
法を得て、漏れ音やリードライトエラーの発生を防止し
たディスクドライブ等を得ること。 【解決手段】 振動発生装置(1)の内部又は外周に振
動低減材(21,22,23,24)を配置し、その振
動低減材として、2.039×1/104mmH2Oの気圧
差に基づく通気量が1×1/1010〜2×1/102cc
/cm2/秒で、かつ圧縮性の多孔質部材又は1〜3kH
zの周波数領域において特性インピーダンスの絶対値が
800kg/m2・S以上の多孔質部材を用いる振動低減方
法、及び情報記録媒体のディスク(6)を回転運動させ
るためのモータ(7)を装備し、かつ前記ディスクを装
着しうる空間を少なくとも有する筺体の内部又は外周の
一方又は両方に前記の振動低減材を配置してなるディス
クドライブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ディスクの回転駆動に伴
う振動を低減して高度な防音効果や制振効果等を発揮
し、情報記録用ディスク等のドライブの形成などに好適
な振動低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン等におけるHDD(ハードディ
スクドライブ)やDVDD(デジタルビデオディスクド
ライブ)、CDD(コンパクトディスクドライブ)やM
OD(MOドライブ)、FDD(フロッピーディスクド
ライブ)などでは、それらの磁気式や光学式等の情報記
録媒体としてのディスクを回転駆動させる際の風切音等
の騒音やモータの振動の伝播を防止するためにドライブ
の本体と基板間等の各所に振動低減材を配置する対策が
講じられている。
【0003】従来、前記のディスクドライブ等として
は、ポリウレタンフォーム等の発泡体やその静バネ定数
を限定したもの、発泡体の気泡内壁面に微細凹凸のポリ
マー膜を付設したものや外表面をフィルムで被覆したも
の、フィルムに樹脂等のメルトブロー層を積層したもの
からなる振動低減材を用いたものが知られていた(特開
昭56−157347号公報、特開昭59−10229
4号公報、特開平4−40381号公報、特開平4−3
45834号公報、特開平7−261768号公報)。
【0004】しかしながら、従来のいずれのディスクド
ライブ等にあってもその振動低減材による振動低減能に
乏しくて、防音や遮音や吸音、制振や防振等による消音
効果や振動伝播の防止効果に乏しく、漏れ音が大きいこ
とやリードライトエラーを発生する問題点があり、また
微細凹凸のポリマー膜の付設物等では製造工程も複雑で
製造効率に乏しい問題点などもあった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、振動低減能に優れて高
度な防音や防振等の作用を示し、狭小空間等にも容易に
適用できる振動低減方法を得て、漏れ音やリードライト
エラーの発生を防止したディスクドライブ等を得ること
を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、振動発生装置の内部又は
外周に振動低減材を配置し、その振動低減材として、
2.039×1/104mmH2Oの気圧差に基づく通気量
が1×1/1010〜2×1/102cc/cm2/秒で、かつ
圧縮性の多孔質部材、又は1〜3kHzの周波数領域に
おいて特性インピーダンスの絶対値が800kg/m2・S以
上の多孔質部材を用いることを特徴とする振動低減方法
を提供するものである。
【0007】また本発明は、情報記録媒体のディスクを
回転運動させるためのモータを装備し、かつ前記ディス
クを装着しうる空間を少なくとも有する筺体の内部又は
外周の一方又は両方に振動低減材を配置してなり、その
振動低減材が2.039×1/104mmH2Oの気圧差に
基づく通気量が1×1/1010〜2×1/102cc/cm2
/秒で、かつ圧縮性の多孔質部材、又は1〜3kHzの
周波数領域において特性インピーダンスの絶対値が80
0kg/m2・S以上の多孔質部材からなることを特徴とする
ディスクドライブを提供するものである。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、振動低減材を形成する
多孔質部材が上記の通気特性やインピーダンス特性に基
づいて優れた振動低減能を発揮し、防音や吸音や遮音、
制振や防振等の性能が複合した高度な消音効果や防振効
果等を示して、ディスクドライブ等の振動発生装置の優
れた騒音防止や振動防止等を達成することができる。ま
た振動低減材が多孔質部材よりなることより製造効率に
優れ、狭小空間等にも容易に装着できて、振動低減材の
肉厚化による装置全体の大型化を抑制することができ
る。
【0009】前記において、周波数3.15kHzによ
る吸音率が20%以上の多孔質部材、ないし減衰定数が
周波数をfとして0.01fneper/m以上の多孔質部
材を用いた振動低減材である場合には、消音や防振等の
効果が飛躍的に向上して、より高度な騒音防止や振動防
止等を達成することができる。また50%圧縮時の反発
応力が10〜200gf/cm2の多孔質部材を用いた場
合には、隣接部材の変形等を防止しつつ狭小空間等にも
より容易に装着でき、かつ製造も容易である。
【0010】
【発明の実施形態】本発明による振動低減方法は、振動
発生装置の内部又は外周に振動低減材を配置し、その振
動低減材として、2.039×1/104mmH2Oの気圧
差に基づく通気量が1×1/1010〜2×1/102cc
/cm2/秒で、かつ圧縮性の多孔質部材、又は1〜3k
Hzの周波数領域において特性インピーダンスの絶対値
が800kg/m2・S以上の多孔質部材を用いたものであ
る。
【0011】図1、図2(a),(b)に本発明による
振動低減方法を実施した振動発生装置1を例示した。2
1,22,23,24が振動低減材である。なお図1は
HDDを例示したものであり、図2はその構成部品であ
るサスペンション51を拡大して示したものである。
【0012】用いる振動低減材は、上記した特性を示す
多孔質部材からなるものである。これにより優れた吸音
や遮音、吸振動や制振等の効果を発揮して高度な騒音防
止や振動の伝播防止等が達成される。すなわち前記の多
孔質部材は、それに入射した音等の振動エネルギを吸収
し熱エネルギ等に変換して消音や振動防止等の効果を発
揮するが、その場合に上記した通気量ないしインピーダ
ンス特性を示すものを用いることにより、吸収しきれな
い音等の振動を多孔質部材の内部で反射して外部に漏れ
出す振動を大きく抑制し、優れた振動低減効果等を発揮
して高度な騒音防止や振動の伝播防止等が達成される。
【0013】前記において、多孔質部材の当該通気量が
1×1/1010cc/cm2/秒未満では振動の吸収性に乏
しくて消音や防振等の効果が発現しにくく、2×1/1
2cc/cm2/秒を超えると反射による遮音や伝播阻止等
の効果に乏しくて振動が透過しやすく、漏出し音や振動
伝播が多くてやはり消音や防振等の効果が発現しにく
い。当該インピーダンス特性が800kg/m2・S未満の場
合も同様である。従って通気量又はインピーダンス特性
の上記限定が音等の振動の吸収と透過ないし伝播におい
て臨界的な効果差を示す。
【0014】よって多孔質部材としては、上記の特性を
示す、例えば天然や合成の有機や無機の適宜な繊維を不
織布状等に集成してなる繊維集合体、あるいはオレフィ
ン系やウレタン系、アクリル系や塩化ビニル系、SBR
系やNR系、NBR系やそれらのブレンド系等の発泡体
などの適宜なものを用いうる。
【0015】消音や防振等の性能の点などより好ましく
用いうる多孔質部材は、当該通気量が1×1/108
1.5×1/102cc/cm2/秒、特に1×1/106
1×1/102cc/cm2/秒のもの、又は/及び当該イン
ピーダンス特性の絶対値が1000kg/m2・S以上、就中
1200kg/m2・S以上、特に2000〜13000kg/
m2・Sのものである。振動低減材は、2種以上の多孔質部
材の積層体や混合層などとして形成されていてもよい。
なお発泡体は、防音や防振等の効果や変形防止などの点
よりセルの30%以上が連続気泡系構造であることが好
ましい。
【0016】上記した条件等の点より好ましく用いうる
多孔質部材は、エチレン、プロピレンやブテン−1の如
きα−オレフィン、及びジシクロペンタジエンやエチリ
デンノルボルネンの如き非共役二重結合を有する環状又
は非環状のポリエンを成分とする共重合体、就中エチレ
ン45〜70モル%、α−オレフィン5〜20モル%、
ポリエン50〜10モル%のもの、特にムーニー粘度M
1+2(100℃)が30〜110のものからなるEP
DM系発泡体である。
【0017】また前記のEPDMを併用したゴム系発泡
体も好ましく用いうる。この場合にEPDM以外のゴム
成分としては、例えば天然ゴムやブチルゴム、クロロプ
レンゴムやアクリルゴム、スチレン・ブタジエンゴムや
ニトリル・ブタジエンゴムなどの適宜なものを用いう
る。なおEPDMの使用量は、耐候性や耐久性などの点
より全ゴム成分の20重量%以上であることが好まし
い。
【0018】本発明における条件を満足するEPDM系
等の発泡体の製造は、例えばゴム成分に発泡剤や加硫剤
等の適宜な添加剤を配合した混和物をシート等に成形し
て発泡加硫処理した後、セルの一部又は全部を圧縮処理
等の適宜な手段で破泡させるなどの物性調節処理を施す
方法などにより行うことができる。
【0019】前記の発泡剤としては、例えばアゾジカル
ボンアミドやジニトロソペンタメチレンテトラミン、炭
酸水素ナトリウムや4,4'-オキシビス(ベンゼンスル
ホニルセミカルバジド)の如きアゾ系やN−ニトロソ
系、無機系やセミカルバジド系、その他ヒドラジン系や
トリアゾール系などの適宜なものを用いうる。発泡剤の
使用量は、目的とする物性を得るための発泡倍率などの
点より、ゴム成分100重量部あたり5〜50重量部が
好ましい。
【0020】また加硫剤としては、硫黄やP−キノンジ
オキシム、P,P'-ジベンゾイルキノンジオキシムや
4,4'-ジチオジモルホリン、P−ジニトロソベンジン
や安息香酸アンモニウム、N,N'-m−フェニレンジマ
レイミドなどの適宜なものを用いうる。加硫剤の使用量
は、加硫不足やガス抜け等の発泡阻害を防止した、目的
とする物性を得る点などより、ゴム成分100重量部あ
たり1〜30重量部が好ましい。
【0021】上記した混和物の調製に際しては、例えば
尿素系やサリチル酸系や安息香酸系の如き適宜な発泡助
剤、アルデヒドアンモニア系やアルデヒドアミン系、チ
オウレア系やグアニジン系、チアゾール系やスルフェン
アミド系、チウラム系やジチオカルバミン酸塩系、キサ
ントゲン酸塩系の如き適宜な加硫助剤を必要に応じて用
いうる。
【0022】また例えば、炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、雲母粉、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウ
ムの如き金属水酸化物、酸化アルミニウムや酸化亜鉛の
如き金属酸化物等からなる充填剤、パラフィン系やナフ
テン系、アロマ系やアスファルト系等の軟化剤などの添
加剤も混和物の調製に際し必要に応じて配合することが
できる。
【0023】前記において、充填剤の使用量は、強度等
の物性制御などの点よりゴム成分100重量部あたり3
0〜300重量部が好ましい。また軟化剤の使用量は、
発泡性に関係する混和物の粘度の調節やブルーミングの
防止性などの点よりゴム成分100重量部あたり10〜
300重量部が好ましい。
【0024】本発明に用いる上記EPDM系等の発泡体
としては、例えば剥離ライナ上に混和物を0.5〜50
mmの厚さで展開し、それを100〜200℃の温度で1
0〜60分間加熱処理するなどして、発泡倍率3〜30
倍、就中5〜15倍、特に8〜13倍となるように発泡
加硫処理したものが好ましく用いうる。発泡倍率が3倍
未満では、圧縮反発力が大きくて狭小空間等への配置が
困難な場合があり、30倍を超えると通気量や特性イン
ピーダンスの制御が困難となって満足できる防音や防振
等の性能が得られない場合がある。
【0025】また本発明において好ましく用いうる多孔
質部材としては、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニル等の適宜な熱可塑性樹脂や、ブチルゴムやイソ
プレンゴム等の適宜なゴム系ポリマーなどからなる、比
重が0.01〜0.9、就中0.016〜0.1の連泡
系発泡体に、アクリル系やポリブチラール系やポリエス
テル系などの適宜な樹脂を含浸させて、上記した通気特
性やインピーダンス特性のものとしたものなどもあげら
れる。その場合、樹脂の含浸量は通気特性等に応じて適
宜に決定しうるが、一般には0.01〜1.0g/c
m3、就中0.02〜0.1g/cm3程度とされる。
【0026】また本発明において、消音や制振等の効果
の点などより好ましく用いうる多孔質部材は、周波数
3.15kHzによる吸音率に基づいてその値が20%
以上、就中25%以上、特に30%以上のもの、又は/
及び1〜3kHzの周波数領域において、減衰定数を
α、周波数をfとして、式:α≧0.01fneper/
m、就中0.02fneper/m≦α≦2fneper/mを満
足するものである。
【0027】さらに本発明において狭小空間等への装着
性などの点より好ましく用いうる多孔質部材は、上記に
例示したものの如く圧縮性を示すものであるが、その圧
縮性としては50%圧縮時の反発応力が10〜200g
f/cm2、就中20〜150gf/cm2、特に30〜12
0gf/cm2の圧縮特性を示すものが殊に好ましい。
【0028】多孔質部材の形態、ひいては振動低減材の
形態は、適用箇所等の使用目的などに応じて適宜に決定
でき、その厚さも任意である。一般には、見掛け厚さに
基づいて100mm以下、就中0.5〜70mm、特に1〜
40mmの厚さの多孔質部材とされる。なお多孔質部材、
従って振動低減材は、均一厚である必要はなく、部分的
に厚さが異なっていてもよい。
【0029】肉厚が部分的に異なる多孔質部材、ひいて
は振動低減材は、例えば多孔質部材をフレーク状に粉砕
するなどして作製したチップを、その表面に接着剤を塗
布するなどして所定の金型に充填し圧縮成形する方式な
どにより効率よく形成することができる。
【0030】なおディスクドライブ等に適用する振動低
減材は、腐食性ガスを発生しにくいものであることが好
ましい。ちなみにシリコーン系ポリマー等では、その揮
発性成分がディスクに蒸着して磁気ディスクではスライ
ダとの接触抵抗の変化でディスク破壊を誘発するおそれ
がある。従って振動低減材を形成する多孔質部材は、ガ
ス、就中、腐食性ガスを発生しにくいシリコーンフリー
等の素材で形成されていることが好ましい。
【0031】本発明による振動低減方法は、上記した振
動低減材を振動発生装置の内部又は外周に配置して、そ
の振動低減材の防音や吸音や遮音、制振や防振等の機
能、あるいはそれらが複合した機能を介し装置より発生
する振動を低減し、消音や防振等の各種の振動伝播の低
減処理を達成するものである。
【0032】従って本発明方法を適用する振動発生装置
については特に限定はないが、上記した如く用いる振動
低減材が薄型軽量にても優れた振動低減能を発揮し、狭
小空間にも容易に適用できることなどより、その利点等
を生かしてディスクドライブや磁気テープ等を介したテ
ープレコーダなどに特に好ましく適用することができ
る。
【0033】前記のディスクドライブについては、特に
限定はなく、例えば情報記録媒体等としてのディスクの
1枚又は2枚以上の必要数を装着しうる空間を少なくと
も有する筺体の内部又は外部に、ディスクを回転運動さ
せるためのモータを装備して、光学的あるいは磁気的な
情報を記録又は再生するHDDやDVDD、CDDやM
OD、FDD等の如く、ディスクを適宜な駆動機構を介
して駆動するようにした適宜なものであってよい。
【0034】前記において振動低減材は、例えば防音材
や吸音材や遮音材、制振材や防振材、あるいはそれらの
複合機能材等として従来に準じた各種の振動伝播の低減
処理を目的に、所定の形態に予め形成してドライブ本体
と基板間等の各種の部材間への介在や装置内部の空隙へ
の充填、テープ状やシート状等に形成したものの装置や
その部品等への巻付けや貼付けなどの如く適宜な方式に
て振動発生装置ないしその筺体の内部又は外周の一方又
は両方の一箇所又は二箇所以上の適宜な位置に配置する
ことができる。
【0035】ちなみに上記した図1のHDDでは、2
1,22,23,24が振動低減材であり、筺体3の外
周に配置したそれ21は、筺体に伝播した振動に対する
防振防音を目的とする。また筺体3とボイスコイルモー
タユニット4の上部との間に配置したもの22は、主に
ボイスコイルモータによる振動の防振を目的とする。な
お筺体と前記ユニット上部との間隙は、2〜5mmが一般
的であるが、これに限定されない。
【0036】さらに図2にも示した如く、アクチュエー
タアーム5の先端部に取り付けられたサスペンション5
1に配置した振動低減材23も、防振を目的とする。サ
スペンションは、図外の磁気ヘッド等を装備して、ボイ
スコイルモータユニット4を介し前記アーム5と共にデ
ィスク6に対し移動して読み書き位置を変えるものであ
り、振動の防止が重要となる。一方、筺体3と基板8と
の間に配置した振動低減材24は、ボイスコイルモータ
やスピンドルモータ7による振動を低減して主に防音を
目的とする。
【0037】上記の例では、防振や防音等を目的に複数
の箇所に振動低減材を配置したものを示したが、本発明
において振動低減材を配置する位置は、上記に限定され
ずそのいずれか一箇所のみであってもよいし、上記より
少ない位置あるいは多い位置であってもよい。
【0038】ちなみに上記以外の配置位置としては、例
えばボイスコイルモータユニット4又は/及びスピンド
ルモータ7の下部と筺体3との間などがあげられる。か
かる配置は、モータによる振動がディスク6や磁気ヘッ
ド等に伝播してリードライトエラーが発生することの防
止や筺体の共振による騒音の防止などに有効である。な
お筺体の共振による騒音の防止には、上記した筺体3と
基板8との間に振動低減材24を配置する方式が特に有
効である。
【0039】また図1の例では、スピンドルモータ7の
上方をダンパ71を介して筺体3内に装着しているが、
このダンパ部分やスピンドルモータ上方と筺体の間に図
例の構造に代えて本発明による方法を適用することもで
きる。なお図1において、符号の31は筺体に設けた孔
のシールテープであり、72はディスククランプであ
る。
【0040】
【実施例】実施例1 エチレン60モル%、プロピレン10モル%、ポリエン
30モル%、ムーニー粘度ML1+2(100℃)65の
EPDM100部(重量部、以下同じ)、重質炭酸カル
シウム200部、パラフィン系オイル50部、ADCA
系有機発泡剤15部、及び硫黄2.5部をニーダで混練
し、それを剥離ライナ上に10mmの厚さで展開し、16
0℃で30分間加熱して発泡加硫し、発泡倍率が8倍の
独泡系発泡体を得、それを隙間が発泡体厚の1/3のロ
ール間を通過させた後、2mmの厚さにスライスして、
2.039×1/104mmH2Oの気圧差に基づく通気量
(以下同じ)が1.0×1/104cc/cm2/秒の多孔質
部材からなる振動低減材を得、それ24をHDDの筺体
3と基板8との間に設置してディスクドライブを形成し
た。
【0041】なお前記の通気量は、JIS L 109
6に準拠したフラジール型試験機を用い、圧力を任意に
設定して通気量を測定し、その設定圧と通気量との相関
より近似式を導いて気圧差2.039×1/104mmH2
Oでの通気量を算出して求めた。
【0042】実施例2 比重0.03、見掛け厚さ2mmのエーテル系ウレタン発
泡体(市販品)に、アクリル酸ブチル95重量%とアク
リル酸5重量%の共重合体100部にイソシアネート系
架橋剤10部を配合してなる含浸剤を固形分に基づいて
0.05g/cm3の割合で含浸させ、150℃で30分
間加熱して得た、通気量が1.0×1/104cc/cm2
秒の多孔質部材からなる振動低減材を用いたほかは実施
例1に準じてディスクドライブを形成した。
【0043】比較例1 ロール間を発泡体厚の1/2に設定して通過させたほか
は実施例1に準じて、通気量が5.6×1/102cc/c
m2/秒の多孔質部材を得、それを振動低減材として用い
てディスクドライブを形成した。
【0044】比較例2 ロール間を発泡体厚の1/4に設定して通過させたほか
は実施例1に準じて、通気量が4.3×1/1011cc/
cm2/秒の多孔質部材を得、それを振動低減材として用
いてディスクドライブを形成した。
【0045】比較例3 含浸量を0.008g/cm3の割合としたほかは実施例
2に準じて、通気量が8.6×1/102cc/cm2/秒の
多孔質部材を得、それを振動低減材として用いてディス
クドライブを形成した。
【0046】比較例4 含浸量を2.0g/cm3の割合としたほかは実施例2に
準じて、通気量が測定限界未満(非通気性)の多孔質部
材を得、それを振動低減材として用いてディスクドライ
ブを形成した。
【0047】評価試験1 吸音率 実施例1,2、比較例1〜4で得た振動低減材(多孔質
部材)の吸音率(振動低減能)をJIS A 1405
に準拠した垂直入射吸音率測定装置により測定した。
【0048】反発力 実施例1,2、比較例1〜4で得た振動低減材を100
mm/分の速度で50%の厚さに圧縮し、10秒間経過後
の反発力を調べた。
【0049】音低減量 図3の如く実施例、比較例で得たディスクドライブ92
を無音響室内に設けた台91の上に載置して駆動源94
を介し駆動させ、ドライブ92の上方300mm(d)離
れた位置にマイクロホン93を配置してアナライザー9
5を介し測音し、振動低減材が無い場合の音レベルを基
準(44.6dB)としてA特性オーバーオール値での
騒音の低減量を調べた。
【0050】前記の結果を表1に示した。
【表1】 *1:圧縮反発力が大きくて基板が変形 *2:圧縮反発力が大きくて装着不可
【0051】実施例3 実施例1に準じて、ADCA系有機発泡剤の配合量を1
0部とした発泡倍率が6倍の独泡系発泡体を得、それを
隙間が発泡体厚の1/3のロール間を通過させた後、2
mmの厚さにスライスした多孔質部材からなる振動低減材
を得てそれを用いディスクドライブを形成した。
【0052】前記多孔質部材について2マイクロホン法
音響インピーダンス測定装置にて、1.0〜3.0kH
zの周波数領域における、特性インピーダンスの絶対値
(Zc)を調べたところ3500であった。
【0053】実施例4 ADCA系有機発泡剤に代えて、DPT系有機発泡剤2
5部を用いた発泡倍率が20倍の独泡系発泡体を得、そ
れを隙間が発泡体厚の1/3のロール間を通過させた
後、2mmの厚さにスライスしたZcが1700の多孔質
部材からなる振動低減材を得て、それを用いたほかは実
施例3に準じてディスクドライブを形成した。
【0054】実施例5 比重が0.055で、セルの平均径が0.37mmのポリ
エステル系ウレタン発泡体を形成し、それを2mmの厚さ
にスライスしたZcが1100の多孔質部材からなる振
動低減材を得てそれを用いたほかは実施例3に準じてデ
ィスクドライブを形成した。
【0055】評価試験2 減衰定数α 実施例3〜5で得た多孔質部材(振動低減材)につい
て、2マイクロホン法音響インピーダンス測定装置に
て、1.0〜3.0kHzの周波数領域における減衰定
数を調べた。
【0056】反発力 実施例3〜5で得た振動低減材について上記に準じ反発
力を調べた。
【0057】音低減量 実施例3〜5で得たディスクドライブについて上記に準
じ騒音の低減量を調べた。
【0058】前記の結果を表2に示した。なお減衰定数
については1.0kHz又は3.0kHzの場合を示し
たが、その中間の周波数領域での減衰定数は、1.0k
Hzと3.0kHzの場合の中間値であった。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】振動発生装置例の部分断面説明図
【図2】構成部品の拡大説明平面図
【図3】測音試験の説明図
【符号の説明】
1:振動発生装置 21,22,23,24:振動低減材(多孔質部材) 3:筺体 4:ボイスコイルモーターユニット 51:サスペンション 6:ディスク 7:スピンドル
モータ 8:基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北井 秀幸 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 杉原 保則 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 田中 和雅 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA04 AD05 BD02 BD04 DA03 EA13 5D061 AA25 BB24 DD06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生装置の内部又は外周に振動低減
    材を配置し、その振動低減材として、2.039×1/
    104mmH2Oの気圧差に基づく通気量が1×1/1010
    〜2×1/102cc/cm2/秒で、かつ圧縮性の多孔質部
    材、又は1〜3kHzの周波数領域において特性インピ
    ーダンスの絶対値が800kg/m2・S以上の多孔質部材を
    用いることを特徴とする振動低減方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、振動低減材を形成す
    る多孔質部材が、周波数3.15kHzでの吸音率が2
    0%以上、又は1〜3kHzの周波数領域において減衰
    定数αが周波数をfとしてα≧0.01fneper/mの
    ものである振動低減方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、振動発生装置
    がディスクを回転運動させるディスクドライブであり、
    振動低減材を形成する多孔質部材の50%圧縮時の反発
    応力が10〜200gf/cm2である振動低減方法。
  4. 【請求項4】 情報記録媒体のディスクを回転運動させ
    るためのモータを装備し、かつ前記ディスクを装着しう
    る空間を少なくとも有する筺体の内部又は外周の一方又
    は両方に振動低減材を配置してなり、その振動低減材が
    2.039×1/104mmH2Oの気圧差に基づく通気量
    が1×1/1010〜2×1/102cc/cm2/秒で、かつ
    圧縮性の多孔質部材、又は1〜3kHzの周波数領域に
    おいて特性インピーダンスの絶対値が800kg/m2・S以
    上の多孔質部材からなることを特徴とするディスクドラ
    イブ。
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