JP2000080356A - 耐水性の優れる粉粒状堆積物の流出防止剤 - Google Patents

耐水性の優れる粉粒状堆積物の流出防止剤

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JP2000080356A JP10265757A JP26575798A JP2000080356A JP 2000080356 A JP2000080356 A JP 2000080356A JP 10265757 A JP10265757 A JP 10265757A JP 26575798 A JP26575798 A JP 26575798A JP 2000080356 A JP2000080356 A JP 2000080356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性に優れる粉粒状堆積物の流出防止剤を
得る。 【解決手段】 重合体エマルジョンを主成分とし、表面
張力が30〜45Dyne/cm、乾燥して得られる皮
膜の耐水溶出率が15重量%以下である粉粒状堆積物の
流出防止剤は優れた耐水性を示す。特に重合体エマルジ
ョンがエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンの
ものは好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒状堆積物の流
出防止剤に関し、粉粒状堆積物に強固な結合層を形成し
て耐水性等を向上させ、降雨等よる粉粒状堆積物の崩れ
や流出の防止、粉粒状堆積物中の含水量の増加防止や乾
燥時の飛散防止に優れる流出防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭類などの粉粒状堆積物はコンベアー
で搬送され、スタッカー等により屋外貯蔵ヤードに山積
貯蔵されるのが一般的である。これら粉粒状堆積物は、
乾燥時には風により飛散して粉塵を発生するほか、降雨
等により雨水が浸透して含水量が上昇して、崩れ流れる
ことや含水量の増加によるエネルギーロス等の問題が生
じる。
【0003】粉粒状堆積物のこの崩れおよび流出を防止
するために、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等のエ
マルジョン、あるいはゴムラテックス等のコーティング
剤として、堆積物に散布して粉粒状堆積物の表面を固め
る方法(特開昭49−31589号公報)、微粉砕した
セメント水溶液を散布した後、酢酸ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエチレン、飽和ポリエステル等の樹脂水溶
液を散布して粉粒状堆積物の表面を固める方法(特開昭
58−45285号公報)、ポリビニルアルコール水溶
液と硬化剤とから成るコーティング剤を散布し乾燥させ
て固結層(コーティング剤が堆積粒子を固結した層)を
形成させる方法(特開昭61−236866号公報)、
白色粉末を含有する樹脂溶液を散布しコーティング皮膜
を形成する方法(特開平3−157492号公報)、樹
脂と着色剤とからなる表面処理剤を散布する方法(特開
平3−138208号公報)、エチレン−酢酸ビニル系
共重合体エマルジョンを主剤とした液状組成物を散布す
る方法(特開昭48−40209号公報)などが提案さ
れている。
【0004】しかしながら、従来の方法では、結合層の
形成が不十分であったり、或いは形成された結合層にお
ける雨水の浸透抑制効果が十分でなかったり、施工に手
間がかかるなどの問題点があった。なかでもエチレン−
酢酸ビニル系共重合体エマルジョンを用いた流出防止剤
は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体の優れた耐水性と
接着性により表面の粉粒状堆積物をよく結合し、雨水の
浸透抑制効果も比較的優れてはいるが、梅雨時期等の降
雨が激しい場合ではその効果は十分ではなく、その改良
が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の欠点を改善するためになされたものであり、粉
粒状堆積物に、該粉粒状堆積物の粉粒体と流出防止剤と
からなる結合層を形成し、降雨による粉粒状堆積物の崩
れ及び流出防止、粉粒状堆積物中の含水量の増加防止及
び乾燥時の飛散防止に対して優れた効果を有する粉粒状
堆積物の流出防止剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第一は
重合体エマルジョンを主成分とし、表面張力が28〜4
5Dyne/cmの粉粒状堆積物の流出防止剤であっ
て、該流出防止剤を乾燥して得られる皮膜の耐水溶出率
が15重量%以下である、耐水性の優れることを特徴と
する粉粒状堆積物の流出防止剤である。
【0007】第二は重合体エマルジョンがエチレン−酢
酸ビニル系共重合体エマルジョンである第一の発明に記
載の粉粒状堆積物の流出防止剤である。第三はアニオン
系湿潤浸透剤、0.05重量%〜0.7重量%の水溶性
高分子を含有する第二の発明に記載の粉粒状堆積物の流
出防止剤である。第四は撥水剤を含有する第三の発明に
記載の粉粒状堆積物の流出防止剤である。
【0008】第五はアニオン系湿潤浸透剤が、アルキル
スルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
及びアルキルベンゼンスルホン酸塩より選ばれる1種又
は2種以上からなる第三又は第四の発明に記載の粉粒状
堆積物の流出防止剤である。第六は水溶性高分子がポリ
ビニルアルコールである第三から第五の発明のいずれか
に記載の粉粒状堆積物の流出防止剤である。第七は粉粒
状堆積物が石炭又は鉄鉱石の堆積物である第一から第六
の発明のいずれかに記載の粉粒状堆積物の流出防止剤で
ある。第八は水で希釈することにより第一から第七のい
ずれかの発明に記載の粉粒状堆積物の流出防止剤となる
粉粒状堆積物の流出防止剤原液である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粉粒状堆積物の流出防止剤(以下単に「流出防
止剤」という。)の表面張力は28〜45Dyne/c
m、好ましくは30〜45Dyne/cmである。表面
張力が高いと流出防止剤の粉粒状堆積物への浸透性の効
果が低くなり、逆に表面張力が低いと粉粒状堆積物への
浸透性の点では問題ないが、皮膜の耐水性、特に水の撥
水性が低下する。浸透性が低下すると流出防止剤は粉粒
状堆積物に浸透せず、粉粒状堆積物の表面に流出防止剤
を主成分とする薄い膜となってしまう。それに対して適
度な浸透性を有すると流出防止剤は粉粒状堆積物に浸透
し粉粒状堆積物の表面で粉粒状堆積物と流出防止剤とか
らなる強固な膜を形成し、降雨時においても水の浸透を
防止するとともに表面が崩れることを防止する。一方表
面張力が低すぎると流出防止剤は粉粒状堆積物に過度に
浸透してしまい強固な膜を形成することができない。ま
た、そのような膜は耐水性が低下する。
【0010】乾燥して得られる皮膜の水浸漬による溶出
率は15重量%以下であるが、更に好ましくは10重量
%以下である。溶出率が低いと激しい降雨等にあっても
皮膜中の成分が流されず、皮膜の強度の低下が少なくそ
の結果として粉粒状堆積物の崩れ、流出を、また粉粒状
堆積物の含水量が増加することを更に防止することがで
きる。
【0011】流出防止剤に使用される重合体エマルジョ
ンとしては酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル
共重合体系エマルジョン、アクリル酸エステル系エマル
ジョン、スチレンアクリル酸エステル共重合体系エマル
ジョン、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン等があ
る。なかでもエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジ
ョン(以下「EVAエマルジョン」という。)は粉粒状
堆積物との優れた接着性や成膜性等により結合層の形成
に効果があるとともに、形成された結合層に雨水に対す
る耐性を与えると共に、粉粒状堆積物への雨水の浸透抑
制に効果を示す。
【0012】EVAエマルジョンは市販のものを使用で
きるが、特にEVAエマルジョン中のエチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体の組成が重量比でエチレン:酢酸ビニル
=5:95〜40:60のものが好適に使用される。更
に、第3モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸等
のモノカルボン酸やそのエステル、マレイン酸やイタコ
ン酸等のジカルボン酸、無水物、エステル、酢酸ビニル
以外のビニルエステル、塩化ビニル等のハロゲン系ビニ
ル、スチレン等の芳香族系ビニル、トリアリルシアヌレ
ートのような多官能単量体、アクリルアミドのようなア
ミド類などの共重合可能な単量体を共重合させたものも
使用することができる。
【0013】また重合に使用される乳化分散剤としてポ
リビニルアルコール(以下「PVA」という。)を使用
したEVAエマルジョンは粉粒状堆積物との結合性や皮
膜の強靭性の点で更に好適に使用される。
【0014】EVAエマルジョンを用いた流出防止剤に
おいてアニオン系湿潤浸透剤、水溶性高分子、必要に応
じ撥水剤を含有したものは特に好適に使用することがで
きる。
【0015】水溶性高分子としてはメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、PVA等があるが、特に
PVAは好適に使用することができる。使用されるPV
Aには特に制限はなく市販されているものを用いること
ができる。例えば脂肪酸ビニルエステルの1種または2
種以上を重合して得られる単独重合体または共重合体、
もしくは他の共重合可能な単量体との共重合体などを鹸
化して得られるPVA、或いはこれらのPVAを変性し
た変性PVAが挙げられる。上記PVAにおいて、共重
合可能な他の単量体としては、例えばエチレン、プロピ
レンなどのオレフィン類:アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸などの重合性モノカルボン酸類:マレイン
酸、イタコン酸などの重合性ジカルボン酸類:無水マレ
イン酸などの重合性ジカルボン酸無水物:重合性モノカ
ルボン酸類や重合性ジカルボン酸類のエステル類、塩
類:アクリルアミド、メタクリルアミドなどの重合性酸
アミド類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどの
アクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどのメタクリル酸エステル類:アリルグリ
シジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどのグリ
シジル基を有する単量体:アルキルビニルエーテル類な
どが挙げられる。
【0016】PVAの鹸化度は、65〜100モル%が
好ましい。65モル%未満では、PVAの親水性が低く
なるため液状組成物とするためには溶解性が低下し、良
好な皮膜が得られなくなる場合がある。
【0017】PVAの重合度は100〜4500が好ま
しい。100未満では得られる皮膜強度が小さく、かつ
耐水性も劣る。一方、4500を越えると高粘度液とな
るため、流出防止剤を製造する上で、作業性に支障をき
たす場合がある。
【0018】PVA以外のメチルセルロースやヒドロキ
シエチルセルロース等の水溶性高分子、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルやその塩、ポリオキシエチレン−
ポリオキシプロピレンのブロックポリマー等のノニオン
系やアニオン系の界面活性剤もPVAの効果を阻害しな
い程度で使用することが出来る。
【0019】水溶性高分子は0.05重量%〜0.7重
量%の範囲で使用することが好ましく、更に好ましくは
0.05重量%〜0.4重量%の範囲である。また前記
の範囲内において更に皮膜強度と水による湿潤状態にお
ける皮膜からの成分溶出を抑え、湿潤状態での強度のバ
ランスを図るためにエチレン−酢酸ビニル系共重合体1
00重量部に対して、水溶性高分子を15重量部以下と
することが好ましい。水溶性高分子の量が多すぎると耐
水性が著しく低下し、これより少ないと粉粒状堆積物と
十分な強度を有する固結層を形成できなくなる。逆に少
なすぎると流出防止剤の沈降分離を防止するに不十分と
なる。PVAは粉粒状堆積物の粉粒体と流出防止剤とか
らなる強固な結合層を形成するのを促進するが、同時に
PVA自身が水溶性であることから、降雨が激しくなっ
た場合は雨水に流される危険性がある。従って、乾燥状
態での強固な結合層を形成させるPVAも多く含有し過
ぎると耐水性を悪化させる。
【0020】アニオン系湿潤浸透剤は、アルキルスルホ
コハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、及びア
ルキルベンゼンスルホン酸塩より選ばれる1種または2
種以上からなるものが用いられる。アニオン系湿潤浸透
剤は、粉粒状堆積物に対して浸透効果が強く、流出防止
剤の表面張力を低下させ、粉粒状堆積物との濡れ性を改
良し、流出防止剤の粉粒状堆積物への浸透性を良くす
る。その結果、流出防止剤と粉粒状堆積物の結合層(皮
膜)を厚くすることが出来、結合層形成に重要な役割を
果たす。上記アニオン系湿潤浸透剤を添加しないと、流
出防止剤は粉粒状堆積物に十分浸透せず表面あるいは表
面に近いところに止まるため、薄い皮膜にしかならず、
耐久性に欠ける結果となる。
【0021】アルキルスルホコハク酸塩としては、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。アルキル
ナフタレンスルホン酸塩としては、アルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウムが好ましい。アルキルベンゼンス
ルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウムが好ましい。上記アニオン系湿潤浸透剤の中で
は、アルキルスルホコハク酸塩が好ましく、特にジアル
キルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。
【0022】アニオン系湿潤浸透剤は流出防止剤の表面
張力が28〜45Dyne/cmになるように添加され
る。その添加量はアニオン系湿潤浸透剤の種類によって
も異なるが通常流出防止剤中に0.005重量%〜0.
05重量%である。添加量が少ないと流出防止剤の粉粒
状堆積物への浸透性の効果が無く、多すぎると浸透性の
点では問題ないが、皮膜の耐水性、特に水の撥水性が低
下する。
【0023】流出防止剤の不揮発分は3重量%〜20重
量%が好ましく、更に好ましくは5重量%〜15重量%
の範囲である。しかし流出防止剤の不揮発分はこれに限
定されるものではない。不揮発分が低くともその散布量
を多くすることにより、また高い場合は散布量を少なく
することにより調整することができる。しかし不揮発分
が低すぎると固結層の耐性、雨水の浸透抑制が低下する
傾向となり、高いと粘度が上昇し粉粒状堆積物への浸透
性が低下するとともに散布が困難となる。また不揮発分
が低い場合、流出防止剤を調整後直ちに散布せず放置し
ておくと樹脂分が沈降して分離する場合がある。この場
合は沈降分離を防止するためにPVAを添加すると良
い。
【0024】高分子エマルジョン、EVAエマルジョン
の添加量は流出防止剤の不揮発分に合せて調整される。
その添加量は不揮発分として3重量%〜20重量%が好
ましく、更に好ましくは5重量%〜15重量%の範囲で
ある。
【0025】本発明の流出防止剤には降雨等に対する撥
水性を付与するために、撥水剤を使用することが出来
る。撥水剤としては、撥水効果だけではなく他の成分と
相分離することのないものが良く、例えばワックス類が
好ましい。ワックス類としては、例えば、パラフィンワ
ックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、カルバナワックス、高級脂肪酸エステルなど
が挙げられ、中でも乳化型のパラフィンワックスエマル
ジョンなどが好ましい。
【0026】使用する撥水剤の量はその種類によっても
異なるが、粉粒状堆積物に撥水性を与えるのに必要な量
であり、添加量が多すぎると浸透性が低下するので、流
出防止剤中に2重量%以下が好ましい。
【0027】本発明の流出防止剤にはアルミナセメン
ト、コールタールやアスファルトタールを市販の乳化剤
で乳化した乳化液などを、粉粒状堆積物への雨水の浸透
抑制などを目的に必要に応じて併用することも出来る。
また、消泡剤、着色顔料などを適宜添加することも出来
る。
【0028】流出防止剤を製造するには、撹拌機付きの
混合槽に原料の重合体エマルジョン及びその他の原料を
混合する事によって得る事が出来る。この場合例えば溶
解しにくいPVA等の水溶性高分子は水溶液の形で添加
すると短時間で混合する事ができる。水の量は所定の不
揮発分になるよう水分量も含めて適宜調整することがで
きる。あるいは、所定の不揮発分より高い流出防止剤原
液を調整し、それを使用前に水で希釈して所定の不揮発
分の流出防止剤として使用することもできる。この場合
流出防止剤を輸送する際に量を少なくする事ができる。
また不揮発分が高いと重合体エマルジョンが分離沈降す
ることを防止することができるので貯蔵するのに有利で
ある。流出防止剤原液の不揮発分の濃度は、例えば20
〜70重量%の範囲になるように、更に好ましくは25
〜60重量%の範囲になるように調整するとよい。
【0029】本発明の流出防止剤の散布対象となる粉粒
状堆積物とは粉粒状の堆積物であれば特に限定されるも
のではないが例えば石炭や鉄鉱石の堆積物、特に野積石
炭堆積物や野積鉄鉱石堆積物、コークス、鉄鉱石などの
粉粒状堆積物や、道路の法面、粉粒状の廃棄物の堆積物
等である。これら粉粒状堆積物に本発明の流出防止剤を
用いると、粉塵を防止し、降雨による崩れ、流出防止、
及び粉粒状堆積物中の含水量の増加防止に効果がある。
【0030】流出防止剤は粉粒状堆積物に対して、堆積
物1m2 当たり不揮発分(水分を除いた残りの組成物を
さす)として約20〜500g散布するのが良い。ただ
しこの量はこれより少なくあるいは多く散布したときに
効果がなくなることを意味するものではなく、堆積物の
種類、散布の環境等により適宜に変える事ができる。散
布は散水車などを用いて、堆積物の全表面に対して均一
に散布することが出来る。散布は1回だけでもよいが、
2回以上行ってもよい。また、粉粒状堆積物が濡れてい
る場合でも散布は可能である。粉粒状堆積物が乾燥して
いる場合は不揮発分を比較的低くし、逆に水分が多い場
合は不揮発分を高くすると比較的均一な皮膜をうる事が
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明する。
【0032】実施例1 撹拌機付き混合槽にEVAエマルジョン(電気化学工業
株式会社製のデンカEVA#81、不揮発分56重量
%)12.5重量部(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂として7重量部)、濃度5重量%のPVA(電気化学
工業株式会社製のB−33、鹸化度88モル%、重合度
3300)水溶液2重量部(PVAとして0.1重量
部)、アニオン系湿潤浸透剤(アルキルスルホコハク酸
ナトリウム)0.018重量部(純分として0.018
重量部)、撥水剤(互応化学株式会社製のダイジットS
−8、不揮発分28%)0.11重量部(純分として
0.03重量部)、及び水を添加し、全体を100重量
部とした、不揮発分は7.2重量%であった。得られた
流出防止剤について次の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0033】(表面張力の測定)流出防止剤を23℃雰
囲気下でウィルヘルミー式表面張力計(協和界面科学株
式会社製)で測定した。
【0034】(耐水溶出率の測定)流出防止剤を23℃
の恒温室内で1週間乾燥させ乾燥フィルムを得る。その
フィルムの重量(W1 )を測定後、同室内で48時間水
に浸漬させ、取り出し後60℃で24時間乾燥させ(W
2 )、水浸漬前の重量からの減量分の比率を耐水溶出率
(下記の(1)式参照)とした。
【0035】
【数1】
【0036】(粉粒状堆積物の表面強度、撥水性試験)
縦、横、深さが30、30、5cmの型枠に石炭を充填
し、その石炭表面に該流出防止剤を霧吹き器にて1.3
リットル/m2 (1m2 当たり不揮発分として93.6
g)散布し、20℃の恒温室で1日乾燥した。型枠の端
の部分で石炭表面の強度をバネ式テンションゲージ(A
&D株式会社製の測定部分の先端が6φの円柱状)で測
定し散水前表面強度とした。次いで測定箇所及び型枠と
石炭の境界部分を市販のシーリング剤でシールし再び2
0℃の恒温室に放置した。1日後、型枠ごとの重量を測
定し、その型枠を35°に傾斜させじょうろにて1リッ
トル/分の速度で水を9リットル散布した。直ちに型枠
に付着している水を拭き取り重量を測定後、石炭表面の
強度をバネ式テンションゲージで測定した。散水前後の
重量の差から吸水量を、バネ式テンションゲージの指示
値を散水後表面強度とした。
【0037】実施例2〜8 実施例1で使用した流出防止剤の配合量を表1のように
変えた以外は実施例1と同様に試験を行った。その試験
結果を表1に示した。実施例8の流出防止剤は暫く放置
すると樹脂分が沈降分離したが再度撹拌混合して試験し
たところ物性の低下はみられなかった。
【0038】実施例9 スチレン−アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体エ
マルジョン(スチレン含量28重量%、メチルメタアク
リレート29重量%、ブタジエン21重量%、n−ブチ
ルアクリレート22重量%、不揮発分25.6重量%、
耐水溶出率4.5%)を水で希釈して、不揮発分6%と
し(表面張力は30.8Dyne/cm)実施例1と同
様に試験を行ったところ、良好な物性を示した。
【0039】比較例1 実施例1で使用したPVAを多くしたことを除いては実
施例1と同様に試験を行い、その試験結果を表2に示し
た。
【0040】比較例2〜3 実施例1で使用した流出防止剤の配合量を表2のように
かえた以外は実施例1と同様に試験を行い、その試験結
果を表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の粉粒状堆積物の流出防止剤は重
合体エマルジョンを用いた水系であるため環境への悪影
響が少ない。従来の合成樹脂エマルジョン系に比べ、粉
粒状堆積物と強固な結合層を形成し、かつ耐水性に優れ
ているため特に降雨等の水による粉粒状堆積物の崩れ、
流出防止、及び粉粒状堆積物中の含水量の増加防止に優
れた効果を奏する。
フロントページの続き (72)発明者 太田 勝博 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 神山 久朗 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 山本 広記 千葉県市原市五井南海岸6番地 電気化学 工業株式会社千葉工場内 (72)発明者 中島 信義 千葉県市原市五井南海岸6番地 電気化学 工業株式会社千葉工場内 (72)発明者 矢島 満之 愛知県東海市東海町1丁目1番1号 東海 商事株式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA032 BA042 CA041 CB051 CC021 CE022 CG141 CJ031 JC13 MA08 MA10 NA04 PB05 PC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体エマルジョンを主成分とし、表面
    張力が28〜45Dyne/cmの粉粒状堆積物の流出
    防止剤であって、該流出防止剤を乾燥して得られる皮膜
    の耐水溶出率が15重量%以下である、耐水性の優れる
    ことを特徴とする粉粒状堆積物の流出防止剤。
  2. 【請求項2】 重合体エマルジョンがエチレン−酢酸ビ
    ニル系共重合体エマルジョンである請求項1に記載の粉
    粒状堆積物の流出防止剤。
  3. 【請求項3】 アニオン系湿潤浸透剤、0.05重量%
    〜0.7重量%の水溶性高分子を含有する請求項2に記
    載の粉粒状堆積物の流出防止剤。
  4. 【請求項4】 撥水剤を含有する請求項3に記載の粉粒
    状堆積物の流出防止剤。
  5. 【請求項5】 アニオン系湿潤浸透剤が、アルキルスル
    ホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、及び
    アルキルベンゼンスルホン酸塩より選ばれる1種又は2
    種以上からなる請求項3又は請求項4に記載の粉粒状堆
    積物の流出防止剤。
  6. 【請求項6】 水溶性高分子がポリビニルアルコールで
    ある請求項3から請求項5のいずれかに記載の粉粒状堆
    積物の流出防止剤。
  7. 【請求項7】 粉粒状堆積物が石炭又は鉄鉱石の堆積物
    である請求項1から請求項6のいずれかに記載の粉粒状
    堆積物の流出防止剤。
  8. 【請求項8】 水で希釈することにより請求項1から請
    求項7のいずれかに記載の粉粒状堆積物の流出防止剤と
    なる粉粒状堆積物の流出防止剤原液。
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