JP2000079366A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

成膜装置及び成膜方法

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JP2000079366A
JP2000079366A JP11173020A JP17302099A JP2000079366A JP 2000079366 A JP2000079366 A JP 2000079366A JP 11173020 A JP11173020 A JP 11173020A JP 17302099 A JP17302099 A JP 17302099A JP 2000079366 A JP2000079366 A JP 2000079366A
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信一 伊藤
Katsuya Okumura
勝弥 奥村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上に選択的に液状膜を成膜するに際し、液
状膜中への不純物の混入を抑制し、かつ成膜された液状
膜の膜厚分布を均一にすることができる成膜装置及び成
膜方法を提供する。 【解決手段】被処理基板15の上方には、液体供給ノズ
ル11を有する液体供給ユニット10が配置される。被
処理基板15には、成膜領域と非成膜領域が設定されて
いる。ノズル11からは、基板15に対して一定量の液
体が連続的に吐出される。基板15とノズル11は、ユ
ニット移動部16により相対的に移動される。、ノズル
11の下方には、液体吸引部12a、12bが配置され
る。そして、ユニット移動部16によりノズル11が移
動され、ノズル11から吐出された液体13が非成膜領
域に供給される状態になったとき、液体吸引部12a、
12bにより液体13が吸引され、基板15への供給が
遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理基板上に液
体を供給して液状膜を形成する技術に係わり、特に被処
理基板上に前記液状膜を選択的に形成する成膜装置及び
成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程では、レジストや
SOG(Spin On Glass)のような液体を基板上に塗布
することが行われている。基板上に液体を塗布するの
に、リソグラフィプロセスで従来から行われてきた回転
塗布法は、基板上に供給した液体の殆どを基板外に排出
し、残りの数%の液体を基板に留めて成膜している。こ
のため、使用する液体(例えば薬液等)の無駄が多くな
る。さらに、排出される薬液が多くなるため、環境にも
悪影響を及ぼしている。また、方形の基板や12インチ
以上の大口径の円形基板では、基板の外周部で乱気流が
生じるため、その外周部で膜厚が不均一になるという問
題が生じている。
【0003】薬液を無駄にせず基板全面に均一に塗布す
る手法として、特開平2−220428号公報には、一
列に配置した多数のノズルからレジストを吐出し、その
後方よりガスまたは液体を成膜面に吹き付けることで均
一な膜を得る手法が記載されている。また、特開平6−
151295号公報には、棒に多数の噴霧口を設け、そ
れよりレジストを基板上に吐出し均一な膜を得る手法が
記載されている。更に、特開平7−321001号公報
には、レジストを噴霧するための多数の噴出孔が形成さ
れたスプレーヘッドと基板とを相対的に移動させて塗布
する手法が記載されている。これらいずれの塗布装置に
おいても、横一列に複数配置された吐出又は噴霧ノズル
を基板表面にそってスキャンさせることによって、均一
な膜を得ようとしている。
【0004】また更に、薬液を無駄にしないために、被
処理基板の成膜領域にノズルから選択的に液体を供給し
て、液状膜の成膜を行うことが提案されている。液体供
給ノズルを用いた選択的な成膜方法として、液体の吐出
をON/OFFできる精密塗布ノズル(EFD社製)を
用いた方法がある。
【0005】前記精密塗布ノズルを用いた方法では、図
33(a)、(b)又は図34(a)、(b)に示すよ
うに、吐出口172の手前(吐出口の上部)のノズル内
に設けられたニードル171やスクリュー181などの
弁を駆動して液体13が遮断される。
【0006】これらの方式では、弁を駆動する際に、弁
と液体との摩擦によってパーティクルが生じる。そし
て、弁を開放したとき、滴下した液体中に含まれるパー
ティクルが基板上に搬送されることが問題となってい
る。また、弁の開放直後には、液体にかかる圧力が微妙
に変化して脈流が生じる。この脈流により、成膜の厚さ
に差が生じるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、基板
上に選択的に液状膜を形成するために、吐出口の手前に
設けられた弁を駆動することによって、液体の吐出を制
御しながら液状膜の成膜を行うと、基板上の液状膜中に
パーティクルが混入するという問題がある。また、脈流
が生じることによって、液状膜の膜厚分布が不均一にな
るという問題がある。
【0008】また、基板上に各種のパターンが形成さ
れ、前記基板表面に段差が存在する場合には、次のよう
な問題が生じている。
【0009】図35に示すように、基板101上に構造
物102が形成されて、前記基板表面の凹部の比率が異
なると、膜103a,膜103b,及び膜103cの厚
さに差が生じる。この場合、これら膜の表面は平坦では
ないという問題がある。このため、図35に示した構造
に対しリフロー処理を行うと、図36(a)に示すよう
に、絶縁膜104a,絶縁膜104b,及び絶縁膜10
4cの表面を平坦にすることができる。
【0010】しかし、凹部の比率の差に応じて、これら
絶縁膜104a,絶縁膜104b,及び絶縁膜104c
の表面位置(表面高さ)が異なる。従って、絶縁膜10
4a〜104c上に反射防止膜105を介在させてレジ
ストパターン106a〜106cを形成した場合、露光
の際にレジストパターン106a〜106cのいくつか
はデフォーカス状態となる。このため、露光後のレジス
トパターン106a〜106cには、図36(b)に示
すように、それら線幅が大きく変動するという問題があ
る。
【0011】すなわち、前述したように、回転塗布法で
は、基板上に滴下された液体のほとんどが無駄になると
いう問題がある。また、基板に対して液体を滴下する方
法では、基板上に形成されたパターンによる凹凸に応じ
て、形成される液状膜の基板表面からの高さが異なる、
言い換えると液状膜の基板表面からの厚さが不均一にな
るという問題がある。
【0012】そこで本発明の目的は、上記課題に鑑みて
なされたものであり、基板上に選択的に液状膜を成膜す
るに際し、液状膜中への不純物の混入を抑制し、かつ成
膜された液状膜の膜厚分布を均一にすることができる成
膜装置及び成膜方法を提供することにある。さらに、本
発明の目的は、液体を効率よく基板上に塗布できると共
に、基板上に形成されたパターン等による凹凸に影響さ
れることなく、凹凸いずれの領域でも平坦な表面を持つ
液状膜を形成することができる成膜方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下のように構成されている。
【0014】(1) 本発明の成膜装置は、成膜領域と
非成膜領域とが設定された被処理基板の上方に配置さ
れ、前記被処理基板に対して一定量の液体を連続的に吐
出する液体吐出部と、前記被処理基板と前記液体吐出部
とを相対的に移動させる移動部と、前記液体吐出部と前
記被処理基板との間に配置され、前記移動部により前記
被処理基板及び前記液体吐出部の少なくとも1つが移動
されて、前記液体吐出部から吐出された液体が前記非成
膜領域に供給される状態になったとき、前記液体が前記
非成膜領域に供給されるのを遮断する液体遮断部とを具
備することを特徴とする。
【0015】構成(1)に好ましい実施態様を以下に示
す。
【0016】前記液体遮断部が、前記液体吐出部から吐
出された液体の側面から前記液体を吸引する液体吸引部
と、この液体吸引部の下方に配置され、吸引された液体
を回収する液体回収部とを含んで構成されている。
【0017】前記液体遮断部が、前記液体吐出部から吐
出された液体の側面に対してガスを吹き付けるガス吹き
付け部と、このガス吹き付け部の下方で、かつ吐出され
た液体を前記ガス吹き付け部と挟むように配置され、ガ
スが吹き付けられた前記液体を回収する液体回収部とを
含んで構成されている。
【0018】前記液体遮断部には、ガス発生材を反応さ
せるための光を発射する光発射部が設けられている。光
発射部は、光源と前記光源から発射された光の方向を調
節する光調節部で構成される。さらに、前記液体遮断部
は、光発射部により調節された光を受けて反応しガスを
発生させるガス発生材を有し、発生した前記ガスを前記
液体吐出部から吐出された液体の側面に吹き付けるガス
吹き付け部と、このガス吹き付け部の下方で、かつ吐出
された液体を前記ガス吹き付け部と挟むように配置さ
れ、ガスが吹き付けられた前記液体を回収する液体回収
部とを含んで構成されている。なお、光発射部は、光源
のみで構成される場合がある。
【0019】前記液体遮断部が、前記液体吐出部と前記
被処理基板との間に配置され、前記液体吐出部から吐出
された液体の軌道を変更する遮蔽板と、前記液体吐出部
から吐出された液体の軌道上に前記遮蔽板を出し入れす
る遮蔽板駆動部と、前記遮蔽板により軌道が変更された
液体を回収する液体回収部とを含んで構成されている。
【0020】さらに、前記液体遮断部には、前記液体吐
出部の進行方向前方に設置され、前記被処理基板上の画
像情報を取得する画像取得部が接続されており、前記液
体遮断部は取得した前記画像情報及び予め設定されたパ
ターン設計情報のいずれかに基づいて前記非成膜領域を
認識し、前記液体の供給を遮断する。
【0021】また、本発明は、上記目的を達成するため
に以下のように構成されている。
【0022】(2) 本発明の成膜方法は、成膜領域と
非成膜領域とが設定された被処理基板に対して一定量の
液体を液体吐出ノズルから連続的に吐出させる工程と、
前記液体吐出ノズルと前記被処理基板とを相対的に移動
させ、前記被処理基板上の成膜領域に前記液体吐出ノズ
ルから吐出された液体を供給する工程と、前記液体吐出
ノズルと前記被処理基板との間に配置され、前記液体吐
出ノズルに対して相対的に停止した液体遮断部を用い
て、前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との相対的な
移動方向に対して平行な方向に、前記液体吐出ノズルか
ら吐出された液体の軌道を変化させて前記液体を回収
し、前記被処理基板の非成膜領域への前記液体の供給を
遮断する工程とを具備することを特徴とする。
【0023】構成(2)に好ましい実施態様を以下に示
す。
【0024】前記非成膜領域が、露光工程の位置合わせ
に用いられるアライメントマークを含む領域、及び前記
被処理基板の被処理領域のうちの少なくともいずれかの
領域である。前記被処理領域とは、エッチングされる領
域である。また、ウェハの外縁部などのチップが形成さ
れない領域も含まれる。
【0025】前記液体として、反射防止材,レジスト
材,低誘電体材料,絶縁材料,及び配線材料のうちのい
ずれかが溶媒に添加されたものを用いる。なお、前述し
た材料に限らず、任意の物質が溶かされた溶剤、例えば
金属ペースト等を用いることが可能である。
【0026】本発明は、上記構成(1)、(2)によっ
て以下の作用及び効果を有する。
【0027】ノズルからの吐出量を常に一定にし、ノズ
ルの下方に設けた液体遮断部で吐出された液体を遮断す
ることにより、パーティクルを発生させることなく、液
体を遮断することができる。さらに、前記液体遮断部で
液体を遮断することにより、遮断直前、及び遮断終了後
の液体供給開始時に液体に脈流を生じさせることなく、
被処理基板に均一に液体を供給することができる。
【0028】弁を用いていないので、液体の供給遮断直
前及び終了後に、液体に脈流が生じることがない。この
ため、均一な膜厚の液状膜を形成することができる。又
更に、液体の進路を進行方向に対して平行な方向に曲げ
て被処理基板への液体の供給を遮断することによって、
液体が遮断される際に、進行方向に対して横方向に液体
が飛び散ることがない。このため、均一な膜厚の液状膜
を形成することができる。
【0029】被処理基板上への液体の供給の遮断をノズ
ルから吐出された後に行っているので、パーティクルが
発生せず、液状膜中にパーティクルが混入しない。
【0030】又、非成膜領域に対しては、液体遮断部に
よって液体供給ノズルからの供給を遮断することによ
り、液体の使用量を削減することができる。
【0031】また、本発明は、上記目的を達成するため
に以下のように構成されている。
【0032】(3) 本発明の成膜方法は、被処理基板
上で一定量広がるように調整された液体を前記被処理基
板に対して液体吐出ノズルから連続的に吐出させる工程
と、前記液体吐出ノズルと前記被処理基板とを相対的に
移動させ、前記被処理基板上の第1の領域に前記液体を
供給する工程と、前記被処理基板上の第1の領域に供給
され広がった前記液体に対して、前記液体吐出ノズルか
ら供給され前記被処理基板上で広がる液体が少なくとも
接続するように、前記液体吐出ノズルと前記被処理基板
とを相対的に移動させ、前記被処理基板上の第2の領域
に前記液体を供給する工程とを具備することを特徴とす
る。
【0033】構成(3)に好ましい実施態様を以下に示
す。
【0034】前記被処理基板の表面に凹凸が形成されて
いるとき、前記凹凸の割合に応じて前記被処理基板上に
供給される前記液体の量を変化させる。
【0035】前記被処理基板上に供給される前記液体の
量の変化は、前記液体吐出ノズルからの吐出量を変化さ
せることによって行う。
【0036】前記被処理基板上に供給される前記液体の
量の変化は、前記液体吐出ノズルからの吐出量を一定に
し、かつ前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との相対
的な移動速度を変化させることによって行う。
【0037】前記吐出量の変化は、前記液体吐出ノズル
の上流側に設置された液体輸送ポンプからの輸送量を変
化させることによって行う。
【0038】前記被処理基板上に供給される前記液体の
量の変化は、前記液体吐出ノズルからの吐出量を一定に
し、かつ前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との相対
的な移動速度を一定にし、かつ前記液体吐出ノズルと前
記被処理基板との間に液体遮断機能を有する液体遮断部
を配置し、この液体遮断部により前記液体の遮断量を調
整することによって行う。
【0039】前記被処理基板上の前記第1の領域に前記
液体を供給する工程は、前記被処理基板の内部から外周
の一端側に向かって供給を行う工程であって、前記液体
吐出ノズルがこの供給方向に対して直交する方向に往復
移動を行いながら、この往復移動の折り返し点で前記供
給方向に所定ピッチずつ進む工程であり、前記第2の領
域に前記液体を供給する工程は、前記被処理基板の内部
から外周の前記一端側と異なる他端側に向かって、前記
第1の領域と重ならないように供給を行う工程であっ
て、前記液体吐出ノズルが前記供給方向に対して直交す
る方向に往復移動を行いながら、この往復移動の折り返
し点で前記供給方向に所定ピッチずつ進む工程である。
【0040】前記液体の広がり量の調整は、前記液体中
に含まれる固形分量、前記液体の粘度、前記液体の吐出
速度、及び前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との相
対的な移動速度のうちの少なくとも1つを調整すること
によって行う。
【0041】前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との
相対的な移動方向に直交する方向に複数の前記液体吐出
ノズルが配列され、各液体吐出ノズルの吐出量を変化さ
せる。
【0042】前記凹凸の割合は、前記被処理基板のパタ
ーン設計情報から決定される。また、前記凹凸の割合
は、前記液体吐出ノズルの進行方向前方に設置された画
像取得部によって取得された前記被処理基板の表面画像
から決定される。
【0043】さらに、前記液体として、低誘電体材料,
絶縁材料,反射防止材,レジスト材及び配線材料のうち
のいずれかが溶媒に添加されたものを用いる。なお、前
述した材料に限らず、任意の物質が溶かされた溶剤、例
えば金属ペースト等を用いることが可能である。
【0044】本発明は、上記構成(3)によって以下の
作用及び効果を有する。
【0045】本発明は液体吐出ノズルを用いて、液体吐
出ノズルの鉛直下にある基板に対して液体を液体吐出ノ
ズルから基板上に供給する。このとき、吐出された液体
を基板に留め、必要な固形分だけ基板に供給する。従っ
て、材料コストが低下し、かつ廃棄量も少なく環境に対
する悪影響を極めて小さくすることができる。
【0046】また、被処理基板の凹凸の比率或いは目的
とする膜厚に応じて、被処理基板と液体吐出ノズルとの
相対的な移動速度、ノズルの移動ピッチ、或いはノズル
の液体吐出量を変えることによって、凹部、凸部いずれ
の領域でも平坦な表面を持つ膜を形成することができ
る。
【0047】また、本発明は、滴下する液体を遮断する
手法を用いても達成できる。すなわち、被処理基板の凹
凸の比率或いは目的とする膜厚に応じて、被処理基板と
液体吐出ノズルとを相対的に移動させながら、ノズルか
ら基板へ供給される液体を断続的に遮断して供給量を調
整することによっても、凹部、凸部いずれの領域でも平
坦な表面を持つ膜を形成することができる。すなわち、
凹部では液体の遮断頻度を少なくして供給量を増加さ
せ、凸部では遮断頻度を多くして供給量を減少させて基
板表面で広げることによって、形成される膜の表面を平
坦にすることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。
【0049】[第1の実施形態]本実施形態は、反射防
止膜の成膜方法に関する。本実施形態では、非成膜領域
(アライメントマーク,基板外縁部又はチップが形成さ
れない領域などの非パターン領域)を除く処理基板上に
選択的に成膜を行う手法について説明する。
【0050】まず、被処理基板上に液体を選択的に供給
し液状膜を形成するための液状膜成膜装置の構成につい
て説明する。
【0051】図1(a)〜図1(c)は、本発明の第1
実施形態に係る液体供給ユニットの構成を示す断面図で
ある。
【0052】図1(a)に示すように、被処理基板15
は、図示されていない試料台上に水平に載置されてい
る。この被処理基板15の鉛直上に、基板15上に選択
的な液状膜の成膜を行う液体供給ユニット10が配置さ
れている。この液体供給ユニット10は、液体供給ノズ
ル11と液体吸引部12a,12bとを有している。液
体供給ノズル11は、被処理基板15に対して液体13
を吐出する。液体吸引部12a,12bは、液体供給ノ
ズル11から吐出された液体13を吸引し、ノズル11
から基板15への液体13の供給を遮断する。つまり、
液体吸引部12a,12bは、液体13を吸引して、そ
の吸引口から液体13を回収する。
【0053】また、液体供給ユニット10には、液体供
給ユニット10を移動させるユニット移動部16が設置
されている。そして、液体供給ユニット10をユニット
移動部16により移動させつつ、被処理基板15に対し
て液体供給ノズル11から液体13を吐出させること
で、基板15上に液状膜14を形成する。
【0054】なお、2個の液体吸引部12a,12b
は、液体供給ユニット10の移動方向に対して平行に、
かつ滴下された液体13を挟むように設置されている。
例えば、液体供給ユニット10が紙面右側に進む場合、
図1(b)に示すように、進行方向に対して後ろ側の液
体吸引部12aによって液体13の吸引を行い、被処理
基板15上への液体13の供給を遮断する。一方、液体
供給ユニット10が紙面左側に進む場合、図1(c)に
示すように、進行方向に対して後ろ側の液体吸引部12
bによって液体13の吸引を行い、被処理基板15上へ
の液体13の供給を遮断する。
【0055】次に、図2を参照し、一度に被処理基板1
5上の広い領域に選択的に成膜できるように、この液体
供給ユニットを複数配置した液状膜成膜装置20につい
て説明する。図2は、装置20を進行方向前方から見た
断面図である。複数の液体供給ユニットは、それぞれ液
体供給ノズル111と液体吸引部121、ノズル112
と吸引部122、ノズル113と吸引部123、ノズル
114と吸引部124、ノズル115と吸引部125、
ノズル116と吸引部126、及びノズル117と吸引
部127を有している。これら液体供給ユニットは、移
動方向と直交する方向に複数配置される。このような液
体供給ユニットを有する液状膜成膜装置20では、液体
供給ノズル111〜117の各々に対応する液体吸引部
121〜127の吸引の有無を独立に制御することによ
り、成膜領域21及び非成膜領域22への選択的な成膜
が可能になっている。
【0056】各ノズル111〜117は、100μm間
隔で配置されている。なお、各ノズル111〜117の
配置間隔は、吐出領域に応じて任意に変更して良い。ま
た、これらノズル111〜117の口の形状は、図3
(a)に示すように、短軸20μm×長軸40μm(長軸
がノズル配置方向と同一方向)の楕円形である。なお、
これらノズル111〜117の口の形状には、円形(図
3(b)),長方形(図3(c)),正方形(図3
(d))などの形状を用いることも可能である。
【0057】次に、図2に示した液状膜成膜装置20を
用いた液状膜の選択成膜を、図4(a)〜図4(d)を
参照しつつ説明する。なお、図4(a)〜図4(d)に
おいて、紙面手前側が装置の進行方向である。以下で
は、溶媒に反射防止材が添加された反射防止材溶液を被
処理基板15上に塗布し、反射防止膜を形成する場合に
ついて説明する。なお、0.055μm膜厚の反射防止
膜を得るために、溶剤中の反射防止材固形分を0.5%
に調整し、液状膜成膜装置の移動速度を100mm/se
cとした。
【0058】液状膜成膜装置20を被処理基板15に対
し、行(列)方向の往復運動を行いつつ、列(行)方向
に移動させることで膜形成を行う。まず、非成膜領域が
含まれない場合、図4(a)に示すように、液体供給ノ
ズル111〜117から吐出された反射防止材溶液41
1は、全て基板15に供給され、基板15上で広がって
液状膜412として敷きつめられる。
【0059】次いで、成膜装置20がアライメントマー
ク42の直前に来た場合、つぎのような動作を行う。図
4(b)に示すように、アライメントマーク42の鉛直
上に位置する液体供給ノズル113,116に対応する
液体吸引部123,126が反射防止材溶液411の吸
引動作を開始し、アライメントマーク42上への反射防
止材溶液411の供給を遮断する。反射防止材溶液41
1の吸引は、アライメントマーク42を過ぎるまで行わ
れる。なお、アライメントマーク42の存在の識別は、
基板15のパターン設計情報により行う。
【0060】このような実施形態では、液体吸引部12
1〜127で液体供給ノズル111〜117から吐出さ
れた液体の遮断を行う際、液体に脈流が生じることがな
い。このため、均一な膜厚の液状膜を形成することがで
きる。また更に、液体の進路を進行方向に対して平行な
方向に曲げて、基板への液体の供給を遮断することによ
って、液体が遮断される際に、進行方向に対して横方向
に液体が飛び散ることがない。このため、均一な膜厚の
液状膜を形成することができる。
【0061】また、本実施形態では、ノズルの口を機械
的に閉じて、反射防止材溶液の供給を遮断していない。
よって、パーティクルが生じることが無く、反射防止材
溶液中にパーティクルが混入することがない。
【0062】次いで、アライメントマーク42を過ぎた
時点で、図4(c)に示すように、ノズル113,11
6に対応する液体吸引部123,126の吸引動作を停
止し、再び、ノズル113,116からも基板15に対
して反射防止材溶液411の供給を行う。
【0063】その後、被処理基板15の成膜領域への反
射防止材溶液膜412の選択的な成膜が終了した後、ベ
ーク処理を行って溶媒を揮発させる。そして、図4
(d)に示すように、所望膜厚の反射防止膜413を形
成する。そして更に、反射防止膜413の形成と同様
に、レジスト材を、アライメントマーク及びチップ領域
外を除く基板面へ選択的に成膜した。なお、レジスト材
の固形分を1.5%とし、成膜装置20の移動速度を5
0mm/secにすることによって、膜厚0.3μmのレ
ジスト膜が形成された。
【0064】本実施形態では、アライメントマーク上
に、反射防止膜とレジスト膜を形成しないようにした。
このため、露光時のアライメント精度を飛躍的に向上す
ることができた。更に、アライメント精度の向上をデバ
イス設計に反映させることにより、素子の電気的特性の
ばらつきを低減でき、さらにチップ面積をより小さくす
ることができた。
【0065】なお、液体として反射防止材、レジスト材
の希釈溶液を用いたが、これに限定されるものではな
い。本発明に用いられる液体には、導電材,層間絶縁
材,配線材などの溶液,又は前記材料そのものを溶融し
たものを用いることができる。本発明で言う液体には、
シンナーによる希釈溶液のほか、材料を溶融したものも
含まれる。
【0066】また、アライメントマークなどの非成膜領
域の識別に、パターン設計情報を参照する以外に、図5
(a)、(b)に示すように、パターン識別手段51
a、51bを設置し、その取得画像を参照するようにし
てもよい。パターン識別手段51a、51bは、液体供
給ノズル11の進行方向(図中矢印の方向)前方に設け
られ、進行方向前方のパターンを取得する。パターン識
別手段51bは、進行方向が逆向きの場合に用いるもの
である。パターン識別手段51a、51bは、CCDカ
メラ又はイメージファイバー等からなる。
【0067】なお、前述した実施形態では、液体遮断部
として液体を直接吸引する方式を用いた。しかし、本発
明はこれに限定されるものではない。例えば、図6
(a)に示すように、液体吸引部62a、62bと、液
体回収部63a、63bとを有して構成される液状膜成
膜装置60を用いることも可能である。液体回収部63
a、63bは、吸引部62a、62bの下方に設けら
れ、かつ液体13を挟むように配置される。本成膜装置
60では、滴下された液体13を吸引によって吸引部6
2a(又は62b)に引き付け、引きつけられた液体1
3を下部の液体回収部63a(又は63b)で回収する
(図6(b)、(c))。
【0068】また、図7(a)〜図7(c)に示すよう
に、ガス吹き付け部72a,72bから液体13に対し
てガスを吹き付け、液体13の滴下方向の変更を行って
液体回収部63a、63bで回収する液状膜成膜装置7
0を用いることも可能である。図7(a)は、液体13
の供給を遮断しないときの成膜装置の断面図である。図
7(b)は、ガス吹き付け部72aからガスを吹き付け
ることにより、液体13の供給を遮断するときの断面図
である。図7(c)は、ガス吹き付け部72bからガス
を吹き付けることにより、液体13の供給を遮断すると
きの断面図である。
【0069】但し、ガスを吹き付けて液体13の滴下方
向の変更を行う際、ガスの吹き付け方向に流れを乱す障
害物が無いことが望ましい。ガス吹き付け部72a,7
2bを2つ設けてノズルの往路、復路に応じてそれぞれ
のガス吹き付け部72a,72bを使い分けする場合に
は、ガス吹き付け部72a,72bの高さ方向の設置位
置を異ならせることが望ましい。
【0070】また、ガスを吹き付けて液体の滴下方向の
変更を行い、液体の供給を遮断する別の手法として、図
8に示すような液状膜成膜装置を用いてもよい。この手
法では、ガス発生材に光を照射することによって反応を
起こさせ、この反応で生じるガスをノズルから吐出され
た液体に吹き付ける。これにより、液体の滴下方向を変
更して、基板への液体の供給を遮断するものである。
【0071】図8に示すように、被処理基板15は、図
示されていない試料台上に水平に載置されている。この
被処理基板15の鉛直上に、基板15上に選択的な液状
膜の成膜を行う液体供給ユニット80、この液体供給ユ
ニット80を移動するためのユニット移動部16が配置
されている。液体供給ユニット80は、液体供給ノズル
11、光照射部(光源部82、光反射部83)、ガス吹
き付け部84、液体回収部63a,63bを有してい
る。
【0072】液体供給ノズル11は、被処理基板15に
対して液体13を吐出する。光発射部82は、ガス吹き
付け部84に設けられたガス発生材を反応させるための
光を発射する。光反射部83は、光発射部82から出た
光を反射して光の方向を調節し、ガス吹き付け部84へ
導くものである。ガス吹き付け部84は、石英基板84
aとその上面に配置されたガス発生材84bからなって
いる。ガス発生材84bには、例えばニトロセルロース
等が用いられる。このガス吹き付け部84に設けられた
ガス発生材84bは、光発射部82から出力された光を
受けると、反応してガスを発生させる。このガスは、液
体供給ノズル11から吐出された液体13の滴下方向を
変更する。滴下方向が変更された液体13は、液体回収
部63bにより回収させる。
【0073】なお、光照射部は光源部のみで形成するこ
とができる。ここで言う光源とは、発光部または発光部
よりファイバ等で輸送された光射出部のことをいう。ガ
ス吹き付け部84には、この他に回転円盤、テープ状の
ものを用いることができ、石英基板84aも光源の光に
対して吸収が低いものであれば、いかなるものを用いて
もよい。
【0074】この液体供給ユニット80では、被処理基
板15に連続的に液体を供給する場合、次のような動作
を行う。液体供給ノズル11より、基板15に対して液
体13を吐出させる。この吐出を行いながら、ユニット
移動部16にて液体供給ノズル11を移動することによ
り、基板15に液体13を一定量で供給し、液状膜14
を形成する。
【0075】一方、基板15への液体13の供給を遮断
する場合には、次のような動作を行う。図8は、液体供
給ノズル11が紙面左側に移動する場合を示す。光発射
部82から光を発射させる。この光は、光反射部83に
よりその方向が調整されて、ガス吹き付け部84のガス
発生材84bに照射される。ガス吹き付け部84では、
光を照射されたガス発生材84bが反応し、この反応に
よってガスが発生する。このとき、ガス吹き付け部84
に発生したガスを、液体供給ノズル11から吐出される
液体13に吹き付ける。これにより、液体13の滴下方
向を変更して、液体回収部63bに液体13を回収させ
る。こうして、液体供給ノズル11から被処理基板15
への液体13の供給が遮断される。なお、前記ガス吹き
付け部をノズル11に対して反対側に設ければ、液体回
収部63aにより液体13を回収することも可能であ
る。
【0076】図9は、前記液状膜成膜装置にて基板15
上に液体を吐出したときの吐出直後の液体パターンを示
す上面図である。図9に示す液体パターン14aは、連
続して液体13を供給した塗布部分である。さらに、断
続的に形成された液体パターン14bは、ガス吹き付け
部84にてガスを発生させたときの遮断(間隙形成)
と、ガスを発生させないときの供給(液体パターン14
b形成)とを交互に繰り返した塗布部分である。
【0077】液体パターン14aは基板上に形成された
パターンが疎な領域に塗布し、液体パターン14bは基
板上に形成されたパターンが密な領域に塗布するのが望
ましい。このように塗布すれば、基板上のパターンによ
る凹凸に影響されることなく、凹凸いずれの領域でも平
坦な表面を持つ液状膜14を形成することができる。
【0078】また、液体回収部63a、63bで液体を
回収する場合、液体回収部63a、63bの縁から液体
が垂れて、被処理基板15上に液体がかかることがあ
る。この対策として、図10に示すように、液体回収部
63a、63bの下方に、さらに垂れ防止部85a、8
5bをそれぞれ設ける。これにより、液体回収部63
a、63bの縁から垂れた液体を垂れ防止部85a、8
5bで回収することができる。なお、垂れ防止部85
a、85bの縁は、液体回収部63a、63bの縁より
外側に来るようにする。
【0079】なお、上述した液体供給ユニットでは、液
体の供給を遮断する際に、ノズルの進行方向後方側に液
体の滴下方向を変化させていたが、進行方向前方側に滴
下方向を変化させてもよい。しかし、ノズルの移動が高
速の場合、滴下された液体は後方に流されるので、液体
の滴下方向を進行方向に対して後方に変化させるように
すれば、ノズルより進行方向後方で液体を捕獲すること
が容易となる。垂れ防止部85a、85bは、図5、図
6、図7、図8、及び図16に示すユニットにも、適用
することができる。
【0080】従って、ノズルの移動速度が速い場合、図
11の液体供給ユニットのレイアウトに示すように、個
々の液体供給ノズル11に対してノズルの移動方向(前
後)に液体遮断部91a,91bを配置し、進行方向に
応じて液体遮断部を使い分けることが好ましい。なお、
液体遮断部91a,91bとは、前述した液体吸引部1
2a,12b、液体吸引部62a,62bと液体回収部
63a,63b、ガス吹き付け部72a,72bと液体
回収部63a,63b、及びガス吹き付け部84と液体
回収部63bを総合した呼称である。一方、ノズル11
の移動速度が遅い場合には、進行方向に対して前と後ろ
のどちら側で液体を回収しても良い。その場合、液体遮
断部と液体回収部を1つずつにして、いずれの進行方向
に対しても同一の液体回収部で回収するようにしても良
い。
【0081】以下に、ノズル1個に対して1個の液体遮
断部が設けられた構成について、図12〜19に示す液
体供給ユニットのレイアウトを用いて説明する。なお、
図12〜19において、図11と同一な部位には同一符
号を付し、その説明を省略する。
【0082】図12に示す液体供給ユニットは、液体供
給ノズル11の移動方向の一方に液体遮断部91を配置
した構成である。この液体供給ユニットを用いる場合に
は、被処理基板への液体の供給を往路のみ、または復路
のみ行うようにしてもよい。
【0083】また、図13に示す液体供給ユニットは、
液体供給ノズル11の移動方向の一方に液体遮断部91
を配置した構成である。この液体供給ユニットは、ガス
を吹き付けて遮断を行う機能のものを液体遮断部91に
用いる場合に効果的である。この液体供給ユニットで
は、液体遮断部91が交互に配置されているため、射出
されたガスの相互の干渉を防ぐことができる。
【0084】図14,19に示す液体供給ユニットは、
図13に示した液体供給ユニットの別の形態であり、液
体の吐出間隔を狭めるようにノズル11及び液体遮断部
91を適切に配置した構成である。即ち、図14に示す
液体供給ユニットでは、重ならないように2列に配列さ
れた液体供給ノズル11を挟むように、それぞれ対応す
る液体遮断部91が配置されている。又、図15に示す
液体供給ユニットでは、重ならないように2列に配列さ
れた液体遮断部91を挟むように、それぞれ対応する液
体供給ノズル11が配置されている。
【0085】ところで、図16(a)、(b)に示すよ
うに、液体13の遮断をシャッター141で行ってもよ
い。基板15に液体13を供給する場合を図16(a)
に示す。一方、基板15への液体13の供給を遮断する
場合を図16(b)に示す。このような液体供給ユニッ
トでは、断面が台形のシャッター141を用いる。そし
て、液体13の供給を遮断する場合には、ノズル11か
ら吐出された液体13が通過するラインへ進行方向の上
流側よりシャッター141を挿入する。シャッター14
1の形状及び挿入方向は、挿入の際に液体13が被処理
基板15上に飛散せず、シャッター141の裏より滴下
しない構造であれば如何なるものであってもよい。
【0086】ノズルの移動速度が高速の場合には液体が
進行方向後方に流されるため、その流れを乱さないよう
に、液体が流される方向とシャッターの進入方向を同一
方向にしている。シャッターを進行方向後方より挿入す
ると、液体が飛散し成膜基板表面が汚れてしまう。
【0087】[第2実施形態]本実施形態では、予め非
成膜領域(アライメントマーク部、基板外周のチップ非
作成領域)に反射防止材の溶液を弾く溶剤を成膜してお
き、その後に反射防止材を成膜する手法について説明す
る。
【0088】図17(a)〜図17(d)は、本発明の
第2実施形態に係る液状膜の選択成膜の工程を示す装置
及び基板の断面図である。まず、図17(a)に示すよ
うに、アライメントマーク42が表面に形成されている
被処理基板15を用意し、図示されていない試料台の上
にこの基板15を水平に設置する。
【0089】次いで、図17(b)に示すように、単一
の液体供給ノズル11を有する図1(a)〜図1(c)
に示した液体供給ユニット10を、基板15に対して行
(列)方向の往復運動を行いつつ、列(行)方向に移動
させ、反射防止材溶液を成膜しない領域、即ちアライメ
ントマーク42を含む領域に選択的にEEP溶剤151
を滴下する。なお、使用したノズル11の口の形状は、
10μm×40μm(長辺がノズル進行方向に直交)の長
方形である。
【0090】次いで、複数の液体供給ノズル111〜1
17と液体吸引部121〜127を有する図2に示した
液状膜成膜装置20を用いて、反射防止材溶液411の
選択成膜を行う。このとき、図17(c)に示すよう
に、被処理基板15のアライメントマーク42を含む領
域に対しては、反射防止材溶液411の供給を遮断し
た。なお、溶剤中の反射防止材の固形分を0.5%と
し、液体供給ユニットの移動速度を100mm/secに
して、膜厚0.055μmの反射防止材溶液膜412を
形成した。
【0091】そして、選択成膜の終了後にベーキングを
行った結果、図17(d)に示すように、EEP溶剤1
51は揮発して無くなった。また、反射防止材溶液膜4
12中の溶媒が揮発することによって、反射防止膜41
がアライメントマーク42の領域以外に精度良く形成す
ることができた。
【0092】次に、反射防止膜41の成膜と同様に、ア
ライメントマーク及びチップ領域外の非成膜領域に予め
EEP溶剤を選択的に塗布した。その後、レジスト材を
EL溶剤に溶かした溶液を基板15の成膜領域に塗布し
た。レジスト材の溶液は固形分を1.5%とし、液体供
給ユニットの移動速度を50mm/secにしたところ、
膜厚0.3μmのレジスト膜を形成することができた。
【0093】本実施形態では、アライメントマーク上に
反射防止膜とレジスト膜を形成しなかったため、露光時
のアライメント精度を飛躍的に向上することができた。
更にアライメント精度の向上をデバイス設計に反映させ
ることにより、素子の電気的特性のばらつきを低減で
き、さらにチップ面積をより小さくすることができた。
【0094】なお、反射防止材、レジスト材の希釈溶液
の成膜は、次の工程により行うことも可能である。図1
7(b)に示した工程の後、図18(a)に示すよう
に、液体の遮断機能を有さない液状膜成膜装置160を
用いて、反射防止材溶液又はレジスト材溶液の選択的な
吐出を行わずに、レジスト材溶液1611を被処理基板
15上に一様に滴下し、レジスト材溶液膜1612を形
成する。
【0095】基板15上に一様に滴下されたレジスト材
溶液1611のうち、EEP溶剤151上に滴下された
レジスト材溶液1611は、EEP溶剤151の表面を
滑り降りてEEP溶剤151の周囲に移動した。このよ
うに、EL溶剤のレジスト材溶液膜1612を塗布した
後、ベーク処理を行ったところ、図18(b)に示すよ
うに、EEP溶剤151は揮発してなくなり、レジスト
材溶液膜1612中に含まれるEL溶剤も揮発した。以
上により、基板15のアライメントマーク42上を除く
領域に、選択的にレジスト膜161を成膜することがで
きた。
【0096】なお、前記アライメントマーク42の非成
膜領域の近傍ではレジスト膜161の膜厚が厚くなった
が、この領域にデバイスに寄与するパターンを形成する
必要がなかったため加工精度に影響を及ぼさなかった。
【0097】[第3実施形態]本実施形態では、本発明
を配線パターンに適用した例について説明する。試料台
の上に、厚さ3mmのAlNxからなる被処理基板を水
平に設置した。被処理基板の上方には、液状膜成膜装置
が設置してある。
【0098】本実施形態では、図6(a)〜図6(c)
に示した液体供給ユニットを複数個配列した液状膜成膜
装置を用いて配線パターンの形成を行った。液体供給ユ
ニットは、装置の移動方向と直交する方向に複数配置さ
れる。複数の液体供給ユニットの各々の液体吸引部は独
立に制御され、成膜領域または非成膜領域に対して選択
的に液体を塗布することができる。
【0099】なお、使用した液体供給ユニットの液体供
給ノズルの配置間隔は100μmである。前記ノズルの
口の形状は、40μm×40μmの正方形である。この装
置を被処理基板に対し、行(列)方向の往復運動を行い
つつ、列(行)方向に移動させることによって液状膜の
形成を行った。
【0100】この装置を被処理基板に対し、配線の描画
方向に沿って移動させて膜形成を行った。装置の移動速
度は、直線及び曲線方向については一定の速度で移動さ
せ、パターンの折り返し部分には曲率を持たせてノズル
の移動速度に変化が生じないようにした。
【0101】また、各液体供給ノズルから吐出される配
線材料である銀ペーストを、連続的に、かつ単位時間あ
たりの吐出量が一定となるように調整して、膜形成を行
った。配線設計データに基づき、配線を設けない領域で
は液体吸引部より液体の吸引を行い、銀ペーストが被処
理基板上に供給されるのを防止した。そして、全ての配
線パターンを形成した後、400度で基板の焼成を行い
溶剤を揮発させることによって、配線パターンを固化、
定着させた。
【0102】本実施形態で作成した配線パターンに対し
て通電を行い、ヒーター(均熱板=AlNx、ヒーター
材=銀)として作動させて、板状の被処理物に対し15
0度の加熱を行ったところ、温度均一性が±0.2度で
あった。従来のシルクスクリーンを用いた印刷(印刷方
向で塗布斑が生じる)で作成した配線パターンに対して
通電を行い、ヒーターとして作動させたところ、抵抗の
ばらつきが大きく±1度の温度ばらつきが生じていた。
それに比べて本実施形態では、前述したように温度の均
一性が飛躍的に向上した。また、吐出の制御をノズル内
部で行う従来の液体供給ノズルを用いて作成した配線パ
ターンに対して通電を行い、ヒーターとして作動させた
ところ、脈動の影響により抵抗値がばらつくため±0.
6度の温度ばらつきがあった。これと比べても本実施形
態では、飛躍的に温度の均一性を向上させることができ
た。
【0103】[第4実施形態]本実施形態では、本発明
を配線パターンの形成に適用した例について説明する。
試料台の上に、厚さ3mmのAlNxからなる被処理基
板を水平に設置した。被処理基板の上方には、液体供給
ノズルが設置してある。
【0104】本実施形態では、図16(a)、(b)に
示した液体供給ユニットを複数個配列した液状膜成膜装
置を用いて配線パターンを形成した。液体供給ユニット
は、装置の移動方向と直交する方向に複数配置される。
複数の液体供給ユニットの各々のシャッターは独立に制
御され、成膜領域または非成膜領域に対して選択的に液
体を塗布することができる。使用した液体供給ノズルの
口の形状は、40μm×40μmの正方形である。
【0105】このような成膜装置を用いて、第3実施形
態と同様な手法で配線パターンの形成を行った。装置の
移動は、配線設計データに基づいて行い、配線の始点で
シャッターを開放して液体を基板に供給し、配線の終点
でシャッターを挿入してその供給を遮断した。これによ
り、配線を形成しない領域ではシャッターを挿入し、銀
ペーストが被処理基板上に供給されるのを防止した。そ
して、全ての配線パターンを形成した後、400度で基
板の焼成を行い、配線パターンを固化、定着させた。
【0106】本実施形態で作成した配線パターンに対し
て通電を行い、ヒーター(均熱板=AlNx、ヒーター
材=銀)として作動させて、板状の被処理物に対し15
0度の加熱を行ったところ、温度均一性が±0.2度で
あった。従来のシルクスクリーンを用いた印刷(印刷方
向で塗布斑が生じる)で作成した配線パターンに対して
通電を行い、ヒーターとして作動させたところ、抵抗の
ばらつきが大きく±1度の温度ばらつきが生じていた。
それに比べて本実施形態では、前述したように温度の均
一性が飛躍的に向上した。また、吐出の制御をノズル内
部で行う従来の液体供給ノズルを用いて作成した配線パ
ターンに対して通電を行い、ヒーターとして作動させた
ところ、脈動の影響により抵抗値がばらつくため±0.
6度の温度ばらつきがあった。これと比べても本実施形
態では、飛躍的に温度の均一性を向上させることができ
た。
【0107】[第5実施形態]本実施形態では、液体供
給ノズルと液体遮断部を持ち、かつこれらが一体化さ
れ、基板に対して移動しながら前記ノズルから鉛直に供
給される液体を前記遮断部で遮断するという手法におい
て、ノズルの移動速度が速い場合に生じる問題を克服す
る例について説明する。
【0108】液体供給ノズルと液体遮断部を一体化した
ものでは、液体遮断部の遮断機能の動作よりノズルの移
動速度が速い場合、非成膜領域(例えば、アライメント
マーク部)以外の領域まで、すなわち成膜領域に対して
も液体の供給が行われないという問題が生じる場合があ
る。この場合の成膜状態を図19に示す。
【0109】図20(a)は、本発明の第5実施形態に
係る液状膜成膜装置の構成を示す断面図である。さら
に、図20(a)〜図20(c)は、前記液状膜成膜装
置を用いた液状膜14の選択成膜の工程を示す断面図で
ある。
【0110】この液状膜成膜装置は、液体供給ノズル9
5と液体遮断部96を有している。液体供給ノズル95
は、被処理基板15に対して液体13を吐出する。液体
遮断部96は、液体供給ノズル95から吐出される液体
13が基板15に供給されるのを遮断する。液体供給ノ
ズル95と液体遮断部96とは、互いに独立に移動可能
に構成されている。さらに、液体遮断部96は、液体供
給ノズル95のノズル口の高さと被処理基板15との間
の高さに配置されている。
【0111】このように構成された液状膜成膜装置で
は、液体の塗布が次のように行われる。
【0112】図20(a)に示すように、アライメント
マーク42を表面に有する被処理基板15が、図示され
ていない試料台の上に水平に設置されている。この被処
理基板15の鉛直上に、基板15に液体の吐出を行う液
体供給ノズル95が配置されている。液体供給ノズル9
5には、このノズル95を移動させるノズル移動部97
が設置されている。
【0113】基板15に対して液体13を供給する場
合、ノズル95をノズル移動部97により移動させつ
つ、ノズル95から液体13を吐出して基板15上の成
膜領域に液体13を供給する。ここで、液体供給ノズル
95の移動に先行し、非成膜領域であるアライメントマ
ーク42の鉛直上に液体遮断部96を移動させ配置して
おく。
【0114】次いで、図20(b)に示すように、液体
供給ノズル95は、液体13を吐出しながら移動し、ア
ライメントマーク42(非成膜領域)の鉛直上に達す
る。すると、液体遮断部96は、ノズル95から吐出さ
れた液体13が基板15上に滴下するのを遮断する。こ
れにより、基板15上への液体13の供給が遮断され
る。さらに、液体供給ノズル95が移動してアライメン
トマーク42の鉛直上をはずれると、図20(c)に示
すように、液体遮断部96による液体13の遮断が解除
され、基板15上への液体13の供給が再開される。
【0115】図21は、本実施形態で成膜した液状膜の
成膜状態を示す上面図である。図21に示すように、ア
ライメントマーク42が形成された非成膜領域の外側の
成膜領域には液状膜14が確実に形成されており、前述
した成膜領域に対しても液体13の供給が行われないと
いう問題を解決することができる。
【0116】従来の液体供給ノズルと液体遮断部を一体
化したものでは、液体遮断部の遮断機能の動作よりノズ
ルの移動速度が速い場合、非成膜領域以外の領域まで液
体の供給が行われないという問題が生じていた。本実施
形態では、液体遮断部を予め非成膜領域上に移動し、液
体供給ノズルが通過する直前から遮断機能を動作させ
る。そして、この液体遮断部を横切るように液体供給ノ
ズルを通過させることにより、所望の領域のみに非成膜
領域を形成することを可能にした。なお、液体遮断部に
は、物理的に液体を遮断する方法、吸引またはガス放出
による方法など何れの方法を用いてもよい。
【0117】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変
形して実施することが可能である。
【0118】以上説明したように本発明の第1〜第5実
施形態によれば、ノズルから吐出する液体の吐出量を常
に一定にしておき、基板への液体供給を遮断する際に
は、ノズル下部に設けた液体遮断部にて吐出された液体
を遮断することにより、パーティクルの発生を抑制で
き、さらに、液体供給の遮断直前および遮断終了後の液
体供給開始時に液体に脈流を生じさせることなく、被処
理基板上に液体を均一に供給することができる。
【0119】本発明の第1〜第5実施形態を用いれば、
基板上に選択的に液状膜を成膜するに際し、液状膜中へ
の不純物の混入を抑制し、かつ成膜された液状膜の膜厚
分布を均一にすることができる成膜方法及び成膜装置を
提供することが可能である。
【0120】[第6実施形態]本実施例では、凹凸のあ
る被処理基板にSOG溶液を塗布し、かつその表面を平
坦にする手法について説明する。
【0121】図22は、本発明の第6実施形態に係る塗
布装置の概略構成を示す図である。この塗布装置は、液
体供給ノズル11、ノズル駆動部81、及びパターン設
計情報17を有している。液体供給ノズル11は、被処
理基板18に対して液体13を滴下する。ノズル駆動部
81は、パターン設計情報17に基づいて液体供給ノズ
ル11を移動させる。
【0122】図23(a)〜図23(c)を用いて、こ
の塗布装置を用いた被処理基板18上への絶縁膜の成膜
工程を説明する。なお、本実施形態においては、絶縁膜
材料にSOGを選択し、固形分20%となるようにシン
ナーに溶かしたSOG液体を用いた。
【0123】被処理基板18は、図23(a)に示すよ
うに、未処理の基板19上に、例えば配線などの構造物
23が形成され、凹部24が存在するものである。被処
理基板18に形成されている凹部(スペース)24の深
さは0.25μm程度である。そして、被処理基板18
には、孤立ライン領域、ライン&スペース領域、及び孤
立スペース領域等が存在している。
【0124】図23(a)に示す構造の被処理基板18
上にSOG膜を成膜するため、被処理基板18を固定
し、液体供給ノズル(口径50μm)11からSOG溶
液を連続的に吐出させる。そして、図24に示すよう
に、液体供給ノズル11を、列方向に往復移動させつ
つ、被処理基板18上のパターン形成領域31の領域外
の折返し点で行方向に所定のピッチで移動させた。な
お、行方向の前記所定のピッチは、基板18上の液体の
行方向の広がり量より狭くなるように設定する。
【0125】液体供給ノズル11から液体13を吐出さ
せたときの吐出部の断面図を図25に示す。図25に示
すように、ノズル11から被処理基板18上に吐出され
たSOG溶液35aは薄く広がり、SOG溶液の行方向
の広がり量より移動ピッチを狭くしておけば、広がった
SOG溶液35bと既に被処理基板18上に供給されて
いたSOG溶液36とが接続するようになる。従って、
液体供給ノズル11から吐出されたSOG溶液のライン
が全て接続するようになる。このため、パターン形成領
域31の全領域に対してSOG溶液を塗布することがで
きる。
【0126】ここでは、ノズルの移動速度V0 =100
mm/sec、ノズル往復運動の両サイドでの送り(移
動)ピッチP=100μmの条件下で、焼成後のSOG
(SiO2)膜の膜厚が1μmになる吐出量を求めて、
成膜条件を決定した。
【0127】決定された成膜条件を元に、単位面積中の
凹部の比率に応じて、ノズル11の列方向の移動速度V
を変化させてSOG溶液の塗布を行った。なお、移動速
度の調整は100μm単位で行い、100μm2領域中
の凹部の比率Sと、凹部の深さd、成膜する厚さtに対
し移動速度Vを V= V0 /((t−d)+dS) (1) とした。
【0128】例えば、図26に示すような凹凸パターン
に成膜する場合、凹部の比率が75%である領域のノズ
ル移動速度は229mm/secとした。また、凹部の比
率が50%,12%の領域では、それぞれノズル移動速
度を267、357mm/secとした。成膜の際、液体
供給ノズル11から吐出されたSOG溶液は時間ととも
に広がり、最終的には100μm程度の幅になった。
【0129】このような塗布手法を用いた結果、SOG
溶液の塗布が終了した後の被処理基板18上のSOG溶
液の表面は平坦であった。さらに、SOG溶液の表面位
置、すなわち配線等のパターンを除いた基板19の表面
からの高さは領域に応じて変わっていなかった。その
後、溶剤を蒸発させる際に、基板18を水平方向に2m
m程度振動させてSOG溶液を更に流動させ、更に平坦
化を図った。
【0130】さらに、図23(b)に示すように、溶剤
をゆっくり蒸発させてSiO2膜25を形成した。Si
O2膜25の膜厚は、パターン上部に形成された膜の膜
厚が0.25μmであり、凹部に形成された膜の膜厚が
0.50μmであった。SiO2膜25表面の凹凸は3
nm程度であり、表面が平坦なSiO2膜25を被処理
基板18上に形成することができた。
【0131】さらに、図23(c)に示すように、SO
Gを形成したのと同様に本装置を用いて、SiO2膜2
5上にDUV光(波長248nm)に対し反射防止効果
をもつ反射防止膜26を膜厚50nm形成した。ここで
は、ほぼ平坦なSiO2膜25表面に対して均一な膜厚
で、さらに表面の凹凸に沿って反射防止膜26を形成す
る必要がある。液体供給ノズル11の移動速度を一定に
して、反射防止膜26の溶剤に対する固形分量を調整
し、かつノズル11の移動ピッチを液体13の広がり量
より若干少なくなるように制御して成膜を行った。この
反射防止膜26の形成では、ノズルの移動速度Vを凹部
で1%速く、凸部で1%遅くした。このような速度分布
は成膜後の溶液の流動により凹部で厚みを増すことを想
定したもので、成膜の段階で流動で損失する分を凸部に
予め与えるようにしている。
【0132】次いで、反射防止膜26と同様の手法を用
いて、反射防止膜26上に膜厚0.25μmのレジスト
膜を形成した。なお、反射防止膜26は固形分1%(粘
度1.5cp)、レジスト膜は固形分を3%(粘度1.
7cp)とした。さらに、DUV光による露光を行い、
PEB、現像を行い、0.25μm線幅のレジストパタ
ーン27を形成した。以上のように、基板表面の平坦化
を精度良く行い、その上の反射防止膜、レジスト膜も微
小段差に応じて形成することにより、線幅寸法の制御性
が3nm以内と大変良好な状態でパターンを形成でき
た。
【0133】また、前記実施形態では、図27(a)に
示すように、被処理基板18の外周の一端側から他端側
にノズルを移動しながらSOG溶液を塗布した。しか
し、SOG溶液及び基板表面の状態によってはこの塗布
手法を用いた場合、次のような不具合を生じる場合があ
る。
【0134】図27(b)は、前記不具合が生じた場合
の図27(a)に示す基板の27b−27b線に沿った
断面図である。液体供給ノズル11が基板18上を移動
して吐出を開始する始点領域28では、溶剤濃度が低く
なり、始点領域28から溶剤の揮発が生じ、SOG溶液
に凝集が起こる。その結果、固化した際に、図27
(b)に示すように膜40の始点領域28が角状に盛り
上がり、その周囲で膜厚が薄くなる。
【0135】このような不具合が生じる場合には、図2
8(a)に示すように、基板の内部側(始点37)から
基板外周の両側(終点38)に向かって、ノズル11を
移動させながらSOG溶液を塗布する。詳述すると、被
処理基板18の内部側からノズル11を行方向に往復移
動させつつ、折返し点で列方向に所定のピッチで移動さ
せて、SOG溶液を被処理基板18の外周の一端側まで
塗布する。さらに、被処理基板18の内部側からノズル
11を行方向に往復移動させつつ、折返し点で列方向に
所定のピッチで移動させて、SOG溶液を被処理基板1
8の外周の前記一端側と異なる他端側まで塗布する。こ
のとき、互いの塗布が重ならないようにする。また、前
記所定のピッチは、基板18上の液体の列方向の広がり
量より狭くなるように設定する。このような塗布を行え
ば、吐出の始点である内部で溶剤の濃度が低くなること
はなく、凝集が起こって、図28(b)に示すように膜
40の始点領域28が角状に盛り上がることはない。
【0136】また、被処理基板18の外周部39に着目
すると、図29(a)に示すように、膜40の外周の曲
線がきれいに整うように液体を塗布した場合、外周部3
9では基板18の内側同じ方向に表面張力がかかる。こ
のため、外周部の膜に凝集が起こり、膜厚が厚くなって
しまう。そこで、図29(b)に示すように、膜40の
外周がジグザグな形状(リアス形状)になるように液体
を塗布すれば、表面張力が分散されるため、外周部39
で膜厚が厚くなるのを防止することができる。図29
(b)に示すようなジグザグな形状を形成するには、図
20(a)〜図20(c)に示した手法を用いて液体の
遮断タイミングを調整すればよい。なお、図29
(a)、(b)は、被処理基板の外周部の拡大図であ
る。
【0137】本発明の実施形態では液体としてSOGの
希釈溶液を用いたが、これに限るものではない。リソグ
ラフィープロセスで用いる反射防止膜、導電膜、及びレ
ジスト膜も同様の手法で成膜可能である。これらの膜を
形成する場合もシンナーで希釈して用いるが、その時の
固形分量は3%以下であることが望ましい。また、配線
材料として金属ペーストを用いた成膜に対しても適用可
能である。また、本実施形態は液体としてシンナーによ
る希釈溶液を用いたが、成膜材料を溶融した液体を用い
ることも可能である。
【0138】なお、ノズルの進行方向(列方向)に対し
て凹部の割合が変化せず、進行方向に直交する方向(行
方向)に対して凹部の割合が変化する被処理基板の場
合、移動速度を変化させずに、移動ピッチを変化させる
ことにより、表面が平坦な膜を形成することができる。
また、場合によっては、ノズルの移動速度と移動ピッチ
の両方を変化させても良い。
【0139】本実施形態においては、被処理基板18上
の凹部の比率を求める手法として、設計時のパターン情
報を用いた。図30に示すように、画像取得部43a、
43bにより基板18の表面画像として取得し、画像処
理演算部44により演算を行って凹部の比率を求めるこ
とも可能である。画像取得部43a、43bは、CCD
等からなり、液体供給ノズル11の進行方向前方に設置
される。また、凹部の比率は、イメージそのものから取
得しても良い。さらに、計測波長以下の微細パターンが
存在する場合には、反射光の濃淡として取得し、そのコ
ントラスト値を凹凸比にみなしてもよい。なお、液体供
給ノズル11の往復移動を考慮し、移動方向の両側に画
像取得部43a,43bが設置されていることが好まし
い。
【0140】[第7実施形態]本実施形態では、液体供
給ノズル(口径50μm)をノズル移動方向と直交する
方向に複数配置し、かつ液体供給ノズルからの液体の吐
出量をそれぞれ独立に制御できるものを用いて、SOG
溶液の塗布を行った。なお、被処理基板及びSOG溶液
の条件は、前記第6実施形態と同様である。
【0141】列方向のノズル移動速度V0 が100mm
/sec、ノズルの折返し点での移動ピッチPが100μ
mの条件下で、焼成後のSOG(SiO2)膜が1μm
となるSOG溶液の吐出量G0 を求めた。その結果、吐
出量G0 は、5μl/secであった。
【0142】この条件を基に、単位面積中の凹部の比率
に応じて吐出量Gを変化させて成膜を行った。吐出量G
の調整は10μl単位で行い、100μm2領域中の凹
部の比率Sと、凹部の深さd、成膜する厚みtに対し吐
出量Gを G=G0 ((t−d)+dS) (2) とした。
【0143】本実施形態の塗布装置は、図31に示すよ
うに、進行方向に対して直交するように(進行方向が列
方向であれば行方向に)、液体供給ノズル52a〜52
gが配列されている。各液体供給ノズル52a〜52g
はその上流側にそれぞれ液体輸送ポンプ(不図示)が接
続され、各液体輸送ポンプからの輸送量を変えることに
よって、各液体供給ノズル52a〜52gからの吐出量
が調整可能になっている。
【0144】成膜の際、基板18上の凹部の占める割合
に応じて、液体供給ノズル52a〜52gからそれぞれ
吐出量を変えてSOG溶液を吐出し、SOG膜を成膜し
た。なお、領域53,54,55は、それぞれ凹部密度
が小,中,大の領域である。そして、液体輸送ポンプ
は、被処理基板18上のパターン設計データに基づき算
出された凹部比率に応じて、式(2)に従い液体の輸送
量を変更する。
【0145】例えば、図32(a)に示す様な凹パター
ンに成膜する場合、凹部の比率が75%であるときの吐
出量は2.19μl/secである。また、凹部の比率
が50%,12%の領域では、それぞれ吐出量を1.8
7μl/sec、1.40μl/secとした。なお、
図32(a)において、領域64a〜64gは、それぞ
れ液体供給ノズル52a〜52gから供給されたSOG
溶液が表面を覆う領域に対応する。
【0146】液体供給ノズル52a〜52gから吐出さ
れたSOG溶液は時間とともに広がり、最終的には10
0μm程度の幅になった。SOG溶液の塗布終了後、被
処理基板18上のSOG溶液の表面は平坦であった。さ
らに、SOG溶液の表面位置、すなわち配線等のパター
ンを除いた基板18表面からの高さは領域に応じて変わ
っていなかった。その後、基板18を水平方向に2mm
程度振動させてSOG溶液を更に流動させ、更に平坦化
を図った。
【0147】さらに、溶剤をゆっくり蒸発させて、図3
2(b)に示すように、SiO2膜56を形成した。S
iO2膜56の膜厚は、パターン上部に形成された膜の
膜厚が0.25μmであり、凹部に形成された膜の膜厚
が0.50μmであった。基板表面上の凹凸は5nm程
度であり、表面が平坦なSiO2膜25を被処理基板1
8上に形成することができた。
【0148】さらに、第6実施形態と同様に、SOGを
形成したのと同様に本装置を用いて、SiO2膜56上
にDUV光(波長248nm)に対し反射防止効果をも
つ反射防止膜を膜厚50nm形成した。反射防止膜は基
板18の微小な段差上に均一に成膜する必要があるた
め、液体の吐出量Gを凹部で1%少なく凸部で1%多く
した。このような吐出量は成膜後の溶液の流動により凹
部で厚みを増すことを想定したもので、成膜の段階で流
動で損失する分を凸部に予め与えるようにしている。
【0149】次いで、反射防止膜と同様の手法を用い
て、反射防止膜上に膜厚0.25μmのレジスト膜を形
成した。なお、反射防止膜は固形分1%(粘度1.5c
p)、レジスト膜は固形分を3%(粘度1.7cp)と
した。さらに、DUV光による露光を行い、PEB、現
像を行い、0.25μm線幅のレジストパターンを形成
した。以上のように、基板表面の平坦化を精度良く行
い、その上の反射防止膜、レジスト膜も微小段差に応じ
て形成することにより、線幅寸法の制御性が3nm以内
のパターンを形成できた。
【0150】なお、液体遮断機能を用い、液体吐出ノズ
ルからの吐出量を一定にし、基板上に到達する液量がG
となるように遮断機能による遮断量を調整しても、本実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0151】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、前記実施形態では液体として
SOGの希釈溶液を用いたが、これに限るものではな
い。リソグラフィープロセスで用いる反射防止膜、導電
膜、及びレジスト膜も同様の手法で成膜可能である。こ
れらの膜を形成する場合もシンナーで希釈して用いる
が、その時の固形分量は3%以下であることが望まし
い。また、配線材料として金属ペーストを用いた成膜に
対しても適用可能である。
【0152】本実施形態で用いた複数の液体供給ノズル
の配置(間隔)は適当でも良いが、チップ間隔に対応さ
せてもよい。その場合、各液体供給ノズルは、各チップ
の同じ凹凸差の部分を埋めることになるので、各液体供
給ノズルの吐出量を一括して制御可能になり、操作性が
飛躍的に向上する。
【0153】また、前記実施形態では、液体供給ノズル
を移動させていたが、液体供給ノズルの位置を固定し
て、被処理基板を移動させても良い。また、液体供給ノ
ズルと被処理基板の両方を移動させても良い。また、相
対的な移動方向は、前記実施形態に限るものではなく、
例えばノズルから吐出された液体が螺旋を描くように移
動させても良い。
【0154】また、液体の広がり量の調整は、液体中に
含まれる固形分量,液体の粘度あるいは吐出速度,又は
被処理基板或いは液体供給ノズルの移動速度を調整する
ことによって行うことができる。
【0155】その他、本発明は、その要旨を逸脱しない
範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0156】以上説明したように本発明の第6、第7実
施形態によれば、液体を連続的に吐出しながら被処理基
板と吐出ノズルとを相対的に移動させて、基板の処理面
に対して液体を塗布することによって、液体を効率よく
使用しながら被処理基板上に塗布できる。又、被処理基
板の凹部の割合に応じて、ノズルの移動速度,移動ピッ
チ又は液体の吐出量を変化させることによって、塗布全
面で表面が平坦な膜を形成することができる。
【0157】本発明の第6、第7実施形態を用いれば、
液体を効率よく基板上に塗布できると共に、基板上に形
成されたパターンによる凹凸に影響されることなく、パ
ターンを除いた基板表面からの液状膜の厚さを均一にす
ることができる成膜方法を提供することが可能である。
【0158】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、基板
上に選択的に液状膜を成膜するに際し、液状膜中への不
純物の混入を抑制し、かつ成膜された液状膜の膜厚分布
を均一にすることができる成膜装置及び成膜方法を提供
できる。さらに、本発明によれば、液体を効率よく基板
上に塗布できると共に、基板上に形成されたパターン等
による凹凸に影響されることなく、凹凸いずれの領域で
も平坦な表面を持つ液状膜を形成することができる成膜
方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の第1実施形態に係
る液体供給ユニットの構成を示す断面図である。
【図2】前記液体供給ユニットを複数配置した液状膜成
膜装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、前記液体供給ユニット内の
液体供給ノズルの吐出口の形状を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、前記液状膜成膜装置を用い
た液状膜の選択成膜の工程を示す装置及び基板の断面図
である。
【図5】(a)、(b)は、パターン識別手段を有する
液体供給ユニットの構成を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、液体吸引部と液体回収部を
有する液体供給ユニットの構成を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、ガス吹き付け部と液体回収
部を有する液体供給ユニットの構成を示す断面図であ
る。
【図8】ガス発生材を用いたガス吹き付け部と液体回収
部を有する液体供給ユニットの構成を示す断面図であ
る。
【図9】前記液体供給ユニットにて基板上に液体を吐出
したときの吐出直後の液体パターンを示す上面図であ
る。
【図10】さらに垂れ防止部を有する前記液体供給ユニ
ットの構成を示す断面図である。
【図11】複数の液体供給ノズルと液体遮断部の第1構
成例を示すレイアウトである。
【図12】複数の液体供給ノズルと液体遮断部の第2構
成例を示すレイアウトである。
【図13】複数の液体供給ノズルと液体遮断部の第3構
成例を示すレイアウトである。
【図14】複数の液体供給ノズルと液体遮断部の第4構
成例を示すレイアウトである。
【図15】複数の液体供給ノズルと液体遮断部の第5構
成例を示すレイアウトである。
【図16】(a)、(b)は、液体遮断部にシャッター
を用いた液体供給ユニットの構成を示す断面図である。
【図17】(a)〜(d)は、本発明の第2実施形態に
係る液状膜の選択成膜の工程を示す装置及び基板の断面
図である。
【図18】(a)、(b)は、液体の遮断機能を持たな
い液体供給ユニットを用いた液状膜の選択成膜の工程を
示す装置及び基板の断面図である。
【図19】成膜領域に対しても液体の供給が行われない
場合の成膜状態を示す基板の上面図である。
【図20】(a)〜(c)は、本発明の第5実施形態の
液状膜成膜装置の構成を示す装置及び基板の断面図であ
る。
【図21】前記液状膜成膜装置で成膜した液状膜の成膜
状態を示す基板の上面図である。
【図22】本発明の第6実施形態に係る塗布装置の構成
を示すダイヤグラムである。
【図23】(a)〜(c)は、前記塗布装置を用いた被
処理基板上への成膜工程を示す基板の断面図である。
【図24】前記処理基板上に対する液体供給ノズルの移
動経路を示す図である。
【図25】液体供給ノズルから液体を吐出させたときの
吐出部の断面図である。
【図26】処理基板上の凹凸パターンに対する液体供給
ノズルの移動速度の例を示す図である。
【図27】(a)は、液体塗布時の処理基板上に対する
液体供給ノズルの移動経路を示す図である。(b)は、
前記処理基板上に塗布された液状膜に不具合が発生した
場合の基板の断面図である。
【図28】(a)は、前記不具合を対策した液体塗布時
の処理基板上に対する液体供給ノズルの移動経路を示す
図である。(b)は、前記処理基板の断面図である。
【図29】(a)、(b)は、被処理基板における外周
部の拡大図である。
【図30】画像取得手段を有する前記塗布装置の構成を
示す断面図である。
【図31】複数の液体供給ノズルを有する塗布装置の構
成を示す断面図である。
【図32】(a)は、処理基板上の凹凸パターンに対す
る液体供給ノズルの吐出量(滴下速度)を示す図であ
る。(b)は、図31に示した塗布装置により塗布され
た基板の断面図である。
【図33】(a)、(b)は、従来の塗布ノズルの構成
を示す図である。
【図34】(a)、(b)は、従来の別の塗布ノズルの
構成を示す図である。
【図35】従来の塗布装置で形成された膜の構造を示す
断面図である。
【図36】(a)、(b)は、図35に示した構造に対
しリフロー処理した場合の膜の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10…液体供給ユニット 11…液体供給ノズル 12a、12b…液体吸引部 13…液体 14…液状膜 14a、14b…液体パターン 15…被処理基板 16…ユニット移動部 17…パターン設計情報 18…被処理基板 19…基板 20…液状膜成膜装置 21…成膜領域 22…非成膜領域 23…構造物 24…凹部 25…SiO2膜 26…反射防止膜 27…レジストパターン 28…終点領域 31…パターン形成領域 35a…SOG溶液 35b…SOG溶液 36…SOG溶液 37…基板外周の両側(始点) 38…基板内部側(終点) 39…外周部 40…膜 42…アライメントマーク 43a、43b…画像取得部 44…画像処理演算部 51a、51b…パターン識別手段 52a〜52g…液体供給ノズル 53、54、55…領域 60…液状膜成膜装置 62a、62b…液体吸引部 63a、63b…液体回収部 64a〜64g…領域 70…液状膜成膜装置 72a、72b…ガス吹き付け部 80…液体供給ユニット 81…ノズル駆動部 82…光発射部 83…光反射部 84…ガス吹き付け部 84a…石英基板 84b…ガス発生材 85a、85b…垂れ防止部 91a、91b…液体遮断部 91…液体遮断部 95…液体供給ノズル 96…液体遮断部 97…ノズル移動部 111〜117…液体供給ノズル 121〜127…液体吸引部 141…シャッター 151…EEP溶剤 160…液状膜成膜装置 411…反射防止材溶液 412…液状膜 413…反射防止膜 1611…レジスト材溶液 1612…レジスト材溶液膜

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜領域と非成膜領域とが設定された被処
    理基板の上方に配置され、前記被処理基板に対して一定
    量の液体を連続的に吐出する液体吐出部と、 前記被処理基板と前記液体吐出部とを相対的に移動させ
    る移動部と、 前記液体吐出部と前記被処理基板との間に配置され、前
    記移動部により前記被処理基板及び前記液体吐出部の少
    なくとも1つが移動されて、前記液体吐出部から吐出さ
    れた液体が前記非成膜領域に供給される状態になったと
    き、前記液体が前記非成膜領域に供給されるのを遮断す
    る液体遮断部と、 を具備することを特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】記液体遮断部が、前記液体吐出部から吐出
    された液体の側面から前記液体を吸引する液体吸引部
    と、この液体吸引部の下方に配置され、吸引された液体
    を回収する液体回収部とを含んで構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】前記液体遮断部が、前記液体吐出部から吐
    出された液体の側面に対してガスを吹き付けるガス吹き
    付け部と、このガス吹き付け部の下方で、かつ吐出され
    た液体を前記ガス吹き付け部と挟むように配置され、ガ
    スが吹き付けられた前記液体を回収する液体回収部とを
    含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の成膜装置。
  4. 【請求項4】前記液体遮断部が、 ガス発生材を反応させるための光を発射する光発射部
    と、 前記光発射部により発射された光を受けて反応しガスを
    発生させるガス発生材を有し、発生した前記ガスを前記
    液体吐出部から吐出された液体の側面に吹き付けるガス
    吹き付け部と、 このガス吹き付け部の下方で、かつ吐出された液体を前
    記ガス吹き付け部と挟むように配置され、ガスが吹き付
    けられた前記液体を回収する液体回収部とを含んで構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装
    置。
  5. 【請求項5】前記液体遮断部が、 前記液体吐出部と前記被処理基板との間に配置され、前
    記液体吐出部から吐出された液体の軌道を変更する遮蔽
    板と、 前記液体吐出部から吐出された液体の軌道上に前記遮蔽
    板を出し入れする遮蔽板駆動部と、 前記遮蔽板により軌道が変更された液体を回収する液体
    回収部とを含んで構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の成膜装置。
  6. 【請求項6】前記液体遮断部には、前記液体吐出部の進
    行方向前方に設置され、前記被処理基板上の画像情報を
    取得する画像取得部が接続されており、前記液体遮断部
    は取得した前記画像情報及び予め設定されたパターン設
    計情報のいずれかに基づいて前記非成膜領域を認識し、
    前記液体の供給を遮断することを特徴とする請求項1に
    記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】成膜領域と非成膜領域とが設定された被処
    理基板に対して一定量の液体を液体吐出ノズルから連続
    的に吐出させる工程と、 前記液体吐出ノズルと前記被処理基板とを相対的に移動
    させ、前記被処理基板上の成膜領域に前記液体吐出ノズ
    ルから吐出された液体を供給する工程と、 前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との間に配置さ
    れ、前記液体吐出ノズルに対して相対的に停止した液体
    遮断部を用いて、前記液体吐出ノズルと前記被処理基板
    との相対的な移動方向に対して平行な方向に、前記液体
    吐出ノズルから吐出された液体の軌道を変化させて前記
    液体を回収し、前記被処理基板の非成膜領域への前記液
    体の供給を遮断する工程と、 を具備することを特徴とする成膜方法。
  8. 【請求項8】前記非成膜領域が、露光工程の位置合わせ
    に用いられるアライメントマークを含む領域、及び前記
    被処理基板の被処理領域のうちの少なくともいずれかの
    領域であることを特徴とする請求項7に記載の成膜方
    法。
  9. 【請求項9】前記液体として、反射防止材,レジスト
    材,低誘電率材料,絶縁材料,及び配線材料のうちのい
    ずれかが溶媒に添加されたものを用いることを特徴とす
    る請求項7に記載の成膜方法。
  10. 【請求項10】被処理基板上で一定量広がるように調整
    された液体を前記被処理基板に対して液体吐出ノズルか
    ら連続的に吐出させる工程と、 前記液体吐出ノズルと前記被処理基板とを相対的に移動
    させ、前記被処理基板上の第1の領域に前記液体を供給
    する工程と、 前記被処理基板上の第1の領域に供給され広がった前記
    液体に対して、前記液体吐出ノズルから供給され前記被
    処理基板上で広がる液体が少なくとも接続するように、
    前記液体吐出ノズルと前記被処理基板とを相対的に移動
    させ、前記被処理基板上の第2の領域に前記液体を供給
    する工程と、 を具備することを特徴とする成膜方法。
  11. 【請求項11】前記被処理基板の表面に凹凸が形成され
    ているとき、前記凹凸の割合に応じて前記被処理基板上
    に供給される前記液体の量を変化させることを特徴とす
    る請求項10に記載の成膜方法。
  12. 【請求項12】前記被処理基板上に供給される前記液体
    の量の変化は、前記液体吐出ノズルからの吐出量を変化
    させることによって行われることを特徴とする請求項1
    1に記載の成膜方法。
  13. 【請求項13】前記被処理基板上に供給される前記液体
    の量の変化は、前記液体吐出ノズルからの吐出量を一定
    にし、かつ前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との相
    対的な移動速度を変化させることによって行われること
    を特徴とする請求項11に記載の成膜方法。
  14. 【請求項14】前記被処理基板上に供給される前記液体
    の量の変化は、前記液体吐出ノズルと前記被処理基板と
    の間に液体遮断機能を有する液体遮断部を配置し、この
    液体遮断部により前記液体の遮断量を調整することによ
    って行われることを特徴とする請求項11に記載の成膜
    方法。
  15. 【請求項15】前記吐出量の変化は、前記液体吐出ノズ
    ルの上流側に設置された液体輸送ポンプからの輸送量を
    変化させることによって行うことを特徴とする請求項1
    2に記載の成膜方法。
  16. 【請求項16】前記被処理基板上の前記第1の領域に前
    記液体を供給する工程は、前記被処理基板の内部から外
    周の一端側に向かって供給を行う工程であって、前記液
    体吐出ノズルがこの供給方向に対して直交する方向に往
    復移動を行いながら、前記供給方向に進む工程であり、
    前記第2の領域に前記液体を供給する工程は、前記被処
    理基板の内部から外周の前記一端側と異なる他端側に向
    かって、前記第1の領域と重ならないように供給を行う
    工程であって、前記液体吐出ノズルが前記供給方向に対
    して直交する方向に往復移動を行いながら、前記供給方
    向に進む工程であることを特徴とする請求項10に記載
    の成膜方法。
  17. 【請求項17】前記液体の広がり量の調整は、前記液体
    中に含まれる固形分量、前記液体の粘度、前記液体の吐
    出速度、及び前記液体吐出ノズルと前記被処理基板との
    相対的な移動速度のうちの少なくとも1つを調整するこ
    とによって行うことを特徴とする請求項10に記載の成
    膜方法。
  18. 【請求項18】前記凹凸の割合は、前記被処理基板のパ
    ターン設計情報から決定されることを特徴とする請求項
    11に記載の成膜方法。
  19. 【請求項19】前記凹凸の割合は、前記液体吐出ノズル
    の進行方向前方に設置された画像取得部によって取得さ
    れた前記被処理基板の表面画像から決定されることを特
    徴とする請求項11に記載の成膜方法。
  20. 【請求項20】前記液体として、低誘電体材料,絶縁材
    料,反射防止材,レジスト材,及び配線材料のうちのい
    ずれかが溶媒に添加されたものを用いることを特徴とす
    る請求項10に記載の成膜方法。
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