JP2000078953A - 機能性発酵調味料 - Google Patents

機能性発酵調味料

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JP2000078953A JP10251610A JP25161098A JP2000078953A JP 2000078953 A JP2000078953 A JP 2000078953A JP 10251610 A JP10251610 A JP 10251610A JP 25161098 A JP25161098 A JP 25161098A JP 2000078953 A JP2000078953 A JP 2000078953A
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food
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functional fermented
enzyme
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Takao Yamada
隆男 山田
Yoshio Iijima
義男 飯島
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Sakuma Seika KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性発酵調味料の提供。 【解決手段】 酵素処理された蕎麦粉を含む機能性発酵
調味料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蕎麦粉から製造し
た機能性発酵調味料、該機能性発酵調味料を含む食品に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品加工における酸化防止剤とし
て、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒ
ドロキシトルエン)、エリソルビン酸ナトリウム、クエ
ン酸イソプロピル、dl-α-トコフェロール、没食子酸プ
ロピルなどの化学合成品が広く用いられてきた。しか
し、近年、化学合成品からなる食品添加物の安全性に対
する消費者意識の高まりにより、BHAやBHTなどの化学物
質よりも天然物から採取される酸化防止剤が好まれる傾
向にある。
【0003】現在、食品加工に用いられている天然物由
来の酸化防止剤としては、例えば、植物油中に含まれる
トコフェロール類、各種植物組織中に含まれるフラボン
誘導体(フラボン、ケルセチンなど)、茶葉、コーヒー
豆、カカオ豆などに含まれる没食子酸誘導体(コーヒー
酸、フェルラ酸など)、米糠に含まれるγ-オリザノー
ル、ゴマ油に含まれるセザモール、各種香辛料類の抽出
物などが挙げられる。しかし、これらの酸化防止剤のう
ち大半は、味の劣化・悪臭・変色を生じるなど、官能に
関する問題があり、また、対象食品に対する分散性や溶
解性が低いことなど物性・性状的な面から応用範囲が限
られていること、あるいは酸化防止活性が低いことなど
から、汎用されていないのが現状である。
【0004】特に、酸化防止剤などの食品添加物は、食
品の品質を保持するために用いる点で主に生産者側の利
便性が重要視されていた。しかし、1980年代に入って、
高齢化社会の到来が現実の社会問題として強く意識され
るようになると、日常の食生活を通じて、成人病や老年
病を予防したいという願望が世の中に色濃く現れ始め、
病気の予防に寄与する食品成分を特定し、その成分を積
極的に食品に添加することにより、健康の維持増進に役
立たせようとするいわゆる消費者側の効用を中心に考え
る機能性食品の概念が生まれ、既に70品目以上の機能性
食品が商品化されている。今後、実用化が期待される機
能性食品として、前記酸化防止剤などの抗酸化物質を含
む食品や低アレルゲン食品が挙げられる。
【0005】抗酸化物質は、適正な条件で作動すること
により、発癌、ウイルス感染、免疫不全、糖尿病などの
病態及び老化に深く関与している活性酸素の産生を抑制
したり、産生された活性酸素を消去する作用を有してい
る。従って、抗酸化物質を日常的に、適切な量を摂取す
ることにより、上記の障害の予防の一助とすることがで
きる。
【0006】この他にも、実用化が期待される機能性食
品として低アレルゲン食品がある。食品アレルギーは、
特に先進国で増加の一途を辿り、社会問題にさえなりつ
つある。その対応策の確立は緊急を有し、とりわけ適正
な食品の摂取によってアレルギーを予防することへの関
心は一段と高まっている。低アレルゲン食品として、現
在までに、低アレルゲンミルク、低アレルゲン米などが
商品化され、その他蕎麦アレルギーや小麦アレルギーが
知られているが、これらについては研究段階であり、ア
レルゲン性を低下させた蕎麦や小麦関連商品については
殆ど報告されていない。
【0007】一般に、蕎麦には、ルチンと呼ばれるフラ
ボノール配糖体が含まれていることが知られている。ル
チンは、抗酸化作用を有するとともに、脆弱化した血管
を正常に戻し、出血を防止する作用を有し、動脈硬化防
止などに効果があるとされ、ビタミンPの1つとして、
生理作用が注目されている。ところで、発酵調味料は、
大豆を主体に米・麦などを配合して醸造する醤油、味噌
などの日本の伝統的な発酵調味料を意味することが多
い。しかし、これら伝統的発酵調味料には、独特の風味
がある。従って、近年の生活水準の向上、消費者の嗜好
の洋風化、グルメ化、健康指向にともない、今までにな
い新しい風味及び機能性をもつ発酵調味料が望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗酸化作用
を有する発酵調味料、及び該発酵調味料を含む食品、を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、酵素処理された
蕎麦粉が発酵調味料として優れていることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、酵素
(例えばアミラーゼ及び/又はプロテアーゼ)処理された
蕎麦粉を含む機能性発酵調味料である。ここで、機能性
としては、抗酸化性、低アレルゲン性、食品変色防止
性、及びビフィズス菌増殖活性などが挙げられ、本発明
の調味料は、これらの機能性のうち少なくとも1つを備
えたものである。
【0010】さらに、本発明は、上記の機能性発酵調味
料を含有する食品である。ここで、食品としては、粉
乳;加工乳;発酵乳;ヨーグルト;アイスクリーム;チ
ョコレート;パン生地;ビスケット、クッキーなどの焼
き菓子用生地;ウスターソース、チリソース、フレンチ
ドレッシング、マヨネーズなどのソース類;麺類、味噌
汁、煮物用の旨み調味料;焼き肉のたれ、茶碗蒸の素、
浅漬けの素などの料理調味料;ビール、ウイスキー、ブ
ランデー、ワインなどの酒類;かまぼこ、ちくわなどの
魚肉製品;ソーセージ、ハムなどの畜肉製品;ジャム、
マーマレード、果汁ソース、果実のシロップ漬け、氷蜜
などのシロップ類;フラワーペースト、フルーツペース
トなどのシロップなどが挙げられる。しかし、本発明に
おいては、これらに限定されるものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の発酵調味料は、従来の発
酵調味料とは異なり、酵素処理された蕎麦粉を含む発酵
調味料である。本発酵調味料は、アミノ酸の旨みの他
に、抗酸化性、低アレルゲン性などの機能性を有し、以
下のようにして製造することができる。以下、本発明の
発酵調味料を機能性発酵調味料という。
【0012】1.本発明の機能性発酵調味料 (1) 機能性発酵調味料の製造 機能性発酵調味料の原料として、蕎麦粉の全層粉を用い
ることができる。まず、蕎麦粉に、2〜3倍量の水を加
えて混合・膨潤させて澱粉乳とした後、異物を除去する
ために濾過する。次いで、得られた濾液を液化する。こ
こで、液化とは、澱粉を構成するアミロペクチンの鎖
が、任意の点で切断され、澱粉を溶解した液の粘度が急
速に低下することをいい、液化に使用する酵素を液化酵
素という。液化は、前記の濾液を、酵素の働きやすいpH
(例えばpH5.0〜pH8.0)に調整後、液化酵素を添加し、適
切な温度(例えば80〜90℃)及び時間(例えば0.5〜1.0時
間)反応させることにより行う。液化酵素としては、α-
アミラーゼ(例えばネオスピターゼPG-2(ナガセ生化学工
業社製))などが挙げられる。液化は、酵素以外にもシュ
ウ酸などの酸を用いても行うことができる。
【0013】次いで、液化された溶液を糖化する。ここ
で糖化とは、澱粉を構成するアミロペクチンの鎖を非還
元末端から、マルトース又はグルコースを生成しながら
次々と切断し、溶液中の還元糖量が急速に増加すること
をいい、糖化に使用する酵素を糖化酵素という。糖化
は、前記の液化された溶液を、酵素の働きやすいpH(例
えばpH5.0〜pH8.0)に調整後、糖化酵素を添加し、適切
な温度(例えば60〜70℃)及び時間(例えば3〜5時間)反
応させることにより行う。ここで糖化酵素としては、β
-アミラーゼ(例えばマルトチーム206(ナガセ生化学工業
社製))、α-グルコシダーゼ(例えばグルコチーム(ナガ
セ生化学工業社製))、β-グルコシダーゼ、トランスグ
ルコシダーゼ(例えばトランスグルコシダーゼL(アマ
ノ)(天野製薬社製))などが挙げられる。
【0014】さらに、得られた糖化液に蛋白質分解酵素
を添加し、適切な温度(例えば50〜60℃)と反応時間(例
えば6〜10時間)で蛋白質分解処理を行う。ここで蛋白
質分解酵素としては、エンド型プロテアーゼ又はエキソ
型プロテーゼが挙げられ、具体的にはデナプシン2P(ナ
ガセ生化学工業社製)などを用いることができる。この
蛋白質分解処理により、液中に含まれる蛋白質が、ポリ
ペプチド、ペプチド、さらにはアミノ酸にまで分解さ
れ、蛋白質分解処理工程後の濾過処理が容易になるとと
もに、生じたアミノ酸により旨味効果が増大する。
【0015】(2) 本発明の機能性発酵調味料の成分分析 上記(1)において製造した本発明の機能性発酵調味料の
糖、アミノ酸、ルチンなどの含量は、高速液体クロマト
グラフィーや薄層クロマトグラフィーなど各種クロマト
グラフィーを用いて測定することができる。
【0016】(3) 本発明の機能性発酵調味料の抗酸化作
用、アレルゲン性、変色防止性及びビフィズス菌増殖活
性の分析 上記(1)において製造した本発明の機能性発酵調味料の
抗酸化作用は、機能性発酵調味料を添加した食品(例え
ば全脂粉乳)と添加しない食品とを適当な条件下で放置
し、経時的に前記食品の酸価を測定することにより調べ
ることができる。ここで酸価は、試料1gを中和するた
めに必要な水酸化カリウムのmg数をいう。酸化の測定
は、所定量の試料をフラスコに入れ、エタノール又はエ
タノールとエーテルとの混液を加え、加温した後、フェ
ノールフタレイン試液などの指示薬を添加し、さらに水
酸化カリウム液で滴定することにより行うことができ
る。
【0017】また、本発明の機能性発酵調味料のアレル
ゲン性は、天然調味料をモルモットなどの動物を用いる
抗原性試験やアレルゲンに対する抗体を用いる酵素免疫
測定法などにより調べることができる。さらに、本発明
の機能性発酵調味料の食品変色防止性は、本調味料を食
品(例えば全脂粉乳)に添加したものと添加していないも
のを調製し、色調の変化を経時的に肉眼で比較すること
により調べることができる。
【0018】さらに、本発明の機能性発酵調味料のビフ
ィズス菌の増殖を促進する活性(ビフィズス菌増殖活性
ともいう)は、本発明の発酵調味料を食品(例えばヨーグ
ルト)に、本発明の発酵調味料を添加後、経時的にサン
プリングし、一定量を滅菌済生理食塩水(例えば0.9%食
塩水)に懸濁後、GAM寒天培地やMOB寒天培地に播種し、
嫌気条件下で培養し、培地中に生えてきたコロニー数を
計測することにより調べることができる。
【0019】2.機能性発酵調味料の食品への添加 (1) 呈味調味料としての利用 本発明の機能性発酵調味料は、良好な味質を備えている
ため、呈味調味料として様々な食品に添加することがで
きる。添加量は1.0〜5.0%、好ましくは1.0〜2.0%、最
も好ましくは0.2〜0.5%である。例えば、粉乳;加工
乳;発酵乳;ヨーグルト;チョコレート;パン生地;ビ
スケット、クッキーなどの焼き菓子用生地;ウスターソ
ース、チリソース、フレンチドレッシング、マトネーズ
などのソース類;麺類、味噌汁、煮物用の旨み調味料;
焼き肉のたれ、茶碗蒸の素、浅漬けの素などの料理調味
料;ビール、ウイスキー、ブランデー、ワインなどの酒
類;かまぼこ、ちくわなどの魚肉製品;ソーセージ、ハ
ムなどの畜肉製品;ジャム、マーマレード、果汁ソー
ス、果実のシロップ漬け、氷蜜などのシロップ類;フラ
ワーペースト、フルーツペーストなどのシロップのよう
な各種食品に呈味成分として添加することができる。
【0020】(2) 抗酸化剤としての利用 本発明の機能性発酵調味料は抗酸化作用を有するため、
酸化による品質の劣化を生じる上記(1)の食品を含む様
々な食品に抗酸化剤として添加することができる。添加
量は1.0〜5.0%、好ましくは1.0〜2.0%、最も好ましく
は0.5〜1.0%である。
【0021】(3) 特定保健用食品用素材としての利用 本発明の機能性発酵調味料は、原料せある蕎麦粉にルチ
ンが含有されているため、動脈硬化防止、出血性諸病に
予防効果のある特定保健用食品素材として用いることが
できる。さらに、本発明の機能性発酵調味料は、蛋白質
分解処理を施し、アレルゲン性を低減してあるため、食
品アレルギーを有する消費者も使用可能である。さら
に、本発明の機能性発酵調味料は、糖質分解酵素の作用
によりデンプンをビフィズス菌の資化しやすいオリゴ糖
に分解しているため、腸内のビフィズス菌の増殖を促進
する整腸剤としても用いることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例を示して具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕機能性発酵調味料の製造 (1)Aタイプ発酵調味料 蕎麦粉10kgに水30kgを加えて、混合分散・膨潤させて30
分間放置した。これに液化型α-アミラーゼ(ネオスピタ
ーゼPG-2、ナガセ生化学工業社製)30gを加え、pHを6.5
に調整し、85℃で20分間反応させて液化を行った。次い
で、上記液化物を55℃に冷却し、α-グルコシダーゼ(グ
ルコチーム、ナガセ生化学工業社製)20gを加え、5時間
反応させて糖化を行った。糖化終了後、液温を55℃に維
持しつつ、蛋白質分解酵素(デナプシン2P、ナガセ生化
学工業社製)30gを加え、10時間反応させて蛋白質分解処
理を行った。そして、各酵素を失活させるため、液温を
95℃に上昇させた。液温が90〜95℃にある状態で珪藻土
500gを加え、液温が70℃以上であるうちにフィルタープ
レスを用いて濾過を行い、濾液を真空濃縮(真空度300mm
Hg)した。得られた濃縮液をオートクレーブにかけて、
加熱加圧下(105℃、2kg/cm2)で20分間処理し、蕎麦エ
キスを得た(Aタイプ)。
【0023】(2) Bタイプ発酵調味料 上記(1)における糖化工程に、β-アミラーゼ (マルトチ
ーム206、ナガセ生化学工業社製)をpH 6.5で用いて(1)
と同様の手順により、発酵調味料を得た(Bタイプ)。 (3) Cタイプ発酵調味料 上記(1)における蛋白質分解処理工程を液化工程の後と
し、かつ糖化工程に、α-グルコシダーゼ(グルコチー
ム、ナガセ生化学工業社製)をpH 6.5で用いて(1)と同様
の手順により、発酵調味料を得た(Cタイプ)。 (4) 機能性発酵調味料の糖、アミノ酸、ルチン含量の分
析 上記(1)〜(3)において得られた機能性発酵調味料中の糖
及びアミノ酸の分析(アミノ酸自動分析装置、日本電子
社製)を行った。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1からも明らかなように、糖化酵素とし
てβ-アミラーゼを用いた場合は、マルトース含量が多
く、α-グルコシダーゼを用いた場合はグルコース含量
が多かった。また、ビフィズス菌の増殖因子として利用
可能な三糖のパノースがBタイプ及びCタイプの発酵調
味料から検出された。さらに、発酵調味料中の遊離アミ
ノ酸の組成を調べたところ、表2のように、各発酵調味
料ともグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、ロ
イシン、フェニルアラニンが多く含まれ、さらに還元糖
とアミノ酸との結合体も含まれていた。
【0026】
【表2】
【0027】さらに、Bタイプの発酵調味料のルチン含
量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。す
なわち、市販のルチンを用いて0.04〜0.4mg/mlの濃度の
標準溶液を調製後、逆相カラム(YMC Pack ODS-A A-312
カラム)、UV検出機(870-UV、日本分光社製)を装着した
高速液体クロマトグラフィー装置(655A-12、日立製作所
社製)を用い、移動相2.5%酢酸-メタノール-アセトニト
リル(35:5:10、v/v/v)、流速1ml/分、測定波長350n
mの測定条件下で、ルチンの検量線を作成した。次い
で、機能性発酵調味料5gを精密に量りとり、約8mlの
蒸留水に溶解後、メスフラスコを用いて蒸留水で10mlに
メスアップすることにより、試料溶液を調製した。これ
を前記と同じ条件下で高速液体クロマトグラフィー装置
に供し、ルチンの含量を測定した。試料溶液を用いて得
られた検出ピークと検量線とを比較したところ、機能性
発酵調味料100g中に、0.9mgのルチンが含まれているこ
とがわかった。
【0028】(5) 機能性発酵調味料のアレルゲン性分析 上記(1)において得られたBタイプ機能性発酵調味料の
アレルゲン性をモルモットを用いた抗原性試験及び酵素
免疫測定法により調べた。その結果、機能性発酵調味料
中のアレルゲン性物質は蕎麦粉100に対して1の割合に
なっていることがわかった。
【0029】〔実施例2〕機能性発酵調味料入り粉乳の
製造 (1) 機能性発酵調味料入り全脂粉乳の製造 実施例1において得られたBタイプの発酵調味料を用い
て、機能性発酵調味料入り全脂粉乳の製造した。まず、
牛乳100kg(ブリックス10度)を、バキュームクッカー(ミ
ハマ製作所製)を用い、B.T.(沸点)140℃、V.C.(バキュ
ームクッカー)400mmHgの条件下で、ブリックス度31〜33
度になるまで濃縮し、40kgの全脂乳を得た。次に、全脂
乳10kgにBタイプの発酵調味料30gを添加したもの、全
脂乳10kgにBタイプの発酵調味料60gを添加したもの、
又は全脂乳10kgのみ(コントロール)を、スプレードライ
ヤー(大川原化工機製、L8型)を用い、熱風入口温度160
℃、出口温度80℃、アトマイザー回転数30,179rpmで2k
g/30分の処理速度により乾燥させ、機能性発酵調味料入
り全脂粉乳を製造した。
【0030】(2) 機能性発酵調味料入り脱脂粉乳の製造 市販の脱脂粉乳を用いて機能性発酵調味料入り脱脂粉乳
の製造した。まず、市販の脱脂粉乳12kgを水28kgに溶解
し、40kgの脱脂乳を得た。次に、脱脂乳10kgにBタイプ
の発酵調味料30gを添加したもの、脱脂乳10kgにBタイ
プの発酵調味料60gを添加したもの、又は脱脂乳10kgの
み(コントロール)を、スプレードライヤーを用い、上記
(1)と同様の条件下で機能性発酵調味料入り脱脂粉乳を
製造した。
【0031】(3) 機能性発酵調味料入り粉乳の色調及び
酸価の経時的変化 上記(1)において得られた機能性発酵調味料入り全脂粉
乳又は上記(2)において得られた機能性発酵調味料入り
脱脂粉乳50gをシャーレに入れ、湿度80%、温度30℃で
に保存し、経時的な色調及び酸価の変化を調べた。酸価
は以下の通り決定した。すなわち、まず試料50gを精密
に量り、1000ml容のビーカーに入れ温湯500mlを入れ、
良く溶解させた。次に、溶解物を2000ml容の分液ロート
に移し、そこに99.5%エタノール400mlを加え緩やかに
攪拌した。ジエチルエーテル400mlを加え、3分間シェ
ーカーで振盪後、さらに石油エーテル400mlを加え、3
分間シェーカーで振盪した。分液ロートを静置し、上層
を下層が完全に分離したことを確認後、下層を廃棄し
た。分液ロートに残った上層に蒸留水400mlを加え、約
1分間シェーカーで振盪した。分液ロートを静置し、上
層と下層が完全に分離したことを確認後、下層を廃棄し
た。分液ロート中の上層を、適量の無水酢酸ナトリウム
を入れた1000ml容の三角フラスコに移しゆるやかに攪拌
して脱水した。次いで得られた溶液をナス型フラスコに
移し、ロ−タリーエバポレーターを用いて有機溶媒を除
去した。得られた試料を秤量後、秤量した試料の一部を
300ml容三角フラスコにとり、溶剤(95%エタノール:ジ
エチルエーテルー=1:2(v/v))100mlを加え溶解し、フェ
ノールフタレイン試液1mlを添加後、スターラー上で試
料溶液を攪拌しながら、0.1Nエタノール性水酸化カリウ
ム液で滴定を行った。滴定しより得られた水酸化カリウ
ム液の消費量を以下の式に代入した。滴定の終点は、液
の淡紅色が30秒間持続する点とした。酸価の結果を表3
に、色調の結果を表4に示す。表3及び4からも明らか
なように、機能性発酵調味料を入れた全脂粉乳及び機能
性発酵調味料を入れた脱脂粉乳は、20日間経過した後で
あっても、酸化の進行は認められず、色調の変化も認め
られなかった。 酸価=[滴定値(ml)×滴定溶液のファクター×5.611]÷
測定試料の量(g)
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明により、抗酸化性などの機能性を
有する発酵調味料、該発酵調味料を含む食品が提供され
る。本発明は、粉乳などの食品の品質保持や機能性食品
における機能性素材として有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素処理された蕎麦粉を含む機能性発酵
    調味料。
  2. 【請求項2】 機能性が、抗酸化性、低アレルゲン性、
    食品変色防止性、及びビフィズス菌増殖活性からなる群
    から選択される少なくとも1つである請求項1記載の機
    能性発酵調味料。
  3. 【請求項3】 酵素がアミラーゼ及び/又はプロテアー
    ゼである請求項1又は2記載の機能性発酵調味料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の機
    能性発酵調味料を含有する食品。
  5. 【請求項5】 食品が、乳製品、チョコレート、焼き菓
    子用生地、ソース類、麺類、料理調味料、酒類、魚肉製
    品、畜肉製品及びシロップ類からなる群から選択される
    少なくとも1つである請求項4記載の食品。
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