JP2000078032A - 中波空中線インピーダンス整合支援システム - Google Patents

中波空中線インピーダンス整合支援システム

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JP2000078032A
JP2000078032A JP10247465A JP24746598A JP2000078032A JP 2000078032 A JP2000078032 A JP 2000078032A JP 10247465 A JP10247465 A JP 10247465A JP 24746598 A JP24746598 A JP 24746598A JP 2000078032 A JP2000078032 A JP 2000078032A
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impedance
circuit
measurement
medium
wave antenna
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JP10247465A
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Inventor
Kazuo Nagata
和男 永田
Masatoshi Shimizu
政利 清水
Takehiko Yamaguchi
竹彦 山口
Kohei Ikegami
耕平 池上
Hideki Shinkai
英樹 新海
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整合調整作業時の能率を大幅に向上させると
ともに、整合ネットワーク回路の調整作業を熟知してい
ない者にも、短い時間で、確実に、整合ネットワーク回
路内に設けられた各測定点のインピーダンスを所要の値
に調整させ、中波放送機と、中波空中線とを整合させ
る。 【解決手段】 測定装置3の各インピーダンス測定端子
(プローブ)5を整合ネットワーク回路2に設けられた
各測定点に接続し、操作表示装置4が操作されたとき、
この操作内容に基づき、測定装置3を遠隔制御して、整
合ネットワーク回路2の各測定点のインピーダンスを測
定させるとともに、操作表示装置4によって測定結果を
取り込んで、最適な整合調整手順、調整箇所、調整量な
どを表示し、整合ネットワーク回路2の整合調整を行わ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中波空中線と中波
放送機との間に設けられる整合ネットワーク回路の設計
支援、インピーダンス整合支援などを行う中波空中線イ
ンピーダンス整合支援システムに関する。
【0002】[発明の概要]本発明は、中波空中線と中
波放送機との間に設けられる整合ネットワーク回路の設
計支援、インピーダンス整合支援などを行う中波空中線
インピーダンス整合支援システムに関するものであり、
整合ネットワーク回路内に設けられた各測定点のインピ
ーダンス測定を行う測定装置と、この測定装置を制御し
て、測定結果を表示する操作表示装置とを分離して、機
動性を高めるとともに、整合ネットワーク回路の整合調
整を行う際、各測定点のインピーダンス測定結果に基づ
き、自動的に具体的な調整法を表示し、また整合ネット
ワーク回路の設計を行う際、ノウハウを含めた支援を行
って各回路素子の定数などを決定させ、これによって整
合ネットワーク回路に関する調整時、設計時の手間や時
間などを大幅に削減させるものである。
【0003】
【従来の技術】従来、中波空中線と、中波放送機との間
に設けられた整合ネットワーク回路のインピーダンスを
調整して、中波空中線の入力インピーダンスと、中波放
送機の出力インピーダンスとを整合させるときには、調
整者によって、整合ネットワーク回路内にある各測定点
のインピーダンスを測定し、各測定結果を基にして、一
般的に知られている調整方法、例えば「中波アンテナ整
合回路の設計および調整法」(1978年11月、放送
技術、杉田氏)などを使用して、手書きなどにより、イ
ンピーダンス直交図表上に各インピーダンスに対応する
点を作図し、これらの点が所要の値になるように、整合
ネットワーク回路を構成する各回路素子の最適値を求
め、この最適値に基づき、整合ネットワーク回路を実際
に調整した後、整合ネットワーク回路内にある各測定点
のインピーダンスを測定するという作業を繰り返して、
整合ネットワーク回路を構成する各回路素子の定数を最
適な状態にしている。
【0004】この場合、図16に示すように構成された
整合ネットワーク回路201、すなわち2つの整合コイ
ル202、203と、1つのコンデンサ204とによっ
て構成される一般的なT型の整合ネットワーク回路20
1を整合させる場合、測定点205から中波空中線20
6を見たときのインピーダンスが“Ra−jXa”である
ことから、図17に示すインピーダンス直交図表207
上の点208によって、インピーダンス“Ra−jXa
を表わすことができる。同様に、次の測定点209から
中波空中線206を見たときには、直列に接続された整
合コイル203のリアクタンス“XLm1”によって、
インピーダンス直交図表207上の点208から“+j
X”方向に、長さ“XLm1”だけ離れた点210にイ
ンピーダンスが移動する。
【0005】さらに、次の測定点211から中波空中線
206を見たときには、並列に接続されたコンデンサ2
04のリアクタンス“−XCm”によって、インピーダ
ンス直交図表207上の点210から時計方向に回転し
た点、すなわち点210の共役複素数となる点212
と、コンデンサ204のリアクタンス“−XCm”を示
す点213とを結ぶ直線214と、これらの点210、
212と原点215を通る円216とが交わる点217
までインピーダンスが移動する。同様に次の測定点21
8から中波空中線206を見たときには、直列に接続さ
れた整合コイル202のインピーダンス“XLm2”に
よって、インピーダンス直交図表207上の点217か
ら“+jX”方向に、“XLm2”だけ離れた点219
にインピーダンスが移動することから、各整合コイル2
03、202のリアクタンス“XLm1”、“XLm2
を調整して、測定点218から中波空中線206を見た
ときのインピーダンス、すなわち最終的に得られた点2
19のインピーダンスが中波放送機220の出力インピ
ーダンス“50Ω”と同じ値になったとき、中波放送機
220と、中波空中線206とを整合させたことにな
る。
【0006】次に、これら図16、図17を参照しなが
ら、実際の調整作業手順について説明する。
【0007】まず、図16に示す整合ネットワーク回路
201内にある各測定点のインピーダンスを測定するの
に必要な器材、例えばシェーリングブリッジ方式を用い
てインピーダンスを測定する中波帯インピーダンス定数
測定器、あるいは電圧と電流の振幅および電圧と電流の
位相差などを測定して、インピーダンスを測定するイン
ピーダンス測定器などを整合ネットワーク回路201が
設けられている場所まで運んだ後、これら中波帯インピ
ーダンス定数測定器などを使用して、測定点205から
中波空中線206を見たときのインピーダンスを測定
し、図17に示すインピーダンス直交図表207上に測
定されたインピーダンス“Ra−jXa”に対応する点2
08をプロットする。
【0008】次に、インピーダンス直交図表207上
に、点208を通り虚軸(X軸)に平行な直線221
と、中波放送機220の出力インピーダンスに対応する
点219を通り虚軸に平行な直線222とを作図した
後、点208から整合コイル203が持つリアクタンス
“XLm1”の可変中心値に対応する点210と、この
点210の共役複素数を示す点212を便宜的にプロッ
トする。この後、インピーダンス直交図表207上に記
入されている各円のうち、コンデンサ204のリアクタ
ンス“−XCm”を示す点213と点212とを結んだ
直線214と直線222とが交差する点217とを含む
円(または、最も近い円)216を選択し、この円21
6と直線221との交点を測定点209から中波空中線
206を見たときのインピーダンスを示す点210と
し、この点210の値とほぼ一致するように、次式で示
される整合コイル203の値Lを粗調整する。
【0009】 L=XLm1/2πf …(1) 次いで、中波帯インピーダンス定数測定器などを使用し
て、次の測定点209から中波空中線206を見たとき
のインピーダンスを測定し、このインピーダンスが所要
の値(インピーダンス直交図表207上の点210で示
される値)になるように、整合コイル203のインピー
ダンス“XLm1”を微調整して、整合コイル203の
リアクタンス“XLm1”を仮決定した後、中波帯イン
ピーダンス定数測定器などを使用して、次の測定点21
1から中波空中線206を見たときのインピーダンスを
測定しながら、整合コイル203をさらに微調整して、
測定点218から中波空中線206を見たときのインピ
ーダンスが直線222上にあるようにした後(インピー
ダンスの実数部が“Ro”となるようにした後)、整合
コイル203のリアクタンス“XLm1”を本固定す
る。
【0010】この後、測定点211から中波空中線20
6を見たときのインピーダンスに基づき、容量性の虚数
部を打ち消すのに必要な誘導性のリアクタンスを求める
とともに、(1)式を用いて、調整すべき整合コイル2
02の値を算出し、この値を仮り値にして、整合コイル
202のインピーダンス“XLm2”が仮り値と一致す
るように、整合コイル202を粗調整する。
【0011】最後に、中波帯インピーダンス定数測定器
などを使用して、次の測定点218から中波空中線20
6を見たときのインピーダンスを測定し、このインピー
ダンスが所要の値(Ro=50±j0[Ω])となるよ
うに、整合コイル202のリアクタンス“XLm2”を
微調整し、インピーダンスの値が所要の値になった時点
で、中波空中線206と、中波放送機220との整合調
整作業を完了する。
【0012】一方、整合ネットワーク回路201の回路
設計を行うとき、一般的に使用されている設計方法で
は、時間と手間とがかかり過ぎることから、コンピュー
タ装置を使用して、整合ネットワーク回路を設計する方
法、例えば「中波整合回路シミュレータソフト」(第5
1回NHK全国「明日の放送と技術」フォーラムで発
表、旭川局、平川氏)などの設計方法を使用して、整合
ネットワーク回路を構成する各回路素子の種類と、各回
路素子の接続方法とを決定し、演算によって、整合ネッ
トワーク回路201内にある任意の点におけるインピー
ダンスを求め、各回路素子の定数を決定する方法などが
使用される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
整合ネットワーク回路の調整手順、設計方法では、次に
述べるような問題があった。
【0014】まず、このような整合ネットワーク回路2
01の調整を行うときに使用される中波帯インピーダン
ス定数測定器は、大型で重く、測定に時間がかかり、扱
い難いという問題があり、またインピーダンス測定器
も、大型で重く、機動性に欠けるという問題があること
から、整合ネットワーク回路201の整合調整を行うと
き、肉体的な負担が大きいという問題があった。
【0015】また、このような整合ネットワーク回路2
01の調整を行うときに、インピーダンス測定結果がイ
ンピーダンス直交図表207上のどこにあり、各整合コ
イル202、203を調整したときに、インピーダンス
がどのように動くのかをリアルタイムで確認することが
できない。さらに整合ネットワーク回路201を構成す
る各回路素子のうち、どの回路素子を調整するのかを決
定する作業と、調整結果の判断とを調整者が行わなけれ
ばならないことから、整合ネットワーク回路201を調
整するときに、整合ネットワーク回路201の調整アル
ゴリズムを理解した上で、中波空中線206のインピー
ダンス測定を行って得られた測定結果に基づき、手計算
と、作図とを行わなければならず、手間と時間とがかか
り過ぎるという問題があった。
【0016】また、整合ネットワーク回路201を構成
する各回路素子の整合調整を実行する人が居る場所と、
整合ネットワーク回路201内に設けられた各測定点の
インピーダンスを測定する場所とが離れていた状態で、
整合ネットワーク回路201の調整を行わなければなら
ないときには、測定者と調整者とが携帯型電話機や無線
機などを使用して調整結果を確認しながら、調整を実施
しなければならず、連絡ミスなどによる調整ミスが発生
し易いという問題があった。
【0017】また、このような整合ネットワーク回路2
01を設計する場合、従来の設計方法では、コンピュー
タ処理によって、各回路素子の種類と各回路素子の接続
方法とを決定した後、整合ネットワーク回路201内に
ある任意の点におけるインピーダンス値を求めて各回路
素子の定数を決定することができるものの、実際には、
中波放送機220の出力電力、各回路素子の損失などの
条件を考慮しなければならない。このため、整合ネット
ワーク回路201の回路設計に関わるノウハウを十分に
取得した人のみしか、整合ネットワーク回路201を設
計することができないという問題があった。
【0018】本発明は上記の事情に鑑み、請求項1で
は、整合ネットワーク回路の調整作業を熟知していない
者にも、短い時間で、確実に、整合ネットワーク回路を
構成する各回路素子の最適値を決定させ、この決定結果
に基づき、整合ネットワーク回路内に設けられた各測定
点のインピーダンスを所要の値に調整させて、中波放送
機と、中波空中線とを整合させることができる中波空中
線インピーダンス整合支援システムを提供することを目
的としている。
【0019】請求項2では、簡単なアルゴリズムで、整
合ネットワーク回路の各測定点から中波空中線側を見た
実際のインピーダンスと、理論上のインピーダンスとの
関係を判定させることができ、これによってパソコン装
置などによって、整合良否を判定し得るようにして、整
合ネットワーク回路の調整コスト、調整に要する時間な
どを大幅に低減させることができる中波空中線インピー
ダンス整合支援システムを提供することを目的としてい
る。
【0020】請求項3、4では、整合ネットワーク回路
に設けられた各測定点のインピーダンスを測定する測定
装置と、この測定装置を制御し、測定結果を表示する操
作表示装置とを分離して、測定装置の持ち運びを容易に
させることができ、これによって機動性を高めて、整合
調整作業時の能率を大幅に向上させることができる中波
空中線インピーダンス整合支援システムを提供すること
を目的としている。
【0021】請求項5では、整合ネットワーク回路の調
整を行う前のインピーダンス状態と、調整途中のインピ
ーダンスとを並列的に表示して、調整作業の内容を分か
り易くし、これによって整合調整作業を容易にして、整
合調整作業に要する時間を大幅に短縮させることができ
る中波空中線インピーダンス整合支援システムを提供す
ることを目的としている。
【0022】請求項6では、整合ネットワーク回路を設
計する際、対話形式でノウハウを加味した回路設計を行
わせることができ、これによって整合ネットワーク回路
の設計に慣れていない人にも、実際に使用可能な整合ネ
ットワーク回路を短い時間で、容易に設計させることが
できる中波空中線インピーダンス整合支援システムを提
供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、請求項1では、中波空中線と中波放送機
との間に配置され、これら中波空中線のインピーダンス
と中波放送機のインピーダンスとを整合させる整合ネッ
トワーク回路の各回路素子の定数を最適化させる中波空
中線インピーダンス整合支援システムにおいて、前記整
合ネットワーク回路の測定点に接続され、入力された指
示内容に基づき、前記測定点のインピーダンスを測定す
る測定装置と、指定された操作内容に応じて前記測定装
置に対する前記指示内容を作成して前記測定装置に測定
を行わせるとともに、前記測定装置によって得られたイ
ンピーダンス測定値を入力して前記整合ネットワーク回
路を構成する各回路素子の状態を判断し、この判断結果
および/または当該整合ネットワーク回路の調整内容を
表示する操作表示装置とを備えたことを特徴としてい
る。
【0024】請求項2では、請求項1に記載の中波空中
線インピーダンス整合支援システムにおいて、前記操作
表示装置は、前記測定装置の測定動作で得られたインピ
ーダンス測定値に基づき、前記整合ネットワーク回路を
構成する各回路素子の状態を判定するときには、理論上
のインピーダンス値と測定された実際のインピーダンス
値とに対応するVSWR値が一定にされた円内に実際の
インピーダンスが入っているかどうかに基づき、各回路
素子の状態を判定することを特徴としている。
【0025】請求項3では、請求項1または2に記載の
中波空中線インピーダンス整合支援システムにおいて、
前記測定装置と、前記操作表示装置とを分離し、これら
測定装置と、操作表示装置との間を有線ケーブルで接続
することを特徴としている。
【0026】請求項4では、請求項1または2に記載の
中波空中線インピーダンス整合支援システムにおいて、
前記測定装置と、前記操作表示装置とを分離するととも
に、無線装置によって前記測定装置と、前記操作表示装
置との間の通信をサポートすることを特徴としている。
【0027】請求項5では、請求項1、2、3、4のい
ずれかに記載の中波空中線インピーダンス整合支援シス
テムにおいて、前記操作表示装置は、前記測定装置の測
定動作で得られた前記整合ネットワーク回路のインピー
ダンスデータをインピーダンス直交座標図形式、または
インピーダンス周波数特性図形式で表示する際、各イン
ピーダンスの軌跡を表示することを特徴としている。
【0028】請求項6では、中波空中線と中波放送機と
の間に配置される整合ネットワーク回路の回路図を作成
する際に使用される中波空中線インピーダンス整合支援
システムにおいて、作成された整合ネットワーク回路の
具体的な回路図、これらの回路図を作成するときのノウ
ハウが登録される記憶部と、前記整合ネットワーク回路
の回路図を作成するとき、表示装置上に前記記憶部に登
録されている具体的な回路図、回路設計のノウハウを表
示するとともに、入力された回路設計内容に基づき、回
路特性を演算して、表示装置上に演算結果を表示する情
報処理部とを備えたことを特徴としている。
【0029】上記の構成において、請求項1では、測定
装置のインピーダンス測定端子を整合調整対象となる整
合ネットワーク回路の測定点に接続させた状態で、操作
表示装置が操作されたとき、この操作内容に応じて指示
内容を作成し、測定装置に測定を行わせるとともに、こ
の測定動作によって得られたインピーダンス測定値に基
づき、整合ネットワーク回路を構成する各回路素子の状
態を判断し、この判断結果および/または当該整合ネッ
トワーク回路の調整内容を表示する。これにより、整合
ネットワーク回路の調整作業を熟知していない者にも、
短い時間で、確実に、整合ネットワーク回路を構成する
各回路素子の最適値を決定させ、この決定結果に基づ
き、整合ネットワーク回路内に設けられた各測定点のイ
ンピーダンスを所要の値に調整させて、中波放送機と、
中波空中線とを整合させる。
【0030】請求項2では、測定装置の測定動作で得ら
れたインピーダンス測定値に基づき、前記操作表示装置
によって、整合ネットワーク回路を構成する各回路素子
の状態を判定するとき、理論値上のインピーダンス値
と、測定動作によって得られた実際のインピーダンス値
とに対応するVSWR値が一定にされた円内に実際のイ
ンピーダンスが入っているかどうかを判定し、この判定
結果に基づき、各回路素子の状態を判定することによ
り、整合ネットワーク回路の各測定点から中波空中線側
を見た実際のインピーダンスと、理論上のインピーダン
スとの関係を判定させる際のアルゴリズムを簡素化し、
これによってパソコン装置などによって、整合良否を判
定し得るようにして、整合ネットワーク回路の調整コス
ト、調整に要する時間などを大幅に低減させる。
【0031】請求項3では、測定装置と、操作表示装置
とを分離し、有線ケーブルによりこれら測定装置と操作
表示装置との間を接続することにより、測定装置の持ち
運びを容易にさせ、これによって機動性を高めて、整合
調整作業時の能率を大幅に向上させる。
【0032】請求項4では、測定装置と、操作表示装置
とを分離するとともに、無線装置によって測定装置と、
操作表示装置との間の通信をサポートすることより、測
定装置の持ち運びを容易にさせ、これによって機動性を
高めて、整合調整作業時の能率を大幅に向上させる。
【0033】請求項5では、操作表示装置によって、測
定装置の測定動作で得られた整合ネットワーク回路のイ
ンピーダンスデータをインピーダンス直交座標図形式、
またはインピーダンス周波数特性図形式で表示する際、
各インピーダンスの軌跡を表示することにより、整合ネ
ットワーク回路の調整を行う前のインピーダンス状態
と、調整途中のインピーダンスとを並列的に把握させ、
これによって調整作業の内容を分かり易くし、整合調整
作業を容易にして、整合調整作業に要する時間を大幅に
短縮させる。
【0034】請求項6では、回路作成作業で得られた整
合ネットワーク回路の具体的な回路図、これらの回路図
を作成するときのノウハウを記憶部に登録し、整合ネッ
トワーク回路の回路図を作成するとき、情報処理部によ
って、記憶部をアクセスして、具体的な回路図、回路設
計のノウハウを取り出し、これを表示装置上に表示させ
るとともに、入力された回路設計内容に基づき、回路特
性を演算して、表示装置上に演算結果を表示させること
により、整合ネットワーク回路を設計する際、対話形式
でノウハウを加味した回路設計を行わせ、これによって
整合ネットワーク回路の設計に慣れていない人にも、実
際に使用可能な整合ネットワーク回路を短い時間で、容
易に設計させる。
【0035】
【発明の実施の形態】《第1の実施の形態》図1は本発
明による中波空中線インピーダンス整合支援システムの
うち、請求項1、2、4、5に対応する中波空中線イン
ピーダンス整合支援システムの実施の形態を示すブロッ
ク図である。
【0036】この図に示す中波空中線インピーダンス整
合支援システム1は、整合ネットワーク回路2が設けら
れている場所に配置され、入力された制御内容に基づ
き、整合ネットワーク回路2に設けられた各測定点のイ
ンピーダンスを測定する測定装置3と、無線信号を使用
して測定装置3を制御し、整合ネットワーク回路2のイ
ンピーダンス測定を行わせる処理、および測定装置3か
ら送信されるインピーダンス測定結果を含む無線信号を
受信して最適な整合調整手順や、調整箇所、調整量など
を指示する処理などを行う操作表示装置4とを備えてい
る。
【0037】測定装置3は、筐体の外部に突出するよう
に配置され、操作表示装置4と無線信号の授受を行うア
ンテナ6と、このアンテナ6によって得られた受信信号
に対し、周波数選択処理、復調処理、復号処理などを行
って、RS232C形式の制御信号を生成する受信処
理、入力されたRS232C形式の測定信号に対し、符
号化処理、変調処理などを行って送信信号を生成し、ア
ンテナ6から無線信号を送信させる送信処理を行う無線
モデム7と、この無線モデム7から出力されるRS23
2C形式の制御信号をデコードする処理、この処理で得
られた各種測定条件(測定箇所、測定周波数、測定レン
ジ)、測定開始指令、測定終了指令などに基づき、整合
ネットワーク回路2の各測定点に接続された各インピー
ダンス測定端子5のうち、測定箇所に指定された測定点
に対応するインピーダンス測定端子5を選択し、測定開
始指令が出されたときから、測定終了指令が出されるま
での間、指定された測定周波数、測定レンジで、選択し
ているインピーダンス測定端子5を使用し、測定箇所に
指定された測定点のインピーダンスを測定する処理、こ
の処理で得られた測定結果をRS232C形式の測定信
号にして、無線モデム7に供給する処理などを行う測定
部8とを備えている。
【0038】操作表示装置4は、CPU、表示部13
(図4、図5参照)、キーボードなどを有するパソコン
装置などによって構成され、インストールされているプ
ログラムに基づき、キーボードの操作内容を解析して、
各種測定条件(測定箇所、測定周波数、測定レンジ)、
測定開始指令、測定終了指令などを生成し、これをRS
232C形式の制御信号に変換してRS232C端子9
から出力する処理、このRS232C端子9に入力され
たRS232C形式の測定信号を取り込んで、解析する
とともに、解析結果を指定された表示形式で表示部13
上に表示する操作表示部10と、この操作表示部10の
RS232C端子9からRS232C形式の制御信号が
出力されたとき、この制御信号に対し、符号化処理、変
調処理などを行って送信信号を生成する処理、入力され
た受信信号に対し、周波数選択処理、復調処理、復号処
理などを行って、RS232C形式の測定信号を生成
し、これを操作表示部10のRS232C端子9に供給
する処理を行う無線モデム11と、この無線モデム11
から出力される送信信号を無線信号に変換して、測定装
置3に送信するとともに、この測定装置3から無線信号
が送信されたとき、これを受信して得られた受信信号を
無線モデム11に供給するアンテナ12とを備えてい
る。
【0039】次に、図2に示すフローチャートを参照し
ながら、この実施の形態の動作について説明する。
【0040】まず、整合ネットワーク回路2の整合調整
作業に先だち、整合ネットワーク回路2が設置されてい
る場所まで測定装置3が運ばれて、この測定装置3の各
インピーダンス測定端子5が整合ネットワーク回路2の
各測定点に各々、接続される(ステップST1)。
【0041】次いで、測定装置3と離れた場所、例えば
整合ネットワーク回路2を構成する各回路素子を調整可
能な場所などに設置されている操作表示装置4のキーボ
ードが操作されて、調整支援機能を選択する指示が入力
されると、操作表示部10にインストールされている各
種アプリケーションソフトウェアのうち、調整支援機能
を実現するアプリケーションソフトウェア、すなわち任
意の整合ネットワーク回路2に関する回路状況を診断
し、調整が必要な場合には、調整すべき回路素子と調整
量とを指示し、理論値を基準としたVSWR(Voltage
Standing Wave Ratio)値を利用して調整結果を判定
し、この判定結果を表示する処理を行う調整支援アプリ
ケーションソフトウェアが起動される(ステップST
2)。
【0042】この後、オペレータにより操作表示部10
のキーボードが操作されて、調整開始指示が入力される
と、表示部13上に指定されたグラフィック表示画面、
例えば図4に示すインピーダンス直交図表表示画面1
4、または図5に示すインピーダンス周波数特性表示画
面15を表示して、インピーダンス直交図表表示画面1
4などに整合支援コメントなどを表示してオペレータに
測定手順を知らせる。キーボードが操作されて各種の指
示、各種のデータが入力されると、これらの各種指示や
各種データに基づき、各種測定条件(測定箇所、測定周
波数、測定レンジ)、測定開始指令など示す送信信号を
生成するとともに、アンテナ12から各種測定条件(測
定箇所、測定周波数、測定レンジ)、測定開始指令など
を含む無線信号を送信する(ステップST3)。
【0043】測定装置3のアンテナ6によって、操作表
示装置4のアンテナ12から送信された無線信号が受信
されて受信信号が生成されると、無線モデム7によっ
て、受信信号に対する周波数選択処理、復調処理、復号
処理などが行われて制御信号が再生されるとともに、測
定部8によって制御信号がデコードされる。このデコー
ド処理で得られた各種測定条件(測定箇所、測定周波
数、測定レンジ)などに基づき、測定部8では整合ネッ
トワーク回路2の各測定点に接続された各インピーダン
ス測定端子5のうち、測定箇所に指定された測定点に対
応するインピーダンス測定端子5が選択され、指定され
た測定周波数、測定レンジで、測定箇所に指定された測
定点のインピーダンスが測定される(ステップST
4)。
【0044】この後、測定部8によって、測定点のイン
ピーダンス(測定結果)が得られると、無線モデム7に
よって、測定結果に対する符号化処理、変調処理などが
行われてアンテナ6から測定結果を含む無線信号が送信
される。
【0045】操作表示装置4のアンテナ12によって、
測定装置3のアンテナ6から送信された無線信号が受信
されて受信信号が生成されると、無線モデム11によっ
て、受信信号に対する周波数選択処理、復調処理、復号
処理などが行われて測定信号が再生される。また、操作
表示部10によって、測定信号が解析され、図4に示す
インピーダンス直交図表表示画面14、または図5に示
すインピーダンス周波数特性表示画面15などで、測定
装置3で測定されたインピーダンスの内容が表示された
後(ステップST5)、キーボードによって、指定され
た判定方法、例えば図3のフローチャートに示すように
VSWR値を用いた判定方法で、測定点から中波空中線
20を見たときの測定インピーダンスが規定値内に入っ
ているかどうかが判定される(ステップST6)。
【0046】まず、図6に示すように、整合ネットワー
ク回路2のアンテナ側端子17と、放送機側端子16と
の間に、任意のインピーダンス素子(インピーダンスは
“Zx”)18が接続されていると仮定し、次式で表わ
される測定点19から中波空中線20側を見たときの理
論上(計算上)のインピーダンス“Zs” Zs=Rs±jXS …(2) と、次式で表わされる測定値上(実測値上)のインピー
ダンス“Zm” Zm=Rm±jXm …(3) とを使用して、次式によって反射係数の絶対値Γの値を
表わすと、
【数1】 次式によって測定点19から中波空中線20を見たとき
のVSWR値(すなわち、“ρ”)を表わすことができ
る。
【0047】 この際、“ρ”の値を一定にすることができる“Rm
および“Xm”は無数に存在するが、図7に示すよう
に、これら“Rm”および“Xm”のうちの1つをインピ
ーダンス直交図表21上で表現すると、、中心座標
(R、X)が、
【数2】 X=XS …(7) 半径rが、
【数3】 となる1つの円22で、“Rm”および“Xm”を表現す
ることができる(ステップST11、12)。
【0048】そして、実際の中波放送機と、中波空中線
20とを接続するときには、中波放送機の出力インピー
ダンスと、中波空中線20の入力インピーダンスとが異
なる場合にのみ、中波放送機と、中波空中線20との間
に整合ネットワーク回路2を設け、この整合ネットワー
ク回路2を構成する各回路素子のリアクタンスを調整し
て、中波放送機の出力端子から中波空中線20を見たと
きのVSWR値を最小(VSWR=ρ=1)にすれば、
中波放送機の電力を最も有効的に中波空中線20に供給
できる。
【0049】但し、実際には、整合ネットワーク回路2
を構成する配線や部品の漂遊容量(Stray Capacity)が
存在し、理論上のインピーダンス“ZS”と、実際に測
定して得られたインピーダンス“Zm”とは合致せず、
また整合ネットワーク回路2を実際に調整する場合に
は、“ρ”の値を“1”に調整しなくても、“1”に近
い値、例えば“1.2〜1.3”以下にすれば、中波放
送機の電力を中波空中線20に効率良く伝えることがで
きることから、“ρ”の値を“1”より少し大きな値、
例えば“1.2〜1.3”になるような円22を作成す
る。
【0050】この円22内に測定点19から中波空中線
20を見たときのインピーダンス“Zm”が入っている
ときには、配線や部品の漂遊容量などを許容しながら、
整合ネットワーク回路2を構成する各回路素子の接続状
態、回路素子のリアクタンス状態などを良好と判定し
(ステップST13)、これを表示部13上に表示する
(ステップST7)。
【0051】この後、表示部13上に表示されているイ
ンピーダンス直交図表表示画面14、またはインピーダ
ンス周波数特性表示画面15上に表示されている判定結
果(インピーダンスが良好かどうかを示す判定結果)、
測定点19から中波空中線20を見たときのインピーダ
ンスが参照されて、整合ネットワーク回路2を構成する
各回路素子のリアクタンスが実際に調整される毎に、上
述した処理が繰り返され、インピーダンス直交図表表示
画面14、またはインピーダンス周波数特性表示画面1
5上に表示されている判定結果、測定点19から中波空
中線20を見たときのインピーダンスが更新される(ス
テップST4〜ST8、ST14)。
【0052】このとき、表示部13上にインピーダンス
直交図表表示画面14が表示されていれば、調整前のイ
ンピーダンス“Zm”から、調整後のインピーダンス
“Zm”までの軌跡が連続的に表示される。なお、イン
ピーダンス周波数特性表示画面15上には、測定毎では
なく、周波数を変更したときのインピーダンスが表示さ
れる。
【0053】そして、表示部13上に表示されているイ
ンピーダンス直交図表表示画面14、またはインピーダ
ンス周波数特性表示画面15上などに表示されているイ
ンピーダンス“Zm”が規定値内(インピーダンス直交
図表表示画面14では円22内)に入り、整合支援コメ
ントエリア上に、測定点から見たインピーダンスが規定
値内に入ったことを示すメッセージが表示された状態で
(ステップST8)、キーボードが操作されて、次に測
定点を選択させる入力があったとき、整合支援コメント
エリア上に次の測定点、調整箇所などを知らせるメッセ
ージが表示される(ステップST9)。
【0054】このメッセージ内容に基づき、操作表示装
置4のキーボードが操作されて、次の測定点に関する各
種測定条件(測定周波数、測定レンジ)、測定開始指示
などが入力されると、上述した通信手順と同じ通信手順
で、操作表示装置4のアンテナ12から各種測定条件
(測定周波数、測定レンジ)、測定開始指令などを含む
無線信号が送信され、この無線信号を受信した測定装置
3が遠隔制御されて、整合ネットワーク回路2の各測定
点に接続されている各インピーダンス測定端子5のう
ち、次の測定点に選択された測定点に接続されている各
インピーダンス測定端子5が選択され、指定された測定
条件で、この測定点から中空空中線20を見たときのイ
ンピーダンス“Zm”が測定される(ステップST3〜
ST4)。
【0055】測定点から中波空中線20を見たときのイ
ンピーダンス“Zm”が得られ、測定装置3のアンテナ
6から測定結果を含む無線信号が送信されて、操作表示
装置4のアンテナ12でこの無線信号が受信されると、
上述した通信手順と同じ通信手順で、受信信号から測定
信号が再生されるとともに、この測定信号が解析され
て、表示部13に表示されているインピーダンス直交図
表表示画面14、またはインピーダンス周波数特性表示
画面15などで、測定装置3で測定されたインピーダン
スの内容が表示された後、上述したVSWR値を用いた
判定方法で、測定信号の内容が解析されて、解析結果が
表示される(ステップST5〜ST7)。
【0056】この後、表示部13上に表示されているイ
ンピーダンス直交図表表示画面14、またはインピーダ
ンス周波数特性表示画面15上に表示されている判定結
果、測定点から中波空中線20を見たときのインピーダ
ンスが参照されて、測定点に対応する回路素子のリアク
タンスが調整される毎に、上述した処理が繰り返され
て、インピーダンス直交図表表示画面14、またはイン
ピーダンス周波数特性表示画面15上に表示されている
判定結果、測定点から中波空中線20を見たときのイン
ピーダンスが更新される(ステップST4〜ST8、S
T14)。
【0057】そして、表示部13上に表示されているイ
ンピーダンス直交図表表示画面14、またはインピーダ
ンス周波数特性表示画面15上などに表示されているイ
ンピーダンス“Zm”が規定値内に入り、整合支援コメ
ントエリア上に、測定点から見たインピーダンスが規定
値内に入ったことを示すメッセージが表示された状態
で、キーボードが操作されて、次に測定点を選択させる
入力があったとき、整合支援コメントエリア上に次の測
定点、調整箇所を知らせるメッセージが表示される(ス
テップST8、ST9)。
【0058】以下、上述した動作が繰り返されて、整合
ネットワーク回路2内にある各測定点から中波空中線2
0を見たインピーダンス“Zm”が順次、測定されて、
表示部13上に表示されているインピーダンス直交図表
表示画面14、またはインピーダンス周波数特性表示画
面15上に各測定点から中波空中線20を見たときのイ
ンピーダンス“Zm”と、判定結果とが表示され、各測
定点から見たインピーダンス“Zm”が規定値内に入る
ように、各測定点に対応する回路素子のリアクタンスが
調整される(ステップST3〜ST9、ST14)。
【0059】整合ネットワーク回路2内に設けられた各
測定点についての整合作業が終了すると、整合ネットワ
ーク回路2の放送機側端子16が測定点に選択され、こ
の測定点から中波空中線20を見たときのインピーダン
ス“Zm”が測定されて、表示部13上に表示されてい
るインピーダンス直交図表表示画面14、またはインピ
ーダンス周波数特性表示画面15上に測定点から中波空
中線20を見たときのインピーダンス“Zm”が表示さ
れるとともに、図8のインピーダンス直交図表23で示
される円24内に、インピーダンス“Zm”が入ってい
るかどうかが判定され、この判定結果がインピーダンス
直交図表表示画面14、またはインピーダンス周波数特
性表示画面15上に表示される。
【0060】そして、この判定結果に基づき、測定点に
対応する回路素子のリアクタンスが調整されて、測定点
から見たインピーダンス“Zm”が円24内に入ったと
き、すなわち測定点から中波空中線20を見たときの理
論上(計算上)のインピーダンス“Zs”が、 Zs=Rs±jXS =Ro …(9) 但し、Ro:中波放送機の出力インピーダンス となり、図8に示すように、VSWR値(ρ)が実効的
に問題がない値、すなわち“1.2〜1.3”に設定さ
れた円24の内側に測定点から中波空中線20を見たと
きのインピーダンス“Zm”が入ったとき、整合ネット
ワーク回路2の整合完了と判断して、表示部13上に調
整作業終了のメッセージが表示される(ステップST
9)。
【0061】このように、この実施の形態では、操作表
示装置4と分離された測定装置3を整合ネットワーク回
路2が設けられている場所まで運んだ後、この測定装置
3の各インピーダンス測定端子(プローブ)5を整合ネ
ットワーク回路2に設けられた各測定点に接続し、操作
表示装置4が操作されたとき、この操作内容に基づき、
測定装置3を遠隔制御して、整合ネットワーク回路2の
各測定点のインピーダンスを測定させるとともに、操作
表示装置4によって測定結果を取り込んで、最適な整合
調整手順、調整箇所、調整量などを表示し、整合ネット
ワーク回路2の整合調整を行わせるようにした。このた
め、測定装置3の持ち運びが容易で、肉体的な負担が小
さくなり、機動性が高まり、整合調整作業時の能率を大
幅に向上させることができる。また、整合ネットワーク
回路2の調整作業を熟知していない者にも、短い時間で
確実に、整合ネットワーク回路2を構成する各回路素子
の最適値を決定させ、この決定結果に基づき、整合ネッ
トワーク回路2内に設けられた各測定点のインピーダン
スを所要の値に調整させて、中波放送機と、中波空中線
20とを整合させることができる。
【0062】また、この実施の形態では、測定点19か
ら中波空中線20側を見たときの理論上(計算上)のイ
ンピーダンス“Zs”と、測定点19から中波空中線2
0側を見たときの測定値上(実測値上)のインピーダン
ス“Zm”とを使用して、測定点19から中波空中線2
0を見たときのVSWR値を用いた円22、24を作成
して、測定点19から中波空中線20側を見たときの測
定値上(実測値上)のインピーダンス“Zm”が規定値
内に入ったかどうかを判定するようにした。このため、
測定点19に対応するインピーダンス素子18の整合調
整が良好かどうかを判定する際のアルゴリズムを簡素化
し、これによってパソコン装置など、比較的安価な処理
装置による整合良否判定を可能にし、整合ネットワーク
回路2の調整コスト、調整に要する時間などを大幅に低
減させることができる。
【0063】また、この実施の形態では、測定点19か
ら中波空中線20側を見たときの理論上(計算上)のイ
ンピーダンス“Zs”と、測定点19から中波空中線2
0側を見たときの測定値上(実測値上)のインピーダン
ス“Zm”とを使用して、測定点19から中波空中線2
0を見たときのVSWR値(“ρ”)を用いた円22、
24を作成するとき、“ρ”の値を“1”より少し大き
な値、例えば“1.2〜1.3”にして、円22、24
を作成するようにした。このため、整合ネットワーク回
路2を構成する配線や部品が漂遊容量などを持っている
場合でも、実用上、問題が無い範囲で、これら配線や部
品の漂遊容量などを許容して、調整許容範囲を広げ、こ
れによって整合調整作業に要する時間や手間などを大幅
に削減させることができる。
【0064】さらに、この実施の形態では、表示部13
上に、インピーダンス直交図表表示画面14を表示し
て、各測定点19から中波空中線20を見たときのイン
ピーダンス“Zm”を表示する際、軌跡表示形式で、測
定点19に対応するインピーダンス素子18の調整を行
う前のインピーダンス状態と、調整途中のインピーダン
ス状態とを並列的に表示するようにした。このため、調
整作業の内容を分かり易くすることができ、これによっ
て測定点19に対応するインピーダンス素子18の整合
調整作業を容易にして、整合調整作業に要する時間を大
幅に短縮させることができる。
【0065】《第2の実施の形態》図9は本発明による
中波空中線インピーダンス整合支援システムのうち、請
求項6に対応する中波空中線インピーダンス整合支援シ
ステムの実施の形態を示すブロック図である。
【0066】この図に示す中波空中線インピーダンス整
合支援システム30は、設計者によって操作されたと
き、操作内容に応じた各種指令、各種データを生成する
キーボード装置31と、設計者によって動かされたと
き、移動データを生成し、また設計者によって各スイッ
チ32、33のいずれかが押されたとき、選択信号、選
択解除信号などを生成するマウス装置34と、このマウ
ス装置34から出力される移動データ、選択信号、選択
解除信号、キーボード装置31から出力される各種指
令、各種データなどに基づき、予めインストールされて
いる回路設計アプリケーションソフトウェアを起動させ
て、ノウハウを加味した回路設計を行う情報処理装置3
5と、この情報処理装置35から出力される表示データ
を取り込んで、設計支援画面、例えば回路設計画面55
(図11参照)、インピーダンス軌跡表示画面60(図
12参照)、設計済み回路表示画面61(図13参照)
などを表示する表示装置36と、情報処理装置35から
出力されるプリント情報を取り込んで、セットされてい
る記録紙上に、プリント情報で示される整合ネットワー
ク回路の回路図、設計データなどをプリントするプリン
タ装置37とを備えている。
【0067】情報処理装置35は、マイクロプロセッサ
などによって構成され、プログラムされている手順にし
たがって、データを処理するCPU回路38と、このC
PU回路38で使用される起動プログラム、各種の定数
データなどが格納されるROM回路39と、CPU回路
38の作業エリアなどとして使用されるRAM回路40
と、CPU回路38の基本動作を規定するOS(オペレ
ーション・システム)、整合ネットワーク回路の回路作
成動作を規定する回路設計アプリケーションソフトウェ
ア、この回路設計アプリケーションソフトウェアで使用
される基本回路などが格納されるハードディスク機構4
1と、このハードディスク機構41とCPU回路38と
の間のデータ授受をサポートするハードディスクインタ
フェース回路42と、キーボード装置31から出力され
る各種指令、各種データを取り込んで、これをCPU回
路38に供給するキーボードインタフェース回路43
と、マウス装置34から出力される移動データ、選択信
号、選択解除信号などを取り込んで、これをCPU回路
38に供給するマウスインタフェース回路44と、外部
から挿入されたフロッピーディスク、光磁気ディスクな
どの記憶媒体45に対するデータの読み出し処理、書き
込み処理などを行うリードライト機構46と、このリー
ドライト機構46とCPU回路38との間のデータ授受
をサポートするリードライトインタフェース回路47
と、CPU回路38によって作成された表示データを取
り込んで、表示装置36に供給する表示インタフェース
回路48と、CPU回路38から出力されるプリント情
報を取り込んで、プリンタ装置37に供給するプリンタ
インタフェース回路49とを備えている。
【0068】次に、図10に示すフローチャートを参照
しながら、この中波空中線インピーダンス整合支援シス
テム30を使用して、1つの整合ネットワーク回路を設
計するときの手順を説明する。
【0069】まず、情報処理装置35の電源が投入され
ると、情報処理装置35にセットされている起動プログ
ラムによってOSが起動されて、情報処理装置35の各
部が初期化された後、予めインストールされている回路
設計アプリケーションソフトウェアが起動されて、設計
支援画面、例えば図11に示すように、回路構成表示エ
リア50、設計方法表示エリア51、設計値表示エリア
52、設計値演算結果表示エリア53、注意事項表示エ
リア54などを有する回路設計画面55、または図12
に示すように、各測定点から中波空中線を見た理論上の
インピーダンスを表示する複数のインピーダンス演算値
表示エリア56、インピーダンス軌跡表示エリア57、
拡大縮小ボリューム58、左右移動ボリューム59など
を有するインピーダンス軌跡表示画面60、あるいは図
13に示すように、回路設計動作で得られた整合ネット
ワーク回路の回路図を表示する設計済み回路表示画面6
1などのうち、キーボード装置31またはマウス装置3
4で指定された設計支援画面、例えば回路設計画面55
が選択されて、表示装置36上に表示される。
【0070】この後、キーボード装置31またはマウス
装置34が操作されて、整合ネットワーク回路に接続さ
れる中波空中線の入力インピーダンス値“Za”と、中
波放送機の出力インピーダンス値“ZO”とが入力さ
れ、検索指示が入力されると、情報処理装置35によっ
て、予め登録されている複数の回路図が検索されて、入
力インピーダンス値Za”と、出力インピーダンス値
“ZO”とに対応する整合ネットワーク回路を示す1つ
の回路図が選択されて、回路設計画面55の回路構成表
示エリア50上に表示される(ステップST21)。
【0071】そして、設計者によって、回路構成表示エ
リア50上に表示されている整合ネットワーク回路の回
路図を使用するかどうかがチェックされ、このチェック
結果に基づき、キーボード装置31またはマウス装置3
4が操作されて、次の回路図が要求される毎に、情報処
理装置35によって、予め登録されている複数の回路図
が検索されて、入力インピーダンス値Za”と、出力イ
ンピーダンス値“ZO”とに対応する整合ネットワーク
回路を示す次の回路図が順次、選択され、回路構成表示
エリア50上に表示されている回路図が更新される。
【0072】この後、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作されて、回路構成表示
エリア50上に表示されている整合ネットワーク回路、
例えば図14に示すように、ボールギャップ62、耐雷
コイル63、基部変換回路64を有する共用部65と、
耐雷カップリングコンデンサ回路66、トラップ回路6
7、リジェクタ回路68を含むT形整合回路69、サー
ジ吸収並列共振回路70、雷阻止HPF回路71を有す
る第1放送系72とによって構成される整合ネットワー
ク回路の回路図73が選択されると、情報処理装置35
によって、回路構成表示エリア50上に表示されている
回路図73が設計対象となる整合ネットワーク回路の基
本回路として登録される。
【0073】次いで、設計者によって、回路構成表示エ
リア50上に表示されている整合ネットワーク回路の回
路図73をそのまま使用するかどうかがチェックされ、
このチェック内容に応じて、キーボード装置31または
マウス装置34が操作されると、情報処理装置35によ
って、キーボード装置31またはマウス装置34によっ
て指示された処理が修正処理であるかどうかが判定さ
れ、指示が修正指示であるとき、キーボード装置31ま
たはマウス装置34の操作内容に応じて、回路構成表示
エリア50上に表示されている整合ネットワーク回路の
回路図73が部分修正されるとともに、既に登録されて
いる回路図73が部分修正される。
【0074】この後、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置32が操作されて、回路図73を
使用した実際の設計開始指示が入力されると、情報処理
装置35によって、回路構成表示エリア50上に表示さ
れている整合ネットワーク回路を構成するボールギャッ
プ62、耐雷コイル63、基部変換回路64、耐雷カッ
プリングコンデンサ回路66、トラップ回路67、リジ
ェクタ回路68を含むT形整合回路69、サージ吸収並
列共振回路70、雷阻止HPF回路71のうち、最初に
設計しなければならない回路素子、すなわち中波空中線
74に最も近い回路素子である耐雷コイル63が選択さ
れる。
【0075】そして、情報処理装置35によって、予め
登録されている耐雷コイル63の具体的な複数の回路図
が検索されて、1つの回路図が選択され、この回路図が
回路設計画面55の回路構成表示エリア50上に表示さ
れるとともに、予め登録されている複数の設計方法メッ
セージ、複数の注意事項メッセージのうち、回路図に対
応して登録されている設計方法メッセージ、注意事項メ
ッセージが選択されて、設計方法表示エリア51上に、
回路図に対応して登録されている設計方法、例えば耐雷
コイル63を設計する目的、設計条件などが表示され、
さらに注意事項エリア54上に耐雷コイル63を設計す
る際のノウハウ(注意事項)などが表示される。
【0076】この後、設計者によって、回路構成表示エ
リア50上に表示されている耐雷コイル63の具体的な
回路図を使用するかどうかがチェックされ、このチェッ
ク結果に基づき、キーボード装置31またはマウス装置
34が操作されて、次の具体的な回路図が要求される毎
に、情報処理装置35によって、耐雷コイル63の具体
的な複数の回路図が検索されて、次の具体的な回路図が
順次、選択され、回路構成表示エリア50上に表示され
る具体的な回路図が更新されるとともに、設計方法表示
エリア51上に表示されている設計方法メッセージ、注
意事項表示エリア54上に表示されている注意事項メッ
セージが更新される。
【0077】次いで、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作され、回路構成表示エ
リア50上に表示されている耐雷コイル63の回路図が
選択されると、情報処理装置35によって、回路構成表
示エリア50上に表示されている回路図が耐雷コイル6
3の基本回路として登録されるとともに、設計方法表示
エリア51上に、回路図を構成する各素子の1つ(この
場合、耐雷コイルのみ)を選択して、素子の特性を示す
数値の入力を促すメッセージが表示される。
【0078】そして、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作され、回路設計画面5
5の設計値表示エリア52に設けられた入力窓75上
に、耐雷コイル63の定数となる設計値(リアクタンス
値)が入力されて、入力ボタン76が選択されると、こ
のリアクタンス値に基づき、情報処理装置35によっ
て、通常の設計アルゴリズムと同じ設計アルゴリズム
で、回路シミュレーションが行われ、設計値演算結果窓
77上に、回路シミュレーション処理で得られた回路特
性値(例えば、耐雷電圧、インピーダンス値などの1
つ)が表示される。
【0079】この後、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作されて、次の回路特性
値が要求される毎に、情報処理装置35によって、回路
シミュレーション処理で得られた他の回路特性値が順
次、選択されて、設計値演算結果窓77上に表示されて
いる回路特性値が更新される。
【0080】またこの状態で、設計者によって、キーボ
ード装置31またはマウス装置34が操作されて、イン
ピーダンス軌跡表示ボタン78が選択されると、情報処
理装置35によって、表示装置36上に表示されていた
回路設計画面55が消去されて、インピーダンス軌跡表
示画面60が表示され、このインピーダンス軌跡表示画
面60のインピーダンス軌跡表示エリア57上に、中波
空中線74の入力インピーダンス値“Za”を初期値と
する軌跡表示形式で、耐雷コイル63より、中波放送機
側から、中波空中線74を見たときのインピーダンス値
に対応する点(インピーダンス点)“Zb”が表示され
る。
【0081】そして、設計者によって、インピーダンス
軌跡表示エリア57上に表示されているインピーダンス
点“Zb”の位置に基づき、耐雷コイル63より、中波
放送機側にある測定点から中波空中線74を見たときの
インピーダンス値が確認された後、キーボード装置31
またはマウス装置34が操作されて、設計画面表示ボタ
ン79が選択されると、情報処理装置35によって、表
示装置36上に表示されていたインピーダンス軌跡表示
画面60が消去されて、回路設計画面55が表示され
る。
【0082】また、この状態で、設計者によって、キー
ボード装置31またはマウス装置34が操作され、設計
値演算結果表示エリア53上に設けられている取消ボタ
ン80が選択されると、情報処理装置35によって、設
計値演算結果窓77上に表示されている回路特性値が所
望の値でないと判定されて、上述した耐雷コイル63の
定数入力処理で入力された定数が廃棄され、上述した定
数入力処理、回路シミュレーション処理が再度、繰り返
される(ステップST22)。
【0083】そして、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作され、設計値演算結果
表示エリア53上に設けられている決定ボタン81が選
択されると、情報処理装置35によって、入力窓75に
入力された数値が耐雷コイル63の定数に決定されて、
この定数が耐雷コイル63の定数として登録された後、
次の設計対象回路素子として、中波空中線74に近い次
の回路素子である基部変換回路64が選択される。
【0084】これにより、情報処理装置35によって、
予め登録されている基部変換回路64の具体的な複数の
回路図が検索されて、1つの回路図が選択され、この回
路図が回路設計画面55の回路構成表示エリア50上に
表示されるとともに、予め登録されている複数の設計方
法メッセージ、複数の注意事項メッセージのうち、回路
図に対応して登録されている設計方法メッセージ、注意
事項メッセージが選択されて、設計方法表示エリア51
上に、回路図に対応して登録されている設計方法、例え
ば基部変換回路64を設計する目的、設計条件などが表
示され、さらに注意事項エリア54上に基部変換回路6
4を設計する際のノウハウ(注意事項)などが表示され
る。
【0085】この状態で、設計者によって、キーボード
装置31またはマウス装置34が操作されて、表示装置
36に回路設計画面55が表示されているときに表示さ
れる設計済み回路表示ボタン82、または表示装置36
上にインピーダンス軌跡表示画面60が表示されている
ときに表示される設計済み回路表示ボタン83が選択さ
れると、情報処理装置35によって、表示装置36に表
示されていた回路設計画面55またはインピーダンス軌
跡表示画面60が消去されて、回路表示画面61が表示
され、設計済みの回路、すなわち設計が完了した耐雷コ
イル63部分の回路図が表示される。
【0086】この後、設計者によって、キーボード装置
31またはマウス装置34が操作されて、表示装置36
に表示されている設計画面表示ボタン84、またはイン
ピーダンス軌跡表示ボタン85が選択されると、情報処
理装置35によって、表示装置36上に表示されていた
回路表示画面61が消去されて、回路設計画面55また
はインピーダンス軌跡表示画面60が表示される。
【0087】以下、耐雷コイル63を設計したときの設
計手順と同様な手順で、整合ネットワーク回路を構成す
る基部変換回路64、耐雷カップリングコンデンサ回路
66、トラップ回路67、リジェクタ回路68を含むT
形整合回路69、サージ吸収並列共振回路70、雷阻止
HPF回路71に対する設計処理が順次、行われ、整合
ネットワーク回路を構成する全ての回路素子に対する設
計が終了したとき、設計処理によって得られた回路図、
設計データが登録される(ステップST23〜ST3
0)。
【0088】そして、表示装置36上に回路設計画面5
5が表示されている状態で、設計者によって、キーボー
ド装置31またはマウス装置34が操作され、設計終了
ボタン86が選択されると、情報処理装置35によっ
て、表示装置36上に表示されていた回路設計画面55
が消去されて、プリント処理画面が表示され、このプリ
ント処理画面上にあるプリントボタンが選択されたとき
(ステップST31)、設計処理で得られた整合ネット
ワーク回路の回路図、設計データなどがプリント情報に
まとめられて、プリンタ装置37から予め設定されてい
る印刷フォーマット、例えば図15に示すような印刷フ
ォーマットで、回路図、設計データがプリントアウトさ
れる(ステップST31)。
【0089】このように、この実施の形態では、キーボ
ード装置31やマウス装置34が操作されて入力された
各種指令、各種データなどに基づき、予めインストール
されている回路設計アプリケーションソフトウェアを起
動させて、対話形式で、ノウハウを加味した回路設計を
行わせて、整合ネットワーク回路を設計させ、これによ
って得られた整合ネットワーク回路の回路図、設計デー
タなどを表示装置36上に表示するとともに、プリンタ
装置37からプリントアウトさせるようにした。このた
め、整合ネットワーク回路の設計に慣れていない人に
も、実際に使用可能な整合ネットワーク回路を短い時間
で、容易に設計させることができる。
【0090】《他の実施の形態》図1に示した第1の実
施形態の中波空中線インピーダンス整合支援システム1
では、測定装置3と、操作表示装置4とを分離するとと
もに、無線モデム7、11およびアンテナ6、12など
からなる無線装置によって測定装置3と、操作表示装置
4との間の通信をサポートするように構成したが、測定
装置3と、操作表示装置4とを分離し、両装置間をRS
232Cケーブル等の有線ケーブルで接続するように構
成しても良い。
【0091】このようにしても、上述した実施の形態と
同様、測定装置3の持ち運びを容易にさせることがで
き、これによって機動性を高めて、整合調整作業時の能
率を大幅に向上させることができる。
【0092】また、図1に示す中波空中線インピーダン
ス整合支援システム1では、整合ネットワーク回路2を
構成する各回路素子のインピーダンスを測定するとき、
測定装置3に設けられた各インピーダンス測定端子5を
整合ネットワーク回路2の各測定点に接続し、操作表示
装置4の遠隔制御で、各測定点のいずれか1つを選択し
て、この測定点に接続されたインピーダンス測定端子5
を使用し、インピーダンスを測定するようにした。しか
し、測定点の数に比べて、インピーダンス測定端子5の
数が少ないときには、測定装置3の近傍に測定実行者を
配置させて、操作表示装置4のオペレータと連絡を取ら
せながら、測定実行者にインピーダンス測定端子5の取
付け、取り外しを行わせて、測定点にインピーダンス測
定端子5を接続させ、インピーダンスを測定させるよう
にしても良い。
【0093】このようにしても、上述した実施の形態と
同様に、測定装置3の持ち運びを容易にさせて、測定実
行者の肉体的な負担を小さくしながら、機動性を高め、
整合調整作業時の能率を大幅に向上させることができる
とともに、整合ネットワーク回路2の調整作業を熟知し
ていない者にも、短い時間で、確実に、整合ネットワー
ク回路2を構成する各回路素子の最適値を決定させ、こ
の決定結果に基づき、整合ネットワーク回路2内に設け
られた各測定点のインピーダンスを所要の値に調整させ
て、中波放送機と、中波空中線20とを整合させること
ができる。
【0094】また、図1に示す中波空中線インピーダン
ス整合支援システム1では、操作表示装置4を整合ネッ
トワーク回路2の各回路素子を調整可能な位置に配置し
て、この操作表示装置4の表示内容を見ながら、オペレ
ータによって各回路素子の調整を行わせるようにしてい
るが、操作表示装置4の遠隔操作によって、整合ネット
ワーク回路2の各回路素子を調整し得るようにしても良
い。
【0095】これによって、整合ネットワーク回路2の
調整作業をさらに容易にして、調整作業に要する時間、
手間をさらに軽減することができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、請
求項1の中波空中線インピーダンス整合支援システムで
は、整合ネットワーク回路の調整作業を熟知していない
者にも、短い時間で、確実に、整合ネットワーク回路を
構成する各回路素子の最適値を決定させ、この決定結果
に基づき、整合ネットワーク回路内に設けられた各測定
点のインピーダンスを所要の値に調整させて、中波放送
機と、中波空中線とを整合させることができる。
【0097】請求項2の中波空中線インピーダンス整合
支援システムでは、簡単なアルゴリズムで、整合ネット
ワーク回路の各測定点から中波空中線側を見た実際のイ
ンピーダンスと、理論上のインピーダンスとの関係を判
定させることができ、これによってパソコン装置などに
よって、整合良否を判定し得るようにして、整合ネット
ワーク回路の調整コスト、調整に要する時間などを大幅
に低減させることができる。
【0098】請求項3、4の中波空中線インピーダンス
整合支援システムでは、整合ネットワーク回路に設けら
れた各測定点のインピーダンスを測定する測定装置と、
この測定装置を制御し、測定結果を表示する操作表示装
置とを分離して、測定装置の持ち運びを容易にさせるこ
とができ、これによって機動性を高めて、整合調整作業
時の能率を大幅に向上させることができる。
【0099】請求項5の中波空中線インピーダンス整合
支援システムでは、整合ネットワーク回路の調整を行う
前のインピーダンス状態と、調整途中のインピーダンス
とを並列的に表示して、調整作業の内容を分かり易く
し、これによって整合調整作業を容易にして、整合調整
作業に要する時間を大幅に短縮させることができる。
【0100】請求項6の中波空中線インピーダンス整合
支援システムでは、整合ネットワーク回路を設計する
際、対話形式でノウハウを加味した回路設計を行わせる
ことができ、これによって整合ネットワーク回路の設計
に慣れていない人にも、実際に使用可能な整合ネットワ
ーク回路を短い時間で、容易に設計させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中波空中線インピーダンス整合支
援システムのうち、請求項1、2、4、5に対応する中
波空中線インピーダンス整合支援システムの実施の形態
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す中波空中線インピーダンス整合支援
システムの動作例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す中波空中線インピーダンス整合支援
システムで使用される、VSWR値を使用したインピー
ダンス良否判定ルーチン例を示すフローチャートであ
る。
【図4】図1に示す操作表示部に表示されるインピーダ
ンス直交図表表示画面を模式的に示す説明図である。
【図5】図1に示す操作表示部に表示されるインピーダ
ンス周波数特性表示画面を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示す中波空中線インピーダンス整合支援
システムで使用される、VSWR値を使用したインピー
ダンス良否判定ルーチンを模式的に示す説明図である。
【図7】図1に示す中波空中線インピーダンス整合支援
システムで使用される、VSWR値を使用したインピー
ダンス良否判定ルーチンを模式的に示す説明図である。
【図8】図1に示す中波空中線インピーダンス整合支援
システムで使用される、VSWR値を使用したインピー
ダンス良否判定ルーチンを模式的に示す説明図である。
【図9】本発明による中波空中線インピーダンス整合支
援システムのうち、請求項6に対応する中波空中線イン
ピーダンス整合支援システムの実施の形態を示すブロッ
ク図である。
【図10】図9に示す中波空中線インピーダンス整合支
援システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】図9に示す表示装置に表示される回路設計画
面を模式的に示す説明図である。
【図12】図9に示す表示装置に表示されるインピーダ
ンス軌跡表示画面を模式的に示す説明図である。
【図13】図9に示す表示装置に表示される回路表示画
面を模式的に示す説明図である。
【図14】図9に示す中波空中線インピーダンス整合支
援システムで使用される整合ネットワーク回路の基本回
路図を示すブロック図である。
【図15】図9に示す中波空中線インピーダンス整合支
援システムのプリンタ装置からプリントアウトされる回
路図、設計データの印刷フォーマットを模式的に示す説
明図である。
【図16】中波放送機と中波空中線との間に介挿される
整合ネットワーク回路の一例を示す回路図である。
【図17】図16に示す整合ネットワーク回路の整合調
整作業で使用されるインピーダンス直交図表を模式的に
示す説明図である。
【符号の説明】
1…中波空中線インピーダンス整合支援システム、2…
整合ネットワーク回路、3…測定装置、4…操作表示装
置、5…インピーダンス測定端子、6…アンテナ、7…
無線モデム、8…測定部、9…RS232C端子、10
…操作表示部、11…無線モデム、12…アンテナ、1
3…表示部、14…インピーダンス直交図表表示画面、
15…インピーダンス周波数特性表示画面、16…放送
機側端子、17…アンテナ側端子、18…インピーダン
ス素子、19…測定点、20…中波空中線、21…イン
ピーダンス直交図表、22…円、23…インピーダンス
直交図表、24…円、30…中波空中線インピーダンス
整合支援システム、31…キーボード装置、32…スイ
ッチ、33…スイッチ、34…マウス装置、35…情報
処理装置、36…表示装置、37…プリンタ装置、38
…CPU回路(情報処理部)、39…ROM回路、40
…RAM回路、41…ハードディスク機構(記憶部)、
42…ハードディスクインタフェース回路、43…キー
ボードインタフェース回路、44…マウスインタフェー
ス回路、45…記憶媒体、46…リードライト機構、4
7…リードライトインタフェース回路、48…表示イン
タフェース回路、49…プリンタインタフェース回路、
50…回路構成表示エリア、51…設計方法表示エリ
ア、52…設計値表示エリア、53…設計値演算結果表
示エリア、54…注意事項表示エリア、55…回路設計
画面、56…インピーダンス演算値表示エリア、57…
インピーダンス軌跡表示エリア、58…拡大縮小ボリュ
ーム、59…左右移動ボリューム、60…インピーダン
ス軌跡表示画面、61…回路表示画面、62…ボールギ
ャップ、63…耐雷コイル、64…基部変換回路、65
…共用部、66…耐雷カップリングコンデンサ回路、6
7…トラップ回路、68…リジェクタ回路、69…T形
整合回路、70…サージ吸収並列共振回路、71…雷阻
止HPF回路、72…第1放送系、73…回路図、74
…中波空中線、75…入力窓、76…入力ボタン、77
…設計値演算結果窓、78…インピーダンス軌跡表示ボ
タン、79…設計画面表示ボタン、80…取消ボタン、
81…決定ボタン、82…設計済み回路表示ボタン、8
3…設計済み回路表示ボタン、84…設計画面表示ボタ
ン、85…インピーダンス軌跡表示ボタン、86…設計
終了ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 竹彦 埼玉県南埼玉郡菖蒲町大字三箇3047−1 日本放送協会菖蒲久喜ラジオ放送所内 (72)発明者 池上 耕平 埼玉県南埼玉郡菖蒲町大字三箇3047−1 日本放送協会菖蒲久喜ラジオ放送所内 (72)発明者 新海 英樹 埼玉県南埼玉郡菖蒲町大字三箇3047−1 日本放送協会菖蒲久喜ラジオ放送所内 Fターム(参考) 5B046 AA07 BA03 DA05 GA01 JA01 5K060 CC04 EE02 HH31 JJ01 JJ21 LL07 NN04 PP05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中波空中線と中波放送機との間に配置さ
    れ、これら中波空中線のインピーダンスと中波放送機の
    インピーダンスとを整合させる整合ネットワーク回路の
    各回路素子の定数を最適化させる中波空中線インピーダ
    ンス整合支援システムにおいて、 前記整合ネットワーク回路の測定点に接続され、入力さ
    れた指示内容に基づき、前記測定点のインピーダンスを
    測定する測定装置と、 指定された操作内容に応じて前記測定装置に対する前記
    指示内容を作成して前記測定装置に測定を行わせるとと
    もに、前記測定装置によって得られたインピーダンス測
    定値を入力して前記整合ネットワーク回路を構成する各
    回路素子の状態を判断し、この判断結果および/または
    当該整合ネットワーク回路の調整内容を表示する操作表
    示装置と、 を備えたことを特徴とする中波空中線インピーダンス整
    合支援システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中波空中線インピーダ
    ンス整合支援システムにおいて、 前記操作表示装置は、前記測定装置の測定動作で得られ
    たインピーダンス測定値に基づき、前記整合ネットワー
    ク回路を構成する各回路素子の状態を判定するときに
    は、理論上のインピーダンス値と測定された実際のイン
    ピーダンス値とに対応するVSWR値が一定にされた円
    内に実際のインピーダンスが入っているかどうかに基づ
    き、各回路素子の状態を判定する、 ことを特徴とする中波空中線インピーダンス整合支援シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の中波空中線イ
    ンピーダンス整合支援システムにおいて、 前記測定装置と、前記操作表示装置とを分離し、これら
    測定装置と、操作表示装置との間を有線ケーブルで接続
    する、 ことを特徴とする中波空中線インピーダンス整合支援シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の中波空中線イ
    ンピーダンス整合支援システムにおいて、 前記測定装置と、前記操作表示装置とを分離するととも
    に、無線装置によって前記測定装置と、前記操作表示装
    置との間の通信をサポートする、 ことを特徴とする中波空中線インピーダンス整合支援シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、4のいずれかに記載
    の中波空中線インピーダンス整合支援システムにおい
    て、 前記操作表示装置は、前記測定装置の測定動作で得られ
    た前記整合ネットワーク回路のインピーダンスデータを
    インピーダンス直交座標図形式、またはインピーダンス
    周波数特性図形式で表示する際、各インピーダンスの軌
    跡を表示する、 ことを特徴とする中波空中線インピーダンス整合支援シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 中波空中線と中波放送機との間に配置さ
    れる整合ネットワーク回路の回路図を作成する際に使用
    される中波空中線インピーダンス整合支援システムにお
    いて、 作成された整合ネットワーク回路の具体的な回路図、こ
    れらの回路図を作成するときのノウハウが登録される記
    憶部と、 前記整合ネットワーク回路の回路図を作成するとき、表
    示装置上に前記記憶部に登録されている具体的な回路
    図、回路設計のノウハウを表示するとともに、入力され
    た回路設計内容に基づき、回路特性を演算して表示装置
    上に演算結果を表示する情報処理部と、 を備えたことを特徴とする中波空中線インピーダンス整
    合支援システム。
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