JP2000077734A - 搬送装置の駆動素子 - Google Patents

搬送装置の駆動素子

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JP2000077734A
JP2000077734A JP10243226A JP24322698A JP2000077734A JP 2000077734 A JP2000077734 A JP 2000077734A JP 10243226 A JP10243226 A JP 10243226A JP 24322698 A JP24322698 A JP 24322698A JP 2000077734 A JP2000077734 A JP 2000077734A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電セラミック素子の表面部のリード線の半
田付け構造を改善し、クラックの発生を効果的に防止す
る。 【解決手段】 金属シム板22の両面に、圧電セラミッ
ク素子23を貼付けて圧電セラミック振動子21を構成
する。圧電セラミック素子23の両面に、銀ペーストの
印刷,焼付により表面電極25を設ける。金属シム板2
2と圧電セラミック素子23との間に、導電性樹脂を印
刷,乾燥してなる線状導電体26を配し、その非形成部
分にて、硬化後の硬度がショアーDコードで83であっ
て且つ厚み寸法が35〜40μmの接着剤27により接
着する。圧電セラミック素子23の表面部に、銅箔31
を導電性粘着剤を介して貼付け、銅箔31にリード線3
0を半田付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばパーツフィ
ーダの駆動源として用いられる搬送装置の駆動素子に関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば各種の自動組立
工程において、電子部品、樹脂成形部品、機械部品など
比較的小形の部品を搬送するパーツフィーダとしては、
圧電セラミック振動子を駆動素子として用いた圧電型パ
ーツフィーダがある。このような圧電型パーツフィーダ
は、従来の電磁型パーツフィーダと比較して、物品の搬
送がスムーズであり、また消費電力が小さい等の特長が
あり、広く普及してきている。
【0003】図8及び図9は、この種の圧電型パーツフ
ィーダ(直線駆動方式)の基本的構成を示している。こ
こで、基台1の上方部に、ほぼ水平方向に延びるトラフ
2が配されるようになっており、このとき、前記基台1
上に取付けられた水平枠片3と、前記トラフ2の下面に
取付けられた水平枠片4との間が、左右両端部にて、斜
め上下方向に延びる圧電セラミック振動子5とその上部
にねじ止め固着された変位拡大ばね6とにより繋がれて
いる。
【0004】前記圧電セラミック振動子5は、図10に
も示すように、例えばSK鋼を焼入れ処理してなり一般
的な板ばね材に比べてかなり厚み寸法が大きい金属シム
板7の両面の中央部に、圧電セラミック素子8,8を貼
付けて構成される。この場合、図示はしないが、圧電セ
ラミック素子8の両面には、ほぼ全面に位置して例えば
銀等の導電性ペーストが印刷されて焼付けられ、電極と
されるようになっている。前記金属シム板7の上下両端
部には、複数個のねじ止め用の孔9(図10参照)が形
成されている。
【0005】また、圧電セラミック素子8と金属シム板
7との間の接着は、例えば導電粉を混入した接着剤によ
り行われ、圧電セラミック素子8の裏面側電極と金属シ
ム板7との電気的導通が図られるようになっている。
尚、圧電セラミック素子8と金属シム板7との間の接着
の別の方法として、圧電セラミック素子8の裏面側の電
極の表面の凹凸のうち凸部を、ポイント状に金属シム板
7に接触させた状態で、接着剤により接着するものがあ
った。このとき、確実な導通を図るべく、接着剤の層の
厚み寸法は20μm以下というかなり薄いものとされて
いた。
【0006】そして、図8に示すように、一方の電源端
子10に接続されたリード線11が前記金属シム板7に
接続されると共に、他方の電源端子12に接続されたリ
ード線13が、各圧電セラミック素子8の表面部に半田
付けにより接続されるようになっている(半田付け部1
4)。これにて、図示しない電源装置により発生された
交流電圧が、リード線11,13を介して印加されるこ
とにより、圧電セラミック振動子5がたわみ振動し、前
記トラフ2上の部品15を例えば矢印A方向に移動させ
るようになっているのである。
【0007】しかしながら、上記した圧電セラミック振
動子5にあっては、圧電セラミック素子8の表面側にお
けるリード線13の半田付け部14部分が他の部分と比
べて硬くなるため、その半田付け部14部分に振動時の
応力が集中し、その半田付け部14部分を通るようなク
ラックC(図10参照)が発生しやすく、圧電セラミッ
ク振動子5としての寿命が短くなる問題点があった。
【0008】また、圧電セラミック素子8の前記半田付
け部14のクラックとは別に、長期間の使用に伴い、ト
ラフ2の慣性力により発生するモーメント荷重などによ
り、圧電セラミック素子8の特に下部側部分において、
疲労による金属シム板7からの圧電セラミック素子8の
接着剥がれや、クラックの発生の問題があり、ひいては
それらによる圧電セラミック素子8の放電破壊を招くこ
ともあった。
【0009】これに対し、このような圧電型パーツフィ
ーダにあっては、近年、搬送部品Aの小形化に伴う装置
全体の小形化や、高速搬送化が要求されてきており、圧
電セラミック振動子5の振幅を大きくするといった、よ
り一層の過酷な条件下での使用に耐えることができ、耐
久性に優れ信頼性の高い圧電セラミック振動子の開発が
要望されているのである。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その第1の目的は、圧電セラミック素子の表面部の
リード線の半田付け構造を改善することにより、半田付
け部分における応力集中に起因するクラックの発生を効
果的に防止し、ひいては耐久性の向上を図ることができ
る搬送装置の駆動素子を提供するにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、金属シム板
と圧電セラミック素子との接着構造を改善することによ
り、金属シム板と圧電セラミック素子との間の接着面に
おける接着剥がれやクラックの発生を効果的に防止し、
ひいては耐久性の向上を図ることができる搬送装置の駆
動素子を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の搬送
装置の駆動素子は、圧電セラミック素子の表面部に設け
られた電極に、リード線を接続して交流電圧を印加する
ようにしたものにあって、圧電セラミック素子の表面部
に、導電性粘着剤を介して導電箔を貼付けて電極を構成
し、その導電箔にリード線を半田付けするようにした構
成に特徴を有する。
【0013】これによれば、リード線が半田付けされる
導電箔と圧電セラミック素子の表面部との間には、導電
性粘着剤が介在されているので、振動時に圧電セラミッ
ク素子の表面側の半田付け部に作用する応力が、導電性
粘着剤により吸収されるようになる。尚、導電箔として
は、銅箔等各種の材料を採用することができ、また、銅
箔の裏面に導電性粘着剤を予め塗布してなる銅の粘着テ
ープ等も市販されている。
【0014】本発明の請求項2の搬送装置の駆動素子
は、金属シム板の片面あるいは両面に圧電セラミック素
子を貼付け、金属シム板と圧電セラミック素子との間に
交流電圧を印加するようにしたものにあって、金属シム
板と圧電セラミック素子との間に、導電性樹脂を線状あ
るいは点状に配した状態で、それら両者を導電性樹脂の
非塗布部分にて接着剤により接着するようにした構成に
特徴を有する。
【0015】これによれば、金属シム板と圧電セラミッ
ク素子との間は接着剤により接着されるのであるが、こ
のとき、線状あるいは点状に配された導電性樹脂によっ
て、両者間の確実な電気的導通を図ることができ、それ
でいながらも、接着剤の層により、圧電セラミック素子
に作用する応力の緩和を図ることができる。この場合、
導電性接着剤を用いる必要はないので、接着剤の種類を
自在に選ぶことができ、また、導電性樹脂によって導通
が図られるので、接着剤の層の厚みも任意に設定するこ
とが可能である。
【0016】ところで、上記のように金属シム板と圧電
セラミック素子とを接着する場合には、接着剤の硬化後
の硬さによって、剥がれやすさや、クラックの発生しや
すさが異なってくる。本発明者の実験,研究によれば、
接着剤の硬化後の硬さが、ショアーDコードで80〜8
5であれば(請求項3の発明)、剥がれ防止及びクラッ
クの発生防止に最も効果があることが確認された。硬さ
が80を下回ると、圧電セラミック素子にクラックが比
較的発生しやすいものとなり、硬さが85を越えると、
接着剥がれが比較的起こりやすくなる。
【0017】さらには、接着剤の層の厚み寸法によって
も、圧電セラミック素子の剥がれやすさや、クラックの
発生しやすさが異なってくる。本発明者の実験,研究に
よれば、接着剤の層の厚み寸法を、30〜50μmの範
囲とすることが最も望ましく(請求項4の発明)、その
範囲を越えると、クラックが比較的発生しやすくなって
しまう。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をパーツフィーダの
駆動源として用いられる圧電セラミック振動子に適用し
た実施の形態について説明する。まず、図1ないし図4
を参照して、本発明の第1の実施の形態(請求項1〜4
に対応)について述べる。尚、パーツフィーダの基本的
構成(圧電セラミック振動子を除く部分)については、
従来例で述べたと同様の周知構成であるため、図示及び
説明を省略することとする。
【0019】図1及び図2は、本実施形態に係る駆動素
子たる圧電セラミック振動子21(後述する実施例1に
相当)の構成を示している。この圧電セラミック振動子
21は、図3にも示すように、この場合、金属シム板2
2の両面に、圧電セラミック素子23,23を貼付けて
構成されている。前記金属シム板22は、矩形板状をな
しており、例えばSK鋼を焼入れ処理して構成されてい
る。尚、この金属シム板22の具体的寸法は、例えば幅
が50mm、長さが86mm、厚さが6mmとされている。ま
た、図2に示すように、この金属シム板22の上下両端
部には、ねじ止め用の複数個の孔24が形成されてい
る。
【0020】一方、前記圧電セラミック素子23は、矩
形薄板状をなし、例えばチタン酸鉛、ジルコン酸鉛を主
成分とする誘電率2000程度のソフト系材料を、分極
処理して極性を持たせたものである。そして、この圧電
セラミック素子23の両面には、図4にも示すように、
周縁部のみを除いたほぼ全面に位置して表面電極25が
設けられている。この表面電極25は、例えば銀ペース
トを印刷した後焼付けて形成されるようになっている。
尚、この圧電セラミック素子23の具体的寸法は、例え
ば幅が45mm、長さが47mm、厚さが0.75mmとされ
ている。
【0021】さて、前記圧電セラミック素子23は、そ
の一方の接着面(この面を裏面とする)にて前記金属シ
ム板22の中央部に貼付けられるのであるが、このと
き、図1及び図3に示すように、金属シム板22と圧電
セラミック素子23との間には、導電性樹脂からなる線
状導電体26が両者間を電気的に接続するように設けら
れ、その状態で線状導電体26の非形成部分にて接着剤
27により接着されるようになっている。
【0022】前記線状導電体26は、導電性樹脂例えば
カーボン樹脂ペーストを、圧電セラミック素子23の裏
面にスクリーン印刷法により印刷し、100〜140℃
で20分乾燥して硬化させることにより設けられる。こ
の場合、図4に示すように、線状導電体26は、圧電セ
ラミック素子23の縦方向(長さ方向)に直線上に延
び、例えば平行にほぼ等間隔で9本が形成されるように
なっている。尚、線状導電体26の具体的寸法は、幅が
1.0〜1.5mm、長さが圧電セラミック素子23の長
さより若干短く、厚さが35〜40μmとされている。
【0023】また、前記接着剤27は、例えば硬化後の
硬度がショアーDコードで83となるエポキシ系接着剤
が用いられ、圧電セラミック素子23の裏面のうち、線
状導電体26の非形成部分に塗布される。接着は、金属
シム板22の両面の所定位置に、接着剤27が塗布され
た圧電セラミック素子23を貼付けて、それらを加圧し
た状態で例えば100〜120℃にて乾燥し、接着剤2
7を硬化させることにより行われる。
【0024】これにて、図3に示すように、金属シム板
22の両面に圧電セラミック素子23が貼付けられ、該
金属シム板22と圧電セラミック素子23の裏面側の表
面電極25とが線状導電体26によって電気的に導通し
た状態とされる。このとき、線状導電体26により、接
着剤27層の厚み制御を行うことができ、接着剤27層
の厚み寸法は、この場合35〜40μmとされるのであ
る。さらに、線状導電体26により接着剤27層の厚み
を均一化することができる。また、図1に示すように、
前記金属シム板22には、交流電源装置28の一方の出
力端子に接続されたリード線29が接続されるようにな
っている。
【0025】そして、図1に示すように、各圧電セラミ
ック素子23の表面側には、交流電源装置28の他方の
出力端子に接続されたリード線30が接続されるのであ
るが、このとき、図2にも示すように、圧電セラミック
素子23の表面部の表面電極25の中央部に対し導電箔
たる銅箔31が貼付けられ、その銅箔31の表面にリー
ド線30が半田付け(半田付け部を符号32で示す)さ
れるようになっている。この銅箔31は、例えば厚さ寸
法が70μmの矩形状をなし、その裏面側に導電性粘着
剤が塗布されていて、その導電性粘着剤によって導通を
確保した状態で貼付けられるようになっている。
【0026】上記のように構成された圧電セラミック振
動子21は、図示はしないが、パーツフィーダに駆動源
として組込まれ、交流電源装置28からの交流電圧が、
リード線29,30を介して各圧電セラミック素子23
に印加されると、圧電セラミック素子23の伸び縮みに
よってたわみ振動し、もってトラフ上の部品を移動させ
るようになっているのである。
【0027】しかして、このような圧電セラミック振動
子21にあっては、圧電セラミック素子23の表面側に
おけるリード線30の半田付け部32部分に振動時の応
力が集中する事情がある。ところが、本実施形態では、
リード線30を圧電セラミック素子23に直接半田付け
するのではなく、リード線30を、圧電セラミック素子
23に導電性粘着剤を介して貼付けられた銅箔31に半
田付けする構成とされているので、振動時に圧電セラミ
ック素子23の半田付け部32に作用する応力を、導電
性粘着剤により吸収させることができる。
【0028】一方、長期間の使用に伴い、トラフの慣性
力により発生するモーメント荷重などにより、圧電セラ
ミック素子23の特に下部側部分において、金属シム板
22からの圧電セラミック素子23の接着剥がれや、圧
電セラミック素子23の疲労によるクラックの発生の問
題があり、ひいてはそれらによる圧電セラミック素子2
3の放電破壊を招く虞もある。ところが、本実施形態で
は、導電粉を混入した接着剤等を用いるものと異なり、
線状導電体26によって、金属シム板22と圧電セラミ
ック素子23との間の確実な電気的導通を図りながら
も、接着剤27の厚い層により、圧電セラミック素子2
3を強固に接着しつつ圧電セラミック素子23に作用す
る応力の緩和を図ることができる。
【0029】この場合、後の試験結果の説明でも述べる
ように、特に本実施形態では、接着剤27の硬化後の硬
さを、ショアーDコードで80〜85の範囲内ここでは
83としたので、圧電セラミック素子23の剥がれ防止
及びクラックの発生防止に極めて高い効果を得ることが
でき、さらには、接着剤27の層の厚み寸法を、30〜
50μmの範囲ここでは35〜40μmとしたので、や
はり圧電セラミック素子23の剥がれ防止及びクラック
の発生防止に極めて高い効果を得ることができるもので
ある。
【0030】従って、本実施形態の圧電セラミック振動
子21によれば、半田付け部32における応力集中に起
因するクラックの発生を効果的に防止することができる
と共に、金属シム板22と圧電セラミック素子23との
間の接着面における接着剥がれやクラックの発生を効果
的に防止することができる。この結果、振動加速度を大
きくして高速搬送化を図るべく、過酷な条件下で使用さ
れる事情があっても、十分な耐久性を得ることができて
長寿命化を図ることができ、信頼性を向上させることが
できるものである。
【0031】図5は、本発明の第2の実施の形態(請求
項2,3,4に対応)に係る駆動素子たる圧電セラミッ
ク振動子41(後述する実施例2に相当)を示してい
る。このセラミック振動子41が上記第1の実施形態の
セラミック振動子21と異なる点は、銅箔31を設けず
に、圧電セラミック素子23の表面部(表面電極25)
にリード線30を直接的に半田付けしたところにある。
【0032】かかる構成においても、金属シム板22と
圧電セラミック素子23との間に、線状導電体26を設
けた状態で、硬化後の硬さがショアーDコードで83、
層の厚み寸法が35〜40μmの接着剤27により接着
したことにより、圧電セラミック素子23の剥がれ防止
及びクラックの発生防止に優れた効果を得ることができ
るものである。
【0033】さて、図6は、本発明者の行った圧電セラ
ミック振動子の加速寿命試験の条件(a)及び結果
(b)を示している。ここでは、図6(a)に示すよう
な、実施例1〜実施例6及び比較例1の7個の試料を用
いて試験を行った。これらは、金属シム板22と圧電セ
ラミック素子23との間の線状導電体26の有無、接着
剤27層の厚み寸法(30〜50μmの範囲に入るかど
うか)、接着剤27の硬化後の硬度(ショアーDコード
で80〜85の範囲に入るかどうか)、圧電セラミック
素子23の表面部に銅箔31を設けたかどうか、の4つ
の条件を夫々異ならせたものである。
【0034】具体的には、実施例1は、上記第1の実施
の形態に係る圧電セラミック振動子21であり(請求項
1,2,3,4の全てに対応)、実施例2は、上記第2
の実施の形態に係る圧電セラミック振動子41である
(請求項2,3,4に対応)。実施例3は、圧電セラミ
ック素子23の表面部に銅箔31を設けているが、線状
導電体26を設けなかったものである(請求項1に対
応)。実施例4は、銅箔31を設け且つ線状導電体26
を設けているが、接着剤27の層の厚さ(線状導電体2
6の厚さ)が上記範囲から大きい方に外れたものである
(請求項1,2,3に対応)。
【0035】実施例5は、銅箔31を設け且つ線状導電
体26を設けているが、接着剤の硬化後の硬度が上記範
囲から高い方に外れたものであり(請求項1,2,3に
対応)、実施例6は、銅箔31を設け且つ線状導電体2
6を設けているが、接着剤の硬化後の硬度が上記範囲か
ら低い方に外れたものである(請求項1,2,3に対
応)。そして、比較例1は、いずれの請求項からも逸脱
しており、銅箔31及び線状導電体26が存在せず、ま
た接着剤の厚み及び硬度も上記範囲から外れたものであ
る。
【0036】試験は、直径230mmの搬送ボウルを有す
るボウル型のパーツフィーダの駆動部に、現状品の2個
の圧電セラミック振動子と、各試料の2個の圧電セラミ
ック振動子とを組込み、4個の圧電セラミック振動子を
同時に駆動させて行った。この場合、共振振動周波数が
170Hz、最大駆動電圧が250Vrms の条件で連続
駆動を行い、試料の圧電セラミック素子に、クラック、
接着剥がれ、放電破壊等の異常が発生するまでの時間を
調べ、その時間から振動回数を計算した。この試験は、
各試料について複数回ずつ行い、その結果を図6(b)
に示す。図6(b)には、各試料について、異常発生時
までの振動回数の平均を太線で示し、試験結果のばらつ
きの範囲を破線の両矢印で示している。
【0037】この試験結果において、比較例1について
は、接着剥がれやクラック等各種の異常が発生し耐久性
にばらつきが最も大きかった。これに対し、実施例1で
は、耐久性に最も優れ、また、ばらつきも小さいもので
あった。銅箔31を設けなかった実施例2では、半田付
け部にクラックの発生が見られ、実施例1に比べて耐久
性に劣っていた。接着剤の層の厚み寸法が小さすぎるあ
るいは大きすぎる実施例3,4については、圧電セラミ
ック素子23の下部におけるクラックの発生が見られ
た。接着剤の硬度が大きい実施例5では、圧電セラミッ
ク素子23の下部における接着剥がれが見られ、接着剤
の硬度が小さい実施例6では、圧電セラミック素子23
の下部におけるクラックの発生が見られた。これら実施
例2〜6については、試験結果のばらつきは小さかっ
た。
【0038】この結果から明らかなように、銅箔31を
設けることによって、半田付け部32におけるクラック
の発生を効果的に防止することができる。一方、金属シ
ム板22と圧電セラミック素子23との間に、線状導電
体26を設けると共に、接着剤27の適度な硬度及び厚
み寸法で接着することにより、圧電セラミック素子23
の下部における接着剥がれやクラックの発生を効果的に
防止することができるものでる。
【0039】このとき、接着剤27の硬化後の硬さを、
ショアーDコードで80〜85とすることが、剥がれ防
止及びクラックの発生防止に最も効果があり、硬さが8
0を下回ると、圧電セラミック素子23の下部にクラッ
クが比較的発生しやすいものとなり、硬さが85を越え
ると、接着剥がれが比較的起こりやすくなる。また、接
着剤27の層の厚み寸法を、30〜50μmの範囲とす
ることが最も望ましく、その範囲をいずれの方向に越え
ても、圧電セラミック素子23の下部にクラックが比較
的発生しやすくなってしまうのである。
【0040】尚、上記した実施の形態では、金属シム板
22と圧電セラミック素子23との間に直線状に延びる
線状導電体26を設けるようにしたが、例えば、図7
(a)に示すように、斑点状に導電性樹脂を塗布して点
状の導電体42としても良く、あるいは図7(b)に示
すように、一部が破線状となった線状導電体43として
も良く、さらには、それらを組合わせた如きものとして
も良い。また、上記実施形態では、金属シム板22の両
面に圧電セラミック素子23を設けるようにしたが、本
発明は、金属シム板の片面に圧電セラミック素子を設け
るものにも適用することができる。
【0041】その他、金属シム板ではなく、板ばね材に
圧電セラミック素子を貼付けたものにあっても、導電箔
を介してリード線を半田付けすることにより所期の効果
を得ることができ、また、導電箔としては、銅箔31に
限らず各種材質のものを用いることができ、さらには、
圧電セラミック素子の材質や形状,各部の具体的寸法等
についても一例を示したに過ぎない等、本発明は要旨を
逸脱しない範囲内で、適宜変更して実施し得るものであ
る。
【0042】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の請求項1の搬送装置の駆動素子によれば、圧電セラミ
ック素子の表面部に、導電性粘着剤を介して導電箔を貼
付け、その導電箔にリード線を半田付けするようにした
ので、半田付け部分における応力集中に起因するクラッ
クの発生を効果的に防止し、ひいては耐久性の向上を図
ることができるという優れた効果を奏する。
【0043】また、本発明の請求項2の搬送装置の駆動
素子によれば、金属シム板と圧電セラミック素子との間
に、導電性樹脂を線状あるいは点状に配した状態で、導
電性樹脂の非塗布部分にて接着剤により接着するように
したので、それら両者間の接着面における接着剥がれや
クラックの発生を効果的に防止し、ひいては耐久性の向
上を図ることができるという優れた効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、圧電
セラミック振動子の断面図
【図2】圧電セラミック振動子の斜視図
【図3】金属シム板に圧電セラミック素子を貼付けた状
態の断面図
【図4】圧電セラミック素子の裏面部に線状導電体を設
けた様子を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図1相当図
【図6】試験条件(a)及び試験結果(b)を示す図
【図7】導電体の形態の2つの変形例を示す図4相当図
【図8】従来例を示すもので、パーツフィーダの概略的
正面図
【図9】パーツフィーダの概略的斜視図
【図10】図2相当図
【符号の説明】
図面中、21,41は圧電セラミック振動子(駆動素
子)、22は金属シム板、23は圧電セラミック素子、
26,43は線状導電体(導電性樹脂)、27は接着
剤、30はリード線、31は銅箔(導電箔)、32は半
田付け部、42は点状導電体(導電性樹脂)を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック素子の表面部に設けられ
    た電極に、リード線を接続して交流電圧を印加するよう
    にしたものであって、 前記圧電セラミック素子の表面部に、導電性粘着剤を介
    して導電箔を貼付けて前記電極を構成し、前記導電箔に
    前記リード線を半田付けしたことを特徴とする搬送装置
    の駆動素子。
  2. 【請求項2】 金属シム板の片面あるいは両面に圧電セ
    ラミック素子を貼付け、前記金属シム板と圧電セラミッ
    ク素子との間に交流電圧を印加するようにしたものであ
    って、 前記金属シム板と圧電セラミック素子との間に、導電性
    樹脂を線状あるいは点状に配した状態で、それら両者を
    前記導電性樹脂の非塗布部分にて接着剤により接着する
    ようにしたことを特徴とする搬送装置の駆動素子。
  3. 【請求項3】 前記接着剤の硬化後の硬さが、ショアー
    Dコードで80〜85であることを特徴とする請求項2
    記載の搬送装置の駆動素子。
  4. 【請求項4】 前記接着剤の層の厚み寸法が、30〜5
    0μmであることを特徴とする請求項2又は3記載の搬
    送装置の駆動素子。
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