JP2000076622A - 磁気ヘッド、その製造方法及び磁気再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、その製造方法及び磁気再生装置

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JP2000076622A
JP2000076622A JP10247456A JP24745698A JP2000076622A JP 2000076622 A JP2000076622 A JP 2000076622A JP 10247456 A JP10247456 A JP 10247456A JP 24745698 A JP24745698 A JP 24745698A JP 2000076622 A JP2000076622 A JP 2000076622A
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film
magnetic
soft magnetic
soft
films
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Akio Murata
明夫 村田
Sayuri Muramatsu
小百合 村松
Akio Kuroe
章郎 黒江
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、外部磁界によって高周波インピー
ダンスが変化することを利用して媒体の磁化情報を再生
する磁気ヘッドを提供すること。 【解決手段】 高Bs膜1aと高透磁率膜1bとからな
る主磁極膜1と、コア2と、主磁極膜を貫通する導体線
4と、導体線コイル3と、を有する。前記キャリア電流
導体線3に高周波キャリア電流が流れたときに上下磁性
膜のインダクタンスによって生じるインピーダンスが外
部磁化8の強度によって変化すると、外部磁化の変化が
逆起電圧の変化として電極端子5、6から取り出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像、音声、文字
等に関する情報が磁化の向きと強度等で記録された磁気
記憶媒体からその情報を読みとり再生する磁気ヘッド、
磁気ヘッドの製造方法及びこの磁気ヘッドを用いた磁気
再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ますます、情報記憶装置の高記録密
度化による小型化及び大容量化の要求が強くなってい
る。記憶装置の記憶容量が大きくなればなるほど、記録
情報へのアクセス速度や情報の転送速度などの高速化が
求められる。このような要求に対して、ハードディスク
装置では特開昭55−84020号公報に開示されてい
る様なインダクティブ型の薄膜磁気ヘッドを用いるもの
が主流になりつつある。前記薄膜磁気ヘッドは、以前か
らあるバルク型ヘッドに比べてインダクタンスが低く、
より高い周波数での記録再生ができる。
【0003】しかしながら、ハードディスク装置の小型
化にともなってディスク径が小さくなり、再生時の再生
ヘッドと媒体間の相対速度が低下するに従い、磁束応答
型の再生ヘッドが求められるようになってきた。そこで
磁束応答型であり且つ狭トラック化に対しても有利な、
単位トラック幅当たりの出力(感度)が高い磁気抵抗効
果素子(MR効果素子:Magneteto−Resi
stance effect element)を用い
たMR再生ヘッドが注目されている。実際には前記イン
ダクティブ型薄膜ヘッドと複合した形の複合型MRヘッ
ドが実用化されている。
【0004】また最近では、再生出力をさらに向上させ
るため、より大きな磁気抵抗効果を示す薄膜材料を用い
た巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用する複合型MRヘ
ッドの研究開発も盛んに行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】大容量記憶を実現する
ためには再生時の高い再生感度が重要であり、その点に
おいて複合型MRヘッドは有望である。しかしながら、
MR効果を磁気ヘッドの再生原理に用いる場合、MR効
果素子部の回りにはシールド膜や再生用のギャップが必
要であり、また磁気抵抗効果膜を単磁区化する必要があ
る。そのためヘッド構造は従来のインダクティブヘッド
よりかなり複雑である。
【0006】磁気ヘッドの構造が複雑になれば、それだ
け高度な製造技術が要求され、高い歩留まりを確保する
ことが難しくなることは言うまでもない。本発明は、上
記問題点に鑑み、比較的簡単な構造でかつ再生感度が従
来のインダクティブヘッドよりも優れた磁気ヘッドとそ
の製造方法及びこれを用いた記録再生装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドは、
絶縁物の基板の表面に、一端が、前記基板の記録媒体に
対向する面に露出するように、形成された第1の磁性膜
と、前記第1の軟磁性膜の表面に絶縁膜を介して形成さ
れ、一端が前記第1の磁性膜に磁気的に結合し、他端が
前記記録媒体に対向する面に露出している第2の軟磁性
膜と、前記第2の軟磁性膜の上において、端部が前記基
板の記録媒体に対向する面から離れるように形成された
第3の軟磁性膜と、前記第2及び第3の軟磁性膜の回り
に巻回され、両軟磁性膜に交流磁界を生成する第1の導
体膜と、前記第2及び第3の軟磁性膜の近傍に形成さ
れ、両軟磁性膜に直流バイアスされた交流磁界を生成す
る第2の導体膜と、前記第3の軟磁性膜の上に絶縁膜を
介して形成され、一端が前記第3の軟磁性膜に磁気的に
結合し、他端が前記記録媒体に対向する面に露出してい
る第4の軟磁性膜と、前記第1の導体膜の両端にそれぞ
れ接続され、第1の導体膜に交流電流を流すための一対
の第1の電極端子と、前記第2の導体膜の両端にそれぞ
れ接続され、第2の導体膜を流れる電流によって生じる
逆起電圧を出力するための一対の第2の電極端子と、を
備えたことを特徴とする。記録媒体の磁化に応じて、第
2及び第3の軟磁性膜に生じる磁束によって、第2及び
第3の軟磁性膜の透磁率が低下する。透磁率の低下によ
って第2の導体膜のインピーダンスが低下し、第2の電
極端子間の電圧も低下する。これにより磁化の変化を電
圧信号として取り出すことができる。
【0008】本発明の磁気再生方法は、絶縁物の基板の
表面に、一端が、前記基板の記録媒体に対向する面に露
出するように、形成された第1の磁性膜と、前記第1の
軟磁性膜の表面に絶縁膜を介して形成され、一端が前記
第1の磁性膜に磁気的に結合し、他端が前記記録媒体に
対向する面に露出している第2の軟磁性膜と、前記第2
の軟磁性膜の上において、端部が前記基板の記録媒体に
対向する面から離れるように形成された第3の軟磁性膜
と、前記第2及び第3の軟磁性膜の回りに巻回され、両
軟磁性膜に交流磁界を生成する第1の導体膜と、前記第
2及び第3の軟磁性膜の近傍に形成され、両軟磁性膜に
直流バイアスされた交流磁界を生成する第2の導体膜
と、前記第3の軟磁性膜の上に絶縁膜を介して形成さ
れ、一端が前記第3の軟磁性膜に磁気的に結合し、他端
が前記記録媒体に対向する面に露出している第4の軟磁
性膜と、前記第1の導体膜の両端にそれぞれ接続され、
第1の導体膜に交流電流を流すための一対の第1の電極
端子と、前記第2の導体膜の両端にそれぞれ接続され、
第2の導体膜を流れる電流によって生じる逆起電圧を検
出するための一対の第2の電極端子と、を備えた磁気ヘ
ッドにおいて、前記1対の電極端子を、直流バイアスさ
れた50MHz以上の高周波電流源に接続して通電しつ
つこの磁気ヘッドで磁気記録媒体上をトレースする。前
記磁気記録媒体からの漏洩磁界によって変化する前記高
周波の電圧信号を検出することにより前記磁気記録媒体
に記録された情報を高い感度で再生できる。
【0009】本発明の磁気ヘッド製造方法は、絶縁体か
らなる基板の表面に所定のパターンの第1の軟磁性膜を
形成するステップと、前記第1の軟磁性膜の上に絶縁膜
を介して第1の導体膜の半体を形成するステップと、前
記第1の軟磁性膜の一部を露出させ他の部分を覆う第1
の絶縁膜を形成するステップと、前記第1の絶縁膜と第
1の軟磁性膜の上に所定のパターンの高飽和磁束密度の
第2の軟磁性膜を形成するステップと、前記第1の軟磁
性膜に沿って線状の第2の導体膜を形成するステップ
と、前記第1の導体膜と第2の軟磁性膜の上に高透磁率
の第3の軟磁性膜を形成するステップと、前記第3の軟
磁性膜の上に絶縁膜を介して第1の導体膜の半体を形成
し、前記の半体と接続することにより、前記第2および
第3の軟磁性膜を取り巻く第1の導体コイルを形成する
ステップと、前記第1の導体膜と前記第2の導体コイル
とが各々接続された電極端子を形成するステップと、前
記第2の軟磁性膜の一部を露出させ他の部分を覆う第2
の絶縁膜を形成するステップと、前記第2の絶縁膜上に
前記所定のパターンの第4の軟磁性膜を形成するステッ
プと、前記電極端子と第1、第2、第3および第4の軟
磁性膜を保護するための絶縁膜を形成するステップと、
前記保護膜から前記電極端子が表面に露出させるための
加工をするステップと、を有することを特徴とする。各
軟磁性膜及び導体膜を薄膜で形成するので、構造が簡略
化されるとともに、製造工程の自動化が容易となり生産
の歩留まりが向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施例を
添付の図1ないし図9を参照して説明する。第1の実施
例は本発明の磁気ヘッドの構成とその再生方法に関する
ものであり、第2の実施例は本発明の磁気再生装置に関
するものであり、第3の実施例は本発明の磁気ヘッドの
製造方法に関するものである。
【0011】《第1実施例》本発明の第1の実施例を、
図1から図6を用いて以下に説明する。図1は、本発明
の磁気ヘッド200の平面図である。図2の(a)は、
図1の磁気ヘッド200のIIa−IIa断面図であり、図
2の(b)は磁気記録媒体に対向する面Fの正面図であ
る。図3は、図1の磁気ヘッド200が垂直磁気記録媒
体20に対向している状態を示す斜視図である。図4は
再生時における、磁気ヘッド200内の磁束の状態を示
す断面図である。図5は再生時の磁気ヘッドの等価回路
である。図6は、本実施例の磁気ヘッド200の再生原
理を示す図である。図1の平面図は、本実施例の磁気ヘ
ッドの基板である非磁性基板130の面上に配置され
た、各要素の形状及び配置位置を示すものであり、各要
素の概要を以下に説明する。非磁性基板130の面上
に、NiFe合金と絶縁膜の多層構造の軟磁性膜1a
と、Fe系の高Bs膜の軟磁性膜1bからなる主磁極1
が設けられている。いずれの膜も矢印Aで示す短尺方向
が容易軸となるように異方性が付されている。軟磁性膜
2a、2bからなる磁気コア2は、NiFe合金よりな
る高透磁率膜である。
【0012】導体コイル3は、主磁極1の周囲を巻回す
るように形成されたCu薄膜よりなる記録用の励磁コイ
ルである。導体線4は、後で詳しく説明するように、前
記導体コイル3の中に形成され、主磁極1を構成してい
る多層薄膜1aと高Bs膜1bとの間に挟まれ、矢印B
で示す長尺方向に長い形状を有する。導体線4は、導体
コイル3と同様にCu薄膜でもよいが、所定周波数での
インピーダンス値が所望の値になるように幅および長さ
が調整されていることが重要である。本実施例では導体
線4に高抵抗率を有するタンタル(Ta)薄膜を用いて
いる。導体コイル3の両端子は薄膜の接続線13a及び
13bを経て、それぞれ電極5及び6に接続されてい
る。また導体コイル4の両端子は薄膜の接続線4a及び
4bを経て、それぞれ電極71及び81に接続されてい
る。
【0013】図2を用いて、詳しく本実施例の磁気ヘッ
ドの構造を説明する。図2の(a)において、アルミナ
・チタンカーバイト等の基板100の面にアルミナの絶
縁膜300を形成したものを非磁性基板130という。
非磁性基板130の面に軟磁性膜2aを形成し、その上
に薄い絶縁膜52を設けた後、導体コイル3の半体とな
るコイル3aを設ける。コイル3aを有する軟磁性膜2
aの部分に酸化物膜53を設け、コイル3aを絶縁して
いる。酸化物膜53と軟磁性膜2aの上に軟磁性膜1a
を設け、その上に絶縁膜54を設けている。絶縁膜54
上の、コイル3aに対向する領域に導体線4を設けてい
る。導体線4の上に絶縁膜55を形成し、導体線4を含
む絶縁膜55上に高透磁率薄膜の軟磁性膜1bを設けて
いる。軟磁性膜1bの左端は磁気ヘッドの記録媒体に対
向する面Fから所定距離離れた位置にくるようになされ
ている。軟磁性膜1bの上に、絶縁膜56を介してコイ
ル3bを形成している。コイル3aと3bはそれぞれの
端部が接続され、1個の導体コイル3となる。導体コイ
ル3は、2の磁気ヘッドで記録を行うときに記録信号を
印加する記録用のコイルである。コイル3bを含む絶縁
膜56上に更に絶縁膜82を設けてコイル3bを絶縁す
る。絶縁膜82と高透磁率薄膜1bの上に高透磁率軟磁
性膜2bが設けられている。軟磁性膜2bの上には保護
膜400が設けられている。前記の軟磁性膜1aは高B
s膜で形成され、膜厚は約0.1μmである。また高透
磁率の軟磁性膜1bの膜厚は約0.7μmである。図2
の(b)は、図2の(a)の磁気ヘッドの、磁気記録媒
体への対向面Fの正面図である。図において対向面Fに
は軟磁性膜2a、1a、2bの端面が露出している。図
4は、磁気ヘッド200が磁気記録媒体20に対向して
いるときの磁束の状態を示す断面図である。矢印7は、
記録媒体20中に記録された媒体磁化をベクトル表示し
たものである。矢印9は、主磁極1が媒体磁化7に対向
している時、媒体磁化7からの漏洩磁界によって磁気コ
ア2の内部を通る磁束を示すものであり、以下磁束9と
表記する。
【0014】図5は磁気ヘッド200の等価回路であ
り、図1で示した磁気ヘッド200の導体線4を等価的
にインピーダンス素子29によって表している。抵抗R
1及びR2は、それぞれ接続線4a、4bの直流抵抗で
ある。キャリア信号発生器22は、インピーダンス素子
29に交流の定電流を流すための回路であり、直流バイ
アスを印加するための直流電流30が直列に接続されて
いる。
【0015】前記のように構成された磁気ヘッドの再生
動作を以下に説明する。図4に示した様に、磁気ヘッド
の主磁極1が記録媒体20の磁化7に対向している時、
磁束9が主磁極1と磁気コア2を通り、主磁極1は磁束
9によって磁化される。その結果、主磁極1の透磁率は
低下する。主磁極1の透磁率が低下すると、主磁極1を
貫通する導体線4すなわち、図5におけるインピーダン
ス素子29のインピーダンスが低下する。このインピー
ダンスは主磁極1の透磁率に比例する。このとき導体線
4に高周波の定電流が流れていると、端子71と81と
の間にはインピーダンス素子29のインピーダンスに比
例した電圧Vが発生する。従って端子71と81との間
の出力電圧は、磁束9の密度すなわち磁化7の強さに比
例することになり、磁束応答型の再生が行われる。出力
電圧値を大きくするには、インピーダンスを大きくする
のが好ましい。また磁界応答性が高いことが望まれる。
従って、磁気コア2の透磁率が高い範囲でできるだけ高
い周波数を用いるのが好ましい。
【0016】図6は、磁束(Hex)と再生電圧(V)
の関係を示すグラフである。このグラフは、磁気ヘッド
200と磁気記録媒体20が図4に示したような位置関
係にあり、磁気記録媒体20が移動して媒体の磁化7か
ら極性が変化する漏洩磁界が磁気ヘッドの主磁極1に印
加されている場合において、主磁極1に直流バイアス磁
界Hbを加えたときに出力される再生電圧波形を示した
ものである。図6に示したように、直流バイアス磁界H
bが加わっている場合は、磁化7の変化が大きな出力電
圧(V)の変化として現れる。直流バイアス磁界Hbの
印加方法としては、例えば、導体線4を流れる交流電流
に直流電源30により直流電流を重畳しても良い。この
場合は、図5で示したように直流電源30を高周波発振
器22に直列に接続すれば良い。以上説明したように、
本発明の磁気ヘッドは、従来のMR複合ヘッドに比べて
比較的簡単な構成で磁束応答型の再生ヘッドが得られ
る。 《第2実施例》
【0017】本発明の第2の実施例について、図7を用
いて以下に説明する。図7は、本発明の磁気再生装置の
構成を示すブロック図である。図7では、本発明の磁気
ヘッド200の再生機能を有する部分のみを示してい
る。導体線4の端子71、81はAM検波器46に接続
されている。AM検波器46は外部磁化7の漏洩磁界に
よって生じるインピーダンス変化に応じて導体線4に生
じるAM変調された逆起電圧を検波し出力する。高周波
の定電流源である高周波発振器22は、端子71及び8
1間に接続され、導体線4に振幅一定の高周波キャリア
電流を流す。AM検波器46の出力端は再生アンプ47
の入力端に接続され、検波出力が増幅される。再生アン
プ48の出力端は復調回路48の入力端に接続され再生
された電圧波形から例えば1や0で表現されるようなデ
ジタル再生信号を取り出す。
【0018】以下に再生動作の具体例を説明する。磁気
ヘッド200の電極71、81に高周波発振器22が接
続され、例えば1200MHzの一定振幅の高周波電流
がインピーダンス素子29に流されている。図4に示す
ように外部磁化7が主磁極1の近傍に有るとき、その漏
洩磁界によって図7に示した導体線4のインピーダンス
が変化する。インピーダンスの変化による出力電圧の変
化を図6を用いてさらに詳しく説明する。図6におい
て、横軸は磁気ヘッド200の主磁極1の磁束Hexを
示す。縦軸は導体線4の出力電圧を示し、曲線Cは磁束
−出力電圧特性を示す。導体線4に直流電源30から直
流電流を流して適当な直流バイアス磁界Hbを印加して
動作点Kが磁束−出力電圧特性の傾斜部の中央付近にく
るようにする。記録媒体20の外部磁化7からの漏洩磁
界の強度と方向に応じて主磁極1の磁束Hsigは、磁
束HaとHcの間で変化する。この磁束変化によって、
導体線4のインピーダンスが変化する。
【0019】導体線4には定電流源の高周波発振器22
から高周波キャリア電流が流れているので、導体線4の
インピーダンス変化により、その両端子71と81間に
前記キャリア周波数がAM変調された電圧が現れる。す
なわち端子71及び81間の高周波電圧は、導体線4の
インピーダンス変化に応じて変化する。この高周波電圧
はAM検波器46に入力されて検波され、図6に放絡線
Lで示す再生出力が得られる。 《第3実施例》
【0020】本発明の第3の実施例として、図8及び図
9を用いて本発明の磁気ヘッドの製造方法を説明する。
図8及び図9は磁気ヘッドの断面図であり、各断面図の
左側のかっこ付の数値(1)ないし(9)は各工程(ス
テップ)を示す。
【0021】工程(1):厚さ1〜2mm(本実施例で
は1mm)のアルミナ・チタンカーバイド(AlTi
C)基板100上に厚さ約50μmのアルミナ膜300
を被着し表面を鏡面加工する。 工程(2):アルミナ膜300上にNiFe合金をスパ
ッタ形成した後にイオンミリング処理して軟磁性膜2a
を形成する。軟磁性膜2a上に薄い絶縁膜52を形成
し、その上に導体コイル3の半体となるCu膜のコイル
3aをスパッター法で形成し、イオンミリング処理で所
定の線状のパターンにする。 工程(3):前記励磁用コイル3aを覆って絶縁する酸
化物の絶縁膜53を設け、スパッタ法とミリング法とで
表面の平坦化処理を施す。
【0022】工程(4):絶縁膜53と軟磁性膜2aの
上に軟磁性膜1aを飽和磁束密度の特に高いFe系の薄
膜で形成する。 工程(5):軟磁性膜1aの上にアルミナの絶縁膜54
を形成し、アルミナ膜54の上に矢印Bの方向(長尺方
向)の長さが、紙面に垂直な方向(短尺方向)の長さの
2〜3倍である導体線4を形成する。導体線4はタンタ
ル(Ta)をスパッタリングしてTa膜を形成した後に
イオンミリング処理で軟磁性膜1aの長尺方向に沿った
帯状のパターンに形成する。この工程では、導体線4の
1200MHzでのインピーダンスが50オームになる
ように、Ta膜の厚みと短尺方向の幅が調整される。
【0023】次に図9に示す工程(6)ないし(9)に
続く。 工程(6):前記導体線4の上にスパッタ法でNiFe
合金からなる高透磁率の軟磁性膜1bを形成し、イオン
ミリング処理で図1に示す形状に形成する。 工程(7):高透磁率の軟磁性膜1bの上に薄い絶縁膜
55を設け、その上にスパッタ法によってCu膜からな
る導体コイル3の半体のコイル3bを形成する。コイル
3bは工程(3):で形成したコイル3aと各端部にお
いて接続されるようにイオンミリング処理で図1に示す
形状に形成される。 工程(8):絶縁膜55とコイル3bの上に酸化物の絶
縁膜81を設け、コイル3bを絶縁するとともに、面を
平坦にする。絶縁膜81はスパッタ法で形成され、平坦
化処理の後にイオンミリング処理でパターンを形成す
る。平坦化された絶縁膜81の上にNiFe合金をスパ
ッタして高透磁率軟磁性膜2bを設ける。高透磁率軟磁
性膜2bは図の右端部で高透磁率薄膜1bの右端部に接
しており、主磁極1のリターンパスコアとなる。この工
程のパターンの形成はイオンミリング処理で行ってい
る。
【0024】工程(9):上記の各工程で形成した薄膜
を保護するために保護膜400を形成する。保護膜40
0は、酸化物の膜であってスパッタ法で形成する。電極
端子5、6、71及び81の形成方法については、図示
及び説明を省略するか基本的には、Cuの膜であるコイ
ル3a及び3bあるいは導体膜4を形成する際に同時に
形成すればよい。電極端子5、6、71、81の厚膜化
された部分のみを保護膜400の表面に露出させるため
には、前記の酸化物の絶縁保護膜400をラッピングな
どの処理によって平坦化して、各電極端子5、6、7
1、81を露出させる。 上記の磁気ヘッドの製造方法において、各膜の成膜法お
よび材質は、ここに記載したものに限られるものではな
い。
【0025】軟磁性膜2a及び高透磁率膜2bとして
は、例えばCo系のアモルファス膜でも良いし、Fe系
の膜でも良い。また製法も、蒸着、スパッタリング、メ
ッキ等様々な薄膜の製法を用いることができる。さら
に、高周波での透磁率を高めるために多層化したり、異
方性の調整なども、必要に応じて行えばよいことは言う
までもない。さらに基板の材質や保護膜の材質及び製法
も本実施例に限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】以上各実施例について詳細に説明したと
ころから明らかなように、本発明の磁気ヘッドは次の効
果を有する。すなわち、従来のインダクティブヘッドや
従来のMRヘッドよりも簡単な構造なので製造工程もよ
り単純であって、比較的高い歩留まりを確保しやすく、
量産性に優れている。さらに、再生感度の高い磁気イン
ピーダンス効果により再生が行われるので、より一層の
高記録密度化がはかれる。さらに磁束応答型なので、記
録再生装置の小型化により磁気ヘッドに対する記録媒体
の走行速度が低下しても、再生出力が低下することはな
く、高い再生感度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの平面図
【図2】(a)図1の磁気ヘッドのA−A断面図 (b)本発明の磁気ヘッドの磁気記録媒体への対向面を
示す正面図
【図3】本発明の磁気再生装置における磁気ヘッドと媒
体の配置を示す斜視図
【図4】本発明の磁気ヘッドと媒体中の記録磁化との関
係を示す側断面図
【図5】本発明の磁気ヘッドの等価回路
【図6】本発明の磁気再生の原理を説明する波形図
【図7】本発明の磁気再生装置のブロック図
【図8】本発明の磁気ヘッドの製造法の工程を示す断面
【図9】本発明の磁気ヘッドの製造法の図8に続く工程
を示す断面図
【符号の説明】
1 主磁極 1a 軟磁性膜 1b 軟磁性膜 2 磁気コア 2a 軟磁性膜 2b 軟磁性膜 3 導体コイル 4 導体線 5、6、 電極端子 7 外部磁化 9 磁性膜中の磁束 20 磁気ディスク 29 インピーダンス素子 71、81 本発明の磁気ヘッドの電極端子 22 高周波定電流源 46 AM検波器 47 再生アンプ 48 再生信号処理回路 52、53、54、55、56 絶縁膜 100 基板 200 磁気ヘッド 300 絶縁膜 400 絶縁保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒江 章郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D031 AA10 BB01 DD11 5D091 AA08 BB06 CC11 DD04 DD05 DD09 DD20 GG33 HH20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁物の基板の表面に、一端が、前記基
    板の記録媒体に対向する面に露出するように、形成され
    た第1の磁性膜と、 前記第1の軟磁性膜の表面に絶縁膜を介して形成され、
    一端が前記第1の磁性膜に磁気的に結合し、他端が前記
    記録媒体に対向する面に露出している第2の軟磁性膜
    と、 前記第2の軟磁性膜の上において、端部が前記基板の記
    録媒体に対向する面から離れるように形成された第3の
    軟磁性膜と、 前記第2及び第3の軟磁性膜の回りに巻回され、両軟磁
    性膜に交流磁界を生成する第1の導体膜と、 前記第2及び第3の軟磁性膜の近傍に形成され、両軟磁
    性膜に直流バイアスされた交流磁界を生成する第2の導
    体膜と、 前記第3の軟磁性膜の上に絶縁膜を介して形成され、一
    端が前記第3の軟磁性膜に磁気的に結合し、他端が前記
    記録媒体に対向する面に露出している第4の軟磁性膜
    と、 前記第1の導体膜の両端にそれぞれ接続され、第1の導
    体膜に交流電流を流すための一対の第1の電極端子と、 前記第2の導体膜の両端にそれぞれ接続され、第2の導
    体膜を流れる電流と前記第2及び第3の軟磁性膜とによ
    って生じる逆起電圧を出力するための一対の第2の電極
    端子と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第3の軟磁性薄膜は第3の軟磁性膜
    を通る磁束の方向に直交する方向に異方性が付与されて
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2及び第3の軟磁性薄膜は第2及
    び第3の軟磁性膜を通る磁束の方向に直交する方向に異
    方性が付与されていることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第2の軟磁性膜は、第1、第3、第
    4の軟磁性膜よりも飽和磁束密度が高くなされているこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第3の磁軟磁性膜は、第1、第2、
    第4の軟磁性膜よりも透磁率が高くなされていることを
    特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第2の導体膜は第2の軟磁性膜に並
    行するように形成されていることを特徴とする特許請求
    項1記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第1の導体膜は螺旋状であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第2の導体膜は、第2の導体膜に接
    続された両電極端子間の所定周波数におけるインピーダ
    ンスが所定値になるように調整されていることを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 絶縁物の基板の表面に、一端が、前記基
    板の記録媒体に対向する面に露出するように、形成され
    た第1の磁性膜と、 前記第1の軟磁性膜の表面に絶縁膜を介して形成され、
    一端が前記第1の磁性膜に磁気的に結合し、他端が前記
    記録媒体に対向する面に露出している第2の軟磁性膜
    と、 前記第2の軟磁性膜の上において、端部が前記基板の記
    録媒体に対向する面から離れるように形成された第3の
    軟磁性膜と、 前記第2及び第3の軟磁性膜の回りに巻回され、両軟磁
    性膜に交流磁界を生成する第1の導体膜と、 前記第2及び第3の軟磁性膜の近傍に形成され、両軟磁
    性膜に直流バイアスされた交流磁界を生成する第2の導
    体膜と、 前記第3の軟磁性膜の上に絶縁膜を介して形成され、一
    端が前記第3の軟磁性膜に磁気的に結合し、他端が前記
    記録媒体に対向する面に露出している第4の軟磁性膜
    と、 前記第1の導体膜の両端にそれぞれ接続され、第1の導
    体膜に交流電流を流すための一対の第1の電極端子と、 前記第2の導体膜の両端にそれぞれ接続され、第2の導
    体膜を流れる電流と前記第2及び第3の軟磁性膜とによ
    って生じる逆起電圧を検出するための一対の第2の電極
    端子と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘッドの再生方法であっ
    て、 前記1対の第2の電極端子を、直流バイアスされた50
    MHz以上の高周波の電流源に接続して前記磁気ヘッド
    に高周波電流を流すステップ、 磁気ヘッドに対向する磁気記録媒体からの漏洩磁界によ
    って生じる前記第2の電極端子間の逆起電圧の変化を検
    出することにより、前記磁気記録媒体に記録された情報
    を再生するステップ、 を有する磁気再生方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項1から6に記載されたいず
    れかの磁気ヘッドと、 ディスク状磁気記録媒体と、 前記磁気ヘッドに直流バイアス磁界を印加するバイアス
    磁界印加手段と、 を備えたことを特徴とする磁気再生装置。
  11. 【請求項11】 絶縁体からなる基板の表面に所定のパ
    ターンの第1の軟磁性膜を形成するステップと、 前記第1の軟磁性膜の上に絶縁膜を介して第1の導体膜
    の半体を形成するステップと、 前記第1の軟磁性膜の一部を露出させ他の部分を覆う第
    1の絶縁膜を形成するステップと、 前記第1の絶縁膜と第1の軟磁性膜の上に所定のパター
    ンの高飽和磁束密度の第2の軟磁性膜を形成するステッ
    プと、 前記第1の軟磁性膜に沿って線状の第2の導体膜を形成
    するステップと、 前記第1の導体膜と第2の軟磁性膜の上に高透磁率の第
    3の軟磁性膜を形成するステップと、 前記第3の軟磁性膜の上に絶縁膜を介して第1の導体膜
    の半体を形成し、前記の半体と接続することにより、前
    記第2および第3の軟磁性膜を取り巻く導体コイルを形
    成するステップと、 前記導体コイルと前記第2の導体膜とが各々接続された
    電極端子を形成するステップと、 前記第3の軟磁性膜の一部を露出させ他の部分を覆う第
    2の絶縁膜を形成するステップと、 前記第2の絶縁膜上に前記所定のパターンの第4の軟磁
    性膜を形成するステップと、 前記電極端子と第1、第2、第3および第4の軟磁性膜
    を保護するための絶縁膜を形成するステップと、 前記保護膜から前記電極端子を露出させるための加工を
    するステップと、 を有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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