JP2000075217A - コンフォーカル顕微鏡、および受光素子 - Google Patents

コンフォーカル顕微鏡、および受光素子

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JP2000075217A
JP2000075217A JP10245612A JP24561298A JP2000075217A JP 2000075217 A JP2000075217 A JP 2000075217A JP 10245612 A JP10245612 A JP 10245612A JP 24561298 A JP24561298 A JP 24561298A JP 2000075217 A JP2000075217 A JP 2000075217A
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Juichi Yoneyama
寿一 米山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、コンフォーカル顕微鏡、およびコ
ンフォーカル顕微鏡の用途に特に適する受光素子に関
し、従来必要であった高い駆動電圧を不要にしつつ、十
分な信号対雑音比を得ることを目的とする。 【解決手段】 光源と、光源からの光を試料に照射する
照明光学系と、試料からの放射光を集光する集光光学系
と、放射光を受光する受光素子とを備えたコンフォーカ
ル顕微鏡において、受光素子は、放射光を光電変換する
受光部と、受光部の近くに設けられ、制御領域の蓄積電
荷に対応した信号出力を出力する増幅部と、受光部に生
成される信号電荷を、増幅部の制御領域へ転送する電荷
転送回路と、増幅部の制御領域をリセットするリセット
回路と、制御領域のリセット期間に増幅部から出力され
るリセット電位を保持し、リセット電位と増幅部の信号
出力との差分を出力する差分回路とを備えてコンフォー
カル顕微鏡を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンフォーカル顕
微鏡、およびコンフォーカル顕微鏡の受光用途に特に適
した受光素子に関する。特に、本発明は、入力光子数が
十数個以上の微弱光を受光する環境下において、光電変
換の信号対雑音比を高める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料に向けてスポット光を走査
し、試料からの放射光をピンホールを介して逐次検出す
るコンフォーカル(共焦点)顕微鏡が知られている。こ
の種のコンフォーカル顕微鏡では、試料の特定の深さか
ら放射された光が、ピンホールの孔に集光して、そのま
ま通過する。一方、それ以外の深さからの放射光は、ピ
ンポールの位置で広がり遮蔽される。その結果、試料を
特定の深さでスライスした状態の拡大断面像を得ること
ができる。
【0003】このようなコンフォーカル顕微鏡は、細胞
などの生物試料の観察によく使用される。これらの生物
試料の場合、試料から放射される光は、微弱な蛍光とな
る。コンフォーカル顕微鏡は、この微弱な蛍光を、ピン
ホールを介して光量が制限された状態で検出する。した
がって、コンフォーカル顕微鏡では、受光感度の特に高
い受光素子を使用する必要があった。そのため、従来の
コンフォーカル顕微鏡では、光電子増倍管(以下「PM
T」という)、あるいはアバランシェ・ホトダイオード
(以下「APD」という)のどちらかが使用されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のPM
Tは、一種の真空管である。そのため、 (1)形状が大きい (2)1000V程度の高電圧を印加する必要がある (3)高価である といった不具合があった。
【0005】また、一方のAPDには、 (1)100V程度の高いバイアス電圧が必要となる (2)周辺温度に依存してバイアス電圧を細かく変更す
る必要がある (3)高集積化が困難である などの不具合があった。
【0006】一方、ホトダイオードなどの通常の受光素
子を使用すれば、上記のような不具合を解消することが
できる。しかしながら、通常の受光素子では、微弱光を
受光する環境下において、十分な信号対雑音比を得るこ
とができなかった。そのため、コンフォーカル顕微鏡の
ように微弱光を受光する環境下では、上記の不具合があ
るにもかかわらず、PMTもしくはAPDを使用せざる
を得なかった。
【0007】そこで、請求項1,2に記載の発明では、
PMT,APDを使用せずに、微弱光を受光する環境下
において、十分な信号対雑音比を得ることが可能なコン
フォーカル顕微鏡を提供することを目的とする。また、
請求項3〜5に記載の発明では、コンフォーカル顕微鏡
の走査速度を高速化するなどの用途に特に適した受光素
子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(請求項1)請求項1に
記載の発明は、光源と、光源からの光を集光し、試料に
照射する照明光学系と、試料からの放射光を集光する集
光光学系と、集光光学系を介して集光された放射光を受
光する受光素子とを備えたコンフォーカル顕微鏡におい
て、受光素子は、放射光を光電変換して信号電荷を蓄積
する受光部と、受光部の近くに設けられ、電荷を蓄積す
る制御領域を有し、該制御領域の蓄積電荷に対応した信
号出力を出力する増幅部と、受光部に生成される信号電
荷を、増幅部の制御領域へ転送する電荷転送回路と、増
幅部の制御領域をリセットするリセット回路と、制御領
域のリセット期間に増幅部から出力されるリセット電位
を容量性インピーダンスに保持し、保持したリセット電
位と増幅部の信号出力との差分を出力する差分回路とを
備えて構成されることを特徴とする。
【0009】このような構成では、受光素子の受光部
に、PMTやAPDなどを使用しない。そのため、高い
駆動電圧が必要になるなどの従来の不具合は解消され
る。したがって、残る問題点は、微弱光を検出する環境
下において、本発明の受光素子が、十分な信号対雑音比
を得ることが可能か否かである。以下、この点について
詳細に説明する。
【0010】<従来のPMTの信号対雑音比>まず最初
に、従来のPMTの信号対雑音比について説明する。図
8は、PMTの等価回路(ノイズモデル)を示す図であ
る。ここで、受光部91に対する単位時間(サンプリン
グ時間)当たりの入力光子数をSiとし、受光部91の
量子効率をEpとすると、受光部91における発生電子
数Spは、 Sp=Ep・Si ・・・[式1] となる。
【0011】さらに、負荷抵抗92をRとし、増倍部9
3の電流増倍率をGとし、サンプリング周波数をFと
し、電子電荷をQとすると、出力される信号電圧Svp
は、 Svp=G・Ep・Si・Q・F・R ・・・[式2] となる。一方、ショット雑音により受光部91に発生す
る雑音電子数Npは、発生電子数Spの平方根となるの
で、 Np=√(Ep・Si) ・・・[式3] となる。
【0012】この雑音電子数Npは、信号電荷と同様に
増倍されて出力されるため、ショット雑音による出力雑
音電圧Nv(実効値)は、 Nv=G・Q・F・R・√(Ep・Si) ・・・[式4] となる。一方、ボルツマン定数をkとし、絶対温度をT
とし、出力信号の帯域幅をBとすると、負荷抵抗92の
熱雑音による出力雑音電圧Nr(実効値)は、 Nr=√(4・k・T・B・R) ・・・[式5] となる。
【0013】また、増倍部93の雑音密度をVnとする
と、増倍部93のアンプ雑音による出力雑音電圧Na
(実効値)は、 Na=Vn・√(B) ・・・[式6] となる。これらの出力雑音電圧Nv,Nr,Naの二乗
平均(電力和)を求めることにより、総合的な出力雑音
電圧Nt(実効値)は、 Nt=√[(G・Q・F・R)2・Ep・Si+4・k・T・B・R+B・Vn2 ] ・・・[式7] となる。
【0014】なお、PMTの電流増倍率Gは十分に大き
いので、[式7]の出力雑音電圧N tは、 Nt≒√[(G・Q・F・R)2・Ep・Si] ・・・[式8] ≒G・Q・F・R・√(Ep・Si) に近似することができる。
【0015】この[式8]からもわかるように、PMT
の出力雑音電圧Ntには、ショット雑音の成分が支配的
に現れる。以上の結果から、PMTの信号対雑音比SN
pは、 SNp=Svp/Nt ≒√(Ep・Si) ・・・[式9] となる。
【0016】<本発明の信号対雑音比>次に、本発明の
信号対雑音比について説明する。まず、受光部に対する
単位時間(サンプリング時間)当たりの入力光子数をS
iとし、受光部の量子効率をEsとすると、信号電荷の
発生電子数Ssは、 Ss=Es・Si ・・・[式10] となる。なお、受光部の量子効率は、PMTなどの従来
管に比べ、半導体センサの方が一般的に高い。
【0017】ところで、本発明のようにリセット回路を
有する受光素子では、リセット回路を非導通にした瞬間
に、リセット回路の熱雑音電流が保持されて、制御領域
のリセット電位が変動する(いわゆるKTC雑音)。し
かしながら、本発明では増幅部の出力段に、差分回路
(容量性インピーダンス)を設けているので、リセット
電位を差し引いて、KTC雑音を無視できる程度に低減
することができる。
【0018】一方、受光部で発生するショット雑音と、
信号電荷の読み出し過程で発生する雑音(アンプ雑音や
種々の熱雑音など)は、信号電荷に直接混入するため、
無視することができない。これらの信号電荷に直接混入
する雑音を、受光部における等価雑音電子数Nsに換算
して表すと、 Ns=√(Es・Si+Ne2) ・・・[式11] となる。なお、上式中の第1項はショット雑音の成分で
ある。または第2項中のNeは、信号電荷の読み出し過
程で混入する雑音を、受光部における雑音電子数に入力
換算した値である。したがって、本発明における信号対
雑音比SNsは、 SNs=Ss/Ns =Es・Si/√(Es・Si+Ne2) ・・・[式12] となる。
【0019】<本発明の信号対雑音比が、従来の信号対
雑音比を上回る条件>上述した[式9]および[式1
2]から、本発明の信号対雑音比が、従来の信号対雑音
比を上回る条件式は、 Es・Si/√(Es・Si+Ne2) > √(Ep
・Si) となる。
【0020】ここで、 量子効率の条件: Es>Ep ・・・[式13] を仮定して、上式を入力光子数Siについて変形する
と、 入力光子数の条件: Si>Ne2・Ep/Es(Es−Ep) ・・・[式14] を得る。
【0021】したがって、量子効率の条件(式13)お
よび入力光子数の条件(式14)を満足する環境下にあ
っては、本発明のコンフォーカル顕微鏡の方が、PMT
使用のコンフォーカル顕微鏡よりも高い信号対雑音比を
得ることができる。ちなみに、後述する第1の実施形態
では、入射光の波長が500nm以上あるいは200n
m以下であるとして、 Ep=0.2 , Es=0.8, Ne=6 を達成している。
【0022】この場合、量子効率の条件(式13)を満
足し、かつ入力光子数の条件(式14)の右辺値は、1
5個となる。したがって、入力光子数15個以上の微弱
光を受光する環境下において、本発明のコンフォーカル
顕微鏡は、従来以上の高い信号対雑音比を得ることが可
能となる。以上説明したように、本発明のコンフォーカ
ル顕微鏡では、受光素子用の高い駆動電圧を一切不要と
し、さらに上記条件(式13,式14)を満たす環境下
において、PMT使用のコンフォーカル顕微鏡よりも高
い信号対雑音比を達成することが可能となる。
【0023】(請求項2)請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載のコンフォーカル顕微鏡において、増幅部
の出力段と容量性インピーダンスとの間に、容量性イン
ピーダンスに電流供給するためのバッファアンプを備え
たことを特徴とする。一般に、増幅部の出力段は、容量
性インピーダンスを高速駆動するため、十分な電流供給
能力を備えなければならない。そのため、増幅部のスペ
ースを比較的大きくとる必要があった。
【0024】しかしながら、上記構成ではバッファアン
プを別途備えるため、増幅部の出力段の電流供給能力を
無理なく下げることができる。その結果、増幅部の面積
が縮小され、制御領域の蓄積容量Cgが下がる。この場
合、信号電荷の電荷量qに対して、制御領域の信号電位
(q/Cg)がより大きく発生するようになる。
【0025】このように制御領域の信号電位が大きくな
ると、後段における雑音の影響を一様に低減することが
できる。これは、入力光子数の条件(式14)中の等価
雑音電子数Neが小さくなることに該当し、請求項1よ
りも条件が一段と緩和される。したがって、請求項2の
コンフォーカル顕微鏡では、入力光子数の更に少ないよ
うな環境下において、PMT使用のコンフォーカル顕微
鏡よりも高い信号対雑音比を達成することが容易に可能
となる。
【0026】(請求項3)請求項3に記載の発明は、受
光面上に細分化して設けられ、入射光を光電変換して信
号電荷を蓄積する複数個の受光部と、受光部ごとに設け
られ、電荷を蓄積する制御領域を有し、該制御領域の蓄
積電荷に対応した信号出力を出力する複数個の増幅部
と、受光部ごとに設けられ、受光部に生成される信号電
荷を増幅部の制御領域へそれぞれ転送する複数個の電荷
転送回路と、増幅部ごとに設けられ、増幅部の制御領域
をリセットする複数個のリセット回路と、増幅部の出力
段ごとに設けられ、制御領域のリセット期間に増幅部か
ら出力されるリセット電位を容量性インピーダンスに保
持し、保持したリセット電位と増幅部の信号出力との差
分を出力する複数個の差分回路と、複数個の差分回路の
出力を加算する加算回路とを備え、受光部の細分化によ
り、受光部から制御領域への電荷転送時間を短縮したこ
とを特徴とする。
【0027】一般に、受光部の受光面積を拡大すること
により、受光素子の受光効率を容易に高めることができ
る。しかしながら、このような効率アップ対策では、受
光面の拡大に伴って信号電荷の平均路程が長くなるた
め、電荷転送時間が長くかかるようになる。そのため、
このような受光素子をコンフォーカル顕微鏡のような画
像走査を行う用途に使用した場合、1画像当たりの読み
出し時間が遅くなるなどの不具合が生じる。
【0028】しかしながら、請求項3の受光素子では、
受光部を細分化し、各受光部ごとに電荷転送回路を設け
る。また、加算回路は、各電荷転送回路からの信号を加
算して、総合的な受光出力を生成する。このような構成
では、受光面を拡大しても、受光部の一つ一つが細分化
されているため、信号電荷の平均路程を短く抑えること
ができる。したがって、請求項3の受光素子では、受光
面を拡大して受光効率を高め、その上さらに受光素子の
応答速度を高速化するという相反した課題を一度に解決
することが可能となる。
【0029】(請求項4)請求項4に記載の発明は、請
求項3に記載の受光素子において、複数の受光部から信
号出力を選択して取り出す出力選択回路を備えたことを
特徴とする。このような出力選択回路を用いて、画素単
位やライン単位に出力を取り出すことが可能となる。し
たがって、請求項4の受光素子を、撮像素子やラインセ
ンサなどの用途に使用することも可能となる。
【0030】(請求項5)請求項5に記載の発明は、入
射光を光電変換して信号電荷を蓄積する受光部と、電荷
を蓄積する制御領域を有し、該制御領域の蓄積電荷に対
応した信号出力を出力する増幅部と、受光部の近くに分
散して配置され、受光部に生成される信号電荷を、複数
の転送経路を介して増幅部の制御領域へ転送する複数個
の電荷転送回路と、増幅部の制御領域をリセットするリ
セット回路と、制御領域のリセット期間に増幅部から出
力されるリセット電位を容量性インピーダンスに保持
し、保持したリセット電位と増幅部の信号出力との差分
を出力する差分回路とを備え、転送経路の複路化によ
り、受光部から制御領域への電荷転送時間を短縮したこ
とを特徴とする。
【0031】一般に、受光部の受光面積を拡大すること
により、受光素子の受光効率を容易に高めることができ
る。しかしながら、このような効率アップ対策では、受
光面の拡大に伴って信号電荷の平均路程が長くなるた
め、電荷転送時間が長くかかるようになる。そのため、
このような受光素子をコンフォーカル顕微鏡のような光
学像を走査する用途に使用した場合、1画像当たりの読
み出し時間が遅くなるなどの不具合が生じる。
【0032】しかしながら、請求項5の受光素子では、
受光部の近くに複数の電荷転送回路を分散配置して、信
号電荷の転送経路を複路化する。このような構成では、
受光面を拡大しても、信号電荷の転送経路が複数用意さ
れているため、信号電荷の平均路程を短く抑えることが
できる。したがって、請求項5の受光素子では、受光面
を拡大して受光効率を高め、その上さらに受光素子の応
答速度を高速化するという相反した課題を一度に解決す
ることが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。
【0034】<第1の実施形態>第1の実施形態は、請
求項1,2に記載の発明に対応した実施形態である。図
1は、第1の実施形態におけるコンフォーカル顕微鏡1
1の構成を示す図である。図1において、レーザー光源
12の光路上には、ビームエキスパンダ13、ダイクロ
イックミラー14を間に介して、XY走査ユニット15
が配置される。このXY走査ユニット15の後には、さ
らにリレーレンズ16、凸レンズ17、凹レンズ18、
対物レンズ19が順に配置される。
【0035】また、ダイクロイックミラー14の反射光
路側には、集光レンズ21、ピンホール22およびダイ
クロイックミラー23が配置される。このダイクロイッ
クミラー23の一方の分岐先には受光素子24が配置さ
れ、もう一方の分岐先には受光素子25が配置される。
これらの受光素子24,25の出力端子は、A/D変換
回路26を介してフレームメモリ回路27に接続され
る。このフレームメモリ回路27のデータ出力端子は、
画像処理回路28を介してモニタ29に接続される。
【0036】図2は、上述した受光素子24,25の内
部回路を示す図である。図2において、受光面上にホト
ダイオードPDが形成される。このホトダイオードPD
のカソードには電源電圧Vddが印加され、アノードに
は、電荷転送用のMOSスイッチQTを経て、増幅部
(例えばJFET)QAのゲートが接続される。このM
OSスイッチQTのゲートには、電荷転送用の制御パル
スφTが供給される。
【0037】また、増幅部QAのゲートには、リセット
用のMOSスイッチQRSTGを介してリセット用の定
電位ラインに接続される。このMOSスイッチQRST
Gのゲートには、リセット用の制御パルスφRSTGが
供給される。さらに、増幅部QAのドレインには電源電
圧Vddが印加され、かつソースには定電流源CCが接
続されて、ソースホロワ回路を構成する。この増幅部Q
Aのソースには、バッファアンプA1を介して蓄積容量
CTの一端側が接続される。この蓄積容量CTの他端側
は、MOSスイッチQRSTHを介して定電位ラインに
接続される。また、蓄積容量CTの他端側の電位は、バ
ッファアンプA2を介することにより、出力電圧Vou
tとして外部へ出力される。
【0038】(本発明と第1の実施形態との対応関係)
次に、上記した実施形態の各構成と本発明の構成要件と
の対応関係について詳しく説明する。まず、請求項1に
記載の発明と第1の実施形態の対応関係については、光
源はレーザー光源12に対応し、照明光学系はビームエ
キスパンダ13,XY走査ユニット15,凸レンズ1
7,凹レンズ18,対物レンズ19に対応し、集光光学
系は集光レンズ21およびピンホール22に対応し、受
光素子は受光素子24,25に対応し、受光部はホトダ
イオードPDに対応し、増幅部は増幅部QAに対応し、
電荷転送回路はMOSスイッチQTに対応し、リセット
回路はMOSスイッチQRSTGに対応し、容量性イン
ピーダンスは蓄積容量CTに対応し、差分回路は蓄積容
量CTおよびMOSスイッチQRSTHに対応する。ま
た、請求項2に記載の発明と第1の実施形態との対応関
係については、バッファアンプはバッファアンプA1に
対応する。
【0039】(第1の実施形態の動作説明)コンフォー
カル顕微鏡11は、XY走査ユニット15を用いて、レ
ーザー光の射出角を縦横に振る。その結果、レーザー光
のスポット点は、試料20の上を縦横に走査移動する。
このようなレーザー光の走査に伴って、生物などの試料
20からは、蛍光(波長域500〜800nm)が放射
される。
【0040】これらの放射光は、レーザー光の射出光路
を逆方向に戻り、ダイクロイックミラー14に到達す
る。ダイクロイックミラー14は、この放射光(蛍光)
を波長選択して反射する。このように反射された放射光
は、集光レンズ21を介して集光する。このとき、ピン
ホール22は、孔の位置に集光する放射光のみを選択的
に通過させる(いわゆる「光学的な試料像のスライ
ス」)。
【0041】このピンホール22の通過により極端に微
弱となった放射光は、ダイクロイックミラー23に入射
して、長波長側と短波長側とに波長分離される。受光素
子24は、この長波長側の放射光を受光する。また、受
光素子25は、短波長側の放射光を受光する。以下、こ
の受光素子24,25の動作について詳しく説明する。
【0042】図3は、受光素子24,25の動作タイミ
ングを示すタイミングチャートである。まず、期間T1
において、制御パルスφRSTGがローレベルに立ち下
げられる。すると、リセット用のMOSスイッチQRS
TGが導通し、増幅部QAのゲート容量に蓄積されてい
た電荷がリセットされる。
【0043】その結果、増幅部QAのソースからはリセ
ット電位が出力される。このリセット電位は、バッファ
アンプA1を介して、蓄積容量CTの一端側に印加され
る。このとき、MOSスイッチQRSTHは導通状態に
維持されるため、蓄積容量CTには、MOSスイッチQ
RSTHのオン抵抗を介した充電路が構成される。その
結果、期間T1の終了時点までに、蓄積容量CTには、
リセット電位に対応した電位が保持される。
【0044】次の期間T2が開始すると、制御パルスφ
RSTGがハイレベルに立ち上げられる。すると、リセ
ット用のMOSスイッチQRSTGが非導通状態とな
り、増幅部QAのゲートはフローティング状態となる。
リセット用のMOSスイッチQRSTGの導通時には、
オン抵抗による熱雑音が常時発生しており、非導通にな
った瞬間の熱雑音が増幅部QAのゲートに充電される。
これが、いわゆるKTC雑音であり、増幅部QAのゲー
ト容量Cgが小さいために、期間T2の開始時点にリセ
ット電位は大きく変化する。増幅部QAはソースホロワ
として動作しているため、このKTC雑音は、増幅部Q
Aのソース、及びバッファアンプA1を通じて蓄積容量
CTに充電される。
【0045】次に、MOSスイッチQRSTHが非導通
になって前記KTC雑音は、蓄積容量CTに充電された
まま保持される。なお、MOSスイッチQRSTHが非
導通になった時にもKTC雑音が発生するが、蓄積容量
CTはゲート容量Cgに比べてはるかに大きいために無
視できる。次の期間T3が開始すると、制御パルスφT
および制御パルスφRSTHが、ローレベルに立ち下げ
られる。すると、MOSスイッチQTが導通し、ホトダ
イオードPDに蓄積されていた信号電荷が、増幅部QA
のゲート領域へ転送される。その結果、増幅部QAのソ
ース電位は、信号電荷による電圧上昇分をリセット電位
に上乗せした電圧となる。このような増幅部QAのソー
ス電位は、バッファアンプA1を介して蓄積容量CTの
一端側に印加される。
【0046】このとき、MOSスイッチQRSTHは非
導通状態に維持される。そのため、蓄積容量CTの他端
側はフローティング状態となり、ソース電位から蓄積容
量の保持電圧分(前記KTC雑音など)だけ引いた電圧
が出力される。すなわち、上述したリセット時の雑音が
除去された真の信号電圧が出力される。この出力電圧
は、バッファアンプA2を介して、出力電圧Voutと
して出力される。
【0047】なお、この期間T3中も、ホトダイオード
PDでは放射光が照射され、光電変換が絶えず実施され
る。この期間T3中に発生する信号電荷は、導通状態の
MOSスイッチQTによりそのまま吸い出され、増幅部
QAのゲート領域へ無駄なく転送される。そのため、ホ
トダイオードPDの有効な光電変換期間をできる限り長
く設定することが可能となり、受光素子24,25の光
電変換効率をさらに一段と高めることができる。
【0048】次の期間T4が開始すると、制御パルスφ
Tがハイレベルへ立ち上げられる。すると、MOSスイ
ッチQTが非導通状態に維持され、ホトダイオードPD
のアノードがフローティング状態となる。この時点か
ら、ホトダイオードPDは、新たな信号電荷の蓄積を開
始する。以上説明した期間T1〜T4の動作により、ス
ポット走査1点分の信号電荷が読み出され、出力電圧V
outとして出力される。コンフォーカル顕微鏡11
は、このようなスポット走査に伴って順次出力される出
力電圧VoutをA/D変換して、フレームメモリ回路
27上に配列して、拡大された走査画像を形成する。こ
のように形成された走査画像は、画像処理回路28を介
して読み出され、モニタ29上に表示される。
【0049】(第1の実施形態の効果など)以上説明し
たように、第1の実施形態では、PMTやAPDに代え
て、受光素子24,25を使用する。これらの受光素子
24,25は、数ボルト程度の低い電源電圧で駆動可能
である。そのため、従来のコンフォーカル顕微鏡とは異
なり、受光素子用の高い駆動電圧が一切不要となる。し
たがって、コンフォーカル顕微鏡の小型化および低コス
ト化を容易に実現することが可能となる。
【0050】また、第1の実施形態では、蓄積容量CT
を充電するためのバッファアンプA1を設けている。そ
のため、増幅部QAの電流供給能力を下げることが可能
となり、増幅部QAのゲート領域を面積縮小することが
できる。この場合、ゲート領域の容量分Cgが低下し、
信号電荷の電荷量qによるゲート領域の電圧上昇(q/
Cg)を大きく得ることが可能となる。したがって、後
段におけるアンプ雑音や熱雑音の影響を一段と低減する
ことができる。
【0051】さらに、第1の実施形態では、従来以上の
信号対雑音比を得ることも可能となる。以下、具体的な
数値を挙げて、この信号対雑音比の改善効果について説
明する。まず、放射光の波長が500nm以上あるいは
200nm以下である場合、ホトダイオードPDの量子
効率は80%以上となる。一方、従来のPMTでは、量
子効率がかなり低く、20%以下となる。
【0052】また一方、本実施形態では、アンプノイズ
や熱雑音などの入力換算雑音電子数Neを6個程度に抑
えることが十分に可能となる。図4は、このような数値
条件のもとにおいて、信号対雑音比の新旧比較を示した
図である。この図4にも示されるように、コンフォーカ
ル顕微鏡11は、入力光子数15個以上の微弱光を受光
する環境下において、従来以上の高い信号対雑音比を得
ることが可能となる。なお、このような信号対雑音比の
改善条件は、上述した量子効率の条件(式13)および
入力光子数の条件(式14)から即座に求めることもで
きる。次に、別の実施形態について説明する。
【0053】<第2の実施形態>第2の実施形態は、請
求項1,3,4に記載の発明に対応する実施形態であ
る。なお、本実施形態におけるコンフォーカル顕微鏡の
構造自体は、後述する受光素子31を使用する点を除い
て、第1の実施形態(図1)と同一である。そのため、
ここでは重複説明を省き、本実施形態の特徴である受光
素子31について詳しく説明する。
【0054】図5は、受光素子31の回路構成を示す図
である。図5において、受光面上に複数個のホトダイオ
ードPDが形成される。これらのホトダイオードPDご
とに、図5の実線枠内に示す回路が形成される。これら
の回路はいずれも同一構成であるため、以下、1画素分
の回路構成のみを説明する。
【0055】まず、ホトダイオードPDのカソードには
電源電圧Vddが印加され、アノードには、電荷転送用
のMOSスイッチQTを経て、増幅部(例えばJFE
T)QAのゲートが接続される。このMOSスイッチQ
Tのゲートには、電荷転送用の制御パルスφTが供給さ
れる。また、増幅部QAのゲートには、リセット用のM
OSスイッチQRSTGを介してリセット用の定電位ラ
インに接続される。このMOSスイッチQRSTGのゲ
ートには、リセット用の制御パルスφRSTGが供給さ
れる。
【0056】さらに、増幅部QAのドレインには電源電
圧Vddが印加され、かつソースには定電流源CCが接
続されて、ソースホロワ回路を構成する。この増幅部Q
Aのソースには、蓄積容量CTの一端側が接続される。
この蓄積容量CTの他端側は、マルチプレクサ型のスイ
ッチ回路QHに接続される。このスイッチ回路QHは、
外部入力φHの電圧状態に応じてAB2系統に出力を振
り分ける。このA系統側の出力は、加算回路SAの入力
に接続される。また、B系統側の出力は、加算回路SB
の入力に接続される。
【0057】この種の加算回路SA,SBは、入力電圧
と基準電圧Vrefとの電圧差を増幅する差動アンプA
と、差動アンプAの負帰還ループに挿入される蓄積容量
CAと、蓄積容量CAの保持電圧をリセットするMOS
スイッチQRSTHとから構成される。このMOSスイ
ッチQRSTHのゲートには制御パルスφRSTHが供
給される。
【0058】(本発明と第2の実施形態との対応関係)
次に、上記した各構成と本発明の構成要件との対応関係
について説明する。まず、請求項3に記載の発明と第2
の実施形態との対応関係については、受光部はホトダイ
オードPDに対応し、増幅部は増幅部QAに対応し、電
荷転送回路はMOSスイッチQTに対応し、リセット回
路はMOSスイッチQRSTGに対応し、容量性インピ
ーダンスは蓄積容量CTに対応し、差分回路は蓄積容量
CTとMOSスイッチQRSTHに対応し、加算回路は
加算回路QA,QBに対応する。また、請求項4に記載
の発明と第2の実施形態との対応関係については、出力
選択回路が、スイッチ回路QHに対応する。
【0059】(全画素を合成出力する場合の動作説明)
以下、全画素の合成を行う場合の動作説明を行う。ま
ず、コンフォーカル顕微鏡の操作者は、各スイッチ回路
QHの外部入力φHを全てハイレベルに設定し、各スイ
ッチ回路QHの出力をA系統側に全て振り分ける。
【0060】この状態において、図6に示す動作タイミ
ングが実行される。まず期間T1において、制御パルス
φRSTGがローレベルに立ち下げられる。すると、リ
セット用のMOSスイッチQRSTGが導通し、増幅部
QAのゲート容量に蓄積されていた電荷がリセットされ
る。その結果、増幅部QAのソースからはリセット電位
が出力される。このリセット電位は、蓄積容量CTの一
端側に印加される。
【0061】このとき、蓄積容量CTの他端側は、差動
アンプAの負帰還動作により基準電圧Vrefとほぼ等
しい電圧に維持される(いわゆるイマジナリショー
ト)。その結果、期間T1の終了時点までに、各画素の
蓄積容量CTには、リセット電位と基準電圧Vrefと
の差分電圧がそれぞれ保持される。次の期間T2が開始
すると、制御パルスφRSTGがハイレベルに立ち上げ
られる。すると、リセット用のMOSスイッチQRST
Gが非導通状態となり、増幅部QAのゲートはフローテ
ィング状態となる。
【0062】このとき、MOSスイッチQRSTGが非
導通に変化した瞬間の熱雑音が、増幅部QAのゲート容
量に保持される。これが、いわゆるKTC雑音となる。
一般に、増幅部QAのゲート容量Cgは小さいため、K
TC雑音によって期間T2の開始時点のリセット電位は
大きく変化する。このKTC雑音は、増幅部QAのソー
スを介して蓄積容量CTに充電される。
【0063】次の期間T3が開始すると、制御パルスφ
Tおよび制御パルスφRSTHが、ローレベルに立ち下
げられる。すると、MOSスイッチQTが導通し、ホト
ダイオードPDに蓄積されていた信号電荷が、増幅部Q
Aのゲート領域へ転送される。その結果、増幅部QAの
ソース電位は、信号電荷による電圧上昇分をリセット電
位に上乗せした電圧となる。このような増幅部QAのソ
ース電位は、蓄積容量CTの一端側に印加される。
【0064】このとき、蓄積容量CTの他端側は、差動
アンプAの負帰還動作により基準電圧Vrefとほぼ等
しい電圧に維持される(いわゆるイマジナリショー
ト)。その結果、期間T3の終了時点までに、各画素の
蓄積容量CTには、ソース電位と基準電圧Vrefとの
差分電圧がそれぞれ充電される。このとき、各画素の蓄
積容量CTには、充電電圧の変化分(KTC雑音などを
除去した真の信号電圧分)に対応する充電電流が流れ
る。
【0065】これら各画素の蓄積容量CTに流れる充電
電流は、それぞれのスイッチ回路QHを介して差動アン
プAの負帰還ループに流れ込む。このとき、MOSスイ
ッチQRSTHは非導通状態に維持される。そのため、
合流した充電電流は蓄積容量CAを充電する。その結
果、蓄積容量CAには、各画素の信号出力を合成した合
成電圧が保持される。このとき、差動アンプAの出力か
らは、基準電圧Vrefから蓄積容量CAの合成電圧分
だけ下がった電圧が出力される。以上のような一連の動
作により、加算回路SAの出力端子からは、受光面上の
全画素の合成出力を得ることが可能となる。
【0066】(受光面の各領域ごとに分割合成する場合
の動作説明)以下、受光面の各領域ごとに分割合成する
場合の動作を説明する。まず、コンフォーカル顕微鏡の
操作者は、受光面をAB2つの領域に分ける。そして、
一方のA領域内の画素については、外部入力φHをハイ
レベルに設定し、スイッチ回路QHの出力系統をA系統
に設定する。
【0067】また、他方のB領域内の画素については、
外部入力φHをローレベルに設定して、スイッチ回路Q
Hの出力系統をB系統に設定する。この状態で、図6に
示す動作タイミングが実行される。すると、加算回路S
Aは、A領域内の画素からの信号出力を合成する。ま
た、加算回路SBは、B領域内の画素からの信号出力を
合成する。その結果、加算回路SAからは、A領域の受
光量に相当する信号出力が出力される。また、加算回路
SBからは、B領域の受光量に相当する信号出力が出力
される。このように、外部入力φHを個別設定すること
により、受光面を自在に分割し、各領域ごとの信号出力
を得ることが可能となる。
【0068】(第2の実施形態の効果など)以上説明し
たように、第2の実施形態では、複数のホトダイオード
PDの信号出力を全て加算することにより、単一光点の
光量を検出することが可能となる。この場合、受光面上
に複数のホトダイオードPDを配しているので、一つ一
つのホトダイオードPDの面積は小さく、信号電荷の平
均路程を短く抑えることができる。したがって、受光素
子31の信号読み出し速度を容易に高速化することがで
きる。そのため、このような受光素子31をコンフォー
カル顕微鏡に使用した場合には、走査像の読み出し時間
を一段と短縮することが可能となる。
【0069】また、第2の実施形態では、スイッチ回路
QHを用いて、受光面を複数の領域に区分し、各領域ご
との信号出力を得ることも可能となる。したがって、こ
のような受光素子31をコンフォーカル顕微鏡に使用し
た場合には、回折や収差や内面反射光などの影響を受け
やすい受光面周辺を避けて、受光面の中央領域の信号出
力のみを得ることが可能となる。
【0070】また、領域分割の設定によっては、受光面
上の1画素や1ラインごとに信号出力を取り出すことも
可能となる。したがって、上記の受光素子31は、単一
光点の受光用途に限定されず、イメージセンサやライン
センサなどの広い用途に使用することも可能となる。次
に、別の実施形態について説明する。
【0071】<第3の実施形態>第3の実施形態は、請
求項1,5に記載の発明に対応した実施形態である。な
お、本実施形態におけるコンフォーカル顕微鏡の構造自
体は、後述する受光素子51を使用する点を除いて、第
1の実施形態(図1)と同一である。そのため、ここで
は重複説明を省き、受光素子51の特徴点について詳し
く説明する。
【0072】図7は、受光素子51の構成上の特徴点を
説明するための図である。図7において、受光面上にホ
トダイオードPDが形成される。このホトダイオードP
Dの周囲には、電荷転送用のMOSスイッチQTが分散
して配置される。これらのMOSスイッチQTの各ゲー
トは共通接続され、制御パルスφTが供給される。ま
た、これらのMOSスイッチQTの各ドレインは共通接
続され、増幅部QAのゲートに接続される。
【0073】このような受光素子51では、分散配置さ
れたMOSスイッチQTにより、信号電荷の転送経路が
複数形成される。そのため、ホトダイオードPDの面積
を拡大しても、信号電荷の平均路程を短く抑えることが
可能となる。したがって、受光素子51の信号読み出し
速度を容易に高速化することができる。そのため、この
ような受光素子51をコンフォーカル顕微鏡に使用した
場合には、走査像の読み出し時間を一段と短縮すること
が可能となる。なお、上述した各実施形態では、蓄積容
量CTの両端電位差を利用して、リセット電位と信号出
力との差分をとっているが、本発明の差分回路はこのよ
うな回路構成に限定されるものではない。例えば、リセ
ット電位を保持する保持回路と、信号出力を保持する保
持回路とを別々に設け、両方の保持回路の出力差を出力
しても勿論かまわない。
【0074】
【発明の効果】(請求項1)請求項1に記載のコンフォ
ーカル顕微鏡では、従来製品のような高い駆動電圧を一
切不要とし、さらに上記条件(式13,式14)を満た
す環境下において、PMT使用のコンフォーカル顕微鏡
よりも高い信号対雑音比を達成することが可能となる。
【0075】(請求項2)請求項2に記載のコンフォー
カル顕微鏡は、バッファアンプを備える。したがって、
増幅部を面積縮小するなどして、増幅部の電流供給能力
を下げることが可能となる。その結果、制御領域の蓄積
容量Cgが低下して、信号電荷の電荷量qに対する制御
領域の信号電位(q/Cg)は大きくなる。この場合、
後段におけるアンプ雑音や熱雑音の影響は一様に小さく
なり、[式14]中の等価雑音電子数Neを下げること
が可能となる。したがって、請求項2のコンフォーカル
顕微鏡では、さらに高い信号対雑音比を達成することが
可能となる。
【0076】(請求項3)請求項3に記載の受光素子で
は、受光部を細分化し、各受光部ごとに電荷転送回路を
設ける。したがって、受光部の数を増やして総受光面積
を大きくしても、受光部から電荷転送回路までの信号電
荷の平均路程を短く抑えることができる。したがって、
このような構成の受光素子は、受光面積を拡大しても、
早い応答速度を達成することが可能となる。
【0077】(請求項4)請求項4に記載の受光素子
は、出力選択回路を用いて画素別に出力を得ることがで
きる。したがって、単一光点の受光用途のみならず、イ
メージセンサやラインセンサなどの用途に使用すること
も可能となる。また、第2の実施形態に述べたように、
受光面の一部領域のみから信号出力を選択的に得るなど
の用途に使用することも可能となる。
【0078】(請求項5)請求項5に記載の受光素子で
は、受光部の近くに複数の電荷転送回路を分散配置する
ことにより、信号電荷の転送経路を複路化する。したが
って、受光部の面積を拡大しても、受光部から各電荷転
送回路までの信号電荷の平均路程を短く抑えることがで
きる。したがって、このような構成の受光素子は、受光
面積を拡大しても、早い応答速度を達成することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンフォーカル顕微鏡11の構成を示す図であ
る。
【図2】受光素子24,25の内部回路を示す図であ
る。
【図3】受光素子24,25の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図4】信号対雑音比の新旧比較を示す図である。
【図5】受光素子31の回路構成を示す図である。
【図6】受光素子31の動作を示すタイミングチャート
である。
【図7】受光素子51の構成上の特徴点を説明するため
の図である。
【図8】PMTの等価回路(ノイズモデル)を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 コンフォーカル顕微鏡 12 レーザー光源 13 ビームエキスパンダ 14 ダイクロイックミラー 15 XY走査ユニット 17 凸レンズ 18 凹レンズ 19 対物レンズ 20 試料 21 集光レンズ 22 ピンホール 23 ダイクロイックミラー 26 A/D変換回路 27 フレームメモリ回路 29 モニタ 91 受光部 93 増倍部 PD ホトダイオード QH スイッチ回路 QRSTH 一定電位を印加するためのMOSスイッチ CT 蓄積容量 QRSTG リセット用のMOSスイッチ QA 増幅部 QT 電荷転送用のMOSスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H052 AA07 AA08 AA09 AB06 AB24 AC15 AC18 AC27 AC34 AD31 AD34 AF06 4M118 AA05 AA10 AB01 BA14 CA02 DD09 DD12 FA06 FA08 FA42 5C024 AA03 CA05 EA03 EA04 FA01 FA13 GA01 GA31 GA33 HA17 HA18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 前記光源からの光を、試料に照射する照明光学系と、 前記試料からの放射光を集光する集光光学系と、 前記集光光学系を介して集光された放射光を受光する受
    光素子とを備えたコンフォーカル顕微鏡において、 前記受光素子は、 前記放射光を光電変換して信号電荷を蓄積する受光部
    と、 前記受光部の近くに設けられ、電荷を蓄積する制御領域
    を有し、該制御領域の蓄積電荷に対応した信号出力を出
    力する増幅部と、 前記受光部に生成される信号電荷を、前記増幅部の制御
    領域へ転送する電荷転送回路と、 前記増幅部の制御領域をリセットするリセット回路と、 前記制御領域のリセット期間に前記増幅部から出力され
    るリセット電位を容量性インピーダンスに保持し、保持
    したリセット電位と前記増幅部の信号出力との差分を出
    力する差分回路とを備えて構成されることを特徴とする
    コンフォーカル顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコンフォーカル顕微鏡
    において、 前記増幅部の出力段と前記容量性インピーダンスとの間
    に、前記容量性インピーダンスに電流供給するためのバ
    ッファアンプを備えたことを特徴とするコンフォーカル
    顕微鏡。
  3. 【請求項3】 受光面上に細分化して設けられ、入射光
    を光電変換して信号電荷を蓄積する複数個の受光部と、 前記受光部ごとに設けられ、電荷を蓄積する制御領域を
    有し、該制御領域の蓄積電荷に対応した信号出力を出力
    する複数個の増幅部と、 前記受光部ごとに設けられ、前記受光部に生成される信
    号電荷を前記増幅部の制御領域へそれぞれ転送する複数
    個の電荷転送回路と、 前記増幅部ごとに設けられ、前記増幅部の制御領域をリ
    セットする複数個のリセット回路と、 前記増幅部の出力段ごとに設けられ、前記制御領域のリ
    セット期間に前記増幅部から出力されるリセット電位を
    容量性インピーダンスに保持し、保持したリセット電位
    と前記増幅部の信号出力との差分を出力する複数個の差
    分回路と、 前記複数個の差分回路の出力を加算する加算回路とを備
    え、 前記受光部の細分化により、前記受光部から前記制御領
    域への電荷転送時間を短縮したことを特徴とする受光素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の受光素子において、 前記複数の受光部から信号出力を選択して取り出す出力
    選択回路を備えたことを特徴とする受光素子。
  5. 【請求項5】 入射光を光電変換して信号電荷を蓄積す
    る受光部と、 電荷を蓄積する制御領域を有し、該制御領域の蓄積電荷
    に対応した信号出力を出力する増幅部と、 前記受光部の近くに分散して配置され、前記受光部に生
    成される信号電荷を、複数の転送経路を介して前記増幅
    部の制御領域へ転送する複数個の電荷転送回路と、 前記増幅部の制御領域をリセットするリセット回路と、 前記制御領域のリセット期間に前記増幅部から出力され
    るリセット電位を容量性インピーダンスに保持し、保持
    したリセット電位と前記増幅部の信号出力との差分を出
    力する差分回路とを備え、 前記転送経路の複路化により、前記受光部から前記制御
    領域への電荷転送時間を短縮したことを特徴とする受光
    素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002090638A (ja) * 2000-09-20 2002-03-27 Olympus Optical Co Ltd レーザ走査型光学顕微鏡
FR2866180A1 (fr) * 2004-02-06 2005-08-12 St Microelectronics Sa Procede de traitement des informations delivrees par une matrice de pixels actifs d'un capteur offrant une dynamique et un gain etendus, et capteur correspondant.
JP2008124395A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体撮像装置

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FR2866180A1 (fr) * 2004-02-06 2005-08-12 St Microelectronics Sa Procede de traitement des informations delivrees par une matrice de pixels actifs d'un capteur offrant une dynamique et un gain etendus, et capteur correspondant.
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