JP2000073874A - 筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置 - Google Patents

筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置

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JP2000073874A
JP2000073874A JP10247597A JP24759798A JP2000073874A JP 2000073874 A JP2000073874 A JP 2000073874A JP 10247597 A JP10247597 A JP 10247597A JP 24759798 A JP24759798 A JP 24759798A JP 2000073874 A JP2000073874 A JP 2000073874A
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Japan
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exhaust gas
gas recirculation
recirculation control
control valve
engine
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Tomoaki Saito
智明 齊藤
Katsuaki Yasutomi
克晶 安富
Hideo Hosoya
英生 細谷
Keiji Araki
啓二 荒木
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実空気過剰率が目標空気過剰率となるよう
に、排気還流制御弁を適正にフィードバック制御して排
気中に含まれる黒煙や未燃焼燃料等のパティキュレート
成分およびNOx成分を低減する。 【解決手段】 実空気過剰率に関する値を検出し、この
実空気過剰率が目標空気過剰率となるように、排気還流
制御弁5をフィードバック制御する排気還流制御手段2
6を有する筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置にお
いて、上記排気還流制御弁6の前後差圧に関する値を検
出する吸気圧力センサ12等からなる検出手段を設ける
とともに、この検出手段によって検出された前後差圧が
大きい程、上記排気還流制御弁5の作動速度を遅くする
ように制御する作動速度制御部を有するフィードバック
制御部30を上記排気還流制御手段26に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に搭載さ
れる筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平8−144867号
公報に示されるように、ディーゼルエンジンの排気ガス
を吸気通路内に還流させるEGR通路(排気還流通路)
と、このEGR通路に設けられた上記排気ガスの還流量
を調節するEGR弁(排気還流制御弁)と、このEGR
弁を駆動するEGR弁駆動手段とを有するディーゼルエ
ンジン用排気ガス再還流装置において、ディーゼルエン
ジンの排気中に含まれる黒煙や未燃焼燃料等のパティキ
ュレート成分およびNOx成分を低減するため、排気ガ
スの目標空気過剰率と実空気過剰率との偏差をなくすよ
うに、上記EGR弁駆動手段を制御することが行われて
いる。
【0003】すなわち、運転状態検出手段により検出さ
れた上記エンジンの運転状態に対応する目標空気過剰率
をそれぞれ設定するとともに、上記排気通路に設けられ
たリニア空燃比センサ(O2センサ)からなる実空気過
剰率検出手段により、排気通路を流通する排気ガスの実
空気過剰率を検出し、この実空気過剰率が上記目標空気
過剰率よりも大きくなると、EGR弁を開いて排気還流
量を増加させることにより、実空気過剰率を小さくし、
逆に実空気過剰率が目標空気過剰率よりも小さくなる
と、上記EGR弁を閉じて排気還流量を低下させ、ある
いはカットすることにより、実空気過剰率を大きくする
制御を実行して、過剰な排気還流による黒煙の発生等を
伴わずに排気ガス中のNOx成分を低減できるようにす
ることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように実空気過
剰率検出手段により検出された実空気過剰率と、エンジ
ンの運転状態に応じて設定された目標空気過剰率との偏
差をなくすように、上記排気還流制御弁をフィードバッ
ク制御する場合、この排気還流制御弁を一定の作動速度
で作動させるように構成されているため、以下のように
エンジンの運転状態が変化した場合等に、排気還流制御
弁の前後差圧が変動することに起因して制御性が悪化す
るという問題がある。
【0005】すなわち、エンジンのアイドル運転時に、
上記フィードバック制御の制御ゲインが最適値になるよ
うに設定した場合には、エンジンの高回転、高負荷時
に、上記前後差圧が大きくなって排気還流量が急激に変
化することにより、排気還流制御弁の制御時にオーバシ
ュートや、ハンチングが生じて実空気過剰率が目標空気
過剰率からずれるという問題がある。逆にエンジンの高
回転、高負荷時に、上記フィードバック制御の制御ゲイ
ンが最適値になるように設定した場合には、エンジンの
アイドル運転時に、上記前後差圧が小さくなって排気還
流量の変化が緩慢となり、目標値への収束が遅れてその
間に実空気過剰率が目標空気過剰率からずれるという問
題がある。
【0006】また、目標空気過剰率の大きさによっても
排気還流制御弁の開度が変化するので、この排気還流制
御弁の前後差圧が変化し、上記と同様の問題が生じる。
これは、排気還流制御弁の前後における圧力差に応じて
吸気通路に還流される排気ガス量が変化し、排気還流制
御弁の作動速度が同じでも、エンジンの燃焼室に吸入さ
れる実吸入新気量が変化することに起因していると考え
られる。
【0007】特に、ターボ過給機付エンジンでは、この
ターボ過給機の作動状態によっても上記排気還流制御弁
の前後差圧が変動するため、排気還流制御弁の作動に応
じて排気ガスの還流量および実吸入新気量の変化度合に
顕著な差が生じることが避けられない。
【0008】したがって、従来の排気還流制御装置で
は、排気ガス中のパティキュレート成分と、NOx成分
との両方を適正に低減できる値に設定された目標空気過
剰率に、実空気過剰率を一致させることが困難であると
いう問題があった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、特に、
排気中に含まれる黒煙や未燃焼燃料等のパティキュレー
ト成分およびNOx成分を低減するための排気還流制御
弁のフィードバック制御を、オーバシュートや、ハンチ
ング等を招くことなく適正に実行できる筒内噴射式エン
ジンの排気還流制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
実空気過剰率に関する値を検出し、この実空気過剰率が
目標空気過剰率となるように、排気還流制御弁をフィー
ドバック制御する排気還流制御手段を備えた筒内噴射式
エンジンの排気還流制御装置において、上記排気還流制
御弁の前後差圧に関する値を検出する検出手段と、この
検出手段によって検出された前後差圧が大きい程、上記
排気還流制御弁の作動速度を遅くするように制御する作
動速度制御部とを備えたものである。
【0011】上記構成によれば、排気還流制御弁の前後
差圧に応じて排気還流制御弁の作動速度が制御されるこ
とにより、吸気通路に還流される排気ガス量が適正に調
節されてエンジンの燃焼室に吸入される実吸入新気量の
変化が抑制され、排気ガス中のパティキュレート成分
と、NOx成分との両方を適正に低減できるように設定
された目標空気過剰率に、実空気過剰率を一致させる制
御が適正に実行されることになる。
【0012】請求項2に係る発明は、排気還流制御弁の
前後差圧に関する値として吸気圧力を検出する検出手段
を備えた請求項1記載の筒内噴射式エンジンの排気還流
制御装置において、上記検出手段によって検出された吸
気圧力が高いほど、排気還流制御弁の作動速度を遅くす
るように制御するものである。
【0013】上記構成によれば、排気還流制御弁の前後
差圧に対応して変化する吸気圧力に応じて排気還流制御
弁の作動速度を制御することにより、吸気通路に還流さ
れる排気ガス量を適正に調節することができる。
【0014】請求項3に係る発明は、上記請求項2記載
の筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、エ
ンジンの運転状態と、吸気圧力とに基づいて排気還流制
御弁の作動速度を制御し、同一の吸気圧力でも排気ガス
量が少ないほど、上記排気還流制御弁の作動速度を遅く
するように制御するものである。
【0015】上記構成によれば、同一の吸気圧力状態
で、排気ガス量の多いエンジンの高回転、高負荷時に
は、上記排気還流制御弁の作動速度が速く設定され、逆
に排気ガス量の少ないエンジンの低回転、低負荷時に
は、上記排気還流制御弁の作動速度が遅く設定されるこ
とになり、目標空気過剰率に、実空気過剰率を一致させ
る制御が適正に実行されることになる。
【0016】請求項4に係る発明は、上記請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの排気還
流制御装置において、加速の初期時に、排気還流制御弁
の閉作動速度を速くするように制御するものである。
【0017】上記構成によれば、排気還流制御弁が閉止
状態となる加速の初期時に、この排気還流制御弁が開放
状態から閉止状態に迅速に移行し、必要な実吸入新気量
が得られることにより、吸気量制御の応答性が向上して
加速性が確保されるとともに、実空気過剰率が目標空気
過剰率からずれることに起因したスモークの発生等が効
果的に防止されることになる。
【0018】請求項5に係る発明は、エンジンの排気を
利用して過給を行うターボ過給機を備えた請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの排気還
流制御装置において、少なくとも上記ターボ過給機の過
給開始時には、上記排気還流制御弁の前後差圧に対応さ
せて、前後差圧が小さくなるほど排気還流制御弁の開度
を大きく設定したものである。
【0019】上記構成によれば、ターボ過給機の過給開
始時には、排気圧力が低下するとともに、吸気圧力が増
大して排気還流制御弁の前誤差圧が小さくなることで、
排気還流制御弁が迅速に開作動されてエンジンの運転状
態に対応した開度に設定されることになり、実吸入新気
量が必要以上に多くなることを抑制して実空気過剰率が
目標空気過剰率からずれるのを効果的に防止することが
できる。
【0020】請求項6に係る発明は、アクセル開度を検
出するアクセル開度検出手段を備えた請求項1〜請求項
5のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの排気還流制
御装置において、上記アクセル開度検出手段によって検
出されたアクセル開度に基づいて目標トルクを設定する
とともに、この目標トルクに基づいて目標燃料噴射量を
設定するように構成したものである。
【0021】上記構成によれば、アクセルペダルの踏込
状態が変化してエンジンの運転状態が変化した場合等
に、排気還流制御弁の前後差圧が変動することに起因し
て制御性が悪化することが効果的に防止されることにな
る。
【0022】請求項7に係る発明は、上記請求項6記載
の筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、実
空気過剰率に関する値として実吸入新気量を使用すると
ともに、目標空気過剰率に関する値して目標吸入新気量
を使用し、この目標吸入新気量を、アクセル開度に応じ
て設定された目標トルクから求められた目標燃料噴射量
と目標空燃比とに基づいて設定するように構成したもの
である。
【0023】上記構成によれば、アクセルペダルの踏込
状態が変化して上記目標トルクが変化した場合に、排気
還流制御弁の前後差圧が変動することに起因して制御性
が悪化することが効果的に防止されることになる。
【0024】請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項
7のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの排気還流制
御装置をディーゼルエンジンに適用したであるものであ
る。
【0025】上記構成によれば、ガソリンエンジンに比
べて目標空燃比がリーン(希薄)状態に設定され、NO
x成分が排出され易い傾向にあるディーゼルエンジンに
おいて、実空気過剰率が目標空気過剰率となるように、
排気還流制御弁をフィードバック制御することにより、
上記NOx成分の排出等が効果的に抑制されることにな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る筒内噴射式
エンジンの排気還流制御装置の実施形態を示している。
この排気還流制御装置は、自動車に搭載されるディーゼ
ルエンジンのエンジン本体1に接続された吸気通路2に
排気通路3から導出された排気ガスを供給する排気還流
通路4と、この排気還流通路4に設けられたダイヤフラ
ム式の排気還流制御弁5と、この排気還流制御弁5を駆
動する駆動手段6とを有している。
【0027】上記吸気通路2には、その上流側から順に
エアフローセンサ7と、ターボ過給機8のブロア9と、
インタークーラ10と、吸気絞り弁11と、吸気圧力セ
ンサ12とが配設されている。また、上記排気通路3に
は、ターボ過給機8のタービン13と、触媒コンバータ
14とが配設されている。上記ターボ過給機8は、ター
ビン13のノズル角度を調節することによってタービン
効率を制御するように構成されたVGT(バリアブルジ
オメトリーターボ)からなっている。
【0028】上記排気還流通路4は、その一端部が排気
通路3のタービン13の上流側部に接続されるととも
に、他端部が上記吸気通路2の集合部に接続されてい
る。また、上記排気還流制御弁5の駆動手段6は、連結
管15を介して排気還流制御弁5の負圧室に連結された
バキュームポンプ等からなる負圧源16と、上記連結管
15に設けられた第1電磁弁17とを有している。この
第1電磁弁17は、エンジンコントロールユニットEC
Uから出力される制御信号に応じてデューティ制御され
ることにより、上記連結管15を負圧源16側または大
気側に切り替えて上記排気還流制御弁5を開作動または
閉作動させるように構成されている。
【0029】上記負圧源16は、第2電磁弁18が設け
られた連結管19を介して上記吸気絞り弁11のアクチ
ュエータに接続されるとともに、第3電磁弁20が設け
られた連結管21を介して上記ターボ過給機8のタービ
ン効率を制御するためのアクチュエータに接続されてい
る。また、上記エンジン本体1には、燃焼室内に燃料を
噴射する燃料噴射弁22が設けられるとともに、この燃
料噴射弁22はコモンレール(共通管)23を介して燃
料噴射ポンプ24に接続されている。なお、上記タービ
ン13をバイパスするバイパス通路を排気通路3に設
け、このバイパス通路に設けられたウエストゲートを開
閉駆動することによって上記タービン効率を制御するよ
うにしてもよい。
【0030】そして、エンジンコントロールユニットE
CUから出力される制御信号に応じて上記第2電磁弁1
9がデューティ制御されることにより、上記吸気絞り弁
11が駆動されて吸気通路2からエンジン本体1の燃焼
室内に吸入される新気量が調節されるようになってい
る。また、エンジンコントロールユニットECUから出
力される制御信号に応じて上記第3電磁弁20がデュー
ティ制御されることにより、ターボ過給機8のタービン
効率が制御されるように構成されている。
【0031】上記エンジンコントロールユニットECU
には、図2に示すように、燃料噴射弁22から噴射され
る燃料の噴射量を制御する燃料噴射量制御手段25と、
実空気過剰率が目標空気過剰率となるように、排気還流
制御弁5をフィードバック制御する排気還流制御手段2
6と、コモンレール23内の燃料圧力を制御するコモン
レール圧制御手段27と、ターボ過給機8による過給圧
を制御する過給圧制御手段28とが設けられ、上記排気
還流制御手段26は、エンジン本体1の燃焼室に吸入さ
れる新気量の目標値を演算する目標新気量演算部29
と、エンジンの実空気過剰率を目標空気過剰率に一致さ
せるように制御するフィードバック制御部30とを有し
ている。
【0032】そして、上記燃料噴射量制御手段25は、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段31によ
って検出されたアクセル開度accelと、エンジン本
体1の出力軸の回転数を検出するエンジン回転数検出手
段32によって検出されたエンジン回転数Neとに基づ
き、予め設定された二次元マップ33からエンジンの目
標トルクtrqsolを読み出すとともに、この目標ト
ルクtrqsolと、上記エアフローセンサ7によって
検出された実吸入新気量FAirとに基づき、予め設定
された三次元マップ34から目標燃料噴射量Fsolを
読み出し、この目標燃料噴射量Fsolと、コモンレー
ル圧力センサ36によって検出されたコモンレール23
内の燃料圧力CRPとに基づいて燃料噴射弁22の励磁
時間を調節することにより、燃料噴射量を制御するよう
に構成されている。
【0033】また、上記排気還流制御手段26の目標新
気量演算部29は、上記二次元マップ33から読み出さ
れた目標トルクtrqsolとエンジン回転数Neとに
基づき、予め設定された二次元マップ35から読み出さ
れた目標空燃比A/Fsolと、上記三次元マップ34
から読み出された目標燃料噴射量Fsolとに基づいて
エンジン本体1の燃焼室に吸入される新気の目標吸入新
気量FAsolを演算し、この目標吸入新気量FAso
lの演算値を上記フィードバック制御部30に出力する
ように構成されている。
【0034】上記排気還流制御手段26のフィードバッ
ク制御部30は、上記目標新気量演算部29において求
められた目標吸入新気量FAsolと、上記エアフロー
センサ7によって検出された実吸入新気量FAirと、
上記吸気圧力センサ12によって検出された吸気圧力B
stとに基づいて排気還流制御弁5を所定の作動速度で
PI(比例積分)制御する制御信号を上記駆動手段6に
出力することにより、エンジンの実空気過剰率を目標空
気過剰率に一致させるフィードバック制御を実行するよ
うに構成されている。
【0035】すなわち、上記フィードバック制御部30
は、図3に示すように、目標吸入新気量演算部29によ
って求められた目標吸入新気量AFsolと、エアフロ
ーセンサ7によって検出された実吸入新気量FAirと
の差をなくすように排気還流制御弁5の作動量を制御す
るPI制御部36と、排気還流制御弁5の作動速度を制
御する作動速度制御部37とを有している。
【0036】上記作動速度制御部37は、図4に示すよ
うに、エンジン回転数検出手段32によって検出された
エンジン回転数Neと、アクセル開度検出手段31によ
って検出されたアクセル開度accelに対応したエン
ジン負荷とに基づいて排気還流制御弁5の前後差圧に関
する特性を選定する特性選定手段38と、この特性選定
手段38によって選定された特性から、上記吸気圧力セ
ンサ12によって検出された吸気圧力Bstに対応した
排気還流制御弁5の前後差圧ΔPを推定する前後差圧推
定手段39と、この前後差圧推定手段39によって推定
された上記前後差圧ΔPに基づいて排気還流制御弁5の
作動速度係数を設定する速度係数設定手段40とを有
し、この速度係数設定手段40によって設定された作動
速度係数に基づいて上記排気還流制御弁5の作動速度を
制御するように構成されている。
【0037】すなわち、エンジン回転数Neおよびエン
ジン負荷が同一であれば、上記吸気圧力Bstと、排気
還流制御弁5の前後差圧ΔPとの間には、図5に示すよ
うに比例関係があり、かつこの比例関係式は、図6に示
すように、エンジン回転数Neおよびエンジン負荷に応
じて増減する排気ガス量に対応して変化し、排気ガス量
が多いほど、上記排気還流制御弁5の前後差圧ΔPが大
きくなる傾向がある。このため、運転状態に対応して変
化する排気ガス量に応じて設定された比例関係式を上記
特性選定手段38において選定し、この比例関係式と、
吸気圧力Bstの検出値とに基づいて排気還流制御弁5
の前後差圧ΔPを推定する。
【0038】そして、上記排気還流制御弁5の前後差圧
ΔPが、吸気通路2内に還流される排気ガス量に影響す
るため、前後差圧推定手段40において推定された排気
還流制御弁5の前後差圧ΔPに基づき、図7に示すマッ
プから上記前後差圧ΔPに対応した前後差圧係数Kpd
を読み出した後、この値に基づいて排気還流制御弁5の
作動速度係数Kspを設定し、この作動速度係数Ksp
に応じて排気還流制御弁5の駆動手段6を制御すること
により、上記前後差圧ΔPが大きい程、上記排気還流制
御弁5の作動速度を遅くするように制御が実行されるこ
とになる。
【0039】また、過給圧制御手段28は、上記二次元
マップ33から読み出されたエンジンの目標トルクtr
qsolと、上記エンジン回転数検出手段32によって
検出されたエンジン回転数Neとに基づき、予め設定さ
れた二次元マップ41から目標過給圧Bstsolを読
み出し、この目標過給圧Bstsolと、上記吸気圧力
センサ12によって検出された吸気圧力Bstとの差を
なくすように、上記タービン効率を調節する制御信号を
上記第3電磁弁20に出力するように構成されている。
【0040】上記排気還流制御装置の基本制御動作を、
図8および図9に示すフローチャートに基づいて説明す
る。上記制御動作がスタートすると、まず上記エアフロ
ーセンサ7、エンジン回転数検出手段32およびアクセ
ル開度検出手段31によって吸気通路2内に吸入された
実吸入新気量FAirと、エンジン回転数Neと、アク
セル開度accelとを検出した後(ステップS1〜S
3)、上記アクセル開度accelと、エンジン回転数
Neとに基づき、上記二次元マップ33からエンジンの
目標トルクtrqsolを読み出す(ステップS4)。
【0041】次いで、上記二次元マップ35から目標空
燃比A/Fsolを読み出すとともに(ステップS
5)、上記目標トルクtrqsolと、エアフローセン
サ7によって検出された実吸入新気量FAirとに基づ
き、上記三次元マップ34から目標燃料噴射量Fsol
を読み出した後(ステップS6)、この目標燃料噴射量
Fsolと、上記目標空燃比A/Fsolとを掛け合わ
せることにより、目標吸入新気量FAsol(=Fso
l×A/Fsol)を演算によって求める(ステップS
7)。さらに、後述するようにエンジンの実空気過剰率
を目標空気過剰率に一致させるフィードバック制御に使
用する制御値FBEを求めて設定する制御を実行する
(ステップS8)。
【0042】そして、上記フィードバック制御値FBE
に対応した制御信号を排気還流制御弁5の駆動手段6に
出力して上記排気還流制御弁5を開閉駆動した後(ステ
ップS9)、上記目標トルクtrqsolとエンジン回
転数Neとに基づき、上記二次元マップ41から目標過
給圧Bstsolを読み出す(ステップS10)。次い
で、上記目標過給圧Bstsolと、吸気圧力センサ1
2によって検出された吸気圧力Bstとの差をなくため
のフィードバック制御値FBTを求めて設定し(ステッ
プS11)、このフィードバック制御値FBTに対応し
た制御信号を、上記VGT制御用の第3電磁弁20に出
力することにより、タービン効率を調節する(ステップ
S12)。
【0043】次に、上記基本制御動作のステップS8に
おいて実行されるフィードバック制御値FBEの演算制
御動作を、図10および図11に示すフローチャートに
基づいて説明する。この演算制御動作がスタートする
と、まず上記基本制御動作のステップS7において求め
た目標吸入新気量FAsolを読み込んだ後(ステップ
S21)、上記エアフローセンサ7およびアクセル開度
検出手段31によって検出された実吸入新気量FAir
およびアクセル開度accelを読み込み(ステップS
22,S23)、さらにアクセル開度accelの時間
変化率αを算出する(ステップS24)。
【0044】次いで、車両が加速の初期状態にあるか否
かの判定基準となる基準値αCを、エンジンの運転状態
に応じて予め設定されたマップから読み出した後(ステ
ップS25)、上記アクセル開度accelの時間変化
率αが上記基準値αCよりも大きいか否かを判定する
(ステップS26)。この判定結果がYESとなって車
両が加速の初期状態にあることが確認された場合には、
加速の初期状態にあることを示す加速判定フラグFac
cを1にセットし(ステップS27)、上記ステップS
26でNOと判定された場合には、上記加速判定フラグ
Faccを0にセットする(ステップS28)。
【0045】次に、上記目標吸入新気量FAsolから
実吸入新気量FAirを減算することにより、吸入新気
量の差分量Qerr(=FAsol−FAir)を算出
した後(ステップS29)、上記加速判定フラグFac
cが1にセットされているか否かを判定する(ステップ
S30)。このステップS30でYESと判定され、車
両が加速の初期状態にあることが確認された場合には、
上記排気還流制御弁5の作動速度係数Kspを最大値で
ある1に設定する(ステップS31)。また、上記ステ
ップS30でNOと判定され、車両が加速の初期状態に
ないことが確認された場合には、上記作動速度制御部3
7において、後述するように排気還流制御弁5の作動速
度係数Kspを演算して設定する制御を実行する(ステ
ップS32)。
【0046】そして、上記ステップS29で算出した吸
入新気量の差分量Qerrに、上記ステップS31また
はS32で設定された排気還流制御弁5の作動速度係数
Kspと、予め設定された比例係数Kpとを掛け合わせ
ることにより、フィードバック制御用の比例制御値Pq
(=Qerr×Ksp×Kp)を算出するとともに(ス
テップS33)、上記吸入新気量の差分量Qerrに、
上記ステップS31またはS32で設定された排気還流
制御弁5の作動速度係数Kspと、予め設定された比例
係数Ksとを掛け合わせた値を、前回の積分制御値Sq
´に加算することにより、上記フィードバック制御用の
積分制御値Sq(=Sq´+Qerr×Ksp×Ks)
を算出する(ステップS34)。
【0047】その後、上記ステップS33で算出した比
例制御値Pqと、ステップS34で算出した積分制御値
Sqとを加算した値(Pq+Sq)と、上記駆動手段6
の特性に応じて予め設定された駆動係数Kvとを掛け合
わせることにより、最終的なフィードバック制御値FB
E(=(Pq+Sq)×Kv)、つまり上記排気還流制
御弁5の開閉制御量を算出する(ステップS35)。
【0048】次に、上記フィードバック制御値FBEの
演算制御動作のステップS32において実行される上記
作動速度係数Kspの演算制御動作を、図12に示すフ
ローチャートに基づいて説明する。上記演算制御動作が
スタートすると、まず図13に示すように、燃料噴射量
およびエンジン回転数Neをパラメータとして予め設定
されたマップから、現時点における燃料噴射量およびエ
ンジン回転数Neに対応した速度基本係数Kaを読み出
して設定した後(ステップS41)、上記吸気圧力セン
サ12によって検出された吸気圧力Bstに対応した排
気還流制御弁5の前後差圧ΔPを、上記前後差圧推定手
段39によって推定する(ステップS42)。
【0049】そして、上記図7に示すように、排気還流
制御弁5の前後差圧ΔPをパラメータとして設定された
マップから、ステップS42で推定された前後差圧ΔP
に対応した前後差圧係数Kpdを読み出して設定した後
(ステップS43)、上記ステップS41で設定された
速度基本係数Kaから、上記ステップS43で設定され
た前後差圧係数Kpdを減算することにより、1以下の
範囲内で上記排気還流制御弁5の作動速度係数Ksp
(=Ka−Kpd)を算出する。
【0050】上記のように実空気過剰率に関する値を検
出し、この実空気過剰率が目標空気過剰率となるよう
に、排気還流制御弁5をフィードバック制御する排気還
流制御手段26を有する筒内噴射式エンジンの排気還流
制御装置において、上記排気還流制御弁5の前後差圧Δ
Pを推定する前後差圧推定手段39からなる検出手段
と、この検出手段によって検出された前後差圧ΔPが大
きい程、上記排気還流制御弁5の作動速度を遅くするよ
うに制御する作動速度制御部37とを設けたため、常に
エンジンの運転状態に適合した制御ゲインで上記排気還
流制御弁5の作動制御を実行し、上記実空気過剰率が目
標空気過剰率からずれることに起因して排気ガス中のパ
ティキュレート成分またはNOx成分が増大することを
効果的に防止することができる。
【0051】すなわち、上記前後差圧推定手段39によ
って推定された前後差圧ΔPが大きい場合には、この前
後差圧ΔPが小さい場合に比べて上記排気還流制御弁5
の作動速度を設定するための作動速度係数Kspを小さ
な値に設定し、この作動速度係数Kspに基づくフィー
ドバック制御を実行することにより、上記排気還流制御
弁5の作動速度を遅くするように構成したため、排気還
流制御弁5の前後差圧ΔPに応じて吸気通路2に還流さ
れる排気ガス量が目標値から大きくずれるのを防止し、
常に運転状態に適合した排気還流制御を実行することが
できる。
【0052】したがって、エンジンのアイドル運転時
に、上記フィードバック制御の制御ゲインが最適値にな
るように設定した場合のように、エンジンの高回転、高
負荷時に、上記前後差圧が大きくなって排気還流量が急
激に変化して排気還流制御弁5の制御時にオーバシュー
トや、ハンチングが生じることにより実空気過剰率が目
標空気過剰率からずれたり、逆にエンジンの高回転、高
負荷時に、上記フィードバック制御の制御ゲインが最適
値になるように設定した場合のように、エンジンのアイ
ドル運転時に、上記前後差圧が小さくなって排気還流量
の変化が緩慢となり、実空気過剰率が目標空気過剰率か
らずれたりする等の事態が生じることがなく、排気ガス
中のパティキュレート成分およびNOx成分の両方を適
正に低減することができる値に設定された目標空気過剰
率に、実空気過剰率を常に正確に一致させることができ
る。
【0053】また、上記実施形態では、吸気通路2内の
吸気圧力Bstと、排気還流制御弁5の前後差圧ΔPと
の間に、一定の比例関係があることに着目し、吸気圧力
センサ12によって検出された吸気圧力Bstに応じて
上記前後差圧ΔPの値を推定するように構成したため、
この前後差圧ΔPを簡単な構成で適正に検出し、この前
後差圧ΔPに対応した排気還流制御を実行することがで
きる。
【0054】特に、上記実施形態では、エンジンの運転
状態と、吸気圧力センサ12によって検出された吸気圧
力Bstとに基づいて排気還流制御弁5の作動速度を制
御するように構成された排気還流制御装置において、上
記吸気圧力Bstと、排気還流制御弁5の前後差圧ΔP
との比例関係式が、エンジン回転数Neおよびエンジン
負荷に対応して増減する排気ガス量に対応して変化する
ことに着目し、上記特性選定手段38において上記排気
ガス量に対応した特定の比例関係式を選定してこの比例
関係式から、上記吸気圧力Bstに対応した排気還流制
御弁5の前後差圧ΔPを上記前後差圧推定手段40にお
いて推定することにより、同一の吸気圧力Bstでも排
気ガス量が少ないほど、上記排気還流制御弁の作動速度
を遅くする制御を実行するように構成したため、上記前
後差圧ΔPを正確に推定し、この前後差圧ΔPに基づい
て上記排気還流制御弁5の作動速度を適正に制御するこ
とができる。
【0055】なお、上記構成に代え、排気還流制御弁5
の前後差圧ΔPを直接検出する差圧検出手段を設けた構
造としてもよく、また上記排気還流制御弁5の上流側部
および下流側部の吸気圧力を検出する一対のセンサ、あ
るいは吸気圧力センサ12と排気圧力センサとを設け、
これらのセンサの検出値に基づいて上記前後差圧ΔPを
検出するように構成してもよい。
【0056】さらに、図14に示すフローチャートのよ
うに、上記排気還流制御弁の前後差圧ΔPに関する値と
して吸気圧力Bstを使用し、上記吸気圧力センサ12
によって検出された吸気圧力Bstが高いほど、上記排
気還流制御弁5の作動速度を遅くする制御を実行するよ
うに構成にしてもよい。すなわち、図15に示すよう
に、燃料噴射量およびエンジン回転数Neをパラメータ
として予め設定された第1マップから、現時点における
燃料噴射量およびエンジン回転数Neに対応した第1速
度基本係数Kaを読み出して設定した後(ステップS5
1)、図16に示すように、燃料噴射量およびエンジン
回転数Neをパラメータとして予め設定された第2マッ
プから、現時点における燃料噴射量およびエンジン回転
数Neに対応した第2速度基本係数Kbを読み出して設
定する(ステップS52)。
【0057】次いで上記吸気圧力センサ12によって吸
気圧力Bstを検出した後(ステップS53)、図17
に示すように、吸気圧力Bstをパラメータとして設定
されたマップから、ステップS53で検出された吸気圧
力Bstに対応した吸気圧力係数Kinを読み出して設
定した後(ステップS54)、上記ステップS51で設
定された第1速度基本係数Kaから、上記ステップS5
2で設定された第2速度基本係数Kbと上記ステップS
54で設定された吸気圧力係数Kinとを掛け合わせた
値を減算することにより、1以下の範囲内で上記排気還
流制御弁5の作動速度係数Ksp(=Ka−Kb×Ki
n)を算出する。
【0058】上記のように吸気圧力Bstの検出値を、
上記排気還流制御弁5の前後差圧ΔPに関する値として
使用する場合、エンジンの運転状態に応じて上記作動速
度係数Kspの傾きおよびオフセット量の両方が変化す
るため、この傾きに関する第1速度基本係数Kaと、オ
フセット量に関する第2速度基本係数Kbとからなる2
つの速度基本係数が必要である。
【0059】また、上記実施形態では、アクセル開度検
出手段31によってアクセル開度accelの時間変化
率αと上記判定基準値αCとを比較することにより、車
両が加速の初期状態にあるか否かを判定し、加速の初期
状態にあることが確認された場合に、排気還流制御弁5
の閉作動速度を速くする制御を実行するように構成した
ため、エンジンの無負荷状態等の定常運転状態から加速
状態に移行する際に、黒煙の発生を防止しつつ、吸気量
制御の応答性を向上させて加速性を確保することができ
る。
【0060】すなわち、図18(A),(B)に示すよ
うに、アクセルペダルが踏み込まれた加速の開始時点T
1からエンジン回転数Neが徐々に増大し始めるととも
に、これに対して図18(C),(D)に示すように所
定の時間差を持って吸気圧力Bstおよび実吸入新気量
FAirが徐々に増大し始める。
【0061】そして、図18(E)に示すように、上記
加速の開始時点T1で排気還流制御弁5の開度EVが一
旦0となった後に、上記開度EVが増大して排気還流制
御弁5が開放状態に移行するため、この排気還流制御弁
5の閉止動作の開始時点T1から閉止動作の終了時点T
2までの期間に相当する加速初期時に、上記実施形態に
示すように、上記作動速度係数Kspを最大値である1
に設定して排気還流制御弁5の閉作動速度を速くするよ
うに制御することにより、この排気還流制御弁5を迅速
に閉止状態に移行させて必要な実吸入新気量FAirを
確保することができる。したがって、上記加速の初期時
に、吸気量制御の応答性を向上させて加速性を確保する
ことができるとともに、実空気過剰率が目標空気過剰率
からずれることに起因したスモークの発生等を効果的に
防止することができる。
【0062】また、エンジンの排気を利用して過給を行
うターボ過給機8を備えた筒内噴射式エンジンの排気還
流制御装置では、少なくとも上記ターボ過給機8の過給
開始時には、上記排気還流制御弁5の前後差圧に対応さ
せて、前後差圧が小さくなるほど、排気還流制御弁5の
開度を大きく設定するように制御することが望ましい。
このように構成した場合には、図18(E)に示すよう
に、排気還流制御弁5の閉止動作の終了時点T2からエ
ンジンの運転状態に対応した開度に開放される時点T3
までの期間を効果的に短くして、この排気還流制御弁5
を早期に適正開度EVに設定することができる。したが
って、上記過給開始時には、前後差圧が低下するととも
に、吸気圧力が増大して排気還流制御弁5の前後差圧が
小さくなることで、排気還流制御弁5を迅速に作動させ
てエンジンの運転状態に対応した開度に設定することが
でき、実吸入新気量FAirが必要以上に多くなること
を抑制して、実空気過剰率が目標空気過剰率からずれる
ことに起因したNOx成分の増大を防止することができ
るとともに、トルクショックの発生を防止することがで
きる。
【0063】また、上記実施形態では、アクセル開度検
出手段31によって検出されたアクセル開度accel
に基づいて目標トルクtrsolを設定するとともに、
この目標トルクtrsolに基づいて目標燃料噴射量F
solを設定するように構成され、アクセルペダルの踏
込時に応じてエンジンの運転状態が変化した場合等に、
排気還流制御弁5の前後差圧ΔPが変動することに起因
して制御性が悪化し易い傾向にあるエンジンに上記構成
を採用したため、実空気過剰率が目標空気過剰率からず
れることに起因して排気中に含まれる黒煙や未燃焼燃料
等のパティキュレート成分およびNOx成分が増大する
ことを効果的に防止することができる。
【0064】さらに、上記実施形態では、実空気過剰率
に関する値として実吸入新気量FAirを使用するとと
もに、目標空気過剰率に関する値して目標吸入新気量F
Asolを使用し、この目標吸入新気量FAsolを、
上記アクセル開度accelに応じて設定された目標ト
ルクtrqsolから求められた目標燃料噴射量Fso
lと、上記目標空燃比A/Fsolとに基づいて設定
し、エンジンの運転状態が変化した場合等に、排気還流
制御弁5の前後差圧ΔPが変動することに起因して制御
性が悪化し易い傾向にあるエンジンに上記構成を採用し
たため、実空気過剰率が目標空気過剰率からずれること
に起因して排気中に含まれる黒煙や未燃焼燃料等のパテ
ィキュレート成分またはNOx成分が増大することを、
さらに効果的に防止することができる。
【0065】なお、本発明は、ディーゼルエンジンに限
定されることなく、いわゆるリーンバーンエンジン等の
筒内噴射式のガソリンエンジンについても適用可能であ
り、この場合には、燃焼悪化を避けつつ、NOx成分を
低減させるように排気ガスの還流量を制御すればよい。
これに対して上記ディーゼルエンジンでは、ガソリンエ
ンジンに比べて空燃比が大幅にリーン(希薄)状態に設
定され、触媒によるNOx成分の低減作用を高めること
が困難であるため、上記構成を作用することによる効果
が顕著である。
【0066】また、上記実施形態では、実空気過剰率に
関する値として上記エアフローセンサ7によって検出さ
れた実吸入新気量FAirを使用したが、これに代えて
排気通路に設けられたO2センサの検出信号に応じて実
空気過剰率を検出するように構成してもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、実空気
過剰率に関する値を検出し、この実空気過剰率が目標空
気過剰率となるように、排気還流制御弁をフィードバッ
ク制御する排気還流制御手段を有する筒内噴射式エンジ
ンの排気還流制御装置において、上記排気還流制御弁の
前後差圧に関する値を検出する検出手段と、この検出手
段によって検出された前後差圧が大きい程、上記排気還
流制御弁の作動速度を遅くするように制御する作動速度
制御部とを設けたため、常にエンジンの運転状態に適合
した制御ゲインで上記排気還流制御弁の作動制御を実行
し、上記実空気過剰率が目標空気過剰率からずれること
に起因した排気ガス中のパティキュレート成分またはN
Ox成分の増大を効果的に防止できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内噴射式エンジンの排気還流制
御装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】エンジンの制御ユニットの具体的構成を示すブ
ロック図である。
【図3】排気還流制御手段のフィードバック制御部の具
体的構成を示すブロック図である。
【図4】排気還流制御手段の作動速度演算部の具体的構
成を示すブロック図である。
【図5】吸気圧力と前後差圧との関係を示すグラフであ
る。
【図6】吸気圧力と排気ガス量と前後差圧との関係を示
すグラフである。
【図7】前後差圧と排気還流制御弁の前後差圧係数との
関係を示すグラフである。
【図8】排気還流制御装置の基本制御動作の前半部を示
すフローチャートである。
【図9】排気還流制御装置の基本制御動作の後半部を示
すフローチャートである。
【図10】フィードバック制御値の演算制御動作の前半
部を示すフローチャートである。
【図11】フィードバック制御値の演算制御動作の後半
部を示すフローチャートである。
【図12】作動速度係数の演算制御動作を示すフローチ
ャートである。
【図13】速度基本係数を設定するためのマップの具体
例を示すグラフである。
【図14】作動速度係数の演算制御動作の別の例を示す
フローチャートである。
【図15】第1速度基本係数を設定するための第1マッ
プの具体例を示すグラフである。
【図16】第2速度基本係数を設定するための第2マッ
プの具体例を示すグラフである。
【図17】吸気圧力係数を設定するためのマップの具体
例を示すグラフである。
【図18】アクセル開度に対応したエンジン回転数およ
び吸気圧力等の変化状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
5 排気還流制御弁 8 ターボ過給機 12 吸気圧力センサ(検出手段) 26 排気還流制御手段 31 アクセル開度検出手段 37 作動速度制御部
フロントページの続き (72)発明者 細谷 英生 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 荒木 啓二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA00 AA01 AA05 AA06 BA02 BA04 CA03 CA08 EA04 EB16 EC02 FA05 FA06 FA08 GA00 GA01 GA02 GA04 GA05 GA14 GA21 GA23 3G301 HA02 HA04 HA11 HA15 JA24 JA25 KA07 KA09 KA12 KA25 LA03 LB00 LB04 LB06 LC01 MA12 NA03 NA04 NA06 NA07 NA08 NC04 ND07 ND41 PA01A PA07Z PA16A PB03A PB08A PD00Z PD02Z PD15A PE01Z PE06A PF03Z PF04Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実空気過剰率に関する値を検出し、この
    実空気過剰率が目標空気過剰率となるように、排気還流
    制御弁をフィードバック制御する排気還流制御手段を備
    えた筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、
    上記排気還流制御弁の前後差圧に関する値を検出する検
    出手段と、この検出手段によって検出された前後差圧が
    大きい程、上記排気還流制御弁の作動速度を遅くするよ
    うに制御する作動速度制御部とを備えたことを特徴とす
    る筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置。
  2. 【請求項2】 排気還流制御弁の前後差圧に関する値と
    して吸気圧力を検出する検出手段を備えた請求項1記載
    の筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、上
    記検出手段によって検出された吸気圧力が高いほど、排
    気還流制御弁の作動速度を遅くするように制御すること
    を特徴とする筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの運転状態と、吸気圧力とに基
    づいて排気還流制御弁の作動速度を制御し、同一の吸気
    圧力でも排気ガス量が少ないほど、上記排気還流制御弁
    の作動速度を遅くするように制御することを特徴とする
    請求項2記載の筒内噴射式エンジンの排気還流制御装
    置。
  4. 【請求項4】 加速の初期時に、排気還流制御弁の閉作
    動速度を速くするように制御することを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の筒内噴射式エンジン
    の排気還流制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの排気を利用して過給を行うタ
    ーボ過給機を備えた請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、
    少なくとも上記ターボ過給機の過給開始時には、上記排
    気還流制御弁の前後差圧に対応させて、前後差圧が小さ
    くなるほど排気還流制御弁の開度を大きく設定したこと
    を特徴とする筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置。
  6. 【請求項6】 アクセル開度を検出するアクセル開度検
    出手段を備えた請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、上記
    アクセル開度検出手段によって検出されたアクセル開度
    に基づいて目標トルクを設定するとともに、この目標ト
    ルクに基づいて目標燃料噴射量を設定するように構成し
    たことを特徴とする筒内噴射式エンジンの排気還流制御
    装置。
  7. 【請求項7】 実空気過剰率に関する値として実吸入新
    気量を使用するとともに、目標空気過剰率に関する値し
    て目標吸入新気量を使用し、この目標吸入新気量を、ア
    クセル開度に応じて設定された目標トルクから求められ
    た目標燃料噴射量と目標空燃比とに基づいて設定するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項6記載の筒内噴射
    式エンジンの排気還流制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の
    筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置において、上記
    筒内噴射式エンジンがディーゼルエンジンであることを
    特徴とする筒内噴射式エンジンの排気還流制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101338446B1 (ko) * 2011-12-01 2013-12-10 기아자동차주식회사 배기가스 처리방법
KR101956474B1 (ko) * 2017-10-25 2019-06-24 현대자동차주식회사 터보차저 베인 및 egr 밸브 제어 방법

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