JP2000073526A - 乾式遮音二重床およびそれに用いる防振際根太材 - Google Patents

乾式遮音二重床およびそれに用いる防振際根太材

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JP2000073526A
JP2000073526A JP10243032A JP24303298A JP2000073526A JP 2000073526 A JP2000073526 A JP 2000073526A JP 10243032 A JP10243032 A JP 10243032A JP 24303298 A JP24303298 A JP 24303298A JP 2000073526 A JP2000073526 A JP 2000073526A
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Takamitsu Mikuni
隆光 三国
Yoshiaki Miki
良明 三木
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Zeon Kasei Co Ltd
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Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に壁際での遮音効果の向上を図った乾式遮
音二重床およびそれに用いる防振際根太材を提供するこ
と。 【解決手段】 床基盤4の上に所定の隙間をもって配置
される床下地パネル6と、床下地パネル6の壁際を下か
ら保持する防振際根太材30とを有する乾式遮音二重床
2であり、防振際根太材30が、少なくとも二つの木質
系板材32と、木質系板材32の間に配置され、三次元
的に交絡してなるフィラメントから成る立体網状構造体
層34と、木質系板材32および立体網状構造体層34
を含む積層体の壁側端面に貼付された制振材シート38
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば集合住宅
(マンション住宅)などに用いられる乾式遮音二重床お
よびそれに用いる防振際根太材に係り、さらに詳しく
は、特に壁際での遮音効果の向上を図った乾式遮音二重
床およびそれに用いる防振際根太材に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅(マンション住宅)用床仕様と
して、乾式遮音二重床が普及している。従来の乾式遮音
二重床として、たとえば実開平2−9,639号公報が
知られている。この公報に示す二重床では、建築構造物
のコンクリート床基盤上に、制振ゴム付き支持部材を所
定間隔で配置し、その上に配置される二枚の床下地パネ
ル間に立体網状構造体層を敷き詰めてある。
【0003】この公報に示す二重床では、それ以前の従
来の二重床に比べて、遮音性能が格別に向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実的
には、上記公報に示す二重床およびその他の従来の二重
床において、床と壁との接触付近において、コンクリー
ト床基盤側に騒音が伝達し、床衝撃音レベルの目標値
(たとえばLH−50以下)を達成できないことがある
ことが、本発明者等の実験により明らかになっている。
【0005】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、特に壁際での遮音効果の向上を図った乾式遮音二重
床およびそれに用いる防振際根太材を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、乾式遮音
二重床において、特に壁際での遮音効果の向上を図るた
めに鋭意検討した結果、従来の乾式遮音二重床における
壁際での遮音性能の低下が、木製の際根太にあることを
見出した。すなわち、本発明者等は、木製の際根太に代
えて、特定の防振際根太材を用いることで、乾式遮音二
重床の遮音性能が格別に向上することを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0007】本発明に係る乾式遮音二重床は、床基盤の
上に所定の隙間をもって配置される床下地パネルと、前
記床下地パネルの壁際を下から保持する防振際根太材と
を有する乾式遮音二重床であり、前記防振際根太材が、
少なくとも二つの木質系板材と、前記木質系板材の間に
配置され、三次元的に交絡してなるフィラメントから成
る立体網状構造体層と、前記木質系板材および立体網状
構造体層を含む積層体の壁側端面に貼付された制振材シ
ートとを有することを特徴とする。
【0008】本発明に係る防振際根太材は、少なくとも
二つの木質系板材と、前記木質系板材の間に配置され、
三次元的に交絡してなるフィラメントから成る立体網状
構造体層と、前記木質系板材および立体網状構造体層を
含む積層体の側端面に貼付された制振材シートとを有す
る。
【0009】なお、本発明において、「遮音」とは、完
全に音を遮断する意味のみではなく、「制振」を含む意
味で用い、衝撃音を含む振動の伝達を抑制する意味をも
有する。
【0010】立体網状構造体層 本発明において、立体網状構造体層は、動的剛性試験値
が、常温で70N/cm・cm以下であるように、
合成樹脂フィラメントを三次元的に交絡してなるもので
あることが好ましい。この値が低いほど、遮音効果が向
上する。この値があまりに高いと、衝撃音の緩和効果が
十分ではなくなり、遮音性能が低下する傾向にある。
【0011】このような立体網状構造体層は、天然繊維
フィラメント、合成繊維フィラメントまたは金属繊維フ
ィラメントを三次元立体的に交絡してマット状に形成し
たものである。天然繊維フィラメントとしては、ロック
ウール、パームなどのフィラメントが例示される。合成
樹脂フィラメントとしては、6ナイロン、66ナイロン
などのナイロン類、ポリプロピレン、硬質または半硬質
のポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリエステルなど
のフィラメントが例示される。金属フィラメントとして
は、ステンレス鋼などのバネ定数が大きく錆びにくい材
質のフィラメントが例示される。
【0012】本発明では、立体網状構造体層として、好
ましくはナイロンフィラメントなどの合成樹脂フィラメ
ントが用いられる。立体網状構造体層として、ナイロン
フィラメントを用いると、圧縮クリープに対する抵抗力
が高くなると共に、衝突転倒時の加速度が低くなる傾向
にある。圧縮クリープに対する抵抗力が高くなると、床
の上に高荷重の物体(たとえばピアノ)が載置されて
も、床の変形を有効に防止することができる。衝突転倒
時の加速度が低くなると、床の上で人が転んでも、その
衝撃が少ない。
【0013】立体網状構造体層は、十分な空隙率と剛性
とを有することが好ましく、フィラメント径は、0.2
〜4mm程度、好ましくは、0.2〜3mmである。フ
ィラメント径が0.2mmより細いと、如何に網状構造
が密でも、荷重や衝撃によって変形してしまい、遮音効
果が低下する傾向にある。また、4mmよりも大きい
と、得られる立体網状構造体層の剛性が高すぎ、衝撃音
を緩和できなくなる傾向にある。
【0014】この立体網状構造体層の厚みは、網状構造
体層の剛性にもよるが、敷設時の取扱性などを考慮し
て、室温で荷重負荷が作用しない状態において3〜50
mm程度、好ましくは3〜20mmで用いられることが
好ましい。厚みが3mmより小さい場合には、遮音機能
の確保が困難になり、50mmよりも大きくしても、そ
の割には遮音性能の向上には寄与せず、コストアップに
なる傾向にある。
【0015】木質系板材 本発明において、木質系板材の材質は、特に限定されな
いが、たとえば熱帯産広葉樹であるラワン合板などの合
板、あるいは広葉樹および針葉樹から成る集成材やパー
ティクルボード、その他の天然木板、コルク板、および
これらの複合ボードなどでも良い。立体網状構造体層を
サンドイッチする各木質系板材の厚みは、特に限定され
ないが、好ましくは5.5mm〜15mm、さらに好ま
しくは8〜10mm程度である。本発明では、立体網状
構造体層をサンドイッチする両木質系板材のうちの少な
くともいずれか一方の木質系板材の外表面には、両面粘
着テープなどにより粘着面を形成しても良い。その場合
には、防振際根太材の取り付け作業性が向上する。な
お、木質系板材と立体網状構造体層との間には、不織布
などの他の部材を介在させても良い。
【0016】制振材シート 本発明において、制振材シートとしては、特に限定され
ず、天然ゴム;ポリブタジエン、ポリイソプレン等の炭
化水素ゴム;ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコ
ンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどの炭化水素基以
外の基を有する特殊ゴム;スチレン/ブタジエン共重合
ゴム(SBR)、スチレン/ブタジエンブロック共重合
ゴム(ブロックSBR)、スチレン/ブタジエン/スチ
レンブロック共重合ゴム(SBS)、スチレン/イソプ
レン/スチレンブロック共重合ゴム(SIS)などの芳
香族/ジエン共重合ゴム;スチレン/ブタジエン/スチ
レンブロック共重合ゴムの水素添加物、スチレン/イソ
プレン/スチレンブロック共重合ゴムの水素添加物など
の芳香族/ジエン共重合ゴムの水素添加物;エチレン/
酢酸ビニル共重合ゴム;エチレン/プロピレン共重合ゴ
ム(EPM)、エチレン/プロピレン/ジエン共重合ゴ
ム(EPDM)などのEPラバーなどを挙げることがで
きるが、ブチル系ゴムが特に好ましい。
【0017】ブチル系ゴムとしては、特に限定されない
が、制振材などとして用いられるゴムが好ましく、少な
くとも20゜Cにおける粘度が10〜10cps
の粘着付与剤を、ブチルゴム100重量部に対して10
〜150重量部添加してあるものであることが好まし
い。ここで用いられるブチルゴムは特に限定されるもの
ではなく、一般に使用される不飽和度0.5〜3.0程
度のもので良く、また、ハロゲン化ブチルゴムを使用し
ても良い。
【0018】20゜Cにおける粘度が10〜10
cpsの粘着付与剤としては、たとえばポリブテン、重
合型ポリエステル、アタクチックポリプロピレン、液状
ポリブタジエン、低分子量ブチルゴムなどの石油系炭化
水素、水素添加ロジンのメチルエステル、水素添加ロジ
ンのトリエチレングリコールエステルなどのロジン誘導
体、ポリテルペン樹脂などのものが挙げられる。これら
の粘着付与剤は、1種類で用いても良いし、2種類以上
のものを組み合わせて用いても良い。
【0019】また、成形性の改良の目的で、ブチルゴム
には、その他の軟化剤を始め、カーボンなどの補強剤、
炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸カルシウム、マ
イカ、グラファイトなどの充填剤、塩素化ブチルや臭素
化ブチルなどのハロゲン化合物、ホウ酸亜鉛水和物、水
酸化アルミニウムなどの難燃剤、熱安定剤、紫外線防止
剤、酸化防止剤、滑剤などを含有させても良い。さらに
耐久性を向上させる目的で、木質系板材と接着するとき
などに支障のない限りにおいて、硫黄などの加硫剤、加
硫促進剤などを添加しても良い。
【0020】制振材シートの成形方法は、特に限定され
ないが、一般には、バンバリーミキサーなどによる混練
後、カレンダー成形機などによりシート成形を行えばよ
い。
【0021】制振材シートの厚みは、特に限定されない
が、0.5〜3mm程度であることが好ましい。制振材
シートの幅は、木質系板材および立体網状構造体層を含
む積層体の積層方向厚みと略同一であることが好まし
い。制振材シートは、木質系板材および立体網状構造体
層を含む積層体の少なくとも1側端面に貼付するが、両
側端面に貼付しても良い。貼付するための接着剤として
は、特に限定されないが、耐久性の観点から、エポキシ
樹脂などのような熱硬化型接着剤を使用することが好ま
しい。制振材シートと積層体の側端面との剥離強度は、
2kgf/25mm以上であることが好ましい。
【0022】床下地パネル 床下地パネルとしては、特に限定されないが、たとえば
木質構造用合板、パーティクルボードが用いられること
が好ましく、パネルは単層でも良いが、制振材を含む積
層パネルであることが好ましい。床下地パネルの上に
は、表面フロア材などが敷設される。制振材の材質とし
ては、特に限定されないが、前述したブチル系ゴムシー
トであることが好ましい。
【0023】床基盤 床基盤としては、たとえばコンクリート基盤が用いら
れ、RC型コンクリートパネル、PC型コンクリートパ
ネルであっても良い。
【0024】
【作用】本発明に係る乾式遮音二重床およびそれに用い
る防振際根太材では、防振際根太材が、少なくとも二つ
の木質系板材と、前記木質系板材の間に配置され、三次
元的に交絡してなるフィラメントから成る立体網状構造
体層とを有する。このため、従来の木製根太に比較し、
木質系板材および立体網状構造体層を含む積層体の積層
方向の遮音特性が大幅に向上する。また、積層体の壁側
端面には、制振材シートが貼付してあり、この制振材シ
ートが壁側に配置されるので、壁面と木質系板材との間
の個体伝播音の伝達を絶縁し、遮音性能の向上に寄与す
る。したがって、本発明に係る乾式遮音二重床およびそ
れに用いる防振際根太材では、乾式遮音二重床におい
て、特に壁際での遮音効果を向上させることができる。
また、本発明の防振際根太材の立体網状構造体層は、十
分な圧縮強度を有し、本発明の防振際根太材を床構造部
材として用いても何ら問題はない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1(A)は本発明の1実施形
態に係る乾式遮音二重床の要部断面図、同図(B)は同
図(A)に示す遮音根太の要部斜視図、図2および図3
は本発明の他の実施形態に係る乾式遮音二重床の要部断
面図である。
【0026】第1実施形態 図1に示すように、本実施形態に係る乾式遮音二重床2
では、建築構造物の床基盤4の壁5の近くに、木製支柱
10を所定間隔で配置し、その上に、防振際根太材30
を掛け渡し、その上に第1床下地パネル6を敷設し、床
基盤4と第1床下地パネル6との間に、所定の隙間を設
ける。第1床下地パネル6の敷設面積が広い場合などに
は、第1床下地パネル6が下方に撓むことを防止するた
めに、第1床下地パネル6と床基盤4との間には、複数
の支持部材12が所定間隔で配置してある。床基盤4と
しては、たとえばコンクリート基盤が用いられ、RC型
コンクリートパネル、PC型コンクリートパネル、AL
C型パネルであっても良い。床基盤の厚さは、特に限定
されないが、たとえば35〜900mmである。
【0027】支持部材12は、制振部材としての制振ゴ
ム付台座14を有し、その台座14の上にロッド16が
支持され、ロッド16の上部に、受け部18が連結して
あり、受け部18を軸周りに回転することで、支持部材
12の高さHが調節可能になっている。受け部18は、
上方向にテーパ状に広がった形状を有し、たとえばプラ
スチック、金属、ゴムなどで構成してある。
【0028】支持部材12の高さHは、特に限定されな
いが、15〜300mm程度が好ましい。この高さHが
小さすぎると、低周波側での共振現象が発生することか
ら好ましくなく、高さHが大きすぎると、中〜高周波側
での共振現象が発生することから好ましくない。支持部
材12の配置間隔は、特に限定されないが、支持部材1
2の上に載せられる下地パネル6の大きさなどに応じて
決定され、パネル6の4角部、またはパネル6の4角部
と中央部とに支持部材12が配置されるように決定され
る。支持部材12の配置間隔があまりに広いと、床の支
持の強度が低下するので好ましくなく、あまりに狭い
と、施工が煩雑であると共に不経済である。
【0029】なお、台座14を制振ゴムで構成すること
なく、この受け部18を制振ゴムで構成しても良い。制
振ゴムとしては、特に限定されないが、遮音特性の向上
の観点および耐久性向上の観点からは、高剛性で、その
硬度が50〜90度(JISのA形で規定)程度の制振
ゴムが好ましく、その材質としては、天然ゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが用いられ
る。
【0030】これら支持部材12の上に敷設される第1
床下地パネル6としては、たとえば木質構造用合板、パ
ーティクルボードが用いられることが好ましい。このパ
ネル6の単体の大きさは、300〜1000mm×600
〜2000mm程度が好ましい。また、パネル6の厚み
は、12〜40mmが好ましい。このパネル6の大きさお
よび厚みは、第1床下地パネルとして十分な強度を有す
るように、しかも可能な限り軽量となるように決定され
る。パネル6は、第1床下地パネルとして必要な面積と
なるように、必要な枚数で用いられ、防振際根太材30
および支持部材12の上に敷設される。
【0031】第1床下地パネル6の上には、制振材とし
ての制振材シート20を介して、第2床下地パネル22
が積層される。制振材シート20としては、特に限定さ
れないが、後述する防振際根太材30の制振材シート3
8と同様なブチル系ゴムシートであることが好ましい。
第2床下地パネル22としては、たとえば木質系合板が
用いられ、その上にフローリング材などの表面フロア材
が敷設される。なお、第2床下地パネル22自体が、フ
ローリング材などの表面フロア材であっても良い。
【0032】本実施形態に係る乾式遮音二重床2におい
て、防振際根太材30は、図1(B)に示すように、二
つの木質系板材32,32の間に、不織布36,36を
介して立体網状構造体層34を介在させた細長い板状積
層体で構成してある。これらの木質系板材32,32、
不織布36,36および立体網状構造体層34は、ゴ
ム、ウレタン、エポキシなどの接着剤により接着してあ
る。
【0033】各木質系板材32は、合板、パーティクル
ボード、天然木板、コルク板、およびこれらの複合ボー
ドなどで構成される。その厚みは、特に限定されない
が、2〜30mm程度であることが好ましい。各木質系
板材32の幅は、立体網状構造体層34の幅Wと同程度
である。
【0034】本実施形態では、立体網状構造体層34を
サンドイッチする両木質系板材32,32のうちの少な
くともいずれか一方の木質系板材32の外表面には、両
面粘着テープなどにより粘着面を形成しても良い。その
場合には、防振際根太材30の取り付け作業性が向上す
る。なお、立体網状構造体層34は、必ずしも一層では
なくとも良く、2層以上の立体網状構造体層34を複数
の木質系板材32でサンドイッチしても良い。
【0035】本実施形態では、立体網状構造体層34
は、動的剛性試験値が、常温で70N/cm・cm
以下であるように、ナイロンフィラメントを三次元的に
交絡してマット化したものをストライプ状に切断したも
のである。動的剛性試験値の値が低いほど、遮音効果が
向上する。この値があまりに高いと、衝撃音の緩和効果
が十分ではなくなり、遮音性能が低下する傾向にある。
【0036】立体網状構造体層34として、ナイロンフ
ィラメントを用いると、圧縮クリープに対する抵抗力が
高くなると共に、衝突転倒時の加速度が低くなる傾向に
ある。圧縮クリープに対する抵抗力が高くなると、床の
上に高荷重の物体(たとえばピアノ)が載置されても、
床の変形を有効に防止することができる。衝突転倒時の
加速度が低くなると、床の上で人が転んでも、その衝撃
が少ない。
【0037】立体網状構造体層34は、十分な空隙率と
剛性とを有することが好ましく、フィラメント径は、
0.2〜4mm程度が好ましい。フィラメント径が0.
2mmより細いと、如何に網状構造が密でも、荷重や衝
撃によって変形してしまい、遮音効果が低下する傾向に
ある。また、4mmよりも大きいと、得られる立体網状
構造体層の剛性が高すぎ、衝撃音を緩和できなくなる傾
向にある。
【0038】この立体網状構造体層34の厚みは、網状
構造体層34の剛性にもよるが、敷設時の取扱性などを
考慮して、室温で荷重負荷が作用しない状態において3
〜50mm程度で用いられることが好ましい。厚みが3
mmより小さい場合には、遮音機能の確保が困難にな
り、50mmよりも大きくしても、その割には遮音性能
の向上には寄与せず、コストアップになる傾向にある。
【0039】防振際根太材30を構成する積層体の壁側
端面には、制振材シート38が貼付してある。制振材シ
ート38は、本実施形態では、ブチル系ゴムで構成して
ある。ブチル系ゴムとしては、特に限定されないが、制
振材などとして用いられるゴムが好ましく、ブチルゴム
100重量部に対して少なくとも20゜Cにおける粘度が
10〜10cpsの粘着付与剤を10〜150
重量部添加してあるものであることが好ましい。ここで
用いられるブチルゴムは特に限定されるものではなく、
一般に使用される不飽和度0.5〜3.0程度のもので
良く、また、ハロゲン化ブチルゴムを使用しても良い。
【0040】本実施形態に係る乾式遮音二重床2および
それに用いる防振際根太材30では、防振際根太材30
が、少なくとも二つの木質系板材32,32と、木質系
板材の間に不織布36,36を介して配置され、三次元
的に交絡してなるフィラメントから成る立体網状構造体
層34とを有する。このため、従来の木製根太に比較
し、木質系板材32,32および立体網状構造体層34
を含む積層体の積層方向の遮音特性が大幅に向上する。
また、積層体の壁側端面には、制振材シート38が貼付
してあり、この制振材シート38が壁5側に配置される
ので、壁5の内面と防振際根太材30の木質系板材3
2,32との間の個体伝播音の伝達を絶縁し、遮音性能
の向上に寄与する。したがって、本実施形態に係る乾式
遮音二重床2およびそれに用いる防振際根太材30で
は、乾式遮音二重床2において、特に壁際での遮音効果
を向上させることができる。
【0041】第2実施形態 図2に示すように、本実施形態に係る乾式遮音二重床2
aでは、図1に示す支柱10の代わりに、支持部材12
と同様な支持部材12aを防振際根太材30の下に配置
してある以外は、前記第1実施形態の乾式遮音二重床2
と同様にして、床2aを構成している。本実施形態に係
る乾式遮音二重床2aでも、前記第1実施形態の乾式遮
音二重床2と同様な作用効果を奏する。
【0042】第3実施形態 図3に示すように、本実施形態に係る乾式遮音二重床2
bでは、図1に示す支柱10の代わりに、複数の防振際
根太材30を積み重ねて配置してある以外は、前記第1
実施形態の乾式遮音二重床2と同様にして、床2bを構
成している。本実施形態に係る乾式遮音二重床2bで
も、前記第1実施形態の乾式遮音二重床2と同様な作用
効果を奏する。
【0043】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0044】たとえば、上述した実施形態では、第1床
下地材6と第2床下地材22との間に、制振材として、
制振材シート20を積層させたが、本発明では、制振材
シートの代わりに、その他の制振材を配置しても良い。
たとえば図1(B)に示す防振際根太材30の制振材シ
ート38を有さない立体網状構造体層34を含む積層体
を制振材として用い、第1床下地材6と第2床下地材2
2との間に敷き詰めても良い。その場合に、立体網状構
造体層34を含む積層体を平面方向に隙間なく敷き詰め
ることなく、所定間隔で配置しても良い。
【0045】また、複数の支持部材12としては、図示
する例に限定されず、その他の支持部材であっても良
い。
【0046】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0047】実施例1 縦3600mm、横2680mm、床から天井までの高
さ1800mmの試験部屋の天井および壁として、厚み
150mmのコンクリートスラブから成る図1(A)に
示す床基盤4および壁5を用いた。この床基盤4の壁5
の周囲に、高さ45mmの支柱10を配置し、それらの
上に、防振際根太材30を壁5の全周にわたり掛け渡し
た。また、支持部材12を300mmの配置間隔で配置
した。支持部材12の高さHは、90mmであった。
【0048】防振際根太材30としては、図1(B)に
示すように、それぞれ幅Wが70mmで厚みが5.5m
mの合板製板材32および32の間に、それぞれ厚みが
0.5mmでポリエステル製の2枚の不織布36および
36を介して、幅Wが70mmで、厚みが6.0mmの
立体網状構造体層34を接着した積層体を用いた。積層
体の総厚みは18mmであった。この積層体の壁側端面
には、厚みが1.0mmで幅が積層体の総厚みと同じブ
チル系ゴムシートから成るスリオンテック社製の製品番
号5931の制振材シート38を接着剤で接着した。
【0049】本実施例の立体網状構造体層34は、ナイ
ロンフィラメントを三次元的に交絡してマット化したも
のをストライプ状に切断したものであり、具体的には、
日本ゼオン(株)社製ゼオマットTPを用いた。その動
的剛性率は、60N/cm ・cmであった防振際根太
材30および支持部材12の上に、厚み20mmのパー
ティクルボードから成る第1床下地パネル6を配置し
た。この第1床下地パネル6の上に、厚みが0.6mm
であるブチル系ゴムシートから成るスリオンテック社製
の製品番号5950の制振材シート20を積層し、その
上に、厚みが12mmのフローリング材から成る第2床
下地パネル22を敷設した。
【0050】このような乾式遮音二重床2において、J
IS A 1418に基づき、天井の上の音源から衝撃
音を発生させ、天井の下の階の試験部屋に設置したマイ
クロホンで音レベルを測定することにより、床衝撃音遮
音性能を測定した。音源としては、軽量衝撃音源とし
て、タッピングマシンを用いた。軽量衝撃音の遮音特性
を表1に示す。表1において、実施例1の数値は、各周
波数の音に対する遮音特性を示し、デシベル値(dB)
が小さいほど遮音特性に優れている。
【0051】
【表1】
【0052】比較例1 図1(A)に示す乾式遮音二重床において、防振際根太
材30の代わりに、通常の木製根太を用いた以外は、前
記実施例1と同様にして乾式遮音二重床を組み立てた。
実施例1と同様にして床衝撃音遮音性能を測定した。結
果を表1に示す。
【0053】評価 実施例1の乾式遮音二重床によれば、比較例1の乾式遮
音二重床に比較して、特に低周波側での遮音性能が向上
することが確認された。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
乾式遮音二重床およびそれに用いる防振際根太材によれ
ば、乾式遮音二重床において、特に壁際での遮音効果を
向上させることができ、乾式遮音二重床の全体としての
遮音特性を向上させる。また、本発明の防振際根太材の
立体網状構造体層は、十分な圧縮強度を有し、本発明の
防振際根太材を床構造部材として用いても何ら問題はな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の1実施形態に係る乾式
遮音二重床の要部断面図、同図(B)は同図(A)に示
す遮音根太の要部斜視図である。
【図2】 図2は本発明の他の実施形態に係る乾式遮音
二重床の要部断面図である。
【図3】 図3は本発明の他の実施形態に係る乾式遮音
二重床の要部断面図である。
【符号の説明】
2,2a,2b… 乾式遮音二重床 4… 床基盤 5… 壁 6… 第1床下地パネル 10… 支柱 12… 支持部材 30… 防振際根太材 32… 木質系板材 34… 立体網状構造体層 36… 不織布

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床基盤の上に所定の隙間をもって配置さ
    れる床下地パネルと、前記床下地パネルの壁際を下から
    保持する防振際根太材とを有する乾式遮音二重床であ
    り、 前記防振際根太材が、 少なくとも二つの木質系板材と、 前記木質系板材の間に配置され、三次元的に交絡してな
    るフィラメントから成る立体網状構造体層と、 前記木質系板材および立体網状構造体層を含む積層体の
    壁側端面に貼付された制振材シートとを有することを特
    徴とする乾式遮音二重床。
  2. 【請求項2】 少なくとも二つの木質系板材と、 前記木質系板材の間に配置され、三次元的に交絡してな
    るフィラメントから成る立体網状構造体層と、 前記木質系板材および立体網状構造体層を含む積層体の
    側端面に貼付された制振材シートとを有する防振際根太
    材。
JP10243032A 1998-08-28 1998-08-28 乾式遮音二重床およびそれに用いる防振際根太材 Pending JP2000073526A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006052055A1 (en) * 2004-11-15 2006-05-18 Wookyung Industrial Co., Ltd Noise-proof element and method of preventing interfloor noise using it

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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