JP2000072800A - 抗アデノウイルス37型モノクローナル抗体及びその用途 - Google Patents

抗アデノウイルス37型モノクローナル抗体及びその用途

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JP2000072800A
JP2000072800A JP10257510A JP25751098A JP2000072800A JP 2000072800 A JP2000072800 A JP 2000072800A JP 10257510 A JP10257510 A JP 10257510A JP 25751098 A JP25751098 A JP 25751098A JP 2000072800 A JP2000072800 A JP 2000072800A
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monoclonal antibody
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adenovirus type
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Norihiko Ito
典彦 伊藤
Yumi Imai
由美 今井
Hidekazu Uchio
英一 内尾
Shigeaki Ono
重昭 大野
Takachika Azuma
隆親 東
Tomoko Naoe
智子 直江
Katsuhiko Matsuo
克彦 松尾
Koki Aoki
功喜 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血清型特異的抗アデノウイルスモノクローナ
ル抗体を取得し、簡便な方法でアデノウイルスの検出及
び血清型の迅速な同定を可能にする。 【解決手段】 下記a及びbの性質を有する抗アデノウ
イルス37型モノクローナル抗体。 a)アデノウイルス37型と特異的に反応し、他の血清型
のアデノウイルスと反応しない、 b)アデノウイルス37型に対し中和活性を有する。さら
に、該モノクローナル抗体と検体とを反応させるアデノ
ウイルス37型検出同定方法、および、該モノクローナル
抗体を備えてなるアデノウイルス37型の臨床診断薬が提
供される。該モノクローナル抗体は、上記中和活性ゆえ
に、アデノウイルス37型関連疾患の予防及び治療薬とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清型37型のアデ
ノウイルス(本明細書では、単に「アデノウイルス37
型」と呼ぶ)に特異的に反応するモノクローナル抗体に
関する。本発明のモノクローナル抗体は、アデノウイル
ス37型の迅速な検出同定及び臨床診断に利用でき、ま
た、アデノウイルス37型に対する中和活性を有すること
から、アデノウイルス37型関連疾病の治療薬としても有
用なものである。
【0002】
【従来の技術】アデノウイルスが関連する疾病として
は、急性熱性咽頭炎、咽頭結膜炎、急性気道炎、ウイル
ス性肺炎、急性濾胞性結膜炎、流行性角結膜炎などが知
られている。現在、ヒトアデノウイルスは47の血清型
が知られており、この内、アデノウイルス37型は流行性
角結膜炎で多く検出され、特に、日本人に多く診られ
る。
【0003】アデノウイルスの検出及び血清型同定法に
は様々な方法が存在し、代表的には、分離培養−中和法
あるいはPCR-RFLP法が用いられている。しかし、分離培
養−中和法は判定までに2週間という長期間が必要であ
り、また、PCR-RFLP法は感染力を保持していた病原体の
証明とはならないという問題がある。
【0004】一方、迅速かつ高感度に感染力を有するウ
イルスを検出する方法として、シェルバイアル法が存在
する。シェルバイアル法は、ドラムチューブ内の円形カ
バースリップ上の培養細胞に検体を遠心吸着し数日培養
後、細胞変性効果発現前に特異抗体を用いた間接蛍光抗
体法により病原体の検出を行う方法であり、細胞変性を
観察する分離培養−中和法と感度は同等ながら判定まで
の日数が短い点で有利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在のところ、アデノ
ウイルスに対するモノクローナル抗体としては、3型及
び7型のアデノウイルスに特異的なもの(Identificati
on of the types of adenovirus isolates with monocl
onal antibodies, Chinese Medical Journal, 102(8):6
50-4, 1989)、ヘキソンを認識して総ての型のアデノウ
イルスに結合するもの(Rapid diagnosis of adenoviru
s pharyngoconjunctival fever:use of amonoclonal an
tibody-based ELISA test during an outbreak, J-Viro
l-Methods,1989, Jun;24(3):307-11)、及び、同様にヘ
キソンを認識部位として2、3、5、7及び8型のアデ
ノウイルスに結合するもの(Application of a solid-p
haseimmunofluorometric assay to the selection of m
onoclonal antibody specific for the adenovirus gro
up-reactive hexon antigen, Archives of Virology80,
1-10 (1984))などが知られている。
【0006】しかし、これら従来公知のモノクローナル
抗体は、上記のとおり、いずれも属特異的なものでしか
なく、1つの血清型に特異的なものでないため、これら
の抗体を用いて血清型の同定まで行うことはできなかっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血清型特
異的抗アデノウイルスモノクローナル抗体を取得すれ
ば、シェルバイアル法の様な簡便な方法でもアデノウイ
ルスの検出のみならず血清型の迅速な同定が可能となる
ことに着目し、アデノウイルス37型に特異的なモノクロ
ーナル抗体の作製を試みた結果、目的とするモノクロー
ナル抗体を取得することができ、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明によれば、下記a及びb
の性質を有する抗アデノウイルス37型モノクローナル抗
体が提供される。 a)アデノウイルス37型と特異的に反応し、他の血清型
のアデノウイルスと反応しない、 b)アデノウイルス37型に対し中和活性を有する。
【0009】アデノウイルスはヒトに感染した場合、多
彩な臨床症状を呈し、特異的な病状が少ない為、従来、
臨床症状からアデノウイルスの感染を証明することは困
難であり、ましてや血清型までを迅速に検出同定するこ
とは困難であった。
【0010】本発明によれば、上記モノクローナル抗体
と検体とを反応させることによりアデノウイルス37型の
簡便な検出同定が可能となるだけでなく、アデノウイル
ス37型が関連する上記疾病の迅速な臨床診断薬が提供さ
れる。
【0011】本発明のモノクローナル抗体は、EIA法, R
IA法, 蛍光抗体法、免疫クロマト法、免疫電気泳動法、
及び、これらの変法又は応用を含めた公知のいずれの検
出法においても使用できる。このモノクローナル抗体
は、特に、迅速なアデノウイルスの検出同定法であるシ
ェルバイアル法に用いることができる点で好都合であ
る。
【0012】また、アデノウイルスはヒトへの感染力が
高いため、上記方法の実施に際しての安全性が確保され
ていることが好ましい。この点、本発明のモノクローナ
ル抗体は、アデノウイルス37型に対して中和活性を有す
ることから、上記方法を実施する作業員への感染の危険
性が低く、安全性にも優れている。さらには、上記のよ
うなアデノウイルス37型関連疾病の予防薬及び治療薬と
しても有用である。
【0013】
【実施例】以下、アデノウイルス37型に対するモノクロ
ーナル抗体の製造例及び使用例を示す。
【0014】(1)動物の免疫と抗体産生細胞の調製 アデノウイルス37型プロトタイプ(Ad37p)を、Hep−2細
胞を用いて培養し、細胞変性効果(CPE)+++となったもの
を、60℃にて2時間処理して不活化して免疫抗原(以
下「不活化抗原」という)とし、3〜10週齢のBALB/C
マウス(♀)の腹腔内にフロインドの完全アジュバントと
ともに投与した。以後、2週間ごとに不活化抗原をフロ
インドの不完全アジュバントとともに腹腔内投与を2〜
5回繰り返した。
【0015】細胞融合に供するにあたって、免疫したマ
ウスに融合処理の3〜4日前に不活化抗原を腹腔内投与
し最終免疫とした。細胞融合当日に脾臓を摘出し、脾細
胞を調製した。すなわち、脾臓をIscove's Modified
Dulbecco's Medium(IMDM)中で細断し、メッシュを通し
て細分化し、1000rpmで5分間遠心して上清を捨
て、IMDMで洗浄を3回くりかえして、融合用脾細胞とし
て提供した。
【0016】(2)ミエローマ細胞の調製 マウス由来のNS-1(ATCC名称;P3/NS1/1/Ag4-1)細胞株を
正常培地で培養し、細胞融合時に2x107以上の細胞を
得、細胞融合に親株として供した。
【0017】(3)ハイブリドーマの作製 (1)と(2)で得られた脾細胞とミエローマ細胞を、5〜1
0:1の割合となるように混合し、1000rpmで5分間遠心
した後上清を捨て、沈殿した細胞群をよくほぐした後、
撹拌しながら37℃で50%ポリエチレングリコール(PEG10
00〜5000)1mlを1分間かけて加え、さらにIMDM1〜2mlを
数回加えて全量が20mlになるまで加えた。1000rpmで5分
間遠心した後、上清を捨て、フィーダー細胞として用意
しておいたBALB/cマウス胸腺細胞1x108個を加え、緩や
かにほぐした後、HAT(ヒホ゜キサンチンナトリウム、アミノフ゜テリン、チミシ゛
ン)培地/{IMDM,牛胎児血清(FCS)10%}を200ml加え、メス
ピペットによる吸い込み、吹き出しで緩やかに細胞を懸
濁した。
【0018】この懸濁液を96ウエル(well)培養用マイク
ロプレートに100μlずつ分注し、5%CO2インキュベータ
ー中37℃で24時間培養した。以後、培養液が黄色味を帯
びてきたwellが出現したら、約2日間ごとに培養上清10
0μlを捨て、新たなHAT培地100μlを加える。この操作
を10日〜14日間繰り返しながら5%CO2インキュベータ
ー内で37℃で培養した。
【0019】この間、培地交換をする際に、得られた培
養上清を次に示すスクリーニング方法に供し、アデノウ
イルス37型に反応する抗体を産生しているwellを選択し
た。
【0020】(4)スクリーニング方法 Ad37p不活化精製ウイルス2μg/ml/PBS溶液を96穴マイク
ロタイタープレートに50μl/well分注し、室温1時間以
上または4℃一晩以上静置して感作した後、0.05%Tween2
0を含むPBSで3回洗浄し、1%BSA/PBSでブロッキングし
た。
【0021】この抗原感作プレートに、抗体を含むと思
われる試料溶液50μl/wellを分注し、室温1時間以上ま
たは4℃一晩以上反応させた。反応後、0.05%Tween20を
含むPBSで3回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識した抗マウ
スIgG1抗体をPBSで適正濃度に希釈し、50μl/wellを分
注し、室温で1時間反応させ、再び0.05%Tween20を含む
PBSで3回洗浄した。ペルオキシダーゼの基質であるオル
トフェニレンジアミンを100μl/well分注して5分〜30分
発色させた後、2NのH2SO4を100μl/well加えて反応を停
止し、分光光度計にて490nmでのOD値を測定し、一定以
上の発色を示したものを陽性とした。
【0022】上記ELISAにて陽性とみなされ、すなわち
アデノウイルス37型に反応する抗体を産生しているwell
であり、かつ、コロニー状に生育してきたハイブリドー
マの認められるwellについて、限界希釈法によりクロー
ニングを行い、安定してアデノウイルス37型に強い抗体
価の認められたものを抗アデノウイルス37型モノクロー
ナル抗体として選択した。なお、選択できたものは、培
地を徐々にHT(ヒホ゜キサンチンナトリウム、チミシ゛ン)培地へと変換し、
さらに正常培地へと変換した。このようにして、モノク
ローナル抗体13C6を産生するハイブリドーマ細胞を得
た。なお、このハイブリドーマ細胞(Mab 13c6)は、工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されており、そ
の受託番号はFERM P-16927である。
【0023】(5)モノクローナル抗体の大量作製 プリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン) 0.
5mlを腹腔内投与し、2〜4週間飼育した8〜10週令の
マウス(BALB/c,♀)に、(4)で得られた抗アデノウイルス
37型モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞(Mab
13c6)を2〜10x106細胞/匹を腹腔内投与した。10
〜21日でハイブリドーマは腹水癌化したので、このマ
ウスから腹水を採取し、遠心分離(3000rpmx5分)して固
形分を除き上清液を ProteinAカラムに通過させ、その
吸着画分を集め、精製モノクローナル抗体IgG画分とし
た。
【0024】(6)モノクローナル抗体13C6の反応性 (5)で得られたモノクローナル抗体13C6のアデノウイル
スに対する反応性を次の3つの方法で調べた。
【0025】方法1(シェルバイアル法) ドラムチューブ内の円形カバースリップ上の培養細胞(H
ep-2)に、検体を遠心吸着し、培養後、細胞変性発現前
(Pre-CPE)の培養細胞中に増殖したアデノウイルス抗原
に、抗アデノウイルスモノクローナル抗体13C6を反応さ
せた後、FITC標識抗マウスIgG抗体を反応させた。検体
中にアデノウイルスが存在すれば反応後、蛍光顕微鏡下
で培養細胞がアップルグリーンに確認される。今回検体
としては、臨床材料6検体を用いた。
【0026】分離同定法の比較例として、全てのアデノ
ウイルスに共通に反応性をもつモノクローナル抗体(an
ti-all Ad)を用いたシェルバイアル法、分離培養ー中
和法、PCR-RFLP、及び、アデノチェック(市販アデノウ
イルス検出キット(TFB社製)、全ての血清型に反応す
る)による同定を行った。これらの同定の結果を表1に
示す。
【0027】
【表1】 表1 ____________________________________ シェルバイアル法 分離−同定結果 検体番号 13C6 anti-all Ad 分離培養−中和法 PCR-RFLP アデノチェック ____________________________________ YCU-92 - + Ad3 Ad3 + YCU-113 - + Ad3 Ad3 + YCU-98 - + Ad8 Ad8 + YCU-99 - + Ad8 Ad8 - YCU-97 + + Ad37 Ad37 + YCU107 + + Ad37 Ad37 + ____________________________________ 注)-:陰性 +:陽性 Ad3:アデノウイルス3型同定 Ad8:アデノウイルス8型同定 Ad37:アデノウイルス37型同定
【0028】表1の結果から、モノクローナル抗体13C6
は、分離培養−中和法やPCR-RFLPで同定された37型のア
デノウイルスには反応するが、3型や8型のアデノウイル
スとは反応しないことがわかった。なお、アデノウイル
ス8型は37型と同じD群の血清型(表4参照)であること
から、モノクローナル抗体13C6は同じ亜群の中でも37型
に特異的に反応しているといえる。
【0029】方法2(中和反応) ウイルス液を抗体と反応させ、その反応後に残存する感
染性ウイルス量を感受性細胞(Hep-2)を用いた細胞変性
効果(CPE)によって観察し、感染力を阻止する中和活性
の有無を検出した。
【0030】中和活性を有するか否かは、感染力を阻止
するときの抗体液の希釈倍が1倍未満のとき陰性、1倍
以上のとき陽性とした。
【0031】試験には、角結膜炎起因病原体とされる、
Ad1p, Ad2p, Ad3p, Ad4p, Ad5p, Ad6p, Ad7p, Ad8p, Ad
11p, Ad19p, Ad37p,の11種の血清型プロトタイプのア
デノウイルスを用いた。さらに、Ad8, Ad37に関して
は、ゲノムタイプが異なるAd8v1, Ad37p1, Ad37v1, Ad3
7v2の3種類の臨床分離株についても反応性を見た。結
果を表2に示す。
【0032】
【表2】 表2:13C6の中和活性 ________________________________ Ad血清型 中和活性 株 分離年 分離場所 ________________________________ Ad1p <1 プロトタイプ - - Ad2p <1 プロトタイプ - - Ad3p <1 プロトタイプ - - Ad4p <1 プロトタイプ - - Ad5p <1 プロトタイプ - - Ad6p <1 プロトタイプ - - Ad7p <1 プロトタイプ - - Ad8p <1 プロトタイプ - - Ad8v1 <1 臨床分離株 1996年 日本 Ad11p <1 プロトタイプ - - Ad19p <1 プロトタイプ - - Ad37p 256 プロトタイプ - - Ad37p1 128 臨床分離株 1991年 日本 Ad37v1 256 臨床分離株 1991年 日本 Ad37v2 128 臨床分離株 1996年 日本 ________________________________
【0033】表2の結果から、モノクローナル抗体13C6
はアデノウイルス37型に特異的に中和活性を有し、ゲノ
ムタイプが異なる何れの37型にも中和活性を有すること
が判る。
【0034】方法3(蛍光抗体法) モノクローナル抗体13C6をPBSで段階希釈し、方法2で
用いた血清型の各抗原に添加し、37℃60分インキュベー
トした。そして、FITC標識抗マウスIgGを添加し、37℃
で60分インキュベーションし、洗浄後、蛍光顕微鏡にて
検鏡した。
【0035】抗体価は、終末陽性希釈倍数で表し、1倍
未満を陰性とする。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】 表3:13C6の蛍光抗体法による抗体活性 _________________________________ 血清型 抗体価 株 分離年 分離場所 _________________________________ Ad1p <1 プロトタイプ - - Ad2p <1 プロトタイプ - - Ad3p <1 プロトタイプ - - Ad4p <1 プロトタイプ - - Ad5p <1 プロトタイプ - - Ad6p <1 プロトタイプ - - Ad7p <1 プロトタイプ - - Ad8p <1 プロトタイプ - - Ad8v1 <1 臨床分離株 1996年 日本 Ad11p <1 プロトタイプ - - Ad19p <1 プロトタイプ - - Ad37p 512 プロトタイプ - - Ad37p1 512 臨床分離株 1991年 日本 Ad37v1 512 臨床分離株 1991年 日本 Ad37v2 512 臨床分離株 1996年 日本 _________________________________
【0037】表3から、モノクローナル抗体13C6はアデ
ノウイルス37型(Ad37)に特異的に反応し、他の血清型ア
デノウイルスとは反応しないことが判る。なお、ここで
用いた各血清型の属する亜群は表4に示すとおりであ
る。
【0038】
【表4】 表4:アデノウイルスの分類 _____________ 亜群 血清型 B 3, 7、11, C 1, 2, 5, 6 D 8, 19, 37 E 4 _____________
【0039】方法2においても方法3においても、モノ
クローナル抗体13C6は同じD亜群の血清型である 8, 19,
37型の内、37型のみと反応しているのが判る。
【0040】(6)モノクローナル抗体13C6の他のウイル
スとの交差反応性 さらに、モノクローナル抗体13C6が、アデノウイルス以
外のウイルス、特に、アデノウイルス結膜炎と鑑別困難
な結膜炎病因ウイルスと交差反応を起こすか否かを確認
する為、上記蛍光抗体法を用いて、下記ウイルスとの反
応を行った。結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】表5から、モノクローナル抗体13C6はアデ
ノウイルス以外の上記ウイルスとは交差反応性を有しな
いことが確認できた。
【0043】以上の実施例より、モノクローナル抗体13
C6は、アデノウイルス以外のウイルスとは反応せず、か
つ37型以外の血清型のアデノウイルスとも反応しない一
方、アデノウイルス37型に対してはプロトタイプや臨床
分離株に拘らず全ての検体に反応性を有することが示さ
れた。これらのことから、モノクローナル抗体13C6は、
アデノウイルス37型に特異的な反応性を有するモノクロ
ーナル抗体であると考えられる。また、モノクローナル
抗体13C6は中和活性を有することから、アデノウイルス
37型のレセプター結合部位を特異的に認識するものと考
えられる。
【0044】なお、上記した本発明の具体例は、例示を
目的とするものであって、本発明の技術的範囲及び内容
を限定し制限するものではない。
【0045】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、アデノ
ウイルス37型と特異的に反応し、他の血清型のアデノウ
イルスと反応せず、血清型特異的にアデノウイルス37型
と反応する点で新規である。したがって、シェルバイア
ル法などの簡便な方法で迅速にアデノウイルス37型を検
出同定することが可能となり、臨床診断に有用である。
また、本発明のモノクローナル抗体は、アデノウイルス
37型に対し中和活性を有することから、上記臨床診断を
実施する作業者のアデノウイルス感染を防止できるため
安全性に優れているのみならず、アデノウイルス37型感
染症の予防及び治療にも有用と考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 重昭 神奈川県横浜市金沢区富岡西1―41―10 (72)発明者 東 隆親 千葉県野田市山崎2361―1 ライオンズガ ーデンE―203 (72)発明者 直江 智子 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 松尾 克彦 茨城県つくば市大久保2番 東亞合成株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 青木 功喜 北海道札幌市白石区本通5丁目南4―3 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA14 BA44 DA02 GA05 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA15 4H045 AA11 CA01 DA76 EA29 EA53 FA72 GA15 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記a及びbの性質を有する抗アデノウ
    イルス37型モノクローナル抗体。 a)アデノウイルス37型と特異的に反応し、他の血清型
    のアデノウイルスと反応しない、 b)アデノウイルス37型に対し中和活性を有する。
  2. 【請求項2】 請求項1のモノクローナル抗体を用いる
    アデノウイルス37型検出同定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のモノクローナル抗体からなる
    アデノウイルス37型検出用診断薬。
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