JP2000072612A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JP2000072612A
JP2000072612A JP11170905A JP17090599A JP2000072612A JP 2000072612 A JP2000072612 A JP 2000072612A JP 11170905 A JP11170905 A JP 11170905A JP 17090599 A JP17090599 A JP 17090599A JP 2000072612 A JP2000072612 A JP 2000072612A
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skin
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atom
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JP11170905A
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English (en)
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Tsutomu Sakaida
勉 坂井田
Masataka Kishi
正孝 岸
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Nonogawa Shoji Ltd
Original Assignee
Nonogawa Shoji Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度で使用しても光アレルギーを生じるこ
となく,美白効果に優れ,シミ,ソバカスを予防,治療
することができる皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 図1に示す一般式で表されるシクロ化合
物,又は該シクロ化合物の塩を含有する。図1の中のX
は,連結基であり,Yは,所定の複素環を有する連結基
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,皮膚外用剤に関し,特に美白効
果が高いものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,シミ,ソバカス,日焼けなどに
見られる皮膚の色素沈着は,皮膚内に存在するメラニン
色素生成細胞がメラニン色素を過剰に生成することが原
因とされている。この色素沈着の治療には,従来より,
ハイドロキノンを外用する処置などが行われてきた。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,ハイドロキノ
ンは色素沈着を防止する効果は認められているがアレル
ギー性があるため,一般に使用が制約されており,製剤
上も不安定である。また,本発明者らは,シプロヘプタ
ジンを含有する美白剤を開発し,特開平8−23137
1号公報において開示したが,シプロヘプタジンは色素
沈着を防止し美白効果は優れており,低濃度では安全性
が高く十分に実用化できるが,高濃度の使用において光
アレルギー性が認められ,安全性について改良の余地が
あった。
【0004】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,高濃
度で使用しても光アレルギーを生じることなく,美白効
果に優れ,シミ,ソバカスを予防,治療することができ
る皮膚外用剤を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は,図1に示す一般式で表さ
れるシクロ化合物,又は該シクロ化合物の塩を含有する
ことを特徴とする皮膚外用剤である。(図1の中のX
は,連結基であり,Yは,図2(a)〜(d),図3
(e)〜(h)で表される連結基のいずれかであり,n
は自然数である。図2,図3の中のJは,ベンゼン環上
の置換基であり,mは1〜5から選ばれる自然数であ
り,Lは酸素原子に結合した置換基であり,Qは縮合又
は置換した環構造である。図2の中のGは連結基であ
る。但し,図4に示す化学構造式からなるシクロ化合
物,及び該シクロ化合物の塩を除く。)
【0006】本発明者らは,安全性が高く美白効果に優
れた皮膚外用剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果,上記
のごとく特定の化合物が顕著な美白効果を発揮し,極め
て安全性に優れていることを見い出し,この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。即ち,上記のシクロ化
合物又はその塩は,シミ,ソバカス,日焼けなどにみら
れる皮膚の色素沈着を防止し,美白効果に優れている。
また,高濃度の使用においても光アレルギー性は認めら
れず,安全である。
【0007】上記シクロ化合物の中,図1においてXが
メチル基を持つ窒素原子団(−N(CH)−),Y
が図2に示す連結基,図2の中のGがCH=CH,S,
Oで,Jがすべて水素原子,Qがベンゼン,nが2であ
る化合物などは公知の物質である(J.Med.Che
m.,1965,8,829−835)。しかし,かか
る化合物に美白効果があり,かつ光アレルギー性を持た
ないことは全く知られていなかった。本発明は,かかる
効果をもつシクロ化合物を皮膚外用剤に用いたものであ
る。以上のように本発明の皮膚外用剤は,メラニンを抑
制し,優れた美白効果により,シミ,ソバカスを予防,
治療する医薬品,医薬部外品,化粧品等の皮膚外用剤成
分として有効である。
【0008】次に,本発明の詳細について説明する。(1)図1の中の連結基Xについて 連結基Xとは,図1に示すごとく,シクロ化合物の炭素
骨格原子同士を連結する基をいう。図1の中の上記X
は,炭素原子,窒素原子,酸素原子又は硫黄原子を連結
原子として含む連結基であることが好ましい。連結原子
とは,図1のシクロ化合物の環構造を構成している原子
をいう。連結原子としての炭素原子若しくは窒素原子に
は,側鎖が結合している。
【0009】図1の中の上記連結基Xは,炭素原子を連
結原子としその側鎖として2つの置換基が結合している
とともに,該置換基は,水素原子,アルキル基,アルケ
ニル基,アリール基,アシル基,及びアルコキシカルボ
ニル基のグループから選ばれる1種又は2種を有するこ
とが好ましい。中でも,水素原子,アルキル基が望まし
い。
【0010】上記アルキル基としては炭素数1〜20の
アルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0011】上記アルケニル基としては炭素数2〜20
のアルケニル基が好ましく,炭素数2〜12のアルケニ
ル基がより好ましく,炭素数2〜4のアルケニル基が特
に好ましい。アルケニル基の例としては,ビニル,アリ
ル,ブテニル,ブタンジエニル基などがあげられる。
【0012】上記アリール基としては炭素数6〜18の
アリール基が好ましく,フェニル,ナフチル,トリル,
キシリル,又はビフェニリル基がより好ましく,フェニ
ル基が特に好ましい。
【0013】上記アシル基としては炭素数1〜20のア
シル基が好ましく,炭素数1〜12のアシル基がより好
ましく,アセチル,ベンゾイル基などの炭素数1〜8の
アシル基が特に好ましい。
【0014】上記アルコキシカルボニル基としては炭素
数1〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく,炭素
数1〜12のアルコキシカルボニル基がより好ましく,
メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,フェニルオ
キシカルボニル基などの炭素数1〜7のアルコキシカル
ボニル基が特に好ましい。
【0015】図1の中の上記連結基Xは,窒素を連結原
子としその側鎖として1つの置換基が結合しているとと
もに,該置換基は,水素原子,アルキル基,アルケニル
基,アリール基,アシル基,及びアルコキシカルボニル
基のグループから選ばれる1種を有することが好まし
い。これらの置換基は,上記と同様のものを用いること
が好ましい。
【0016】(2)図1の中のYについて 図1の中のYは,シクロ化合物の炭素骨格原子同士を連
結する連結基である。連結基Yは,図2(a)〜
(d),図3(e)〜(h)で表される連結基のいずれ
かである。この中,特に,図2(a)または図3(e)
であることが好ましい。
【0017】(3)図2,図3の中の置換基Jについて 図2,図3の中の上記Jは,水素原子,ハロゲン原子,
アルキル基,アルケニル基,アリール基,水酸基,アミ
ノ基,一置換アミノ基,二置換アミノ基,アルコキシ
基,アルキルチオ基,カルボキシル基,アルキルカルボ
ニルオキシ基,アルコキシカルボニル基,パーフルオロ
アルキル基,パーフルオロアルコキシ基,及びニトロ基
のグループから選ばれる置換基を有することが好まし
い。
【0018】上記ハロゲン原子としてはフッ素,塩素,
臭素,ヨウ素原子が好ましく,フッ素,塩素原子がより
好ましい。
【0019】上記アルキル基としては炭素数1〜20の
アルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0020】上記アルケニル基としては炭素数2〜20
のアルケニル基が好ましく,炭素数2〜12のアルケニ
ル基がより好ましく,炭素数2〜4のアルケニル基が特
に好ましい。アルケニル基の例としては,ビニル,アリ
ル,ブテニル,ブタンジエニル基などがあげられる。
【0021】上記アリール基としては炭素数6〜18の
アリール基が好ましく,フェニル,ナフチル,トリル,
キシリル,又はビフェニリル基がより好ましく,フェニ
ル基が特に好ましい。
【0022】上記アルコキシ基,上記アルキルチオ基と
しては,特に限定されないが,例えば,炭素数1〜20
のアルキル鎖を有するものがあり,中でも炭素数1〜2
0のアルキル鎖を有するものが好ましく,炭素数1〜1
2のアルキル鎖を有するものがより好ましく,炭素数1
〜4のアルキル鎖を有するものが特に好ましい。
【0023】上記アルキルカルボニルオキシ基としては
炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ基が好まし
く,炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基がよ
り好ましく,アセトキシ,又はベンゾイルオキシ基が特
に好ましい。
【0024】上記アルコキシカルボニル基としては炭素
数1〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく,炭素
数1〜12のアルコキシカルボニル基がより好ましく,
メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,フェニルオ
キシカルボニル基などの炭素数1〜7のアルコキシカル
ボニル基が特に好ましい。
【0025】上記パーフルオロアルキル基としては炭素
数1〜20のパーフルオロアルキル基が好ましく,炭素
数1〜12のパーフルオロアルキル基がより好ましく,
トリフルオロメチル基など炭素数1〜4のパーフルオロ
アルキル基が特に好ましい。
【0026】上記パーフルオロアルコキシ基としては炭
素数1〜20のパーフルオロアルコキシ基が好ましく,
炭素数1〜12のパーフルオロアルコキシ基がより好ま
しく,トリフルオロメトキシ基など炭素数1〜4のパー
フルオロアルコキシ基が特に好ましい。
【0027】上記一置換アミノ基は,アミノ基の中の1
つの水素原子がアルキル基で置換されたものであること
が好ましい。上記二置換アミノ基は,アミノ基の中の2
つの水素原子がアルキル基で置換されたものであること
が好ましい。上記一置換アミノ基及び上記二置換アミノ
基に含まれるアルキル基としては,炭素数1〜20のア
ルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基がよ
り好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0028】(4)図2の中の連結基Gについて 図2の中の上記Gは,図5に示す(a)〜(k)の中か
ら選ばれる連結基であることが好ましい。これにより,
美白効果が向上する。上記Gの中でも特に図5に示す
(a)〜(d)の中から選ばれる連結基が好ましい。こ
れにより,美白効果が更に向上する。特に,図5に示す
(b)の連結基は,美白効果が著しく向上させる。
【0029】(5)図2,図3の中のQ(縮合又は置換
した環構造)について 上記Qは,図2の中の縮合した環構造,または図3の中
の置換した環構造である。「縮合した環構造」とは,図
2(a)〜(d)に示すごとく,連結基Gを含む隣接し
た環に縮合している環状構造を意味する。「置換した環
構造」とは,図3(e)〜(h)に示すごとく,炭素原
子に結合する環状構造を意味する。
【0030】図2,図3の中の上記Qは,ベンゼン,ピ
ロール,フラン,チオフェン,ピリジン,ナフタレン,
シクロペンタン,シクロヘキサン,及びシクロヘプタン
のグループから選ばれる環構造を有することが好まし
い。これにより,美白効果が向上する。上記Qの中で
も,ベンゼン,チオフェン,又はピリジンがより好まし
く,ベンゼンが特に好ましい。これにより,美白効果が
更に向上する。
【0031】図2,図3の中の環構造Qには,水素原
子,ハロゲン原子,アルキル基,アルケニル基,アリー
ル基,アシル基,アルコキシカルボニル基,水酸基,ア
ミノ基,一置換アミノ基,二置換アミノ基,カルボキシ
ル基,アルコキシ基,パーフルオロアルキル基,パーフ
ルオロアルコキシ基,及びニトロ基のグループから選ば
れる置換基が結合していることが好ましい。
【0032】また,図2,図3の中の環構造Qには上述
の置換基が結合できるが,1〜3個がより好ましく,1
又は2個が特に好ましい。
【0033】上記ハロゲン原子としてはフッ素,塩素,
臭素,ヨウ素原子が好ましく,フッ素原子,塩素原子が
より好ましい。
【0034】上記アルキル基としては炭素数1〜20の
アルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0035】上記アルケニル基としては炭素数2〜20
のアルケニル基が好ましく,炭素数2〜12のアルケニ
ル基がより好ましく,炭素数2〜4のアルケニル基が特
に好ましい。アルケニル基の例としては,ビニル,アリ
ル,ブテニル,ブタンジエニル基などがあげられる。
【0036】上記アリール基としては炭素数6〜18の
アリール基が好ましく,フェニル,ナフチル,トリル,
キシリル,又はビフェニリル基がより好ましく,フェニ
ル基が特に好ましい。
【0037】上記アシル基としては炭素数1〜20のア
シル基が好ましく,炭素数1〜12のアシル基がより好
ましく,アセチル,ベンゾイル基などの炭素数1〜8の
アシル基が特に好ましい。
【0038】上記アルコキシカルボニル基としては炭素
数1〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく,炭素
数1〜12のアルコキシカルボニル基がより好ましく,
メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,フェニルオ
キシカルボニル基などの炭素数1〜7のアルコキシカル
ボニル基が特に好ましい。
【0039】上記アルコキシ基としては,特に限定され
ないが,例えば,炭素数1〜20のアルキル鎖を有する
ものがあり,中でも炭素数1〜20のアルキル鎖を有す
るものが好ましく,炭素数1〜12のアルキル鎖を有す
るものがより好ましく,炭素数1〜4のアルキル鎖を有
するものが特に好ましい。。
【0040】上記パーフルオロアルキル基としては炭素
数1〜20のパーフルオロアルキル基が好ましく,炭素
数1〜12のパーフルオロアルキル基がより好ましく,
トリフルオロメチル基など炭素数1〜4のパーフルオロ
アルキル基が特に好ましい。
【0041】上記パーフルオロアルコキシ基としては炭
素数1〜20のパーフルオロアルコキシ基が好ましく,
炭素数1〜12のパーフルオロアルコキシ基がより好ま
しく,トリフルオロメトキシ基など炭素数1〜4のパー
フルオロアルコキシ基が特に好ましい。
【0042】上記一置換アミノ基は,アミノ基の中の1
つの水素原子がアルキル基で置換されたものであること
が好ましい。上記二置換アミノ基は,アミノ基の中の2
つの水素原子がアルキル基で置換されたものであること
が好ましい。上記一置換アミノ基及び上記二置換アミノ
基に含まれるアルキル基としては,炭素数1〜20のア
ルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基がよ
り好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0043】とりわけ,図2の中の上記Gは図5(b)
に示す連結基であり,図2の環構造Qはベンゼンである
ことが好ましい。これにより,美白効果が向上する。
【0044】(6)図2,図3の中の置換基Lについて 図2(c),図3(g)の中のLは,水素原子,アルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,アシル基,及びアル
コキシカルボニル基のグループから選ばれる置換基であ
ることが好ましい。
【0045】上記アルキル基としては炭素数1〜20の
アルキル基が好ましく,炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく,炭素数1〜4のアルキル基が特に好まし
い。アルキル基の例としては,メチル,エチル,プロピ
ル,分岐プロピル,ブチル,分岐ブチル,ペンチル,分
岐ペンチル,ヘキシル,分岐ヘキシル,ヘプチル,分岐
ヘプチル,オクチル,分岐オクチル,ノニル,分岐ノニ
ル,デシル,分岐デシル,ウンデシル,分岐ウンデシ
ル,ドデシル,分岐ドデシル基などがあげられる。
【0046】上記アルケニル基としては炭素数2〜20
のアルケニル基が好ましく,炭素数2〜12のアルケニ
ル基がより好ましく,炭素数2〜4のアルケニル基が特
に好ましい。アルケニル基の例としては,ビニル,アリ
ル,ブテニル,ブタンジエニル基などがあげられる。
【0047】上記アリール基としては炭素数6〜18の
アリール基が好ましく,フェニル,ナフチル,トリル,
キシリル,又はビフェニリル基がより好ましく,フェニ
ル基が特に好ましい。
【0048】上記アシル基としては炭素数1〜20のア
シル基が好ましく,炭素数1〜12のアシル基がより好
ましく,アセチル,ベンゾイル基などの炭素数1〜8の
アシル基が特に好ましい。
【0049】上記アルコキシカルボニル基としては炭素
数1〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく,炭素
数1〜12のアルコキシカルボニル基がより好ましく,
メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,フェニルオ
キシカルボニル基などの炭素数1〜7のアルコキシカル
ボニル基が特に好ましい。
【0050】(7)図1の中の自然数nについて 図1の中のnは,1〜4から選ばれる自然数であること
が好ましい。これにより,美白効果が向上する。中で
も,美白効果の点から,nが1〜3であることが好まし
く,特には2〜3が望ましい。
【0051】(8)図4の物質について 図4の化学構造式で表される物質は,本発明の範囲外で
はあるが,低濃度で皮膚外用剤に用いることができる。
この物質は,シプロヘプタジンと称される。
【0052】(9)シクロ化合物の合成方法 上記シクロ化合物又はその塩は種々の公知の方法で製造
することができる。例えば,J.Med.Chem.,
1965,8,829−835に記載された方法を参考
にすることができ,その合成法は特に限られないが,例
えば,図6に示す方法で合成することができる。図6に
おいて,X,Xは塩素,臭素などのハロゲン原子
で,J,Q,X,m,nは前記と同じである。
【0053】すなわち,図6に示すごとく,ハロゲン化
合物(1)にマグネシウムを反応させることによりグリ
ニャール化合物(2)を得,これをケトン化合物(3)
と反応させることにより,ヒドロキシ化合物(4)(図
3(g)参照)を得ることができる。
【0054】さらに,このヒドロキシ化合物(4)を5
0〜250℃に加熱,又は種々の酸触媒を用いて脱水反
応させることにより,化合物(5)(図3(e)参照)
を得ることができる。酸触媒としては,例えば,塩酸,
硫酸,リン酸,酢酸,無水酢酸,パラトルエンスルホン
酸などがあげられる。
【0055】また,このヒドロキシ化合物(4)は種々
の酸無水物,酸ハロゲン化合物,ハロゲン化合物などに
より,エステル化合物,エーテル化合物などに誘導する
ことができる。
【0056】グリニャール化合物(2)にハロゲン化合
物(6)を反応させることにより,化合物(7)(図3
(f)参照)を得ることができる。
【0057】ハロゲン化合物(6)にアミン化合物
(8)を反応させることにより,化合物(9)(図3
(h)参照)を得ることができる。
【0058】また,前記合成方法におけるケトン化合物
(3)に代わり,図7に示すケトン化合物(10)を用
いることにより,図2に示す構造を有する化合物を得る
ことができる。
【0059】(10)皮膚外用剤の製造方法 かくして得られる図1の一般式で表されるシクロ化合物
は,必要に応じて塩とすることができる。具体的には,
塩基性のシクロ化合物の場合には,必要に応じてシクロ
化合物に許容される塩酸,硫酸,硝酸,リン酸などの無
機酸塩又はマレイン酸,コハク酸,フマル酸,クエン
酸,酒石酸,酢酸などの有機酸塩とすることができ,酸
性のシクロ化合物の場合には,必要に応じてシクロ化合
物に許容されるナトリウム,カリウムなどの無機塩又は
アンモニウム,種々のアミンなどの有機塩とすることが
できる。特に,三級アミン誘導体の場合,従来周知の方
法により,シクロ化合物にハロゲン化アルキルを反応さ
せて四級アンモニウム塩とすることができる。また,シ
クロ化合物は,水和物として存在していてもよい。
【0060】本発明の図1の一般式で表されるシクロ化
合物又はその塩は,一種を単独で又は二種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0061】本発明の皮膚外用剤は,図1の一般式
(1)で表されるシクロ化合物又はその塩を配合したも
のであり,その配合量は,0.0001〜20重量%,
好ましくは,0.001〜5重量%配合することができ
る。0.0001%未満の濃度では充分な効果が得られ
難く,20重量%を超える濃度では効果の増強が認めら
れないことがあり不経済である。
【0062】また,本発明の皮膚外用剤には必要に応じ
通常の化粧品,医薬部外品,医薬品などに使用される成
分を適宜配合することができる。例えば,美白剤,保湿
剤,油性成分,紫外線吸収剤,防腐剤,酸化防止剤,
水,アルコール類,界面活性剤,キレート剤,増粘剤,
粉末類,色材,香料などの原料を適宜配合することがで
きる。
【0063】さらに,本発明の皮膚外用剤は他の公知の
美白剤,抗酸化剤と組み合わせることにより,美白効果
を高めることができる。例えば,アスコルビン酸,アス
コルビン酸誘導体,コウジ酸,アルブチン,プラセンタ
エキス,ビタミンE,ビタミンE誘導体などを配合する
ことができる。これらのうち,アスコルビン酸誘導体,
又はビタミンE誘導体が好ましい。
【0064】(11)用途 本発明の皮膚外用剤は,化粧水,クリーム,乳液,ゲル
剤,軟膏,パック,ファンデーション,リップスティッ
ク,石鹸,又は浴用剤のいずれかに用いることができる
が,これらに限定されることはない。また,本発明の皮
膚外用剤は医薬品,医薬部外品,及び化粧品を含むもの
である。
【0065】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。その概要は,化合物1〜17を合成し,これらか
ら種々の皮膚外用剤を製造し実施例1〜8となし,これ
を比較例1〜3とともに,実験例1〜4を行うというも
のである。以下に示すMSとは質量分析結果,H−N
MRとは核磁気共鳴分析結果を示す。実施例説明の中の
「部」は重量部を意味する。本発明の実施例について以
下に挙げるが,本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0066】(1)化合物1 図8に示す10,11−ジヒドロ−5−(1−メチル−
4−ピペリジル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘ
プテン−5−オール(化合物1)を合成した。窒素雰囲
気下,室温で,マグネシウム0.73g(30mmo
l),THF2.5mlに臭化エチル0.16g(1.
5mmol)を加えた。反応が落ち着いたら4−クロロ
−1−メチルピペリジン4.0g(30mmol)をT
HF13mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下
終了後,1時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,1
0,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロ
ヘプテン−5−オン3.1g(15mmol)をTHF
5mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了
後,室温で1時間攪拌を続けた。溶媒を減圧留去し,得
られた物質に氷冷下,水を加え,エチルエーテルで抽出
し,有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去した後,エタノール−ヘキサンで再結晶を行なっ
た。 ・収量:2.1g ・収率:46% ・MS(EI,m/z):307(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.21(2H,
bs),1.56(2H,qd,J=3.6Hz,1
2.3Hz),1.73(2H,td,J=2.4H
z,11.9Hz),2.16(3H,s),2.36
(1H,s),2.41(1H,tt,J=3.6H
z,11.4Hz),2.80(2H,bs),2.9
2−3.04(2H,m),3.43−3.55(2
H,m),7.09−7.23(6H,m),7.84
(2H,dd,J=2.1Hz,7.2Hz)
【0067】(2)化合物2 図9に示す4−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−メ
チルピペリジン塩酸塩(化合物2)を合成した。 操作1:4−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−メ
チルピペリジンの合成 10,11−ジヒドロ−5−(1−メチル−4−ピペリ
ジル)−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5
−オール(化合物1)1.8g(6.0mmol)を1
20mlのトルエンに溶解させ,パラトルエンスルホン
酸・一水和物1.4g(7.2mmol)を加え,3時
間還流した。放冷後,2N水酸化ナトリウムをpHが1
0になるまで加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を
無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した
後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノー
ル:トリエチルアミン=50:1)で精製した。 ・収量:1.7g ・収率:95% ・MS(EI,m/z) 289(M) ・H−NMR(CDCl,δ):2.19(2H,
ddd,J=4.5Hz,9.0Hz,10.8H
z),2.31(3H,s),2.39−2.54(4
H,m),2.68(2H,td,J=4.9Hz,1
0.4Hz),2.78−2.90(2H,m),3.
36−3.48(2H,m),7.06−7.15(8
H,m)
【0068】操作2:化合物2の合成 操作1で合成した4−(10,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−
1−メチルピペリジン1.5g(5.2mmol)をエ
チルエーテル30mlに溶解させ,塩化水素ガスを吹き
込み,塩酸塩とし,エタノールで再結晶した。 ・収量 1.5g ・収率 90% ・MS(EI,m/z):289(M−HCl)
【0069】(3)化合物3 図10に示す1−メチル−4−(9−チオキサンチリデ
ン)ピペリジン塩酸塩(化合物3)を合成した。 操作1:9−(1−メチル−4−ピペリジル)チオキ
サンテン−9−オールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.73g(30
mmol),THF2mlに臭化エチル0.16g
(1.5mmol)を加えた。反応が落ち着いたら4−
クロロ−1−メチルピペリジン4.0g(30mmo
l)をTHF13mlに溶解させた溶液をゆっくり加え
た。滴下終了後,1時間還流を続けた。この溶液を氷冷
し,チオキサンテン−9−オン3.2g(15mmo
l)をTHF50mlに溶解させた溶液をゆっくり加え
た。滴下終了後,室温で1時間攪拌を続けた。溶媒を減
圧留去し,得られた物質に氷冷下,水を加え,エチルエ
ーテルで抽出し,有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去した後,エタノール−ヘキサンで再
結晶した。 ・収量:3.0g ・収率:64% ・MS(EI,m/z):311(M
【0070】操作2:1−メチル−4−(9−チオキ
サンチリデン)ピペリジンの合成 操作1で合成した9−(1−メチル−4−ピペリジル)
チオキサンテン−9−オール1.9g(6.0mmo
l)を120mlのトルエンに溶解させ,パラトルエン
スルホン酸・一水和物1.4g(7.2mmol)を加
え,3時間還流した。放冷後,2N水酸化ナトリウムを
pHが10になるまで加え,エチルエーテルで抽出し,
有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留
去した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタ
ノール:トリエチルアミン=50:1)で精製した。 ・収量:1.4g ・収率:79% ・MS(EI,m/z):293(M) ・H−NMR(CDCl,δ):2.03−2.1
2(2H,m),2.26(3H,s),2.65−
2.72(6H,m),7.17(2H,td,J=
1.5Hz,7.5Hz),7.24(2H,td,J
=1.5Hz,7.5Hz),7.32(2H,dd,
J=1.5Hz,7.5Hz),7.49(2H,d
d,J=1.5Hz,7.5Hz)
【0071】操作3:化合物3の合成 操作2で合成した1−メチル−4−(9−チオキサンチ
リデン)ピペリジン1.3g(4.4mmol)をエチ
ルエーテル25mlに溶解させ,塩化水素ガスを吹き込
み,塩酸塩とし,エタノールで再結晶した。 ・収量:1.4g ・収率:95% ・MS(EI,m/z):293(M−HCl)
【0072】(4)化合物4 図11に示す1−エトキシカルボニル−4−(5H−ジ
ベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペ
リジン(化合物4)を合成した。 操作1:1−シアノ−4−(5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジンの合成 4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−
イリデン)−1−メチルピペリジン8.9g(31mm
ol)をベンゼン20mlに溶解させ,室温下,臭化シ
アン3.6g(34mmol)のベンゼン15mlに溶
解させた溶液を加え,終夜反応させた。反応終了後,エ
チルエーテル50mlを加え,生じた結晶をアセトン−
メタノールで再結晶した。 ・収量:8.6g ・収率:93% ・MS(EI,m/z):298(M
【0073】操作2:4−(5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン塩酸塩
の合成 操作1で合成した1−シアノ−4−(5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン
8.0g(27mmol)を氷酢酸200ml,水15
0mlに溶解させ,室温で,濃塩酸20mlを加え,1
6時間還流を続けた。この溶液を150mlに濃縮し,
水100mlを加え,生じた結晶をエタノールで再結晶
した。 ・収量:6.0g ・収率:69% ・MS(EI,m/z):273(M−HCl)
【0074】操作3:化合物4の合成 操作2で合成した4−(5H−ジベンゾ[a,d]シク
ロヘプテン−5−イリデン)ピペリジン塩酸塩3.1g
(10mmol)をジクロロメタン75mlに溶解さ
せ,室温でクロロギ酸エチル2.4g(22mmo
l),次いでトリエチルアミン10mlを加え,終夜反
応させた。反応終了後水100mlを加え,エチルエー
テルで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し
た。 ・収量:2.3g ・収率:67% ・MS(EI,m/z):345(M−HCl) ・H−NMR(CDCl,δ):1.23,(3
H,t,J=7.1),2.13(2H,ddd,J=
3.9Hz,5.6Hz,13.9Hz),2.28
(2H,ddd,J=4.7Hz,9.0Hz,13.
9Hz),3.08(2H,ddd,J=3.9Hz,
9.0Hz,12.9Hz),3.60−3.69(2
H,m),4.12(2H,q, J=7.1Hz)
【0075】(5)化合物5 図12に示す4−(α−フェニルベンジリデン)−1−
メチルピペリジン塩酸塩(化合物5)を合成した。 操作1:α−(1,1−ジフェニルメチリデン)−α
−フェニルベンジルアルコールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.73g(30
mmol),THF2.5mlに臭化エチル0.16g
(1.5mmol)を加えた。反応が落ち着いたら4−
クロロ−1−メチルピペリジン4.0g(30mmo
l)をTHF13mlに溶解させた溶液をゆっくり加え
た。滴下終了後,1時間還流を続けた。この溶液を氷冷
し,ベンゾフェノン2.7g(15mmol)をTHF
5mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了
後,室温で1時間攪拌を続けた。溶媒を減圧留去し,得
られた物質に氷冷下,水を加え,エチルエーテルで抽出
し,有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去した後,エタノール−ヘキサンで再結晶した。 ・収量:2.6g ・収率:62% ・MS(EI,m/z):281(M
【0076】操作2:4−(1,1−ジフェニルメチ
リデン)−1−メチルピペリジンの合成 操作1で合成したα−(1−メチル−4−ピペリジル)
−α−フェニルベンジルアルコール2.3g(8.0m
mol)を1.5mlのトルエンに溶解させ,パラトル
エンスルホン酸・一水和物0.57g(3.0mmo
l)を加え,3時間還流した。放冷後,2N水酸化ナト
リウムをpHが10になるまで加え,エチルエーテルで
抽出し,有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(メタノール:トリエチルアミン=50:1)で精製
した。 ・収量:2.0g ・収率:96% ・MS(EI,m/z):263(M
【0077】操作3:化合物5の合成 操作2で合成した4−(1,1−ジフェニルメチリデ
ン)−1−メチルピペリジン1.9g(7.2mmo
l)をエチルエーテル40mlに溶解させ,塩化水素ガ
スを吹き込み,塩酸塩とした。 ・収量:2.1g ・収率:98% ・MS(EI,m/z):263(M−HCl)
【0078】(6)化合物6 図13に示す1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンゾ[a,d]シクロヘプテニル)−4−メチルピペラ
ジン塩酸塩(化合物6)を合成した。 操作1:1−(10,11−ジヒドロ―5H−ジベン
ゾ[a,d]シクロヘプテニル)−4−メチルピペラジ
ンの合成 5−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン2.3g(10mmol)をトルエ
ン100mlに溶解させ,室温で,1−メチルピペラジ
ン2.0g(20mmol),ナトリウムアミド0.3
9g(10mmol)を加えた。70℃で3時間加熱還
流を続けた。放冷後,水を加え,エチルエーテルで抽出
し,有機層を無水炭酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(メタノール:ジエチルアミン=10:1)で精製し
た。 ・収量:1.7g ・収率:58% ・MS(EI,m/z):292(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.91(2H,
bs),2.24(3H,s),2.32(6H,b
s),2.73−2.83(2H,m),3.94−
4.06(2H,m),3.96(1H,s),7.0
3−7.18(8H,m)
【0079】操作2:化合物6の合成 操作1で合成した1−(10,11−ジヒドロ−5H−
ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル)−4−メチルピ
ペラジン1.3g(4.5mmol)をエチルエーテル
10mlに溶解させ,0.1N塩化水素エタノール溶液
を加え,メタノール−エチルエーテルで再結晶した。 ・収量:1.5g ・収率:90% ・MS(EI,m/z):292(M−2HCl)
【0080】(7)化合物7 図14に示す5−シクロヘキシリデン−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン(化合物7)を合成した。 操作1:5−シクロヘキシル−5H−ジベンゾ[a,
d]シクロヘプテン−5−オールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム1.5g(60m
mol),THF5mlに臭化エチル0.33g(3.
0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロロシク
ロヘキサン7.1g(60mmol)をTHF25ml
に溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,2時
間還流を続けた。この溶液を氷冷し,5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−オン6.2g30mm
ol)をTHF12mlに溶解させた溶液をゆっくり加
えた。滴下終了後,50℃で1.5時間加温した。氷冷
し,飽和塩化アンモニウム水溶液を加え,エチルエーテ
ルで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去した後,精製せず,そのまま次の反応に
用いた。 ・収量:6.6g ・MS(EI,m/z):290(M
【0081】操作2:化合物7の合成 操作1で合成した5−シクロヘキシル−5H−ジベンゾ
[a,d]シクロヘプテン−5−オール6.6gを50
0mlのトルエンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸
・一水和物0.57g(3.0mmol)を加え,2時
間還流した。放冷後,水を加え,エチルエーテルで抽出
し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減
圧留去した後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)で精製した。 ・収量:2.8g ・収率:35%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):272(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.44−1.6
3(6H,m),1.92−2.01(2H,m),
2.16−2.24(2H,m),6.91(2H,
m),7.19−7.34(8H,m)
【0082】(8)化合物8 図15に示す5−シクロヘキシリデン−10,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン(化
合物8)を合成した。 操作1:5−シクロヘキシル−10,11−ジヒドロ
−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−オー
ルの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,10,11−
ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−
5−オン2.1g(10mmol)をTHF40mlに
溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,50℃
で1.5時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精
製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.5g ・MS(EI,m/z):292(M
【0083】操作2:化合物8の合成 操作1で合成した5−シクロヘキシル−10,11−ジ
ヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5
−オール2.5gを250mlのトルエンに溶解させ,
パラトルエンスルホン酸・一水和物0.38g(2.0
mmol)を加え,1時間還流した。放冷後,水を加
え,ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=5:
1)で精製した。 ・収量:1.9g ・収率:69%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):274(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.47−1.6
5(6H,m),2.21−2.27(4H,m),
2.74−2.86(2H,m),3.35−3.47
(2H,m),7.07−7.13(8H,m)
【0084】(9)化合物9 図16に示す5−シクロヘキシリデンチオキサンテン
(化合物9)を合成した。 操作1:5−シクロヘキシルチオキサンテン−5−オ
ールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,チオキサント
ン2.1g(10mmol)をTHF70mlに溶解さ
せた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,50℃で1.
5時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム水溶液
を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精製せ
ず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.4g ・MS(EI,m/z):296(M
【0085】操作2:化合物9の合成 操作1で合成した5−シクロヘキシルチオキサンテン−
5−オール2.4gを250mlのトルエンに溶解さ
せ,パラトルエンスルホン酸・一水和物0.38g
(2.0mmol)を加え,1時間還流した。放冷後,
水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=
5:1)で精製した。 ・収量:1.5g ・収率:55%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):278(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.60−1.7
3(6H,m),2.27−2.35(2H,m),
2.58−2.67(2H,m),7.15(2H,t
d,J=1.5Hz,7.5Hz),7.23(2H,
td,J=1.5Hz,7.5Hz),7.32(2
H,dd,J=1.5Hz,7.5Hz),7.47
(2H,dd,J=1.5Hz,7.5Hz)
【0086】(10)化合物10 図17に示す5−シクロヘキシリデンキサンテン(化合
物10)を合成した。 操作1:5−シクロヘキシルキサンテン−5−オール
の合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,キサントン
2.0g(10mmol)をTHF40mlに溶解させ
た溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,50℃で1.5
時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム水溶液を
加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精製せず,
そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.1g ・MS(EI,m/z):280(M
【0087】操作2:化合物10の合成 操作1で合成した5−シクロヘキシルキサンテン−5−
オール2.1gを250mlのトルエンに溶解させ,パ
ラトルエンスルホン酸・一水和物0.38g(2.0m
mol)を加え,1時間還流した。放冷後,水を加え,
ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)で
精製した。 ・収量:0.89g ・収率:34%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):262(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.67(6H,
bs),2.58−2.64(4H,m),7.07−
7.35(8H,m)
【0088】(11)化合物11 図18に示すシクロヘキシリデンジフェニルメタン(化
合物11)を合成した。 操作1:シクロヘキシルジフェニルメタノールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,ベンゾフェノ
ン1.8g(10mmol)をTHF40mlに溶解さ
せた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,50℃で2時
間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム水溶液を加
え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精製せず,そ
のまま次の反応に用いた。 ・収量:2.4g ・MS(EI,m/z):266(M
【0089】操作2:化合物11の合成 操作1で合成したシクロヘキシルジフェニルメタノール
2.4gを250mlのトルエンに溶解させ,パラトル
エンスルホン酸・一水和物0.38g(2.0mmo
l)を加え,1時間還流した。放冷後,水を加え,ヘキ
サンで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=5:1)で精
製した。 ・収量:1.2g ・収率:50%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):248(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.57−1.6
1(6H,m),2.21−2.25(4H,m),
7.10−7.30(10H,m)
【0090】(12)化合物12 図19に示す2−クロロ−9−シクロペンチリデンチオ
キサンテン(化合物12)を合成した。 操作1:2−クロロ−9−シクロペンチルチオキサン
テン−9−オールの合成窒素雰囲気下,室温で,マグネ
シウム0.49g(20mmol),THF2mlに臭
化エチル0.11g(1.0mmol)を加えた。反応
が落ち着いたらクロロシクロペンタン2.1g(20m
mol)をTHF8mlに溶解させた溶液をゆっくり加
えた。滴下終了後,2時間還流を続けた。この溶液を氷
冷し,2−クロロチオキサンテン−9−オン2.5g
(10mmol)をTHF70mlに溶解させた溶液を
ゆっくり加えた。滴下終了後,50℃で2時間加温し
た。氷冷し,飽和塩化アンモニウム水溶液を加え,エチ
ルエーテルで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧留去した後,精製せず,そのまま次
の反応に用いた。 ・収量:2.7g ・MS(EI,m/z):316(M
【0091】操作2:化合物12の合成 操作1で合成した2−クロロ−9−シクロペンチルチオ
キサンテン−9−オール2.7gを250mlのトルエ
ンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸・一水和物0.
38g(2.0mmol)を加え,1時間還流した。放
冷後,水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメ
タン=5:1)で精製した。 ・収量:1.2g ・収率:40%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):298(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.51−1.6
4(2H,m),1.73−1.88(2H,m),
2.34−2.46(2H,m),2.69−2.83
(2H,m),7.14(1H,dd,J=2.4H
z,8.4Hz),7.17(1H,td,J=1.5
Hz,7.5Hz),7.25(1H,td,J=1.
5Hz,7.5Hz),7.32(1H,d,J=8.
4Hz),7.40(1H,dd,J=1.5Hz,
7.5Hz),7.42(1H,d,J=2.4H
z),7.43(1H,dd,J=1.5Hz,7.5
Hz)
【0092】(13)化合物13 図20に示す2−クロロ−9−シクロヘキシリデンチオ
キサンテン(化合物13)を合成した。 操作1:2−クロロ−9−シクロヘキシルチオキサン
テン−9−オールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,2−クロロチ
オキサンテン−9−オン2.5g(10mmol)をT
HF70mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下
終了後,50℃で2時間加温した。氷冷し,飽和塩化ア
ンモニウム水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
した後,精製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.9g ・MS(EI,m/z):330(M
【0093】操作2:化合物13の合成 操作1で合成した2−クロロ−9−シクロヘキシルチオ
キサンテン−9−オール2.9gを250mlのトルエ
ンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸・一水和物0.
38g(2.0mmol)を加え,1時間還流した。放
冷後,水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメ
タン=5:1)で精製した。 ・収量:1.9g ・収率:62%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):312(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.58−1.7
2(6H,m),2.30−2.39(2H,m),
2.54−2.62(2H,m),7.13(1H,d
d,J=2.2Hz,8.4Hz),7.17(1H,
td,J=1.5Hz,7.5Hz),7.24(1
H,td,J=1.5Hz,7.5Hz),7.28
(1H,d,J=2.2Hz),7.30(1H,d
d,J=1.5Hz,7.5Hz),7.39(1H,
d,J=8.4Hz),7.46(1H,dd,J=
1.5Hz,7.5Hz)
【0094】(14)化合物14 図21に示す2−クロロ−(α−シクロヘキシリデン−
α−フェニル)フェニルメタン(化合物14)を合成し
た。 操作1:2−クロロ−(α−シクロヘキシル−α−フ
ェニル)フェニルメタノールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,2−クロロベ
ンゾフェノン2.2g(10mmol)をTHF40m
lに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,5
0℃で2時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精
製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.2g ・MS(EI,m/z):300(M
【0095】操作2:化合物14の合成 操作1で合成した2−クロロ−(α−シクロヘキシル−
α−フェニル)フェニルメタノール2.2gを250m
lのトルエンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸・一
水和物0.38g(2.0mmol)を加え,1時間還
流した。放冷後,水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した
後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
ジクロロメタン=5:1)で精製した。 ・収量:1.9g ・収率:66%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):66.0(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.48−1.7
0(6H,m),1.93−2.07(2H,m),
2.27−2.32(2H,m),7.12−7.30
(8H,m),7.36(1H,dd,J=1.8H
z,7.2Hz)
【0096】(15)化合物15 図22に示す3−クロロ−(α−シクロヘキシリデン−
α−フェニル)フェニルメタン(化合物15)を合成し
た。 操作1:3−クロロ−(α−シクロヘキシル−α−フ
ェニル)フェニルメタノールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,3−クロロベ
ンゾフェノン2.2g(10mmol)をTHF40m
lに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,5
0℃で2時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウム
水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,精
製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.3g ・MS(EI,m/z):300(M
【0097】操作2:化合物15の合成 操作1で合成した1−シクロヘキシル−1−フェニル−
(3−クロロフェニル)メタノール2.3gを250m
lのトルエンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸・一
水和物0.38g(2.0mmol)を加え,1時間還
流した。放冷後,水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した
後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
ジクロロメタン=5:1)で精製した。 ・収量:1.7g ・収率:60%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):282(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.60(6H,
bs),2.18−2.26(4H,m),7.01
(1H,dt,J=1.8Hz,7.0Hz),7.0
9−7.31(8H,m)
【0098】(16)化合物16 図23に示すα−シクロヘキシリデン−α−フェニル−
(4−ビフェニリル)メタン(化合物16)を合成し
た。 操作1:1−シクロヘキシル−1−フェニル−(4−
ビフェニリル)メタノールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,4−フェニル
ベンゾフェノン2.6g(10mmol)をTHF40
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
50℃で2時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモニウ
ム水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,
精製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.5g ・MS(EI,m/z):342(M
【0099】操作2:化合物16の合成 操作1で合成したα−シクロヘキシル−α−フェニル−
(4−ビフェニリル)メタノール2.5gを250ml
のトルエンに溶解させ,パラトルエンスルホン酸・一水
和物0.38g(2.0mmol)を加え,1時間還流
した。放冷後,水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した
後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
ジクロロメタン=5:1)で精製した。 ・収量:1.7g ・収率:53%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):324(M) ・H−NMR(CDCl,δ):1.62(6H,
bs),2.29(4H,bs),7.14−7.60
(14H,m)
【0100】(17)化合物17 図24に示すα−シクロヘキシル−(α−シクロヘキシ
リデン)フェニルメタン(化合物17)を合成した。 操作1:1,1−ジシクロヘキシル−1−フェニルメ
タノールの合成 窒素雰囲気下,室温で,マグネシウム0.49g(20
mmol),THF2mlに臭化エチル0.11g
(1.0mmol)を加えた。反応が落ち着いたらクロ
ロシクロヘキサン2.4g(20mmol)をTHF8
mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了後,
2時間還流を続けた。この溶液を氷冷し,シクロヘキシ
ルフェニルケトン1.9g(10mmol)をTHF4
0mlに溶解させた溶液をゆっくり加えた。滴下終了
後,50℃で2時間加温した。氷冷し,飽和塩化アンモ
ニウム水溶液を加え,エチルエーテルで抽出し,有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した
後,精製せず,そのまま次の反応に用いた。 ・収量:2.3g ・MS(EI,m/z):272(M
【0101】操作2:化合物17の合成 操作1で合成した1,1−ジシクロヘキシル−1−フェ
ニルメタノール2.3gを250mlのトルエンに溶解
させ,パラトルエンスルホン酸・一水和物0.38g
(2.0mmol)を加え,1時間還流した。放冷後,
水を加え,ヘキサンで抽出し,有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後,シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=
5:1)で精製した。 ・収量:1.7g ・収率:67%(操作1と2の全収率) ・MS(EI,m/z):254(M) ・H−NMR(CDCl,δ):0.88−1.0
4(3H,m),1.18−1.39(4H,m),
1.50−1.73(11H,m),2.30(2H,
dd,J=5.1Hz,6.6Hz),2.64(1
H,tt,J=3.3Hz,12.0Hz)6.94−
6.97(2H,m),7.17−7.30(3H,
m)
【0102】実施例1 本例では,本発明に係る化粧水を製造した。 [処方] 1.化合物2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.01部 2.1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・8.0部 3.グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 4.キサンタンガム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.02部 5.クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.01部 6.クエン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 7.エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 8.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)・・・・・・0.1部 10.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 11.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜6,11と,成分7〜10をそれ
ぞれ均一に溶解し,両者を混合し濾過して製品とする。
【0103】比較例1 本例では,従来の化粧水を製造した。実施例1におい
て,化合物2を精製水に置き換えたものを従来の化粧水
とした。
【0104】実施例2 本例では,本発明に係るクリームを製造した。 [処方] 1.化合物4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 2.スクワラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.5部 3.オリーブ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0部 4.ステアリン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 5.ミツロウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 6.ミリスチン酸オクチルドデシル・・・・・・・・・・・・・・3.5部 7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・・・3.0部 8.ベヘニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5部 9.モノステアリン酸グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・2.5部 10.1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・8.5部 11.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 12.パラオキシ安息香酸エチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.05部 13.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 14.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜9を加熱溶解して混合し,70℃
に保ち油相とする。成分10〜12,14を加熱溶解し
て混合し,75℃に保ち水相とする。油相に水相を加
え,かき混ぜながら冷却し,45℃で成分13を加え,
更に30℃まで冷却して製品とする。
【0105】実施例3 本例では,本発明に係る乳液を製造した。 [処方] 1.化合物8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.05部 2.スクワラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 3.オリーブ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 4.ホホバ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 5.セタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.5部 6.モノステアリン酸グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・・・3.0部 8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.)2.0部 9.プロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部 10.グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 11.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 12.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 13.精製水にて全量を100とする 。 [製造方法]成分1〜8を加熱溶解して混合し,70℃
に保ち油相とする。成分9〜11,13を加熱溶解して
混合し,75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて
乳化して,かき混ぜながら冷却し,45℃で成分12を
加え,更に30℃まで冷却して製品とする。
【0106】比較例2 本例では,従来の乳液を製造した。実施例3において,
化合物8をスクワランに置き換えたものを従来の乳液と
した。
【0107】実施例4 本例では,本発明に係るゲル剤を製造した。 [処方] 1.化合物5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 2.エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 3.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)・・・・・・0.1部 5.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量 6.1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 7.グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 8.キサンタンガム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 9.カルボキシビニルポリマー・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 10.水酸化カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 11.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜5と,成分6〜11をそれぞれ均
一に溶解し,両者を混合し濾過して製品とする。
【0108】実施例5 本例では,本発明に係る軟膏を製造した。 [処方] 1.化合物16・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部 2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.)・・・・・2.0部 3.モノステアリン酸グリセリン・・・・・・・・・・・・・・10.0部 4.流動パラフィン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 5.セタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0部 6.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 7.プロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・10.0部 8.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜5を加熱溶解して混合し,70℃
に保ち油相とする。成分6〜8に加熱溶解して混合し,
75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し
て,かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0109】比較例3 本例では,従来の軟膏を製造した。実施例5において,
化合物16を流動パラフィンに置き換えたものを従来の
軟膏とした。
【0110】実施例6 本例では,本発明に係るパックを製造した。 [処方] 1.化合物11・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 2.ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・12.0部 3.エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部 4.1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・8.0部 5.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)・・・・・・0.5部 7.クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 8.クエン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.3部 9.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 10.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
【0111】実施例7 本例では,本発明に係るファンデーションを製造した。 [処方] 1.化合物13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 2.ステアリン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.4部 3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.)1.0 部 4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・・・2.0部 5.セタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部 6.精製ラノリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 7.流動パラフィン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0部 8.ミリスチン酸イソプロピル・・・・・・・・・・・・・・・・6.5部 9.パラオキシ安息香酸ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.1部 10.カルボキシメチルセルロースナトリウム・・・・・・・・・・0.1部 11.ベントナイト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部 12.プロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 13.トリエタノールアミン・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.1部 14.パラオキシ安息香酸メチル・・・・・・・・・・・・・・・・0.2部 15.二酸化チタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8.0部 16.タルク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 17.ベンガラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部 18.黄酸化鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0部 19.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量 20.精製水にて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜9を加熱溶解し,80℃に保ち油
相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ,続い
て,成分11〜14を加えて均一に混合する。これに粉
砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え,ホモミキサ
ーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相を
かき混ぜながら加え,冷却し,45℃で成分19を加
え,かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0112】実施例8 本例では,本発明に係る浴用剤を製造した。 [処方] 1.化合物15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.005部 2.炭酸水素ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・50.0部 3.黄色202号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 4.香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量 5.硫酸ナトリウムにて全量を100とする。 [製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
【0113】実験例1 光アレルギー性試験 モルモットによるAdjuvant−Strip光アレ
ルギー性試験法(西日皮膚,1980,42:5,3
1)及び日本化粧品工業連合会技術資料(1991,9
2,9)に準拠して試験を行った。被験物質としては,
上記化合物1〜17,比較化合物1として図4に示すシ
プロペプタジン,比較化合物2として6−メチルクマリ
ンを供した。被験物質(化合物1〜17)は感作及び惹
起ともすべて3%とした。比較化合物1については1%
及び3%とした。陽性対照物質(比較化合物2)である
6−メチルクマリンは,10%とした。操作を以下に示
す。
【0114】まず,Freund’s Complet
e Adjuvant(株式会社ヤトロン)と生理的食
塩水の等量乳化物を調製した。調製した感作補助剤を刈
毛処理した動物の頚部の2×4cm区画の4隅に1箇所
当り0.1mLずつ皮内投与し,ストリッピングを10
回行った後,角質層剥離部位に被験物質及び対照物質を
それぞれ0.1mLずつ塗布した。塗布後,東芝製FL
40S・BLBランプを用いて照射総エネルギーが約1
0J/cmとなるように紫外線を照射した。この操作
を1日1回,計5日間連続して行なった。
【0115】惹起操作では,感作開始後3週間経過後
に,毛刈り処理,正中線を対照軸にして1.5×1.5
cmの4区画を2列作製した。上記区画に被験物質0.
02mLを開放塗布した後,右側の試験区のみアルミ箔
で遮光し,約10J/cmの紫外線を照射した。照射
後24時間及び48時間経過した後に塗布部位の皮膚反
応(紅斑,浮腫)を観察した。
【0116】観察結果に基づいて,紅斑及び浮腫を総合
的に評価した。紅斑,浮腫どちらか又は両方あった場
合,光アレルギー性ありとした。その結果,表1に示す
ごとく,化合物1〜17は光アレルギー性を示さなかっ
た。一方,比較化合物1は低濃度では光アレルギー性を
示さなかったが,高濃度では光アレルギー性を示した。
【0117】
【表1】
【0118】実験例2 B16マウスメラノーマを用いたメラニン生成抑制試験 対数増殖期にあるB16マウスメラノーマをφ60mm
dishに2×10細胞播種し,最終濃度5.0μMに
なるように被験物質を含むEagles’MEM(10
%FCSを含む)を加え,37℃,5%CO条件下に
て培養した。培養5日後に細胞をdishから剥離し,
細胞を超音波破砕した後,2N−NaOHを加え60℃
で2時間の処理を行い,分光光度計でOD 475nm
を測定した。尚,超音波処理後の細胞破砕液をLowr
yの方法(J.Biol.Chem.1951,19
3,265−275)でタンパク定量し,タンパク量当
りのメラニン量を比較することによって,メラニン生成
抑制効果の指標とした。
【0119】被験物質としては,上記化合物1〜17,
比較化合物1として図4に示すシプロペプタジン,比較
化合物3としてアルブチンを供した。その結果,表2に
示すごとく,比較化合物1及び3のメラニン生成抑制率
はこれ自体でも十分高い値を示したが,本発明の化合物
1,3,4,6〜17は更に優れたメラニン生成抑制効
果を示した。
【0120】化合物2及び5は比較化合物1とほぼ同等
のメラニン生成抑制率を示した。また,上記の実験例1
において,比較化合物1は高濃度では光アレルギー性が
わずかに認められたが,化合物2及び5では光アレルギ
ー性を示さなかった。更に,本発明の化合物1〜17の
メラニン生成抑制率は,従来周知のメラニン生成抑制剤
である比較化合物3に比べ,すべて高かった。以上よ
り,本発明の化合物1〜17は,メラニン生成抑制効果
が高く,かつ光アレルギーが生じない物質であるといえ
る。
【0121】
【表2】
【0122】実験例3 使用試験 実施例1の化粧水,実施例3の乳液,比較例1の従来の
化粧水,比較例2の従来の乳液を用いて,各々女性10
人(30〜45才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行っ
た。使用後,肌のシミ,ソバカス,透明感及びくすみの
改善に関するアンケート調査により美白効果を判定し
た。
【0123】その結果,表3〜6に示すごとく,シクロ
化合物又はその塩を含有する皮膚外用剤(実施例1,
3)は優れた美白効果を示した。一方,比較例1,2に
ついては,美白効果は小さかった。
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】実験例4 臨床例 日焼け炎症後色素沈着した患者4名に対して実施例5に
示した軟膏を1日1回患部に塗布し,最高3カ月まで観
察した。同時に比較例3の従来の軟膏についても同様に
して試験した。効果の判定は,−:変わらない,+:う
すくなった,++:ほとんど消えた,+++:完全に消
えたの4段階とした。また,皮膚所見では,試験による
悪化,炎症などの異常を観察した。
【0129】その結果,表7に示したように,実施例5
の軟膏において,4例中3例に効果が認められた。それ
に対し,表8に示すごとく,比較例3の従来の軟膏には
効果が認められなかった。また,実施例5の軟膏,比較
例3の軟膏ともに皮膚の異常は認められなかった。
【0130】
【表7】
【0131】
【表8】
【0132】実施例2のクリーム,実施例4のゲル剤,
実施例6のパックについても実験例3と同様に使用試験
を行ったところ,優れた美白効果を示した。
【0133】以上示したように,シクロ化合物又はその
塩を含む本発明の皮膚外用剤は優れた光アレルギー性安
全性を示すとともに優れたメラニン生成抑制作用を示し
た。また,本発明の皮膚外用剤は優れた美白効果を示し
た。
【0134】
【発明の効果】本発明によれば,高濃度で使用しても光
アレルギーを生じることなく,美白効果に優れ,シミ,
ソバカスを予防,治療することができる皮膚外用剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシクロ化合物の一般式を示す説明図。
【図2】本発明における,図1の中のYの化学構造を示
す説明図(a)〜(d)。
【図3】本発明における,図1の中のYの化学構造を示
す説明図(e)〜(h)。
【図4】本発明の範囲外の物質の化学構造式を示す説明
図。
【図5】本発明における,図2の中の連結基Gの化学構
造を示す説明図(a)〜(k)。
【図6】本発明のシクロ化合物の製造方法を示す説明
図。
【図7】本発明のシクロ化合物の原料物質の一例を示す
説明図。
【図8】化合物1の化学構造式を示す説明図。
【図9】化合物2の化学構造式を示す説明図。
【図10】化合物3の化学構造式を示す説明図。
【図11】化合物4の化学構造式を示す説明図。
【図12】化合物5の化学構造式を示す説明図。
【図13】化合物6の化学構造式を示す説明図。
【図14】化合物7の化学構造式を示す説明図。
【図15】化合物8の化学構造式を示す説明図。
【図16】化合物9の化学構造式を示す説明図。
【図17】化合物10の化学構造式を示す説明図。
【図18】化合物11の化学構造式を示す説明図。
【図19】化合物12の化学構造式を示す説明図。
【図20】化合物13の化学構造式を示す説明図。
【図21】化合物14の化学構造式を示す説明図。
【図22】化合物15の化学構造式を示す説明図。
【図23】化合物16の化学構造式を示す説明図。
【図24】化合物17の化学構造式を示す説明図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 211/70 C07D 211/70 295/02 295/02 A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1に示す一般式で表されるシクロ化合
    物,又は該シクロ化合物の塩を含有することを特徴とす
    る皮膚外用剤。(図1の中のXは,連結基であり,Y
    は,図2(a)〜(d),図3(e)〜(h)で表され
    る連結基のいずれかであり,nは自然数である。図2,
    図3の中のJは,ベンゼン環上の置換基であり,mは1
    〜5から選ばれる自然数であり,Lは酸素原子に結合し
    た置換基であり,Qは縮合又は置換した環構造である。
    図2の中のGは連結基である。但し,図4に示す化学構
    造式からなるシクロ化合物,及び該シクロ化合物の塩を
    除く。)
  2. 【請求項2】 請求項1において,図1の中の上記X
    は,炭素原子,窒素原子,酸素原子又は硫黄原子を連結
    原子として含む連結基であることを特徴とする皮膚外用
    剤。
  3. 【請求項3】 請求項1において,図1の中の上記連結
    基Xは,炭素原子を連結原子としその側鎖として2つの
    置換基が結合しているとともに,該置換基は,水素原
    子,アルキル基,アルケニル基,アリール基,アシル
    基,及びアルコキシカルボニル基のグループから選ばれ
    る1種又は2種を有することを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 請求項1において,図1の中の上記連結
    基Xは,窒素原子を連結原子としその側鎖として1つの
    置換基が結合しているとともに,該置換基は,水素原
    子,アルキル基,アルケニル基,アリール基,アシル
    基,及びアルコキシカルボニル基のグループから選ばれ
    る1種を有することを特徴とする皮膚外用剤。
  5. 【請求項5】 請求項1において,図2,図3の中の上
    記Jは,水素原子,ハロゲン原子,アルキル基,アルケ
    ニル基,アリール基,水酸基,アミノ基,一置換アミノ
    基,二置換アミノ基,アルコキシ基,アルキルチオ基,
    カルボキシル基,アルキルカルボニルオキシ基,アルコ
    キシカルボニル基,パーフルオロアルキル基,パーフル
    オロアルコキシ基,及びニトロ基のグループから選ばれ
    る置換基を有することを特徴とする皮膚外用剤。
  6. 【請求項6】 請求項1において,図2の中の上記G
    は,図5に示す(a)〜(k)の中から選ばれる連結基
    であることを特徴とする皮膚外用剤。
  7. 【請求項7】 請求項1において,図2,図3の中の上
    記Qは,ベンゼン,ピロール,フラン,チオフェン,ピ
    リジン,ナフタレン,シクロペンタン,シクロヘキサ
    ン,及びシクロヘプタンのグループから選ばれる環構造
    を有することを特徴とする皮膚外用剤。
  8. 【請求項8】 請求項7において,図2,図3の中の上
    記環構造Qには,水素原子,ハロゲン原子,アルキル
    基,アルケニル基,アリール基,アシル基,アルコキシ
    カルボニル基,水酸基,アミノ基,一置換アミノ基,二
    置換アミノ基,アルコキシ基,カルボキシル基,アルコ
    キシ基,パーフルオロアルキル基,パーフルオロアルコ
    キシ基,及びニトロ基のグループから選ばれる置換基が
    結合していることを特徴とする皮膚外用剤。
  9. 【請求項9】 請求項1において,図2の中の上記Gは
    図5(b)に示す連結基であり,図2の環構造Qはベン
    ゼンであることを特徴とする皮膚外用剤。
  10. 【請求項10】 請求項1において,図2,図3の環構
    造Qはベンゼンであることを特徴とする皮膚外用剤。
  11. 【請求項11】 請求項1において,図2(c),図3
    (g)の中のLは,水素原子,アルキル基,アルケニル
    基,アリール基,アシル基,及びアルコキシカルボニル
    基のグループから選ばれる置換基であることを特徴とす
    る皮膚外用剤。
  12. 【請求項12】 請求項1において,図1の中のnは,
    1〜4から選ばれる自然数であることを特徴とする皮膚
    外用剤。
  13. 【請求項13】 請求項1において,上記皮膚外用剤
    は,化粧水,クリーム,乳液,ゲル剤,軟膏,パック,
    ファンデーション,リップスティック,石鹸,又は浴用
    剤のいずれかであることを特徴とする皮膚外用剤。
  14. 【請求項14】 請求項1において,図1の中のYは,
    図2(a)であることを特徴とする皮膚外用剤。
  15. 【請求項15】 請求項1において,図1の中のYは,
    図3(e)であることを特徴とする皮膚外用剤。
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