JP2000072585A - 肥料組成物 - Google Patents

肥料組成物

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JP2000072585A JP10236895A JP23689598A JP2000072585A JP 2000072585 A JP2000072585 A JP 2000072585A JP 10236895 A JP10236895 A JP 10236895A JP 23689598 A JP23689598 A JP 23689598A JP 2000072585 A JP2000072585 A JP 2000072585A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G1/00Mixtures of fertilisers belonging individually to different subclasses of C05

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  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】緩効性の窒素肥効と薬効とを有し、しかも窒素
の速効性とカリ、リンの肥効を有する石灰窒素質肥料を
提供する。 【解決手段】石灰窒素の加水分解速度遅延剤を含有して
なる石灰窒素と、リン酸肥料、カリ肥料、窒素肥料のい
ずれか1種以上とを含有してなる肥料組成物、或いは、
石灰窒素の加水分解速度遅延剤を含有してなる石灰窒素
の造粒物と、リン酸肥料、カリ肥料、窒素肥料のいずれ
か1種以上とを含有してなることを特徴とする肥料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰窒素を含有す
る緩効性肥料組成物に関する。
【0002】石灰窒素は、緩効性肥効と農薬効果を有す
ることから、長年にわたって緩効性肥料として賞用され
ている。しかし、石灰窒素の緩効性肥効は土壌の影響を
受けやすく、またその農薬効果は施用後1〜2日以内に
発現し、1週間前後までは持続するが、それ以降は消失
するので、土壌等の影響を受けずに、肥効期間と農薬効
果を調整することができる肥料の出現が待たれていた。
【0003】
【従来の技術】従来、肥料に緩効性を付与するには、肥
料造粒物の表面に樹脂等を被覆することが知られている
(特公昭60−3040号公報、特公昭60−2195
2号公報、特公平2−23515号公報参照)が、これ
らの対象物はいずれも尿素、硫安、硝安、塩化カリ等で
あり、石灰窒素に関するものではない。石灰窒素につい
ては、その風化防止のために、その粒状物表面に硫黄を
被覆することが知られいるだけである(特公昭40−2
2896号公報)。
【0004】硫黄で被覆された粒状石灰窒素肥料は、む
しろ溶出を抑制しないように配慮して製造されているの
で、土壌が異なった場合、肥効を保持しつつ緩効性と農
薬効果を調整することが困難である。そこで、今日、熱
可塑性樹脂やゴム重合体等の被覆材による被覆が検討さ
れている。
【0005】しかし、被覆材で被覆された石灰窒素は、
石灰窒素のカルシウムシアナミド成分が加水分解するに
際し、水と接触する部分の表面積を実質的に低下させる
ことを目的としているが、加水分解が一旦開始される
と、その効果が失われてしまい、石灰窒素本来の肥効を
保持しながら、緩効性と農薬効果を調整することは困難
であった。このような現象は、特に膠質土壌を多く含ん
だ土壌の場合に顕著であった。
【0006】一方、仮に長期にわたり石灰窒素の緩効作
用が達成されたとしても、作物によっては発芽からの生
育初期に、アンモニア態や硝酸態などの吸収可能な窒素
分を必要とする期間があり、必ずしも長期にわたる緩効
作用が継続する窒素肥料だけでは、生育初期に吸収され
やすい窒素分を供給できるとは限らず、窒素肥料として
必ずしも万能ではない場合がある。
【0007】更に、作物生育の初期から生育完了まで、
一定した作物吸収性の良好な窒素分を供給できたとして
も、窒素以外の肥料の3要素であるリン酸分やカリウム
分を供給できるわけではなく、別途、リン酸肥料やカリ
肥料の施肥を必要とする場合もあり、この様な場合、必
ずしも農作業の負担が軽減される状態にはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたものであり、異なった土壌であっても、緩効
性肥効と農薬効果とを共に有し、しかも用途に合わせた
速効性をも備えている石灰窒素質肥料を提供すること、
更に、一定した作物吸収性の良好な窒素分を供給でき、
併せて、窒素以外の肥料の3要素であるリン酸分やカリ
ウム分を供給できる肥料組成物を提供し、農業従事者の
農作業における負担軽減を目的とするものである。ま
た、本発明の他の目的は、施用時の粉塵発生等を防止
し、取り扱い性の良好な前記特性を有する肥料組成物を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、石灰窒
素の加水分解速度遅延剤を含有してなる石灰窒素と、リ
ン酸肥料、カリ肥料、窒素肥料のいずれか1種以上とを
含有してなることを特徴とする肥料組成物であり、好ま
しくは、造粒物からなることを特徴とする前記の肥料組
成物である。
【0010】又、本発明は、石灰窒素の加水分解速度遅
延剤を含有してなる石灰窒素の造粒物と、リン酸肥料、
カリ肥料、窒素肥料のいずれか1種以上とを含有してな
ることを特徴とする肥料組成物である。
【0011】更に、本発明は、撥水性物質を更に含有し
てなることを特徴とする前記の肥料組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用される石灰窒素は、
特別なものである必要はなく、一般に入手可能なもので
あれば十分である。石灰窒素は、カルシウムシアナミド
(CaCN2)を主成分とし、生石灰(CaO)、消石
灰(Ca(OH)2)、炭素(C)等の副成分が含ま
れ、さまざまな組成のものが知られているが、本発明に
おいては、いずれのものでも使用することができる。
【0013】本発明における石灰窒素の加水分解速度遅
延剤(以下、単に「遅延剤」という。)とは、常温の水
でカルシウムシアナミドの加水分解を行った場合に、そ
の加水分解速度を抑制する作用を有する物質であり、具
体的には、下記(1)式で示される官能基を有する有機
化合物、分解して前記の有機化合物を生成する物質、芳
香族スルホン酸とその塩、リグニンスルン酸とその塩、
並びに複数個の水酸基が結合している芳香環を有する化
合物などである。
【0014】
【化1】
【0015】本発明における遅延剤の具体例をあげれ
ば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、クエン酸、酒石酸
などのオキシカルボン酸、ピルビン酸などのケトカルボ
ン酸、前記オキシカルボン酸やケトカルボン酸のナトリ
ウム、カリウム、マグネシウム等の塩、グルコースを初
めとする単糖類、グルコース−1−リン酸及びその塩、
グルコース−6−リン酸及びその塩やグルコサミンなど
の単糖類の誘導体、ラクトース、サッカロース等のオリ
ゴ糖類、デキストラン、β−シクロデキストリン等の多
糖類などの糖類、廃糖蜜、糖製造時の廃液(糖廃液)、
コーンシロップ、更には、ドデシルベンゼンスルホン
酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンス
ルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸等を初めとす
るアルキルベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン
酸、リグニン、リグニンスルホン酸、これらの芳香族ス
ルホン酸及びリグニンスルホン酸のナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム等の塩、パルプ廃液、ハ
イドロキノン、カテコール、ピロガロール、ベンゼンテ
トロール、ベンゼンペントロール、ベンゼンヘキリール
及びこれらの誘導体、1、2、4−ベンゼントリオー
ル、没食子酸、2、4、6−ヒドロキシ安息香酸などで
ある。これらの中で、ケトカルボン酸及びその塩、並び
に糖類が好ましい。
【0016】遅延剤の使用量は、石灰窒素100重量部
に対し、1〜20重量部が好ましい。1重量部未満で
は、石灰窒素の加水分解速度の遅延効果が不十分なこと
があり、20重量部をこえると、肥料組成物の石灰窒素
成分が低下し肥効と農薬効果が不充分となる場合があ
る。
【0017】本発明の肥料組成物は、前記の遅延剤を含
有している石灰窒素に、窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥
料の1種以上を含有させてなる肥料組成物である。本発
明の肥料組成物は、上述のとおりに遅延剤を含有する石
灰窒素を含有しているので、緩効性の窒素肥効と農薬効
果が長期に渡って発揮される特徴を有し、しかも窒素肥
料、リン酸肥料、カリ肥料の1種以上が含有されている
ので、それぞれの種類と配合量を調整することで、速効
性の窒素肥効、リン肥効、カリ肥効を制御して得ること
ができるという特徴を併せ持っているので、追肥作業を
低減できる等、農業従事者の軽労化に有用である。
【0018】本発明で用いられるリン酸肥料としては、
溶成燐肥、過燐酸カルシウム、加工リン酸肥料などを使
用することができ、またカリ肥料としては、塩化カリウ
ム、硫酸カリウム、珪酸カリウムを使用することができ
る。
【0019】リン酸肥料、カリ肥料の配合割合は、全く
任意であるが、その一例をあげれば、遅延剤含有石灰窒
素中の石灰窒素100重量部に対し、それぞれ10〜8
00重量部とすることができるが、好ましくは30〜3
00重量部である。
【0020】本発明における窒素肥料については、前記
遅延剤を含有する石灰窒素よりも早い時期に窒素肥効を
発現するものであり、その具体例をあげれば、尿素、硫
安(硫酸アンモニウム)、硝酸ナトリウム、硝酸カルシ
ウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩や硝酸塩
等であり、遅延剤を含有していない石灰窒素も用いるこ
とができる。しかし、石灰窒素については、遅延剤含有
の石灰窒素が造粒されたものの場合には何等の制限もな
く用いることができるが、遅延剤含有の石灰窒素が粉状
の場合、窒素肥料として石灰窒素を用いると、前記遅延
剤の影響を受けて、窒素速効性が失われる場合がある。
【0021】本発明においては、窒素肥料を、前記の遅
延剤含有の石灰窒素と共存させることによって、施肥直
後から数ヶ月にも及ぶ長期にわたり、植物に吸収しやす
い形態の窒素分を継続して供給することが可能となると
いう特徴を有する。従って、この様な窒素肥料は元肥と
して使用することもできるし、追肥が不要あるいは追肥
回数を低減できる窒素肥料として使用することができ、
農作業の負担軽減、結果として施肥総量の低減化を図る
ことができる。
【0022】窒素肥料の使用量は、遅延剤含有の石灰窒
素100重量部に対し、3〜900重量部程度が好まし
い。3重量部未満では、窒素速効性が不足し、植物に吸
収しやすい形態の窒素分を施肥直後から供給することが
できないことがあるし、900重量部をこえると、遅延
剤含有の石灰窒素量が相対的に少量となるために、遅効
性窒素肥効が不足する場合がある。好ましい範囲は、3
0〜300重量部である。
【0023】本発明の遅延剤含有の石灰窒素と窒素肥料
からなる肥料組成物によれば、施肥直後から数ヶ月にも
及ぶ長期にわたり、植物に吸収しやすい形態の窒素分を
供給することが可能となり、緩効性肥効と農薬効果を好
都合に発現させることができるという特徴がある。
【0024】窒素肥料、カリ肥料、リン酸肥料を複合し
て、前記遅延剤含有石灰窒素に配合することで、窒素、
リン、及びカリ成分を含む多成分複合型の肥料組成物と
することも、勿論できる。
【0025】本発明の肥料組成物によれば、緩効性肥効
と農薬効果を有する石灰窒素質肥料又は多成分複合型肥
料を提供することができる。しかしながら、このような
効果の発現は土壌の種類によって異なり、膠質土壌を多
く含む土壌の場合にはその効果が十分でないことがあ
る。このような場合には、撥水性物質を更に存在させ
る、特に後述する造粒物を撥水性物質で被覆することに
よって解決することができる。
【0026】本発明で使用される撥水性物質とは、水と
相溶性のない物質であり、具体的には、シランカップリ
ング剤、脂肪酸及びその塩、脂肪酸エステル、ワック
ス、パラフインなどであり、またこれらの成分を含む天
然物であってもよい。
【0027】シランカップリング剤としては、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(3
−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どが使用できる。
【0028】脂肪酸及びその塩、脂肪酸エステルとして
は、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリン酸、リノー
ル酸、ベヘニン酸などの酸、これらの酸のナトリウム、
カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩、並びにエ
ステルなどが使用できる。
【0029】ワックスとしては、脂肪酸エステルのほ
か、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カル
ナバワックスなど、またパラフィンとしては、n−パラ
フィン、パラフィンワックス、流動パラフィンなどを使
用することができる。
【0030】撥水性物質を石灰窒素、又は石灰窒素の加
水分解速度遅延剤と石灰窒素との混合物に、被覆又は表
面に付着させるには、直接付着させる、粉体に含浸させ
て付着させる、液体を乳化させて付着させる等の手段が
採用される。
【0031】撥水性物質の使用量は、石灰窒素100重
量部に対し、0.5〜20重量部、好ましくは1〜10
重量部である。0.5重量部未満では、膠質土壌を多く
含む土壌においては、石灰窒素の加水分解速度を抑制す
る効果が小さく、また20重量部をこえると、肥料組成
物の石灰窒素成分が少なくなり遅効性肥効と農薬効果が
損なわれる場合がある。
【0032】本発明の肥料組成物は、石灰窒素と、石灰
窒素の遅延剤と、窒素肥料、カリ肥料、リン酸肥料の1
種以上を従来公知のミキサー、V型ブレンダー等の混合
機、或いはミル等の混合作用を有する機器で混合するこ
とによって容易に製造することができる。更に、本発明
の肥料組成物を、平均粒径1〜10mm程度の造粒物と
するときには、施肥時の粉塵発生等のない取り扱い性に
優れた肥料にすることができ、好ましい。
【0033】本発明の肥料組成物の造粒物は、前記肥料
組成物を水、有機溶剤等のバインダーを用いて容易に造
粒できるが、後述する撥水性物質を含有させる場合に
は、まず最初に撥水性物質以外の成分を混合・造粒し、
次いで撥水性物質を混合、吹き付け、浸漬等の操作によ
って添加し、パン型造粒機等を用いて転動造粒すること
が好ましい。これによって、撥水性物質で被覆された肥
料組成物が製造でき、土壌の種類により石灰窒素の加水
分解速度が影響を受けることが一層防止できるので、肥
効と薬効とを制御性良く調節できるという利点がある。
【0034】造粒に際してのバインダーとしては、前述
したとおりに、有機溶剤を用いることもできるが、水が
好ましい。水をバインダーとすることによって、粒の硬
さ、強度に優れたものとなる。また、石灰窒素中に生石
灰が多量に含まれている場合には、生石灰が水和する際
の多量の発熱によって、造粒物が粉化し崩壊してしまう
ことがあるが、あらかじめ水を石灰窒素に少量混合し、
石灰窒素中の生石灰の一部又は全部を消和しておくこと
で前記現象を防止することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例、比較例に基づき、本発明を更
に詳細に説明する。
【0036】〔実施例1〕あらかじめ消和した粉状の石
灰窒素(電気化学工業社製;粒径0.1mm以下)10
0重量部に、グルコン酸ナトリウムを5重量部加え、更
に水20重量部を加えて混合した後、硝酸アンモニウム
を58重量部加え、再び混合した。その後、押し出し成
形機により直径約3mm、長さ約3mmのペレット状と
した。
【0037】前記ペレットを110℃で乾燥してから、
液状の撥水性物質、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン液に浸漬し、肥料組成物の造粒物を製造し
た。なお、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンの付着量は、液への浸漬回数で調整し、最終的に窒素
肥料100重量部に対し、5重量部とした。
【0038】上記で得られた造粒物150mgについ
て、以下に示す加水分解性評価試験を中粗粒褐色低地土
を用いて、加水分解を行わしめ、植物が吸収できる窒素
形態であるアンモニアと硝酸の濃度変化を測定した。こ
の結果を表1に示した。
【0039】(加水分解性評価試験)50mlの円筒ス
チロール棒瓶容器に土壌60gを量り、前記土壌の中央
部に、試験する肥料組成物を、約150〜175mgを
埋め、試験体とする。前記試験体は、試験期間や繰り返
し分析を考慮し、合計12〜14個用意する。含水率が
最大容水量の60%(土壌中の空隙量の全量を100%
とする)となるように土壌の上から水を噴霧してから、
水分の蒸発を防ぐためにアルミホイルで密栓しない程度
に蓋をし、20℃の恒温槽内に静置する。試験期間中
は、前記含水率が60%を保つようにした。
【0040】(硝酸態窒素濃度測定方法)前記試験体に
ついて、所定の期間経過後に、土壌と肥料組成物の混合
物をシャーレに移し、均一に混合、すり潰した後、50
0mlの分液ロートに移し、2%酢酸溶液300mlを
加え1時間振り混ぜることで硝酸を抽出する。次に、酢
酸溶出液を10倍希釈し、イオンクロマトグラフィー分
析装置(Dionex AQ,カラムAS12A、溶離
液(2.7mM炭酸ナトリウムと0.3mMの炭酸水素
ナトリウムの混合溶液))で硝酸イオンを分離し、その
ピーク強度を測定し、予め作成しておいた検量線より濃
度を算出し、硝酸態窒素濃度を求める。尚、土壌ブラン
ク値を差し引いて値を補正する。
【0041】(アンモニア態窒素濃度測定試験方法)上
述の試験体について、所定の期間経過後に、土壌と肥料
組成物の混合物をシャーレに移し、均一に混合、すり潰
した後、500mlの分液ロートに移し、1M塩化カリ
ウム水溶液300mlを加え1時間振り混ぜアンモニア
を溶出する。次に、塩化カリウム溶出液をケルダール水
蒸気蒸留装置により蒸留し、流出したアンモニウムイオ
ンをイオンクロマトグラフィー分析装置(Dionex
2010i−3、カラムCS3、溶離液(0.2mM
2,3ジアノプロピオン酸−塩酸塩と10mM塩酸の
混合溶液))でアンモニウムイオンを分離し、そのピー
ク強度を測定し、予め作成しておいた検量線より濃度を
算出し、アンモニア態窒素濃度を求める。尚、土壌ブラ
ンク値を差し引いて値を補正する。
【0042】
【表1】
【0043】〔比較例1〕比較例1としては、肥料組成
物として、加水分解速度遅延剤を含有していない石灰窒
素を170mgを用いたことを除いて、実施例1と同一
の操作、評価を行った。この結果を表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】本発明の硝酸イオンの経時変化は生成後に
蓄積していく状態となっている点で、実際の圃場で得ら
れる結果とは異なる。然るに、長期肥効の継続性を評価
する場合、降雨などの自然現象による硝酸イオンの流亡
や植物の吸収による硝酸イオンやアンモニアイオンの減
少を実験系に取り入れることが望ましいが、データのバ
ラツキなどの影響が大きく、その再現性が乏しいという
問題があるからである。しかし、本発明の実施例、比較
例において、硝酸態窒素やアンモニウム態窒素の経時的
消長を見れば、本発明の効果を十分に理解することがで
きる。
【0046】〔実施例2〕あらかじめ消和した粉状の石
灰窒素(電気化学工業社製;粒径0.1mm以下)10
0重量部に、廃糖蜜を固体換算値で5重量部を加え、更
に水20重量部を加えて混合した後、押し出し成形機に
より直径約3mm、長さ約3mmのペレット状とした。
これを110℃で乾燥し造粒物(A)とした。
【0047】一方、あらかじめ消和した粉状の石灰窒素
(電気化学工業社製;粒径0.1mm以下)100重量
部に、水20重量部を加え、混合した後、押し出し成形
機により直径約3mm、長さ約3mmのペレット状と
し、110℃で乾燥して造粒物(B)とした。
【0048】前記粒状物(A)と粒状物(B)とをそれ
ぞれ90重量部、85重量部となるように配合し、混合
後、175mgを用いて、前述の加水分解性評価試験に
供した。但し、土壌には、黒ボク土を用いた。また、加
水分解性評価試験に供した試験体に付いては、植物が吸
収できる窒素形態であるアンモニアと硝酸の濃度を実施
例1と同様に測定するとともに、薬効を評価するため
に、シアナミドの消長についても以下に示す方法で調べ
た。この結果を表3に示す。
【0049】(シアナミド態窒素濃度測定試験方法)試
験体について、所定の期間経過後に、土壌と肥料組成物
の混合物をシャーレに移し、均一に混合、すり潰した
後、500mlの分液ロートに移し、2%酢酸溶液30
0mlを加えることで1時間振り混ぜシアナミドを抽出
した。この酢酸抽出液中のシアナミド濃度をペンタシア
ノアンミンフェロエート試薬を用いる吸光光度法により
測定し、予め作成しておいた検量線より濃度を算出し、
シアナミド態窒素濃度を求める。尚、土壌ブランク値を
差し引いて値を補正する。
【0050】
【表3】
【0051】〔比較例2〕比較例2として、加水分解速
度遅延剤を含まない石灰窒素を170mgを用いたこと
以外は、実施例2と同じ操作、評価を行った。この結果
を表4に示した。
【0052】
【表4】
【0053】尚、石灰窒素質肥料の薬効はシアナミド態
窒素に基づいているが、薬効が発揮される土壌中でのシ
アナミド態窒素の最低濃度としては数十ppm程度であ
ればよいと考えられている。この観点に立てば、従来公
知の石灰窒素の薬効が10日未満の期間で消失してしま
うのに対し、実施例2に係る肥料組成物の場合には長期
に渡って薬効を示している。用途によっては、本実施例
2ほどに長期の薬効を必要としないことがあるが、この
場合には、遅延剤の種類、石灰窒素への添加量を調整す
ることで、薬効を示す期間を適宜調整することができ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明の肥料組成物は、緩効性窒素肥効
と薬効を有し、更に、窒素、カリ、或いはリン酸の速効
性をも備えているという特徴があり、前記効果は、膠質
土壌を多く含む土壌であっても十分に発現され、追肥を
減少させることができることから農業従事者の労務軽減
に有効である。
【0055】本発明の肥料組成物は、石灰窒素を含有す
ることから、従来から知られている肥料(追肥、元肥)
以外の石灰窒素の用途、例えば、農薬、脱臭剤、腐熟促
進剤、土壌改良剤等としても使用することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H061 AA01 BB01 BB13 BB21 BB51 DD04 DD06 DD14 DD18 DD20 EE12 EE27 EE31 EE41 FF08 FF15 HH03 HH11 HH42

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石灰窒素の加水分解速度遅延剤を含有して
    なる石灰窒素と、リン酸肥料、カリ肥料、窒素肥料のい
    ずれか1種以上とを含有してなることを特徴とする肥料
    組成物。
  2. 【請求項2】造粒物からなることを特徴とする請求項1
    記載の肥料組成物。
  3. 【請求項3】石灰窒素の加水分解速度遅延剤を含有して
    なる石灰窒素の造粒物と、リン酸肥料、カリ肥料、窒素
    肥料のいずれか1種以上とを含有してなることを特徴と
    する肥料組成物。
  4. 【請求項4】撥水性物質を更に含有してなることを特徴
    とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の肥料組成
    物。
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