JPH1017388A - 有機物腐熟促進・土づくり肥料及びその製造方法 - Google Patents
有機物腐熟促進・土づくり肥料及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH1017388A JPH1017388A JP8188462A JP18846296A JPH1017388A JP H1017388 A JPH1017388 A JP H1017388A JP 8188462 A JP8188462 A JP 8188462A JP 18846296 A JP18846296 A JP 18846296A JP H1017388 A JPH1017388 A JP H1017388A
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- Japan
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- fertilizer
- soil
- organic matter
- ripening
- magnesium phosphate
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- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 粗大生鮮有機物の腐熟を十分に促進させるこ
とができると共に、土づくりを省力的に可能とする有機
物腐熟促進・土づくり肥料を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分とす
ることを特徴とする有機物腐熟促進・土づくり肥料を提
供する。
とができると共に、土づくりを省力的に可能とする有機
物腐熟促進・土づくり肥料を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分とす
ることを特徴とする有機物腐熟促進・土づくり肥料を提
供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌中において稲
わらなどの粗大生鮮有機物を腐熟促進させる機能と土づ
くりの肥料としての機能を有する有機物腐熟促進・土づ
くり肥料及びその製造方法に関する。
わらなどの粗大生鮮有機物を腐熟促進させる機能と土づ
くりの肥料としての機能を有する有機物腐熟促進・土づ
くり肥料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近の
日本の農業は、各種農業機械の導入や化学肥料の多施用
により農作業の省力化が進み、農産物の生産性が向上し
つつあるが、その一方で、土壌の物理的、化学的性質の
劣悪化が指摘されており、この中で持続型農業の必要性
が叫ばれ、稲わら等の有機物の土壌への還元や土づくり
を推進している現状にある。しかし、水稲の収穫後、圃
場には大量の稲わらが散布されているが、これを土壌中
に鋤き込んだり、腐熟促進剤を使用して堆肥化したり、
焼却するなど、稲わら処理には明確な指導がなされてい
ないのが現状である。
日本の農業は、各種農業機械の導入や化学肥料の多施用
により農作業の省力化が進み、農産物の生産性が向上し
つつあるが、その一方で、土壌の物理的、化学的性質の
劣悪化が指摘されており、この中で持続型農業の必要性
が叫ばれ、稲わら等の有機物の土壌への還元や土づくり
を推進している現状にある。しかし、水稲の収穫後、圃
場には大量の稲わらが散布されているが、これを土壌中
に鋤き込んだり、腐熟促進剤を使用して堆肥化したり、
焼却するなど、稲わら処理には明確な指導がなされてい
ないのが現状である。
【0003】その原因としては、農家の高齢化や労働力
の不足により多量の腐熟促進剤や土づくり肥料を施用す
ることが困難であること、従来の腐熟促進剤や土づくり
肥料の効果が判然と出ないこと、低コスト農業が提唱さ
れる中で土づくりを省略することなどによるものである
が、中でも腐熟促進剤や土づくり肥料が十分な効果を有
さない点が挙げられる。
の不足により多量の腐熟促進剤や土づくり肥料を施用す
ることが困難であること、従来の腐熟促進剤や土づくり
肥料の効果が判然と出ないこと、低コスト農業が提唱さ
れる中で土づくりを省略することなどによるものである
が、中でも腐熟促進剤や土づくり肥料が十分な効果を有
さない点が挙げられる。
【0004】即ち、稲わら等の有機物の腐熟は土壌中の
微生物活動によるものであるが、稲わら等の有機物を土
壌中にそのままの状態で鋤き込むと寒冷地などでは腐熟
しない場合が多く、それが水稲の生育に対し種々の障害
を引き起こす原因となる場合が多く、例えば、窒素飢
餓、除草剤の薬害、根腐れの発生、田植機走行の能率の
低下等の問題が生じることが知られている。従って、上
記稲わら等の有機物の腐熟を促進するために、窒素、リ
ン、石灰、マグネシウムなどの栄養分を補給したり土壌
の酸度を調整し、土壌中における微生物の活動を旺盛に
する環境に整えることが望ましい。
微生物活動によるものであるが、稲わら等の有機物を土
壌中にそのままの状態で鋤き込むと寒冷地などでは腐熟
しない場合が多く、それが水稲の生育に対し種々の障害
を引き起こす原因となる場合が多く、例えば、窒素飢
餓、除草剤の薬害、根腐れの発生、田植機走行の能率の
低下等の問題が生じることが知られている。従って、上
記稲わら等の有機物の腐熟を促進するために、窒素、リ
ン、石灰、マグネシウムなどの栄養分を補給したり土壌
の酸度を調整し、土壌中における微生物の活動を旺盛に
する環境に整えることが望ましい。
【0005】このため、腐熟促進剤として石灰窒素を土
壌に投与することは知られている。この石灰窒素は、こ
れに含まれる窒素は稲わら等の有機物の炭素率(C/
N)を下げ、有機物の腐熟を促進する効果がある。
壌に投与することは知られている。この石灰窒素は、こ
れに含まれる窒素は稲わら等の有機物の炭素率(C/
N)を下げ、有機物の腐熟を促進する効果がある。
【0006】しかしながら、一般的に、稲わら等を腐熟
させる時期が10月以降であり、この時期は気温が低く
微生物の活動が低調であると共に、上記石灰窒素は遅効
性の性質を示すために有機物の分解が遅くなり、石灰窒
素の施用のみでは腐熟促進の効果が十分ではなかった。
また、石灰窒素のみでは十分な土づくりは困難である。
させる時期が10月以降であり、この時期は気温が低く
微生物の活動が低調であると共に、上記石灰窒素は遅効
性の性質を示すために有機物の分解が遅くなり、石灰窒
素の施用のみでは腐熟促進の効果が十分ではなかった。
また、石灰窒素のみでは十分な土づくりは困難である。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
有機物腐熟促進剤とバランスのとれた土づくりを同時に
省力的に可能とする有機物腐熟促進・土づくり肥料及び
その製造方法を提供することを目的とする。
有機物腐熟促進剤とバランスのとれた土づくりを同時に
省力的に可能とする有機物腐熟促進・土づくり肥料及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果、熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分として用い
ることにより、稲わら等の粗大生鮮有機物を十分に腐熟
化することができるだけでなく、土づくりのための塩基
性肥料としての機能を有し、有機物の腐熟促進と同時に
バランスのとれた土づくりを可能にすることを見出し、
本発明をなすに至った。
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果、熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分として用い
ることにより、稲わら等の粗大生鮮有機物を十分に腐熟
化することができるだけでなく、土づくりのための塩基
性肥料としての機能を有し、有機物の腐熟促進と同時に
バランスのとれた土づくりを可能にすることを見出し、
本発明をなすに至った。
【0009】従って、本発明は、熔成苦土燐肥と石灰窒
素とを主成分とすることを特徴とする有機物腐熟促進・
土づくり肥料、並びに熔成苦土燐肥及び石灰窒素に粘結
剤を配合し、転動造粒法により造粒にすることを特徴と
する有機物腐熟促進・土づくり肥料の製造方法を提供す
る。
素とを主成分とすることを特徴とする有機物腐熟促進・
土づくり肥料、並びに熔成苦土燐肥及び石灰窒素に粘結
剤を配合し、転動造粒法により造粒にすることを特徴と
する有機物腐熟促進・土づくり肥料の製造方法を提供す
る。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の肥料は熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分
とするもので、必要に応じ更に消石灰、炭酸石灰、珪酸
石灰、高炉スラグ等を配合することができる。
と、本発明の肥料は熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分
とするもので、必要に応じ更に消石灰、炭酸石灰、珪酸
石灰、高炉スラグ等を配合することができる。
【0011】この場合、石灰窒素としては、例えばカル
シウムシアナミド(CaCN2)約50重量%以上、炭
酸カルシウム(CaO)約20重量%、炭素(C)など
約19重量%からなるものなどを用いることができる。
ここで、シアナミドは土壌中で土壌コロイドと微生物の
酵素反応により尿素、アンモニア、硝酸に加水分解され
るものではない。
シウムシアナミド(CaCN2)約50重量%以上、炭
酸カルシウム(CaO)約20重量%、炭素(C)など
約19重量%からなるものなどを用いることができる。
ここで、シアナミドは土壌中で土壌コロイドと微生物の
酵素反応により尿素、アンモニア、硝酸に加水分解され
るものではない。
【0012】一方、熔成苦土燐肥は通常流通しているも
のを使用することができる。
のを使用することができる。
【0013】本発明の肥料は、上記のように熔成苦土燐
肥と石灰窒素とを併用したことにより、有機物腐熟促進
剤としての機能を有すると共に、土づくり肥料として有
用なものであり、粗大生鮮有機物の腐熟化に必要な量よ
りも多施用することにより、土づくり用の肥料としての
効果が土壌中で発揮されるものである。なお、有機物の
腐熟化の対象となる有機物中の炭素率(C/N)は菜種
粕の10未満から稲わらの70前後、樹皮類の100以
上と種類によって大きく異なるため、一般にいわゆる腐
食化に最適な炭素率20〜30を保持するために石灰窒
素の量もその種類によって適宜調整することができる。
これにより、本発明の有機物腐熟促進・土づくり肥料中
の石灰窒素の含有量は、該肥料自体の施用量、有機物の
種類及び施用量、更に石灰窒素の残存効果の影響等を考
慮して決定されるべきであるが、通常40重量%以下、
特に10〜20重量%の範囲のものとすれば、凡用性が
高いものである。一方、熔成苦土燐肥の含有量は60重
量%以上、特に80〜90重量%とすることが好まし
い。
肥と石灰窒素とを併用したことにより、有機物腐熟促進
剤としての機能を有すると共に、土づくり肥料として有
用なものであり、粗大生鮮有機物の腐熟化に必要な量よ
りも多施用することにより、土づくり用の肥料としての
効果が土壌中で発揮されるものである。なお、有機物の
腐熟化の対象となる有機物中の炭素率(C/N)は菜種
粕の10未満から稲わらの70前後、樹皮類の100以
上と種類によって大きく異なるため、一般にいわゆる腐
食化に最適な炭素率20〜30を保持するために石灰窒
素の量もその種類によって適宜調整することができる。
これにより、本発明の有機物腐熟促進・土づくり肥料中
の石灰窒素の含有量は、該肥料自体の施用量、有機物の
種類及び施用量、更に石灰窒素の残存効果の影響等を考
慮して決定されるべきであるが、通常40重量%以下、
特に10〜20重量%の範囲のものとすれば、凡用性が
高いものである。一方、熔成苦土燐肥の含有量は60重
量%以上、特に80〜90重量%とすることが好まし
い。
【0014】本発明の肥料は、適宜方法で製造できる
が、施用性、製造性等の点から、熔成苦土燐肥と石灰窒
素とに粘結剤を添加し、転動造粒法により造粒する方法
を採用することが好ましい。
が、施用性、製造性等の点から、熔成苦土燐肥と石灰窒
素とに粘結剤を添加し、転動造粒法により造粒する方法
を採用することが好ましい。
【0015】即ち、上記熔成苦土燐肥については、その
粒度を造粒可能な程度の粉末度、例えば、100μm粒
径以下の分布量が70%に調整されたものを使用するこ
とが好ましい。一方、石灰窒素については、150μm
粒径以下の分布量が60%以下に調整されたものを使用
することが好ましい。この熔成苦土燐肥及び石灰窒素に
粘結剤を添加して造粒を行うことにより、本発明を造粒
物にすることができる。この場合、使用される粘結剤と
しては、有機質の粘結剤、具体的には、パルプ廃液、廃
糖蜜、コーンスターチ、リグニンスルホン酸カルシウム
塩、リグニンスルホン酸ナトリウム塩等が好ましく使用
される。なお、粘結剤の配合量は、熔成苦土燐肥と石灰
窒素との合計量100重量部に対し、3〜7重量部、特
に4〜5重量部とすることが好ましい。上記熔成苦土燐
肥、石灰窒素、粘結剤を混合するための混合機として
は、常用の混合機を使用することができ、例えば、リボ
ンミキサー、パドルミキサー等を用いることができる。
この混合機を用いて上記の成分を所定量混合し、必要に
応じて水分を添加しながら十分に混合した後に、造粒す
る。この造粒方法としては、転動造粒法が採用され、こ
の転動造粒法は、造粒時の水分を熔成苦土燐肥、石灰窒
素及び粘結剤の配合量の合計に対し10〜14重量%に
設定し、造粒後、該造粒物を温風により乾燥させること
が好ましい。この場合、常用の乾燥機を用いて乾燥させ
ることができ、例えば、流動床乾燥機、静置乾燥機等を
用い、上記造粒を所定量の水分に調整するものである。
上記造粒物は、上記乾燥機により水分含量を1重量%以
下に調整することが好ましく、特には0.3〜0.5重
量%に調整することが好ましい。
粒度を造粒可能な程度の粉末度、例えば、100μm粒
径以下の分布量が70%に調整されたものを使用するこ
とが好ましい。一方、石灰窒素については、150μm
粒径以下の分布量が60%以下に調整されたものを使用
することが好ましい。この熔成苦土燐肥及び石灰窒素に
粘結剤を添加して造粒を行うことにより、本発明を造粒
物にすることができる。この場合、使用される粘結剤と
しては、有機質の粘結剤、具体的には、パルプ廃液、廃
糖蜜、コーンスターチ、リグニンスルホン酸カルシウム
塩、リグニンスルホン酸ナトリウム塩等が好ましく使用
される。なお、粘結剤の配合量は、熔成苦土燐肥と石灰
窒素との合計量100重量部に対し、3〜7重量部、特
に4〜5重量部とすることが好ましい。上記熔成苦土燐
肥、石灰窒素、粘結剤を混合するための混合機として
は、常用の混合機を使用することができ、例えば、リボ
ンミキサー、パドルミキサー等を用いることができる。
この混合機を用いて上記の成分を所定量混合し、必要に
応じて水分を添加しながら十分に混合した後に、造粒す
る。この造粒方法としては、転動造粒法が採用され、こ
の転動造粒法は、造粒時の水分を熔成苦土燐肥、石灰窒
素及び粘結剤の配合量の合計に対し10〜14重量%に
設定し、造粒後、該造粒物を温風により乾燥させること
が好ましい。この場合、常用の乾燥機を用いて乾燥させ
ることができ、例えば、流動床乾燥機、静置乾燥機等を
用い、上記造粒を所定量の水分に調整するものである。
上記造粒物は、上記乾燥機により水分含量を1重量%以
下に調整することが好ましく、特には0.3〜0.5重
量%に調整することが好ましい。
【0016】このように、転動造粒法を用いることによ
り、熔成苦土燐肥、石灰窒素及び粘結剤の混合・分散が
均一に行うことができ、かつ造粒原料の熟成が十分に行
われるものであり、得られる造粒物の粒子が欠けたり崩
れるようなことがなく、良好かつ均一な造粒物が得ら
れ、保存安定性が高い粒子が得られるものである。ま
た、造粒の原料である熔成苦土燐肥、石灰窒素、粘結剤
の粒子の境界表面には水膜が生じ、この水膜中に混合原
料中の成分の溶出が起こり、pHが9〜13に上昇する
ものであるが、上記石灰窒素は緩効性で分解が遅いた
め、窒素分はアンモニアとして揮散することがほとんど
なく、造粒時におけるアンモニア等の悪臭が発生せず、
衛生的に造粒することができる。
り、熔成苦土燐肥、石灰窒素及び粘結剤の混合・分散が
均一に行うことができ、かつ造粒原料の熟成が十分に行
われるものであり、得られる造粒物の粒子が欠けたり崩
れるようなことがなく、良好かつ均一な造粒物が得ら
れ、保存安定性が高い粒子が得られるものである。ま
た、造粒の原料である熔成苦土燐肥、石灰窒素、粘結剤
の粒子の境界表面には水膜が生じ、この水膜中に混合原
料中の成分の溶出が起こり、pHが9〜13に上昇する
ものであるが、上記石灰窒素は緩効性で分解が遅いた
め、窒素分はアンモニアとして揮散することがほとんど
なく、造粒時におけるアンモニア等の悪臭が発生せず、
衛生的に造粒することができる。
【0017】本発明の肥料は、これを土壌に施用するこ
とにより、稲わら等の粗大生鮮有機物を十分に腐熟促進
させることができると共に、土づくりの肥料として有用
に発揮することができ、低コスト化、省力化を図ること
ができ、特に、水稲農業において稲わらを腐熟させる場
合に有用である。
とにより、稲わら等の粗大生鮮有機物を十分に腐熟促進
させることができると共に、土づくりの肥料として有用
に発揮することができ、低コスト化、省力化を図ること
ができ、特に、水稲農業において稲わらを腐熟させる場
合に有用である。
【0018】
【発明の効果】本発明による有機物腐熟促進・土づくり
肥料を稲わら等の粗大生鮮有機物に施用すれば、その腐
熟化が短期間で達成でき、しかも腐熟化完成後に窒素の
残留をなくすことができ、更に土づくりに持続的に効果
のあるアルカリ分、苦土、珪酸、燐酸、その他ミネラル
分を土壌に施用し得る省力的な土づくりが可能である。
特に、アルカリ性肥料に熔成苦土燐肥を用いているので
微生物の栄養源としての燐酸を含むため、腐熟促進効果
が一層顕著となるほか、土壌の化学性改善効果もはから
れる。
肥料を稲わら等の粗大生鮮有機物に施用すれば、その腐
熟化が短期間で達成でき、しかも腐熟化完成後に窒素の
残留をなくすことができ、更に土づくりに持続的に効果
のあるアルカリ分、苦土、珪酸、燐酸、その他ミネラル
分を土壌に施用し得る省力的な土づくりが可能である。
特に、アルカリ性肥料に熔成苦土燐肥を用いているので
微生物の栄養源としての燐酸を含むため、腐熟促進効果
が一層顕著となるほか、土壌の化学性改善効果もはから
れる。
【0019】また、本発明の転動造粒法を用いた製造方
法によれば、製造時にアンモニア等の悪臭が発生せず、
本発明の肥料を均一にむらなく粒状化して製造できると
共に、得られた造粒物は散布時の作業性が良好であり、
特に機械による散布を支障なく行うことができる。
法によれば、製造時にアンモニア等の悪臭が発生せず、
本発明の肥料を均一にむらなく粒状化して製造できると
共に、得られた造粒物は散布時の作業性が良好であり、
特に機械による散布を支障なく行うことができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。
【0021】〔実施例、比較例〕熔成苦土燐肥に石灰窒
素及び粉末状粘結剤を表1に示す配合量で用いて撹拌型
ミキサーに供給し、十分に混合した後、口径1200m
mのパン型造粒機を用いて転動造粒し、その後、回転乾
燥機により乾燥した。得られた造粒物は直径1〜4mm
の真球状であってほぼ絶乾状態であった。なお、この造
粒過程においてアンモニア臭は皆無であった。
素及び粉末状粘結剤を表1に示す配合量で用いて撹拌型
ミキサーに供給し、十分に混合した後、口径1200m
mのパン型造粒機を用いて転動造粒し、その後、回転乾
燥機により乾燥した。得られた造粒物は直径1〜4mm
の真球状であってほぼ絶乾状態であった。なお、この造
粒過程においてアンモニア臭は皆無であった。
【0022】この場合、熔成苦土燐肥は88μm以下の
ものを70〜90%の分布量、石灰窒素は88μm以下
のものを30〜40%の分布量とすることにより十分な
粒率が得られた。また、粘結剤としては市販の粉末状粘
結剤(リグニンスルホン酸ナトリウム塩)を用いた。
ものを70〜90%の分布量、石灰窒素は88μm以下
のものを30〜40%の分布量とすることにより十分な
粒率が得られた。また、粘結剤としては市販の粉末状粘
結剤(リグニンスルホン酸ナトリウム塩)を用いた。
【0023】なお、上記熔成苦土燐肥に代えて、珪酸石
灰、消石灰を表1に示す粉末度、配合量で配合して実施
例と比較した。
灰、消石灰を表1に示す粉末度、配合量で配合して実施
例と比較した。
【0024】
【表1】
【0025】上記により得られた実施例及び比較例の造
粒物の成分、性質を表2に示す。なお、原料混合時に必
要な水分を12〜13%添加して、転動造粒処理後、約
140℃の温風で約1時間乾燥して得られた製品は、
0.4〜0.5%の水分を含有していた。
粒物の成分、性質を表2に示す。なお、原料混合時に必
要な水分を12〜13%添加して、転動造粒処理後、約
140℃の温風で約1時間乾燥して得られた製品は、
0.4〜0.5%の水分を含有していた。
【0026】
【表2】
【0027】次に、本発明品を使用した水稲の圃場試験
を行った。具体的には、水稲の刈取後、田圃に分散する
稲わらに秋施用として本発明品(本実施例の製品)を散
布し、稲わらと一緒に土壌に鋤き込む試験を行ったとこ
ろ、表4に示す結果が得られた。また、本発明品の代わ
りにようりんを散布したもの、無処理の試験区を設け、
本発明品と比較した。上記圃場試験の条件は表3のとお
りである。
を行った。具体的には、水稲の刈取後、田圃に分散する
稲わらに秋施用として本発明品(本実施例の製品)を散
布し、稲わらと一緒に土壌に鋤き込む試験を行ったとこ
ろ、表4に示す結果が得られた。また、本発明品の代わ
りにようりんを散布したもの、無処理の試験区を設け、
本発明品と比較した。上記圃場試験の条件は表3のとお
りである。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】また、農作業の都合により、秋施用ができ
ず、春先に本発明品を使用する場合には、有機物の有無
に関係なく基肥窒素を10a単位1〜2kg減らし、表
5に示した配合量で本発明品を使用すると下記のとおり
の結果となった。
ず、春先に本発明品を使用する場合には、有機物の有無
に関係なく基肥窒素を10a単位1〜2kg減らし、表
5に示した配合量で本発明品を使用すると下記のとおり
の結果となった。
【0031】
【表5】
【0032】上記表4、5の結果より、本発明品を水稲
用の生産材として使用すると、同一の条件下でようりん
を使用した場合に比べて、米の収量が大きくなり、稲わ
らの有機物が十分に腐熟していることが分かる。また、
稲わらを使用しない春先に基肥として使用してもその肥
料として有用に発揮することができ、本発明品は、有機
物を腐熟させる機能と土づくりの肥料としての機能との
両面を兼ね備えたものであることが分かる。
用の生産材として使用すると、同一の条件下でようりん
を使用した場合に比べて、米の収量が大きくなり、稲わ
らの有機物が十分に腐熟していることが分かる。また、
稲わらを使用しない春先に基肥として使用してもその肥
料として有用に発揮することができ、本発明品は、有機
物を腐熟させる機能と土づくりの肥料としての機能との
両面を兼ね備えたものであることが分かる。
【0033】このように、本発明品は、特に、稲わらを
腐熟化させる場合に使用することによっても別途肥料を
散布する必要がないため、土壌中に散布する生産材の投
入労力を軽減させることができ、低コスト、省力化を十
分に図ることができるものである。
腐熟化させる場合に使用することによっても別途肥料を
散布する必要がないため、土壌中に散布する生産材の投
入労力を軽減させることができ、低コスト、省力化を十
分に図ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05B 9:00 C05C 7:00) C09K 101:00
Claims (2)
- 【請求項1】 熔成苦土燐肥と石灰窒素とを主成分とす
ることを特徴とする有機物腐熟促進・土づくり肥料。 - 【請求項2】 熔成苦土燐肥及び石灰窒素に粘結剤を配
合し、転動造粒法により造粒にすることを特徴とする請
求項1記載の有機物腐熟促進・土づくり肥料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8188462A JPH1017388A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 有機物腐熟促進・土づくり肥料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8188462A JPH1017388A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 有機物腐熟促進・土づくり肥料及びその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004262601A Division JP2004339060A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 基肥用肥料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1017388A true JPH1017388A (ja) | 1998-01-20 |
Family
ID=16224140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8188462A Pending JPH1017388A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 有機物腐熟促進・土づくり肥料及びその製造方法 |
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JP (1) | JPH1017388A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1996
- 1996-06-28 JP JP8188462A patent/JPH1017388A/ja active Pending
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