JP2000072042A - 車両下部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フロアパネルの上方にフロアボードを備えた車
両下部構造において、車両より荷重が加わっても、所定
位置からフロアボードが移動する事を抑制できる車両下
部構造を提供すること。 【解決手段】上記課題を解決するため、フロアボードを
フロアパネルより上方に支持する載置部と、フロアボー
ドの車体構成部品方向への移動を規制し、車体構成部品
とフロアボード間に所定以上の荷重が作用すると規制状
態が解除される規制手段と、車体構成部品に設けられ、
規制状態が解除された場合にフロアボードを車体構成部
品に係止しフロアボードの上方向の移動を抑制する係止
手段と、をフロアボード取付部周辺に備えて構成する。
荷重を受けたフロアボードは、規制手段が解除されて、
係止手段によって車体構成部品に係止される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフロアパネルの上方
にフロアボードを備えた車両下部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車体下部にはフロアパネルが設けられて
おり、従来より、フロアパネル上方にフロアボードを備
えた車両がある。

【０００３】このフロアボードは、例えば、車体床面の
高さを調節するために用いられたり、或いは、収納部の
蓋として用いられる。

【０００４】例えば、特開平６−３２９０５２号公報に
開示されている自動車の下部車体構造は、図６に示すよ
うに、フロアパネル２に収納用の凹部４４を有する底上
げ板２２を備えている。凹部４４の底面はフロアパネル
２上面に当接し、開口面は図７に示される蓋３３で覆わ
れており、蓋３３は底上げ板２２に対して取り外し可能
となっている。

【０００５】図８に示すように、底上げ板２２は、中央
に収納用凹部４４が形成されており、車体構成部品であ
るトンネル１１とサイドシェル１２に挟まれてれてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
側面から荷重が入力された場合、トンネル１１とサイド
シェル１２間に載置された蓋４４は、所定位置から上方
向に移動することが考えられる。

【０００７】本発明は上述した実状に鑑みてなされたも
のであり、車両より蓋等のフロアボードに荷重が加わっ
ても所定位置から蓋が移動する事を抑制できる車両下部
構造を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、第１の発明である車両下部構造は、車両床面を構
成するフロアパネルと、並列する車体構成部品間に位置
し、前記フロアパネルと略水平に設置されるフロアボー
ドと、前記フロアボードを前記フロアパネルより上方に
支持する載置部と、前記フロアボードの前記車体構成部
品方向への移動を規制し、前記車体構成部品と前記フロ
アボード間に所定以上の荷重が作用すると規制状態を解
除する規制手段と、前記車体構成部品に設けられ、前記
規制手段が解除された場合に、前記フロアボードを前記
車体構成部品に係止し、前記フロアボードの上方向の移
動を抑制する係止手段と、を備えて構成される。

【０００９】通常、車体にフロアボードを取付ける際
は、載置部にフロアボードを載置してフロアパネルより
上方に支持すると共に、規制手段により車体構成部品方
向の移動が規制される。

【００１０】外部より車体構成部品に荷重が加えられ、
更に、車体構成部品から所定以上の荷重がフロアボード
に伝わると規制手段が解除される。そして、係止手段に
よってフロアボードが車体構成部品に係止され、上方向
の移動が抑制される。

【００１１】第２の発明である車両下部構造は、第１の
発明において、前記車体構成部品は車幅方向に並列し、
前記規制手段が解除された場合に、車幅方向で前記フロ
アボードと当接する当接部を前記車体構成部品に設けて
構成する。

【００１２】これより、車両が外部より幅方向に荷重を
受けると、第１の発明の作用に加えて、フロアボードは
車体構成部品の当接部と当接し、車幅方向の移動が規制
される。従って、並列する車体構成部品により形成され
る空間が確保され、車両側面衝突時の車体の変形を抑制
できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図示の実施例に基づき具体的に説明する。

【００１４】尚、本実施例では、車体構成部品とは、ガ
ーニッシュを有するトンネル及びスカッフプレートを有
するサイドシェルを示す。

【００１５】図１に示すように、車体下部にはフロアパ
ネル２が設けられており、車幅方向内側のトンネル１１
と車幅方向外側のサイドシェル１２とから収納部４が形
成される。そして、フロアパネル２の上方に、収納部４
の蓋となるフロアボード３が載置されている。

【００１６】図２に示すように、リヤシート８２を取付
けたリヤフロア８２０は、フロントフロア８１０よりも
高い位置にあり、リヤフロア８２０とフロントフロア８
１０の境目には壁部８１５が形成されている。

【００１７】フロントフロア８１０にはスライドレール
２０が設けられており、フロントシート８１はスライド
レール２０によって、スライド可能に支持される。

【００１８】そして、フロントフロア８１０上にはフロ
アボード３が設置される。フロアボード３はフロントボ
ード３１とリヤボード３２から成り、両者はヒンジ３０
で枢着されている。そして、図１に示すように、フロア
ボード３は車幅方向両端でトンネル１１が有するガーニ
ッシュ１１０とサイドシェル１２が有するスカッフプレ
ート１２０上に載置される。

【００１９】更に、図３に示すように、ガーニッシュ１
１０の前方にはコンソール１１１が延長しているため、
コンソール１１１と干渉しないように、フロントボード
３１の前端は後端と比べ幅狭となっている。そのため、
コンソール１１１の後端部と車両前後方向に接触する接
触部３１０が、フロントボード３１が幅狭から幅広にな
る段差に形成される。

【００２０】また、フロントボード３１の前端は、スラ
イドレール２０に設けられ、且つスライドレール２０よ
り車幅方向内側に延びるブラケット２００に載置されて
いる。

【００２１】図１に示すように、ガーニッシュ１１０及
びスカッフプレート１２０は、段差を有し、載置部とな
る載置面５及び規制手段となる縦壁面６が形成されてい
る。

【００２２】載置面５はフロアボード３の端部を載置す
るための水平面であり、フロアパネル２に対して上方の
位置にフロアボード３を支持している。縦壁面６はフロ
アボード３の側面と当接するように載置面５と略直角を
成しており、フロアボード３の車幅方向の位置決めを行
っている。

【００２３】更に、ガーニッシュ１１０及びスカッフプ
レート１２０の内部には、当接部となる当接面９及び係
止手段となる係止面７とを有する第１のリブ１３と、載
置面５と接触する第２のリブ１４とが設けられ、両者の
間には空隙７０が形成される。

【００２４】縦壁面６は、どちらのリブとも接触してお
らず、所定以上の荷重を受けると破断する。

【００２５】空隙７０は、縦壁面６が破断すればフロア
ボード３の両端が挿入し得る隙間、即ち、図１に示すよ
うに、フロアボード３の板厚Ｌ１以上の厚みＬ２を有し
ている。そして、挿入されたフロアボード３は、上面を
係止面７と当接され、側面を当接面９と当接される。

【００２６】次に、本実施例に基づいて、作用を説明す
る。

【００２７】まず収納部４を使用したい場合は、図２に
示すように、ヒンジ３０を中心にリヤボード３２を回動
するか、若しくはフロアボード３を取り外して開口す
る。尚、取り外したフロアボード３はヒンジ３０を回動
軸として２つ折りにできる。

【００２８】図１のように、載置面５に載置されたフロ
アボード３は、縦壁面６によって車幅方向の位置決めが
為されている。そして、車両前後方向の位置決めは、図
３のように、フロントボード３１の接触部３１０がコン
ソール１１１に当接することで為される。

【００２９】続いて、車両側面衝突時のフロアボード３
の作用について説明する。

【００３０】車両側面衝突時に、サイドシェル１２上の
スカッフプレート１２０が車幅方向外側から所定以上の
荷重を受けると、フロアボード３はスカッフプレート１
２０側から荷重が伝達される。従って、フロアボード３
はスカッフプレート１２０側からトンネル１１上のガー
ニッシュ１１０側に移動する。

【００３１】その結果、フロアボード３から所定以上の
荷重を受けて、縦壁面６は両方とも破断する。そして、
フロアボード３は、図４に示すように、空隙７０に挿入
されると共に載置面５と係止面７とによって挟持され、
上下方向の移動が抑制される。

【００３２】更に、フロアボード３は、車幅方向で当接
面９に当接する為に、車幅方向の移動も規制される。そ
のため、並列する車体構成部品によって形成される空間
が確保され、車両側面衝突時の車体の変形を抑制でき
る。

【００３３】次に、第２実施例を図５に基づいて説明す
る。

【００３４】図示するように、車体構成部品とは別体の
支持部材５５が設けられており、支持部材５５はフロア
ボード３の載置面５を有している。

【００３５】そして、フロアボード３には、車幅方向の
移動を規制するためのストッパ６６が、揺動可能にヒン
ジ結合されており、図中実線で示すように、フロアボー
ド３に対して起立した状態に、図示しないスプリング等
で常時付勢されている。

【００３６】また、スカッフプレート１２０及びガーニ
ッシュ１１０には、切欠７７０が設けられている。切欠
７７０の奥には、車両側面衝突時にフロアボード３の両
端が当接する当接面９と係止面７とを有するリブ１５が
設けられている。

【００３７】車両側面衝突時は、荷重を受けたスカッフ
プレート１２０が車幅方向内側に押し込まれ、スカッフ
プレート１２０の切欠７７０にフロアボード３の一端が
挿入される。フロアボード３は、車幅方向でスカッフプ
レート１２０の当接面９に当接し、スカッフプレート１
２０から車幅方向内向きに荷重を受ける。

【００３８】このため、ストッパ６６は載置部５に乗り
上げて折り畳まれ、ストッパ６６の係止状態は解除され
る。更に、フロアボード３はガーニッシュ１１０の方に
押し込まれ、ガーニッシュ１１０の切欠７７０にフロア
ボード３の他端が挿入される。

【００３９】そして、フロアボード３の両端は、係止面
７及び当接面９に当接し、上下方向及び車幅方向で、車
体構成部品間に当接している為に、並列する車体構成部
品によって形成される空間は確保され、車両側面衝突時
の車体の変形を抑制できる。

【００４０】尚、本発明の車両下部構造は、上記実施例
にのみ限定されるものではない。

【００４１】例えば、係止手段である縦壁部にスリット
や脆弱部を設けて破断し易くしていても良く、フロアボ
ードが一体であっても構わない。また、支持部材の位置
についても、フロアボードをフロアパネルの上方に支持
できるならばどこでも構わない。

【００４２】この様に、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々の変更を加え得る事は勿論である。

【００４３】

【発明の効果】以上より、第１の発明である車両下部構
造は、車両よりフロアボードに荷重が加わっても所定位
置から上方にフロアボードが移動する事を抑制できる。

【００４４】また、第２の発明である車両下部構造は、
第１の発明の効果に加えて、フロアボードは、車体構成
部品の当接部と当接することで車幅方向の移動が規制さ
れる。

【００４５】これより、並列する車体構成部品によって
形成される空間が確保され、車両側面衝突時の車体の変
形を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の車両下部構造を示す車両前方から
見た正面図である。

【図２】第１実施例におけるフロアボードの使用例を示
す側面図である。

【図３】第１実施例における車両下部構造の上面図であ
る。

【図４】第１実施例の車両側面衝突後の車両下部構造を
示す正面図である。

【図５】第２実施例の車両下部構造を示す車両前方から
見た正面図である。

【図６】従来例における車両下部構造を示す側面図であ
る。

【図７】従来例におけるフロアボードを示す上面図であ
る。

【図８】従来例における車両下部構造を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１１ トンネル（車体構成部品） １２ サイドシェル（車体構成部品） ２ フロアパネル ３ フロアボード ５ 載置面（載置部） ６ 縦壁面（規制手段） ７ 係止面（係止手段） １ 車体構成部品

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両床面を構成するフロアパネルと、並列
   する車体構成部品間に位置し、前記フロアパネルと略水
   平に設置されるフロアボードと、前記フロアボードを前
   記フロアパネルより上方に支持する載置部と、通常状態
   で、前記フロアボードの前記車体構成部品方向への移動
   を規制し、前記車体構成部品と前記フロアボード間に所
   定以上の荷重が作用すると、該規制状態が解除される規
   制手段と、前記車体構成部品に設けられ、前記規制手段
   が解除された場合に、前記フロアボードを前記車体構成
   部品に係止し、前記フロアボードの上方向の移動を抑制
   する係止手段と、を有することを特徴とする車両下部構
   造。
2. 【請求項２】前記車体構成部品は車幅方向に並列し、前
   記規制手段が解除された場合に、車幅方向で前記フロア
   ボードと当接する当接部を前記車体構成部品に設けたこ
   とを特徴とする請求項１に記載の車両下部構造。