JP2000071275A - 成形品の成形方法及び成形品 - Google Patents

成形品の成形方法及び成形品

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JP2000071275A JP24365698A JP24365698A JP2000071275A JP 2000071275 A JP2000071275 A JP 2000071275A JP 24365698 A JP24365698 A JP 24365698A JP 24365698 A JP24365698 A JP 24365698A JP 2000071275 A JP2000071275 A JP 2000071275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度を必要とする中実部を必要な部位に設
け、且つ中空部を設けることによる軽量化、ヒケ防止等
の一般的な利点を損うことなく、優れた外観を併せ持つ
中空成形品を成形する方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を用い、成形品内部に挿入
されるように設置されたニードルから加圧流体を導入す
る成形方法により中実部と中空部を共に有する成形品を
成形するに際し、該ニードルを該成形品の中実部とする
部分から挿入し、射出された樹脂の流動を、中空部とす
る部分において実質的に該ニードルの長さ全体にわたり
分断しないように設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射
出成形時に加圧流体を用いて中空部を形成する方法で得
られる成形品において、設計上の必要性に対して高強度
を得られる等の優位点を持つ中実部分を併せて形成する
とともに、外観の優れた成形品を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の射出成形において成形体
に中空部を設ける成形方法としては、一般に特開昭50
−71756号公報、特開昭53−102960号公
報、或いは特開昭60−24913号公報等に記載され
るような方法が広く知られており、既に産業界において
利用されてきている。具体的な成形方法としては多くの
案が提案されているが、成形方法の要点としては射出成
形用金型キャビティ内に溶融樹脂を射出し、流動過程、
或いは成形品表面或いは内部に設けられた加圧流体の導
入口から加圧流体を導入することにより成形品内部に中
空部を設けるための方法として知られている。加圧流体
を導入するタイミングとしては、金型キャビティ内が樹
脂で充填される途中、或いはほぼ充填してから導入する
方法等が提案されている。金型キャビティ内が樹脂で充
填される途中に加圧流体を導入する場合は樹脂充填から
加圧流体導入に切り替わる際、樹脂流動先端の流速が変
化し外観が変化する事がある。一方、ほぼ充填してから
導入する場合は、前者に比べ均一な外観を出しやすく、
更に加圧流体で押し出された余分な樹脂を流し込む副キ
ャビティを設けるとより良い外観が得られる。加圧流体
の具体的な導入方法も多くの方法が提案されている。上
記特開昭50−71756号公報、特開昭53−102
960号公報では樹脂注入用のノズル或いはホットラン
ナー用ノズルより加圧流体を導入する事が、或いは特開
平1−157823号公報では金型内のスプルー或いは
ランナー部から加圧流体を導入する事が提案されている
が、これらの方法では設計上の理由より製品の特定部分
に中実構造部を設ける事が困難となる。特開昭64−1
4012号公報では金型へ直接加圧流体導入ニードル
(或いはノズル:以下括弧内略)を当接し加圧流体を供
給する方法が提案されているが、この方法では加圧流体
の給排出口は加圧流体の給排出の為に成形品の本来有る
べきと考えられる表面より突起状の飛出した構造を持っ
ており、機能上好ましくない形状を必要としている。ま
た、この突起を後加工で切削し成形品表面と同一表面を
持たせる為には二次工程が必要となり経済的に不利であ
るだけでなく、加圧流体の給排出のために最低限必要な
開口径以上の大きな孔が空いてしまい、外観上も好まし
くないものとなってしまう。特開平5−118170号
公報は扉等の開閉のために用いられる取っ手成形品に関
するもので、握り部は外観が良く、取付け部は高強度を
有する中空成形品の記載がある。これには上記特開昭6
4−14012号公報と同様の技術が応用されているも
のと考えられるが、溶融樹脂のニードルへの流入防止の
ためのチェック弁付き加圧流体導入口を持った比較的複
雑なニードルを金型内のキャビティー面に二重構造を取
った上で当接するように設置し、加圧流体導入後は該ニ
ードルを後退させる事で加圧流体の排出を行っている。
しかし、この方法では、樹脂注入ゲートより金型内のキ
ャビティーに溶融樹脂が流入した際に形成される固化し
たまたは固化しかけた樹脂表面層を加圧流体がその圧力
で突破る必要がある為、樹脂の粘度が低い状態で加圧流
体を導入しなければならず、成形条件は狭い範囲に限定
されてしまう事が多い。特に固化速度が極めて早くしか
も一旦固化した後は非常に強靱な物性を示す結晶性樹脂
では外観の良好な成形品を効率良く作る事は困難であ
る。またこのような複雑な構造のニードルは高価であ
り、且つ複雑な構造の金型に対しては設置する位置が制
限され、また何よりも良外観を得るべき握り部の一部に
加圧流体導入跡の大きな穴が空くという重大な問題があ
り、良好な外観を持った中空部を形成するには限界があ
る。
【0003】特開平3−87224号公報には樹脂の注
入後供給される加圧流体の圧力で突出しピンをキャビテ
ィー内に突出し加圧流体を供給する方法が提案されてい
るが、この場合もキャビティー内に注入した樹脂の表面
をピンで突破る必要がある為、樹脂の冷却があまり進行
しない状態で加圧流体を導入しなければならず、成形条
件は狭い範囲に限定されてしまう事が多い。特に結晶性
樹脂ではかなり成形条件が狭くなり、実質上成形が困難
である。一方、ニードルをあらかじめ金型キャビティー
内に設置しておく方法も幾つか提案されている。特開昭
63−281818号公報或いは特開平1−95007
号公報では成形品にボスを設け中空孔を形成するコアピ
ンに貫通穴を設けその先端より加圧流体等を導入する事
でヒケ防止を図る提案があるが、ボスの不要な成形品で
は適用出来ないか、出来たとしても切削による二次加工
が必要となる。また、これらのニードルは特開昭59−
220338号公報に明らかに示されているごとく、金
型開閉軸方向と平行に設置されるのが一般的である。こ
れに対し、特開平3−164222号公報には金型開閉
軸方向と平行でない方向で、金型キャビティー内にニー
ドルを設置する方法が開示されているが、この方法では
単にニードルの挿入方向の自由度を待たすための方法を
開示しているだけであり、高強度が必要であり、中実構
造を形成したい部分に上手くコントロールして中実構造
を設ける事は困難であると共に、中実構造部分を持った
外観の優れた中空成形品を得る事は困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点を解決する為なされたもので、強度を必要と
する中実部を必要な部位に設け、且つ中空部を設けるこ
とによる軽量化、ヒケ防止等の一般的な利点を損うこと
なく、優れた外観を併せ持つ中空成形品を成形する方法
並びにその成形方法により得られた中空成形品を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するため鋭意研究し、本発明に至った。即ち、本発
明は、熱可塑性樹脂を用い、成形品内部に挿入されるよ
うに設置されたニードルから加圧流体を導入する成形方
法により中実部と中空部を共に有する成形品を成形する
に際し、該ニードルを該成形品の中実部とする部分から
挿入し、射出された樹脂の流動を、中空部とする部分に
おいて実質的に該ニードルの長さ全体にわたり分断しな
いように設置したことを特長とする成形方法、並びにこ
のような成形方法により得られる成形品に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本願の請求項1に記載の如く、熱可塑性樹脂を用い、成
形品内部に挿入されるように設置されたニードルから加
圧流体を導入する成形方法により中実部と中空部を共に
有する成形品を成形するに際し、該ニードルを該成形品
の中実部とする部分から中空部とする部分の方向に挿入
することにより、中空部とする部分にはニードル挿入穴
による外観的問題が解消される。また、加圧流体を導入
するためのニードルを、射出された樹脂が中空部とする
部分に充填される流れが中空部とする部分に突出した該
ニードルの長さ全体にわたり実質的に分断しないように
設置することにより、ウエルドラインやフローマークと
いった外観不良の問題を生じさせない。そして、加圧流
体の導入口であるニードルの先端が中空部とする部分の
中心付近に設置してあるため、加圧流体を中心付近に樹
脂の充填方向に沿って導入する事ができ、中空部とする
部分の樹脂厚みが加圧流体の導入により大きく偏在する
現象を防ぐ事が出来る。更にニードルの長さを調整する
ことにより、中実とする部分を確実に設ける事が出来
る。加えて、ニードル挿入穴が中空部表面に露出しない
為、本来外観を必要とする中空部全体を意匠面とする事
が可能となり、デザイン上の自由度が増す。
【0007】本発明で用いられるニードルの形状として
は、まっすぐでも湾曲していても、弁構造があってもな
くても構わず、流体噴出孔の形状や方向も問わない。ま
た、ニードルは成形品の形状並びに金型構造に応じ、金
型に固定してあってもよいし、機械的要素により金型キ
ャビティに挿入、引き抜きが出来る状態であってもよ
い。その長さは、本願の請求項3に記載の如く、中実部
とする部分から中空部とする部分に5mm以上突出してい
ることが望ましい。ニードルの突出長さが5mm未満であ
ると、成形品のばらつきによりニードル先端から導入さ
れる加圧流体が樹脂を押し広げ、中実部とする部分まで
中空部分を設けてしまい、選択的に中空部を設けること
が出来なくなることがあり、好ましくない。また、5mm
以上であれば、特別な成形条件を選ばずとも操作性や製
品形状、中空部の範囲など中実部を選択的に設ける以外
の点に問題が生じない限り特に制約はない。
【0008】熱可塑性樹脂は射出成形機により一定量可
塑化し、金型キャビティ内に充填後、金型内に設けたニ
ードルより加圧流体をキャビティ内の樹脂中に導入し、
樹脂を加圧流体の圧力によりキャビティ壁に押し付ける
ことによりキャビティの形状に樹脂を成形する。この
際、可塑化する樹脂の量は、キャビティを完全に満たす
に十分な量であってもよいし、そうでなくともよく、30
容量%以上であればよいが、本願の請求項2に記載の如
く、後者のほうが望ましい。樹脂をキャビティを完全に
満たすに十分な量を可塑化し、充填した場合、加圧流体
導入により押し出された余分な樹脂を流し込む副キャビ
ティを設けると更に良い外観が得られる。
【0009】用いられる加圧流体は金型キャビティに注
入された樹脂にニードルから導入出来、樹脂の内部から
樹脂を金型壁面に自身の圧力をもって押し付けることが
出来ればよいが、取扱いの容易さ、注入及び排出の容易
さなどから、本願の請求項6に記載の如く、気体である
ことが好ましく、さらには、安価なこと、危険性の低
さ、環境や健康への安全性などから、本願の請求項7に
記載の如く、窒素ガスまたは空気が望ましい。
【0010】用いられる熱可塑性樹脂は、特に制約はな
いが、その中で、結晶性熱可塑性樹脂は一般に非晶性熱
可塑性樹脂に比べ固化速度が速く、樹脂圧力に比べ低い
流体圧力で金型に押さえつけることになる中空成形では
良外観の成形品を得ることが難しいが、本願の請求項4
に記載の如く、本発明はこの様な外観を出しにくい結晶
性樹脂でも容易に良い外観を出す事が出来る。中でも、
本願の請求項5に記載の如く、ポリアミド、ポリアセタ
ール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサ
ルファイドから選ばれた少なくとも1種を主成分とする
樹脂は機械的特性や耐薬品性が良い為、このような強度
の必要な中実とする部分と、外観が重要となる中空部と
する部分とを併せ持つ形状の成形品については特に適し
た材料である。これら樹脂には主成分とする樹脂以外
に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリブチレンテレフタレート以外のポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルアミド樹脂、
ポリフェニレンオキサイド樹脂などの他の熱可塑性樹
脂、安定剤、滑剤、可塑剤、核剤、帯電防止剤、着色剤
などの添加剤、グラファイト、タルク、マイカ、ガラス
フレーク、ガラスバルーン、ガラス繊維、カーボン繊
維、ウィスカー繊維などの充填剤などが配合されていて
も構わない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を車両用レバースイッチノブを
例にとり具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。図1は棒状をした車両用レバースイ
ッチノブの外観図であり、図2は成形品を得るためのキ
ャビティ形状並びにゲート及びニードル配置である。こ
こで(2)−Xが中実部、(3)−Xが中空部とする部
分である。図示されるように、ニードル(1)は金型キ
ャビティの強度が必要で中実部とする部分(2)から
(3)の方向に挿入され、中空部とする部分(3)にお
いて実質的にニードル(1)の突出部分全体にわたり分
断しないように、本願の請求項8に記載の如く、中空部
とする部分(3)の中心軸方向に設置してある。又、ニ
ードル(1)は製品形状及び金型構造上、成形品突き出
し方向と異なる方向に設けてあるので、駆動自在にして
金型キャビティ(2)、(3)から引き抜いた後に成形
品の突き出しをしている。図2に示す形状とニードル配
置で成形を行なう場合、樹脂の流れは中空部とする部分
(3)に突出したニードルにより分断されない為、樹脂
の流動を乱す事が無く樹脂注入を行なう事ができ、外観
を損ねる原因であるウエルドラインやフローマークの発
生が防止できた。また、加圧流体の導入口であるニード
ル(1)の先端が中空部とする部分(3)の中心付近に
設置してあるため、中空部とする部分(3)の中心に加
圧流体を導入する事ができ、中空部とする部分(3)の
偏肉を防ぐ事が出来た。尚、このニードル(1)が5mm
より短い場合は、成形条件をせまい範囲でコントロール
しないと、導入した加圧流体が中実とする部分(2)ま
で流れ込み、中実部が形成されないといった不良が発生
した。
【0012】実施例1 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビティ形状並び
にゲート及びニードル配置である金型(図2)で成形を
行なった。中実とする部分(2)から中空とする部分
(3)方向に突出しているニードルの長さは5mmとし
た。射出成形機にて、金型温度80℃で、樹脂温度 270℃
のガラス繊維20重量%充填ポリブチレンテレフタレート
(PBT)樹脂を金型キャビティ内に完全に充填しない
量を計量後、ゲートから金型キャビティ内に射出した。
樹脂注入後、保圧を保持し成形機スクリュー位置を固定
した状態で10MPa に加圧した窒素ガスをニードルより金
型キャビティ内に導入した。窒素ガス導入から約30秒間
そのままの状態で冷却した後、成形品中の加圧窒素ガス
をニードルより排出し、ニードルを機械的操作で金型キ
ャビティ内より引き抜き、金型を開いた後、成形品を取
り出した。ガスを注入しない状態で、ショートショット
法により樹脂の充填状態を観察したところ、中空部でニ
ードルにより樹脂の流動は分断されておらず、図2の矢
印で示した方向にニードルに沿って安定した状態で注入
されていた。また、得られた成形品の外観を観察したと
ころ、中空部にウエルドラインやフローマークなどの外
観不良やニードル跡もなく、優れた外観の成形品が得ら
れた。さらに成形品を切断して内部を観察したところ、
図2に示したように中実部、中空部が選択的に形成さ
れ、中空部の樹脂厚みの大きな偏在も無かった。
【0013】実施例2〜5 樹脂材料ならびに成形温度条件を、ガラス繊維20重量%
充填ポリアミド樹脂(金型温度:80℃、樹脂温度: 280
℃)、ガラス繊維10重量%充填ポリアセタール樹脂(金
型温度:80℃、樹脂温度: 200℃)、無充填ポリアセタ
ール樹脂(金型温度:80℃、樹脂温度: 200℃)、ガラ
ス繊維40重量%充填ポリフェニレンサルファイド樹脂
(金型温度: 150℃、樹脂温度: 330℃)とし、実施例
1で用いた金型を用い、成形を行った。成形条件は実施
例1と同じで、冷却時間のみ材料によって適宜変更し
た。得られた成形品は実施例1と同様に良好なものであ
った。
【0014】実施例6 実施例1と同じキャビティ形状並びにゲート及びニード
ル配置であるが、中実とする部分(2)から中空とする
部分(3)方向に突出しているニードルの長さを4mmと
した金型(図3)で成形を行なった。実施例1と同じ材
料を使用し、同じ条件で成形品を作成した。得られた成
形品を切断して内部を観察したところ、図3に示したよ
うに中実としたい部分にも窒素ガスが入り込み、中空部
が形成されているものが混ざっていた。この中実とした
い部分にも中空部が形成されている成形品の中実とした
い部分の曲げ強度を測定したところ、実施例1と比較し
て低下していた。但し、成形条件を検討したところ、ガ
スの導入タイミング及び圧力を特定の条件巾の範囲に設
定することで、実施例1と同様の成形品を安定して得ら
れることが判った。
【0015】比較例1 図4に示すキャビティ形状並びにゲート及びニードル配
置である金型で成形を行なった。成形品の形状、外寸法
は実施例1と同様であるが、加圧流体の導入をゲート以
前の流路の途中から導入する様にした。上記金型を用
い、実施例1と同様にして成形品を得た。得られた成形
品はウエルドラインやフローマークが無く、中空部の偏
肉も無く外観は良好であったが、図4に示されるように
ゲート部や中実としたい部分にも中空部が形成されてい
た。
【0016】比較例2 図5に示すキャビティ形状並びにゲート及びニードル配
置である金型で成形を行なった。成形品の形状、外寸法
は実施例1と同様であるが、ニードルを中空部としたい
部分に直接挿入する様にした。上記金型を用い、実施例
1と同様にして成形品を得た。この場合、成形条件幅が
狭くなり、得られた成形品の外観にもフローマークが発
生しており、ニードル跡も中空部表面に残るなど、外観
上問題であった。また、実施例1と同様に樹脂の充填状
態を観察したところ、図5で矢印で示したようにニード
ルにより樹脂の流れが分断され、阻害されており、そこ
にはウエルドが発生していた。成形品を切断して内部を
観察したところ、ニードル挿入部付近に樹脂厚みの偏在
が見られた。
【0017】比較例3 図6に示すキャビティ形状並びにゲート及びニードル配
置である金型で成形を行なった。成形品の形状、外寸法
は実施例1と同様であるが、ニードルを中空部としたい
部分に設けた突起に挿入する様にした。上記金型を用
い、実施例1と同様にして成形品を得た。得られた成形
品には図6に示されるように中実部、中空部が選択的に
形成され、ウエルドラインやフローマークといった不良
も見られなかった。しかし、流体注入のための突起部分
の切削加工が必要であり、加工後には中空部表面に加工
跡とニードル挿入穴が残り、外観上問題であった。
【0018】
【発明の効果】本発明により、中実部、中空部を合わせ
持つ成形品を、中空部表面にニードル挿入跡並びにウエ
ルドマークやフローマークといった外観不良が無いよう
に成形する方法並びにそのような成形方法で得られた優
れた外観と強度を併せ持つ成形品を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 棒状の車両用レバースイッチノブの外観図で
あり、(a) は平面図、(b) は側面図である。
【図2】 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビテ
ィ形状並びにゲート及びニードル配置である金型を説明
する実施例1に対応する図であり、(a) は図1のAA’
断面図、(b) は図1のBB’断面図に対応する。
【図3】 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビテ
ィ形状並びにゲート及びニードル配置である金型を説明
する、中実部にガスが入り込み、中空部が形成されてい
る実施例6に対応する図であり、(a) は図1のAA’断
面図、(b) は図1のBB’断面図に対応する。
【図4】 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビテ
ィ形状並びにゲート及びニードル配置である金型を説明
する比較例1に対応する図であり、(a) は図1のAA’
断面図、(b) は図1のBB’断面図に対応する。
【図5】 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビテ
ィ形状並びにゲート及びニードル配置である金型を説明
する比較例2に対応する図であり、(a) は図1のAA’
断面図、(b) は図1のBB’断面図に対応する。
【図6】 図1に示す棒状成形品を得るためのキャビテ
ィ形状並びにゲート及びニードル配置である金型を説明
する比較例3に対応する図であり、(a) は図1のAA’
断面図、(b) は図1のBB’断面図に対応する。
【符号の説明】
(R) ランナ (G) ゲート (1) 加圧流体導入ニードル (2)−X 製品部で中実部とする部分 (2) 金型キャビティにおける(2)−Xに対応部分 (3)−X 製品部で中空部とする部分 (3) 金型キャビティにおける(3)−Xに対応部分 (4) 樹脂の流れ方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 81:00 B29L 22:00 (72)発明者 紺谷 雅樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA25 AA29 AA37 AB25 AG06 AG14 AG21 AH17 AM36 AR12 CA11 CB01 CK06 CK17 4F206 AA25 AA29 AA37 AB25 AG06 AG14 AG21 AH17 AM36 AR12 JA05 JL02 JM04 JN27 JQ81

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を用い、成形品内部に挿入
    されるように設置されたニードルから加圧流体を導入す
    る成形方法により中実部と中空部を共に有する成形品を
    成形するに際し、該ニードルを該成形品の中実部とする
    部分から挿入し、射出された樹脂の流動を、中空部とす
    る部分において実質的に該ニードルの長さ全体にわたり
    分断しないように設置したことを特長とする成形方法。
  2. 【請求項2】 金型のキャビティ内の全てを満たさない
    ように溶融樹脂を注入し、次いで加圧流体を該樹脂内に
    導入することによる請求項1記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 加圧流体導入ニードルの成形品内部に挿
    入される部分のニードルの中実部から中空部に突出して
    いる長さが5mm以上である請求項1又は2記載の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である請求項
    1〜3の何れか1項記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 結晶性樹脂がポリアミド、ポリアセター
    ル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサル
    ファイドから選ばれた少なくとも1種を主成分とする樹
    脂である請求項4記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 加圧流体が気体である請求項1〜5の何
    れか1項記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 加圧流体が窒素ガス又は空気である請求
    項6記載の成形方法。
  8. 【請求項8】 ニードルを成形品の棒状部分における中
    心軸方向に沿って設置した請求項1〜7の何れか1項記
    載の成形方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項記載の成形方
    法で得られる成形品。
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