JP2000070410A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents

マルチピースソリッドゴルフボール

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JP2000070410A
JP2000070410A JP10249260A JP24926098A JP2000070410A JP 2000070410 A JP2000070410 A JP 2000070410A JP 10249260 A JP10249260 A JP 10249260A JP 24926098 A JP24926098 A JP 24926098A JP 2000070410 A JP2000070410 A JP 2000070410A
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golf ball
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shore
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博士 樋口
Hisashi Yamagishi
久 山岸
Junji Hayashi
淳二 林
Shunichi Kashiwagi
俊一 柏木
Akira Kawada
明 川田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ソリッドコアと、該コアを被覆する少な
くとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なくとも
一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボ
ールにおいて、上記中間層がショアD硬度8〜35の熱
可塑性樹脂を主材として形成されると共に、上記カバー
が熱可塑性樹脂を主材として形成され、そのショアD硬
度が40以上57未満であり、かつカバーのショアD硬
度が中間層のショアD硬度より15以上高いことを特徴
とするマルチピースソリッドゴルフボール。 【効果】 本発明によれば、アプローチショット、パッ
ティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングとアイ
アンショット時に高いスピン性能を有し、コントロール
性が良好であると共に、ドライバーでのフルショット時
に優れた飛び性能を有するマルチピースソリッドゴルフ
ボールが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソリッドコアと中
間層とカバーとを備えた少なくとも3層構造のマルチピ
ースソリッドゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、数多く提案されているツーピースソリッドゴルフボ
ールは、糸巻きゴルフボールに比べてドライバーショッ
ト、アイアンショットともに所謂棒球と言われる弾道を
有すると共に、そのスピンがかかりにくい構造特性によ
り、ランが多く出ることからトータル飛距離が増大する
という利点を備えている。
【0003】その反面、ツーピースソリッドゴルフボー
ルは、糸巻きゴルフボールに比べて、アイアンショット
ではスピンがかかりにくいためにグリーン上で止まりづ
らく、コントロール性の点で劣る傾向がある。
【0004】一方、ゴルフボールは、飛距離の増大と共
に、打撃時の軟らかい打感が必須の要素であり、これが
ないと商品価値が損なわれてしまうものである。そし
て、一般に糸巻きゴルフボールは、ツーピースソリッド
ゴルフボールに比べて軟らかく良好な打感が得られる構
造特性を有している。
【0005】このため、コアとカバーとからなるツーピ
ースソリッドゴルフボールにおいて打撃時の軟らかい打
感を達成すべく、ボール構造を軟化させることが一般に
行われている。
【0006】しかしながら、このような軟らかいタイプ
のツーピースソリッドゴルフボールは、一般に軟らかい
コアを用いているが、コアを軟らかくしすぎると、反発
性が低下して飛び性能が低下すると共に、耐久性も著し
く低下し、ツーピースソリッドゴルフボールの特徴であ
る優れた飛び性能及び耐久性が得られないばかりか、実
際の使用に耐え難くなってしまうという問題があった。
【0007】最近、このような問題点を解決すべく、コ
アとカバーとの間に中間層を設けたスリーピースソリッ
ドゴルフボールが数多く提案されている(特開平7−2
4084号公報、特開平6−23069号公報、特開平
4−244174号公報、特開平9−10358号公
報、特開平9−313643号公報等参照)。
【0008】しかしながら、これらの提案においても、
カバー及び中間層を軟らかく形成すると、フィーリング
は軟らかくなるが、ドライバーでのフルショット時の飛
距離が低下してしまう。逆に、飛距離を得ようとする
と、カバー及び中間層を硬く形成しなければならず、結
果としてアプローチショット、パッティング時における
打感が悪くなり、またアイアンショットでのスピン性能
も低下してしまい、いずれにしても十分要望に応えたソ
リッドゴルフボールは未だ得られておらず、更なる改良
が望まれていた。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ソリッドコアと中間層とカバーとを備えた少なくと
も3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールにおい
て、アプローチショット、パッティング時に非常に軟ら
かい良好なフィーリングとアイアンショットでの良好な
コントロール性を有すると共に、ドライバーでのフルシ
ョット時に優れた飛び性能を有するマルチピースソリッ
ドゴルフボールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、ソリッドコアと中間層とカバーとを備えた少なくと
も3層構造のマルチピースソリッドゴルフボールにおい
て、中間層に非常に軟らかい高反発な層を設けることに
より、比較的軟らかめのカバーを用いてもソリッドゴル
フボールの特徴である飛距離を減少させることなく、ア
イアンショット時に高いスピン性能を有し、コントロー
ル性が良好であると共に、アプローチショット、パッテ
ィング時に非常に軟らかい良好なフィーリングを有する
マルチピースソリッドゴルフボールが得られることを知
見した。
【0011】即ち、ソリッドコアと、該コアを被覆する
少なくとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なく
とも一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴル
フボールにおいて、好ましくはソリッドコアをゴム基
材を主材として形成し、その比重を1.1〜1.5、コ
アに100kgの荷重をかけたときの変形量を2.5m
m以上と比較的軟らかく形成すること、このコアを被
覆する中間層をショアD硬度8〜35の非常に軟らかな
熱可塑性樹脂、特に、(A)熱可塑性ポリエステル系エ
ラストマーと、(B)オレフィン系エラストマー及びそ
の変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及びその
水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性エ
ラストマーとを混合してなる加熱混合物を主材として形
成するか、又は(B)成分の熱可塑性エラストマーを主
材として形成すること、この中間層を被覆するカバー
を比較的軟らかめの熱可塑性樹脂、特にショアD硬度が
40以上57未満のアイオノマー樹脂を主材として形成
し、このカバーのショアD硬度を中間層のショアD硬度
より15以上高くなるように形成することにより、これ
ら〜が相乗的に作用して、アプローチショット、パ
ッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングと、
アイアンショット時の高いスピン性能とを有すると共
に、ドライバーでのフルショット時に優れた飛び性能を
有する今までにないマルチピースソリッドゴルフボール
が得られることを見出し、本発明を完成したものであ
る。
【0012】従って、本発明は、(1)ソリッドコア
と、該コアを被覆する少なくとも一層の中間層と、該中
間層を被覆する少なくとも一層のカバーとを備えたマル
チピースソリッドゴルフボールにおいて、上記中間層が
ショアD硬度8〜35の熱可塑性樹脂を主材として形成
されると共に、上記カバーが熱可塑性樹脂を主材として
形成され、そのショアD硬度が40以上57未満であ
り、かつカバーのショアD硬度が中間層のショアD硬度
より15以上高いことを特徴とするマルチピースソリッ
ドゴルフボール、(2)上記ソリッドコアがゴム基材を
主材として形成され、その比重が1.1〜1.5である
と共に、このソリッドコアに100kgの荷重をかけた
ときの変形量が2.5mm以上である(1)記載のマル
チピースソリッドゴルフボール、(3)上記中間層が、
(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと(B)オ
レフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレ
ン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる
1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとの加熱混合
物を主材として形成されるか、又は(B)成分の熱可塑
性エラストマーを主材として形成されたものである
(1)又は(2)記載のマルチピースソリッドゴルフボ
ール、(4)中間層の厚みが0.2〜5.0mmである
(1),(2)又は(3)記載のマルチピースソリッド
ゴルフボール、及び(5)上記カバーがアイオノマー樹
脂を主材として形成され、その厚みが1.0〜5.0m
mである(1)乃至(4)のいずれか1項記載のマルチ
ピースソリッドゴルフボールを提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールGは、
図1に示したように、ソリッドコア1と、該コア1を被
覆する少なくとも一層の中間層2と、該中間層2を被覆
する少なくとも一層のカバー3とを備えたものである。
【0014】上記ソリッドコア1は、ポリブタジエンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴムを
主成分とする基材ゴムを主材とするゴム組成物から形成
することができるが、特に反発性を向上させるためには
ポリブタジエンゴムが好ましい。ポリブタジエンゴムと
しては、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−
1,4−ポリブタジエンが好適である。また、この基材
ゴム中には、所望により上記ポリブタジエンに天然ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなど
を適宜配合することができるが、ポリブタジエンゴム成
分を多くすることによりゴルフボールの反発性を向上さ
せることができるので、これらポリブタジエン以外のゴ
ム成分はポリブタジエン100重量部に対して10重量
部以下とすることが好ましい。
【0015】上記ゴム組成物には、ゴム成分以外に架橋
剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和
脂肪酸の亜鉛塩,マグネシウム塩やトリメチルプロパン
メタクリレート等のエステル化合物などを配合し得る
が、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用
し得る。これら架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量
部に対し15〜40重量部であることが好ましい。
【0016】また、ゴム組成物中には、通常、ジクミル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイドと1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサンの混合物等の加硫剤が配合されており、
この加硫剤の配合量は基材ゴム100重量部に対し0.
1〜5重量部とすることができる。
【0017】上記ゴム組成物には、更に必要に応じて、
老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸
バリウム等を配合することができ、これら充填剤の配合
量は、基材ゴム100重量部に対し0〜130重量部で
ある。
【0018】そして、上記コア用ゴム組成物は、通常の
混練機(例えばバンバリーミキサー、ニーダー及びロー
ル等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用
金型を用いてインジェクション成形又はコンプレッショ
ン成形により形成することができる。
【0019】このようにして得られたソリッドコアは、
その直径が好ましくは25〜40mm、より好ましくは
27〜39mm、更に好ましくは30〜38mmであ
り、重量が10〜40g、好ましくは15〜35g、よ
り好ましくは20〜32gであり、比重が1.1〜1.
5、好ましくは1.12〜1.45、より好ましくは
1.15〜1.40である。
【0020】また、ソリッドコアに100kgの荷重を
かけたときの変形量が2.5mm以上、好ましくは2.
8〜6.0mm、より好ましくは3.0〜5.5mm、
更に好ましくは3.3〜5.0mmである。コアの変形
量が2.5mm未満ではフィーリングが硬くなる場合が
あり、一方、6.0mmを超えると反発性が低下してし
まう場合がある。
【0021】なお、コアは一種類の材料からなる単層構
造としても、異種の材料からなる層を積層した二層以上
からなる多層構造としても構わない。
【0022】本発明においては、上記コア1の周囲に少
なくとも一層、好ましくは一層又は二層の中間層2を被
覆形成する。この中間層2はショアD硬度8〜35の非
常に軟らかい熱可塑性樹脂を主成分として形成される。
このように今までにない非常に軟らかな中間層をコアと
カバーとの間に形成することにより、アプローチショッ
ト、パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリン
グを実現し得るものである。
【0023】この中間層の熱可塑性樹脂としては、
(A)熱可塑性ポリエステル系エラストマーと(B)オ
レフィン系エラストマー及びその変性物、並びにスチレ
ン系ブロック共重合体及びその水素添加物から選ばれる
1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーとの加熱混合
物、又は(B)成分の熱可塑性エラストマーを単独で用
いることができる。
【0024】ここで、(A)成分の熱可塑性ポリエステ
ル系エラストマーとしては、テレフタル酸、1,4−ブ
タンジオール及びポリテトラメチレングリコール(PT
MG)若しくはポリプロピレングリコール(PPG)か
ら合成され、ポリブチレンテレフタレート(PBT)部
分をハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコ
ール(PTGM)若しくはポリプロピレングリコール
(PPG)部分をソフトセグメントとするポリエーテル
エステル系のマルチブロックコポリマーが好適である。
具体的には、ハイトレル3078、ハイトレル404
7、ハイトレル4767(東レ・デュポン社製)などの
市販品を用いることができる。
【0025】上記(B)成分のオレフィン系エラストマ
ーとしては、エチレンと炭素数3以上のアルケンとの共
重合体、好ましくはエチレンと炭素数が3〜10のアル
ケンとの共重合体や、α−オレフィンと不飽和カルボン
酸エステルとカルボキシル基又は無水カルボン酸基含有
の重合性モノマーなどが挙げられる。このオレフィン系
エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体
ゴムなどが挙げられる。更にこれらに第三成分としてエ
チレン−プロピレン−非共役ジエン、例えば5−エチリ
デンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−ビニ
ルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブテン等を添
加したエチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合樹脂などが挙げられる。
【0026】このようなオレフィン系エラストマーとし
ては、具体的には、「MITUIEPT」,「タフマ
ー」(三井石油化学工業社製)、「ENGAGE」(ダ
ウ・ケミカル日本社製)、「ダイナロン」(日本合成ゴ
ム社製)などの市販品を用いることができる。
【0027】また、上記オレフィン系エラストマーの変
性物も好適に用いることができ、このような変性オレフ
ィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−エチル
アクリレート共重合樹脂に無水マレイン酸をグラフト変
性したもの等が挙げられ、具体的には、「HPR」(三
井・デュポンポリケミカル社製)などの市販品を用いる
ことができる。
【0028】次に、スチレン系ブロック共重合体として
は、その共役ジエンブロックがブタジエン単独、イソプ
レン単独、又はイソプレンとブタジエンとの混合物から
なる重合体などが好適である。また、これらスチレン系
ブロック共重合体の水素添加物を好適に用いることがで
き、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。
【0029】このようなスチレン共役ジエンブロック共
重合体の水素添加物としては、具体的には、「ダイナロ
ン」(日本合成ゴム社製)、「セプトン」,「ハイブラ
ー」(クラレ社製)、「タフテック」(旭化成工業社
製)などの市販品を用いることができる。
【0030】本発明の中間層は、上記(A)熱可塑性ポ
リエステル系エラストマーと、(B)オレフィン系エラ
ストマー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共
重合体及びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以
上との加熱混合物を主材として形成することができ、こ
の場合、両者の混合比は(A)成分が95重量%以下、
好ましくは(A)/(B)が95〜0/5〜100重量
%、より好ましくは90〜5/10〜95重量%、更に
好ましくは80〜10/20〜90重量%である。
【0031】このような(A),(B)成分の混合物と
しては市販品を用いることができ、例えば「プリマロ
イ」(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
【0032】また、(B)成分のオレフィン系エラスト
マー及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合
体及びその水素添加物から選ばれる1種を単独で、又は
2種以上を組み合わせた熱可塑性エラストマーを中間層
の主材として用いることができる。
【0033】なお、この中間層組成物には上記樹脂成分
以外に、必要に応じて重量調整剤、着色剤、分散剤など
を添加することもできる。
【0034】上記中間層をコアの周囲に被覆する方法と
しては、特に制限はなく、通常のインジェクション成形
又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0035】このようにして成形された中間層は、その
ショアD硬度が8〜35であることが必要であり、好ま
しくは9〜30、より好ましくは10〜29、更に好ま
しくは12〜27、最も好ましくは15〜24である。
ショアD硬度が8未満では中間層が軟らかくなりすぎ、
反発性及び耐久性が低下し、使用に耐え難くなる。一
方、ショアD硬度が35を超えると中間層が硬くなりす
ぎ、アプローチショット、パッティング時の打感が硬く
なり、本発明の目的を達成できない。
【0036】また、中間層の厚みが好ましくは0.2〜
5.0mm、より好ましくは0.5〜4.0mm、更に
好ましくは0.7〜3.5mmである。
【0037】次に、上記中間層2の周囲にカバー3を少
なくとも一層、好ましくは一層又は二層に被覆形成す
る。このカバー3は中間層よりショアD硬度で15以上
硬い熱可塑性樹脂を主材として形成されるものである。
【0038】上記カバーは、通常の熱可塑性樹脂を主材
として形成することができ、例えばアイオノマー樹脂、
ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラスト
マー、オレフィン系エラストマー及びこれらの混合物な
どが挙げられるが、特にアイオノマー樹脂が好ましい。
具体的には「ハイミラン」(三井・デュポンポリケミカ
ル社製)、「サーリン」(デュポン社製)等の市販品を
用いることができる。なお、カバー材には、必要に応じ
てUV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸等の分散剤などを
添加することもできる。
【0039】このカバーを中間層の周囲に被覆する方法
としては、特に制限はなく、通常のインジェクション成
形又はコンプレッション成形を採用することができる。
【0040】このようにして成形されたカバーのショア
D硬度が40以上57未満であり、好ましくは45〜5
6、より好ましくは48〜55、更に好ましくは50〜
54である。カバーのショアD硬度が40未満では、中
間層との硬度差が小さくなりすぎ、一方、57以上では
中間層との硬度差が却って大きくなりすぎ、いずれも本
発明の作用効果を発揮し得なくなる。また、カバーの硬
度が中間層の硬度よりショアDで15以上高いことが必
要であり、好ましくは15〜45、より好ましくは18
〜40である。カバーと中間層との硬度差が15未満で
はカバーが軟らかくなり、反発性が低下する。一方、4
5を超えると硬度差が大きくなりすぎ、耐久性が低下す
る上に、エネルギーロスが大きくなり、飛距離が低下す
る場合がある。
【0041】また、カバーの厚みは1.0〜5.0m
m、好ましくは1.2〜4.0mm、より好ましくは
1.3〜3.0mm、更に好ましくは1.4〜2.5m
mである。
【0042】本発明のマルチピースソリッドゴルフボー
ルは、以上の構成を有し、比較的軟らかめコアと、この
コアを被覆する非常に軟らかい中間層と、この中間層を
被覆する比較的軟らかめのカバーとを組み合わせること
により、これらが相俟って、アプローチショット、パッ
ティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングとアイ
アンショット時に高いスピン性能を有し、コントロール
性が良好であると共に、ドライバーでのフルショット時
に優れた飛び性能を有するものである。
【0043】なお、本発明のゴルフボールは、その表面
に多数のディンプルが形成されており、必要に応じて表
面に塗装及びスタンプなどの仕上げ処理を施すことがで
きる。また、ボール全体の硬度が100kgの荷重を負
荷した時の変形量で好ましくは2.6〜5.5mm、よ
り好ましくは2.8〜4.8mmであり、ボール直径及
び重量はR&Aのゴルフ規則に従い、直径42.67m
m以上、重量45.93g以下に形成することができ
る。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、アプローチショット、
パッティング時に非常に軟らかい良好なフィーリングと
アイアンショット時に高いスピン性能を有し、コントロ
ール性が良好であると共に、ドライバーでのフルショッ
ト時に優れた飛び性能を有するマルチピースソリッドゴ
ルフボールが得られる。
【0045】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。なお、表1,2,3の配合量は総て重量部で
ある。
【0046】〔実施例、比較例〕表1に示した配合処方
のコア用ゴム組成物をニーダーで混練し、コア用金型内
で155℃の温度で約15分間加硫することにより実施
例1〜7、比較例1〜6のソリッドコアを作成した。
【0047】得られたコアの周囲に表2に示した中間層
材及び表3に示したカバー材をそれぞれ射出成形により
被覆形成して、実施例1〜7及び比較例1,2,4,5
のスリーピースソリッドゴルフボールを作成した。
【0048】また、比較例3のスリーピースボールは、
表2の中間層材で予め一対のハーフシェルを成形し、こ
れらハーフシェルでコアを被包し、これを金型内で15
5℃、15分間加硫することにより2重ソリッドコアを
作成し、この2重コアの周囲にカバーを射出成形により
被覆して作成した。なお、比較例6は中間層のないコア
とカバーからなるツーピースゴルフボールである。
【0049】次いで、得られたゴルフボールについて、
下記に示した方法により諸特性を評価した。結果を表
4,5に併記する。ソリッドコア変形量 コアに100kgの荷重をかけたときのコアの変形量
(mm)で表した。飛び性能 ヘッドスピード45m/sec(HS45)にて、ミヤ
マエ社製スイングロボットにより、クラブはドライバー
(#W1)(「PRO230Titan」 ロフト10
度(ブリヂストンスポーツ株式会社製))を用いて実打
した時のキャリー,トータル飛距離、スピン量を測定し
た。また、クラブを9番アイアン(#I9)(「MOD
EL 55−HM」 ロフト44度(ブリヂストンスポ
ーツ株式会社製))に代えてヘッドスピード33m/s
ec(HS33)で実打した時のスピン量を同様に測定
した。打感 プロゴルファー5名により、クラブとしてドライバー
(#W1)、9番アイアン(#I9)及びパター(#P
T)を用いて実打した時の感触を下記基準で評価した。 ○:非常に軟らかい △:普通 ×:硬い連続打撃耐久性 得られたボールをミヤマエ社製スイングロボットによ
り、クラブはドライバー(「PRO230Titan
ロフト10度」(ブリヂストンスポーツ株式会社製))
を用いてヘッドスピード45m/sec(HS45)に
て、繰り返し打撃した後、ボール表面の状態を打撃回数
に応じて相対的に下記基準により評価した。 ○:全く問題なし △:比較的早期に破壊 ×:早期破壊
【0050】
【表1】 *:日本合成ゴム社製 BR01
【0051】
【表2】 *1:「ハイトレル」東レ・デュポン社製ポリエステル
系エラストマー *2:「ペバックス」アトケム社製ポリアミド系エラス
トマー *3:「プリマロイ」三菱化学工業(株)製ポリエステ
ル系エラストマーを主成分とするアロイ材料 *4:「HPR」三井・デュポン社製エチレン・エチル
アクリレート共重合体樹脂の無水マレイン酸グラフト変
性物 *5:「タフテック」旭化成社製スチレン系エラストマ
ー *6:「ハイミラン」三井・デュポンポリケミカル社製
アイオノマー樹脂 *7:「サーリン」デュポン社製アイオノマー樹脂
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】 *8:コア+中間層
【0054】
【表5】 *8:コア+中間層
【0055】表4,5の結果から明らかなように、比較
例1〜5のボールはいずれも中間層のショアD硬度が4
0以上であり、また比較例1,3はカバーのショアD硬
度が63と高く、比較例5のカバーのショアD硬度が5
8であると共に、比較例2〜5はカバーと中間層の硬度
差が15未満であるため、本願発明の作用効果を奏し得
ないものである。
【0056】即ち、比較例1は特開平7−24084号
公報と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライ
バーでのフルショット時の飛距離は比較的増大するが、
9番アイアンでのスピン性能が低下し、パターの打感が
硬く劣るものである。
【0057】比較例2は特開平4−244174号公報
と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバー
でのフルショット時の飛距離が劣るものである。
【0058】比較例3は特開平6−23069号公報と
同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーで
のフルショット時の飛距離が低下し、9番アイアンでの
スピン性能が低下すると共に、ドライバー、9番アイア
ン、パターのいずれにおいても打感が硬く劣るものであ
る。
【0059】比較例4は特開平9−10358号公報と
同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバーで
のフルショット時の飛距離が低下し、打感も硬く劣るも
のである。
【0060】比較例5は特開平9−313643号公報
と同じタイプのスリーピースボールであり、ドライバー
でのフルショット時の飛距離は比較的増大するが、ドラ
イバーでの打感が硬く劣るものである。
【0061】また、比較例6は軟らかいタイプのツーピ
ースソリッドゴルフボールであり、ドライバーでのフル
ショット時の飛距離が低下し、9番アイアンでのスピン
性能が極めて低く、連続打撃耐久性が著しく劣るもので
ある。
【0062】これに対して、実施例1〜7のスリーピー
スボールは、ドライバー、9番アイアン、パターのいず
れにおいても打感が非常に軟らかく良好であると共に、
9番アイアンショットで高スピン性能を有し、ドライバ
ーでのフルショット時の飛距離が飛躍的に増大するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマルチピースソリッド
ゴルフボールの断面図である。
【符号の説明】
1 ソリッドコア 2 中間層 3 カバー G ゴルフボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 淳二 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 (72)発明者 柏木 俊一 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 (72)発明者 川田 明 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソリッドコアと、該コアを被覆する少な
    くとも一層の中間層と、該中間層を被覆する少なくとも
    一層のカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボ
    ールにおいて、上記中間層がショアD硬度8〜35の熱
    可塑性樹脂を主材として形成されると共に、上記カバー
    が熱可塑性樹脂を主材として形成され、そのショアD硬
    度が40以上57未満であり、かつカバーのショアD硬
    度が中間層のショアD硬度より15以上高いことを特徴
    とするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 【請求項2】 上記ソリッドコアがゴム基材を主材とし
    て形成され、その比重が1.1〜1.5であると共に、
    このソリッドコアに100kgの荷重をかけたときの変
    形量が2.5mm以上である請求項1記載のマルチピー
    スソリッドゴルフボール。
  3. 【請求項3】 上記中間層が、(A)熱可塑性ポリエス
    テル系エラストマーと(B)オレフィン系エラストマー
    及びその変性物、並びにスチレン系ブロック共重合体及
    びその水素添加物から選ばれる1種又は2種以上の熱可
    塑性エラストマーとの加熱混合物を主材として形成され
    るか、又は(B)成分の熱可塑性エラストマーを主材と
    して形成されたものである請求項1又は2記載のマルチ
    ピースソリッドゴルフボール。
  4. 【請求項4】 中間層の厚みが0.2〜5.0mmであ
    る請求項1,2又は3記載のマルチピースソリッドゴル
    フボール。
  5. 【請求項5】 上記カバーがアイオノマー樹脂を主材と
    して形成され、その厚みが1.0〜5.0mmである請
    求項1乃至4のいずれか1項記載のマルチピースソリッ
    ドゴルフボール。
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